JP2018048970A - 密閉型ms反応槽のレベル計の校正方法と液面レベル変動の検出方法、並びにそれらを用いた監視システム - Google Patents

密閉型ms反応槽のレベル計の校正方法と液面レベル変動の検出方法、並びにそれらを用いた監視システム Download PDF

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Abstract

【課題】 レベル計の点検、校正を密閉反応槽を開放することなく実施して反応槽のマイクロウェーブ式レベル計の信頼性を向上させ、そのレベル計故障時には、替わって液位を監視する方法を提供する。【解決手段】 HPAL技術の硫化処理に使用する密閉型MS反応槽内の処理液面レベルを計測するレベル計の運転中の校正方法であって、反応槽が槽底部方向から2カ所以上の羽根車Pi(i=1〜n)を備え、定回転数で処理液を攪拌する電動攪拌機と槽内液面レベルを計測するレベル計を有し、予め電動攪拌機の駆動電流値とレベル計の液面レベル値の時系列変化の相関データの準備と、反応槽の運転時の羽根車の上部が液面下から現出する時点の液面を校正基準レベルS0n−1又はS0nと設定し、校正の実施は一に相関データからS0n−1、又はS0nに対する駆動電流値I0n−1又はI0nを求め、二にI0n−1の時の計測液面レベルLn−1とS0n−1、又はI0nの時のLnとS0nを用いて校正する。【選択図】図2

Description

HPALの硫化工程において撹拌機の電流値を基に、密閉反応槽の液位を監視して、当該反応槽に取り付けられているレベル計を校正する方法に関する。
図1に、その製錬フローの概略を示すHPAL技術を用いたニッケル酸化鉱の製錬では、製造工程中の硫化工程(106)で硫化水素ガス(図示せず)とニッケル水溶液の反応でMS(ミックスサルファイド:混合硫化物:Ni・Co混合硫化物)を製造する。
MS反応槽は、マイクロウェーブ式レベル計と攪拌機を備えた容器で、硫化水素ガスを密閉できる構造であり、一度運転を始めると定期休転迄の連続運転となる。反応槽は槽底部に底抜き管を備え、底抜き管は次工程の容器の上部に接続されているが、反応槽内の圧力を次工程の容器内の圧力よりも高く保つことによって、反応槽内のスラリーを次工程の容器へ常時送り出すことができる。このMS反応槽では、反応時間を適度に確保するために液位を安定させる必要があり、そのために、圧力の調節によってスラリーの送り出し量を増減させる。圧力の調節は、硫化水素ガスを吹き込むことによって高めることができる一方、圧力を下げるには硫化水素が反応によって消費されるのを待つしかない。このため、圧力の調節は、小幅かつ早期に調節することによって液位を安定させることが試みられている。すると、圧力の調節に先立って、液位を早期に検出する必要が生じ、レベル計(以下、液面レベル計とも称す)は、槽内部での反応の管理や撹拌機保護の観点から信頼性が求められる。
ところが、MS反応槽には次のような2つの困難がある。
1.レベル計指示不良時における点検、補修が困難な点
この困難は、MS反応槽が密閉型の反応容器であり、その内部には硫化水素が常に吹き込まれ充満しているために生じる。このMS反応槽を構成する反応容器に設置されたレベル計に点検・補修が必要な場合、反応容器の開放作業を伴う。この際、硫化水素が漏れないように、硫化工程を停止し、容器内部のガスを窒素で置換する必要があり、作業の手間がかかり、生産量が低下し、窒素などの資材を要し、硫化水素が無駄になる。
2.運転中の液位の監視ができなくなる点
運転中は、MS反応槽には硫化水素が吹き込まれており、液面が泡立ちやすくなっている。MS反応槽にはマイクロウェーブ式のレベル計が1台取り付けられているが、泡立った液面を測定してしまう恐れがある。また、飛び散った液に含まれていたMSがレベル計に付着しやすく、付着位置によってはレベル計が故障し、反応槽内のレベル下限が検知できなくなる。
特開2009−189923号公報
本発明は、このような状況を解決するために成されたものであり、反応槽を開放することなくレベル計の点検、校正を実施して、密閉反応槽のレベル計の信頼性を向上させ、さらにマイクロウェーブ式のレベル計の故障時に、これに替わって液位を監視する方法である。
本発明は、MS反応槽の液位変動による撹拌機の電流値の変化に着目し上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の第1の発明は、HPAL技術を用いてニッケル酸化鉱から得られたNiを含む浸出液を硫化処理する硫化工程で、前記硫化処理に使用される密閉型MS反応槽に貯留された処理液の液面レベルを計測するレベル計の運転中における校正方法であって、そのMS反応槽が反応槽の底部方向から数えて2カ所以上の羽根車P(i=1〜n)を備え、定回転数で槽内に貯留された処理液を攪拌する電動攪拌機と、その処理液の槽内の液面レベルを計測するレベル計を有し、準備過程として、予め電動攪拌機の駆動電流値とレベル計の液面レベル値の時系列変化を計測して求めた、駆動電流値と液面レベル値との相関データの準備と、MS反応槽の運転において、電動攪拌機の羽根車Pn−1又はPの上部が前記処理液の液面下から現出する時点の液面レベルを校正基準レベルS n−1又はS とする設定を行い、レベル計校正の実施は、第一に相関データから校正基準レベルS n−1又はS に対応する駆動電流値I n−1又はI を求め、第二にMS反応槽の運転において、電動攪拌機の駆動電流値がI n−1のときのレベル計が指示する計測液面レベルLn−1と前記校正基準レベルS n−1、又は駆動電流値がI のときのレベル計が指示する計測液面レベルLと前記校正基準レベルS を用いて前記レベル計を校正することを特徴とするレベル計の校正方法である。
本発明の第2の発明は、第1の発明における相関データが、MS反応槽内の液レベルと電動攪拌機の駆動電流値から構成される近似式であることを特徴とするレベル計の校正方法である。
本発明の第3の発明は、第1及び第2の発明における電動攪拌機が、n=3のP、P及びPの3段の羽根車を備えることを特徴とするレベル計の校正方法である。
本発明の第4の発明は、HPAL技術を用いてニッケル酸化鉱から得られたNiを含む浸出液を硫化処理する硫化工程で、前記硫化処理に使用される密閉型MS反応槽に貯留された処理液の液面レベル変動の検出方法であって、MS反応槽が反応槽の底部方向から数えて2カ所以上の羽根車Pi(i=1〜n)を備え、定回転数で槽内に貯留された液体を攪拌する電動攪拌機を有し、予め求めていた反応槽内の液レベルの変化と電動攪拌機の駆動電流値の変化の関係から電動攪拌機の駆動電流の計測値に対応するMS反応槽に貯留される処理液の液面レベルを求めて液面レベル変動を検出することを特徴とする液面レベル変動の検出方法である。
本発明の第5の発明は、HPAL技術を用いてニッケル酸化鉱から得られたNiを含む浸出液を硫化処理する硫化工程で、前記硫化処理に使用される液面レベル計を備えた密閉型MS反応槽に貯留された処理液の液面レベルの監視システムであって、下記(1)の液面レベル計の校正方法、或いは(2)の液面レベル監視方法が実行可能で、MS反応槽に設置された液面レベル計が、正常に稼働している場合には、(1)の校正方法を用いてレベル計の校正を行い、校正された液面レベル計を使用して硫化処理を継続し、液面レベル計に異常が発生した場合には、(2)の検出方法による液面レベルの検出に切り替えて液面レベルを監視して硫化処理を継続することを特徴とする液面レベルの監視システムである。
(1)第1の発明に記載の液面レベル計の校正方法を用いて使用中の液面レベル計の校正を行う液面レベル計の校正方法。
(2)第4の発明に記載の液面レベル変動の検出方法を用いて稼働中におけるMS反応槽に貯留される処理液の液面レベル検出を行う液面レベル検出方法。
本発明のレベル構成及びレベルコントロールシステムでシステムの2重化によって不具合の発生を防止することができるので、その工業的価値は極めて大きい。
HPAL技術を用いたニッケル酸化鉱の製錬フロー概略図である。 MS反応槽とMS反応槽撹拌機の組立図である。 攪拌機電流(A)と反応槽レベル(%)のトレンド図である。 攪拌機の駆動電流値(単位:A)と反応槽レベル(単位:%)のプロット、及び相関式(線形近似式)を示す図である。 図4の近似式を使用して攪拌機の駆動電流値から計算した液面レベル推定値と、マイクロウェーブ式レベル計の計測した指示値との比較を示す図である。
以上説明してきたとおり、MS反応槽は24時間連続で運転されている。即ち使用しているレベル計の保守、整備、修理は、休転毎に行うことになり、運転時にはできない。そのため、レベル計に不具合が生じた場合、その解決にはMS反応槽の運転を停止しなければならなかった。その際、不具合のあった槽の前段や後段にある多数の槽を逐次停止する必要があった。
このような状況のなかで、本発明はMS反応槽を連続運転するために、MS反応槽のレベルコントロールシステムの不具合の発生を予防すると共に、発生してしまった場合でもMS反応槽の運転を停止せずに、レベルコントロールシステムの不具合、特に液面レベル計の不具合を解消する、以下のような特徴を備えている。
即ち、MS反応槽内の被攪拌物を攪拌する電動攪拌機に備えられている複数段の羽根車の一つ一つが、被攪拌物に浸漬されて全没する毎に、定回転数で攪拌している攪拌機の駆動電流値が大きく変わる事を利用して、運転中の反応槽に設置、稼働状態の液面レベル計を校正する方法を可能とするものである。
また、このレベル計が故障した場合、予め導き出しておいた電動攪拌機の駆動電流値と同期した反応槽内の被攪拌物レベル値の両者間における相関関係から、計測した電動攪拌機の駆動電流値を用いて反応槽内の被攪拌物レベル値が算出される、この算出した推定レベル値によって、レベル計が不具合時でも反応槽の被攪拌物レベルを検出することができる検出方法が利用可能となる。
さらに、本発明に係る液面レベルの監視システムは、上記2つの特徴を備えたシステムである。
即ち、MS反応槽に設置されたレベル計が、正常に稼働している場合には、本発明に係る液面レベル計の校正方法を用いて稼働中のレベル計の校正を行い、その校正されたレベル計を使用して硫化処理を継続する。一方、レベル計に異常が発生した場合には、本発明に係る液面レベル変動の検出方法による液面レベルの検出に切り替えて液面レベルを監視して硫化処理を継続する。
以下、図面を参照しながら、各々説明する。
[レベル計の校正方法]
図2は、MS反応槽筐体2に電動攪拌機10、レベル計20を設置した組立状態のMS反応槽1の縦断面を示す図で、本発明で使用する電動攪拌機10は、MS反応槽筐体の底部に備えつけられる据付型攪拌機、若しくは上部から筐体内に装入される懸吊形攪拌機のいずれであっても良く、被攪拌物を攪拌する少なくとも2段以上の羽根車P(i=1〜n:n≧2)を備えるものである。さらに、この2段以上の羽根車は、MS反応槽底部側から、P、P・・・Pn−1、Pと番号付けされる。なお、図2において、11は攪拌機の駆動部、12は攪拌機モーターで、S はMS反応槽底部から3段目の羽根車P上部までの距離で、校正基準レベルとして用いられる。
このような電動攪拌機を用い、定回転数で羽根車を回転させて被攪拌物の処理液を攪拌した場合、攪拌に伴い羽根車の回転への抵抗が生じ、その大きさは羽根車が処理液の液面下から姿を現すにつれて小さくなり、攪拌機の羽根車の駆動電流値も少なくなる。また、羽根車から離れた位置に液面がある場合も、液面が上昇または下降すると、羽根車によって力を受けるスラリーの総量(質量)と駆動電流値が増加または減少する。
そこで、上記駆動電流値の変化を確認する予備実験を行い、図3に示す結果を得た。図3は、3段の羽根車(n=3、P、P、P)を備える電動攪拌機を使用中における液面レベル(単位:%)の経時変化と駆動電流値(単位:A ただし、縦軸に数値は表示していない。)の経時変化を捉えた一例を示す。
図3において、MS反応槽内の処理液の液面は、羽根車Pを全没するレベルの約80%で反応が行われており、処理液は圧力に応じた流量で常に排出されている状態である。その状態から処理液の供給ポンプを低速にし、液面レベルを緩慢に低下させて羽根車Pの上部が液面に出現した時点(図3、「○」表示)から駆動電流は大きく減少を始めた。その時点で液量(液面レベル)に対して硫化水素量が過剰となり、気相部の圧力が高くなったために、液面レベルは急激に低下しはじめ、伴って駆動電流も、より急激な減少を示していく。硫化水素ガスの吹き込み量を減少させたところ、羽根車Pの全体が露出した後(液面レベル、駆動電流値共に極小値を示す時点)で、処理液の排出量が減少に転じ、液面レベルの増加に伴い駆動電流値も上昇するが、再度、硫化水素ガスの吹き込み量を増加させると液面レベル、駆動電流値共に低下していく。その後処理液の供給ポンプを増速すると、液面レベルの上昇に伴って駆動電流値も上昇して液面レベルが羽根車Pが全没した時点(図3、「●」表示)以降、駆動電流は、その変動幅を狭めて一定の値を維持している様子が図3から見て取れる。
そこで、レベル計の校正は、校正実施の準備過程として、その校正基準液面レベル(S :図4の場合ではS )を、電動攪拌機の3段目の羽根車Pの上部が処理液の液面に現出する時点(図4、上矢印表示)の液面レベルを以って設定する。なお、図4において下矢印で示されたS は羽根車Pの下部が処理液の液面に現出する時点を指し示している。
具体的にはMS反応槽に配置された電動攪拌機におけるMS槽内面底部から羽根車Pの上部までの距離を実測して求めた値とする。なお、第2段目の羽根車を校正に使用する場合も、3段目の羽根車の場合と同様に設定する。
さらに、予め、電動攪拌機の駆動電流値と、レベル計の液面レベルの時系列変化の計測値から求めた、「駆動電流値と液面レベル値との相関データ」を準備する。
この相関データは、図4のようなグラフ、又は表として示すものや、計測値から求めた近似式で表したものであっても良い。この近似式は、一つの線形近似式、範囲を限定した複数の線形近似式の組合せ、非線形近似式などを、得られた計測データとレベル計の精度に合わせて適宜選択、利用できる。
レベル計校正の実施は、第一に、相関データから校正基準レベルS n−1、又はS に対応する駆動電流値I n−1又はI を求める。ここで、添え字nは、基準とする羽根車の番号で、3段目の羽根車を基準とする場合、n=3となる。
第二に、MS反応槽の運転において、電動攪拌機の駆動電流値がI n−1のときのレベル計が指示する計測液面レベルLn−1、或いは駆動電流値がI のときのレベル計が指示する計測液面レベルLを記録する。
次に、記録した計測液面レベルLn−1と校正基準レベルS n−1、又は計測液面レベルLと校正基準レベルS を用いて校正度合を把握してレベル計の校正を実施する。
[液面レベル変動の検出方法]
次に、MS反応槽に貯留された処理液の液面レベル変動の検出方法を説明する。
本発明は、HPAL技術を用いてニッケル酸化鉱から得られたNiを含む浸出液を硫化処理する硫化工程で、前記硫化処理に使用されるMS反応槽に貯留された処理液の液面レベル変動の検出方法で、MS反応槽に備付のレベル計を故障などで使用できない状態、或いは校正等のメンテナンスで利用できない状態のときに、反応槽内の処理液の液面レベルを検出するものである。
本方法が使用されるMS反応槽は、図2に示すような反応槽の底部方向から数えて2段以上の羽根車P(i=1〜n)を備え、定回転数で槽内に貯留された処理液を攪拌する電動攪拌機を有するものである。
以下、その検出方法を説明する。
先ず、「レベル計の校正方法」と同様に準備過程として、予め、電動攪拌機の駆動電流値と、レベル計の液面レベルの時系列変化の計測値から求めた、「駆動電流値と液面レベル値との相関データ」を準備する。
この相関データは、図4のようなグラフ、又は表として示すものや、計測値から求めた近似式:推定液面レベル式、例えば、「L=a+b*I(I:駆動電流値)」で表したものであっても良く、この近似式は、一つの線形近似式、範囲を限定した複数の線形近似式の組合せ、非線形近似式などを、得られた計測データとレベル計の精度に合わせて適宜選択、利用できる。図4では、3領域に分けて近似式を適応するのが妥当と思われる。
次に、電動攪拌機の駆動電流の計測値Iに対応するMS反応槽に貯留される処理液の液面レベルを、上記相関データから算出し、推定液面レベルLとして検出するもので、この検出を時系列で行うことで、稼働中の「推定液面レベルL」により液面レベル変動を検出するものである。
推定液面レベルLを求めるための近似式として、簡略的に図4の関係を一つの近似式で表し、その全測定領域において関係を直線で示す近似式に、「y(反応槽レベル[%])=0.813×x(攪拌機の駆動電流値[A])+32.07」を用い、推定による推定液面レベルLと、この計算に使用した電動攪拌機の駆動電流値計測に対応したレベル計による指示値Lの時系列変化の比較結果を図5に示す。
最大5%程度の変動幅を有しているが、指示値Lの時系列傾向を推定液面レベルLがトレースしているのが判る。推定液面レベルLと指示値Lの差は、例えば、図4に示すような範囲毎の近似式を用いたり、xやyとして移動平均を取った値を使用するなどの方法により小さくすることができる。
一方実操業では、使用するMS反応槽が縦長の槽では、羽根車を大径化するよりも、羽根車の段数を増やす方が均一に攪拌できるもので、このように複数段の羽根車を備えた撹拌機を有す反応槽では、液面が高くても低くても精度よく液面レベルを推定することが可能である。
こうして求めた推定液面レベルLは、予め定めた目標液面レベル(たとえば、70〜80%)より高い場合はMS反応槽内の保有液量を減らす操作を行い、低い場合はMS反応槽内の保有液量を増やす操作を行うのに役立てることができる。保有液量を減らす操作とは、たとえば、硫化水素などのガスの供給量を増加させてMS反応槽内の圧力を高める操作や、MS反応槽内への給液ポンプの送液量を減らす操作が該当する。保有液量を増やす操作としては、保有液量を減らす操作の逆の操作である。
[監視システム]
本発明の更なる発明は、HPAL技術を用いてニッケル酸化鉱から得られたNiを含む浸出液を硫化処理する硫化工程で、その硫化処理に使用される密閉されたMS反応槽に貯留された処理液の液面レベルの監視システムで、(1)液面レベル計の校正方法、及び(2)液面レベル検出方法を有するもので、このMS反応槽に設置されたレベル計が、正常に稼働している場合には、(1)液面レベル計の校正方法を用いて稼働中にレベル計の校正を行い、その校正されたレベル計を使用して硫化処理を継続することを特徴とし、レベル計に異常が発生した場合には、(2)液面レベル検出方法による液面レベルの検出に切り替えて液面レベルを監視して硫化処理を継続することを特徴とする液面レベルの監視システムである。
ここで、(1)の液面レベル計の校正方法は、MS反応槽に設置された電動攪拌機に付随する羽根車と反応槽内の処理液量と電動攪拌機の駆動電流値の関係を利用したMS反応槽の稼働中のレベル計の校正方法で、具体的には先に述べた第1から第3の発明による「使用中の液面レベル計の校正を行う液面レベル計の校正方法」である。
一方、(2)の液面レベルの検出方法は、予め求めた液面レベル値と駆動電流値の相関関係から液面レベルを推定する液面レベルの検出方法で、具体的には先に述べた第4の発明による「液面レベル変動の検出方法」を用いて稼働中における反応槽の液面レベルの検出を行うものである。
この監視システムの利点は、攪拌機の駆動電流値を利用した液面レベルの検出に切り替える直前まで、液面レベル計の校正を集められることにある。よって、液面レベルをなんらかの方法で途切れることなく測定できるし、もし羽根車が腐食したり固着物で覆われていたりしていた場合であっても、直近の近似式を用いて正確に液面レベルを算出できる。
1 MS反応槽(3段の羽根車を備える)
2 MS反応槽筐体
10 電動攪拌機
11 攪拌機の駆動部
12 攪拌機モーター
20 レベル計
羽根車(i=1〜n:n≧2)

Claims (5)

  1. HPAL技術を用いてニッケル酸化鉱から得られたニッケルを含む浸出液を硫化処理する硫化工程で、前記硫化処理に使用される密閉型MS反応槽に貯留された処理液の液面レベル計測用レベル計の運転中における校正方法であって、
    前記MS反応槽が反応槽の底部方向から数えて2カ所以上の羽根車P(i=1〜n)を備え、定回転数で槽内に貯留された処理液を攪拌する電動攪拌機と、前記レベル計を有し、
    準備過程として、予め、前記電動攪拌機の駆動電流値と、レベル計の液面レベル値の時系列変化を計測して求めた、駆動電流値と液面レベル値との相関データの準備と、
    MS反応槽の運転において、前記電動攪拌機の羽根車Pn−1又はPの上部が前記処理液の液面下から現出する時点の液面レベルを校正基準レベルS n−1又はS とする設定を行い、
    レベル計校正の実施は、第一に前記相関データから、前記校正基準レベルS n−1、又はS に対応する駆動電流値I n−1又はI を求め、
    第二に、MS反応槽の運転において、電動攪拌機の駆動電流値がI n−1のときのレベル計が指示する計測液面レベルLn−1と前記校正基準レベルS n−1、又は駆動電流値がI のときのレベル計が指示する計測液面レベルLと前記校正基準レベルS を用いて前記レベル計を校正することを特徴とするレベル計の校正方法。
  2. 前記相関データが、MS反応槽内の液レベルと電動攪拌機の駆動電流値から構成される近似式であることを特徴とする請求項1に記載のレベル計の校正方法。
  3. 前記電動攪拌機が、n=3のP、P及びPの3段の羽根車を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のレベル計の校正方法。
  4. HPAL技術を用いてニッケル酸化鉱から得られたニッケルを含む浸出液を硫化処理する硫化工程で、前記硫化処理に使用される密閉型MS反応槽に貯留された処理液の液面レベル変動の検出方法であって、
    前記MS反応槽が、反応槽の底部方向から数えて2カ所以上の羽根車P(i=1〜n)を備え、定回転数で槽内に貯留された液体を攪拌する電動攪拌機を有し、
    予め求めていた反応槽内の液レベルの変化と電動攪拌機の駆動電流値の変化の関係から、前記電動攪拌機の駆動電流の計測値に対応する前記MS反応槽に貯留される処理液の液面レベルを求めて液面レベル変動を検出することを特徴とする液面レベル変動の検出方法。
  5. HPAL技術を用いてニッケル酸化鉱から得られたニッケルを含む浸出液を硫化処理する硫化工程で、前記硫化処理に使用される密閉型MS反応槽に貯留された処理液の液面レベルの監視システムであって、
    下記(1)の液面レベル計の校正方法、或いは(2)の液面レベル監視方法が実行可能で、
    前記MS反応槽に設置された液面レベル計が、正常に稼働している場合には、(1)の校正方法を用いて前記レベル計の校正を行い、校正された液面レベル計を使用して液面レベルを測定し、
    前記液面レベル計に異常が発生した場合には、(2)の検出方法による液面レベルの検出に切り替えて液面レベルを監視する
    ことを特徴とする液面レベルの監視システム。
    記)
    (1)請求項1に記載の液面レベル計の校正方法を用いて使用中の液面レベル計の校正を行う液面レベル計の校正方法。
    (2)請求項4に記載の液面レベル変動の検出方法を用いて稼働中におけるMS反応槽に貯留される処理液の液面レベル検出を行う液面レベル検出方法。
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