JP5944245B2 - 現し梁の耐火構造 - Google Patents

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本発明は、現し梁の耐火構造に関し、特に45分準耐火構造以上の耐火性能を備える木造建築物において用いる現し梁の耐火構造に関する。
例えば日本の住宅建築物では、伝統的に木製の柱や梁を現した真壁造となっているように、木造建築物は、構造材である木製の柱や梁の木の表面を室内に露出させて現したデザインが好まれているが、このような柱や梁を現した木質空間は、火災時に構造材である柱や梁の露出した部分が直接加熱を受けて燃焼し易い状態にあることから、防耐火性能上の非損傷性(火災加熱を受けても建物を支える荷重に耐えたまま、崩壊しない性能)を確保することが難しい。
このため、特に室内火災に対する安全性が要求される近年の準耐火建築物や耐火建築物では、例えば梁の表面を室内に露出させた現し梁を設けることは難しく、例えば準防火地域の3階建て以上の建築物や防火地域の建築物、或いは一定規模以上の特殊建築物において、現し梁を設ける場合、準耐火構造以上の耐火性能が得られるように法令に適合する設計を行うには、現在のところ、建設省告示や建築基準法施行令第107条の2(準耐火構造に関する技術的基準)に示す燃えしろ設計の方法しかなかったのが現状である(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
「木造建築のすすめ」平成23年4月、一般社団法人木を活かす建築推進協議会発行、第30〜31頁 「木造建築の防火設計」1999年1月、産調出版株式会社発行、第58〜61頁
しかしながら、上記非特許文献1や上記非特許文献2に記載の燃えしろ設計は、短期の許容応力度に耐えられる構造断面に対して、柱であれば四方、梁であれば上階の床に接する部分を除いた梁側面と梁下の三方に対して、所定の燃えしろを足すものであり、例えば準耐火構造45分において、105mm(3.5寸)角の集成材や105mm(3.5寸)幅の集成材を構造材とした場合は、35mmの燃えしろを四方又は三方に足さなくてはならず、仕上げの幅が175mm(約6寸)以上の大断面の集成材となるため、小規模な木造住宅建築物の居室部に設けるには扱いが難しく、また流通する105mm幅の材料での設計が困難となる。
本発明は、燃えしろ設計によることなく、準耐火構造45分以上の耐火性能を保持させた状態で、且つ木の表面を相当の露出面積で現した状態で、現し梁を設けることのできる現し梁の耐火構造を提供することを目的とする。
本発明は、45分準耐火構造以上の耐火性能を備える木造建築物において用いる現し梁の耐火構造であって、現し梁の側面における梁せいの62%以上の領域を覆い隠し、且つ現し梁の下端側部分における梁せいの30%以上の領域を露出させた状態で、覆い隠した部分の現し梁を火災時に45分間以上、燃焼により損壊させない機能を備える耐火被覆材、或いは覆い隠した部分の現し梁を火災時に45分間以上、燃焼により損壊させない機能及び熱劣化させない機能を備える耐火被覆材が、現し梁の側面に沿って取り付けられている現し梁の耐火構造を提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明の現し梁の耐火構造によれば、現し梁の両側の側面における梁せいの62%以上の領域を覆い隠し、且つ現し梁の下端側部分における梁せいの30%以上の領域を露出させた状態で、前記耐火被覆材が取り付けられていることが好ましい。
また、本発明の現し梁の耐火構造によれば、現し梁の側面における梁せいの62%以上の領域を覆い隠し、且つ現し梁の下端側部分における梁せいの36%以上の領域を露出させた状態で、前記耐火被覆材が取り付けられていることが好ましい。
さらに、本発明の現し梁の耐火構造によれば、前記耐火被覆材は、現し梁の側面に沿って取り付けられていることがことが好ましい。
さらにまた、本発明の現し梁の耐火構造によれば、前記覆い隠した部分の現し梁を火災時に45分間以上、燃焼により損壊させない機能を備える耐火被覆材が、せっこうボード、強化せっこうボード、ケイ酸カルシウム板、サイディング、モルタル、木片セメント板、木材、グラスウール、ロックウール、又はフェノールフォームからなっていることが好ましい。
また、本発明の現し梁の耐火構造によれば、前記覆い隠した部分の現し梁を火災時に45分間以上、燃焼により損壊させない機能及び熱劣化させない機能を備える耐火被覆材が、厚さが12.5mm以上のせっこうボードを2枚張りしたもの、厚さが21mm以上の強化せっこうボード、厚さが15mm以上のサイディング、又は厚さが15mm以上のモルタルからなっていることが好ましい。
本発明の現し梁の耐火構造によれば、燃えしろ設計によることなく、準耐火構造45分以上の耐火性能を保持させた状態で、且つ木の表面を相当の露出面積で現した状態で、現し梁を設けることができる。
本発明の好ましい第1実施形態に係る現し梁の耐火構造による現し梁が設けられた、木造建築物の屋内空間を例示する斜視図である。 本発明の好ましい第1実施形態に係る現し梁の耐火構造を説明する斜視図である。 (a)は本発明の好ましい第2実施形態に係る現し梁の耐火構造を説明する断面図、(b)は本発明の好ましい第3実施形態に係る現し梁の耐火構造を説明する断面図である。 (a)は本発明の好ましい第4実施形態に係る現し梁の耐火構造を説明する断面図、(b)は本発明の好ましい第5実施形態に係る現し梁の耐火構造を説明する断面図である。 (a)及び(b)は本発明の好ましい他の実施形態に係る現し梁の耐火構造を例示する断面図である。
本発明の好ましい第1実施形態に係る現し梁の耐火構造10は、図1及び図2に示すように、例えば防災地域等に設けられた木造建築物として、例えば在来軸組み工法や枠組み壁工法による木造住宅建築物において、室内の天井面から室内空間に表出させて設けられた現し梁11に、当該現し梁11の露出させた木の面による優れた木質感や意匠性を室内空間に保持したまま、準耐火構造45分以上の耐火性能を、燃えしろ設計によることなく付与できるようにするために採用されたものである。
そして、本第1実施形態の現し梁の耐火構造10は、45分準耐火構造以上の耐火性能を備える木造建築物において用いる耐火構造であって、現し梁11の両側の側面における梁せいhの62%以上の領域を覆い隠し、且つ現し梁11の下端側部分における梁せいhの30%以上、好ましくは36%以上の領域rを露出させた状態で、覆い隠した部分の現し梁11を火災時に45分間以上、燃焼により損壊させない機能を備える耐火被覆材12、或いは覆い隠した部分の現し梁11を火災時に45分間以上、燃焼により損壊させない機能及び熱劣化させない機能を備える耐火被覆材12が取り付けられている。
また、本第1実施形態では、耐火被覆材12は、現し梁11の両側の側面に沿って、好ましくは密着した状態で取り付けられている。
本第1実施形態では、現し梁11は、例えば特開2007−268731号公報に記載されるような、小径木の丸太から製材した帯状板材を接着剤を介して複数重層することによって得られる集成材を、好ましく用いることができる。現し梁11は、例えば幅bが90〜120mm、梁せい(高さ)hが120〜700mm程度の大きさの縦長の矩形断面形状(本第1実施形態では、幅bが105mm、梁せいhが390mmの大きさの縦長の矩形断面形状)を備えるように形成されると共に、910〜6000mm程度の長さを有する角材として形成される。
また、本第1実施形態では、現し梁11の両側の側面に沿って密着した状態で取り付けられる耐火被覆材12は、覆い隠した部分の現し梁11を火災時に45分間以上、燃焼により損壊させない機能を備える耐火被覆材12として、例えば厚さが12.5mmのせっこうボードを2枚張りしたものを用いることができる。また、覆い隠した部分の現し梁11を火災時に45分間以上、燃焼により損壊させない機能を備える耐火被覆材12として、例えば厚さが21mmの強化せっこうボードや、厚さが20mmのけい酸カルシウム板や、厚さが15mmのサイディングや、厚さが15mmのモルタルや、厚さが20mmの木片セメント板や、厚さが30mmの木材等を用いることができる。特に、覆い隠した部分の現し梁11を火災時に60分間以上、燃焼により損壊させない機能を備える耐火被覆材12として、例えば厚さが15mm以上の強化せっこうボードを2枚張りしたものや、厚さが40mm以上の木材等を用いることができる。
なお、本発明では、後述するように、覆い隠した部分の現し梁11を火災時に45分間以上、燃焼により損壊させない機能を備える耐火被覆材として、グラスウール、ロックウール、又はフェノールフォーム等を用いることもできる。
さらに、本第1実施形態では、耐火被覆材12は、現し梁11の両側の側面における梁せいhの62%以上の領域を覆い隠し、且つ現し梁11の下端側部分における梁せいhの30%以上、好ましくは36%以上の領域rを露出させた状態(本第1実施形態では、現し梁11の両側の側面における梁せいhの約62%の領域を覆い隠し、且つ現し梁11の下端側部分における梁せいhの約38%の領域(150mmの高さ領域)rを露出させた状態)で、取り付けられている。
すなわち、本第1実施形態では、現し梁11は、幅bが105mm、梁せいhが390mmの大きさの縦長の矩形断面形状を有しているのに対して、耐火被覆材12は、縦幅が240mmの帯板形状を有しているので、耐火被覆材12は、現し梁11の側面における梁せいhの約62%の領域を覆い隠すことになると共に、耐火被覆材12の上端面を現し梁11の天端面に合わせて耐火被覆材12が取り付けられていることにより、現し梁11の下端側部分における梁せいhの約38%の領域rが、室内空間に露出することになる。また、本第1実施形態では、現し梁11の上面には、当該現し梁11によって支持されて、室内空間の天井面ともなる、上階の床部分を構成する構造用合板や石膏ボード等からなる床部材13が敷設されて取り付けられている。
ここで、本発明では、耐火被覆材12は、現し梁11の両側の側面における梁せいhの62%以上の領域を覆い隠し、且つ現し梁11の下端側部分における梁せいhの30%以上、好ましくは36%以上の領域rを露出させた状態で取り付ける必要がある。耐火被覆材12によって現し梁11の両側の側面が覆われる領域が梁せいhの62%よりも少ないと、現し梁11の燃焼による断面欠損が大きくなって、現し梁11が負担する長期荷重を支持できなくなる。また、現し梁11の下端側の露出する部分の領域rが30%よりも少ないと、現し梁11の梁せいが小さい場合に、梁の下端側部分の木材の露出量が少なくなって、優れた木質感や意匠性を付与できなくなる。耐火被覆材12によって現し梁11の両側の側面を覆う領域を梁せいhの62%以上とし、且つ現し梁11の下端側の露出する部分の領域rを30%以上とすることにより、燃えしろ設計や、複雑な耐火構造を要することなく、簡易な構成によって、準耐火構造45分以上の耐火性能を、現し梁11に容易に付与することが可能になると共に、現し梁11の露出させた部分の木の面によって、優れた木質感や意匠性を、室内空間に容易に付与することが可能になる。
そして、上述の構成を備える本第1実施形態の現し梁の耐火構造10によれば、燃えしろ設計によることなく、準耐火構造45分以上の耐火性能を保持させた状態で、且つ木の表面を相当の露出面積で現した状態で、現し梁11を設けることが可能になる。
すなわち、本第1実施形態によれば、現し梁11の両側の側面における梁せいhの62%以上の領域を覆い隠し、且つ現し梁11の下端側部分における梁せいhの30%以上、好ましくは36%以上の領域を露出させた状態で、例えばせっこうボードからなる耐火被覆材12が取り付けられているので、耐火被覆材12による、覆い隠した部分の現し梁11を火災時に45分間以上、燃焼により損壊させない機能によって、且つ耐火被覆材12を現し梁11の両側の側面に沿って好ましくは密着した状態で取り付けただけの簡易な構成によって、燃えしろ設計や、複雑な耐火構造を要することなく、準耐火構造45分以上の耐火性能を、現し梁11に容易に保持させることが可能になる。また、現し梁11の下端側部分における梁せいhの30%以上の領域を露出させたことによって、露出させた部分の木の面による優れた木質感や意匠性を、室内空間に容易に付与することが可能になる。
図3(a)は、本発明の好ましい第2実施形態に係る現し梁の耐火構造20を示すものである。本第2実施形態の現し梁の耐火構造20は、上記第1実施形態の現し梁の耐火構造10と略同様の構成を備えると共に、現し梁11の両側の側面における梁せいhの62%以上の領域を覆い隠して取り付けた、せっこうボードを2枚張りした上記第1実施形態の耐火被覆材12に代えて、覆い隠した部分の現し梁21を火災時に45分間以上、燃焼により損壊させない機能及び熱劣化させない機能を備える耐火被覆材22として、例えば厚さが21mm以上の強化せっこうボードが、現し梁21の側面に取り付けられている。また、本第2実施形態では、覆い隠した部分の現し梁21を火災時に45分間以上、燃焼により損壊させない機能及び熱劣化させない機能を備える耐火被覆材22として、厚さが12.5mm以上のせっこうボードを2枚張りしたもの、厚さが15mm以上のサイディング、厚さが15mm以上のモルタル、又は厚さが30mm以上の木材等を用いることができる。特に、覆い隠した部分の現し梁21を火災時に60分間以上、燃焼により損壊させない機能を備える耐火被覆材22として、例えば厚さが15mm以上の強化せっこうボードを2枚張りしたもの、厚さが20mm以上のサイディング、厚さが20mm以上のモルタル、又は厚さが40mm以上の木材等を用いることができる。
本第2実施形態の現し梁の耐火構造20によれば、上記第1実施形態の現し梁の耐火構造10と同様の作用効果が奏される他、耐火被覆材22として、覆い隠した部分の現し梁21を火災時に45分間以上、燃焼により損壊させない機能及び熱劣化させない機能を備える耐火被覆材22を取り付けたことにより、現し梁21の下端側部分の露出させる領域rの寸法をさらに広げた状態でも、準耐火構造45分以上の耐火性能を、容易に保持することが可能になる。
図3(b)は、本発明の好ましい第3実施形態に係る現し梁の耐火構造30を示すものである。本第3実施形態の現し梁の耐火構造30は、上記第1実施形態の現し梁の耐火構造10と略同様の構成を備えると共に、現し梁11の両側の側面における梁せいhの62%以上の領域を覆い隠して取り付けた、せっこうボードを2枚張りした上記第1実施形態の耐火被覆材12に代えて、例えば厚さが25mm以上のグラスウール、ロックウール、又はフェノールフォーム等が、覆い隠した部分の現し梁31を火災時に45分間以上、燃焼により損壊させない機能を備える耐火被覆材32として取り付けられている。
本第3実施形態の現し梁の耐火構造30によっても、上記第1実施形態の現し梁の耐火構造10と同様の作用効果が奏される。
図4(a)は、本発明の好ましい第4実施形態に係る現し梁の耐火構造40を示すものである。本第4実施形態の現し梁の耐火構造40では、現し梁41の梁せいを高くすることにより、現し梁41の下端側部分の、露出させる領域rの寸法を増加させるようになっている。すなわち、本第4実施形態の現し梁の耐火構造40では、現し梁41は、例えば幅bが105mm、梁せいhが450mmの大きさの縦長の矩形断面形状を有していて、上記第1実施形態の現し梁11と比較して、梁せいhが60mm大きくなっている。また現し梁41の両側の側面に、縦幅が288mmの帯板形状を有する、上記第1実施形態〜第3実施形態の耐火被覆材12,22,32と同様の材料からなる耐火被覆材42が、上端面を現し梁41の天端面に合わせて取り付けられていることにより、現し梁41の下端側の162mmの高さ領域rが、下端側部分における梁せいhの約36%の領域として露出した状態となっている。これによって、現し梁41の下端側の露出させる部分の寸法が、150mmの高さ領域rとなっている上記第1実施形態のものと比較して、拡大していることになる。
図4(b)は、本発明の好ましい第5実施形態に係る現し梁の耐火構造50を示すものである。本第5実施形態の現し梁の耐火構造50では、現し梁51の一方の側面に添梁51’を添設することにより、現し梁51を補強した上で、これらの両側の側面に耐火被覆材52を取り付けることによって、現し梁51の下端側部分の、露出させる領域rの寸法を増加させるようになっている。すなわち、本第5実施形態の現し梁の耐火構造50では、現し梁51は、例えば幅bが105mm、梁せいhが390mmの大きさの縦長の矩形断面形状を有しており、現し梁51の一方の側面には、例えば幅b’が105mm、梁せいh’が210mmの大きさの縦長の矩形断面形状を有する添梁51’が、天端面を現し梁51の天端面と合わせた状態で添設されている。また現し梁51及び添梁51’を挟んだ両側の側面には、上記第1実施形態〜第3実施形態の耐火被覆材12,22,32と同様の材料からなる耐火被覆材52が、上端面を現し梁51や添梁51’の天端面に合わせて取り付けられている。
上記第4実施形態〜上記第5実施形態の現し梁の耐火構造40,50によっても、現し梁11の両側の側面における梁せいhの62%以上の領域を覆い隠し、且つ現し梁11の下端側部分における梁せいhの30%以上、好ましくは36%以上の領域rを露出させた状態で、耐火被覆材42,52を、簡易な構成によって取り付けることができるので、上記第1実施形態の現し梁の耐火構造10と同様の作用効果が奏される。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、耐火被覆材は、上端面を現し梁の天端面に合わせて取り付ける必要は必ずしもなく、図5(a)に示すように、上端面を現し梁の天端面よりも下げた状態で取り付けることもできる。図5(a)に示す現し梁における、耐火被覆材の上端面よりも上方に突出する部分は、燃えしろ部分として利用することができる。さらに、現し梁に支持されてこれの上方に床部材が敷設される必要は必ずしも無く、現し梁は、床部材等を下方から支持しない、例えば小屋束を構成する現し梁であっても良い。現し梁は、天端面が床部材等によって覆われていない場合には、側面に用いる耐火被覆材を天端面にも取り付けたり、上端部に燃えしろ部分を残すことなどによって、本発明の現し梁の耐火構造を形成することができる。さらにまた、耐火被覆材は、現し梁の一方の側面のみに、梁せいの62%以上の領域を覆い隠し、且つ現し梁の下端側部分における梁せいの30%以上の領域を露出させた状態で、取り付けることもでき、例えば図5(b)に示すように、現し梁の他方の側面は、壁の耐火被覆材によって全体を覆うことにより、本発明の現し梁の耐火構造とすることもできる。
以下、実施例により、本発明の現し梁の耐火構造をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
105×330mmの梁材(同一等級構成すぎ集成材E65−F255)の両側に、普通せっこうボード12.5mm×2枚を梁上端から210mmの範囲で被覆して、残りの梁下端から120mmの範囲(もとの梁せいの36%)は無被覆とした仕様のものを実施例1の現し梁の耐火構造とした。
梁材の支持スパンを5100mmとし、長期許容応力度に相当する荷重をかけながらISO834に準拠した加熱を45分間行った。評価は、大臣認定試験で非損傷性の評価基準となるたわみ量の規定値197mm(=L2/400d、L=支持スパン長さ、d=梁せい)を超えず、壊れないこととした。梁の最大たわみ量は40mmとなり、規定値以下で45分間破壊しなかったため、実施例1の現し梁の耐火構造は、45分準耐火構造の耐火性能を備えていることが確認できた。
〔実施例2〕
105×390mmの梁材(同一等級構成すぎ集成材E65−F255)の両側に、強化せっこうボード21mmを梁上端から240mmの範囲で被覆して、残りの梁下端から150mmの範囲(もとの梁せいの38%)は無被覆とした仕様のものを実施例2の現し梁の耐火構造とした。
梁材の支持スパンを5100mmとし、長期許容応力度に相当する荷重をかけながらISO834に準拠した加熱を45分間行った。評価は、大臣認定試験で非損傷性の評価基準となるたわみ量の規定値167mm(=L2/400d、L=支持スパン長さ、d=梁せい)を超えず、壊れないこととした。梁の最大たわみ量は56mmとなり、規定値以下で45分間破壊しなかったため、実施例2の現し梁の耐火構造は、45分準耐火構造の耐火性能を備えていることが確認できた。
10,20,30,40,50 現し梁の耐火構造
11,21,31,41,51 現し梁
12,22,32,42,52 耐火被覆材
13 床部材
51’ 添
梁せい
r 現し梁の下端側部分の露出させた領域

Claims (5)

  1. 45分準耐火構造以上の耐火性能を備える木造建築物において用いる現し梁の耐火構造であって、
    現し梁の側面における梁せいの62%以上の領域を覆い隠し、且つ現し梁の下端側部分における梁せいの30%以上の領域を露出させた状態で、覆い隠した部分の現し梁を火災時に45分間以上、燃焼により損壊させない機能を備える耐火被覆材、或いは覆い隠した部分の現し梁を火災時に45分間以上、燃焼により損壊させない機能及び熱劣化させない機能を備える耐火被覆材が、現し梁の側面に沿って取り付けられている現し梁の耐火構造。
  2. 現し梁の両側の側面における梁せいの62%以上の領域を覆い隠し、且つ現し梁の下端側部分における梁せいの30%以上の領域を露出させた状態で、前記耐火被覆材が取り付けられている請求項1記載の現し梁の耐火構造。
  3. 現し梁の両側の側面における梁せいの62%以上の領域を覆い隠し、且つ現し梁の下端側部分における梁せいの36%以上の領域を露出させた状態で、前記耐火被覆材が取り付けられている請求項1又は2記載の現し梁の耐火構造。
  4. 前記覆い隠した部分の現し梁を火災時に45分間以上、燃焼により損壊させない機能を備える耐火被覆材が、せっこうボード、強化せっこうボード、ケイ酸カルシウム板、サイディング、モルタル、木片セメント板、木材、グラスウール、ロックウール、又はフェノールフォームからなる請求項1〜3のいずれか1項記載の現し梁の耐火構造。
  5. 前記覆い隠した部分の現し梁を火災時に45分間以上、燃焼により損壊させない機能及び熱劣化させない機能を備える耐火被覆材が、厚さが12.5mm以上のせっこうボードを2枚張りしたもの、厚さが21mm以上の強化せっこうボード、厚さが15mm以上のサイディング、又は厚さが15mm以上のモルタルからなる請求項1〜3のいずれか1項記載の現し梁の耐火構造。
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