JP2018048686A - 車両駆動装置 - Google Patents

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良 雪島
山本 哲也
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Abstract

【課題】 トルク差増幅機構を小さくして、トルク差増幅機構を含む左右駆動輪装置を小型、軽量化し、歯車軸の回転精度を確保する。【解決手段】 二つの電動モータ2L、2Rからのトルクを左右輪に分配する歯車装置30と同軸上にある減速装置の歯車軸に、遊星歯車機構30L、30Rの内歯車RL、RRと連結され、入力側の歯車と噛み合う外歯車と、遊星歯車機構30L、30Rの遊星キャリヤCL、CRと連結され、出力歯車の歯車と噛み合う外歯車とを設け、第1および第2結合部材31、32と同軸上に配置される太陽歯車SL、SRが、第1および第2結合部材31、32と別体で、第1および第2結合部材に対してスプライン嵌合していることを特徴とする。【選択図】 図2

Description

この発明は、独立した二つの駆動源からの駆動トルクを左右の駆動輪にトルク差を増幅して伝達することができる車両駆動装置に関するものである。
電気自動車等の車両において、左右の駆動輪にそれぞれ電動モータを配置して、各電動モータを独立して制御することにより左右の駆動輪に適宜駆動トルク差を与え、これにより車両の旋回モーメントを制御することが知られている。例えば、各電動モータがそれぞれ減速機を介して左右の駆動輪に独立して接続されている場合、各電動モータの回転速度はそれぞれの減速機で減速され、かつ、各電動モータの出力トルクはそれぞれの減速機で増大されて左右の駆動輪に伝達される。ここで、車両の右旋回時と左旋回時の挙動を同様にするために、各電動モータは同じ出力特性にして、それぞれの減速機も同じ減速比にしている。
ところで、左右の駆動輪の出力トルクに差を付けたい場合、左右の電動モータの出力トルクに差を付け、左右の駆動輪に左右の電動モータの出力トルクを減速機を介して伝達する。
左右の駆動輪に伝達される左右の電動モータの出力トルクは、減速機の減速比に応じて増大される。但し、左右の駆動輪の出力トルクの差の比率は、左右の減速機の減速比が同じであるので、左右の電動モータの出力トルクの差の比率と同一であり、左右の駆動輪の出力トルクの差の比率が増大されるわけではない。
ところが、車両のスムーズな旋回走行の実現や、極端なアンダーステア、極端なオーバーステア等の車両の挙動変化を抑制するために、左右の電動モータから与えられる出力トルクの差の比率よりも左右の駆動輪に伝達される出力トルクの差の比率を大きくすることが有効な場合がある。
特許文献1及び特許文献2には、二つの駆動源と左右の駆動輪との間に、3要素2自由度の遊星歯車機構を同軸上に二つ組み合わせた歯車装置を備え、二つの駆動源から与えられるトルクの差を増幅して左右の駆動輪に与えることができる車両駆動装置が開示されている。
特許文献1に開示された車両駆動装置(以下、従来技術1という。)を図5及び図6を参照して説明する。図5は、従来技術1に係る車両駆動装置の歯車構成を示すスケルトン図、図6は従来技術1に係る車両駆動装置に組み込まれた歯車装置によるトルク差の増幅率を説明するための速度線図である。
車両駆動装置100は、車両に搭載された左右の電動モータ102L及び電動モータ102Rと、左駆動輪104L及び右駆動輪104Rと、これらの間に設けられる歯車装置105と減速ギヤ列106L、106R、107L、107Rとを備えている。
電動モータ102L及び電動モータ102Rは、車両に搭載されたバッテリ(図示省略)からの電力により動作し、電子制御装置(図示省略)により個別に制御され、異なるトルクを発生させて出力することができる。
電動モータ102Lの出力軸102aL、電動モータ102Rの出力軸102aRは、それぞれ減速ギヤ列106L、106Rを介して歯車装置105の各結合部材111、112に接続される。歯車装置105からの出力は減速ギヤ列107L、107Rを介して左右の駆動輪104L、104Rに伝達される。
歯車装置105は、3要素2自由度の同一の遊星歯車機構110L、110Rが同軸上に二つ組み合わされて構成されている。
遊星歯車機構110L、110Rには、例えば、シングルピニオン遊星歯車機構が採用されている。シングルピニオン遊星歯車機構は、同軸上に設けられた太陽歯車SL、SR及び内歯車RL、RRと、これら太陽歯車SL、SRと内歯車RL、RRとの間に位置する複数の遊星歯車PL、PRと、遊星歯車PL、PRを回動可能に支持し、太陽歯車SL、SR及び内歯車RL、RRと同軸上に設けられた遊星キャリヤCL、CRとから構成される。ここで、太陽歯車SL、SRと遊星歯車PL、PRは外周にギヤ歯を有する外歯歯車であり、内歯車RL、RRは内周にギヤ歯を有する内歯歯車である。
遊星歯車PL、PRは太陽歯車SL、SRと内歯車RL、RRとに噛み合っている。図5に示すようなシングルピニオン遊星歯車機構では、遊星キャリヤCL、CRを固定した場合に太陽歯車SL、SRと内歯車RL、RRとが逆方向に回転するため、速度線図に表すと内歯車RL、RR及び太陽歯車SL、SRが遊星キャリヤCL、CRに対して反対側に配置される。換言すると、内歯車RL、RRは遊星キャリヤCL、CRを挟んで太陽歯車SL、SRの反対側に配置される。
図6に示す速度線図においては、遊星キャリヤCL、CRから内歯車RL、RRまでの長さと遊星キャリヤCL、CRから太陽歯車SL、SRまでの長さの比は、内歯車RL、RRの歯数Zrの逆数(1/Zr)と太陽歯車SL、SRの歯数Zsの逆数(1/Zs)との比と等しい。
この歯車装置105は、図5に示すように、太陽歯車SL、遊星キャリヤCL、遊星歯車PL及び内歯車RLを有する第1遊星歯車機構110Lと、同じく太陽歯車SR、遊星キャリヤCR、遊星歯車PR及び内歯車RRを有する第2遊星歯車機構110Rとが同軸上に組み合わされて構成されている。
そして、第1遊星歯車機構110Lの太陽歯車SLと第2遊星歯車機構110Rの内歯車RRとが第1結合部材111によって結合され、第1遊星歯車機構110Rの内歯車RLと第2遊星歯車機構110Rの太陽歯車SRとが第2結合部材112によって結合されている。
第1結合部材111には、電動モータ102Lで発生されたトルクTM1が減速ギヤ列106Lを介して入力され、第2結合部材112には、電動モータ102Rで発生されたトルクTM2が減速ギヤ列106Rを介して入力される。また、第1遊星歯車機構110Lの遊星キャリヤCL及び第2遊星歯車機構110Rの遊星キャリヤCRは、それぞれ減速ギヤ列107L、107Rを介して左右の駆動輪104L、104Rに接続されて出力が取り出される。
ここで、歯車装置105によって伝達される駆動トルクについて、図6に示す速度線図を用いて説明する。
歯車装置105は、二つの同一の遊星歯車機構110L、110Rを組み合わせて構成されるため、図6に示すように二本の速度線図によって表すことができる。ここでは、理解を容易にするために、二本の速度線図を上下にずらし、上側に遊星歯車機構110Lの速度線図を示し、下側に遊星歯車機構110Rの速度線図を示す。
また、第1の遊星歯車機構110Lの速度線図と第2の遊星歯車機構110Rの速度線図は、太陽歯車SL、SRと内歯車RL、RRが左右反対に配置される。すなわち、図6において、第1の遊星歯車機構110Lの太陽歯車SLの下に第2の遊星歯車機構110Rの内歯車RRが配置され、第1の遊星歯車機構110Lの内歯車RLの下に第2の遊星歯車機構110Rの太陽歯車SRが配置される。
この歯車装置105は、図6に示す二本の速度線図の両端に位置する要素同士が、図中破線で示すように、第1結合部材111及び第2結合部材112によってそれぞれ結合されている。そして、第1結合部材111及び第2結合部材112に、それぞれ第1のモータ102L及び第2の電動モータ102Rから出力されたトルクTM1及びTM2が入力される。ここで、本来は、各電動モータ102L、102Rから出力されたトルクTM1及びTM2は各減速ギヤ列106L、106Rを介し各結合部材111、112に入力されるため、減速比が掛かるが、理解を容易にするため、速度線図及び各計算式の以降の説明においては、減速比を省略し、各結合部材111、112に入力されるトルクをTM1及びTM2のままとする。
一方、図6に示す速度線図上で中間に位置する遊星キャリヤCL、CRから左右の駆動輪104L、104Rに伝達される駆動トルクTL、TRが出力される。
このように構成された歯車装置105によって、第1の電動モータ102L及び第2の電動モータ102Rで発生させる各駆動トルクTM1、TM2にトルク差(入力トルク差)ΔTIN(=TM2−TM1)を与えると、左駆動輪104Lに伝達される駆動トルクTLと右駆動輪104Rに伝達される駆動トルクTRとに駆動トルク差ΔTOUT(=TL−TR)を発生させることができる。すなわち、この歯車装置105によれば、以下の式(1)の関係が得られる。なお、係数αはトルク差増幅率である。
(TL−TR)=α×(TM2−TM1) …(1)
この従来技術1に係る歯車装置105のトルク差増幅率αについて説明する。ここでは、二つの遊星歯車機構110L、110Rは、シングルピニオン遊星歯車機構であり、同一の歯数の歯車要素を使用しているため、速度線図においては内歯車RLと遊星キャリヤCLとの距離及び内歯車RRと遊星キャリヤCRとの距離は等しく、これをaとする。また、太陽歯車SLと遊星キャリヤCLとの距離及び太陽歯車SRと遊星キャリヤCRとの距離も等しく、これをbとする。
左右両端の第1結合部材111、第2結合部材112に、それぞれ第1の電動モータ102L、第2の電動モータ102RのトルクTM1、TM2を入力し、遊星キャリヤCL、CRから駆動トルクTL、TRを取り出す場合、トルクの入力と出力の関係から、以下の式(2)が得られる。
TR+TL=TM1+TM2 …(2)
また、図中の左端(RL、SR)を基準としたモーメントの式は以下の式(3)となる。なお、図6において、矢印方向がのモーメントMの正方向を示している。
0=aTL+bTR−(a+b)TM1 …(3)
これら式(2)、(3)からTL、TRについてまとめると、以下の(4)、(5)式となる。
TL=((a/(b−a))+1)・TM2−(a/(b−a))・TM1…(4)
TR=((a/(b−a))+1)・TM1−(a/(b−a))・TM2…(5)
これら(4)、(5)式から駆動トルク差(TL−TR)は以下の(6)式となる。
(TL−TR)=((a+b)/(b−a))・(TM2−TM1)…(6)
シングルピニオン形式の遊星歯車機構の場合、長さaは内歯車RL、RRの歯数Zrの逆数(1/Zr)、長さbは太陽歯車SL、SRの歯数Zsの逆数(1/Zs)となるため、上記の式は(7)式のように書き換えられる。
(TL−TR)=((Zr+Zs)/(Zr−Zs))・(TM2−TM1)…(7)
上記(7)式よりトルク差増幅率αは、(Zr+Zs)/(Zr−Zs)となる。
上記したように、この従来技術1では、第1の電動モータ102L、第2の電動モータ102Rからの入力は、SL+RR、SR+RLとなり、駆動輪104L、104Rへの出力はCL、CRとなる。
二つの電動モータ102L、102Rで異なるトルクTM1、TM2を発生させて入力トルク差ΔTIN(=(TM2−TM1))を与えると、歯車装置105において入力トルク差ΔTINが増幅され、入力トルク差ΔTINよりも大きな駆動トルク差α・ΔTINを得ることができる。すなわち、入力トルク差ΔTINが小さくても、歯車装置105において所定のトルク差増幅率αで入力トルク差ΔTINを増幅することができ、左駆動輪104Lと右駆動輪104Rとに伝達される駆動トルクTL、TRに、入力トルク差ΔTINよりも大きな駆動トルク差ΔTOUT(=α・(TM2−TM1))を与えることができる。
次に、特許文献2に開示された車両駆動装置(以下、従来技術2という。)を図7及び図8を参照して説明する。図7は、従来技術2に係る車両駆動輪装置の歯車構成を示すスケルトン図、図8は従来技術2に係る車両駆動装置によるトルク差増幅率を説明するための速度線図である。
なお、図7においては、従来技術1との差を分かりやすくするために、左右に電動モータ102L、102Rを配置して従来技術1と同様の図にし、同一構成部分には同一符号を付している。
図7に示すように、車両駆動装置100は、車両に搭載された第1の電動モータ102L及び第2の電動モータ102Rと、左駆動輪104L及び右駆動輪104Rと、これらの間に設けられる歯車装置105と減速ギヤ列106L、106Rとを備えている。
第1の電動モータ102L及び第2の電動モータ102Rは、車両に搭載されたバッテリ(図示省略)からの電力により動作し、電子制御装置(図示省略)により個別に制御され、異なるトルクを発生させて出力することができる。第1の電動モータ102Lの出力軸102aL、第2の電動モータ102Rの出力軸102aRは、それぞれ減速ギヤ列106L、106Rを介して歯車装置105の太陽歯車SL、SRに接続される。歯車装置105からの出力は左右の駆動輪104L、104Rに与えられる。
従来技術1と同様に従来技術2の歯車装置105は、3要素2自由度の同一の遊星歯車機構110L、110Rが同軸上に二つ組み合わされて構成されている。遊星歯車機構110L、110Rには、例えば、シングルピニオン遊星歯車機構が採用されている。
そして、第1の遊星歯車機構110Lの遊星キャリヤCLと第2の遊星歯車機構110Rの内歯車RRとが第1結合部材111によって結合され、第1の遊星歯車機構110Lの内歯車RLと第2の遊星歯車機構110Rの遊星キャリヤCRとが第2結合部材112によって結合されている。
第1の電動モータ102Lで発生されたトルクTM1が減速ギヤ列106Lを介して第1の遊星歯車機構110Lの太陽歯車SLに入力され、第2の電動モータ102Rで発生されたトルクTM2が減速ギヤ列106Rを介して第2の遊星歯車機構110Rの太陽歯車SRに入力される。
また、第1結合部材111、第2の結合部材112は、それぞれ左右の駆動輪104L、104Rに接続されて出力が取り出される。
上記したように、この従来技術2では、電動モータ102L、102Rからの入力は、SL、SRとなり、駆動輪104L、104Rへの出力は、CL+RR、CR+RLとなる。
ここで、従来技術2の歯車装置105によって伝達される駆動トルクについて、図8に示す速度線図を用いて説明する。
歯車装置105は、二つの同一のシングルピニオンの遊星歯車機構110L、110Rを組み合わせて構成されるため、図8に示すように二本の速度線図によって表すことができる。ここでは、理解を容易にするために、二本の速度線図を上下にずらし、上側に第1の遊星歯車機構110Lの速度線図を示し、下側に第2の遊星歯車機構110Rの速度線図を示している。また、従来技術1での説明と同様に、速度線図及び各計算式の以降の説明においては、各減速ギヤ列106L、106Rでの減速比を省略し、各太陽歯車SL、SRに入力されるトルクをTM1及びTM2のままとする。
図7に示す歯車装置105では、図8に示す遊星キャリヤCLと内歯車RRが、図中破線で示すように、第1結合部材111によって結合され、遊星キャリヤCRと内歯車RLが、図中破線で示すように、第2結合部材112によって結合されている。
そして、太陽歯車SL、SRにそれぞれ第1の電動モータ102L及び第2の電動モータ102Rから出力されたトルクTM1及びTM2が入力される。一方、速度線図上で中間に位置する第1結合部材111、第2結合部材112から左右の駆動輪104L、104Rに伝達される駆動トルクTL、TRが出力される。
このように構成された歯車装置105によっても、第1の電動モータ102L及び第2の電動モータ102Rで発生させる各駆動トルクTM1、TM2にトルク差(入力トルク差)ΔTIN(=TM2−TM1)を与えることで、左駆動輪104Lに伝達される駆動トルクTLと右駆動輪104Rに伝達される駆動トルクTRとに駆動トルク差ΔTOUT(=TR−TL)を発生させることができる。
この従来技術2に係る歯車装置105のトルク差増幅率αについて説明する。この従来技術2においても、二つのシングルピニオン形式の遊星歯車機構110L、110Rは、同一の歯数の歯車要素を使用しているため、速度線図においては内歯車RLと遊星キャリヤCLとの距離及び内歯車RRと遊星キャリヤCRとの距離は等しく、これをaとする。また、太陽歯車SLと遊星キャリヤCLとの距離及び太陽歯車SRと遊星キャリヤCRとの距離も等しく、これをbとする。
この従来技術2の歯車装置105を速度線図で示すと図8のようになる。
この速度線図において、トルクの釣り合いを考えると、トルク差増幅率αを求めることができる。なお、図8において、矢印方向がモーメントMの正方向を示している。
Rの点を基準にしたモーメントMの釣り合いから下記(8)式が算出される。
b・TR+(a+b)・TL−(a+2b)・TM1=0 …(8)
Lの点を基準にしたモーメントMの釣り合いから下記(9)式が算出される。
−b・TL−(a+b)・TR+(a+2b)・TM2=0 …(9)
(8)式+(9)式より、下記(10)式が算出される。
a・(TR−TL)―(a+2b)・(TM2−TM1)=0
(TR−TL)=((a+2b)/a)・(TM2−TM1) …(10)
(10)式の(a+2b)/aがトルク差増幅率αとなる。
a=1/Zr、b=1/Zsを代入すると、α=(2Zr+Zs)/Zsとなる。
この従来技術2では、電動モータ102L、102Rからの入力は、SL、SR、駆動輪104L、104Rへの出力はCL+RR、CR+RLであり、トルク差増幅率αは、(2Zr+Zs)/Zsである。
上記のように、従来技術1及び従来技術2に記載のものにおいては、二つの電動モータ102L、102Rで異なるトルクTM1、TM2を発生させて入力トルク差ΔTINを与えると、歯車装置105において入力トルク差ΔTINが増幅され、入力トルク差ΔTINよりも大きな駆動トルク差ΔTOUTを得ることができる。
特開2015−21594号公報 特許第4907390号公報
ところで、前記従来技術1及び従来技術2では、2つの遊星歯車機構を構成する内歯車RL、RRと結合部材とを接続することによりトルク差を増幅するようにしているため、左右どちらかの内歯車RL、RRと別部材を繋ぐ結合部材の1つが、必ず他方の内歯車RL、RRより大径になるため、装置が大型化するという問題がある。
車両駆動装置は、車体に搭載されるため、搭載空間を小さくして車室空間を広く確保するためには、トルク差を増幅する歯車装置の小型化、軽量化は必須である。
車両駆動装置のトルク差を増幅する歯車装置の入力軸を直接電動モータに連結し、歯車装置の出力軸を駆動輪に連結すると、駆動輪に必要な駆動トルクに合わせた電動モータの駆動力が必要となるため、電動モータが大型化してしまう。このため、車両駆動装置には電動モータのトルクを増大して駆動輪に伝達する減速機構としてのいくつかの歯車軸を有する。歯車軸は、電動モータの出力軸と連結し、入力歯車としての小径歯車を有する入力歯車軸と、駆動輪と連結し、出力歯車としての大径歯車を有する出力歯車軸と、入力歯車軸と出力歯車軸の間で歯車が噛合うことで動力伝達を行う中間歯車軸を少なくとも1つ以上配置する構成になっている。
従来技術1および従来技術2では、車両駆動装置における歯車装置の配置について具体的に言及されていないが、歯車装置を2段減速の出力側に設けた場合、出力トルクに対する構成部品(歯車、軸受等)の強度確保のため、構成部品が大型化し、その結果、車両駆動装置が大型化し、製作コストも上がる可能性がある。
また、歯車装置を2段減速の入力側に設けた場合、歯車装置を構成する遊星歯車機構の各歯車が高速で回転し、歯車の歯面同士のすべりによる摩擦熱が発生し易い。歯車歯面の冷却に潤滑油を用いた場合、遊星歯車機構を2つ連結することで構成が複雑になり、歯車装置内部への潤滑油路の確保が困難になる可能性がある。
また、歯車の歯面同士の片当たりによる異常摩耗を防ぐため、軸受構成等、歯車軸の回転精度を確保する必要があるが、従来技術1と従来技術2では、共に歯車装置の軸受構成までの記載はない。
そこで、この発明は、車両駆動装置に組み込む歯車装置自体を大幅に大径化することなく、歯車軸の回転精度の確保を可能にしようとするものである。
前記の課題を解決するために、この発明は、車両に搭載され独立して制御可能な二つの駆動源と、前記二つの駆動源と左右の駆動輪との間に設けられ、前記二つの駆動源からのトルクを左右輪に分配する歯車装置と、前記二つの駆動源のトルクを前記駆動輪に伝達する減速装置とを備える車両駆動装置において、前記減速装置は、駆動源に連結し、入力歯車を有する入力歯車軸と、駆動輪に連結し、出力歯車を有する出力歯車軸と、歯車の噛合いにより入力歯車軸から出力歯車軸の間のトルク伝達を行う中間歯車軸が少なくとも1つ以上配され、前記減速装置を構成する歯車が外歯車であり、前記二つの駆動源からのトルクを左右輪に分配する歯車装置は、同軸に配された左右の1対の歯車軸と同軸上に二つ組み合わせた3要素2自由度の遊星歯車機構からなり、前記遊星歯車機構は、内歯車と、前記内歯車と同軸上に設けられた遊星キャリヤと、前記内歯車と同軸上に設けられた太陽歯車と、公転歯車としての複数の遊星歯車とを有し、前記二つの遊星歯車機構の一方の遊星キャリヤと他方の太陽歯車とを結合する第1結合部材と、一方の太陽歯車と他方の遊星キャリヤとを結合する第2結合部材とを有し、前記歯車装置と同軸上にある前記減速装置の歯車軸に、前記遊星歯車機構の内歯車と連結され、入力側の歯車と噛み合う外歯車と、前記遊星歯車機構の遊星キャリヤと連結され、出力歯車の歯車と噛み合う外歯車とを設け、第1および第2結合部材と同軸上に配置される太陽歯車が、第1および第2結合部材と別体で、第1および第2結合部材に対してスプライン嵌合していることを特徴とする。
前記前記第1および第2結合部材には、遊星キャリヤに対してインロー部およびスプライン部を設ける。
また、前記左右の太陽歯車と第1および第2結合部材とのスプライン嵌合の隙間よりも、第1および第2結合部材と遊星キャリヤとのスプライン嵌合部の隙間の方を小さく設定する。
前記左右の太陽歯車には、第1および第2結合部材に対する軸方向抜け止め部材を設けている。
前記減速装置をハウジング内に設け、左右の遊星キャリヤの両端はハウジングに対して、インボード側とアウトボード側を転がり軸受で回転自在に支持されている。
以上のように、この発明によれば、トルク差増幅機構である歯車装置の2つの遊星歯車機構の接続は、太陽歯車と遊星キャリヤの接続であり、内歯車より大径の接続部材は必要としないので、トルク差増幅機構を小さくすることができ、トルク差増幅機構を含む車両駆動装置を小型、軽量化することができる。
トルク差増幅機構である歯車装置を車両駆動装置の1対の中間歯車軸と同軸に設けることにより、歯車装置自体が大幅に大径化することがない。
また、2つの遊星歯車機構を、中空軸とその中空軸の内部に挿通される軸からなる2重構造の第1結合部材及び第2結合部材によって結合し、第1結合部材に設けられる太陽歯車と第2結合部材に設けられる太陽歯車を、それぞれ第1結合部材、第2結合部材に対して別体にして、第1結合部材、第2結合部材に対してスプライン嵌合することにより、第1結合部材、第2結合部材に対して太陽歯車を浮動状態に設けることができるので、第1結合部材、第2結合部材の調心性を高めることができる。
この発明の車両駆動装置の実施形態を示す横断平面図である。 図1の実施形態の歯車装置部分の拡大図である。 図1の実施形態に係る車両駆動装置の歯車構成をスケルトン図で示した電気自動車の説明図である。 図1の実施形態に係る車両駆動装置に組み込まれた歯車装置によるトルク差増幅率を説明するための速度線図である。 従来技術1に係る車両駆動装置の歯車構成を示すスケルトン図である。 従来技術1に係る車両駆動装置に組み込まれた歯車装置によるトルク差増幅率を説明するための速度線図である。 従来技術2に係る車両駆動装置の歯車構成を示すスケルトン図である。 従来技術2に係る車両駆動装置に組み込まれた歯車装置によるトルク差増幅率を説明するための速度線図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図3に示す電気自動車AMは、後輪輪駆動方式であり、シャーシ60と、後輪としての駆動輪61L、61Rと、前輪62L、62Rと、この発明に係る2モータ式の車両駆動装置1、バッテリ63、インバータ64等を備える。図3では、車両駆動装置1の歯車構成をスケルトン図で示している。
図1に示す車両駆動装置1は、車両に搭載され独立して制御可能な二つの駆動源としての電動モータ2L、2Rと、左右の駆動輪61L、61Rと二つの電動モータ2L、2Rとの間に設けられる左右2基の減速装置3L、3Rとを備える。
2モータ式の車両駆動装置1の駆動トルクは、等速ジョイント65a、65bと中間シャフト65cからなるドライブシャフトを介して左右の駆動輪61L、61Rに伝達される。
なお、2モータ式の車両駆動装置1の搭載形態としては、図3に示す後輪駆動方式の他、前輪駆動方式、四輪駆動方式でもよい。
2モータ式の車両駆動装置1における左右の電動モータ2L、2Rは、同一の最大出力を有する同一規格の電動モータが用いられ、図1に示すように、モータハウジング4L、4R内に収容されている。
モータハウジング4L、4Rは、図1に示すように、円筒形のモータハウジング本体4aL、4aRと、このモータハウジング本体4aL、4aRの外側面を閉塞する外側壁4bL、4bRと、モータハウジング本体4aL、4aRの内側面に減速装置3L、3Rと隔てる内側壁4cL、4cRとからなる。モータハウジング本体4aL、4aRの内側壁4cL、4cRには、モータ軸5aを引き出す開口部が設けられている。
電動モータ2L、2Rは、図1に示すように、モータハウジング本体4aL、4aRの内周面にステータ6を設け、このステータ6の内周に間隔をおいてロータ5を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。なお、電動モータ2L、2Rは、アキシャルギャップタイプのものを使用してもよい。
ロータ5は、モータ軸5aを中心部に有し、そのモータ軸5aはモータハウジング本体4aL、4aRの内側壁4cL、4cRの開口部からそれぞれ減速装置3L、3R側に引き出されている。モータハウジング本体4aL、4aRの内側壁4cL、4cRの開口部とモータ軸5aとの間にはシール部材7が設けられている。
モータ軸5aは、モータハウジング本体4aL、4aRの内側壁4cL、4cRと外側壁4bL、4bRとに転がり軸受8a、8bによって回転自在に支持されている(図1)。
左右並列に設けられた2基の減速装置3L、3Rを収容する減速装置ハウジング9は、減速装置3L、3Rの歯車軸と直交する方向に3ピースに分割され、図1に示すように、中央ハウジング9aとこの中央ハウジング9aの両側面に固定される左右の側面ハウジング9bL、9bRの3ピース構造になっている。左右の側面ハウジング9bL、9bRは、中央ハウジング9aの両側の開口部に複数のボルト(図示省略)によって固定されている。
減速装置ハウジング9の側面ハウジング9bL、9bRのアウトボード側(車体外側)の側面と電動モータ2L、2Rのモータハウジング本体4aL、4aRの内側壁4cL、4cRとを、複数のボルト10によって固定することにより、減速装置ハウジング9の左右に2基の電動モータ2L、2Rが固定配置される(図1)。
中央ハウジング9aには、図1に示すように、中央に仕切り壁11が設けられている。減速装置ハウジング9は、この仕切り壁11によって左右に2分割され、2基の減速装置3L、3Rを収容する左右の収容室が並列に設けられている。
減速装置3L、3Rは、図1に示すように、概ね左右対称形に設けられ、モータ軸5aから動力が伝達される入力歯車12aを有する入力歯車軸12L、12Rと、この入力歯車12aに噛み合う入力側大径歯車13aと出力歯車14aに噛み合う出力側小径歯車13bを有する中間歯車軸13L、13Rと、出力歯車14aを有し、減速装置ハウジング9から引き出されて等速ジョイント65a、65b、中間シャフト65c(図3)を介して駆動輪61L、61Rにトルクを伝達する出力歯車軸14L、14Rとを備える平行軸歯車減速機である。左右2基の減速装置3L、3Rの各入力歯車軸12L、12R、各中間歯車軸13L、13R、各出力歯車軸14L、14Rは、それぞれが同軸上に配置されている。
減速装置3L、3Rの入力歯車軸12L、12Rの両端は、中央ハウジング9aの仕切り壁11の左右両面に形成した軸受嵌合穴16aと側面ハウジング9bL、9bRに形成した軸受嵌合穴16bに転がり軸受17a、17bを介して回転自在に支持されている。軸受嵌合穴16a、16bは、転がり軸受17a、17bの外輪が当接する壁部のある段付き形状になっている。
入力歯車軸12L、12Rのアウトボード側の端部は、側面ハウジング9bL、9bRに設けた開口部から外側に引き出されており、開口部と入力歯車軸12L、12Rの外側端部との間にはオイルシール18を設け、減速装置ハウジング9に封入された潤滑油の漏洩を防止している。
入力歯車軸12L、12Rは中空構造であり、この中空の入力歯車軸12L、12Rに、モータ軸5aの端部が挿入されている。入力歯車軸12L、12Rとモータ軸5aとは、スプライン(セレーションも含む以下同じ)結合されている。
中間歯車軸13L、13Rは、少なくとも一つ以上配置されており、図1に示す実施形態では、一対の中間歯車軸13L、13Rを有する。
中間歯車軸13L、13Rは、外周面に入力歯車12aに噛み合う入力側大径歯車13aと出力歯車14aに噛み合う出力側小径歯車13bを有する段付きの歯車軸を構成している。この中間歯車軸13L、13Rの両端は、中央ハウジング9aの仕切り壁11の両面に形成した軸受嵌合穴19aと側面ハウジング9bL、9bRに形成した軸受嵌合穴19bとに転がり軸受20a、20bを介して支持されている。そして、軸受嵌合穴19a、19bは、転がり軸受20a、20bの外輪が当接する壁部のある段付き形状になっており、軸受嵌合穴19aは、後述する第1結合部材31と第2結合部材32が通るように貫通している。
同軸上に配置された中間歯車軸13L、13Rには、この中間歯車軸13L、13Rと同軸上に、二つの電動モータ2L、2Rから与えられる駆動トルクを左右の駆動輪61L、61Rにトルク差を増幅して分配する歯車装置30が組み込まれている。
歯車装置30は、同軸に配された左右の1対の中間歯車軸13L、13Rと同軸上に二つ組み合わせた3要素2自由度の遊星歯車機構30L、30Rからなる。
歯車装置30を構成する遊星歯車機構30L、30Rは、図2の拡大図に示すように、中間歯車軸13L、13Rの入力側大径歯車13aにそれぞれ連結された内歯車RL、RRと、内歯車RL、RRと同軸上に設けられた太陽歯車SL、SRと、内歯車RL、RRと太陽歯車SL、SRに噛み合う公転歯車としての複数の遊星歯車PL、PRと、内歯車RL、RRと同軸上に設けられた遊星キャリヤCL、CRと、一方の遊星キャリヤCL(図2では図の左側)と他方の太陽歯車SR(図2では図の右側)とを結合する第1結合部材31と、一方の太陽歯車SL(図2では図の左側)と他方の遊星キャリヤCR(図2では図の右側)とを結合する第2結合部材32と、内歯車RL、RRに連結された、入力歯車軸12L、12Rの入力歯車12aと噛み合う中間歯車軸13L、13Rの入力側大径歯車13aと、出力歯車軸14L、14Rの出力歯車14aと噛み合う中間歯車軸13L、13Rの出力側小径歯車13bとを有し、中間歯車軸13L、13Rの出力側小径歯車13bを、遊星キャリヤCL、CRに連結した構成である。
なお、中間歯車軸13L、13Rを複数対設けた場合には、入力側大径歯車13aに連結された内歯車RL、RRは、複数対の中間歯車軸13L、13Rの内、入力歯車12aと噛み合う入力側大径歯車13aに配置され、また、出力側小径歯車13bが、複数対の中間歯車軸13L、13Rの内の従動側の中間歯車軸13L、13Rに設けられた歯車と噛み合うように配置される。
また、図1及び図2に示す実施形態は、歯車装置30を中間歯車軸13L、13Rに組み合わせた例であるが、同軸に配置された歯車軸であれば、出力歯車軸14L、14R、あるいは入力歯車軸12L、12Rに組み合わせることもできる。
図1及び図2に示す実施形態では、内歯車RL、RRに連結された入力側大径歯車13aは、内歯車RL、RRと一体に形成しているが、別体に形成してもよい。
また、図1及び図2に示す実施形態では、遊星キャリヤCL、CRに連結された出力側小径歯車13bは、遊星キャリヤCL、CRと一体に形成しているが、別体に形成してもよい。なお、入力側大径歯車13a及び出力側小径歯車13bは、共に外周にギヤ歯を有する外歯歯車である。
遊星キャリヤCL、CRは、図2に示すように、遊星歯車PL、PRを支持するキャリヤピン33と、キャリヤピン33のアウトボード側端部に連結されたアウトボード側のキャリヤフランジ34aと、インボード側端部に連結されたインボード側(車両内側)のキャリヤフランジ34bを有する。
アウトボード側のキャリヤフランジ34aは、アウトボード側に延びる中空軸部35を備えており、中空軸部35のアウトボード側の端部が、減速装置ハウジング9の側面ハウジング9bL、9bRに形成した軸受嵌合穴19bに転がり軸受20bを介して支持されている。
インボード側のキャリヤフランジ34bは、インボード側に延びる中空軸部36を備えており、中空軸部36のインボード側の端部が、中央ハウジング9aの仕切り壁11に形成した軸受嵌合穴19aに転がり軸受20aを介して支持されている。
図1に示す実施形態では、前記出力側小径歯車13bが、キャリヤフランジ34aの中空軸部35の外周面に一体に形成されている。
遊星歯車PL、PRは、針状ころ軸受37を介してキャリヤピン33によって支持されている。
また、前記各キャリヤフランジ34a、34bの対向面と遊星歯車PL、PRの間にスラスト板38を挿入し、遊星歯車PL、PRの回転の円滑化を図っている。
前記各キャリヤフランジ34a、34bの外周面と内歯車RL、RRとの間には、転がり軸受39a、39bを配置している。
また、インボード側のキャリヤフランジ34bのインボード側の外径面には、キャリヤフランジ34bの中空軸部36を支持する転がり軸受20aの内輪部材の端面に当接する段部40を形成している。
車両駆動装置1の歯車装置30を構成する2つの遊星歯車機構30L、30Rを連結している第1結合部材31および第2結合部材32は、減速装置ハウジング9の中央ハウジング9aを左右に仕切る仕切り壁11を貫通して組み込まれている。
この第1結合部材31と第2結合部材32は、同軸上に配置されると共に、一方の結合部材(図1及び図2の実施形態では第2結合部材32)が中空軸、他方の結合部材(図1及び図2の実施形態では第1結合部材31)が中空軸に挿通される軸からなる2重構造になっている。
図1及び図2に示す実施形態では、中空軸で構成される第2結合部材32は、右側の遊星キャリアCRのインボード側のキャリヤフランジ34bと別体に設けられている。
キャリヤフランジ34bと別体に設けられた第2結合部材32は、第2結合部材32の右側端部とキャリヤフランジ34bの内径面とにスプライン部41を設け、第2結合部材32を遊星キャリヤCRに対しスプライン嵌合により連結している。スプライン部41には、軸方向の抜け止めを図るサークリップ70を設けている。
第2結合部材32の外径面には、スプライン部41のインボード側にキャリヤフランジ34bの内径面に対して芯出しを行うインロー部71を設け、インロー部71によって遊星キャリヤCRに対しスプライン嵌合されたスプライン部41のガタ付きをなくし、第2結合部材32の調心性を高めている。
そして、第2結合部材32の左側端部の外径面には、左側の遊星歯車機構30Lの遊星歯車PLと噛み合う太陽歯車SLが、第2結合部材32と別体に設けられている。
この別体の太陽歯車SLは、第2結合部材32の左側端部の外径面に対してスプライン部73によってスプライン嵌合されており、スプライン部73にはサークリップ74を設け、別体の太陽歯車SLの軸方向の抜け止めを行っている。
第2結合部材32の左側端部の太陽歯車SLを第2結合部材32と別体に設けることにより、太陽歯車SLと第2結合部材32とが浮動状態になるので、インロー部71によって調心された第2結合部材32の回転精度を高く維持することできる。
一方、中空の第2結合部材32の内部に挿通された第1結合部材31の右側端部は、右側の遊星歯車機構30Rの遊星キャリヤCRのキャリヤフランジ34aのアウトボード側に延びる中空軸部35の内径面に、深溝玉軸受49を介して支持されている。
深溝玉軸受49によって右側の遊星キャリヤCRのキャリヤフランジ34aに支持された第1結合部材31の右側端部の外径部には、右側の遊星歯車機構30Rの遊星歯車PRと噛み合う太陽歯車SRが、第1結合部材31と別体に設けられている。
この別体の太陽歯車SRは、第1結合部材31の右側端部の外径面に対してスプライン部75によってスプライン嵌合されており、スプライン部75にはサークリップ76を設け、別体の太陽歯車SRの軸方向の抜け止めを行っている。
第1結合部材31の左側端部は、左側の遊星歯車機構30Lのアウトボード側のキャリヤフランジ34aの内径面にスプライン部42を設け、第1結合部材31を遊星キャリヤCLに対しスプライン嵌合により連結し、止め輪78によって軸方向の位置決めを行っている。
第1結合部材31の外径面には、スプライン部42のインボード側にキャリヤフランジ34aの内径面に対して芯出しを行うインロー部79を設け、インロー部79によって遊星キャリヤCLに対しスプライン嵌合されたスプライン部42のガタ付きをなくし、第1結合部材31の調心性を高めている。
第1結合部材31の右側端部に設けられる太陽歯車SRと第2結合部材32の左側端部に設けられる太陽歯車SLは、それぞれ第1結合部材31、第2結合部材32に対して別体に設けられ、第1結合部材31、第2結合部材32に対してスプライン嵌合によって浮動状態に設けられている。
そして、第1結合部材31、第2結合部材32は、中央ハウジング9aの仕切り壁11の両面に形成した軸受嵌合穴19aと側面ハウジング9bL、9bRに形成した軸受嵌合穴19bとに転がり軸受20a、20bを介して支持された中間歯車軸13L、13Rの遊星キャリヤCL、CRに対してインロー結合によって回転精度を確保できるので、中空に形成された第2結合部材32の内径面と第1結合部材31の外径面との間に針状ころ軸受やカラーを設ける必要がない。
前記左右の太陽歯車SL、SRと第1結合部材31、第2結合部材32とのスプライン部73、75のスプライン嵌合の隙間よりも、第1結合部材31、第2結合部材32と遊星キャリヤCL、CRとのスプライン部42、41の嵌合部の隙間の方を小さく設定することにより、第1結合部材31、第2結合部材32の調心性を高めることができる。
2つの遊星歯車機構30L、30Rを連結する2重構造の軸の内径側の結合部材(図1及び図2の実施形態では第1結合部材31)には、遊星キャリヤCL側の軸心に給油穴50を設けている。内径側の結合部材(図1及び図2の実施形態では第1結合部材31)の給油穴50には、径方向の給油通路51を設けている。
出力歯車軸14L、14Rは、図1及び図2に示すように、大径の出力歯車14aを有し、中央ハウジング9aの仕切り壁11の両面に形成した軸受嵌合穴53aと側面ハウジング9bL、9bRに形成した軸受嵌合穴53bに転がり軸受54a、54bによって支持されている。そして、軸受嵌合穴53a、53bは、転がり軸受54a、54bの外輪が当接する壁部のある段付き形状になっている。
出力歯車軸14L、14Rのアウトボード側の端部は、側面ハウジング9bL、9bRに形成した開口部から減速装置ハウジング9の外側に引き出され、引き出された出力歯車軸14L、14Rのアウトボード側の端部の外周面に、等速ジョイント65aの外側継手部がスプライン結合されている。
出力歯車軸14L、14Rに結合された等速ジョイント65aは、中間シャフト65c、等速ジョイント65bを介して駆動輪61L、61Rに接続される(図3)。
出力歯車軸14L、14Rのアウトボード側の端部と側面ハウジング9bL、9bRに形成した開口部との間には、オイルシール55を設け、減速装置ハウジング9に封入された潤滑油の漏洩および外部からの泥水などの侵入を防止している。
図1に示す実施形態の2モータ式の車両駆動装置1の歯車構成は、図3に示すスケルトン図の通りである。
図3に示すように、左右の電動モータ2L及び電動モータ2Rは、車両に搭載されたバッテリ63からインバータ64を介して与えられた電力により動作する。そして、電動モータ2L、2Rは、電子制御装置(図示省略)により個別に制御され、異なるトルクを発生させて出力することができる。
電動モータ2L、2Rのモータ軸5aのトルクは、減速装置3L、3Rの入力歯車軸12L、12Rの入力歯車12aと中間歯車軸13L、13Rの入力側大径歯車13aとの歯数比で増大されて歯車装置30の内歯車RL、RRに伝達される。
そして、歯車装置30を介して中間歯車軸13L、13Rの出力側小径歯車13bが出力歯車軸14L、14Rの大径の出力歯車14aに噛み合って出力側小径歯車13bと出力歯車14aとの歯数比で電動モータ2L、2Rのモータ軸5aのトルクがさらに増大されて、駆動輪61L、61Rに出力される。
歯車装置30は、3要素2自由度の同一の遊星歯車機構30L、30Rが同軸上の中間歯車軸13L、13Rに二つ組み合わされて構成され、遊星歯車機構30L、30Rとして、シングルピニオン形式の遊星歯車機構を採用している。
遊星歯車機構30L、30Rは、同軸上に設けられた太陽歯車SL、SR及び内歯車RL、RRと、これら太陽歯車SL、SRと内歯車RL、RRとの間に位置する複数の遊星歯車PL、PRと、遊星歯車PL、PRを回動可能に支持し太陽歯車SL、SR及び内歯車RL、RRと同軸上に設けられた遊星キャリヤCL、CRとから構成される。ここで、太陽歯車SL、SRと遊星歯車PL、PRは外周にギヤ歯を有する外歯歯車であり、内歯車RL、RRは内周にギヤ歯を有する内歯歯車である。遊星歯車PL、PRは太陽歯車SL、SRと内歯車RL、RRとに噛み合っている。
遊星歯車機構30L、30Rでは、遊星キャリヤCL、CRを固定した場合に太陽歯車SL、SRと内歯車RL、RRとが逆方向に回転するため、図4に示す速度線図に表すと内歯車RL、RR及び太陽歯車SL、SRが遊星キャリヤCL、CRに対して反対側に配置される。
この歯車装置30は、前記のように、太陽歯車SL、遊星キャリヤCL、遊星歯車PL及び内歯車RLを有する第1の遊星歯車機構30Lと、同じく太陽歯車SR、遊星キャリヤCR、遊星歯車PR及び内歯車RRを有する第2の遊星歯車機構30Rとが同軸上に組み合わされて構成されている。
そして、第1の遊星歯車機構30Lの遊星キャリヤCLと第2の遊星歯車機構30Rの太陽歯車SRとが結合されて第1結合部材31を形成し、第1の遊星歯車機構30Lの太陽歯車SLと第2の遊星歯車機構30Rの遊星キャリヤCRとが結合されて第2結合部材32を形成している。
第1の遊星歯車機構30Lの内歯車RLに電動モータ2Lで発生したトルクTM1は、入力歯車軸12Lの入力歯車12aと入力側大径歯車13aとが噛み合って中間歯車軸13Lに伝達され、中間歯車軸13Lに伝達されたトルクが、第1の遊星歯車機構30Lを介して中間歯車軸13Lの出力側小径歯車13bに伝達され、中間歯車軸13Lの出力側小径歯車13bと出力歯車軸14Lの出力歯車14aとが噛み合って出力歯車軸14Lから駆動輪61Lに駆動トルクTLが出力される。
第2の遊星歯車機構30Rの内歯車RRに電動モータ2Rで発生したトルクTM2は、入力歯車軸12Rの入力歯車12aと入力側大径歯車13aとが噛み合って中間歯車軸13Rに伝達され、中間歯車軸13Rに伝達されたトルクが、第2の遊星歯車機構30Rを介して中間歯車軸13Rの出力側小径歯車13bに伝達され、中間歯車軸13Rの出力側小径歯車13bと出力歯車軸14Rの出力歯車14aとが噛み合って出力歯車軸14Rから駆動輪61Rに駆動トルクTLが出力される。
電動モータ2L、2Rからの出力は、二つの遊星歯車機構30L、30Rのそれぞれの内歯車RL、RRに与えられ、第1結合部材31、第2結合部材32からの出力が駆動輪61L、61Rに与えられる。
第2結合部材32は、中空軸で構成されており、その内部に第1結合部材31が挿通され、第1結合部材31と第2結合部材32を構成する軸は二重構造になっている。
第1結合部材31は、図1及び図2に示すように、その一端(図中右端)が太陽歯車SRの回転軸であり、他端(図中左端)が太陽歯車SLを貫通して設けられ、遊星キャリヤCLに接続されている。また、中空軸である第2結合部材32は、一端(図中左端)が太陽歯車SLの回転軸となっており、他端(図中右端)は遊星キャリヤCRと接続されている。この第1結合部材31と第2結合部材32によって、二つの遊星歯車機構30L、30Rが結合されている。
ところで、歯車装置30は、二つの同一のシングルピニオン形式の遊星歯車機構30L、30Rを組み合わせて構成されるため、図4に示すように二本の速度線図によって表すことができる。ここでは、分かりやすいように、二本の速度線図を上下にずらし、上側に左側の遊星歯車機構30Lの速度線図を示し、下側に右側の遊星歯車機構30Rの速度線図を示す。また本来は、図1の実施形態では、各電動モータ2L、2Rから出力されたトルクTM1及びTM2は、各入力歯車軸12L、12Rの入力歯車12aと噛み合う入力側大径歯車13aを介して各内歯車RL、RRに入力されるため減速比が掛かる、また、歯車装置30から取り出された駆動トルクTL、TRは、出力歯車14aと噛み合う出力側小径歯車13bを介し左右の駆動輪61L、61Rへ伝達されるため減速比が掛かるが、以降、理解を容易にするため、図4に示す速度線図及び各計算式の説明においては、減速比を省略し、各内歯車RL、RRに入力されるトルクをTM1及びTM2のまま、駆動トルクはTL、TRのままとする。
歯車装置30を構成する二つの遊星歯車機構30L、30Rは、同一の歯数の歯車要素を使用しているため、速度線図においては内歯車RLと遊星キャリヤCLとの距離及び内歯車RRと遊星キャリヤCRとの距離は等しく、これをaとする。また、太陽歯車SLと遊星キャリヤCLとの距離及び太陽歯車SLと遊星キャリヤCRとの距離も等しく、これをbとする。遊星キャリヤCL、CRから内歯車RL、RRまでの長さと遊星キャリヤCL、CRから太陽歯車SL、SRまでの長さの比は、内歯車RL、RRの歯数Zrの逆数(1/Zr)と太陽歯車SL、SRの歯数Zsの逆数(1/Zs)との比と等しい。よって、a=(1/Zr)、b=(1/Zs)である。
Rの点を基準にしたモーメントMの釣り合いから下記(11)式が算出される。なお、図4において、図中矢印方向がモーメントMの正方向である。
a・TR+(a+b)・TL−(b+2a)・TM1=0 …(11)
Lの点を基準にしたモーメントMの釣り合いから下記(12)式が算出される。
−a・TL−(a+b)・TR+(b+2a)・TM2=0 …(12)
(11)式+(12)式より、下記(13)式が得られる。
−b・(TR−TL)+(2a+b)・(TM2−TM1)=0
(TR−TL)=((2a+b)/b)・(TM2−TM1) …(13)
(13)式の(2a+b)/bがトルク増幅率αとなる。a=1/Zr、b=1/Zsを代入すると、α=(Zr+2Zs)/Zrとなり、下記のトルク差増幅率αが得られる。
α=(Zr+2Zs)/Zr
この発明では、電動モータ2L、2Rからの入力は、RL、RRとなり、駆動輪61L、61Rへの出力はSR+CL、SL+CRとなる。
そして、二つの電動モータ2L、2Rで異なるトルクTM1、TM2を発生させて入力トルク差ΔTIN(=(TM2−TM1))を与えると、歯車装置30において入力トルク差ΔTINが増幅され、入力トルク差ΔTINよりも大きな駆動トルク差α・ΔTINを得ることができる。すなわち、入力トルク差ΔTINが小さくても、歯車装置30において上記したトルク差増幅率α(=(Zr+2Zs)/Zr)で入力トルク差ΔTINを増幅することができ、左駆動輪61Lと右駆動輪61Rとに伝達される駆動トルクTL、TRに、入力トルク差ΔTINよりも大きな駆動トルク差ΔTOUT(=α・(TM2−TM1))を与えることができる。
従来技術1及び従来技術2では、トルク差増幅機構である歯車装置105の、2つの遊星歯車機構の左右接続部材に内歯車Rが含まれるため、左右どちらかの内歯車と別部材を繋ぐ結合部材の1つが必ず他方の内歯車Rより大径にならなければならない。
この発明では、トルク差分配機構である歯車装置30を構成する2つの遊星歯車機構30L、30Rの接続は、太陽歯車SLと遊星キャリヤCR、太陽歯車SRと遊星キャリヤCLであるから、内歯車RL、RRよりも大径の接続部材を必要としない。このため、この発明では、従来技術1及び従来技術2のものに比してトルク差分配機構を小さくすることができので、トルク差分配機構を組み込んだ電気自動車用の車両駆動装置1を小さく軽量化することができる。
電気自動車用の車両駆動装置1を小さく軽量化することにより、車両駆動装置1の車体搭載レイアウトと共に、周辺補機類の車体搭載レイアウトの自由度が向上する。
また、車両駆動装置1が小型化することにより、車室空間が拡大する等のメリットがある。
以上、図1及び図2に示す実施形態では、出力歯車軸14L、14Rの出力歯車14aは、減速装置3L、3Rのアウトボード側(車両の外側)に設けているが、減速装置3L、3Rのインボード側(車両の内側)に、出力歯車14aと出力歯車軸14L、14Rの出力歯車14aを設けるようにしてもよい。
図1に示す実施形態では、二つの駆動源として電動モータ2L、2Rを用い、同一の最大出力を有する同一規格の電動モータである場合を例示したが、二つの駆動源はこれに限られない。
なお、車両駆動装置1が搭載される車両は、電気自動車やハイブリッド電気自動車に限られず、例えば、第1の電動モータ2L及び第2の電動モータ2Rを駆動源とした燃料電池自動車であってもよい。
この発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲において、さらに種々の形態で実施し得る。
1 :車両駆動装置
2L、2L :電動モータ
3L、3R :減速装置
4L、4R :モータハウジング
4aL、4aR :モータハウジング本体
4bL、4bR :外側壁
4cL、4cR :内側壁
5 :ロータ
5a :モータ軸
6 :ステータ
7 :シール部材
8a、8b :転がり軸受
9 :減速装置ハウジング
9a :中央ハウジング
9bL、9bR :側面ハウジング
10 :ボルト
11 :仕切り壁
12L、12R :入力歯車軸
12a :入力歯車
13L、13R :中間歯車軸
13a :入力側大径歯車
13b :出力側小径歯車
14L、14R :出力歯車軸
14a :出力歯車
16a、16b :軸受嵌合穴
17a、17b :転がり軸受
18 :オイルシール
19a、19b :軸受嵌合穴
20a、20b :転がり軸受
30 :歯車装置
30L、30R :遊星歯車機構
31 :第1結合部材
32 :第2結合部材
33 :キャリヤピン
34a、34b :キャリヤフランジ
35、36 :中空軸部
37 :針状ころ軸受
38 :スラスト板
39a、39b :転がり軸受
40 :段部
41、42 :スプライン部
49 :深溝玉軸受
50 :給油穴
51 :給油通路
53a、53b :軸受嵌合穴
54a、54b :転がり軸受
55 :オイルシール
60 :シャーシ
61L、61R :駆動輪
62L、62R :前輪
63 :バッテリ
64 :インバータ
65a、65b :等速ジョイント
65c :中間シャフト
70 :サークリップ
71 :インロー部
73 :スプライン部
74 :サークリップ
75 :スプライン部
76 :サークリップ
78 :止め輪
79 :インロー部
AM :電気自動車
L、CR :遊星キャリヤ
L、PR :遊星歯車
L、RR :内歯車
L、SR :太陽歯車

Claims (7)

  1. 車両に搭載され独立して制御可能な二つの駆動源と、前記二つの駆動源と左右の駆動輪との間に設けられ、前記二つの駆動源からのトルクを左右輪に分配する歯車装置と、前記二つの駆動源のトルクを前記駆動輪に伝達する減速装置とを備える車両駆動装置において、前記減速装置は、駆動源に連結し、入力歯車を有する入力歯車軸と、駆動輪に連結し、出力歯車を有する出力歯車軸と、歯車の噛合いにより入力歯車軸から出力歯車軸の間のトルク伝達を行う中間歯車軸が少なくとも1つ以上配され、前記減速装置を構成する歯車が外歯車であり、前記二つの駆動源からのトルクを左右輪に分配する歯車装置は、同軸に配された左右の1対の歯車軸と同軸上に二つ組み合わせた3要素2自由度の遊星歯車機構からなり、前記遊星歯車機構は、内歯車と、前記内歯車と同軸上に設けられた遊星キャリヤと、前記内歯車と同軸上に設けられた太陽歯車と、公転歯車としての複数の遊星歯車とを有し、前記二つの遊星歯車機構の一方の遊星キャリヤと他方の太陽歯車とを結合する第1結合部材と、一方の太陽歯車と他方の遊星キャリヤとを結合する第2結合部材とを有し、前記歯車装置と同軸上にある前記減速装置の歯車軸に、前記遊星歯車機構の内歯車と連結され、入力側の歯車と噛み合う外歯車と、前記遊星歯車機構の遊星キャリヤと連結され、出力歯車の歯車と噛み合う外歯車とを設け、第1および第2結合部材と同軸上に配置される太陽歯車が、第1および第2結合部材とスプライン嵌合していることを特徴とする車両駆動装置。
  2. 前記第1および第2結合部材が遊星キャリヤに対してインロー部およびスプライン部を有することを特徴とする請求項1に記載の車両駆動装置。
  3. 前記左右の太陽歯車と第1および第2結合部材とのスプライン嵌合の隙間よりも、第1および第2結合部材と遊星キャリヤとのスプライン嵌合部の隙間の方が小さく設定していることを特徴とする請求項1に記載の車両駆動装置。
  4. 前記左右の太陽歯車が第1および第2結合部材に対して軸方向抜け止め部材を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両駆動装置。
  5. 前記第1および第2結合部材が遊星キャリヤに対して軸方向抜け止め部材を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両駆動装置。
  6. 前記減速装置をハウジング内に設け、左右の遊星キャリヤの両端はハウジングに対して、インボード側とアウトボード側を転がり軸受で回転自在に支持されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両駆動装置。
  7. 前記遊星歯車機構の内歯車が遊星キャリヤに対して転がり軸受で回転自在に支持されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車両駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109899467A (zh) * 2019-03-22 2019-06-18 陈扬珑 双阶行星轮组两档电驱变速器

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