JP2018051780A - 木製パネルの接合構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】切れ端材や廃材等のリサイクル材を再生利用した木製パネルであっても、パネル板の接合面に切り溝を設けることによって高剛性を保持しながらクッション材としての柔軟性を併せもつ木製パネルの接合構造を提供する。【解決手段】2枚のパネル板が上下層に積層された木製パネルの接合構造において、各パネル板は4個以上の無垢材片または集成材片を水平方向に連結させたものからなり、各パネル板は接合面に切溝を有し、上パネル板の切溝と下パネル板の切溝は接合面において交差しており、かつ、当該接合面におけるパネル板同士の接着面積は非接着面積の1/3よりも大きいことを特徴とする。【選択図】図6

Description

本発明は、2種類の切溝を交差連結した木製パネルの接合構造、特にリサイクル材を用いた居住建築構造物に適した木製パネルに関するものである。
木製パネルは、居住建築構造物における壁材や外壁下地材、あるいはフローリング床や畳板、天井、室内ドア、階段、台所、机、棚、タンス、書庫などの家具部材等、その他船舶などの乗り物の内装材、コンクリート型枠などに用いられる。この木製パネルの材質としては様々なものを利用することができる。たとえば、ケヤキ、カシ、ブナ、ナラ、サクラ、キリ、シナ、カバ、セン、ラワン、チークなどの広葉樹や、カラマツ、アカマツ、エゾマツ、ベイマツ、スギ、ヒノキ、ツガ、ヒバなどの針葉樹、あるいはこれらの組み合せなどを用いることができる。
居住建築構造物における木製パネルの形状は、一般的に幅が914mm、長さ1829mmの寸法のものが多用されている。無垢材の単板または集成材から所定寸法の木製パネル板を構成する場合、さまざまな組合せ方法がある。他方、無垢材の単板であっても、各単板の木目に沿う方向の強度(圧縮、引張りなど)はかなり優れているが、反りや寸法の狂いなどを生じやすく、そのため利用分野が限られ、また耐用期間も十分とはいえなかった。また、集成材についても、広葉樹や針葉樹が用いられるが、湿気に弱く、反りや寸法の狂いなどを生じやすい欠点がある。
さらに、このような未使用の新材だけではなく、地震等の天災地変や火災等の人災で倒壊損傷した家屋や廃家屋から発生する多量の廃材や流木などの木材を木製パネルに利用したい場合がある。たとえば、松などの節が多い切れ端材を用いたり、地震等により倒壊した家屋や焼失した家屋の廃材などのリサイクル材を用いたりする場合である。このようなリサイクル材が含まれるパネル板を用いた場合、パネル板が曲げやねじれ等によってひずむと、パネル板のもっとも弱い箇所に応力が集中する。たとえば、節の部分が抜け落ちて穴となると、その穴からパネル板全体に亀裂が走りやすくなるという課題があった。機械的強度が劣化した廃木を用いた場合も同様の課題が発生する。このようなことから、これまで木製パネルにリサイクル材を利用することができなかった。
実登3065643号公報(後述する特許文献1)の考案では、「通気層付構造用合板にする事によって、構造用合板自体に通気層がある為、胴縁等を打付ける事なく、構造用合板に直に外壁材を取付ても、外壁内通気が行われるようになり、簡単に外壁内通気工法を行い、結露並びに結露による外壁下地材としての構造用合板の腐朽を防ぐことができる」ようにしている。
また、実開昭49−29177号公報(後述する特許文献2)の実用新案登録請求の範囲には、「表面及び裏面にそれぞれ交互に、繊維方向に適宜間隔で切り込み溝を複数列刻設した心板の表裏に、ベニア板等から成る表板及び裏板をその繊維方向が前記心板の繊維方向と直交する状態に接合して成るを特徴とする合板」が開示されている。同様に、実開昭54−010988号公報(後述する特許文献3)の実用新案登録請求の範囲には、「単板と芯材とを接着積層してなる合板において、前記芯材表面の相対抗する両側端間に裏面に到達しない切込み溝を設けると共に、芯材裏面の相対抗する両側端間に前記切込み溝と直交しかつ表面に到達しない切込み溝を設けたことを特徴とする合板の芯材」が開示されている。
さらに、特開平6−15612号公報(後述する特許文献4)には、「従来のベニヤレースの直線状刃物の代わりに、削成される単板の厚さ方向に対して所定の間隔をおくように相対して厚さ方向と直交する方向へ互い違い状に連続する凹刃および凸刃を有した凹凸状切削用刃物(以下「凹凸状刃物」という)を鉋台に取付けて、表面及び裏面に溝部が互い違い状に現れる所定厚さの単板(以下この単板を「凹凸単板」という)を削成した後、これらの複数枚の凹凸単板を互いに繊維方向が平行となる方向で凸部と凸部が対向して一致するように積層接着して単板積層材を製造する方法、あるいは繊維方向が直交する方向で積層接着して合板を製造する方法」が提案されている。
特開平6−15612号公報(後述する特許文献4)に係る発明は、単板の削成工程において、削成と同時に溝部を単板の表面及び裏面に形成することができるため、溝部の作成工程を増すことはなく効率性がよい。又かかる凹凸単板を用いて合板や単板積層材を製造することによって、内部に空隙を構成することができ、合板や単板積層材を軽量化できるという成果が挙げられるとされる。
ところが、これらの先行技術に係る考案や発明を1枚の無垢材片または集成材のパネル板に応用しても、1週間程度日陰干しにしておくと外向きに反ってしまう欠点がある。また、リサイクル材を利用しようとすると、パネル板内部の機械的強度が不揃いでもっとも弱い箇所へ応力が集中するため上記の考案や発明を利用することは困難である。
他方、切れ端材を利用する発明の例として、たとえば実公昭48−003663号公報(後述する特許文献5)には、「合板の端部を切り落して一定寸法に仕上げる時に出来た切り落し耳を更にその不揃い面を大略平面に形成して切端板とし、この切端板を複数枚寄せ集め平列に並べて見かけ上厚さの一定な1枚の平板に形成し、その上下面に夫々単板を重ね合せ切端板及び単板の間に接着剤を充填して全体を1枚板に成形したことを特徴とする合板の切り落し耳をコアーに利用した再生合板」が開示されている。
実登3065643号公報 実開昭49−29177号公報 実開昭54−010988号公報 特開平6−15612号公報 実公昭48−003663号公報
この切れ端材を利用したパネル板は、材料費のコストが安い切れ端材を組み合わせても簡易手軽に製造することができる。しかも、切れ端材を利用したパネル板は、多数の切れ端材を組み合わせて1枚のパネル板を構成するため強固な接着剤の使用量が多くなり、パネル板自体の機械的な剛性も高くなる利点がある。
ところが、この切れ端材も未使用の新材を利用するものである。リサイクル材には未使用の新材だけではなく、地震や火災等で倒壊損傷した家屋や廃家屋から発生した廃材、流木などを利用する場合がある。たとえば、松などの節が多い切れ端材が用いられたり、地震等により倒壊した家屋や焼失した家屋の廃材がリサイクル材に用いられたりする。このようなリサイクル材が含まれるパネル板を用いた場合、パネル板が曲げやねじれ等によってひずむと、パネル板のもっとも弱い箇所に機械的な応力が集中する。
たとえば、節の部分が抜け落ちて穴となると、その穴に応力が集中してパネル板全体に亀裂が走りやすくなるという課題があった。機械的強度が劣化した廃木を用いた場合も同様の課題が発生する。これがこれまでリサイクル材を利用することができなかった理由の一因である。また、1枚の無垢材等を用いた場合には、上述したように反りやすいという欠点があった。
この発明は、上記の課題を解消するためになされたものであり、概略すれば、4枚以上のリサイクル材等を利用したパネル板の少なくとも一面に切り溝を設け、長手方向の側端に対して2枚のパネル板の対向する切り溝方向が斜め方向に傾斜して交差するように接合した木製パネルの接合構造に関する。
本発明の目的は、切れ端材や廃材等のリサイクル材を再生利用した木製パネルであっても、パネル板の接合面に切り溝を設けることによって高剛性を保持しながらクッション材としての柔軟性を併せもつ木製パネルの接合構造を提供することにある。
本発明の木製パネルの接合構造の一つは、2枚のパネル板が上下層に積層された木製パネルの接合構造において、各パネル板は4個以上の無垢材片または集成材片を水平方向に連結させたものからなり、各パネル板は接合面に切溝を有し、上パネル板の切溝と下パネル板の切溝は接合面において交差しており、かつ、当該接合面におけるパネル板同士の接着面積は非接着面積の1/3よりも大きいことを特徴とする。
また、本発明の木製パネルの接合構造のもう一つは、3枚のパネル板が上中下層に積層された木製パネルの接合構造において、各パネル板は4個以上の無垢材片または集成材片を水平方向に連結させたものからなり、各パネル板は接合面に切溝を有し、上パネル板の切溝と中パネル板の上切溝、および中パネル板の下切溝と下パネル板の切溝が接合面において交差しており、中パネル板の切溝は断面水平方向に上切溝と下切溝が交互に設けられており、かつ、当該接合面における各パネル板同士の接着面積は非接着面積の1/3よりも大きいことを特徴とする。
本発明の木製パネルの接合構造の実施態様は、次のとおりである。
すなわち、前記切溝は左右対称に交差した形状をなしていることを特徴とする。前記切溝の密度が単位cmあたり1〜5本設けられていることを特徴とする。前記切溝の深さが各パネル板の板厚の1/3〜2/3の範囲であることを特徴とする。また、前記接着面積は非接着面積よりも大きいことを特徴とする。また、前記パネル板はリサイクル材を含むことを特徴とする。
本発明の木製パネルの接合構造において、1枚の無垢材または集成材の表面に切溝を設けると、無垢材または集成材の商品価値は失われる。しかし、この切溝を設けたパネル板を接合面において交差して接着させると、2枚のパネル板が1枚の木製パネルとして機能する。そして、各パネルの反り応力が接着面において緩和される。3枚のパネル板を用いると、この効果はよりよく発揮される。
本発明においては、各パネル板に4個以上の無垢材片または集成材片を水平方向に連結させることによって木材特有の反り応力やねじれ応力を封じ込め、木製パネルの剛性を高めている。このためパネル板に古い木材や廃材等のリサイクル材を用いても、本発明の木製パネルの剛性が弱まることがない。
本発明の上パネル板の切溝と下パネル板の切溝は接合面において交差しており、または、上パネル板の切溝と中パネル板の上切溝、および中パネル板の下切溝と下パネル板の切溝が接合面において交差している構造としたのは、一方のパネル板における水平方向の応力集中を他方のパネル板における水平方向に分散させるためである。
木製パネルの接合面における両側の切溝は、左右対称に交差した形状であることが好ましい。変形応力を均等に分散させるためである。また、両切溝は20〜70°の交叉角で交差した形状をなすことが好ましい。特に好ましくは45°である。本発明の木製パネルを仮設住宅に用いる場合、壁材や床材や天井材などの利用のされ方によって垂直方向に印加される応力と水平方向に印加される応力とが異なるためである。
切溝の密度は単位cmあたり1〜5本設けられていることが好ましい。切溝を設けることによって接合面における水平方向の応力は分断される。よって、パネル板の長手方向に対して斜め方向をなす切溝が2本以上設けられた構造がより好ましい。他方、切溝の密度が多くなりすぎると、パネル板自体の機械的強度がなくなる。よって、切溝の密度の上限値を1枚のパネル板の中で単位cmあたり5本以下とした。
本発明の切溝の深さは各パネル板の板厚の1/3〜2/3の範囲であることが好ましい。より好ましくは接着面積が非接着面積よりも大きいことである。さらに好ましくは前記接着面積が非接着面積の1/3よりも2倍以上大きいことである。剛性のパネル板を重合積層した木製パネルに対して任意の柔軟性および剛性を付与するためである。
特に、リサイクル材を含むパネル板は多数の切れ端材が組み合わされて接合されているので、1枚のパネル板の場合は圧縮や引張りの変形に対する機械的強度は高い。しかし、このパネル板に節の取れた穴や廃材が含まれると、曲げやねじれに対する機械的強度が弱くなる。そこで、一方のパネル板の曲げやねじれの機械的変形に対する応力を切溝でまず分散させ、弱い個所が広がらないようにする。さらにパネル板の垂直方向の接合箇所において、他方のパネル板の接着面積が連動して切溝部分がクッションの作用をする。その結果、本発明は曲げやねじれに対する木製パネルの機械的強度の劣化が防止される。
切溝は線条体であり、パネル板の両側面を横切る。切溝形状はクッションの作用の大小によって適宜定まる。コスト高になるが、ジグザグ状やS字曲線の切溝を描くこともできる。切溝の横断面形状は、使用する工具によって、細長い四角形、逆台形、放物線の形状など任意の形状を選択することができる。
切溝の幅は用途に応じて適宜定まるが、各パネル板同士の接着面積は非接着面積の1/3よりも大きいことが必要である。各パネル板の接合面ではがれないようにするためである。切溝の幅のピッチは通常、等間隔である。ただし、1枚のパネル板の中では切溝を設けない部分を含むことができる。たとえば、新材の切れ端材と大きな1枚板の無垢材の組合せからなるパネル板を張り合わせる場合には、あえて切れ端材に切溝を設ける必要がないからである。
切溝の深さは、切溝がクッションの作用をするため切溝の幅よりも長いのが一般的である。切溝の深さは工具により調整可能なので、一つおきに切溝の深さを長短にすることができる。また、ピッチは等間隔とすることもでき、一つおきに広狭とすることもできる。切溝の深さは、パネル板の厚さの1/3〜2/3の範囲であることが好ましい。切溝の深さがパネル板の厚さの1/3未満では、北方材の硬い切れ端材からなるパネル板の場合、切溝断面の空隙がクッション作用をしづらいからである。他方、切溝の深さがパネル板の厚さの2/3を超えると、南方材の柔らかい切れ端材からなるパネル板の場合、板厚が薄くなりすぎて機械的に弱くなってしまいやすいからである。
本発明において切溝を設けたパネル板同士を接合面で接合して木製パネルを形成すると、ボンド等の接着剤が接合面の切溝の空隙を埋めるので、接合面は薄板層を形成する。地震等による曲げやねじれに対し、この薄板層は変形しないが、切溝によって隔てられた各パネル板の突条部分が流動的に変形する。その結果、切溝のクッション作用によって木製パネルの外形は元の形状を保つことができる。なお、余分のボンド等は両側の切溝の空隙に流れるので、これまでのように液だまりを作ることもない。
本発明において接合面におけるパネル板同士の接着面積は非接着面積の1/3よりも大きいことが必要である。これは木製パネルの接合面における機械的強度を確保するためである。接着面積が非接着面積の1/3よりも大きいこととしたのは、接着剤が強力なので1/3よりも大きな接着面積があれば接合面ではがれることが無いからである。
たとえば、各パネル板を切溝幅と等間隔のピッチで切溝を形成した場合、各パネル板の切溝を直交形状にすると、接合面におけるパネル板同士の接着面積は非接着面積の1/2となる。よって、1/3よりも大きな接着面積があれば、接着剤が接合面における切溝部分の空隙面積を埋めるので、接合面における機械的強度は剛性の高い合板と同程度の機械的強度が確保される。
次に、木製パネルの製造方法について説明する。
本発明の木製パネルの接合方法によれば、まず、両パネル板の接合面に多数の切溝を形成する工程を設けることによって両パネル板の片面の機械的強度を弱くする。これには両パネル板の接合面を同一平面に並べ、切溝加工を連続して行うのが良い。一回の切削工程で両パネル板の接合面に多数の切溝を形成することができるからである。
次いで、上段パネル板の接合面および/または下段パネル板の接合面に接着剤を塗布する工程によって、機械的に弱くしたパネル板の接合面が強化される。この場合、接合面における各パネル板の接合面積は切溝面積よりも大きいことが好ましい。より好ましくは、接合面における各パネル板の接合面積は切溝部分の空隙面積よりも5倍以上大きいことである。接合面からあふれた接着剤は切溝に垂れ込む。そして、このあふれた接着剤が固化すると、機械的に弱くしたパネル板の接合面は補強される。すなわち、当業者は、用いるリサイクル材の種類および切溝部分の空隙面積にあわせて接着剤の量を調整することができる。
最後に、両パネル板の接合面を重ね合わせて積層接着する工程からなる。このパネル板の接合面における切れ端材同士の境界線の表面は、前接着材による樹脂層である。すなわち、パネル板の接合面は木質層と樹脂層の2種類からなっているので、両パネル板の接合面にかかる水平方向の応力は分散される。また、両パネル板の切溝を真上から観察すると、上下の切溝は交差した形状となるので、木製パネルにかかる垂直方向の応力も分散される。その結果、木製パネルは曲げやひずみやねじれに強い構造となり、地震等の揺れ、あるいは、列車や大型トラック等による振動があっても、木製パネルの外形は変化しない。
本発明の木製パネルは、既存の無垢材または集成材によって境界面を全面的に接合したこれまでの重合積層したパネルと比較して接合力がはるかに強固になり、特に地震の余震等に対する衝撃吸収材としてひび割れにくく、剥離しにくい特有の効果がある。また、本発明の木製パネルは、クッション作用による弾力性があり、使用する木材の性質によらないので、あらゆるリサイクル材を用いることができる。特に現場で散在している切れ端材を用いると、仮設住宅に適した安価な木製パネルをその場で提供することができる。
また、木製パネルの製造方法は、既存の機械設備を用いて簡単な工程で木製パネルを製造することができるので、現場で速やかに、迅速に施工することができる。また、切溝の幅や切削形状または深さやピッチなどは用いる工具または工作機によって適宜選択することができるので、熟練を必要とせず、素人でも正確に無理なく木製パネルを製造することができる効果がある。
は、本発明の実施例に係る3種類の元材である。 は、本発明の他の実施形態に係る2種類のリサイクル素片の斜視図である。 は、本発明の他の実施形態に係るパネル板の斜視図である。 は、本発明の他の実施形態に係るパネル板の斜視図である。 は、本発明の他の実施形態に係るパネル板の斜視図である。 は、本発明の実施例に係る木製パネルの接合面における一部切欠き平面図である。 (a)は、本発明の他の実施形態に係る木製パネルの実施例の側面図で、(b)は平面図である。
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図3は実施形態1に係る本発明のパネル板を示す。このパネル板は、図2に示すように、二種類のリサイクル素片を適宜組み合わせることができる。たとえば、リサイクル素片は、図1に示すように、ケヤキ、カシ、ブナ、ナラ、サクラ、キリ、ラワン、チークなどの広葉樹や、スギ、マツ、ヒノキ、ツガ、ヒバなどの針葉樹等の天然木材からなる3種類の角材の切れ端材を組み合わせて利用することができる。
上記のパネル板は、複数枚同時に形成するためリサイクル素片をほぼ所定の大きさに並べ、木工ボンド等の一般的な接着剤で接着一体化される。特殊な接着剤としては、水溶性接着剤、溶剤タイプの接着剤、エマルジョンタイプの接着剤、ホットメルトタイプの接着剤等各種タイプの接着剤が用途に応じて利用できた、たとえば、尿素系樹脂、尿素メラミン共重合樹脂、フェノール系樹脂、レゾルシノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、合成ゴム系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。
また、パネル板の配列方法では、図4に示すように、リサイクル素片を整列させることもできる。その後、図示していないコールドプレス装置および/またはホットプレス装置で接着・硬化させ、一体に固着される。最後に、所定の大きさに切断されてパネル板が形成されたものである。プレス機を用いることによりリサイクル素片間の肉質が締まってパネル板の密度が高まり、簡易迅速に高剛性のパネル板を得ることができる。
本発明の切溝は、通常は図示していない自動カッター装置で形成する。ただし、斜め格子状に多数の断面略V字形の小凸部が突設された金型をプレス装置に取り付けてプレスにより上型を加圧して押し潰し、切溝を形成することもできる。このような金型を準備することができれば、短時間に多量の切溝付きパネル板を形成することができる。また、溝形状もV 字形だけでなく、長短または広狭のU 字形、台形、半六角形、弧状、あるいは、これらの組合せなど現地の居住建築構造物のニーズに合わせて任意の形状のものを適宜選択することができる。たとえば、図5に示すように、節穴からの亀裂を防ぐため余分の切溝線を設けることもできる。
次いで、本発明の木製パネルの接合形態について説明する。本発明の木製パネルの接合形態を図6に示す。図6は、木製パネルにおける一方のパネル板の一部を切欠いて接合面を見たときの平面図であり、接着層の厚さは省略している。図6から明らかなように、接合面を介して切溝が交差して形成されている。このため一方のパネル板がねじれたりよじれたりしても、他方の切溝が一方の切溝のクッションとなってこの変形応力を緩和することがわかる。
[実施例1]
図1に示すようなスギ、ヒノキおよびブナの3種類の無垢材を元材に用いた。いずれの形状も、幅100mm、長さ900mmおよび厚さ30mmである。これらの同一種類の元材を9枚並列に並べ、木工ボンドを塗布し、150トンプレス機でコールドプレスをして接合し、3種類のパネル板を得た。実施例1の木製パネルはパネル板を5枚使用したものを1セットとし、6セット作製した。1セットの内訳は、2種類のパネル板が各々1枚で、1種類のパネル板が3枚である。
次いで、自動工作マシニング装置を用いてすべてのパネル板に元材の長手方向と45°の傾斜角で切溝を設けた。切溝は、2種類のパネル板の片面に溝幅2mmおよび溝と溝とのピッチ幅6mmを1単位としてこれを繰り返して形成した。他方、1種類のパネル板は、図7(a)に示すように、上面に溝幅2mmおよび溝と溝とのピッチ幅7mmを1単位としてこれを繰り返して形成し、下面に上面のパターンを3.5mmずらして形成した。次いで、1種類のパネル板3枚を2種類のパネル板それぞれ1枚ではさみ、各パネル板間は接着剤で貼り付けた。これを6セット準備し、150トンプレス機で常温でのコールドプレスを2時間した。得られた木製パネルは、幅900mm、長さ900mmおよび厚さ150mmである。
6セットの木製パネルを2種類のパネル板が交互に表面になるように配置して陰干しを1週間したが、いずれの木製パネルも反りやひずみは観られなかった。
[実施例2〜3]
パネル板を3枚使用したものを1セットとした実施例2の木製パネルおよびパネル板を2枚使用したものを1セットとした実施例3の木製パネルとした以外は、実施例1と同様にして6セット作製した。これらのパネルを実施例1と同様に1週間の陰干しをしたが、いずれの木製パネルも反りやひずみは観られなかった。
比較例1〜3
切溝を設けなかった以外は実施例1〜3と同一のパネル板を用いて比較例1〜3の木製パネルをそれぞれ6セット製造した。
この木製パネルを実施例1〜3と同様にして配置して陰干しを1週間したところ、すべての木製パネルに反りが観られた。反りの大きさは、比較例1<比較例2<比較例3の順序に大きかった。また、パネル板を5枚使用した比較例1の1セットの木製パネルには液溜りがあった。
以上の実施例1〜3および比較例1〜3の試験結果から明らかなとおり、本発明の木製パネルによれば、剛性が高いにもかかわらず、曲げやねじれに対しても耐性のある木製パネルであることがわかる。
この発明は、例えば居住建築構造物における壁材、フローリング床材、畳床材、階段床材、天井材およびドア、カウンター、洗面用キャビネット等の木質パネル、車両、飛行機、船舶などの内装材のほか、災害時にはコンクリート型枠製造時の型枠合板の代用としても適用される。

Claims (7)

  1. 2枚のパネル板が上下層に積層された木製パネルの接合構造において、各パネル板は4個以上の無垢材片または集成材片を水平方向に連結させたものからなり、各パネル板は接合面に切溝を有し、上パネル板の切溝と下パネル板の切溝は接合面において交差しており、かつ、当該接合面におけるパネル板同士の接着面積は非接着面積の1/3よりも大きいことを特徴とする木製パネルの接合構造。
  2. 3枚のパネル板が上中下層に積層された木製パネルの接合構造において、各パネル板は4個以上の無垢材片または集成材片を水平方向に連結させたものからなり、各パネル板は接合面に切溝を有し、上パネル板の切溝と中パネル板の上切溝、および中パネル板の下切溝と下パネル板の切溝が接合面において交差しており、中パネル板の切溝は断面水平方向に上切溝と下切溝が交互に設けられており、かつ、当該接合面における各パネル板同士の接着面積は非接着面積の1/3よりも大きいことを特徴とする木製パネルの接合構造。
  3. 前記切溝は左右対称に交差した形状をなしていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の木製パネルの接合構造。
  4. 前記切溝の密度が単位cmあたり1〜5本設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の木製パネルの接合構造。
  5. 前記切溝の深さが各パネル板の板厚の1/3〜2/3の範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の木製パネルの接合構造。
  6. 前記接着面積は非接着面積よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の木製パネルの接合構造。
  7. 前記パネル板はリサイクル材を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の木製パネルの接合構造。
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