JP2018052780A - ガラス管 - Google Patents

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【課題】屋外で使用される、雨水等による汚れによるガラスの変質、特にウエザリングの発生が少ないガラス管の提供。【解決手段】ガラス組成として、酸化物基準の質量%表示で、SiO2:40〜80%、Al2O3:0.1〜4%、Na2O:10〜25%、アルカリ土類金属酸化物RO(Rは、Mg、Ca、Sr、およびBaから選択される少なくとも1種のアルカリ土類金属を示し、ROは、MgO、CaO、SrO、BaOの合計量をいう。):1〜20%含有し、ガラスの厚さ方向の中心部よりもナトリウム濃度が低いイオン交換層を外周面に具備し、外周面のイオン交換層の表面に水分遮蔽層を具備するガラス管。【選択図】なし

Description

本発明は、撮像装置を保護するガラス管に関する。
監視を目的として、屋外や屋内に常時設置される固定型カメラが用いられている。これらカメラは、例えば屋外に設置される場合、保護部材として機能する前面ガラスが雨水等で汚れ、撮像画像が見にくくなる問題がある。そのため、この問題を回避するために各種の提案がなされている(特許文献1、特許文献2)。
特開2000−171878号公報 特開2005−192114号公報
前述の先行技術文献では、ガラスに付着する雨水等の汚れへの対策はなされているものの、ガラス自体の変質に対する考慮はされていない。
監視カメラが屋外に常時設置される場合、ガラスは大気中の水分の影響により表面が劣化するおそれがある。このガラス表面の劣化は、半製品保管中あるいは製品使用中にガラス表面に白濁状の変化となって現れるウエザリングと呼ばれる白曇り現象である。ガラスにウエザリングが発生した場合、ガラス管の内部に撮像装置を用いてガラス管を介して撮像を行うと、ガラス表面の白曇りにより画像が悪影響を受けるおそれがある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、ガラスの変質、特にウエザリングの発生が少ないガラス管の提供を目的とする。
本発明のガラス管は、ガラス組成として、質量%でSiO 40〜80%、Al 0.1〜4%、NaO 10〜25%、RO 1〜20%含有し、ガラスの厚さ方向の中心部よりもナトリウム濃度が低いイオン交換層を外周面に具備することを特徴とする。
本発明のガラス管は、ガラスにウエザリングが発生することを抑制できる。そのため、ガラス管の内部の撮像装置にて得られる撮像画像は悪影響を受けることがない。
例1のガラス管の高温高湿試験前後の分光透過率を示す図である。 例2のガラス管の高温高湿試験前後の分光透過率を示す図である。 例3のガラス管の高温高湿試験前後の分光透過率を示す図である。
以下、本発明に係るガラス管の実施の形態について説明する。
本発明のガラス管は、ガラス組成として、質量%でSiO 40〜80%、Al 0.1〜4%、NaO 10〜25%、RO 1〜20%含有し、ガラスの厚さ方向の中心部よりもナトリウム濃度が低いイオン交換層を外周面に具備する。
イオン交換層は、ガラス管の外周の表面に設けられるものであって、ガラス管を例えば屋外や湿度の高い環境で用いる場合であっても、ガラス管にウエザリングが発生することを抑制できる。
イオン交換層は、ガラス表面のナトリウム成分をカリウム成分と置換することで、ガラスの厚さ方向の中心部よりもナトリウム濃度が低い。ガラスのウエザリングとは、雰囲気中の水分とガラス表面のナトリウム成分とが反応し、微細な結晶が析出することで、ガラス表面に白曇りとして視認される。そのため、ガラス表面のナトリウム濃度を低くすることで、前述の結晶の析出を抑制することができる。
イオン交換層は、例えば、400℃〜550℃の溶融塩中にガラス管を1〜96時間程度浸漬することで行うことができる。イオン交換処理に用いる溶融塩としては、カリウムイオン含むものであれば、特に限定されないが、例えば硝酸カリウム(KNO)の溶融塩が好適に用いられる。その他、硝酸カリウム(KNO)と硝酸ナトリウム(NaNO)とを混合した溶融塩を用いてもよい。
イオン交換層は、ガラス管の表面の深さ方向に3μm〜50μm設けられることが好ましい。深さが3μm未満であるとイオン交換層が薄すぎてウエザリングを十分に抑制することができない。また深さが50μm超であると、イオン交換層を形成するのに時間を要し、生産性が良くない。
イオン交換層は、ガラス表面のナトリウム成分をカリウム成分に置換するため、ガラス管の表面の深さ方向に表面圧縮応力を有する。ガラス管を薄肉とすることで軽量化しつつ、高い強度を得るためには、イオン交換層は、ガラス管の表面の深さ方向に3μm〜50μmの表面圧縮応力を有する層(以下、DOLということがある)とすることが好ましい。
DOLが3μm未満だと接触傷がDOLよりも深く入った場合に、ガラス管の機械的強度が低下するおそれがある。また、DOLが50μm超であると、強化処理後にガラス管を切断加工しにくい。DOLは、5μm〜40μmが好ましく、7μm〜30μmがより好ましい。
表面圧縮応力を有する層の圧縮応力(以下、CSということがある)は、例えば、300MPa以上、500MPa以上、700MPa以上、900MPa以上となるように強化処理されていることが好ましい。CSの数値が高くなることで強化ガラスの機械的強度が高くなる。一方、CSが高くなりすぎるとガラス内部の引張応力が極端に高くなるおそれがあるため、CSは1400MPa以下とすることが好ましく、1300MPa以下とすることがより好ましい。
ガラス管の表面に形成されるCSおよびDOLは、例えば、表面応力計(折原製作所社製、FSM−6000)を用いて、干渉縞の本数とその間隔を観察して求めることができる。
イオン交換層は、ガラス管の外周面だけでなく、内周面にも具備してよい。ガラス管の外周面および内周面にイオン交換層を備える場合、ガラス管の内面のウエザリングの発生を抑制することができる。また、ガラス管の外周面および内周面にそれぞれ圧縮応力が発生するため、高い機械的強度を備えるガラス管とすることができる。
ガラス管は、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス等の所望の特性に応じたガラス組成を用いることができる。ガラス管は、例えば、所望のガラス組成となるように調合したガラス原料を溶融炉に投入し、ガラス原料を1000〜1600℃で加熱溶融し、溶融したガラスを清澄する。その後、成形装置を用いて溶融ガラスを管状に成形、一定の長さに切断し、徐冷する。
ガラス管本体を管形状に成形する方法としては、ダンナー法、ベロー法、ブロー法等の公知の方法を用いることができる。また、ガラス旋盤を用いて、ガラス管を拡張することで、所望の管径のガラス管を得てもよい。また、フロート法やオーバーフローダウンドロー法により成形された板ガラスを、円弧状に曲げ、それらを1つもしくは複数個つなぎ合わせることでガラス管に成形してもよい。
ガラス管本体は、一実施形態として、ガラス組成として、酸化物基準の質量%で、SiO 40〜80%、Al 0.1〜4%、NaO 10〜25%、RO 1〜20%含有する。以下、組成に関する化学成分の含有量は、特に説明がない限り酸化物基準の質量%表示である。
SiOは、ガラスの骨格を構成する成分であり、必須である。この実施形態におけるSiOの含有量は40〜80%である。SiOの含有量が40%未満ではガラスとしての安定性が低下する、または耐候性が低下する。この含有量は、好ましくは50%以上であり、より好ましくは58%以上である。また、SiOの含有量が80%超では、ガラスの粘性が増大し、溶融性が著しく低下する。この含有量は、好ましくは75%以下、典型的には70%以下である。
Alは、ガラスの耐候性を向上させる成分であり、必須である。この実施形態におけるAlの含有量は0.1〜4%である。Alの含有量が4%超では、ガラスの粘性が高くなり、均質な溶融が困難になる。この含有量は、好ましくは3.5%以下、典型的には3%以下であり、Al含有量が0.1%未満では、耐候性が低下する。この含有量は好ましくは0.2%以上であり、より好ましくは0.3%以上である。
NaOは、ガラスの溶融性を向上させる成分であり、必須である。この実施形態におけるNaOの含有量は10〜25%である。NaO含有量が10%未満では、溶融性が悪い。この含有量は好ましくは11%以上、典型的には12%以上である。NaO含有量が25%超では、耐候性が低下する。この含有量は好ましくは23%以下、典型的には21%以下である。
アルカリ土類金属酸化物RO(Rは、Mg、Ca、Sr、およびBaからなる群より選択される少なくとも1種のアルカリ土類金属を示す。また、ROは、MgO、CaO、SrO、BaOの合計量をいう。)は、溶融性や成形性を向上させる成分であり、必須である。ROの含有量が20%超では、ガラスが失透し易くなるため好ましくない。ROの含有量は、好ましくは18%以下、より好ましくは17%以下である。ROの含有量が1%未満では、溶融性や成形性を向上させる効果を十分に得ることができない。ROの含有量は、好ましくは2%以上、より好ましくは3%以下である。
ガラス管の紫外線透過率を抑制するため、ガラス中にFe0.01〜0.3%および/またはTiO 0.0001〜0.1%を含有してもよい。ガラス管の内部に樹脂部材を設ける場合、ガラス管の紫外線透過率が高いと樹脂部材が劣化するおそれがある。ガラス中にFeやTiOの各成分を含有することでガラス管の紫外線透過率を抑制することができる。
Feが0.01%未満であると、ガラス管の紫外線透過率が高くなるため好ましくない。また、Feが0.3%超であると、ガラス管が着色し、可視領域の波長の光の透過率が低くなるため好ましくない。Feは、好ましくは0.02〜0.15%であり、より好ましくは0.03〜0.18%である。TiOが0.0001%未満であると、ガラス管の紫外線透過率が高くなるため好ましくない。また、TiOが0.1%超であると、ガラス管が着色し、可視領域の波長の光の透過率が低くなるため好ましくない。TiOは、好ましくは0.0005〜0.08%であり、より好ましくは0.001〜0.01%である。FeとTiOとは、いずれか一方のみガラス管に含有してもよいし、両方を含有してもよい。
前述の各成分以外に所望の特性を得ることを目的に、適宜の成分を含有してもよい。また、清澄剤として、Sb、CeO、F、SO、Clの群から選択された一種又は二種以上を0.001〜3%含有させてもよい。
ガラス管の肉厚は、好ましくは2mm以下、より好ましくは1.5mm以下、特に好ましくは1.0mm以下である。また、ガラス管本体の肉厚が薄すぎると強度に懸念があるため、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.4mm以上、特に好ましくは0.5mm以上である。
本発明のガラス管は、イオン交換層の表面に水分遮蔽層を設けてもよい。前述のとおり、ガラスのウエザリングは、雰囲気中の水分とガラス表面のナトリウム成分との反応が発生起因と考えられる。そのため、イオン交換層の表面に水分遮蔽層を設けることで、雰囲気中の水分とガラス表面のナトリウム成分との反応を抑制し、ウエザリングの発生をより効果的に抑制することができる。
水分遮蔽層は、雰囲気中の水分とガラス表面のナトリウム成分との反応を抑制できるものであれば単層、多層のいずれで構成されてもよい。
多層の場合、屈折率の相違する複数の薄膜を交互に積層したものが挙げられる。多層の構成としては、例えばSiO膜とTiO膜とを交互に十層程度積層させた、光学多層膜としてもよい。光学多層膜は、真空蒸着法やスパッタリング等の公知の方法にて形成することができる。
単層の場合、中空状のシリカを樹脂中に分散させたシリカ層が挙げられる。シリカ層は、中空状のシリカを樹脂中に分散させたコート液中にガラス管を浸漬し、次いで焼成することで得ることができる。
水分遮蔽層は、可視領域の波長の光(波長400nm〜700nm)の平均透過率が高いことが好ましい。ガラス管の内部に撮像装置を備える場合、ガラス管を介して撮像画像を得る。そのため、可視領域の波長の光が平均透過率が低いと、明瞭な画像が得られないおそれがある。水分遮蔽層の平均透過率(可視領域の波長の光)は、93%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
水分遮蔽層は、波長315nm〜400nm(UV−A)の範囲における平均透過率が50%以下であることが好ましい。水分遮蔽層の前記範囲における平均透過率が、50%超であると、ガラスの着色現象を十分に抑制することができない。水分遮蔽層の前記範囲における平均透過率は、45%以下が好ましく、40%以下がより好ましい。また、10%未満であると、水分遮蔽層の構成が複雑となり生産性が悪く製造コストがあがるため、10%以上が好ましく、15%以上がより好ましい。
水分遮蔽層は、赤外領域の波長の光(波長700nm〜900nm)の平均透過率が高いことが好ましい。ガラス管の内部に赤外光に感度を有する撮像装置やセンサを備える場合、ガラス管を介して撮像やセンシングを行う。そのため、赤外領域の波長の光の平均透過率が低いと、明瞭な画像が得られなかったり、正確にセンシングを行うことができないおそれがある。水分遮蔽層の赤外領域の波長の光の平均透過率は、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
水分遮蔽層は、ガラス管の外周面だけでなく、内周面にも具備してよい。ガラス管の内部に設けられた機器から紫外線を含む光が照射される場合、ガラス管に紫外線が到達する。水分遮蔽層をガラス管の内周面にも具備することで、このようなケースにおいても紫外線に起因するガラスの着色現象を抑制することができる。
ガラス管の外周面の水分遮蔽層と内周面の紫外線カット層とは、同一の構成でもよく、異なる構成でもよい。ガラス管の外周面と内周面の水分遮蔽層が同一の場合、両方の水分遮蔽層を一度の処理で形成することが可能であり、製造コストを抑制できる点で好ましい。
ガラス管は、肉厚が1mmでの波長380nm〜780nmの範囲における平均透過率が94%〜99%であることが好ましい。なお、ガラス管の肉厚が1mmでの平均透過率とは、ガラス管の平均透過率を測定し、ガラス管の肉厚が1mmでない場合は、その結果を肉厚1mmに換算した平均透過率の値をいう。
ガラス管の平均透過率が94%未満の場合、ガラス管を透過する光の光量が減衰し、撮像画像に影響を及ぼすおそれがある。また、ガラス管の平均透過率が99%を超える場合、ガラス管の表面に設ける反射防止膜の構成が複雑となり、製造コストが上がるおそれがある。ガラス管の肉厚1mmでの波長380nm〜780nmの範囲における平均透過率は、94.5%〜98.5%が好ましく、95%〜98%がより好ましい。
本発明のガラス管は、以下の方法で製造することができる。
ガラス管本体を用意する。次いで、ガラス管の表面をイオン交換層を形成する。次いで、ガラス管本体を所望の長さに切断する。イオン交換層の形成工程と切断工程との順序は逆であってもかまわない。
また、ガラス管に水分遮蔽層を形成する場合、前述のイオン交換層の形成工程の後に水分遮蔽層の形成工程を追加する。また、ガラス管を切断した後、ガラス管の端面(管軸と直交する方向の端面)を研磨加工してもよい。
また、ガラス管本体の内周面に水分遮蔽層を形成する場合、ガラス管本体の外周面に水分遮蔽層を形成する工程と同時に行ってもよい。
本発明のガラス管は、例えば、撮像装置を内部に設け、これら装置を保護する保護部材として用いることができる。本発明のガラス管は、ウエザリングが発生しがたいため、ガラス管を撮像装置の保護部材として長期間用いる場合であっても曇りのない鮮明な撮像画像を得ることができる。
以上本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。本発明の趣旨に反しない限度において、また必要に応じて適宜構成を変更することができる。
以下、本発明の実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。例1、例2は、本発明の実施例であり、例3は比較例である。
(例1)
まず、酸化物換算の質量%表示でSiO 70%、Al 2%、NaO 16%、KO、CaO 6%、MgO 3%となるようにガラス原料を調合した。そしてガラス原料を溶融・撹拌・清澄し、管状に成形した。このガラスを切断し、外形直径 40mm、高さ 40mm、肉厚 0.85mmのガラス管を得た。
次いで、ガラス管を425℃の硝酸カリウム(KNO)溶融塩(100%)に6時間浸漬し、ガラス管の外周面および内周面をイオン交換処理した。ガラス管の外周面に形成されたイオン交換層について、表面応力計(折原製作所社製:FSM−6000)を用いて測定したところ、表面圧縮応力(CS)は580MPa、圧縮応力層深さ(DOL)は13μmであった。イオン交換層は、ガラス表面のナトリウム成分がカリウム成分に置換されており、ガラスの厚さ方向の中心部よりもナトリウム濃度が低いことがわかる。
(例2)
例1と同様のガラス管を用い、ガラス管の外周面および内周面に水分遮蔽膜を形成した。具体的には、シリカの中空微粒子を樹脂に分散させたコート液を用意した。そして、このコート液にガラス管を浸漬した。次いで、ガラス管を焼成炉に入れ、ガラス管の外周面および内周面に付着したコート液を硬化し、水分遮蔽膜を得た。次いで、水分遮蔽膜が形成されたガラス管に対し、例1と同様の条件でガラス管の外周面および内周面にイオン交換処理を行った。ガラス管の外周面に形成されたイオン交換層について、表面応力計(折原製作所社製:FSM−6000)を用いて測定したところ、表面圧縮応力(CS)は560MPa、圧縮応力層深さ(DOL)は13μmであった。イオン交換層は、ガラス表面のナトリウム成分がカリウム成分に置換されており、ガラスの厚さ方向の中心部よりもナトリウム濃度が低いことがわかる。
(例3)
例1と同様のガラス管を用い、イオン交換層や水分遮蔽層は形成しなかった。
(評価)
例1〜例3の各ガラス管について、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光社製、型番:V−570)により、波長380nm〜780nmの光の透過率を測定した。次いで、ガラス管を以下の条件で高温高湿試験を実施した。
温度:85℃
湿度:85%
試験時間:1000時間
次いで、高温高湿試験を実施した後のガラス管について、前述の同様の装置を用い、波長380nm〜780nmの光の透過率を測定した。各ガラスについて、高温高湿試験前の透過率の平均値、高温高湿試験後の透過率の平均値、高温高湿試験前後の透過率の変化量を表1に示す。
表1より、例1および例2のガラス管は、高温高湿試験前後の透過率の変化量が小さいがわかる。これに対し、例3のガラス管は、高温高湿試験前後の透過率の変化量が大きく、屋外で長期間使用する場合に、光の透過率劣化が生じることが懸念される。高温高湿試験後の例3のガラス管を確認したところ、ガラス管表面に白色の微粒子が付着していることが確認された。この微粒子は、ガラス管のナトリウム成分と雰囲気中の水分とが反応して析出したものと考えられ、この微粒子により、高温高湿試験後の透過率が低下したものと考えられる。
本発明によれば、ガラスの変質、特にウエザリングの発生が少ないガラス管を得ることができる。そのため、特に屋外で使用される撮像装置の保護部材として好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. ガラス組成として、酸化物基準の質量%表示で、SiO 40〜80%、Al 0.1〜4%、NaO 10〜25%、RO 1〜20%含有し、ガラスの厚さ方向の中心部よりもナトリウム濃度が低いイオン交換層を外周面に具備するガラス管。
  2. ガラスの厚さ方向の中心部よりもナトリウム濃度が低いイオン交換層を内周面に具備する請求項1に記載のガラス管。
  3. 前記ガラス管は、外周面のイオン交換層の表面に水分遮蔽層を具備する請求項1または請求項2に記載のガラス管。
  4. 前記ガラス管は、肉厚が1mmでの波長315nm〜400nmの範囲における平均透過率が94%〜99%である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のガラス管。
  5. 前記ガラス管は、内部に撮像装置を備える撮像装置用保護部材である請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のガラス管。
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