JP2018050484A - 撹拌培養装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】極低速運転から培養槽内で全体的にiPS細胞をはじめとする、各種細胞濃度の均一化が効率的に且つ確実に得られる撹拌培養装着を提供する。【解決手段】培養槽2内に挿入される、上下往復動する駆動軸4の下端部に撹拌用の翼体5を水平状に固定し、前記培養槽2の底板部7が盛り上がる山状部7aを該底板部7に形成し、該培養槽2内の培養液と共に該培養液中の前記細胞を上下方向に振幅流動させる。【選択図】図1
Description
本発明は、iPS細胞を主とし、その他あらゆる細胞培養に好適な撹拌培養装置に関する。
従来の撹拌培養装置として、例えば静置式の培養装置があるが、この静置式の培養装置によれば、細胞濃度の均一性が得られにくく、又、細胞濃度の均一性が得られるように、上下動可能なベローズ若しくはダイヤフラムを培養槽の上面部に設け、該ベローズ若しくはダイヤフラムを貫通する桿体を該ベローズ若しくはダイヤフラムに固定して垂設し、更に該桿体の下端部に撹拌翼を固定して垂設して、該撹拌翼を上下動させて前記培養槽内を撹拌するように形成した撹拌装置が知られている(特許文献1参照)。
iPS細胞を初め、培地よりも比重の重い細胞を用いた培養では、この例の撹拌装置によっても、培養槽内底部で撹拌翼の下方中心付近に澱みが生じ、この澱みにより細胞が流動が弱くなり、細胞濃度の均一化が十分に得られない問題点があった。
本発明は、このような問題点を解消し、弱低速運転から通常運転に至るあらゆる運転領域において、培養槽内で全体的に細胞濃度の均一化が効率的に且つ確実に得られる撹拌培養装置を提供することを目的とする。
本発明はこの目的を達成すべく、培養槽内に設けられている撹拌用の翼体の下方において該培養槽の底板部が盛り上がる山状部を該底板部に形成した。
本発明によれば、培養槽内でiPS細胞等の細胞を培養液中に効率的に且つ確実に混合均一化することができる効果を有する。
本発明を実施するための形態の実施例を以下に示す。
本発明の実施例1を図1により説明する。
図1は本発明の実施例1の撹拌培養装置の縦断説明図である。
1は本実施例の撹拌培養装置であり、該撹拌培養装置1は、培養槽2と上下駆動源3と駆動軸4と撹拌用の翼体5とからなり、該培養槽2は、円筒状の側壁部6と該側壁部6の下端に連設した底板部7と該側板部6の上端に取り付けた天板部8とからなる。
そして、前記上下駆動源3は該天板部8の上方に設けた例えばリニア式のモータ3aからなり、該モータ3aに上下動可能に設けた前記駆動軸4は、前記培養槽2内に垂下すると共に、前記天板部8にベローズ9を介して上下動可能に取り付けられている。
又、前記翼体5は、円形板状体からなり、その中心において前記駆動軸4の下端部に水平状に固定されている。そして、前記底板部7は、前記翼体5の中心部の下方位置が頂部となる山状部7aに形成されている。
次に、この実施例1の撹拌培養装置1の作用と効果について説明する。
前記リニア式のモータ3aを駆動して前記駆動軸4を上下動Aすると共に前記翼体5も上下動し、前記培養槽2内の培養液と共に該培養液中の前記細胞を上下方向に振幅流動させる。この上下方向の振幅流動により、該細胞は培養液中で所定のせん断作用を受けて混合均一化される。このとき前記翼体5の下方において負圧となって澱みが生じようとしても、前記底板部7が該翼体5の中心部の下方位置を頂部とする山状部7aに形成されているので、培養液と該培養液中の該細胞が該頂部から山状部7aに沿って上下流動して澱みが生ずることがなく混合均一化が促進される。
本発明の実施例2を図2乃至図4により説明する。
図2は本発明の実施例2の撹拌培養装置の縦断説明図、図3は図2のIII−III線截断説明図、図4は図3のIV−IV線截断説明図である。
本実施例2においては、前記翼体5を楕円形板状体に形成し、該翼体5はその中心において前記駆動軸4の下端部に水平状に固定されており、又、前記底板部7は、該翼体5の中心の真下を通り、且つ該翼体5の長径線に直角、即ち短径線に沿って延びる尾根部7bを有する山状部7cに形成され、該尾根部7bの両端は前記培養槽2の内側面に当接している。そして、該山状部7cは、尾根部7bの全長にわたってその左右対称に傾斜している。
次に、この実施例2の撹拌培養装置1の作用と効果について説明する。
実施例1の如く、前記駆動軸4と共に前記翼体5を上下動Aして前記培養槽2内の培養液と共に該培養液中の前記細胞を上下方向に振幅流動させると、翼体5の下方及び該翼体5の短径線の延長の尾根部7bの全長にわたって、培養液と該培養液中の該細胞が該尾根部7bから山状部7cに沿って上下流動して澱みが生ずることがなく、前記培養槽2内の広範囲にわたって混合均一化が促進される。
本発明の実施例3を図5乃至図7により説明する。
図5は本発明の実施例3の撹拌培養装置の縦断説明図、図6は図5のVI−VI線截断説明図、図7は図6のVII−VII線截断説明図である。
本実施例3においては、実施例2における尾根部7bの両端部の個所において、斜め下方に傾斜してその下端部7dが前記培養槽2の底板部7の上面と上下方向の同一レベルに形成した。
次に、この実施例3の撹拌培養装置1の作用と効果について説明する。
前記駆動軸4と共に前記翼体5を上下動Aして前記培養槽2内の培養液と共に該培養液中の前記細胞を上下方向に振幅流動させと、尾根部7bの両端部の個所において、斜め下方に傾斜してその下端部7dが前記培養槽2の底板部7の上面と同一レベルに形成されているので、前記実施例2の作用において、前記底板部7の周辺部のいずれの個所においても流動停滞部が全く生ずることがなく、前記培養槽2内の広範囲で更に確実に混合均一化が促進される。
本発明の実施例4を図8により説明する。
図8は本発明の実施例4で図3に対応する截断説明図である。
本実施例4は、前記実施例2での尾根部7bが図8に示す如く楕円形板状の翼体5の長径線に沿った方向になるように山状部7cを形成したこと特徴としている。そして、この実施例4の作用効果は前記実施例2と同様である。
本発明の実施例4を図9により説明する。
図9は本発明の実施例5で図6に対応する截断説明図である。
本実施例5は、前記実施例3における尾根部7bを有する山状部7cでの該尾根部7bの両端部の個所において、斜め下方に傾斜してその下端部7dが前記培養槽2の底板部7の上面と同一レベルに形成したものを、尾根部7bが図9に示す如く楕円形板状の翼体5の長径線に沿った方向になるように形成したこと特徴としている。そして、この実施例5の作用効果は前記実施例3と同様である。
前記実施例では翼体5として、円形板状体或いは楕円形板状体の例を示したが、長円形板状体或いは長方形板状体であってもよい。又、前記翼体5が長方形板状体の場合には、尾根部が長方形板状体の翼体5の中心下方位置を通る該尾根部を有する山状部を長方形板状体の長辺或いは短辺に沿って形成してもよい。
又、前記実施例では、翼体を上下動した例を示したが、該翼体を回転して該翼体の下方の底板部に頂部を有する山状部を形成してもよい。
本発明の撹拌培養装置は、iPS細胞等の細胞が培養液中に混合均一化するのに好適な装置として適用される。
1 撹拌培養装置
2 培養槽
3 上下駆動源
4 駆動軸
5 翼体
7 底板部
7a 山状部
7b 尾根部
7c 山状部
7d 下端部
2 培養槽
3 上下駆動源
4 駆動軸
5 翼体
7 底板部
7a 山状部
7b 尾根部
7c 山状部
7d 下端部
Claims (7)
- 培養槽内に設けられている撹拌用の翼体の下方において該培養槽の底板部が盛り上がる山状部を該底板部に形成した撹拌培養装置。
- 前記培養槽内に挿入される、上下往復動する駆動軸の下端部に前記翼体を水平状に固定した請求項1に記載の撹拌培養装置。
- 前記翼体は、円形板状体又は長径と短径を有する楕円形或いは長円形の板状体又は長辺と短辺を有する長方形板状体に形成されている請求項2に記載の撹拌培養装置。
- 前記山状部は前記短径又は前記短辺に沿った尾根部を有する請求項3に記載の撹拌培養装置。
- 前記山状部は前記長径又は前記長辺に沿った尾根部を有する請求項3に記載の撹拌培養装置。
- 前記培養槽内に挿入される、回転する駆動軸の下端部に前記翼体を水平状に固定した請求項1に記載の撹拌培養装置。
- 前記山状部は、前記尾根部の両端部の個所において斜め下方に傾斜してその下端部が前記培養槽の底板部の上面と上下方向の同一レベルに形成した請求項1乃至請求項6のいずれか1に記載の撹拌培養装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016186989A JP2018050484A (ja) | 2016-09-26 | 2016-09-26 | 撹拌培養装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20210020678A (ko) * | 2019-08-16 | 2021-02-24 | 주식회사 서우이엔지 | 위험물운반용기용 교반기 |
WO2022138938A1 (ja) * | 2020-12-24 | 2022-06-30 | 国立大学法人京都大学 | 球状培養物およびその製造方法 |
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2016
- 2016-09-26 JP JP2016186989A patent/JP2018050484A/ja active Pending
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KR102285044B1 (ko) | 2019-08-16 | 2021-08-05 | 주식회사 서우이엔지 | 위험물운반용기용 교반기 |
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