JP2018048267A - 樹脂添加剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】抗微生物性を有し、さらに耐溶剤性に優れる新規な樹脂添加剤の提供。【解決手段】本発明の樹脂添加剤は、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル(メタ)アクリレートなどに由来する特定の構造単位と、多官能(メタ)アクリレートに由来する架橋構造を含む架橋ポリマーからなる。【選択図】なし

Description

本発明は、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル(メタ)アクリレートなどに由来する特定の構造単位を含む架橋ポリマーからなる樹脂添加剤に関する。また、前記樹脂添加剤と熱可塑性樹脂を含有する抗微生物性樹脂組成物や、前記樹脂添加剤とバインダー樹脂、および溶媒を含有する抗微生物性コーティング組成物に関する。
ポリ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル(メタ)アクリレート)などのヒンダートアミン構造を有する重合体は、抗微生物活性を示すことが知られている(特許文献1)。また、ポリ(N−クロロ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル(メタ)アクリレートなどのヒンダートハラミン構造を有する重合体も、抗微生物活性を示すことが知られている(特許文献2、特許文献3、特許文献4)。これらの重合体は、抗微生物性ポリマー材料として期待されている。
WO2009/158285号パンフレットA2 WO2004/033568号パンフレットA1 特開2016−098348号公報 特開2016−098349号公報
各種樹脂材料に抗微生物性を付与するための樹脂添加剤には、耐溶剤性が要求される場合がある。ポリ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル(メタ)アクリレート)や、ポリ(N−クロロ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル(メタ)アクリレートなどを樹脂添加剤として使用しようとすると、耐溶剤性が十分ではない場合があった。そのため、抗微生物性を有し、さらに耐溶剤性に優れる樹脂添加剤が求められていた。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の構造を有するモノマーに由来する構造単位と、多官能(メタ)アクリレートに由来する架橋構造を含む架橋ポリマーからなる樹脂添加剤を見出した。
すなわち本発明は、
(1) 式〔I〕
Figure 2018048267
(式〔I〕中、Rは、水素原子またはメチル基を示し、Xは、−O−または−NH−を示し、Yは、単結合または二価の連結基を示し、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示し、mは0または1を示し、nは、0または1を示し、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、Zは水素原子またはハロゲノ基を示す。)で表されるモノマーに由来する構造単位と、多官能(メタ)アクリレートに由来する架橋構造を含む架橋ポリマーからなる樹脂添加剤、
(2)多官能(メタ)アクリレートが、二官能性(メタ)アクリレートである(1)に記載の樹脂添加剤、
(3)二官能性(メタ)アクリレートが、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートである(2)に記載の樹脂添加剤、
(4)架橋ポリマー中の式〔I〕で表されるモノマーに由来する構造単位と多官能(メタ)アクリレートに由来する架橋構造のモル比が、99:1〜90:10である(1)に記載の樹脂添加剤、
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂添加剤と、熱可塑性樹脂を含有する抗微生物性樹脂組成物、及び
(6)(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂添加剤と、バインダー樹脂、および溶媒を含有する抗微生物性コーティング組成物に関する。
本発明の樹脂添加剤は、耐溶剤性などの物性に優れる。本発明の樹脂添加剤と熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物は、抗微生物性を示す。本発明の樹脂添加剤とバインダー樹脂、および溶媒を含有するコーティング組成物は、抗微生物性を示す。
(樹脂添加剤)
本発明の樹脂添加剤は、式〔I〕で表されるモノマーに由来する構造単位と、多官能(メタ)アクリレートに由来する架橋構造を含む架橋ポリマー(以下、「架橋ポリマー」と記載することがある)からなる。本発明の樹脂添加剤を、様々な樹脂材料に添加することにより、樹脂材料に抗微生物性を付与することができる。本発明において「微生物」とは、細菌類(バクテリア)と真菌類(糸状菌、酵母)とウイルス類を意味する。本発明において「抗微生物性」とは、前記微生物の増殖を抑制する性質を意味する。「抗細菌性」とは、前記細菌類の増殖を抑制する性質を意味し、「抗真菌性」とは、前記真菌類の増殖を抑制する性質を意味し、「抗ウイルス性」とは、前記ウイルス類の増殖を抑制する性質を意味する。
(式〔I〕で表されるモノマーに由来する構造単位)
式〔I〕で表されるモノマーは、以下で表される。
Figure 2018048267
式〔I〕中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。
式〔I〕中、Xは、−O−または−NH−を示す。
式〔I〕中、Yは、単結合または二価の連結基を示す。二価の連結基としては、特に限定されないが、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜6のアルキレンオキシ基又は酸素原子を連結基として有する炭素数2〜6のアルキレン基が好ましい。
炭素数1〜6のアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、メチルエチレン、ブチレン、1,2−ジメチルエチレン、ペンチレン、1−メチルブチレン、2−メチルブチレン等が挙げられる。
炭素数2〜6のアルキレンオキシ基としては、エチレンオキシ基、1,2−プロピレンオキシ基、1,3−プロピレンオキシ基、1,2−ブチレンオキシ基、1,4−ブチレンオキシ基および1,6−へキシレンオキシ基などが挙げられる。
酸素原子を連結基として有する炭素数2〜6のアルキレン基としては、エチレン−O−エチレン基、エチレン−O−1,2−プロピレン基などが挙げられる。
式〔I〕中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示し、mは0または1を示す。
における、炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基などが挙げられる。
nは、0または1を示す。
式〔I〕中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。R〜Rにおける、炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基などが挙げられる。これらのうち、R〜Rがすべてメチル基であるのが好ましい。
Zは、水素原子またはハロゲノ基を示す。ハロゲノ基としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを挙げることができる。
式〔I〕で表されるモノマーとして、具体的には、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル メタクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル アクリレート、1−クロロ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル メタクリレート、1−クロロ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル アクリレート、1−ブロモ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル メタクリレート、1−ブロモ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル アクリレート、1−ヨード−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル メタクリレート、1−ヨード−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル アクリレート、N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)メタクリルアミド、N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アクリルアミド、N−(1−クロロ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)メタクリルアミド、N−(1−クロロ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アクリルアミド、N−(1−ブロモ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)メタクリルアミド、N−(1−ブロモ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アクリルアミド、N−(1−ヨード−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)メタクリルアミド、N−(1−ヨード−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アクリルアミド、2−((2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)オキシ)エチル メタクリレート、2−((2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)オキシ)エチル アクリレート、2−((1−クロロ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)オキシ)エチル メタクリレート、2−((1−クロロ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)オキシ)エチル アクリレート、2−((1−ブロモ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)オキシ)エチル メタクリレート、2−((1−ブロモ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)オキシ)エチル アクリレート、2−((1−ヨード−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)オキシ)エチル メタクリレート、2−((1−ヨード−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)オキシ)エチル アクリレート、N−(2−((2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)オキシ)エチル)メタクリルアミド、N−(2−((2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)オキシ)エチル)アクリルアミド、N−(2−((1−クロロ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)オキシ)エチル)メタクリルアミド、N−(2−((1−クロロ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)オキシ)エチル)アクリルアミド、N−(2−((1−ブロモ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)オキシ)エチル)メタクリルアミド、N−(2−((1−ブロモ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)オキシ)エチル)アクリルアミド、N−(2−((1−ヨード−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)オキシ)エチル)メタクリルアミド、N−(2−((1−ヨード−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)オキシ)エチル)アクリルアミドなどを挙げることができる。
「式〔I〕で表されるモノマーに由来する構造単位」とは、上記で説明した式〔I〕で表されるモノマーを重合することで得られる繰り返し単位(式〔II〕)を意味する。
Figure 2018048267
式〔II〕中、R、X、Y、R、m、n、R〜R、Zは、式〔I〕で説明した、R、X、Y、R、m、n、Zと同様である。
(多官能(メタ)アクリレートに由来する架橋構造)
本発明の「多官能(メタ)アクリレートに由来する架橋構造」とは、多官能(メタ)アクリレートが式〔I〕で表されるモノマー等と共重合することで生成する架橋構造を意味する。
多官能(メタ)アクリレートは、分子中に(メタ)アクリレート基を2つ以上、好ましくは2から6個を有するモノマーである。具体的には、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジイルジメタノールジメタクリレート、トリシクロデカンジイルジメタノールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどの二官能性(メタ)アクリレートや、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどの三官能性(メタ)アクリレートや、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどの四官能性(メタ)アクリレートや、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートなどの五官能性(メタ)アクリレートや、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの六官能性(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらのうち、二官能性(メタ)アクリレートが好ましく、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートがより好ましい。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(架橋ポリマー)
架橋ポリマーは、式〔I〕で表されるモノマーに由来する構造単位と、多官能(メタ)アクリレートに由来する架橋構造を含む限り特に制限されない。架橋ポリマーは、式〔I〕で表されるモノマーおよび多官能性(メタ)アクリレートと共重合し得る他のモノマーに由来する構造単位を含んでいてもよい。そのようなモノマーとして、式(I)で表されるモノマー及び多官能(メタ)アクリレートと共重合体を形成できる繰り返し単位であれば特に制限されず、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、4−クロロスチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル等を例示することができる。
架橋ポリマー中の式〔I〕で表されるモノマーに由来する構造単位と多官能(メタ)アクリレートに由来する架橋構造のモル比は特に制限されないが、99:1〜90:10の範囲であるのが好ましい。
架橋ポリマーの数平均分子量(Mn)は特に制限されないが、1,000〜100,000であるのが好ましく、1,000〜50,000であるのがより好ましく、1,000〜30,000であるのが特に好ましい。さらに、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比である分子量分布(Mw/Mn)は、特に制限されないが、1.00〜2.00であるのが好ましく、1.00〜1.50であるのがより好ましく、1.00〜1.20であるのが特に好ましい。
本発明で用いる架橋ポリマーは、WO2005/116092号パンフレットの記載された方法を参考にして製造することができる。具体的には、式〔I〕で表されるモノマーと、多官能(メタ)アクリレートと、場合により他のモノマーとを、各種溶媒中で、ラジカル重合、アニオン重合等により重合することにより製造することができる。
(抗微生物性樹脂組成物)
本発明の抗微生物性樹脂組成物は、本発明の樹脂添加剤と熱可塑性樹脂を含有する限り特に制限されない。
本発明で用いる熱可塑性樹脂としては、公知のものを用いることができる。具体的には、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−N−置換マレイミド三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸−N−置換マレイミド三元共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT樹脂)、ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−ブタジエン(SBR)、水素添加SBS、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)等のスチレン系エラストマー、各種オレフィン系エラストマー、各種ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、ポリアセタール樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE樹脂)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、PPS樹脂、PES樹脂、PEEK樹脂、ポリアリレート、液晶ポリエステル樹脂およびポリアミド樹脂(ナイロン)等が挙げられる。これらは、目的に応じて単独で、または、二種以上を併用して用いることができる。
本発明の抗微生物性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じて、種々の成分を加えることができる。このような成分としては、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、滑性剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、着色剤及び離型剤などが挙げられる。これらは二種以上を併用して用いることができる。
難燃剤としては、通常熱可塑性樹脂に用いられている臭素系難燃剤が好ましく、無機系難燃剤を併用してもよい。臭素系難燃剤としては、脂肪族タイプ、芳香族タイプ、フェノールタイプ、エポキシタイプ、ビスフェノールタイプ、ビフェニルタイプ等が挙げられる。また、無機系難燃剤としては、三酸化アンチモン、酸化スズ、酸化モリブデン、ホウ酸亜鉛等が挙げられる。
熱安定剤としては、亜リン酸エステル、リン酸エステル等のリン系熱安定剤を挙げることができる。
亜リン酸エステルとしては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等の亜リン酸のトリエステル、ジエステル、モノエステル等が挙げられる。
リン酸エステルとしては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス(ノニルフェニル)ホスフェート、2−エチルフェニルジフェニルホスフェート、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4−ジフエニレンホスフォナイト等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオ尿素系酸化防止剤等が挙げられる。
滑性剤としては、高級脂肪酸、エステルワックス類、ポリエチレンワックス類、金属石鹸類等が挙げられる。
帯電防止剤としては、脂肪酸アミン、脂肪酸アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸アマイド、スルホン酸化合物等が挙げられる。
紫外線防止剤としては、サリチル酸誘導体化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール誘導体等のベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート化合物等が挙げられる。
着色剤としては、有機顔料、無機顔料、染料、光輝剤等が挙げられる。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系、ベンズイミダゾロン系、アゾ系、アゾメチンアゾ系、アゾメチン系、アンスラキノン系、ぺリノン・ペリレン系、インジゴ・チオインジゴ系、ジオキサジン系、キナクリドン系、イソインドリン系、イソインドリノン系顔料等やカーボンブラック顔料等が挙げられ、前記無機顔料としては、例えば、体質顔料、酸化チタン系顔料、酸化鉄系顔料、スピンネル顔料等が挙げられる。更に詳細には、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッド等の不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系、ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系、チオインジゴ系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、キノフタロンエロー、ニッケルアゾエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等の従来公知の顔料が使用できる。染料としては、例えば、直接染料、塩基性染料、カチオン染料、酸性染料、媒染染料、酸性媒染染料、硫化染料、ナフトール染料、分散染料、反応染料等の従来公知の染料が使用できる。光輝剤としては、アルミニウムペースト、マイカ、リン片状酸化鉄などが挙げられる。
離型剤としては、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物及びポリシロキサン系シリコーンオイルから選ばれる少なくとも1種の化合物を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸としては、飽和又は不飽和の脂肪族1価、2価若しくは3価のカルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸等を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。この脂肪族カルボン酸と反応しエステルを形成するアルコールとしては、飽和又は不飽和の1価アルコール、飽和又は不飽和の多価アルコール等を挙げることができる。ここで脂肪族とは、脂環式化合物も含有する。これらのアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等を挙げることができる。これらの脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル化合物は、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリト−ルモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレートを挙げることができる。
数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素としては、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス又は炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等を挙げることができる。ここで脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素も含まれる。また、これらの炭化水素化合物は部分酸化されていてもよい。
ポリシロキサン系シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル、フッ素化アルキルシリコーン等が挙げられる。これらは、単独で使用しても二種以上を混合して使用してもよい。
(抗微生物性樹脂組成物の製造方法)
本発明の抗微生物性樹脂組成物は、従来から知られている方法で各成分を混合し、溶融混練することにより製造できる。具体的な混合方法としては、熱可塑性樹脂、本発明の樹脂添加剤及び必要に応じて配合されるその他の添加成分を所定量秤量し、タンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用いて混合した後、バンバリーミキサー、ロール、プラペンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどを用いて溶融混練する方法が挙げられる。
本発明の抗微生物性樹脂組成物は、各種製品(成形品)の製造(成形)用樹脂材料として使用される。なお、本発明の抗微生物性樹脂組成物は、繊維強化プラスチック(FRP)の材料としても使用することができる。その成形方法としては、熱可塑性樹脂材料から成形品を成形する従来から知られている方法が、制限なく適用できる。具体的には、一般的な射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシストなどの中空成形法、断熱金型を用いた成形法、急速加熱金型を用いた成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、インモールドコーティング(IMC)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法などが挙げられる。
樹脂添加剤の混合量は、特に制限されないが、熱可塑性樹脂100質量部に対して、5〜70質量部である。
本発明に係る抗微生物性樹脂組成物およびその成形品は、抗細菌性、抗真菌性、および抗ウイルス性を示す。そのため、抗微生物性を要求される各種材料、例えば、スプレー容器、台所用品など水周り製品、食品包装材料、カバークロス、生ゴミ用カバーなどのハウスホールド製品;ゴム製履物などのサニテーション製品;浴室の内装、フロアマット、壁用シート、障子紙、床材などの建材;おむつ、ナプキン、失禁パット等の吸収性繊維製品、ガウン、術衣等の医療衛生製品;使い捨てトイレ、トイレ用カバー等のトイレ製品;ペットシート、ペット用おむつ、ペット用タオル等のペット用品;空気清浄機フィルター、エアコン、加湿器、除湿器などの家電製品材料;医薬品包装材料、目薬容器、コンタクトレンズ、メガネレンズ、眼内レンズ、口腔内治療具などの歯科用・医療用材料寝具、靴下、下着などの繊維製品;パソコン外装材料、タブレット端末の外装材料などの筐体部材;ファンデーション容器などの化粧品材料;幼児用玩具;文房具;携帯電話・スマートホンの表面フィルム材;水濾過材料;キーボード、マウス、手すり、押しボタンなどの人間が触れる材料などに好適に用いることができる。
(抗微生物性コーティング組成物)
本発明の抗微生物性コーティング組成物は、本発明の樹脂添加剤、バインダー樹脂、および溶媒を含有する限り特に制限されない。
本発明の抗微生物性コーティング組成物に含有されるバインダー樹脂としては、コーティング組成物を塗装する被塗装物の性質、塗装方法およびコーティング層に求められる性能に応じて、種々の樹脂を用いることができる。バインダー樹脂として、具体的には、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
本発明においては、電離放射線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂などの硬化性の樹脂も、バインダー樹脂として用いることができる。ここで、「電離放射線硬化型樹脂」とは、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線などのすべての電磁波を包含する電離放射線のいずれかの照射により硬化する樹脂をいう。
上記電離放射線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂としては、特に限定されないが、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基を有するモノマー、プレポリマー、オリゴマー、ポリマーなどを用いることができる。なかでも多官能樹脂を用いることが好ましい。なお、本発明において、「(メタ)アクリロイル基」は、「アクリロイル基」及び/又は「メタクリロイル基」を意味する。
上記電離放射線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂として、具体的には、多官能基もしくは単官能基の(メタ)アクリレートモノマー又はアクリレートオリゴマーなどを用いることができる。なかでも重合可能な不飽和基を2つ以上有する多官能アクリレ−トなどを含んでいることが好ましい。
上記単官能基のアクリレートモノマーは、分子中に(メタ)アクリレート基を1つ有するモノマーであり、例えばトリシクロデカンアクリレート、イソボルニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレートなどが挙げられる。なお、本発明において、「(メタ)アクリレート基」は、「アクリレート基」及び/又は「メタクリレート基」を意味する。
また、上記多官能基のアクリレートモノマーは分子中に(メタ)アクリレート基を2つ以上、好ましくは2から6個を有するモノマーであり、例えばトリシクロデカンジメチロールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジオキサングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ビスフェノールA型ポリエトキシレートジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げられる。
また、アクリレートオリゴマーとしては、例えばエポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルポリアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。
これらの多官能基もしくは単官能基の(メタ)アクリレートモノマー又はオリゴマーは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の抗微生物性コーティング組成物は、さらに、本発明の樹脂添加剤とバインダー樹脂を分散又は溶解させることができる溶媒を含んでもよい。溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトンなどのケトン類;エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル基含有アルコール類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのヒドロキシエステル類;アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸ブチルなどのβ−ケトエステル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類などが用いられる。これらの有機溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の抗微生物性コーティング組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じて、種々の成分を加えることができる。このような成分としては、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、滑性剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、着色剤及び離型剤などが挙げられる。これらは二種以上を併用して用いることができる。
難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、滑性剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、着色剤、離型剤として具体的には、抗微生物性樹脂組成物で例示したものと同様のものが挙げられる。
バインダー樹脂として電離放射線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂を用いる場合は、本発明のコーティング組成物は、重合開始剤を含む。重合開始剤としては、光重合開始剤や熱重合開始剤を挙げることができる。
本発明で用いうる光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン[ダロキュア(登録商標)−2959:メルク社製];α−ヒドロキシ−α,α' −ジメチルアセトフェノン[ダロキュア(登録商標)−1173:メルク社製];メトキシアセトフェノン、2,2' −ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン[イルガキュア(登録商標)−651]などのアセトフェノン系開始剤;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系開始剤;その他、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド、アシルホスフォナートなどを例示することができる。
本発明で用いうる熱重合開始剤には、アゾ系の開始剤および過酸化物系の開始剤がある。
アゾ系の開始剤としては、例えば、アゾイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}などを例示することができる。これらのうち、コストや汎用性の点からアゾイソブチロニトリルが好ましい。
過酸化物系の開始剤としては、半減期が10時間となる温度が80℃以下の比較的分解しやすいものが好ましく、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、クミルペルオキシオクトエートなどを例示することができる。過酸化物系の開始剤としては、熱重合時間が短く、重合前の反応性組成物として安定なものを適宜選択することができる。
このような熱重合開始剤は、アクリレート系モノマーとビニル化合物系モノマーと架橋剤の総和100質量部に対して、0.001〜5質量部の範囲で配合される。好ましくは、0.01〜1質量部の範囲で配合される。
(抗微生物性コーティング組成物の製造方法)
本発明の抗微生物性コーティング組成物は、従来から知られている方法で各成分を混合することにより製造できる。本発明の抗微生物性コーティング組成物は、各種のコーティング製品(成形品)の製造(成形)用のコーティング材料として使用される。なお、本発明の抗微生物性コーティング組成物は、繊維強化プラスチック(FRP)の材料としても使用することができる。
本発明の樹脂添加剤の混合量は、特に制限されないが、抗微生物性コーティング組成物100質量部に対して、1〜95質量部である。
バインダー樹脂の混合量は、特に制限されないが、抗微生物性コーティング組成物100質量部に対して、1〜95質量部である。
溶媒の混合量は、特に制限されないが、抗微生物性コーティング組成物100質量部に対して、1〜95質量部である。
(抗微生物性コーティング膜およびその製造方法)
本発明の抗微生物性コーティング膜は、本発明の抗微生物性コーティング組成物から形成された膜である限り特に限定されない。
本発明の抗微生物性コーティング膜は、前記抗微生物性コーティング組成物を基材に各種公知の方法でコーティングした後、乾燥等により溶媒を除去することにより容易に得ることができる。さらに、バインダー樹脂として電離放射線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂を用いる場合は、得られたコーティング膜に、公知の方法で活性エネルギー線を照射することにより、硬化したコーティング膜を得ることができる。
前記抗微生物性コーティング組成物を塗布する基材としては、特に限定されない。抗微生物性を付与したい各種材料を選択することができる。例えばガラス類、トリアセテートセルロース(TAC)ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース等のセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ニトリル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
抗微生物性コーティング組成物を塗布する方法としては、例えば、バーコート法、ロールコーター法、スクリーン法、フレキソ法、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、スライドコート法等が挙げられる。
本発明に係る抗微生物性コーティング膜は、抗細菌性、抗真菌性、および抗ウイルス性を示す。そのため、抗微生物性を要求される各種材料、例えば、スプレー容器、台所用品など水周り製品、食品包装材料、カバークロス、生ゴミ用カバーなどのハウスホールド製品;ゴム製履物などのサニテーション製品;浴室の内装、フロアマット、壁用シート、障子紙、床材などの建材;おむつ、ナプキン、失禁パット等の吸収性繊維製品、ガウン、術衣等の医療衛生製品;使い捨てトイレ、トイレ用カバー等のトイレ製品;ペットシート、ペット用おむつ、ペット用タオル等のペット用品;空気清浄機フィルター、エアコン、加湿器、除湿器などの家電製品材料;医薬品包装材料、目薬容器、コンタクトレンズ、メガネレンズ、眼内レンズ、口腔内治療具などの歯科用・医療用材料寝具、靴下、下着などの繊維製品;パソコン外装材料、タブレット端末の外装材料などの筐体部材;ファンデーション容器などの化粧品材料;幼児用玩具;文房具;携帯電話・スマートホンの表面フィルム材;水濾過材料;キーボード、マウス、手すり、押しボタンなどの人間が触れる材料;などのコーティング膜として好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜に変更を加えて実施することが勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
窒素雰囲気下、フラスコに酢酸エチル(45質量部)、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルメタクリレート(28.4質量部)、エチレングリコールジメタクリレート(1.6質量部)、安息香酸テトラブチルアンモニウム(0.018質量部)を添加し、均一溶液になるまで撹拌した。その後、ジメチルケテンエチルトリメチルシリルアセタール(0.94 質量部)を加え、室温下24時間撹拌を行った。次いで反応液からエバポレータにより溶媒を留去し、得られた重合体をメタノール、水で洗浄し、次いで減圧乾燥を行うことで架橋ポリ2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルメタクリレートを得た。
[実施例2]
実施例1で得られた架橋ポリ2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルメタクリレート5質量部を高密度ポリエチレンペレット(ハイゼックス2208J、株式会社プライムポリマー)100質量部に添加した後、混練機(サーモフィッシャーサイエンティフィック、HAAKE MiniCTW)および射出成形機(サーモフィッシャーサイエンティフィック、HAAKE MiniJetPro)を用いて、温度180℃において厚さ1.5mm、直径25mmの高密度ポリエチレン円板を作製した。
[比較例1]
窒素雰囲気下、フラスコに酢酸エチル(2250質量部)、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルメタクリレート(1500質量部)、安息香酸テトラブチルアンモニウム(0.9質量部)を添加し、均一溶液になるまで撹拌した。その後ジメチルケテンエチルトリメチルシリルアセタール(47.1質量部)を加えて1時間撹拌した。次いで反応液を濃縮後35質量%メタノール溶液に調整し、水で再沈した。得られた重合体を減圧乾燥することでポリ2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルメタクリレートを得た。
得られたポリマーをGPC(移動相DMF、PMMAスタンダード)により分析し、分子量(Mn)が7680、分子量分布(Mw/Mn)が1.46であることを確認した。
[比較例2]
実施例1で得られた重合体の代わりに比較例1で得られた重合体を用いた以外は、実施例2と同様の方法で高密度ポリエチレン円板を作製した。
[比較例3]
実施例1で得られた重合体を加えなかった以外は、実施例2と同様の方法で高密度ポリエチレン円板を作製した。
[重合体の耐溶剤性試験]
実施例1および比較例1で得られた重合体について、ヘプタンに対する溶解性を評価した。ヘプタンに対してそれぞれの重合体濃度が10質量%となるように混合し、50℃にて24時間保存した後、濾過して得た濾液を60℃、10mmHgで3時間減圧乾燥を行い、溶解分を得て溶解度を求めた。この結果を表1に示す。
Figure 2018048267
[高密度ポリエチレン円板の抗菌性試験]
1.試験方法
抗菌性試験は、JIS−Z−2801に準拠し、供試菌としてStaphylococcus aureus subsp. aureus NBRC 12732(黄色ぶどう球菌)を使用し、実施例2、比較例2、および比較例3で得られた高密度ポリエチレン円板を供試体とした。
接種方法:プラスチックシャーレに供試体を置き、普通寒天培地で前培養した試験菌を、それぞれNB培地(ニュートリエントブロス、普通ブイヨン培地)500倍希釈液で希釈して接種用菌液とし、試料上に0.125mlずつ接種し、フィルムを被せた。
培養条件:35±1℃、相対湿度95%(恒温恒湿器中)、24時間
生菌数確認:SCDLP培地5mlを用いてサンプル表面およびフィルムを洗い出した。洗い出した液1ml当たりの菌数を普通寒天培地を用いて寒天平板培養法により算出し、試料1cm2あたりの菌数を求めた。
2.試験結果
本発明の重合体の抗菌性試験結果を表2に示す。
Figure 2018048267

※抗菌活性値=比較例3の高密度ポリエチレン円板の対数値−各試料の対数値

Claims (6)

  1. 式〔I〕
    Figure 2018048267
    (式〔I〕中、Rは、水素原子またはメチル基を示し、Xは、−O−または−NH−を示し、Yは、単結合または二価の連結基を示し、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示し、mは0または1を示し、nは、0または1を示し、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、Zは水素原子またはハロゲノ基を示す。)で表されるモノマーに由来する構造単位と、多官能(メタ)アクリレートに由来する架橋構造を含む架橋ポリマーからなる樹脂添加剤。
  2. 多官能(メタ)アクリレートが、二官能性(メタ)アクリレートである請求項1に記載の樹脂添加剤。
  3. 二官能性(メタ)アクリレートが、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートである請求項2に記載の樹脂添加剤。
  4. 架橋ポリマー中の式〔I〕で表されるモノマーに由来する構造単位と多官能(メタ)アクリレートに由来する架橋構造のモル比が、99:1〜90:10である請求項1に記載の樹脂添加剤。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載の樹脂添加剤と、熱可塑性樹脂を含有する抗微生物性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜4いずれか1項に記載の樹脂添加剤と、バインダー樹脂、および溶媒を含有する抗微生物性コーティング組成物。
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