JP2018048476A - 耐火隔壁 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、実用的な壁厚でありながら、3時間以上の耐火性能と、重要機器の性能を保持するために十分な遮熱性能を確保することができ、更に、火災時の消火活動による激しい放水に対しても十分耐え得る耐火隔壁を提供することにある。【解決手段】本発明の耐火隔壁は、建築物の室内空間を構成する上部構造躯体および下部構造躯体の間に固定された鋼製枠体、該鋼製枠体に対して垂直方向に固定・立設した下地材、該下地材の両面に設置された下張り材および該下張り材の外表面に設置された上張り材を備えてなることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、耐火隔壁に関し、さらに詳細には原子力発電所等の設備に使用される耐火隔壁に関するものである。
原子力発電所の電線ケーブルや機械設備は、原子力規制委員会により制定された原子力発電所の新規制基準「実用発電所用原子炉及びその付属設備の火災防護に係る審査基準(原規技第1306195号)」において、各種設備が3時間以上の耐火性能を有するだけの火災防護対策が必要であるとされている。特に、重要な設備については同種の機器を2つ以上配し、それらを3時間以上の耐火性能を有する耐火隔壁にて分離し、火災の際にどちらか一方の機器が十分に機能するようにしなければならないとされている。このため、耐火隔壁は単に3時間の耐火性能を有するだけではなく、火災に見舞われた際に、分離されているもう一方に設置された機器が加熱による故障を引き起さないように、十分な遮熱性能を有する必要があり、更に、消火活動による激しい放水負荷にも耐えられる剛直性を兼ね備えている必要がある。
従来、一般建築においては既設建物の室内空間を防火区画として仕切るために、乾式工法の耐火間仕切り壁が広く採用されている。中でも重量パネルを必要としない、石膏ボードやけい酸カルシウム板の重ね張りによる間仕切り壁が施工の容易性から多用されている。例えば、特許文献1には、上下ランナー間に複数のスタッドを立設し、スタッドの両側に耐火材料からなる下貼り板および上貼り板を貼着する耐火間仕切壁において、少なくとも一方の上貼り板をけい酸カルシウム板または石膏系ボードを基材とする化粧板としたことを特徴とする耐火間仕切壁(請求項1);下貼り板を石膏ボードとし、少なくとも一方の上貼り板をけい酸カルシウム板を基材とする化粧板とした耐火間仕切壁(請求項2);下貼り板をけい酸カルシウム板とし、少なくとも一方の上貼り板を石膏系ボードを基材とする化粧板とした耐火間仕切壁(請求項3)が開示されている。
また、特許文献2には、天井面または梁下面と床面とで形成される空間を間仕切りする間仕切り壁の耐火構造であって、天井面または梁下面および床面にそれぞれ取り付けられた上部ランナーおよび下部ランナーと、前記上部ランナーおよび下部ランナー間に立設された複数のスタッドと、けい酸カルシウム板よりなる下張り耐火板と上張り耐火板とで構成され、各スタッドの両側面にそれぞれ取り付けられた左右の耐火材とを備え、上部ランナーと天井面または梁下面との間には、加熱によって膨張する熱膨張性耐火材が挿入されている耐火壁構造(請求項1)が開示されている。また、特許文献2の[0032]段落には、下張り耐火板としてかさ密度0.25g/cmのけい酸カルシウム板を、上張り耐火板としてかさ密度0.35g/cmのけい酸カルシウム板をそれぞれ使用することが記載されている。
特開平11−190088号公報 特開2012−52333号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている耐火間仕切壁では、3時間の耐火性能を確保することは難しく、また、火災時には石膏ボードの表面にある紙部分が消失して強度を失うため、消火活動による放水に耐えることができないものであった。また、特許文献2に開示されている耐火壁構造では、下張り耐火板としてかさ密度0.25g/cmのけい酸カルシウム板を、上張り耐火板としてかさ密度0.35g/cmのけい酸カルシウム板をそれぞれ使用することが例示されているが、これらのようなJIS A 5430のタイプ3に相当するけい酸カルシウム板のみを使用した構成では、耐火壁構造の総厚をできるだけ薄くしようとする場合に、耐火性能は確保できたとしても、各耐火板の強度が不足するため、火災時における激しい放水に耐え得る十分な剛直性を有するとまでは言えない。しかし、特許文献2においてはこうした課題への対応について何らの示唆も開示もされていない。即ち、従来の耐火間仕切り構造は、3時間以上の耐火性能と、十分な遮熱性能と、剛直性とを兼備しているものではなかった。
従って、本発明の目的は、実用的な壁厚でありながら、3時間の耐火性能と、重要機器の性能を保持するために十分な遮熱性能を確保することができ、更に、火災時の消火活動による激しい放水に対しても十分耐え得る耐火隔壁を提供することにある。
即ち、本発明の耐火隔壁は、建築物の室内空間を構成する上部構造躯体および下部構造躯体の間に固定された鋼製枠体、該鋼製枠体に対して垂直方向に固定・立設した下地材、該下地材の両面に設置された下張り材および該下張り材の外表面に設置された上張り材を備えてなることを特徴とする。
また、本発明の耐火隔壁は、下地材が一般構造用角形鋼管であることを特徴とする。
更に、本発明の耐火隔壁は、下張り材が、高強度けい酸カルシウム質耐火材または軽量けい酸カルシウム質耐火材より構成され、下張り材が高強度けい酸カルシウム質耐火材の場合には、上張り材が、軽量けい酸カルシウム質耐火材より構成され、下張り材が軽量けい酸カルシウム質耐火材の場合には、上張り材が高強度けい酸カルシウム質耐火材より構成されることを特徴とする。
また、本発明の耐火隔壁は、高強度けい酸カルシウム質耐火材のかさ密度が0.80g/cm以上1.20g/cm未満、曲げ強さが7〜28N/mm、厚さが20〜35mm、1200℃加熱後残存収縮率が4%以下の範囲内にあり、軽量けい酸カルシウム質耐火材のかさ密度が0.35g/cm以上0.70g/cm未満、曲げ強さが1.5〜6N/mm、厚さが15〜30mm、熱伝導率が0.14W/m・K以下の範囲内にあることを特徴とする。
更に、本発明の耐火隔壁は、下地材の耐火隔壁の厚さ方向の辺の長さが40〜60mmであり、下張り材と上張り材の片側積層厚さが35〜50mmであり、かつ下地材と、下地材の両面に設置された下張り材および上張り材により構成される耐火隔壁本体の厚さが110〜150mmであり、片面側からISO834加熱曲線に準じた3時間加熱を行った場合の非加熱側における加熱前からの温度上昇が180℃以下であることを特徴とする。
また、本発明の耐火隔壁は、上張り材の外表面に設置された仕上げ材を備えてなることを特徴とする。
更に、本発明の耐火隔壁は、仕上げ材がフレキシブル板、繊維混入せっこう板、せっこうボード、金属鋼板、防水シートおよび壁紙からなる群から選択されることを特徴とする。
本発明によれば、原子力規制委員会の原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査における火災防護規定および内部火災対策・設計審査ガイドにおける3時間耐火隔壁の性能を担保することが可能であり、3時間の耐火性能と、重要機器の機能を保つための十分な遮熱性能、および消火活動の放水に耐える剛直性とを兼ね備えた耐火隔壁を提供することができる。
本発明の耐火隔壁の1実施態様を示す概略図である。 図1に示す耐火隔壁の水平方向断面図である。 実施例において、3時間耐火試験および放水試験に用いた耐火隔壁の供試体の概略図である。 図3に示す供試体の水平方向断面図である。 図3に示す供試体の垂直方向断面図である。 ISO834加熱曲線を示すグラフである。
以下、本発明の耐火隔壁を図1および2により説明する。
図1は、本発明の耐火隔壁の1実施態様を示す概略図であり、図2は、図1に示す耐火隔壁の水平方向断面図である。鋼製枠体5は、建築物の室内空間を構成する上部構造躯体(図示せず)および下部構造躯体(図示せず)の間に組み付けられ、少なくとも一部が建築物の構造躯体に固定されている。ここで、鋼製枠体5は、建築物の室内空間を構成する床、壁、柱、天井または梁のいずれかに固定することができる。なお、鋼製枠体5の固定方法は特に限定されるものではないが、例えばL字材のような固定金具を使用してアンカーボルト等で固定することができる。鋼製枠体5としては、例えば溝形鋼やH形鋼(いずれも熱間圧延形鋼:JIS G 3192相当)あるいは一般構造用角形鋼管(JIS G 3466相当)等を用いることができる。なお、鋼製枠体5が大きく露出する構造の場合には、必要に応じ鋼製枠体5に対しても耐火被覆を施すことができる。
下地材1は、鋼製枠体5に対して垂直方向に固定・立設している。ここで、下地材1の鋼製枠体5への固定は、特に限定されるものではないが、例えばL字材のような固定金具を使用して溶接や、ボルトで固定することなどにより行うことができる。なお、耐火隔壁の両端部に設置される下地材1を鋼製枠体5の垂直部に沿わせて固定した構成とすることもできる。なお、下地材1としては、例えば一般構造用角形鋼管(JIS G 3466相当)、H形鋼(熱間圧延形鋼:JIS G 3192相当)等を用いることができる。
下地材1の両面には、下張り材2を設置する。下張り材2としては、高強度けい酸カルシウム質耐火材または軽量けい酸カルシウム質耐火材を用いることができる。
ここで、高強度けい酸カルシウム質耐火材は、かさ密度が0.80g/cm以上1.20g/cm未満、曲げ強さが7〜28N/mm、厚さが20〜35mm、1200℃加熱後残存収縮率が4%以下の範囲内にあるものである。なお、高強度けい酸カルシウム質耐火材のかさ密度が0.80g/cm未満であると、火災時の消火活動に伴う放水に耐える強度の確保が困難なため好ましくなく、また、1.20g/cm以上であると、耐火材の質量が重くなり、施工性が悪化するため好ましくない。更に、高強度けい酸カルシウム質耐火材の曲げ強さが7N/mm未満であると、火災時の消火活動に伴う放水に耐えるのに不十分であるため好ましくなく、また、前記かさ密度の範囲内で、曲げ強度が28N/mmを超えるけい酸カルシウム質耐火材は実質上入手することができない。また、高強度けい酸カルシウム質耐火材の厚さが20mm未満であると、火災時の消火活動に伴う放水に耐える強度の確保が困難なため好ましくなく、また、30mmを超えると、耐火隔壁全体の厚さが厚くなりすぎるため好ましくない。更に、高強度けい酸カルシウム質耐火材の1200℃加熱後残存収縮率が4%を超えると、火災を受けた際、目地部に隙間が生じ易くなるため好ましくない。
また、軽量けい酸カルシウム質耐火材は、かさ密度が0.35g/cm以上0.70g/cm未満、曲げ強さが1.5〜6N/mm、厚さが15〜30mm、熱伝導率が0.14W/m・K以下の範囲内にあるものである。なお、軽量けい酸カルシウム質耐火材のかさ密度が0.35g/cm未満であると、材質が強度不足となるため好ましくなく、また、0.70g/cm以上であると、熱伝導率が高くなってしまうため好ましくない。軽量けい酸カルシウム質耐火材の曲げ強さが1.5N/mm未満であると、施工時の取扱い性が悪化するため好ましくなく、また、前記かさ密度の範囲内で、曲げ強度が6N/mmを超えるけい酸カルシウム質耐火材は実質上入手することができない。また、軽量けい酸カルシウム質耐火材の厚さが15mm未満であると、十分な耐火性能を得るための断熱性を確保することが困難であるため好ましくなく、また、30mmを超えると、耐火隔壁全体の厚さが厚くなりすぎるために好ましくない。また、軽量けい酸カルシウム質耐火材の熱伝導率が0.14W/m・Kを超えると、十分な耐火性能を確保できなくなるため好ましくない。
なお、下地材1への下張り材2の取り付け方法は特に限定されるものではなく、例えばタッピングねじ、ボルト等の止付具4を用いて固定することができる。また、隣接する下張り材2どうしの接続は、端面を付き合わせた構造とすることができる。
次に、下張り材2の外表面には、上張り材3を設置する。ここで、下張り材2が、前記高強度けい酸カルシウム質耐火材より構成される場合には、上張り材3は、前記軽量けい酸カルシウム質耐火材より構成され、下張り材2が、前記軽量けい酸カルシウム質耐火材より構成される場合には、上張り材3は、前記高強度けい酸カルシウム質耐火材より構成される。なお、火災時における消火活動の放水に対する耐性を重視する場合には、上張り材3を前記高強度けい酸カルシウム質耐火材とすることが好ましい。
なお、下地材2への上張り材3の取り付け方法は特に限定されるものではなく、例えばタッピングねじ、ボルト等の止付具4を用いて固定することができる。また、隣接する上張り材3どうしの接続は、端面を付き合わせた構造とすることができる。
上述のような構成を有する本発明の耐火隔壁において、下地材の耐火隔壁の厚さ方向の辺の長さが40〜60mmであり、下張り材と上張り材の片側積層厚さが35〜50mmであり、かつ下地材と、下地材の両面に設置された下張り材および上張り材により構成される耐火隔壁本体の厚さが110〜150mmであり、片面側からISO834加熱曲線に準じた3時間加熱を行った場合の非加熱側における加熱前からの温度上昇を180℃以下とする。
次に、本発明の耐火隔壁においては、上張り材3の外表面に、仕上げ材を設置することもできる。仕上げ材としては、例えばフレキシブル板、繊維混入せっこう板、せっこうボード、金属鋼板、防水シート、壁紙等を用いることができ、特に、フレキシブル板、繊維混入せっこう板および金属鋼板が好ましい。なお、フレキシブル板および繊維混入せっこう板は厚さ3〜6mmのものを、金属鋼板は厚さ0.1〜1mmのものを使用することができる。ここで、なお、下地材2への仕上げ材の取り付け方法は特に限定されるものではなく、例えばタッピングねじ、ステープル、接着剤等を用いて固定することができる。なお、仕上げ材を用いる場合、仕上げ材は、片面に設置しても、両面に設置してもよい。また、前記仕上げ材の代わりとして、上張り材の表面に塗料や防水剤等を塗布することもできる。
次に、実施例により本発明の耐火隔壁を更に説明する。
図3、4および5に示す形状にて、本発明の耐火隔壁の供試体を作製し、原子力規制委員会が制定する「実用発電用原子炉及びその付属施設の火災防護に係る審査基準(原規技第1306195号)」に準拠した3時間耐火試験および3時間耐火試験後の放水試験に供した。
図3は、耐火隔壁の供試体の概略図であり、図4は、図3に示す供試体の水平方向断面図であり、図5は、図3に示す供試体の垂直方向断面図である。図3、4および5に示すように、150×75mm(厚さ:6.5mm)の溝形鋼で1300mm×1250mm×144mmの鋼製枠体5を構成し、下地材1として100×50mm(厚さ:2.3mm)の一般構造用角形鋼管を溶接により鋼製枠体5に固定し、下地材1の両面に、厚さ27mm、かさ密度0.98g/cm、曲げ強さ8.9N/mm、1200℃加熱後残存収縮率2.6%の高強度けい酸カルシウム質耐火材を下張り材2としてタッピングねじを用いて下地材1に固定し、次いで、下張り材2の外表面には、厚さ20mm、かさ密度0.43g/cm、曲げ強さ4.5N/mm、熱伝導率0.088W/m・Kの軽量けい酸カルシウム質耐火材を上張り材3としてタッピングねじを用いて下地材1に固定して供試体No.1を得た。
なお、各物性値の測定方法はJIS A 5430に準拠したものである。ただし、曲げ強さの測定は、試験片の幅を50mm、曲げスパンを200mmとして行ったものである。また、1200℃加熱後残存収縮率は、事前に寸法を測定した試験片を1200℃×3時間の条件で加熱処理し、常温まで冷やしてから再度寸法を測定して求めたものである。
また、下張り材2として厚さ20mm、かさ密度0.43g/cm、曲げ強さ4.5N/mm、熱伝導率0.088W/m・Kの軽量けい酸カルシウム質耐火材を用い、上張り材3として厚さ27mm、かさ密度0.98g/cm、曲げ強さ8.9N/mm、1200℃加熱後残存収縮率2.6%の高強度けい酸カルシウム質耐火材を用いた以外は、供試体No.1と同様の構成として供試体No.2を作製した。
(1)3時間耐火試験
供試体の片側の面のみ加熱することができる試験炉に供試体No.1を設置し、ガスバーナーを用いて図6に示すISO834加熱曲線に即した3時間の加熱を行い、供試体の裏面(非加熱側の表面)の目地部を含む12か所に配した熱電対により、加熱中の温度を測定するとともに、裏面の状態に異常が現れないかを観察した。加熱終了後は直ちに供試体No.1を試験炉から取り出し、放水試験を実施した。なお、供試体No.2についても同様の試験を行った。
なお、試験結果から、以下の判定基準により3時間耐火試験の合否を判定した。
3時間耐火試験の合格判定基準:
(a)裏面における加熱開始前からの温度上昇の平均値が140℃以下であること;
(b)裏面における加熱開始前からの温度上昇の最高値が180℃以下であること;
(c)加熱中に供試体裏面側へ火炎が貫通しないこと。
3時間耐火試験の結果を表1に示す。当該試験の結果、前記合格判定基準のすべてを満たしていることから、供試体No.1および2は、いずれも合格判定であった。また、裏面温度の測定値は、前記合格判定基準に対し十分な余裕があることから、高い耐火性能と遮熱性能を有しているといえる。
Figure 2018048476
(2)3時間耐火試験後の放水試験
前記3時間耐火試験を行った直後に、試験炉から供試体を取り外し、表2に示す条件で加熱面からの放水試験を実施した。放水中および放水後に供試体の状態を観察し、以下の判定基準により、放水試験の合否を判定した。
放水試験の合格判定基準:直射による放水試験で裏面側へ貫通する開口部のないこと
Figure 2018048476
放水試験の結果、供試体No.1および2は、いずれも3時間耐火試験の直後に行った加熱面への直射による放水試験において、裏面側へ貫通する開口部を生ずることはなく、前記合格判定基準に照らし、合格判定であった、なお、供試体No.1においては、放水中に加熱面側の上張り材の一部が脱落したが、供試体No.2においては、放水中の耐火材の脱落は認められなかった。
以上のように、供試体No.1および2は、3時間加熱中に裏面側への火炎の噴出および発煙がなく、かつ火炎が通る亀裂等の損傷も生じなかった。また、3時間加熱後の放水試験においても裏面側へ貫通する開口はなく、判定基準を十分に満たすものであった。なお、供試体No.1および2は、試験体裏面温度が建築基準法にて定められる可燃物燃焼温度以下であった。
1:下地材、2:下張り材、3:上張り材、4:止付具、5:鋼製枠体

Claims (7)

  1. 建築物の室内空間を構成する上部構造躯体および下部構造躯体の間に固定された鋼製枠体、該鋼製枠体に対して垂直方向に固定・立設した下地材、該下地材の両面に設置された下張り材および該下張り材の外表面に設置された上張り材を備えてなることを特徴とする耐火隔壁。
  2. 下地材が一般構造用角形鋼管である、請求項1記載の耐火隔壁。
  3. 下張り材が、高強度けい酸カルシウム質耐火材または軽量けい酸カルシウム質耐火材より構成され、下張り材が高強度けい酸カルシウム質耐火材の場合には、上張り材が、軽量けい酸カルシウム質耐火材より構成され、下張り材が軽量けい酸カルシウム質耐火材の場合には、上張り材が高強度けい酸カルシウム質耐火材より構成する、請求項1または2記載の耐火隔壁。
  4. 高強度けい酸カルシウム質耐火材のかさ密度が0.80g/cm以上1.20g/cm未満、曲げ強さが7〜28N/mm、厚さが20〜35mm、1200℃加熱後残存収縮率が4%以下の範囲内にあり、軽量けい酸カルシウム質耐火材のかさ密度が0.35g/cm以上0.70g/cm未満、曲げ強さが1.5〜6N/mm、厚さが15〜30mm、熱伝導率が0.14W/m・K以下の範囲内にある、請求項3記載の耐火隔壁。
  5. 下地材の耐火隔壁の厚さ方向の辺の長さが40〜60mmであり、下張り材と上張り材の片側積層厚さが35〜50mmであり、かつ前記下地材と、下地材の両面に設置された下張り材および上張り材により構成される耐火隔壁本体の合計厚さが110〜150mmであり、片面側からISO834加熱曲線に準じた3時間加熱を行った場合の非加熱側の表面における加熱前からの温度上昇が180℃以下である、請求項1ないし4のいずれか1項記載の耐火隔壁。
  6. 上張り材の外表面に設置された仕上げ材を備えてなる、請求項1ないし5のいずれか1項記載の耐火隔壁。
  7. 仕上げ材がフレキシブル板、繊維混入せっこう板、せっこう板、金属鋼板、防水シートおよび壁紙からなる群から選択される、請求項6記載の耐火隔壁。
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