JP2018048754A - 接合用バーナー、及び接合用バーナーによる接合体の製造方法 - Google Patents

接合用バーナー、及び接合用バーナーによる接合体の製造方法 Download PDF

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嘉英 伊藤
秀剛 桑原
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秀剛 桑原
修 南沢
Osamu Minamizawa
修 南沢
哲也 灰野
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哲也 灰野
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Abstract

【課題】複数の噴射口のそれぞれから燃焼用ガスを噴射する構成としながらも、接合対象物の接合部分を均等に加熱することのできる接合用バーナー、及びこれを用いて行われる接合体の製造方法を提供する。【解決手段】接合用バーナー10は、接合対象物300と対向するように配置される部分であって、流入部170から流入した燃焼用ガスを、接合対象物300に向けて噴出するための噴出口180が複数形成された噴出部125、126と、流入部170から流入した燃焼用ガスが、噴出部125、126に到達する前に衝突しその流れ方向を変化させるように設けられた衝突部D1と、を備える。衝突部D1と噴出部125、126との間には、噴出部125、126に向かう燃焼用ガスの流れを抑制する抑制部190、191が形成されている【選択図】図4

Description

本開示は、接合対象物を加熱するための接合用バーナー、及びこれを用いて行われる接合体の製造方法に関する。
例えばろう付けによって2つの部材を接合する際には、2つの部材間にろう材を配置した状態で、これらの部材(以下、「接合対象物」とも称する)の接合部分を加熱する必要がある。また、2つの部材を互いに圧接した状態で接合するガス圧接においても、ろう接の場合と同様に接合部分を加熱する必要がある。接合部分を加熱するにあたっては、燃焼用ガスを燃焼させて火炎を生じさせる接合用バーナーが用いられる。
下記特許文献1に記載のガス圧接用バーナーでは、燃焼用ガスを噴射するノズルが複数形成されており、これらが接合対象物の周囲を囲むように配置された構成となっている。接合が行われる際には、それぞれのノズルから接合対象物に向けて火炎が生じ、これらの火炎が当たることによって接合部分の加熱が行われる。このような構成の接合用バーナーを用いれば、例えば2つの円管同士を突き合わせてろう付けを行う場合等において、接合部分の全体を同時に加熱することができる。その結果、接合を短時間で完了させることができる。
特開昭57−77810号公報
例えばアルミニウムからなる部材同士のろう付けを行う際には、母材の融点とろう材の融点との差が比較的小さい。この場合、接合部分の一部が局所的に高温になってしまうと、当該部分において母材が溶融してしまう可能性がある。また、接合部分の一部が局所的に低温になってしまうと、当該部分においてはろう材が溶融せず、接合不良が生じてしまう可能性がある。
このような現象を防止し、高品質な接合を行うためには、複数のノズルから噴射される燃焼用ガスの噴射量を可能な限り全体で均等とし、接合部分の温度分布を均等に維持する必要がある。具体的には、接合部分の各部における温度が、概ね目標温度±10℃以内に収まっている状態を維持しながら接合を行う必要がある。
上記特許文献1に記載のガス圧接用バーナーでは、燃焼用ガスが流れる配管が円弧状に伸びるように形成されており、当該配管が伸びる方向に沿って複数のノズルが並ぶように配置されている。このような構成においては、一部のノズルにおいては、外部から供給される燃焼用ガスが、その流れ方向をほとんど変化させることなく比較的高い速度のまま噴射されてしまうことがある。一方、他の部分のノズルにおいては、燃焼用ガスが壁に当たるなどしてその流れ方向を変化させる結果、燃焼用ガスが減速された状態で噴射されることがある。このような現象が生じると、燃焼用ガスの噴射量にむらが生じてしまい、接合部分が不均一に加熱されてしまうこととなる。
このように、従来の接合用バーナーでは、それぞれのノズル(噴射口)から噴射される燃焼用ガスの噴射量が全体で均等とはならないため、接合部分を均等に加熱し高品質な接合を行うことが困難であった。
本開示は、複数の噴射口のそれぞれから燃焼用ガスを噴射する構成としながらも、接合対象物の接合部分を均等に加熱することのできる接合用バーナー、及びこれを用いて行われる接合体の製造方法を提供することを目的とする。
本開示に係る接合用バーナーは、接合対象物(300)を加熱するための接合用バーナー(10)であって、外部から供給された燃焼用ガスが流入する流入部(170)と、接合対象物と対向するように配置される部分であって、流入部から流入した燃焼用ガスを、接合対象物に向けて噴出するための噴出口(180)が複数形成された噴出部(125,126)と、流入部から流入した燃焼用ガスが、噴出部に到達する前に衝突しその流れ方向を変化させるように設けられた衝突部(D1)と、を備える。衝突部と噴出部との間には、噴出部に向かう燃焼用ガスの流れを抑制する抑制部(190,191)が形成されている。
このような構成の接合用バーナーでは、流入部から流入した燃焼用ガスが、噴射口から噴射されるよりも前の段階で、衝突部に衝突してその流れ方向を変化させる。このため、燃焼用ガスの一部が、外部から供給された際の流れ方向のままで噴射口に到達することが防止される。これにより、一部の噴射口から高速の燃焼用ガスが噴射されてしまうことが防止される。
また、衝突部に衝突して流れ方向を変化させた燃焼用ガスは、噴出部に到達する前に、抑制部によってその流れが抑制される。抑制部が形成されていることにより、それぞれの噴射口に到達し外部に噴射される燃焼用ガスの流量の分布が、より均等なものとなる。その結果、接合対象物の接合部分を更に均等に加熱することが可能となる。
本開示によれば、複数の噴射口のそれぞれから燃焼用ガスを噴射する構成としながらも、接合対象物の接合部分を均等に加熱することのできる接合用バーナー、及びこれを用いて行われる接合体の製造方法が提供される。
本実施形態に係る接合用バーナーを用いて、接合対象物の接合が行われている状態を示す図である。 図1に示される接合対象物の構成を示す図である。 図1に示される接合用バーナーの外観を示す図である。 図1に示される接合用バーナーの内部構造を示す図である。 抑制部の配置ピッチについて説明するための図である。 接合対象物の他の例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本実施形態に係る接合用バーナー10は、円管状の部材同士を組み合わせてなる接合対象物300を加熱して、ろう付けを行うためのバーナーとして構成されている。図1には、接合用バーナー10により接合対象物300の加熱が行われている状態が示されている。図2には、接合対象物300の構成が模式的に示されている。
先ず、接合対象物300の構成について説明する。図2に示されるように、接合対象物300は、第1配管310と、第2配管320と、第3配管330とを有している。これらは、いずれもアルミニウム(A3003)によって形成された円筒状の管として構成されている。
第1配管310は、その内径が第2配管320の外径よりも僅かに大きくなっている。ろう付けが行われる際には、第2配管320の一部が第1配管310に挿通された状態とされる。その際、第1配管310と第2配管320との境界部分、具体的には第1配管310の端面311に沿った位置に、リング状のろう材(不図示)が配置される。本実施形態では、ろう材としてアルミニウム(A4047)が用いられる。ろう材の融点は約580℃であり、母材である第1配管310等の融点に比べると約50℃低い。
第1配管310の側面には、当該側面に対し垂直な方向に向けて突出する分岐部312が形成されている。分岐部312は円筒状の管として形成されており、その内部空間は第1配管310の内部空間と連通している。分岐部312の内径は、第3配管330の外径よりも僅かに大きくなっている。ろう付けが行われる際には、第3配管330の一部が分岐部312に挿通された状態とされる。その際、分岐部312と第3配管330との境界部分、具体的には分岐部312の端面313に沿った位置に、リング状のろう材(不図示)が配置される。このろう材としては、第1配管310と第2配管320との境界部分に配置されるろう材と同一のアルミニウム(A4047)が用いられる。
図1に示されるように、接合用バーナー10はその全体が概ね円筒状に形成されている。その内径は、第1配管310の外径や第2配管320の外径よりも大きい。ろう付けが行われる際において、接合用バーナー10は、その中心軸を第1配管310の中心軸(及び第2配管320の中心軸)と一致させた状態で配置される。つまり、第1配管310と第2配管320とは、円筒状である接合用バーナー10の内部に挿通された状態とされる。その際、第1配管310と第2配管320との境界部分、すなわち、リング状のろう材が配置されている接合部分は、接合用バーナー10の内側に収容される。
接合用バーナー10の外側面には、円形の貫通穴である挿通穴162が形成されている。挿通穴162の内径は、分岐部312の外径や第3配管330の外径よりも大きい。ろう付けが行われる際において、分岐部312及び第3配管330は、挿通穴162を貫いた状態とされる。その際、分岐部312と第3配管330との境界部分、すなわち、リング状のろう材が配置されている接合部分は、やはり接合用バーナー10の内側に収容される。
接合用バーナー10の内周面、すなわち接合対象物300の接合部分と対向する面には、複数の噴出口180が形成されている。ろう付けが行われる際には、これら噴出口180から燃焼用ガスが噴射され、当該燃焼用ガスの燃焼による火炎が接合対象物300の接合部分に向けて噴射される。これにより、第1配管310と第2配管320との境界部分に配置されたリング状のろう材が溶融し、第1配管310と第2配管320とがろう材によって接合される。同時に、分岐部312と第3配管330との境界部分に配置されたリング状のろう材も溶融し、分岐部312と第3配管330とがろう材によって接合される。その結果、第1配管310、第2配管320、及び分岐部312は互いに接合され、全体が1つの接合体として形成される。
接合用バーナー10は、その中心軸を含む仮想的な平面を境界として、第1バーナー100と第2バーナー200とに分割し得る構成となっている。第1バーナー100の形状と第2バーナー200の形状とは互いに対称となっている。このため、以下では第1バーナー100の構成について主に説明することとし、第2バーナー200の構成については適宜説明を省略する。
図3では、図1の第1バーナー100をその内周面側から見て描いた斜視図が示されている。また、図4では、図1の第1バーナー100のうち外周壁110を不図示とすることにより、第1バーナー100の内部構成を描いた斜視図が示されている。
第1バーナー100は、外周壁110と、内周壁120と、天壁130と、底壁140と端壁150、160と、を有している。第1バーナー100の内部には、これら外周壁110等によって区画された空間が形成されている。
外周壁110は、第1バーナー100の外周面を形成する円筒形状(ただし半分に分割されている)の壁である。外周壁110には流入部170が形成されている。流入部170は、外部から供給された燃焼用ガスが、第1バーナー100の内部空間に向けて流入する部分である。流入部170には、円形の貫通穴である流入口171が、燃焼用ガスの入口として形成されている。接合用バーナー10による接合対象物300の接合が行われる際には、燃焼用ガスを供給するための配管が流入部170に接続される。当該配管から供給される燃焼用ガスは、流入口171を通って第1バーナー100の内部空間に流入し、噴出口180から接合対象物300に向けて噴射される。
流入部170は、外周壁110のうち、周方向において中央となる位置に設けられている。また、流入部170は、外周壁110のうち下方側寄りとなる位置に設けられている。
内周壁120は、第1バーナー100の内周面を形成する円筒形状(ただし半分に分割されている)の壁であり、外周壁110と対向するように設けられている。外周壁110の中心軸と内周壁120の中心軸とは互いに一致している。
内周壁120には複数の噴出口180が形成されている。既に述べたように、噴出口180は、第1バーナー100の内部空間から接合対象物300に向かって燃焼用ガスが噴射される穴として形成されている。それぞれの噴出口180は、内周壁120に対して垂直な方向、すなわち内周壁120の中心軸に向かう方向に沿って伸びるように形成されている。尚、噴出口180の長さをある程度確保し、噴射される燃焼用ガスの直進性を担保するために、内周壁120の厚さは外周壁110の厚さよりも厚くなっている。内周壁120の厚さは、少なくとも噴出口180の直径よりも大きいことが好ましい。
噴出口180は、内周壁120のうち上方側部分の略全体に亘って形成されている。本実施形態では、内周壁120の周方向に沿って並ぶ噴出口180の列が5つ形成されるように、複数の噴出口180が配置されている。内周壁120のうち上記の噴出口180が形成されている部分、すなわち、図4において点線DL1よりも上方側となる部分は、接合対象物300と対向するように配置される部分であって、流入部170から流入した燃焼用ガスを、接合対象物300に向けて噴出するための噴出口180が複数形成された部分となっている。以下では、当該部分のことを「噴出部125」とも表記する。噴出部125は、接合対象物300の外周を囲むような周方向に沿って伸びるように形成されている。
本実施形態においては、内周壁120のうち点線DL1よりも下方側の部分、具体的には挿通穴162の近傍であり且つ底壁140寄りの部分にも、噴出口180が複数形成されている。当該部分も、上記の噴出部125と同様に、接合対象物300と対向するように配置される部分であって、流入部170から流入した燃焼用ガスを、接合対象物300に向けて噴出するための噴出口180が複数形成された部分となっている。以下では、当該部分のことを「噴出部126」とも表記する。
内周壁120のうち、流入部170の流入口171から流入した燃焼用ガスが最初に当たる部分が、図4では衝突部D1として示されている。衝突部D1の位置は、点線DL1よりも下方側となっている。衝突部D1と噴出部125とは互いに重なっておらず、衝突部D1と噴出部126とも互いに重なっていない。このため、衝突部D1には噴出口180が形成されていない。このような構成においては、流入部170から流入した燃焼用ガスは、噴出部125や噴出部126に到達する前において先ず衝突部D1に衝突し、その流れ方向を変化させてから各噴出口180に向かって流れることとなる。
このため、流入部170から流入する燃焼用ガスの一部が、外部から供給された際の流れ方向のままで噴出口180に到達するようなことが防止される。これにより、一部の噴出口180から高速の燃焼用ガスが噴射され、接合対象物300の一部が他の部分よりも加熱され高温となってしまうような現象が防止される。
天壁130は、外周壁110の上端と内周壁120の上端とを繋ぐように設けられた壁である。また、底壁140は、外周壁110の下端と内周壁120の下端とを繋ぐように設けられた壁である。
端壁150は、外周壁110のうち周方向の端部(挿通穴162が形成されている方とは反対側の端部)と、内周壁120のうち周方向の端部(挿通穴162が形成されている方とは反対側の端部)とを繋ぐように設けられた壁である。
また、端壁160は、外周壁110のうち周方向の端部(挿通穴162が形成されている側の端部)と、内周壁120のうち周方向の端部(挿通穴162が形成されている側の端部)とを繋ぐように設けられた壁である。尚、これらは、挿通穴162を挟んで2つの部分に分かれている。これら2つの端壁160は、湾曲壁161によって繋がれている。湾曲壁161は、挿通穴162を区画するよう、円弧状に湾曲するように形成された壁である。
尚、以上に説明した外周壁110、内周壁120、天壁130、底壁140、端壁150、160、及び流入部170は、いずれも金属で形成されており、且つこれらの全体(後述の抑制部190等を含む)が3Dプリンターによって一体に形成されている。このような態様に替えて、外周壁110等の一部が別体の部品として形成されているような態様であってもよい。
第1バーナー100の内部空間には、四角柱状の突起である抑制部190が、複数本並ぶように形成されている。それぞれの抑制部190は、外周壁110及び内周壁120の両方に対して垂直な方向に伸びるように形成されており、外周壁110と内周壁120との間を繋いでいる。つまり、抑制部190は、燃焼用ガスの流れ方向に対し垂直な方向に伸びる棒状の部材として形成されている。抑制部190は、本実施形態のように四角柱状の突起として形成されてもよいのであるが、他の形状(例えば円柱形状)の突起として形成されていてもよい。
複数の抑制部190のうち一部は、点線DL1の僅かに下方側となる位置において、点線DL1に沿って2列に並ぶように配置されている。つまり、これらの抑制部190は、衝突部D1と噴出部125との間となる位置に形成されている。抑制部190の一部がこのような位置に配置されていることにより、衝突部D1から噴出部125に向かう燃焼用ガスの圧力損失が増加している。
衝突部D1に衝突して流れ方向を変化させた燃焼用ガスは、噴出部126に到達する前に、上記の抑制部190によってその流れが抑制される。これにより、噴出部125に形成された噴出口180の一部から、局所的に多量の燃焼用ガスが噴射されてしまうことが更に抑制される。それぞれの噴出口180に到達し外部に噴射される燃焼用ガスの流量の分布は、より均等なものとなる。その結果、接合対象物300の接合部分は均等に加熱されることとなる。
ところで、衝突部D1と噴出部125との間となる位置に抑制部190が形成されていても、それだけでは、噴出部125の各部に到達する燃焼用ガスの流量を均等なものとすることは難しいことが多い。例えば、衝突部D1から上方側(図4の矢印AR2)に向かう燃焼用ガスの流量によっては、天壁130の近傍に設けられた噴出口180から噴射される燃焼用ガスの量が、他の噴出口180から噴射される燃焼用ガスの量よりも大きくなることがある。また、衝突部D1から周方向(図4の矢印AR1)に向かう燃焼用ガスの流量によっては、端壁150や端壁160の近傍に設けられた噴出口180から噴射される燃焼用ガスの量が、他の噴出口180から噴射される燃焼用ガスの量よりも大きくなることがある。燃焼用ガスの量が大きくなりやすい部分の位置は、接合用バーナーの形状や噴出口180によって様々なものとなる。
そこで、本実施形態では、噴出部125を挟んで接合対象物300とは反対側となる位置(つまり、点線DL1に沿って2列に配置された上記の抑制部190よりも更に上方側となる位置)にも抑制部190が形成されており、これにより、噴出部125に沿った燃焼用ガスの流れが適宜抑制されるように構成されている。
追加で設けられたこれらの抑制部190は、それぞれの噴出口180と隣り合う位置に形成されている。具体的には噴出口180の直上となる位置に設けられている。抑制部190に向かって流れる燃焼用ガスは、抑制部190に衝突した後、その下方側に形成された噴出口180に導かれることとなる。従って、噴射される燃焼ガスの流量が小さい噴出口180の直上に抑制部190を形成しておけば、当該噴出口180から噴射される燃焼用ガスの量を増加させることができる。
また、噴射される燃焼ガスの流量が大きい噴出口180の下方側に抑制部190を形成しておくことにより、当該噴出口180から噴射される燃焼用ガスの量を低下させることもできる。図4において、最も上方側となる位置に配置された一列の抑制部190は、最も上方側に配置された噴出口180(すなわち、噴射量が大きくなりやすい噴出口180)の下方側に配置されており、当該噴出口180に到達する燃焼用ガスの流量を抑制するために設けられている。
図4に示されるように、上下方向における抑制部190の配置ピッチは全体で均等とはなっておらず、局所的に疎又は密となるとなるように抑制部190が配置されている。同様に、周方向における抑制部190の配置ピッチについても、局所的に疎又は密とすることができる。
図5に示されるのは、上から3列目に配置された抑制部190の高さにおいて、中心軸に対して垂直な面で第1バーナー100を切断した場合の断面図を、上面視で模式的に描いたものである。同図に示されるように、本実施形態では、点線DL2よりも端壁150側における抑制部190の配置ピッチが、点線DL2よりも端壁160側における抑制部190の配置ピッチよりも密となるように、それぞれの抑制部190が配置されている。これは、本実施形態に係る第1バーナー100の形状の場合には、挿通穴162が形成されている部分の近傍において、周方向に沿って流れる燃焼用ガスの流量が小さくなる傾向が確認されたからである。尚、図5においては、抑制部190の配置ピッチの疎密が誇張して描かれている。
尚、以上に説明したような抑制部190の配置はあくまで一例に過ぎない。最適な抑制部190の配置は、第1バーナー100の形状や噴出口180の配置、及び噴出口180の径等によって様々である。それぞれの抑制部190は、各噴出口180からの燃焼用ガスの噴射量の分布が概ね均等なものとなるように、例えば実験や解析等で予め求められた最適な位置に配置されることが望ましい。
既に述べたように、本実施形態では、噴出部125のみならず、挿通穴162の近傍である噴出部126にも複数の噴出口180が形成されている。これらの噴出口180は、分岐部312と第3配管330との接合部分のうち、噴出部125から遠い下方側部分にも火炎を当てて、当該部分の温度低下を防止するために設けられている。
この噴出部126と衝突部D1との間には、抑制部191が形成されている。抑制部191は、外周壁110と内周壁120とを繋ぐように設けられており、且つ底壁140に対し垂直な方向(図4の上下方向)に伸びる壁として設けられている。抑制部191の下端は底壁140に繋がっており、抑制部191の上端は、噴出部126の上端よりも僅かに高い位置まで伸びている。このような抑制部191は、抑制部190と同様に、噴出部126に向かう燃焼用ガスの流れを抑制するものとして機能する。ただし、抑制部191は上記のように「壁」として形成されているので、衝突部D1から噴出部126の噴出口180に直接到達するような燃焼用ガスの流れは、抑制部191によって遮断される。このため、衝突部D1から噴出部126に向かう燃焼用ガスの流れは、抑制部191を迂回するような流れとなる。
本実施形態では、噴出部126の上方側となる位置にも、一列に並ぶ抑制部190が形成されている。これにより、抑制部191を迂回した後に噴出部126の各部に到達する燃焼用ガスの流量が、更に均等化される。噴出部126を挟んで接合対象物300とは反対側となる位置にも、抑制部190が更に形成されているような態様であってもよい。
本実施形態に係る接合用バーナー10を用いて行われる接合対象物300の接合方法、すなわち、接合体の製造方法について説明する。当該方法には、準備工程と、供給工程と、点火工程と、接合工程と、が含まれる。
<準備工程>準備工程は、接合対象物300と、上記の接合用バーナー10と、をそれぞれ準備する工程である。接合対象物300は、本実施形態では3つの部材(第1配管310、第2配管320、及び第3配管330)によって構成される。接合対象物300を構成する部材の数は、例えば2つだけであってもよく、4つ以上であってもよい。
準備工程では、接合対象物300を構成するそれぞれの部品が、ろう材を介して互いに組み合わされた状態とされる。接合対象物300は、当該状態で治具に取り付けられる。
接合用バーナー10は、予め第1バーナー100と第2バーナー200とに分離された状態で準備される。第1バーナー100及び第2バーナー200は、上記のように準備された接合対象物300を間に挟んだ状態で、互いに離間した位置に予め配置される。その後、接合装置に設けられた不図示の駆動機構によって、第1バーナー100と第2バーナー200とが互いに近づくように移動され、最終的には図1に示される状態とされる。尚、このような第1バーナー100及び第2バーナー200との移動は、本実施形態のように準備工程で行われてもよいが、次に説明する供給工程や点火工程が完了した後のタイミングで行われてもよい。
<供給工程>供給工程は、接合用バーナー10の流入部170に燃焼用ガスを供給する工程である。燃焼用ガスは、可燃性のガスと酸素(空気でもよい)との混合気体である。燃焼用ガスは、不図示の配管を介して、第1バーナー100及び第2バーナー200のそれぞれに形成された流入部170から、接合用バーナー10の内部空間に供給される。その後、それぞれの噴出口180から、接合対象物300に向けて噴射される。
<点火工程>点火工程は、接合用バーナー10の噴出口180から噴射される燃焼用ガスに点火する工程である。点火工程では、接合装置が備える点火装置(不図示)によって、燃焼用ガスへの点火が行われる。これにより、それぞれの噴出口180からは、燃焼用ガスの燃焼に伴う火炎が噴射される。尚、複数の接合対象物300の接合が繰り返し行われるような場合には、点火工程は毎回繰り返される必要はなく、最初の1回目においてのみ実行される。
<接合工程>接合工程は、接合用バーナー10の噴出口180から生じる火炎により接合対象物300を加熱し、接合対象物300を構成する各部材(第1配管310、第2配管320、及び第3配管330)を互いに接合された状態とする工程である。接合工程では、第1配管310と第2配管320との間に配置されたろう材が溶融し、それぞれの部材の表面がろう材で濡れた状態となる。同様に、第1配管310の分岐部312と第3配管330との間に配置されたろう材が溶融し、それぞれの部材の表面がろう材で濡れた状態となる。
このとき、それぞれの噴出口180から噴射される燃焼用ガスの流量の分布は、衝突部D1や抑制部190が形成されていることの効果により、全体で概ね均等となる。これにより、接合対象物300の接合部部分の近傍においては、温度分布が目標温度±10℃程度の範囲内に収まっている状態が維持される。その結果、接合部分の一部が局所的に高温になってしまい母材が溶融してしまう現象や、接合部分の一部が局所的に低温になってしまい接合不良が生じてしまう現象の発生が防止される。
接合工程は、予め設定された時間が経過するまで行われる。また、予め設定された流量の燃焼用ガスが供給されるまで行われることとしてもよい。接合工程が完了すると、接合用バーナー10が、接合対象物300から離れた位置に移動される。その後、接合によって一体となった接合対象物300、すなわち接合体が治具から取り外される。
本実施形態では、接合対象物300の形状が円管状となっているので、これに合わせて接合用バーナー10の内周面の形状(内周壁120の形状)が円筒状となっている。接合対象物300の形状が円筒状以外の形状である場合においても、当該形状に合わせて接合用バーナー10の内周面が形成されることが好ましい。
図6には、上記のような接合対象物300Aの形状の例が示されている。接合対象物300は、円筒状の管である第1配管310Aの上端に、コネクタ320Aが接合される構成となっている。コネクタ320Aの上面321Aは、その縁の形状が、直線状であり且つ互いに対向する一組の直線部322Aと、円弧状であり且つ互いに対向する一組の曲線部323Aと、を有する形状となっている。コネクタ320Aは、このような上面321Aを下方に向けて伸ばしたような形状となっている。
このような接合対象物300Aの接合を行うに当たっては、内周壁120のうちコネクタ320Aと対向する部分の形状を、上面視において上面321Aと相似な形状であり、且つ上面321Aよりも一回り大きな形状とすればよい。また、内周壁120のうち第1配管310Aと対向する部分の形状を、上面視において第1配管310Aと相似な形状であり、且つ第1配管310Aよりも一回り大きな形状とすればよい。つまり、内周壁120と接合対象物300Aとの距離が、概ね全ての部分において等しくなるようにすればよい。
以上の説明においては、接合用バーナー10が接合対象物の外周を360度に亘って囲むような態様について説明した。このような態様に替えて、接合用バーナー10が、接合対象物の外周を360度よりも小さな角度で囲むような態様としてもよい。例えば、第2バーナー200を用いずに、第1バーナー100のみを用いて接合対象物の溶接が行われるような態様としてもよい。また、その場合においても、内周壁120の形状としては、接合対象物の接合対象部の形状に合わせて種々の形状を採用することができる。
また、以上の説明においては、抑制部が棒状の突起として形成されている例について説明したが、抑制部の形状としては、上記以外にも様々な形状を採用することができる。例えば、内周壁120から外周壁110向かって伸びる壁(天壁130と平行な壁)として抑制部が形成されていてもよい。この場合、内周壁120の先端と外周壁110との距離を適切なものとすることにより、各部における燃焼用ガスの流量抵抗を調整すればよい。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
10:接合用バーナー
110:外周壁
120:内周壁
125,126:噴出部
170:流入部
180:噴出口
190,191:抑制部
300:接合対象物
D1:衝突部

Claims (10)

  1. 接合対象物(300)を加熱するための接合用バーナー(10)であって、
    外部から供給された燃焼用ガスが流入する流入部(170)と、
    前記接合対象物と対向するように配置される部分であって、前記流入部から流入した燃焼用ガスを、前記接合対象物に向けて噴出するための噴出口(180)が複数形成された噴出部(125,126)と、
    前記流入部から流入した燃焼用ガスが、前記噴出部に到達する前に衝突しその流れ方向を変化させるように設けられた衝突部(D1)と、を備え、
    前記衝突部と前記噴出部との間には、前記噴出部に向かう燃焼用ガスの流れを抑制する抑制部(190,191)が形成されている接合用バーナー。
  2. 前記噴出部を挟んで前記接合対象物とは反対側となる位置にも前記抑制部が形成されており、これにより、前記噴出部に沿った燃焼用ガスの流れが抑制される、請求項1に記載の接合用バーナー。
  3. 前記抑制部は、前記燃焼用ガスの流れ方向に対し垂直な方向に伸びる棒状の部材として形成されている、請求項2に記載の接合用バーナー。
  4. 前記抑制部は複数本並ぶように形成されている、請求項3に記載の接合用バーナー。
  5. それぞれの前記抑制部のうち少なくとも一部は、前記噴出口と隣り合う位置に形成されている、請求項4に記載の接合用バーナー。
  6. 前記抑制部の配置ピッチが全体において均等とはなっておらず、前記抑制部が局所的に密に配置されている、請求項5に記載の接合用バーナー。
  7. 前記噴出部は、前記接合対象物の外周を囲むような周方向に沿って伸びるように形成されている、請求項1に記載の接合用バーナー。
  8. 前記流入部は、燃焼用ガスが流れる空間を区画する外周壁(110)のうち、前記周方向において中央となる位置に設けられている、請求項7に記載の接合用バーナー。
  9. 前記抑制部のうち少なくとも一部(191)は、前記衝突部から前記噴出口に直接到達するような燃焼用ガスの流れを遮断する壁として形成されている、請求項1に記載の接合用バーナー。
  10. 第1部材と第2部材とが互いに接合された接合体の製造方法であって、
    前記第1部材と前記第2部材とを互いに組み合わせてなる接合対象物と、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の接合用バーナーと、をそれぞれ準備する準備工程と、
    前記接合用バーナーの前記流入部に燃焼用ガスを供給する供給工程と、
    前記接合用バーナーの前記噴出口から噴射される燃焼用ガスに点火する点火工程と、
    前記接合用バーナーの前記噴出口から生じる火炎により前記接合対象物を加熱し、第1部材と第2部材とを互いに接合された状態とする接合工程と、を有する接合体の製造方法。
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