JP2018048811A - 検出対象のセンシング方法 - Google Patents

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秀治 栗岡
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浩康 田中
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    • G01N33/54306Solid-phase reaction mechanisms

Abstract

【課題】検出対象を感度良く検出することができるセンシング方法を提供する。【解決手段】表面に固定化された第1物質13b3を有する基体に、第1物質13b3と結合可能な検出対象13cを供給する工程と、検出対象13cを供給した後に、検出対象13cと結合可能な第2物質13dを基体に供給する工程と、第2物質13dを供給した後に、第2物質13dと結合可能な金属粒子13eを基体に供給する工程と、を備える検出対象のセンシング方法とする。【選択図】図6

Description

本発明は、検体に含まれる検出対象のセンシング方法に関する。
弾性表面波素子などの検出素子を用いて、サンプル中の標的検体を分析する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この分析方法によれば、まず、第一の分子認識コンポーネントと、ナノ粒子と結合した第二の分子認識コンポーネントと、サンプル中の標的検体とを反応させる。その後、所定の金属イオンと還元剤を添加することによって、金属イオンが還元された金属が析出したナノ粒子を検出するものである。
特表2010−529422号公報
しかしながら、上述の特許文献に記載の技術によれば、第二の分子認識コンポーネントがナノ粒子と結合した結合体の状態で供給されることから、それぞれ単独の場合と比較して当該結合体の三次元構造は大きく且つ複雑となる。そのため、第一の分子認識コンポーネントに結合している標的検体に対して上述の結合体を結合させる際に、上述の結合体の三次元構造に基づく立体的な障害によって十分に結合させることができないおそれがあった。それ故、サンプル中の標的検体を感度良く検出することが難しかった。
そこで、検出対象を感度良く検出することができるセンシング方法が求められていた。
本発明の実施形態に係る検出対象のセンシング方法は、表面に固定化された第1物質を有する基体に、前記第1物質と結合可能な検出対象を供給する工程と、前記検出対象を供給した後に、前記検出対象と結合可能な第2物質を前記基体に供給する工程と、前記第2物質を供給した後に、前記第2物質と結合可能な金属粒子を前記基体に供給する工程とを備える。
本発明の実施形態に係る検出対象のセンシング方法によれば、表面に固定化された第1物質を有する基体に検出対象を供給した後で、検出対象と結合可能な第2物質を基体に供給することから、第1物質に対して検出対象を効率的に結合させた状態で、その検出対象に対して第2物質を効率的に結合させることが可能となる。そして、その上で、第2物質に対して金属粒子を結合させることによって、検出対象をさらに感度良く検出することが可能となる。
本発明の実施形態に係るセンサ装置を示す図であり、(a)は平面図、(b)は長さ方向の断面図であって(a)のA−A線における断面図、(c)は幅方向の断面図であって紙面に対して上から順に、(a)のa−a線、b−b線およびc−c線のそれぞれにおける断面図である。 図1のセンサ装置の一部を拡大して示す断面図である。 図1のセンサ装置の検出素子を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のd−d線における断面図、(c)は(a)のe−e線における断面図である。 図1のセンサ装置の分解平面図である。 図1のセンサ装置の製造工程を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る検出対象のセンシング方法を説明する図である。 図6に示す検出対象のセンシング方法の変形例を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係るセンサ装置について、検体が液体状(検体液)である場合を例にとって、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する各図面において同じ構成部材には同じ符号を付すものとする。また、各部材の大きさや部材同士の間の距離などは模式的に図示しており、現実のものとは異なる場合がある。
<センサ装置>
本発明の実施形態に係るセンサ装置100について、図1〜図5を用いて説明する。
本実施形態に係るセンサ装置100は、図1に示すように、主に第1カバー部材1、中間カバー部材1A、第2カバー部材2および検出素子3を備える。
具体的には、センサ装置100は、図1(b)に示すように、検体液が流入する流入部14と、流入部14と連続しており且つ中間カバー部材1Aと第2カバー部材2とで囲まれて少なくとも検出部13まで延びている流路15とを備えている。流入部14は、図1(b)に示すように、中間カバー部材1Aの上面および第2カバー部材2の側面に位置している。なお、流入部14は、図16(b)に示すように、第2カバー部材2を厚み方向に貫通するようにしてもよい。
本実施形態に係るセンサ装置100では、第1カバー部材1の上面に検出素子3と流路15の少なくとも一部を構成する中間カバー部材1Aとを併設したことから、厚みのある検出素子3を用いた場合でも流入部14から検出部13に至る検体液の流路15を確保することができ、毛細管現象などによって流入部14から吸引された検体液を検出部13まで流すことができる。流路15の幅は、例えば、0.5mm〜3mmであり、深さは、例えば、0.1mm〜0.5mmである。これにより、厚みを有する検出素子3を用いつつ、それ自体に検体液の吸引機構を備えた測定作業が簡便なセンサ装置100を提供することができる。なお、センサ装置100は、それ自体が検体液の吸引機構を備えない場合には、ピペットなどの器具を使用して検体液を導入することができる。
(第1カバー部材1)
第1カバー部材1は、図1(b)に示すように平板状である。第1カバー部材1の厚さは、例えば、0.1mm〜0.5mmである。第1カバー部材1の平面形状は概ね長方形状である。第1カバー部材1の長さ方向の長さは、例えば、1cm〜5cmであり、幅方向の長さは、例えば、1cm〜3cmである。第1カバー部材1の材料としては、例えば、紙、プラスチック、セルロイド、セラミックス、不織布、ガラスなどを用いることができる。必要な強度とコストとを兼ね備える観点からプラスチックを用いることが好ましい。
また、第1カバー部材1の上面には、図1(a)に示すように、端子6および端子6から検出素子3の近傍まで引き回された配線7が形成されている。端子6は、第1カバー部材1の上面において、検出素子3に対して幅方向に両側に形成されている。センサ装置100を外部の測定器(図示せず)で測定する際に、端子6と外部の測定器とが電気的に接
続される。また、端子6と検出素子3とは、配線7などを介して電気的に接続されている。そして、外部の測定器からの信号が端子6を介してセンサ装置100に入力されるとともに、センサ装置100からの信号が端子6を介して外部の測定器に出力されることとなる。
(中間カバー部材1A)
本実施形態において、図1(a)および図1(b)に示すように、中間カバー部材1Aが、第1カバー部材1の上面に、検出素子3と並んで位置している。また、中間カバー部材1Aと検出素子3とは間隙を介して位置している。
中間カバー部材1Aは、平板状の板に凹部形成部位4を有する部材であり、その厚さは、例えば、0.1mm〜0.5mmである。なお、中間カバー部材1Aの厚さは、検出素子3の厚さよりも大きいことが好ましい。
本実施形態において、凹部形成部位4は、図1(a)、図1(b)および図4に示すように、第1上流部1Aaおよび第1下流部1Abを分断する部位である。凹部形成部位4が設けられた中間カバー部材1Aを、平板状の第1カバー部材1と接合することによって、図2(a)に示すように、第1カバー部材1および中間カバー部材1Aによって素子収容凹部5が形成されることとなる。すなわち、凹部形成部位4の内側に位置する第1カバー部材1の上面が素子収容凹部5の底面となり、凹部形成部位4の内壁が素子収容凹部5の内壁となる。言い換えれば、凹部形成部位4から露出する第1カバー部材1の上面が素子収容凹部5の底面となり、凹部形成部位4の内壁が素子収容凹部5の内壁となる。
中間カバー部材1Aの材料としては、例えば、樹脂(プラスチックを含む)、紙、不織布、ガラスなどを用いることができ、より具体的には、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂材料を用いることが好ましい。なお、第1カバー部材1の材料と中間カバー部材1Aの材料とを異なるようにしてもよい。
また、本実施形態において、中間カバー部材1Aは、第1上流部1Aaと第1下流部1Abとを有しており、図1(a)に示すように、センサ装置100を第2カバー部材2の上面側から透視する上面透視(上面視)において、検出素子3は、第1上流部1Aaと第1下流部1Abとの間に位置している。これによれば、流路15のうち第1上流部1Aaを通って検出素子3上を流れる検体液は、測定に必要な量を超える量が第1下流部1Ab側に流れていくことから、検出素子3に適切な量の検体液を供給することが可能となる。
(第2カバー部材2)
第2カバー部材2は、図1(b)および図1(c)に示すように、検出素子3の少なくとも一部を覆うとともに中間カバー部材1Aに接合されている。第2カバー部材2の材料としては、例えば、樹脂(プラスチックを含む)、紙、不織布、ガラスなどを用いることができ、より具体的には、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂材料を用いることが好ましい。なお、第1カバー部材1の材料と第2カバー部材2の材料とを同一としてもよい。これによって、互いの熱膨張係数の差に起因する変形を抑制することが可能となる。なお、第2カバー部材2は、中間カバー部材1Aにのみ接合される構成、あるいは第1カバー部材1および中間カバー部材1Aの双方に接合される構成にしてもよい。
ここで、第2カバー部材2は、第3基板2aと第4基板2bとを有する。
第3基板2aは、中間カバー部材1Aの上面に貼り合わされている。第3基板2aは平板状であり、その厚さは、例えば、0.1mm〜0.5mmである。第4基板2bは、第
3基板2aの上面に貼り合わされている。第4基板2bは、平板状であり、その厚さは、例えば、0.1mm〜0.5mmである。そして、図4に示すように、第3基板2aには流路15を形成する切欠きが形成されていることから、第4基板2bが第3基板2aと接合されることによって、図1(b)に示すように、第2カバー部材2の下面に流路15が形成されることとなる。流路15は、流入部14から少なくとも検出部13の直上領域まで延びており、断面形状は、例えば、矩形状である。
本実施形態において、流路15の端部は、図1(b)に示すように、第3基板2aが存在せずに第4基板2bと中間カバー部材1Aとの隙間が排気孔18として機能する。排気孔18は、流路15内の空気などを外部に放出するためのものである。
(検出素子3)
検出素子3は、図1(b)に示すように、第1カバー部材1の上面に位置している素子基板10、および素子基板10の上面または後述する絶縁性部材28の上面に位置しており且つ検体液に含まれる検出対象13cの検出を行なう少なくとも1つの検出部13を有する。検出素子3の詳細については、図2(b)および図3に示している。
なお、本実施形態においては、図3に示すように、素子基板10の上面に素子電極(電極パターン)29が設けられており、且つ、素子電極29を覆うように絶縁性部材28が設けられている。なお、素子電極29としては、検出素子3としてSAW素子を用いる場合にはIDT(Interdigital Transducer)電極および引出し電極などが相当する。本実施形態においては、図3に示すように、素子基板10の上面には、後述する、第1IDT電極11、第2IDT電極12、第1引出し電極19および第2引出し電極20などが設けられている。
本実施形態では、図2(b)に示すように、素子基板10の上面に、第2カバー部材2が、例えばIDT電極11、12上に固定されている。
(素子基板10)
素子基板10は、例えば、タンタル酸リチウム(LiTaO)単結晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO)単結晶または水晶などの圧電性を有する単結晶の基板からなる。素子基板10の平面形状および各種寸法は適宜に設定されてよい。一例として、素子基板10の厚さは、0.3mm〜1mmである。
次に、素子電極29として、IDT電極11、12および引出し電極19、20について順に説明する。
(IDT電極11、12)
図3に示すように、第1IDT電極11は、素子基板10の上面に位置しており、1対の櫛歯電極を有する。各櫛歯電極は、互いに対向する2本のバスバー、および各バスバーから他のバスバー側へ延びる複数の電極指を有している。そして、1対の櫛歯電極は、複数の電極指が互いに噛み合うように配置されている。第2IDT電極12も、第1IDT電極11と同様、素子基板10の上面に位置しており、1対の櫛歯電極を有する。図3に示されている第1IDT電極11および第2IDT電極12は、トランスバーサル型のIDT電極を構成している。
第1IDT電極11は、所定の弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)を発生させるためのものであり、第2IDT電極12は、第1IDT電極11で発生したSAWを受信するためのものである。そのため、第1IDT電極11で発生したSAWを第2IDT電極12が受信できるように、第1IDT電極11と第2ID
T電極とは同一直線上に配置されている。なお、SAWの周波数特性については、第1IDT電極11および第2IDT電極12の電極指の本数、隣接する電極指同士の距離、ならびに電極指の交差幅などをパラメータとして、設計することができる。IDT電極によって励振されるSAWとしては、種々の振動モードのものが存在するが、本実施形態に係る検出素子3においては、例えば、SH波(shear horizontal wave)とよばれる横波の振動モードを利用している。
SAWの周波数は、例えば、数メガヘルツ(MHz)から数ギガヘルツ(GHz)の範囲内において設定可能である。中でも、数百MHzから2GHzとすれば、実用的であり、かつ検出素子3の小型化ひいてはセンサ装置100の小型化を実現することができる。
ここで、第1IDT電極11および第2IDT電極12の材料としては、例えば、金、アルミニウム、あるいはアルミニウムと銅との合金(アルミニウム合金)などが挙げられる。また、これらの電極は、多層構造としてもよい。多層構造とする場合は、例えば、1層目にチタンまたはクロムを含め、2層目に金、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含め、3層目にチタンまたはクロムを含めことができる。この場合には、3層目のチタンまたはクロムは表面を酸化させてもよく、これによれば、後述する絶縁性部材28であるSiOとの密着性を向上させることが可能となる。多層構造の具体例としては、チタン上に金およびチタンを順に形成した3層構造(Ti/Au/Ti)、チタン上に金および酸化チタンを順に形成した3層構造(Ti/Au/TiO)などが挙げられる。また、多層構造とする場合は、複数の層のうち最上層を後述する固定化膜13aと異なる材料で構成してもよい。この点は、後述する第1引出し電極19および第2引出し電極20についても同様である。
また、第1IDT電極11および第2IDT電極12の厚さは、例えば、30nm〜300nmに設定することができる。第1IDT電極11および第2IDT電極12の厚さを30nm以上とすれば、弾性表面波の伝送損失を低減することができる。また、第1IDT電極11および第2IDT電極12の厚さを300nm以下とすれば、検出の感度低下を抑制することができる。
(引出し電極19、20)
図3(a)に示すように、第1引出し電極19は、第1IDT電極11に接続されており、第2引出し電極20は、第2IDT電極12に接続されている。
また、第1引出し電極19は、第1IDT電極11から検出部13とは反対側に引き出され、第1引出し電極19の端部19eは第1カバー部材1に設けられた配線7に電気的に接続されている。第2引出し電極20は、第2IDT電極12から検出部13とは反対側に引き出され、第2引出し電極20の端部20eは配線7に電気的に接続されている。図3(a)および図3(c)に示すように、第1引出し電極19の端部19eおよび第2引出し電極20の端部20eは、後述する絶縁性部材28に覆われておらずに露出している。なお、図3(a)では、絶縁性部材28で覆われておらずに露出している部位に模様(縦線のハッチング)を付与して示している。
ここで、第1引出し電極19および第2引出し電極20の材料としては、第1IDT電極11および第2IDT電極12と同様の材料を用いることができる。また、第1引出し電極19の端部19eおよび第2引出し電極20の端部20eを多層構造とする場合は、その具体例としては、チタン上に金を形成した2層構造(Ti/Au)、チタン上に金、チタン、チタンおよび金を順に形成した5層構造(Ti/Au/Ti/Ti/Au)、チタン上に金、酸化チタン、チタンおよび金を順に形成した5層構造(Ti/Au/TiO/Ti/Au)などが挙げられる。
第1引出し電極19および第2引出し電極20の厚さは、例えば、30nm〜300nmに設定することができる。これによれば、第1IDT電極11および第2IDT電極12との間における通電を確保することができる。また、第1引出し電極19および第2引出し電極20の厚さは、第1IDT電極11および第2IDT電極12と同等にしてもよい。これによれば、引出し電極とIDT電極とを同一工程で作製することによって製造工程を簡素化することが可能であるとともに、引出し電極とIDT電極との接続部において電極表面に段差が生じないため、絶縁性部材28との密着を均一にすることが可能となる。その結果、例えば、応力印加によって絶縁性部材28にクラックなどが発生することを抑制できる。
(絶縁性部材28)
絶縁性部材28は、素子電極(IDT電極11、12および引出し電極19、20など)29の酸化防止などに寄与するものであり、図3に示すように、素子電極29の少なくとも一部を覆っている。
本実施形態では、図3(b)に示すように、絶縁性部材28は、第1IDT電極11および第2IDT電極12を覆っている。また、絶縁性部材28は、第1引出し電極19および第2引出し電極20も覆っている。但し、図3(a)および図3(c)に示すように、第1引出し電極19の端部19eおよび第2引出し電極20の端部20eは、それぞれの少なくとも一部が絶縁性部材28によって被覆されていない部位を有する。そして、図2(b)に示すように、この被覆されていない部位と配線7とが金属細線(導線)27を用いて電気的に接続されている。なお、絶縁性部材28は、金属細線27および配線7を覆うように形成されてもよい。
絶縁性部材28の材料としては、例えば、酸化珪素(SiO)、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化珪素およびシリコンなどが挙げられる。
また、絶縁性部材28の厚さは、例えば、10nm〜2000nmに設定することができる。絶縁性部材28の厚さを10nm以上にすれば、優れた温度特性を有することができるとともに、IDT電極11、12などに対して充分な絶縁性を備えることができる。絶縁性部材28の厚さを2000nm以下にすれば、検出の感度低下を抑制することができるとともに優れた温度特性を有することができる。
(検出部13)
図3に示すように、検出部13は、検体液に含まれる検出対象13cの検出を行なうものであり、素子基板10の上面(表面)または絶縁性部材28の上面であって第1IDT電極11と第2IDT電極12との間に位置している。
本実施形態において、検出部13は、素子基板10の上面(表面)または絶縁性部材28の上面(表面)に位置している固定化膜13aと、固定化膜13aの上面に位置している反応部13bとを有する。なお、他の例として、検出部13は、固定化膜13aを有さない構成でもよく、その場合には、素子基板10の上面(表面)または絶縁性部材28の上面(表面)に反応部13bが位置することになる。
(固定化膜13a)
固定化膜13aは、素子基板10の上面(表面)または絶縁性部材28の上面(表面)に位置しているとともに、その上面(表面)に反応部13bを固定化するものである。本実施形態では、上述のとおり、検出部13が第1IDT電極11と第2IDT電極12との間に位置していることから、固定化膜13aも第1IDT電極11と第2IDT電極1
2との間に位置している。
固定化膜13aの材料としては、例えば、金属、酸化膜(SiO、TiOなど)、ポリマー膜(PET、PMMAなど)を用いることができる。ここで、固定化膜13aに金属を用いる場合あるいは多層構造にする場合には、その最表面(最表層)を上述のような酸化膜およびポリマー膜にすることができる。なお、固定化膜13aは、第1IDT電極11および第2IDT電極12などの素子電極29と同一の材料を有することができる。また、固定化膜13aの材料としては、第1IDT電極11および第2IDT電極12と同様の材料に加えて、その他の貴金属材料(例えば、白金、銀、パラジウムおよびそれらの合金など)を用いることができる。また、固定化膜13aを多層構造とする場合は、例えば、クロムあるいはチタン、およびクロム(チタン)上に形成された金の2層構造、金上に形成された酸化チタンの3層構造とすることができる。多層構造の具体例としては、チタン上に金を形成した2層構造(Ti/Au)、チタン上に金および酸化チタンを順に形成した3層構造(Ti/Au/TiO)などが挙げられる。
固定化膜13aの厚さは、例えば、30nm〜300nmに設定することができる。固定化膜13aの厚さを30nm以上にすれば、検出の感度低下を抑制することができる。また、固定化膜13aの厚さを300nm以下にすれば、弾性表面波の伝送損失を低減することができる。
(反応部13b)
反応部13bは、検体液中の検出対象13cと化学反応を生じる部位であり、図3に示すように、固定化膜13aの表面(上面)に位置している。
反応部13bとしては、例えば、固定化膜13aの表面に、官能基13b1を介して第1物質13b3を固定化する構成、あるいは、官能基13b1および有機部材13b2を介して第1物質13b3を固定化する構成などが挙げられる。このような構成を有する反応部13bは、例えば、検体液との接触に起因して、検体液中の特定の検出対象13cがその検出対象13cに対応するアプタマーなどの第1物質13b3などと結合する。
官能基13b1としては、例えば、SH基(チオール基)が挙げられ、それ以外にも、シラノール基、アミノ基、カルボキシル基、マレイミド基、スルフィド基、ジスルフィド基、アルデヒド基、アジド基、N−ヒドロキシスクシンイミド基、エポキシ基、カルボニルジイミダゾール基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、ヒドラジド基、ビニル基、トシル基、トレシル基、スクシンイミド基、スルホン化スクシンイミド基およびビオチンなどが挙げられる。
有機部材13b2としては、例えば、デキストラン、アガロース、アルギン酸、カラゲナンおよびこれらに類する糖類またはこれらのいずれかの誘導体、あるいはポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、オリゴエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ベタインポリマー、セルロースおよびこれらに類する有機ポリマー、ならびに自己組織化単分子層(SAM膜)などが挙げられる。ここで、自己組織化単分子層としては、例えば、約1〜400の炭素長の直鎖状または分岐状の炭化水素鎖を含むものが挙げられる。炭化水素鎖は、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルカリール(alkaryl)基、アラルキル基、およびこれらの任意の組み合わせを含み得る。例えば、HS−(CH2)n−NH3+Cl−、HS−(CH2)n−COOHなどが挙げられる。好ましくは、n=約3〜30炭素長のアルキル鎖である。
第1物質13b3は、特定の物質と選択性を持って結合する分子認識能を有するもので
あり、例えば、ペプチド、タンパク質(抗体、酵素、レクチン類を含む)、核酸(アプタマーを含む)、およびボロン酸化合物などが挙げられる。また、第1物質13b3は、上述したように、固定化膜13aの表面に、官能基13b1を介して固定化するか、あるいは両端部にホモ二官能基あるいはヘテロ二官能基を有する有機部材13b2を介して固定化することができる。例えば、アプタマーなどの第1物質13b3は、固定化膜13aの表面のほぼ全域を覆う有機部材13b2の上面(上部)に固定化するか、あるいは固定化膜13aの表面に官能基13b1を介して固定化するとともに固定化されたアプタマーの周囲に有機部材13b2を固定化すればよい。このようにすれば、アプタマーを、配向性を持って固定化させることができるため、固定化膜13aの表面に効率的により多くの量を固定化することが可能となる。すなわち、アプタマーの一端側に官能基13b1を結合させることで、そのアプタマーの他方の部位にある検出対象13cとの結合部を固定化膜13aの上方に向けることができるため、それぞれのアプタマーを隣接して密に配置することが可能となる。
上述したセンサ装置100は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、図5(a)に示すように、端子6および配線7が形成された第1カバー部材1を用意する。
次に、図5(b)に示すように、第1カバー部材1の上に、中間カバー部材1Aを積層する。ここで、中間カバー部材1Aは、第1上流部1Aaと第1下流部1Abとからなる。
次に、図5(c)に示すように、中間カバー部材1Aの第1上流部1Aaと第1下流部1Abとの間に、検出素子3を金属細線27を用いて実装する。ここで、第1カバー部材1の上に、中間カバー部材1Aおよび検出素子3を載置する工程は、いずれを先に実行してもよい。
次に、図5(d)に示すように、中間カバー部材1Aの上に、第2カバー部材2の第3基板2aを積層する。
そして、図5(e)に示すように、第3基板2aの上に第4基板2bを積層することによって、本実施形態に係るセンサ装置100が製造される。
また、本実施形態に係るセンサ装置100の製造において、検出素子3の製造は、以下の(i)〜(iv)の工程を備える。
(i)レジストパターニングした後にリフトオフすることによって、第1IDT電極11、第2IDT電極12、第1引出し電極19および第2引出し電極20を形成する工程。
(ii)成膜した後にパターニングすることによって、絶縁性部材28を形成する工程。
(iii)固定化膜13a、第1引出し電極19の端部19eおよび第2引出し電極20の端部20eを形成する工程。
(iv)固定化膜13aに、両端部にホモ二官能基あるいはヘテロ二官能基を有する有機部材13b2を含む溶液を供給した後、第1物質13b3を含む溶液を供給して固定化する工程。
<検出対象のセンシング方法>
本発明の実施形態に係る検出対象のセンシング方法について、図6および図7を参照しつつ、説明する。
具体的には、本実施形態に係る検出対象のセンシング方法は、表面に固定化された第1物質13b3を有する基体10に、第1物質13b3と結合可能な検出対象13cを供給する工程と、検出対象13cを供給した後に、検出対象13cと結合可能な第2物質13dを基体10に供給する工程と、第2物質13dを供給した後に、第2物質13dと結合可能な金属粒子13eを基体10に供給する工程とを備える。以下、基体10の一例として素子基板10を用いて説明することがある。
(基体10の表面に第1物質13b3を固定化する工程)
まず、上述のように、基体10の表面に、固定化膜13a、官能基13b1、有機部材13b2などを介して、第1物質13b3を固定化する。具体的な内容については上述の通りであるため、ここでは説明を省略する。
(検出対象13cの供給工程)
次に、図6(a)に示すように、表面に固定化された第1物質13b3を有する基体10に、第1物質13b3と結合可能な検出対象13cを供給する。この際、検出対象13cは、所定の検体液に含まれた状態で供給すればよい。
検出対象13cとしては、例えば、抗体、酵素、アルブミンなどのタンパク質、脂質、細菌、ウィルス、代謝物、核酸などが挙げられる。また、検体液としては、例えば、血液、血清、血漿、尿、唾液、汗、涙、喀痰などをそのまま、もしくは適切な溶媒で希釈したものが挙げられる。
これによれば、基体10の表面に固定化された第1物質13b3に対して検出対象13cを効率的に結合させることが可能となる。
(第2物質13dの供給工程)
次に、図6(b)に示すように、上述のように検出対象13cを供給した後に、検出対象13cと結合可能な第2物質13dを基体10に供給する。
第2物質13dとしては、第1物質13b3と同様、特定の物質と選択性を持って結合する分子認識能を有するものであり、例えば、ペプチド、タンパク質(抗体、酵素、レクチン類を含む)、核酸(アプタマーを含む)、およびボロン酸化合物などが挙げられる。
これによれば、検出対象13cを供給した後で、別の工程にて第2物質13dを供給することから、先の工程にて第1物質13b3に結合した検出対象13cに対して第2物質13dを効率的に結合させることが可能となる。すなわち、例えば、第2物質13dが、単独の状態ではなく、後述の金属粒子13eと結合した結合体の状態で供給されることによって、第1物質13b3に結合している検出対象13cに対する結合に際して結合体が立体障害となるようなことを抑制することが可能となる。その結果、検出対象13cに対する第2物質13dの結合が阻害されること、あるいは、検出対象13cと第2物質13dとの結合の反応速度が低下することなどを抑制することが可能となる。
ここで、第2物質13dは、第1溶液13L1中に含まれた状態で基体10に供給することができる。これによれば、所定の溶液中に金属粒子13eとともに入れる場合と比較して、第2物質13dにとって最適な溶液を選択することができることから、高濃度でも第2物質13dの凝集を抑制すること、第2物質13dと検出対象13cとの結合性を向上させること、などが可能となる。その結果、検体液中に含まれる検出対象13cが少ない(低濃度)場合においても、検出対象13cに第2物質13dが結合することによって、感度よく検出することが可能となる。
第1溶液13L1としては、例えば、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、HEPES(4−(2−hydroxyethyl)−1−piperazineethanesulfonicacid)緩衝液、および、MOPS(3−Morpholinopropanesulfonic acid)緩衝液などが挙げられる。これらに、塩化ナトリウムや塩化カリウム、塩化マグネシウム、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)などを含んでもよい。さらに、必要に応じて、Tween(登録商標)20あるいはTritonX100(登録商標)などの界面活性剤を含んでもよい。
第2物質13dとして抗体を用いる場合には、適当な濃度のTween20を含むリン酸緩衝生理食塩水を用いることができる。また、第2物質13dとして核酸を用いる場合には、5mMのEDTAを含むTris(tris(hydroxymethyl)aminomethane)緩衝液を用いることができる。
(第1洗浄液13W1の供給工程)
次に、第2物質13dを供給した後であって金属粒子13eを供給する前に、第1洗浄液13W1を基体10に供給してもよい。
これによれば、検出対象13cと結合せずに残っている第2物質13dなどを、基体10およびその周辺から取り除くことができる。その結果、後工程である金属粒子13eの供給の際に、金属粒子13eが不要な残存物質と結合することを低減することができるため、検出対象13cに結合している第2物質13dに対して金属粒子13eを効率的に結合させることが可能となる。
第1洗浄液13W1としては、例えば、第1溶液13L1と同じでもよいし、異なるものでもよい。第1溶液13L1と異なるものである場合には、例えば、第1溶液13L1よりも界面活性剤の濃度が大きいもの、あるいは、第1溶液13L1に異なる界面活性剤をさらに添加してもよい。これによれば、検出対象13cと結合せずに残っている第2物質13dを効率的に基体10から取り除くことが可能となる。
(リンカー13Lの供給工程)
次に、第2物質13dと金属粒子13eとに結合可能なリンカー13Lを基体10に供給してもよい。この場合には、第2物質13dを供給した後であって金属粒子13eを供給する前に供給すればよい。
これによれば、図7(a)に示すように、例えば、第2物質13dと金属粒子13eとが所望の結合性を有しない場合においても、リンカー13Lによって両者を効率的に結合させることが可能となる。あるいは、第2物質13dと金属粒子13eとが直接結合可能な場合であっても、適当なリンカー13Lを用いることによって、両者をより効率的に結合させることが可能となる。
他方、リンカー13Lは、第2物質13dと結合可能である第1リンカーと、金属粒子13eと結合可能である第2リンカーとを有していてもよい。この場合には、第2物質13dを第1リンカーと結合した状態で供給し、その後、金属粒子13eを第2リンカーと結合した状態で供給することができる。なお、第2物質13dを供給した後、第1リンカー、第2リンカー、および金属粒子13eを互いに結合していない状態で順に供給するようにしてもよい。それによって、第1リンカーと第2リンカーとを介して第2物質13dと金属粒子13eとを結合させることができる。
リンカー13Lとしては、例えば、ストレプトアビジンとビオチンとの組み合わせが挙げられる。その他にも、例えば、ヒスチジンタグとNi−NTA(ニトリロ三酢酸)との組み合わせ、DNAと相補DNAとの組み合わせ、レクチン類−糖鎖の組み合わせ、シス
ジオール−ボロン酸化合物の組み合わせ、Au−tagペプチド、proteinA、proteinGなどが挙げられる。
具体例としては、ストレプトアビジンとビオチンとの組み合わせを用いることによって、第2物質13dと金属粒子13eとを、第2物質13dに結合したストレプトアビジンおよび金属粒子13eに結合したビオチンを介して、結合させることができる。あるいは、第2物質13dと金属粒子13eとを、第2物質13dに結合したビオチンおよび金属粒子13eに結合したストレプトアビジンを介して、結合させてもよい。また、第2物質13dが抗体の場合には、ヒスチジンタグとNi−NTAとの組み合わせを用いることによって、第2物質13dと金属粒子13eとを、第2物質13dに付加したヒスチジンタグおよび金属粒子13eに結合させたNi−NTAを介して、効果的に結合させることが可能となる。
(金属粒子13eの供給工程)
次に、図6(c)に示すように、第2物質13dを供給した後に、第2物質13dと結合可能な金属粒子13eを基体10に供給する。金属粒子13eとしては、例えば、金や白金などが挙げられる。
これによれば、第2物質13dを供給した後で、別の工程にて金属粒子13eを供給することから、先の工程にて検出対象13cに結合した第2物質13dに対して金属粒子13eを効率的に結合させることが可能となる。すなわち、上述のように、金属粒子13eが単独の状態で供給されることによって、検出対象13cに結合している第2物質13dに対する結合が阻害されたり、第2物質13dと金属粒子13eとの結合の反応速度が低下することを抑制することが可能となる。
ここで、金属粒子13eは、第1溶液13L1とは異なる第2溶液13L2中に含まれた状態で基体10に供給することができる。これによれば、所定の溶液中に第2物質13dとともに入れる場合と比較して、金属粒子13eにとって最適な溶液を選択することができることから、高濃度でも金属粒子13eの凝集を抑制すること、金属粒子13eと第2物質13dとの結合性を向上させること、などが可能となる。その結果、検体液中に含まれる検出対象13cが少ない(低濃度)場合においても、検出対象13cに第2物質13dおよび金属粒子13eが結合することによって、感度よく検出することが可能となる。
第2溶液13L2としては、例えば、第1溶液13L1と同様の溶液を用いることできるが、第1溶液13L1と比較して界面活性剤の濃度を大きくすること、あるいは、ポリエチレングリコールおよびポリビニルメチルエーテルなどの分散剤を含有させることが好ましい。これによれば、金属粒子13eの凝集を効果的に抑制することができる。
(第2洗浄液13W2の供給工程)
次に、金属粒子13eを供給した後に、第2洗浄液13W2を基体10に供給してもよい。
これによって、第2物質13dと結合せずに残っている金属粒子13eなどを基体10およびその周辺から取り除くことができる。その結果、後工程である金属イオンおよび還元剤の供給の際に、金属イオンおよび還元剤が不要な残存物質と結合することを低減することができるため、第2物質13dに結合している金属粒子13eに対して金属イオンおよび還元剤を効率的に作用させることが可能となる。
第2洗浄液13W2としては、例えば、第2溶液13L2と同じでもよいし、異なるものでもよい。異なるものである場合には、例えば、第1溶液13L1よりも界面活性剤の濃度が大きいもの、あるいは、第2溶液13L2に異なる界面活性剤をさらに添加しても
よい。これによれば、第2物質13dと結合せずに残っている金属粒子13eを効率的に基体10から取り除くことが可能となる。
(金属イオンおよび還元剤の供給工程)
次に、図6(d)に示すように、金属粒子13eを供給した後に、金属イオンと、金属イオンを還元する還元剤とを基体10に供給する。
これによれば、金属粒子13eの表面で、金属イオンが還元剤によって還元されることによって、金属粒子13eの表面に金属を析出させることができる。その結果、金属粒子13eの重量に対して、表面に金属が析出した金属粒子13eの重量を大きくすることができるため、結果として、検出対象13cの検出を感度良く行なうことが可能となる。
ここで、金属イオンとしては、例えば、Au3+、Ag、Cu2+、Zn2+、Niなどが挙げられる。また、還元剤としては、例えば、金属イオンを還元することができれば、無機、有機いずれの還元剤も用いることができ、例えば、ヒドロキシルアミン、クエン酸、硫酸鉄、アスコルビン酸などが挙げられる。なお、金属イオンとしてAu3+を用いる場合には、還元剤としてヒドロキシルアミンやクエン酸を用いればよく、また、金属イオンとしてAg+を用いる場合には、還元剤として硫酸鉄を用いることができる。
(検出素子3を用いた検出対象13cの検出)
以上のような工程を経た上で、上述のセンサ装置100におけるSAWを利用した検出素子3を用いて検体液中の検出対象13cの検出を行なう場合は、第1IDT電極11に、配線7および第1引出し電極19などを介して、外部の測定器から所定の電圧を印加する。
これによれば、第1IDT電極11が形成されている領域において、素子基板10の表面が励振され、所定の周波数を有するSAWが発生する。発生したSAWは、その一部が検出部13に向かって伝搬し、検出部13を通過した後、第2IDT電極12に到達する。
この際、検出部13では、検出対象13cに対して第2物質13dおよび金属粒子13eが順に結合するとともに金属粒子13eの表面に金属が析出することから、検出対象13cそれ自体と比較して、第2物質13d、金属粒子13eおよび析出金属13fの重量が付加されるため、検出部13の下を通過するSAWの位相などの特性が変化する。このように特性が変化したSAWが第2IDT電極12に到達すると、それに応じた電圧が第2IDT電極12に生じる。この電圧が第2引出し電極20、配線7などを介して外部に出力され、それを外部の測定器で読み取ることによって、検出対象13cを測定することができる。
以上のように、本実施形態に係る検出対象のセンシング方法によれば、表面に固定化された第1物質13b3を有する基体10に検出対象13cを供給した後で、検出対象13cと結合可能な第2物質13dを基体10に供給することから、第1物質13b3に対して検出対象13cを効率的に結合させた状態で、その検出対象13cに対して第2物質13dを効率的に結合させることが可能となる。そして、その上で、第2物質13dに対して金属粒子13eを結合させることによって、検出対象13cをさらに感度良く検出することが可能となる。
(第3物質13gの供給工程)
なお、第2物質13dを供給した後に、図7(b)に示すような、第2物質13dと結合可能な第3物質13gを基体10に供給してもよい。ここで、第3物質13gは、図7(b)に示すように、金属粒子13eと結合した状態で供給してもよい。
第3物質13gとしては、例えば、抗体、核酸、proteinA、proteinG
、糖鎖などが挙げられる。例えば、第2物質13dが抗体の場合には、第2物質13dである抗体に対応する抗体を用いることができる。また、第2物質13dが核酸の場合には、第2物質13dである核酸の一部と相補的な配列を有する核酸を用いることができる。なお、第3物質13gが、金属粒子13eと結合可能な材料である場合は、上述したリンカー13Lと同様の役割を有する。
(変形例)
上述のような本発明の実施形態に係る検出対象のセンシング方法の変形例として、図7(c)に示すように、基体10の表面および金属粒子13eの表面のうち少なくとも一方に、ブロッキング物質13Bを結合させてもよい。
ここで、基体10の表面に結合したブロッキング物質13Bは、検出対象13c、第2物質13dおよび金属粒子13eが、それぞれ基体10と結合することを低減または抑制する役割を有する。なお、ブロッキング物質13Bは、検出対象13cが第1物質13b3に結合すること、第2物質13dが検出対象13cに結合すること、および、金属粒子13eが第2物質13dに結合することを阻害しないものであることが好ましい。また、金属粒子13eの表面に結合したブロッキング物質13Bは、金属粒子13eが第2物質13d以外の物質と結合することを低減または抑制する役割を有し、第2物質13dとの結合を阻害しないものであることが好ましい。
ブロッキング物質13Bを基体10の表面に結合させる場合は、図6(a)に示す、第1物質13b3の供給前に行なえばよい。また、ブロッキング物質13Bを金属粒子13cの表面に結合させる場合は、図6(c)に示す、第1溶液13L1中に金属粒子13cと混合させることによって行なえばよい。
ブロッキング物質13Bとしては、例えば、BSA(ウシ血清アルブミン)、乳清タンパク質、ポリエチレングリコール、MPC(メタクリル酸ホスホリルコリン)ポリマー、ベタインポリマー、HEMA(ヒドロキシエチルメタクリル酸)ポリマーなどが挙げられる。また、上述の有機部材13b2をそのままブロッキング物質13Bとして用いることもできる。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
例えば、上述した実施形態においては、検出素子3が、検出部13aおよび参照部13bをそれぞれ2つ以下有する場合を例にして説明を行なったが、これに限定されるものではなく、いずれかあるいは両方を3つ以上有する構成にしてもよい。これによれば、より多くの物質を測定すること、ならびに、ある物質をより精度良く測定することが可能となる。
また、上述した実施形態においては、検出部13aが金属膜と金属膜の表面に固定化されたアプタマーからなるものについて説明したが、上述したように、例えば、金属膜を用いずに、圧電基板である基体10の表面における第1IDT電極11と第2IDT電極12との間の領域を検出部13aとしてもよい。
また、例えば、本実施形態のセンサは、SAW(Surface Acoustic Wave、弾性表面波)センサを例に説明したが、SPR(Surface Plasmon Resonance、表面プラズモン共鳴)装置による測定に用いられる測定セル、QCM(Quartz Crystal Microbalance、水晶発振子マイクロバランス法)水晶センサなどを用いてもよい。例えば、表面プラズモン共鳴が起こるように光導波路などを形成した検出素子3を用いる場合は、例えば検出部における光の屈折率の変化などを読み取ることとなる。その他、水晶などの圧電基板に振動子を形成した検出素子3を用いる場合は、例えば振動子の発振周波数の変化を読み取ることとなる。
また、例えば、検出素子3として、1つの基体10上に複数種類のデバイスを混在させても構わない。例えば、SAW素子の隣に酵素電極法の酵素電極を設けてもよい。この場合は、抗体やアプタマーを用いた免疫法に加えて酵素法での測定も可能となり、1度に検査できる項目を増やすことができる。
また、例えば、上述した実施形態においては、第1カバー部材1が第1基体1aおよび第2基体1bにより形成され、第2カバー部材2が第3基体2aおよび第4基体2bにより形成されている例を示したが、これに限らず、いずれかの基体1a、1b、2aおよび2b同士が一体化されたもの、例えば、第1基体1aと第2基体1bが一体化された第1カバー部材1を用いてもよい。
また、溝部15は、第1カバー部材1と第2カバー部材2とのいずれに設けられてもよく、両方に設けられてもよい。例えば、第1カバー部材1と第2カバー部材2との両方に溝部を設けることで流路15を形成してもよく、第1カバー部材1と第2カバー部材2との片方に溝部を設けることで流路15を形成してもよい。
また、例えば、上述した実施形態においては、検体が液体状(検体液)である場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、検体は、本実施形態のセンサで測定可能な限り、液体状に限定されるものではなく、例えば、ゲル状、気体状などであってもよい。また、検体は、例えば、流路15(検出部13a上)において液体状から固体状に近づいていくなど、その状態が変化するものであってもよい。
1・・・第1カバー部材
1A・・・中間カバー部材
1Aa・・・第1上流部
1Ab・・・第1下流部
2・・・第2カバー部材
2a・・・第3基板
2b・・・第4基板
2ba・・・第2上流部
2bb・・・第2下流部
3・・・検出素子
3a・・・上流領域
3b・・・検出領域(検出部)
3c・・・下流領域
4・・・凹部形成部位
5・・・素子収容凹部
6・・・端子
7・・・配線
10・・・素子基板(基体)
11・・・第1IDT電極
12・・・第2IDT電極
13(3b)・・・検出部
13a・・・固定化膜
13b・・・反応部
13b1・・・官能基
13b2・・・有機部材
13b3・・・第1物質
13c・・・検出対象
13d・・・第2物質
13L1・・・第1溶液
13e・・・金属粒子
13L2・・・第2溶液
13f・・析出金属
13W1・・・第1洗浄液
13W2・・・第2洗浄液
13L・・・リンカー
13B・・・ブロッキング物質
13g・・・第3物質
14・・・流入部
15・・・流路
15a・・・上流部
15b・・・下流部
18・・・排気孔
19・・・第1引出し電極
19e・・・端部(パッド部)
20・・・第2引出し電極
20e・・・端部(パッド部)
27・・・導線(金属細線)
28・・・絶縁性部材
29・・・素子電極
100・・・センサ装置

Claims (17)

  1. 表面に固定化された第1物質を有する基体に、前記第1物質と結合可能な検出対象を供給する工程と、
    前記検出対象を供給した後に、前記検出対象と結合可能な第2物質を前記基体に供給する工程と、
    前記第2物質を供給した後に、前記第2物質と結合可能な金属粒子を前記基体に供給する工程と、を備える検出対象のセンシング方法。
  2. 前記第2物質は、第1溶液に入った状態で供給され、
    前記金属粒子は、前記第1溶液とは異なる第2溶液に入った状態で供給される、請求項1に記載の検出対象のセンシング方法。
  3. 前記第2物質を供給した後であって前記金属粒子を供給する前に、第1洗浄液を前記基体に供給する工程、をさらに備える請求項1または2のいずれかに記載の検出対象のセンシング方法。
  4. 前記金属粒子を供給した後に、第2洗浄液を前記基体に供給する工程、をさらに備える請求項1〜3のいずれかに記載の検出対象のセンシング方法。
  5. 前記金属粒子を供給した後に、金属イオン、および前記金属イオンを還元する還元剤を前記基体に供給する工程、をさらに備える請求項1〜4のいずれかに記載の検出対象のセンシング方法。
  6. 前記第2物質と前記金属粒子とに結合可能なリンカーを前記基体に供給する工程、をさらに備える請求項1〜5のいずれかに記載の検出対象のセンシング方法。
  7. 前記リンカーは、前記第2物質と結合可能である第1リンカーを有する、請求項6に記載の検出対象のセンシング方法。
  8. 前記第2物質は、前記第1リンカーと結合した状態で供給される、請求項7に記載の検出対象のセンシング方法。
  9. 前記リンカーは、前記金属粒子と結合可能である第2リンカーをさらに有する、請求項7または8に記載の検出対象のセンシング方法。
  10. 前記金属粒子は、前記第2リンカーと結合した状態で供給される、請求項9に記載の検出対象のセンシング方法。
  11. 前記リンカーは、ストレプトアビジンおよびビオチンを含む、請求項6〜10のいずれかに記載の検出対象のセンシング方法。
  12. 前記第2物質と前記金属粒子とを、前記第2物質に結合したストレプトアビジンおよび前記金属粒子に結合したビオチンを介して、結合させる、請求項6〜11のいずれかに記載の検出対象のセンシング方法。
  13. 前記第2物質と前記金属粒子とを、前記第2物質に結合したビオチンおよび前記金属粒子に結合したストレプトアビジンを介して、結合させる、請求項6〜11のいずれかに記載の検出対象のセンシング方法。
  14. 前記リンカーは、前記第2物質を供給した後であって前記金属粒子を供給する前に供給される、請求項6に記載の検出対象のセンシング方法。
  15. 前記基体の表面および前記金属粒子の表面のうち少なくとも一方に、ブロッキング物質を結合させる工程、をさらに備える請求項1〜14のいずれかに記載の検出対象のセンシング方法。
  16. 前記第2物質を供給した後に、前記第2物質と結合可能な第3物質を前記基体に供給する工程、をさらに備える請求項1〜15のいずれかに記載の検出対象のセンシング方法。
  17. 前記第3物質は、前記金属粒子と結合した状態で供給される、請求項16に記載の検出対象のセンシング方法。
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