JP2018051088A - 患部保護具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 患部をより適切に保護するための患部保護具を提供する。
【解決手段】 基材層と、粘着剤層と、剥離材層と、を含む患部保護具であって、第1貼付け部と、第2貼付け部と、患部保護部と、を含み、前記基材層と前記粘着剤層との間に、弾性材層を含み、前記患部保護部における前記弾性材層が復元力を有することによって、患部を保護する患部保護具。
【選択図】 図1

Description

本発明は、患部保護具に関する。
従来、傷等の患部を保護するものとして、絆創膏が用いられており、例えば、「片面に粘着剤層を形成した非通水性基材と、その基材の粘着剤層側に貼着された合成樹脂製傷保護材とからなり、傷保護材は、傷に接する一面に平滑面を有し、他面に傷からの滲出液の透過を防止する防液層を有し、内部が傷からの滲出液を吸収する多孔質の吸収層となっており、基材には前記傷保護材が貼着される箇所にのみ通気孔が形成され、傷保護材の防液層側を基材の粘着剤層に向けて貼着したことを特徴とするばんそうこう」が提案されている(特許文献1)。
特開平6−78948号公報
上記ばんそうこうは、傷口を被覆して滲出液を吸収し、外部から水が傷口に入らないようにする点では、優れている。
しかしながら、傷等の患部が、関節等動きが活発な部位の近くにある場合、無意識な動きによって傷口が開いたり、ものに当たったりして、治癒まで時間がかかってしまうことがあるが、上記ばんそうこうは、このような問題には対処できない。また、傷後の瘡蓋を保護することも対処できない。
また、最近の傷口の治療法として、瘡蓋を作らない方法、いわゆる湿潤療法(モイストヒーリング)という方法があり、傷を早く治すことができる。これは、「傷口を乾燥させない」ようにすることで瘡蓋そのものができない状態にして傷口を修復させるものである。瘡蓋は傷口から出てきた浸出液が空気に触れて乾燥する事によってできるものであるため、乾燥させない方法を取ることでそれを抑える事ができる。しかしながら、例えば、関節の上にできた傷の場合に、傷口を無理に伸ばしたりするとこれらの効果も期待できなくなる。
本発明は、上記課題を解決するためのもので、患部をより適切に保護するための患部保護具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る患部保護具は、基材層と、粘着剤層と、剥離材層と、を含む患部保護具であって、第1貼付け部と、第2貼付け部と、患部保護部と、を含み、前記基材層と前記粘着剤層との間に、弾性材層を含み、前記患部保護部における前記弾性材層が復元力を有することによって、患部を保護する。
また、前記患部保護部における前記弾性材層は、平面形状に設けられてもよい。
また、前記患部保護部における前記弾性材層は、コ字形状、又は2以上のコ字形状を繰り返し反転屈曲させた形状に設けられてもよい。
また、前記患部保護部における前記弾性材層は、前記基材層側に突出する突出形状に設けられてもよい。
また、前記患部保護部における前記弾性材層は、前記基材層側に突出する略逆V字形状に設けられてもよい。
また、前記患部保護部における前記弾性材層は、前記基材層側に突出する略円弧形状に設けられてもよい。
また、前記患部保護部における前記弾性材層は、前記基材層側に突出する略M字形状に設けられてもよい。
また、前記弾性材層と前記粘着剤層との間に、裏材層を含んでもよい。
また、前記患部保護部は、前記裏材層を含まなくてもよい。
また、前記患部保護部における前記弾性材層は、平面形状から前記基材層側に突出する突出形状に変更可能に設けられてもよい。
また、前記患部保護部は、前記突出形状を固定するための折曲固定部を含んでもよい。
また、前記患部保護部の少なくとも一部を貫通する進出口を含んでもよい。
本発明によれば、患部をより適切に保護するための患部保護具を提供することができる。
実施形態1に係る患部保護具を示す図である。 実施形態1に係る患部保護具の使用状態を示す図である。 実施形態1の変形例1係る患部保護具を示す図である。 実施形態1の変形例2に係る患部保護具を示す図である。 実施形態2に係る患部保護具を示す図である。 実施形態2の変形例1に係る患部保護具を示す図である。 実施形態2の変形例2に係る患部保護具を示す図である。 実施形態3に係る患部保護具を示す図である。 実施形態4に係る患部保護具を示す図である。
以下、図面を参照して本願に係る患部保護具の実施形態の例を説明する。本願では、患部保護具及びその構成部分において、患部に近接する側を「裏側」とし、その逆側を「表側」とする。なお、各図においては、一部の層にのみハッチング又は網掛け処理をして表示することがある。
<実施形態1>
図1及び図2は、実施形態1に係る患部保護具1を示す図で、図1は、患部保護具1を示す図、図2は患部保護具1の使用状態を示す図である。
患部保護具1は、基材層11と、弾性材層14と、粘着剤層12と、剥離材層13と、を含んで構成される。なお、図示のように、弾性材層14と粘着剤層12との間に裏材層15を含んでもよい。
基材層11は、患部保護具1の表側を構成する層で、例えば、不織布や、合成樹脂製フィルム、和紙、綿布等の素材が用いられる。基材層11は、伸縮性を有する素材が用いられてもよい。図示のように、本実施形態において基材層11は、1枚のシート状になっている。
弾性材層14は、基材層11の裏側に当接して配置される層で、例えば、薄板状の金属部材、薄板状の樹脂部材等が用いられる。弾性材層14は、基材層11の縁部よりも内側に後退して基材層11よりも狭い範囲に配置される。一例として、図示のように、弾性材層14は、基材層11の中央部の細長い範囲に分布される。弾性材層14は、図示しない接着剤や粘着剤等で基材層11に貼り付けられて固定されてもよいし、基材層11と後述の裏材層15との間に挟まれて固定されてもよい。
裏材層15は、弾性材層14が存在する領域ではその裏側に、弾性材層14が存在しない領域では基材層11の裏側に、当接して配置される層で、例えば、不織布や、合成樹脂製フィルム、和紙、綿布等の素材が用いられる。裏材層15は、弾性材層14を覆うように配置される。図示の裏材層15は、基材層11と対応した形状で、弾性材層14を隔てて基材層11全体をも覆うように配置されているが、これに限定されるものではなく、弾性材層14を覆う大きさで配置されればよい。さらには、弾性材層14の両端だけを覆うものであってもよい。基材層11は、伸縮性を有する素材が用いられてもよい。裏材層15は、図示しない接着剤等で弾性材層14と貼り付けられていてもよい。また、裏材層15は、弾性材層14が存在しない領域では、少なくとも一部が熱圧着等により基材層11と接合されて一体となってもよい。
粘着剤層12は、裏材層15が存在する領域では裏材層15を、裏材層15が存在しない領域では、基材層11の裏側に塗布(積層)される層で、例えば、シリコーン樹脂製の粘着剤、アクリル樹脂製の粘着剤、合成ゴム製の粘着剤等が用いられる。図示のように、本実施形態における粘着剤層12は、中央部分を隔てて鼻側及び顎側の二つの分断された帯状に塗布される。
剥離材層13は、裏側から粘着剤層12を覆う層で、紙や合成樹脂フィルム等の素材が用いられる。また、図示しないが、粘着剤層12からきれいに剥がれるように、剥離材層13にはシリコーン樹脂等が塗布される。図示の剥離材層13は、1枚のシート状になっているが、粘着剤層12のみを覆うように、二つの分断された帯状に形成されてもよい。さらに、裏材層15に沿って設けられてもよい。
患部保護具1は、図示のように、第1貼付け部21と、第2貼付け部22と、患部保護部30と、を含む。
第1貼付け部21は、一方側の皮膚に貼り付けられる部分で、表側から順に基材層11、弾性材層14、裏材層15、粘着剤層12、剥離材層13を含んで構成される。第1貼付け部21は、一例として、図示のように、端部が二つの円弧が連なる形状に形成され、端部中心が切欠いた形状に形成される。
第1貼付け部21において、弾性材層14は、分布領域が基材層11よりも狭く、一例として、図示のように、弾性材層14は、縁部から内側(患部保護部30側)に後退させて配置される。
第2貼付け部22は、他方側の皮膚に貼り付けられる部分で、表側から順に基材層11、弾性材層14、裏材層15、粘着剤層12、剥離材層13を含んで構成される。第2貼付け部22は、一例として、図示のように、端部が丸みのある略逆三角形状に形成される。
第2貼付け部22において、弾性材層14は、分布領域が基材層11よりも狭く、一例として、図示のように、弾性材層14は、縁部から内側(患部保護部30)に後退させて配置される。
本実施形態において、患部保護部30は、患部とは所定の距離を保ちながら上方から覆う部分で、粘着剤層12は含まず、一例として、表側から順に基材層11、弾性材層14、裏材層15、剥離材層13を含んで構成される。なお、患部保護部30は、剥離材層13を含まなくてもよい。また、図示しないが、患部保護部30は、裏材層を含まなくてもよい。
患部保護部30における弾性材層14は、基材層11側に突出する形状をなす。一例として、図示のように、患部保護部30における弾性材層14は、基材層11側に突出する略逆V字形状をなす。言い換えれば、弾性材層14は、31及び32の二つの辺が所定角度で連なる形状である。なお、患部保護部30において、弾性材層14によって基材層11も押し上げられてこれと同様な形状をなし、裏材層15が弾性材層14と貼り付けられている場合は、裏材層15も同じ形状をなす。裏材層15が弾性材層14と貼り付けられていない場合は、患部保護部30における裏材層15は、その分弛んだ状態にある。
なお、第1貼付け部21や第2貼付け部22は、必ずしも平面状でなくてもよい。貼り付けられる部位に合わせて一部又は全体が湾曲する等の形状であってもよい。また、基材層11や裏材層15は、弾性材層14全体を覆わずとも、第1貼付け部21や第2貼付け部22付近を覆うだけでもよい。
患部保護具1は、使用の際は、剥離材層13が剥がされ、図2に示すように、患部保護部を患部の上方に、患部を隔てて第1貼付け部が一方の皮膚に貼り付けられ、第2貼付け部が他方の皮膚に貼り付けられる。そうすると、第1貼付け部と第2貼付け部との間の間隔を変えようとする、言い換えれば患部に近い部位を動こうとすると、弾性材層14の略逆V字形状の両辺にその復元力に抗する力を与えなければならない。しかし、無意識の動きは、その力が弱いため、略逆V字形状の両辺を近接方向あるいは離間方向に変形させることはできず、これによって無意識の動きが抑制される。一方、意識的に動く必要がある場合は、その力が大きく、略逆V字形状の両辺にその復元力に抗する力を与えてこれを変形させ、動くことができるようになる。そして、意識的な動きを止めると、弾性材層14の略逆V字形状の両辺はその復元力によって元の状態に戻り、無意識の動き抑制状態に戻る。
患部保護部30における弾性材層14を5mm解放させる(離間方向に拡開させる)のに必要な力は、10g〜200gであり、好ましくは、20〜80gである。
患部保護具1は、無意識の動きを抑制することで、患部の開きなどを抑制することができる。また、患部保護部が患部の上方で所定間隔をおいてガードしているため、患部にあたってしまうことも防止することができる。
なお、製造方法としては、先に湾曲させて成型した弾性材層14に基材層11や裏材層15、剥離材層13等を貼り付ける方法、平らな弾性材層14に基材層11や裏材層15、剥離材層13等を貼り付けた後に、弾性材層14部を湾曲させる方法等が考えられる。形状の打ち抜きなどは適宜、各工程に組み合わされるものとする。
<実施形態1の変形例1>
図3は、実施形態1の変形例1に係る患部保護具1aを示す図である。上記実施形態と同様な構成については、同様な符号を付し、その説明を省略する。患部保護具1aは、患部保護部30aの形状及び進出口40aを含む点が、実施形態1に係る患部保護具1と異なる。
患部保護部30aは、患部とは所定の距離を保ちながら上方から覆う部分で、粘着剤層12は含まず、表側から順に基材層11、弾性材層14、裏材層15、剥離材層13を含んで構成される。なお、患部保護部30aは、剥離材層13を含まなくてもよい。患部保護部30aは、基材層側に突出する突出形状に設けられ、ここでは、弾性材層14は円弧状に設けられる。
進出口40aは、患部保護具1aの略中央部に貫通孔として形成される。好ましくは、進出口40aは、患部保護部30aにおける弾性材層14の少なくとも一部を貫通するように形成される。例えば、図示のように、進出口40aは、患部保護部30aにおける弾性材層14の中央部を貫通する縦長の貫通孔で、患部保護部30aにおける弾性材層14を二つの帯状部分に分断するように形成される。
患部保護具1aは、進出口40aを設けることで、弾性材層14の付勢力の強さを調整できる。なお、進出口40aの形状は、これに限定されるものではなく、真円形状等であってもよい。また、進出口40aは、一つの貫通孔で構成される例が図示されているが、複数であってもよい。また、縦長の一つの貫通孔ではなく、略円形状の貫通孔を縦に複数設けたりしてもよい。また、患部保護部30aは、第1貼付け部21及び第1貼付け部22より幅広く形成されてもよい。
<実施形態1の変形例2>
図4は、実施形態1の変形例2に係る患部保護具1bを示す図である。患部保護具1bは、患部保護部30bのみが、実施形態1に係る患部保護具1と異なる。
患部保護部30bにおける弾性材層14bは、基材層11側に突出する形状をなす。一例として、図示のように、患部保護部30bは、患部保護部30bにおける弾性材層14bが、基材層11側に突出する略M字形状をなしている。言い換えれば、略逆V字形状の先端が裏材層側に陥没して谷状の段差部33bを備えるようになっている。その他の構成については、実施形態1に係る患部保護部30bと同様であるため、説明を省略する。
患部保護具1bは、患部保護部30bに段差部33bを有することによって、動く幅を大きくすることができ、使い心地がさらによくなる。
<実施形態2>
図5は、実施形態2に係る患部保護具1cを示す図である。患部保護具1cは、患部保護部30cのみが実施形態1に係る患部保護具1と異なる。上記実施形態と同様な構成については、同様な符号を付し、その説明を省略する。
患部保護部30cは、平面形状から基材層11側に突出する突出形状に変更可能に形成される。一例として、患部保護部30cは、第1辺部31cと、第2辺部32cと、第1辺部31cと第2辺部32cの間の頂部34cと、を含み、第1辺部31cと頂部34cとの間、第2辺部32cと頂部34cとの間に、それぞれ折曲線が形成され、この折曲線を沿って頂部34cを押し上げるように折り曲げることによって、患部保護部30cが基材層11側に突出する形状に変更される。
なお、頂部34cを含まず、患部保護部30cは、第1辺部31cと、第2辺部32cと、を含み、両者の間に、折曲線が形成され、この折曲線を沿って折り曲げることによって、基材層11側に突出する形状に変更されるようにしてもよい。
また、患部保護部30cは、折曲固定部35cを含んでもよい。一例として、折曲固定部35cは、第1辺部31c及び第2辺部32cのそれぞれに設けられた貫通孔と351cと、これを連結する連結部352cとを含んで構成される。使用の際には、例えば、図示のように、二つの辺部31c及び32cを一定の角度まで折り曲げてから、連結部352cで貫通孔351cを連結して、突出形状を固定する。
患部保護具1cは、上記実施形態1に係る患部保護具1と同様に、患部保護部を患部の上方に、患部を隔てて第1貼付け部が一方の皮膚に貼り付けられ、第2貼付け部が他方の皮膚に貼り付けられる。そうすると、第1貼付け部と第2貼付け部との間の間隔を変えようとする、言い換えれば患部に近い部位を動こうとすると、弾性材層14の両辺部にその復元力に抗する力を与えなければならない。しかし、無意識の動きは、その力が弱いため、両辺部を近接方向あるいは離間方向に変形させることはできず、これによって無意識の動きが抑制される。一方、意識的に動く必要がある場合は、その力が大きく、両辺部にその復元力に抗する力を与えてこれを変形させ、動くことができるようになる。そして、意識的な動きを止めると、弾性材層14の両辺部はその復元力によって元の状態に戻り、無意識の動き抑制状態に戻る。
患部保護具1cは、患部保護部30cが平面形状から基材層側に突出する突出形状に変更可能に形成されるため、さらに、利便性が向上する。
<実施形態2の変形例1>
図6は、実施形態2の変形例1に係る患部保護具1dを示す図で、図6(a)は平面形状を、図6(b)は折曲途中状態を、図6(c)は折曲後固定状態を示す図である。患部保護具1dは、折曲固定部35dのみが実施形態2に係る患部保護具1cと異なる。
折曲固定部35dは、第1辺部31c及び第2辺部32cのそれぞれに設けられた係止片351d、352dで構成され、二つの係止片351d、352dを係合させることによって、折り曲げ後の突出形状を固定することができる。
図示のように、二つの係止片351dは、相反する方向に曲がっているフック状に形成され、フックの根元が第1辺部31c又は第2辺部32cとつながり、その他の部分は第1辺部31c又は第2辺部32cから遊離する形態に設けられて、遊離部分を裏側に押し曲げて、両者を引っ掛けることによって、固定される。
使用の際には、例えば、図6(b)に示すように、第1辺部31c及び第2辺部32cを一定の角度まで折り曲げてから、二つの係止片351d、352dを押し曲げた後に、図6(c)に示すように、二つの係止片351d、352dを係合させて、突出形状を固定する。
<実施形態2の変形例2>
図7は、実施形態2の変形例2に係る患部保護具1eを示す図で、図7(a)は平面形状を、図7(b)は折曲途中状態を、図7(c)は折曲後固定状態を示す図である。患部保護具1eは、折曲固定部35eのみが実施形態2に係る患部保護具1cと異なる。
折曲固定部35eは、第1辺部31c及び第2辺部32cの一方に係止片351eを、他方に係止孔352eを設けて、係止片351eと係止孔352eとを係合させることによって、患部保護部30eの突出形状を固定する。なお、ここでは、説明の便宜上、第1辺部31cに係止片351eが設けられ、第2辺部32cに係止孔352eが設けられるものとする。
図示のように、係止片351eは、根元のみが第1辺部31cとつながり、その他の部分は第1辺部31cから遊離する形態に設けられる。また、係止孔352eは、貫通孔として設けられ、係止片351eに対応した形状に設けられる。より具体的には、図示のように、係止片351eを、全体が略T字形状で、縦棒部分に膨らみを持たせた形状に形成することができる。これに合わせて、係止孔352eは、全体が略工字形状に形成して、係止片351eの横棒部分が係止孔352eの小さい横棒部分に係止され、さらに膨らみ部分で固定されるようにすることができる。
<実施形態3>
図8は、実施形態3に係る患部保護具1fを示す図で、図8(a)は表側を示す図、図8(b)は患部保護具を構成する各層を示す図、図8(c)は剥離材層を除いた裏側を示す図である。上記実施形態と同様な構成については、同様な符号を付し、その説明を省略する。
患部保護具1fは、基材層11fと、弾性材層14fと、粘着剤層12と、剥離材層13と、を含んで構成される。
基材層11fは、患部保護具1fの表側を構成する層で、例えば、不織布や、合成樹脂製フィルム、和紙、綿布等の素材が用いられる。基材層11fは、伸縮性を有する素材が用いられてもよい。図示のように、本実施形態において基材層11fは、分断された2枚のシート状になっている。
粘着剤層12は、基材層11fの裏側に塗布(積層)される層で、例えば、シリコーン樹脂製の粘着剤、アクリル樹脂製の粘着剤、合成ゴム製の粘着剤等が用いられる。
弾性材層14fは、一部が患部保護具1fの表側を構成し、一部が基材層11fの裏側に配置される層で、例えば、薄板状の金属部材、薄板状の樹脂部材等が用いられる。弾性材層14fは、基材層11fの縁部よりも内側に後退して、患部保護具1fの中央部に配置される。弾性材層14fは、図示しない接着剤や粘着剤等で基材層11fに貼り付けられて固定されてもよいし、図8(c)に示すように、粘着剤層12によって基材層11fに貼り付けられて固定されてもよい。
剥離材層13は、裏側から粘着剤層12を覆う層で、紙や合成樹脂フィルム等の素材が用いられる。また、図示しないが、粘着剤層12からきれいに剥がれるように、剥離材層13にはシリコーン樹脂等が塗布される。図示のように、本実施形態において剥離材層13は、2枚のシート状になっている。また、剥離材層13は、図示のように、弾性材層14fが存在する部分をも覆ってもよいし、弾性材層14fが存在せず粘着剤層12が裏側において露出する層のみを覆ってもよい。
患部保護具1fは、図示のように、第1貼付け部21fと、第2貼付け部22fと、患部保護部30fと、を含む。
第1貼付け部21fは、一方側の皮膚に貼り付けられる部分で、表側から順に基材層11f、弾性材層14f、粘着剤層12、剥離材層13を含んで構成される。第1貼付け部21fは、一例として、図示のように、楕円形状に形成される。
第1貼付け部21fにおいて、弾性材層14fは、配置領域が基材層11fよりも狭く、一例として、図示のように、弾性材層14fは、縁部から内側(患部保護部30f側)に後退して配置される。
第2貼付け部22fは、他方側の皮膚に貼り付けられる部分で、表側から順に基材層11f、弾性材層14f、粘着剤層12、剥離材層13を含んで構成される。第2貼付け部22fは、一例として、図示のように、楕円形状に形成される。
第2貼付け部22fにおいて、弾性材層14fは、配置領域が基材層11fよりも狭く、一例として、図示のように、弾性材層14fは、縁部から内側(患部保護部30f側)に後退して配置される。
患部保護部30fは、患部を覆う部分で、粘着剤層12は含まず弾性材層14fのみを含んで構成される。
一例として、患部保護部30fにおける弾性材層14fは、コ字形状、又はコ字形状を繰り返し反転屈曲させた形状をなす。例えば、図示のように、患部保護部30fにおける弾性材層14fは、2つのコ字形状を反転屈曲させた己字形状をなしている。弾性材層14fは、コ字形状の向かい合う辺が近接方向に付勢される。
患部保護具1fは、使用の際は、剥離材層13が剥がされ、患部保護部を患部の上方に、患部を隔てて第1貼付け部が一方の皮膚に貼り付けられ、第2貼付け部が他方の皮膚に貼り付けられる。そうすると、第1貼付け部と第2貼付け部との間の間隔を変えようとする、言い換えれば患部に近い部位を動こうとすると、弾性材層14fのコ字形状の各辺にその復元力に抗する力を与えなければならない。しかし、無意識の動きは、その力が弱いため、各辺を離間方向へ変形させることはでむずかしい。これによって無意識の動きが抑制される。一方、意識的に動く必要がある場合は、その力が大きく、コ字形状の各辺にその復元力に抗する力を与えてこれを離間方向へ変形させ、動くことができるようになる。そして、意識的な動きを止めると、弾性材層14fのコ字形状の各辺はその復元力によって元の状態に戻り、無意識の動き抑制状態に戻る。
患部保護具1fは、無意識の動きを抑制することで、患部の開きなどを抑制することができる。
さらに、患部保護具1fは、構成を簡略化することで、製造コストを低減することもできる。
<実施形態4>
図9は、実施形態4に係る患部保護具1gを示す図である。患部保護具1gは、弾性材層14g及び患部保護部30gのみが実施形態3に係る患部保護具1fと異なる。
弾性材層14gは、一部が患部保護具1gの表側を構成し、一部が基剤層11fの裏側に配置される層で、例えば、ゴム等伸縮力が強い素材が用いられる。弾性材層14gは、基材層11fの縁部よりも内側に後退して、患部保護具1gの中央部の細長い範囲に分布される。弾性材層14gは、図示しない接着剤や粘着剤等で基材層11fに貼り付けられて固定されてもよいし、粘着剤層12によって基材層11fに貼り付けられて固定されてもよい。
患部保護部30gは、患部を覆う部分で、弾性材層14gのみを含んで構成される。
患部保護具1gは、使用の際は、剥離材層13が剥がされ、患部保護部を患部の上方に、患部を隔てて第1貼付け部が一方の皮膚に貼り付けられ、第2貼付け部が他方の皮膚に貼り付けられる。そうすると、第1貼付け部と第2貼付け部との間の間隔を変えようとする、言い換えれば患部に近い部位を動こうとすると、弾性材層14gの復元力に抗する力を与えてこれを伸長させなければならない。しかし、無意識の動きは、その力が弱いため、伸長させることはむずかしい。これによって無意識の動きが抑制される。一方、意識的に動く必要がある場合は、その力が大きく、弾性素材14gにその復元力に抗する力を与えてこれを伸長させ、動くことができるようになる。そして、意識的な動きが止まると、弾性材層14gの復元力によって元の状態に戻り、無意識の動き抑制状態に戻る。
患部保護具1fは、無意識の動きを抑制することで、患部の開きなどを抑制することができる。
さらに、患部保護具1fは、構成を簡略化することで、製造コストを低減することもできる。
以上、本発明に係る患部保護具の実施形態について説明したが、これらは本発明の実施形態の一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明には、以上の各実施形態を組み合わせた形態や、様々な変形例が含まれる。
例えば、前記各実施形態においける患部保護具は、透明なものとして構成されてもよい。また、患部保護部は、基材層側に突出する形状であれば、他の形状であってもよい。
なお、以上では、傷を保護する例を説明したが、患部保護具は、例えば、リューマチの関節の伸び縮みを制限したり、打撲した患部を保護したりする用途としても有用である。
1、1a、1b 患部保護具
11 基材層
12 粘着剤層
13 剥離層
14、14a 弾性材層
15 裏材層
21 第1貼付け部
22 第2貼付け部
30、30a、30b 患部保護部
31 第1辺部
32 第2辺部
33b 段差部
40a 進出口

Claims (12)

  1. 基材層と、粘着剤層と、剥離材層と、を含む患部保護具であって、
    第1貼付け部と、第2貼付け部と、患部保護部と、を含み、
    前記基材層と前記粘着剤層との間に、弾性材層を含み、
    前記患部保護部における前記弾性材層が復元力を有することによって、患部を保護する
    ことを特徴とする患部保護具。
  2. 請求項1に記載の患部保護具であって、
    前記患部保護部における前記弾性材層は、平面形状に設けられる
    ことを特徴とする患部保護具。
  3. 請求項2に記載の患部保護具であって、
    前記患部保護部における前記弾性材層は、コ字形状、又は2以上のコ字形状を繰り返し反転屈曲させた形状に設けられる
    ことを特徴とする患部保護具。
  4. 請求項1に記載の患部保護具であって、
    前記患部保護部における前記弾性材層は、前記基材層側に突出する突出形状に設けられる
    ことを特徴とする患部保護具。
  5. 請求項4に記載の患部保護具であって、
    前記患部保護部における前記弾性材層は、前記基材層側に突出する略逆V字形状に設けられる
    ことを特徴とする患部保護具。
  6. 請求項4に記載の患部保護具であって、
    前記患部保護部における前記弾性材層は、前記基材層側に突出する略円弧形状に設けられる
    ことを特徴とする患部保護具。
  7. 請求項4に記載の患部保護具であって、
    前記患部保護部における前記弾性材層は、前記基材層側に突出する略M字形状に設けられる
    ことを特徴とする患部保護具。
  8. 請求項4〜7のいずれか一項に記載の患部保護具であって、
    前記弾性材層と前記粘着剤層との間に、裏材層を含む
    ことを特徴とする患部保護具。
  9. 請求項8に記載の患部保護具であって、
    前記患部保護部は、前記裏材層を含まない
    ことを特徴とする患部保護具。
  10. 請求項1に記載の患部保護具であって、
    前記患部保護部における前記弾性材層は、平面形状から前記基材層側に突出する突出形状に変更可能に設けられる
    ことを特徴とする患部保護具。
  11. 請求項10に記載の患部保護具であって、
    前記患部保護部は、前記突出形状を固定するための折曲固定部を含む
    ことを特徴とする患部保護具。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の患部保護具であって、
    前記患部保護部の少なくとも一部を貫通する進出口を含む
    ことを特徴とする患部保護具。
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