JP2018047586A - 発泡構造体、樹脂製パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの発泡体の間に補強材を介在させた発泡構造体において、補強材の発泡体に対する相対移動を防止する。【解決手段】一実施形態に係る発泡構造体は、補強材と発泡体を備える。補強材は、間隙を挟んで互いに平行に延びる長尺状の一対の板状部と、一対の板状部のうち少なくとも一方の板状部において長手方向に延びる端から他の板状部に向かって突出する突出部と、を有する。発泡体は、補強材の板状部の長手方向に沿って表側及び裏側に形成されている一対の段差部を有する。段差部は、補強材の間隙内において板状部と対向して形成されている段差面と、段差面と発泡体のおもて面又は裏面との間に介在する壁面と、を有する。一対の板状部のうち突出部が突出する板状部である第1板状部と対向する段差面を有する段差部には、段差面から第1板状部に向けて突出する第1突起と、壁面から段差面に亘って傾斜する傾斜面を有する第2突起と、が形成されている。【選択図】図6

Description

本発明は、発泡構造体及び樹脂製パネルに関する。
従来から、樹脂製パネルが、自動車用、建材用、スポーツ・レジャー用等、多用途に用いられてきた。樹脂製パネルは、発泡樹脂からなる1若しくは複数の発泡体からなる発泡構造体を表皮材シートで覆った積層体である。
発泡構造体の剛性及び強度を向上させるために、2つの発泡体の間に補強材を介在させることが知られている(例えば引用文献1)。
特開2015−164763号公報
2つの発泡体の間に補強材を介在させた発泡構造体の表面に表皮材を成形する場合、その成形工程において、補強材が発泡体に対して相対移動してしまうと、表皮材の成形ができない不具合、あるいは成形後の表皮材の外観不良を招来する。
かかる観点から、本開示の目的は、2つの発泡体の間に補強材を介在させた発泡構造体において、補強材の発泡体に対する相対移動を防止することである。
本開示の第1の観点は、間隙を挟んで互いに平行に延びる長尺状の一対の板状部と、前記一対の板状部のうち少なくとも一方の板状部において長手方向に延びる端から他の板状部に向かって突出する突出部と、を有する補強材と、
補強材の前記板状部の長手方向に沿って表側及び裏側に形成されている一対の段差部を有する発泡体と、
を備えた発泡構造体であって、
前記段差部は、
補強材の前記間隙内において前記板状部と対向して形成されている段差面と、
前記段差面と前記発泡体のおもて面又は裏面との間に介在する壁面と、
を有し、
前記一対の板状部のうち前記突出部が突出する板状部である第1板状部と対向する段差面を有する段差部には、
前記段差面から第1板状部に向けて突出する第1突起と、
前記壁面から前記段差面に亘って傾斜する傾斜面を有する第2突起と、が形成されている、
発泡構造体である。
前記発泡構造体において、前記第1突起と前記第2突起は、前記壁面に直交する方向から見て重複しないように形成されていてもよい。
前記発泡構造体において、前記第2突起は、前記発泡体のおもて側及び裏側の両方に形成され、
前記発泡体のおもて側に形成された第2突起と、前記発泡体の裏側に形成された第2突起とは、平面視にて重複していなくてもよい。
本開示の第2の観点は、上述した発泡構造体を表皮材シートで覆った樹脂製パネルである。
2つの発泡体の間に補強材を介在させた発泡構造体において、補強材の発泡体に対する相対移動を防止することができる。
実施形態の樹脂製パネルの斜視図及びその一部の拡大破断図。 実施形態の樹脂製パネルの内装材を作製するための成形体の斜視図。 図2のG部分の拡大平面図。 図3に示すA−A,B−Bの断面図。 実施形態の内装材を組み立てる工程を示す図。 第1突起及び第2突起による補強材の離脱防止効果を説明する図。 実施形態の樹脂製パネルの表皮材を成形する工程を説明する図。 実施形態の樹脂製パネルの表皮材を成形する工程を説明する図。 実施形態の変形例に係る成形体の一部の平面図。 実施形態の変形例に係る成形体の一部の平面図。
以下、本発明の一実施形態である樹脂製パネル1、及び、樹脂製パネル1用の内装材10について説明する。樹脂製パネル1用の内装材10は、本発明の発泡構造体の一例である。
(1)樹脂製パネル1、及び樹脂製パネル1用の内装材10
先ず、図1を参照して、本実施形態の樹脂製パネル1及び内装材10の構成について説明する。図1は、本実施形態の樹脂製パネル1の斜視図及びその一部の拡大破断図である。
図1に示すように、本実施形態に係る樹脂製パネル1の外形は、おもて面1a、裏面1b、及びおもて面1aと裏面1bの間に介在する側壁面1cからなる。おもて面1a、裏面1b、及び側壁面1cは熱可塑性樹脂の表皮材シートSによって構成されており、その内部には内装材10が内装されている。つまり、樹脂製パネル1は、熱可塑性樹脂の表皮材シートSによって、内装材10が覆われた構造となっている。
実施形態の樹脂製パネル1において、表皮材シートとなる表皮材シートSは、その樹脂材料を限定しないが、樹脂製パネル1の剛性を確保するために非発泡樹脂から形成されることが好ましい。例えば、成形性を考慮して、表皮材シートSは、主材料であるポリプロピレン(PP)にポリスチレン(PS)とスチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体樹脂(SEBS)を混合させてもよい。
図1に示すように、内装材10は、発泡体21,22の間に補強材3が介在することで一体となった複合構造体である。補強材3は長尺状の部材であり、その断面形状がH形の部材(いわゆるH形押出リインフォース)であるが、補強材3の形状はそれに限られない。補強材3の断面形状は、例えばC形、コ字形、角形パイプ状あるいは円形パイプ状等であってもよく、各発泡体に嵌合して一体化可能な形状であれば適宜のものでよい。補強材3は、好ましくはアルミニウムなどの金属製あるいは硬質のプラスチック製である。
発泡体21,22の形状は、樹脂製パネル1に要求される外観や強度、剛性を確保するために適宜決定されればよく、特に限定されるものではない。
実施形態の樹脂製パネル1において、発泡体21,22は例えば熱可塑性樹脂を用いて成形される。その樹脂材料は限定しないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンや、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のアクリル誘導体のいずれか、又は2種類以上の混合物を含む。発泡体21,22の発泡倍率は特に限定するものではないが、例えば1.5〜60倍の範囲であり、代表的には20倍や30倍、好ましくは10〜45倍であり、より好ましくは15〜35倍である。なお、発泡倍率とは、発泡前の混合樹脂の密度を、発泡後の発泡樹脂の見かけ密度で割った値である。
実施形態の樹脂製パネル1において、発泡体21,22に使用されうる発泡剤としては、公知の物理発泡剤、化学発泡剤及びその混合物が挙げられる。例えば、物理発泡剤としては、空気、炭酸ガス、窒素ガス等の無機系物理発泡剤、及びブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の有機系物理発泡剤を適用できる。また、化学発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン又はアゾビスイソブチロニトリルなどの有機発泡剤、クエン酸、シュウ酸、フマル酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、ショウノウ酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ酸などのポリカルボン酸と、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムアルミニウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウムなどの無機炭酸化合物の混合物や、クエン酸ニ水素ナトリウム、シュウ酸カリウムなどのポリカルボン酸の塩が無機発泡剤として挙げられる。
表皮材シートS及び発泡体21,22は、剛性及び強度を増加させる目的で、ガラスフィラーを混入した樹脂材料を用いて成形するようにしてもよい。
ガラスフィラーとしては、ガラス繊維、ガラスクロスやガラス不織布などのガラス繊維布、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスパウダー、ミルドガラスなどが挙げられる。ガラスの種類としては、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、クオーツ、低誘電率ガラス、高誘電率ガラスなどが挙げられる。
なお、ガラスフィラーに限らず、剛性を上げるためのタルク、炭酸カルシウム、珪灰石(Wollastonite)、マグネシウム系材料等の無機フィラー、カーボンファイバー等を混入させてもよい。
(2)内装材10を作製するための成形体2
本実施形態の内装材10に含まれる発泡体21,22は、1つの成形体2を割断することによって得られる。
以下、図2〜4を参照して、本実施形態の内装材10を作製するための成形体2の構造について説明する。図2は、本実施形態の内装材10を作製するための成形体2の斜視図である。図3は、図2のG部分の拡大平面図である。図4(a)は図3に示すA−A断面図であり、図4(b)は図3に示すB−Bの断面図である。
図4(a)のA−A断面図では、内装材10を組み立てた後に位置する補強材3を仮想線で示してある。補強材3は、間隙を挟んで互いに平行に延びる長尺状の一対の板状部(第1の板状部31及び第2の板状部32)と、当該一対の板状部を連結する連結部33とを備え、断面でH形状をなしている。第1の板状部31及び第2の板状部32のそれぞれにおいて長手方向に延びる端から互いに対向する方向に突出する一対の突出部311,321が形成されている。
図4(b)のB−B断面図では、表側壁面211a、表側段差面212a、表側壁面221a、表側段差面222a、裏側段差面212b、裏側壁面211b、裏側段差面222b、及び、裏側壁面221b(これらについては後述する)を仮想線で示してある。
図2に示すように、成形体2のおもて面には一端から他端に亘って直線状の溝部20が形成されている。なお、図2では見えないが、成形体2の裏面にもおもて面と同様に、溝部20が形成されている。溝部20は、成形体2を発泡体21,22に割断し、かつ割断後にそれぞれ断面形状がH形の補強材3(H形押出リインフォース)を発泡体に嵌合するために設けられている。成形体2のおもて面は、発泡体21のおもて面21a、及び発泡体22のおもて面22aによって構成されている。成形体2の裏面は、発泡体21の裏面21b、及び発泡体22の裏面22bによって構成されている。
なお、成形体2は、例えばビーズ法型内発泡成形法によって成形される。ビーズ法型内発泡成形法による成形例については、例えば特開2014−128938号公報を参照されたい。
図2及び図3に示すように、成形体2の溝部20には、複数の第1突起P1と複数の第2突起P2が形成されている。図2に示す第1突起P1及び第2突起P2の数及び配置は一例に過ぎず、図示の形態に限定されない。
発泡体21,22には、補強材3の第1の板状部31及び第2の板状部32の長手方向に沿って表側及び裏側にそれぞれ形成されている表側段差部及び裏側段差部を有する。
具体的には、図4(a)に示すように、溝部20では、発泡体21のおもて面21a及び発泡体22のおもて面22aを基準にそれぞれ所定の段差量をもって、発泡体21の表側段差部210a及び発泡体22の表側段差部220aが形成されている。表側段差部210a及び表側段差部220aは、補強材3の延伸方向に延び、互いに対向している。
表側段差部210aは、補強材3の第1の板状部31と第2の板状部32の間隙内において第1の板状部31と対向して形成されている表側段差面212aと、表側段差面212aとおもて面21aの間に介在する表側壁面211aとを含む。表側段差部220aは、補強材3の第1の板状部31と第2の板状部32の間隙内において第1の板状部31と対向して形成されている表側段差面222aと、表側段差面222aとおもて面22aの間に介在する表側壁面221aとを含む。
同様に、発泡体21の裏面21b及び発泡体22の裏面22bを基準にそれぞれ所定の段差量をもって、発泡体21の裏側段差部210b及び発泡体22の裏側段差部220bが形成されている。裏側段差部210b及び裏側段差部220bは、補強材3の延伸方向に延び、互いに対向している。
裏側段差部210bは、補強材3の第1の板状部31と第2の板状部32の間隙内において第2の板状部32と対向して形成されている裏側段差面212bと、裏側段差面212bと裏面21bの間に介在する裏側壁面211bとを含む。裏側段差部220bは、補強材3の第1の板状部31と第2の板状部32の間隙内において第2の板状部32と対向して形成されている裏側段差面222bと、裏側段差面222bと裏面22bの間に介在する裏側壁面221bとを含む。
図3及び図4に示すように、発泡体21と発泡体22の境界にある境界部230は、発泡体21と発泡体22を割断して分離するために比較的薄肉で形成されている。境界部250の厚さは特に限定するものではないが、成形性と割断の作業性を勘案して適宜決定される。
表側段差部210a,220aの段差量は、発泡体21,22が補強材3に一体嵌合した状態において発泡体21,22のおもて面21a,22aと補強材3の上面とが概ね同一平面となるように設定することが好ましいが、その限りではない。裏側段差部210b,220bの段差量は、発泡体21,22が補強材3に一体嵌合した状態において発泡体21,22の裏面21b,22bと補強材3の下面とが概ね同一平面となるように設定することが好ましいが、その限りではない。表側段差部210a,220aの段差量と、裏側段差部210b,220bの段差量とは、互いに異なってもよい。
表側壁面211a,221aの間の距離、及び、裏側壁面211b,221bの間の距離は、補強材3が係合可能な長さが確保できれば、任意に設定してよい。
各表側段差部及び各裏側段差部には、第1突起P1及び第2突起P2が形成されている。具体的には、以下のとおりである。
図4(a)に示すように、第1突起P1は、表側段差面212a及び表側段差面222aの各々から補強材3の第1の板状部31に向けて突出し、裏側段差面212b及び裏側段差面222bの各々から補強材3の第2の板状部32に向けて突出して形成されている。
なお、図3及び図4(a)に示す例では、第1突起P1が段差面の端に形成されているが、この位置に限られない。後述するように、第1突起P1は補強材3の突出部311,321を横方向から保持するために設けられているため、突出部311,321の幅に応じて第1突起P1が設けられる横方向の位置は適宜調整されうる。
図4(b)に示すように、第2突起P2は、段差部の壁面から段差面に亘って傾斜する傾斜面P2sを有するようにして形成されている。すなわち、表側壁面211aから表側段差面212aに亘って傾斜する傾斜面P2sを有するように第2突起P2が形成されている。表側壁面221aから表側段差面222aに亘って傾斜する傾斜面P2sを有するように第2突起P2が形成されている。裏側壁面211bから裏側段差面212bに亘って傾斜する傾斜面P2sを有するように第2突起P2が形成されている。裏側壁面221bから裏側段差面222bに亘って傾斜する傾斜面P2sを有するように第2突起P2が形成されている。
なお、図3及び図4(b)に示す例では、第2突起P2が発泡体のおもて面又は裏面から段差面の端部近傍に亘って形成されているが、この形態に限られない。後述するように、第2突起P2は補強材3の突出部311,321を横方向及び上下方向(つまり、補強材3の連結部33の延伸方向)から保持するために設けられているため、補強材3の形態に応じて第2突起P2の傾斜面P2sの位置は適宜調整されうる。例えば、傾斜面P2sは段差部の壁面の途中から形成されてもよい。
(3)内装材10の組み立て
以下、上述した成形体2を基に、内装材10を組み立てる方法について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態の内装材10を組み立てる工程を示す図である。
内装材10を組み立てるには、成形体2を成形した後、成形体2を境界部230において割断して、発泡体21,22に分割する。次いで、図5に示すように、補強材3の一方に発泡体21の段差部を嵌合させ(挿入し)、補強材3の他方に発泡体22の段差部を嵌合させる(挿入する)。
(4)補強材3の離脱防止効果
次に、図6を参照して、本実施形態の内装材10における補強材3の離脱防止効果について説明する。図6は、第1突起P1及び第2突起P2による補強材3の離脱防止効果を説明する図である。
図2に示したように、本実施形態の内装材10では、第1突起P1及び第2突起P2が補強材3の延伸方向に沿って交互に配置されているが、図6では、内装材10において第1突起P1及び第2突起P2が補強材3に作用する力を示すため、第1突起P1及び第2突起P2の断面を同一平面に重ね合わせて表示している。
図6に示すように、補強材3が発泡体21,22の表側段差部及び裏側段差部に嵌合させられた状態では補強材3によって第1突起P1及び第2突起P2が撓み、それによって補強材3には、第1突起P1及び第2突起P2による復元力が作用している。
より具体的には、第1突起P1が突出部311と連結部33の間、及び、突出部321と連結部33の間に配置され、突出部311,321と横方向で係合しているため、第1突起P1の復元力F11は、第1突起P1から段差部の壁面(図4の壁面211a,211b,221a,221b)に向けて横方向に、突出部311,321に作用する。
第2突起P2の傾斜面P2sに補強材3の突出部311,321が係合しているため、横方向(つまり、各段差部の壁面から連結部33に向かう方向)に復元力F21が突出部311,321に作用し、上下方向(つまり、各段差部の段差面に直交する方向)に復元力F22が突出部311,321に作用する。
上述したように第1突起P1及び第2突起P2による復元力F11,F21が補強材3の突出部311,321に作用するため、第1突起P1及び第2突起P2により補強材3の突出部311,321を横方向の両側から挟み込むことで補強材3が保持される。さらに、上下方向の復元力F22が表側と裏側で突出部311,321にそれぞれ逆方向に作用することで、補強材3が保持される。
なお、第1突起P1の高さを高くして第1突起P1を補強材3の第1の板状部31及び第2の板状部32に強く押圧させることで、第1突起P1のみで補強材3を保持することも考えられる。しかしその場合には、発泡体21の段差部、及び発泡体22の段差部を補強材3に嵌合させるときの作業性が低下する。従って、本実施形態の構成は、発泡体21,22を補強材に嵌合させるときの作業性を維持しつつ、嵌合した後の補強材3の保持力を確保することが可能である点で効果的である。
また、一般的に発泡体は寸法ばらつきが大きいところ、本実施形態では第2突起P2を設けているため、当該寸法ばらつきを吸収して補強材3の保持力を維持することができるという利点がある。仮に、第2突起P2が設けられていないとした場合、発泡体の厚さが薄い方にばらつくと第1突起P1と補強材3の板状部31,32との隙間が大きくなり、第1突起P1のみでは補強材3を保持することが困難となる。
それに対して本実施形態では、傾斜面P2sを備えた第2突起P2が形成されているため、発泡体の厚さが薄い方にばらついた場合、厚さが中央値の場合よりも段差部が補強材3の連結部33の側に深く挿入された状態で第2突起P2の傾斜面P2sが突出部311,321と係合する。つまり、補強材3の突出部311,321と係合する傾斜面P2s上の位置が変化することによって発泡体の厚さのばらつきを吸収し、第1突起P1のみが形成されている場合よりも確実に、補強材3を保持することができる。
(5)樹脂製パネル1の成形方法
次に、図7、8を参照して、実施形態の樹脂製パネル1を、金型を用いて成形する方法について説明する。図7、8はそれぞれ、本実施形態の樹脂製パネル1の表皮材シートSを成形する工程を説明する図である。
図7を参照すると、型締装置70は、押出装置(図示せず)から鉛直下方に押し出された溶融樹脂シートP,Pに対して略直交する方向に、開位置と閉位置との間で移動させられる一対の分割金型71A,71Bを有する。一対の分割金型71A,71Bは、各々に対応する形成面72A,72Bを対向させた状態で配置される。形成面72Aは、成形体2のおもて面と裏面に対応した形状となっている。
一対の分割金型71A,71Bの各々において、各々に対応する形成面72A,72Bの上下端近傍には、ピンチオフ部74A,74Bが形成されている。このピンチオフ部74A,74Bはそれぞれ、形成面72A,72Bのまわりに環状に形成され、対向する分割金型71B,71Aに向かって突出する。これにより、一対の分割金型71A,71Bを型締する際、それぞれのピンチオフ部74A,74Bの先端部が当接し、溶融樹脂シートP,Pの周縁にパーティングラインが形成されるようになっている。
一対の分割金型71A,71Bには、形成面72A,72Bの周囲において、形成面72A,72Bから突出可能に摺動部75A,75Bが設けられている。摺動部75A,75Bは、形成面72A,72Bから突出した状態において、その端面を溶融樹脂シートP,Pに接触させ、それによって溶融樹脂シートP,Pと一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bとの間に密閉空間を形成するために設けられている。
一対の分割金型71A,71Bには、真空チャンバ(図示せず)が内蔵されている。真空チャンバは、真空ポンプ及び真空タンク(いずれも図示せず)と接続されている。真空チャンバと形成面72A,72Bの間には、真空吸引のための連通路(図示せず)が設けられている。
一対の分割金型71A,71Bは、金型駆動装置(図示せず)によって、開位置と閉位置の間を移動可能となるように駆動される。開位置では、一対の分割金型71A,71Bの間に、2枚の連続した溶融樹脂シートP,Pが、互いに間隔を隔てて配置可能となっている。2枚の溶融樹脂シートP,Pは、成形後に、樹脂製パネル1における表皮材シートSとなる。閉位置では、一対の分割金型71A,71Bのピンチオフ部74A,74Bが当接する。
次に、樹脂製パネル1の成形方法について説明する。
先ず、図7に示したように、押出装置から溶融樹脂シートP,Pが鉛直下方に押し出され、一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bの間に供給される。この時点で、一対の分割金型71A,71Bは開位置にある。
次に、形成面72A,72Bの周囲にある摺動部75A,75Bを突出させて、その端面を溶融樹脂シートP,Pに接触させる。これにより、溶融樹脂シートP,Pと一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bとの間に密閉空間が形成される。そして、真空チャンバと形成面72A,72Bの間に設けられた連通路によって、密閉空間内の空気を吸引する。この吸引により、2枚の溶融樹脂シートP,Pがそれぞれ、一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bに押圧させられ、図8に示すように、形成面72A,72Bに沿った形状、すなわち、樹脂製パネル1の略外形に賦形(形成)される。
次に、マニピュレータ(図示せず)を用いて一対の分割金型71A,71Bの間で、上述したようにして組み立てた内装材10を位置決めし、図8に示すように、側方より一方の分割金型(図8では、分割金型71B)に押し付けるようにして挿入する。これにより、内装材10が一方の溶融樹脂シートPに溶着される。
このとき、補強材3(図8では不可視)の延伸方向が鉛直方向となるように内装材10が配置されるが、補強材3は第1突起P1及び第2突起P2によって保持されているため、補強材3が下向きに落下することはない。
その後、一対の分割金型71A,71Bを開位置から閉位置まで移動させて、型締する。これにより、一方の溶融樹脂シートP(図面右側)に対して溶着されていた内装材10は、他方の溶融樹脂シートP(図面左側)に対しても溶着される。さらに、一対の分割金型71A,71Bのピンチオフ部74A,74Bにおいて、一対の溶融樹脂シートP,Pの周縁が溶着させられ、パーティングラインPLが形成される。
最後に、一対の分割金型71A,71Bを再び開位置に移動させ、成形した樹脂製パネル1を形成面72A,72Bから離間させ、パーティングラインPLまわりに形成されたバリを、カッター等で切断して除去する。以上で、内装材10を表皮材シートSで覆った構造の樹脂製パネル1が完成する。
なお、上述した樹脂製パネル1の成形方法では、吸引により溶融樹脂シートPを一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bに押圧させる場合について説明したが、その限りではない。溶融樹脂シートPに空気等の流体を吹き付けることによって溶融樹脂シートPを一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bに押圧させるようにしてもよい(ブロー成形)。
(6)変形例
第1突起P1及び第2突起P2の段差面に対する配置は、上述した実施形態(例えば図2)の例示に限定されない。具体的には、上述した実施形態では、図2に示したように、例えば成形体2のおもて側において、一方の段差面に第1突起P1と第2突起P2が溝部20の形成方向(つまり、補強材3の延伸方向)に沿って交互に配置される場合について例示した。言い換えれば、第1突起P1と第2突起P2が、壁面211a,壁面211b,221a,及び221b(図4参照)のそれぞれに直交する方向から見て重複しないように形成されている場合について例示したが、その限りではない。例えば、図9に示す溝部20Pの配置例では、第1突起P1と第2突起P2が隣接して配置される。
なお、実施形態の例示のように、第1突起P1と第2突起P2が段差部の壁面に直交する方向から見て重複しないように形成されている場合には、第1突起P1と干渉しないため、平面視で第2突起P2を大きくできる(つまり、第2突起P2の傾斜面P2sの端を段差面の端に近付けることができる)ことから、成形時に第2突起P2に対応する型の部分にビーズが入りやすくなり、成形性が良好になるという利点がある。
上述した実施形態では、表側と裏側の両方で対称に第1突起P1と第2突起P2を配置するようにしたが、その場合、補強材3に対する成形体2の挿入力が大きくなる場合があり、作業性が低下することもありえる。
そこで、発泡体21,22のおもて側に形成された第2突起P2と、発泡体21,22の裏側に形成された第2突起P2とが平面視にて重複しないように、第2突起P2を配置してもよい。そのような配置例を図10に示す。
図10に示す溝部20Qでは、表側段差面に配置される第2突起P2aと、裏側段差面に配置される第2突起P2bとが、表裏で相補的に形成されている。つまり、表側段差面に第2突起P2aが形成されている位置に対応する裏側段差面の位置には第2突起P2bが形成されておらず、裏側段差面に第2突起P2bが形成されている位置に対応する表側段差面の位置には第2突起P2aが形成されていない。つまり、溝部20Qを平面視で見た場合に、第2突起P2aと第2突起P2bが重複しない。
よって、溝部20Qにおいて局所的に補強材3に対する成形体2の挿入力が過大とならないため、作業性の低下が回避される。
以上、本発明の実施形態とその変形例について詳細に説明したが、本発明の樹脂製パネル及び発泡構造体は上述した実施形態とその変形例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。
例えば、上述した実施形態では、補強材がH形リインフォースである場合について説明したが、補強材としては断面コの字状のリインフォースであってもよい。
補強材がH形リインフォースである場合でも断面コの字状のリインフォースである場合でも、互いに平行に延びる一対の板状部のうち一方の板状部にのみ、その長手方向に延びる一対の端から他の板状部に向かって突出する一対の突出部を設けてもよい。さらに、当該一方の板状部のうちその長手方向に延びる一対の端の一方の端のみから他の板状部に向かって突出する突出部を設けてもよい。
例えば、上述した実施形態の場合には、補強材3の発泡体21を嵌合する側において、突出部311又は突出部321のいずれか一方のみが形成されていてもよい。それと同時に、又は代替的に、補強材3の発泡体22を嵌合する側において、突出部311又は突出部321のいずれか一方のみが形成されていてもよい。補強材3の突出部と、第1突起P1及び第2突起P2との係合が、表側又は裏側のいずれか一方の側のみであっても補強材3を保持しうる。
例えば、補強材3の発泡体21を嵌合する側において、突出部311のみが形成されてる場合、突出部311と係合させるために、突出部311と対向する表側段差面212aを有する表側段差部210aに、第1突起P1及び第2突起P2が形成される。その一方で、突出部321が形成されていないことから、裏側段差部210bには第1突起P1及び第2突起P2を形成しなくてもよい。
1…樹脂製パネル
S…表皮材シート
1a…おもて面
1b…裏面
1c…側壁面
10…内装材(発泡構造体の例)
2…成形体
21,22…発泡体
20,20P,20Q…溝部
3…補強材
31…第1の板状部
311…突出部
32…第2の板状部
321…突出部
33…連結部
21a,22a…おもて面
21b,22b…裏面
P1…第1突起
P2,P2a,P2b…第2突起
P2s…傾斜面
210a,220a…表側段差部
211a,221a…表側壁面
212a,222a…表側段差面
210b,220b…裏側段差部
211b,221b…裏側壁面
212b,222b…裏側段差面
230…境界部
70…型締装置
71A,71B…分割金型
72A,72B…形成面
74A,74B…ピンチオフ部
75A,75B…摺動部
P…溶融樹脂シート

Claims (4)

  1. 間隙を挟んで互いに平行に延びる長尺状の一対の板状部と、前記一対の板状部のうち少なくとも一方の板状部において長手方向に延びる端から他の板状部に向かって突出する突出部と、を有する補強材と、
    補強材の前記板状部の長手方向に沿って表側及び裏側に形成されている一対の段差部を有する発泡体と、
    を備えた発泡構造体であって、
    前記段差部は、
    補強材の前記間隙内において前記板状部と対向して形成されている段差面と、
    前記段差面と前記発泡体のおもて面又は裏面との間に介在する壁面と、
    を有し、
    前記一対の板状部のうち前記突出部が突出する板状部である第1板状部と対向する段差面を有する段差部には、
    前記段差面から第1板状部に向けて突出する第1突起と、
    前記壁面から前記段差面に亘って傾斜する傾斜面を有する第2突起と、が形成されている、
    発泡構造体。
  2. 前記第1突起と前記第2突起は、前記壁面に直交する方向から見て重複しないように形成されていることを特徴とする、
    請求項1に記載された発泡構造体。
  3. 前記第2突起は、前記発泡体のおもて側及び裏側の両方に形成され、
    前記発泡体のおもて側に形成された第2突起と、前記発泡体の裏側に形成された第2突起とは、平面視にて重複していないことを特徴とする、
    請求項1又は2に記載された発泡構造体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載された発泡構造体を表皮材シートで覆った樹脂製パネル。
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WO2020026928A1 (ja) * 2018-07-31 2020-02-06 キョーラク株式会社 構造体の製造方法、保持装置
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