JP2018046957A - インプラント用紫外線照射装置 - Google Patents

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義正 小川
智彦 木尾
Tomohiko Kio
智彦 木尾
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Abstract

【課題】筐体内に配設された紫外線光源と、該紫外線光源に対向配置されたインプラント保持部とを備え、紫外線によりインプラントの有機汚染物除去を行うためのインプラント用紫外線照射装置において、インプラントへの紫外線照射量にムラがなく、全外周位置で均一な有機汚染物除去処理ができる構造を提供することである。【解決手段】前記インプラント保持部には、インプラントの長手方向の軸回りに該インプラント保持部を回転させる回転機構が設けられていることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

この発明は、インプラントに紫外線を照射してその有機汚染物除去を行うインプラント用紫外線照射装置に関するものであり、特に、紫外線光源を利用してデンタルインプラントの有機汚染物除去を行うインプラント用紫外線照射装置に係わるものである。
従来、インプラントに紫外線を照射してその有機汚染物除去を行うインプラント用紫外線照射装置としては、例えば、特開2012−157413号公報(特許文献1)が知られている。
このインプラント用紫外線照射装置は、ピン状のデンタルインプラント(以下、インプラントという)に紫外線を照射するために用いられるものである。
図4、図5に、その概略構造が示されている。
このインプラント用紫外線照射装置は、開閉扉102を有する筐体101と、該筐体101内に配設された一対の紫外線ランプ103、103とを有し、前記筐体101内には開閉扉102と一体化された引き出し可能なキャリッジ104が配設され、このキャリッジ104上にはインプラント保持体105が載置されている。
そして、このインプラント保持体105は、前記キャリッジ104に着脱自在に載置される載置台106と、この載置台106に着脱自在に載置されるインプラント支持台107とからなる。
前記載置台106には、把手108が設けられており、インプラント支持台107上には処理対象の複数本のインプラントWが、前記紫外線ランプ103の長手方向に沿うように直線状にセットされている。
このインプラント用紫外線照射装置では、インプラントWがセットされたインプラント保持体105がキャリッジ104上に載置された状態で、開閉扉102が閉じられてキャリッジ104が筐体101内に収容されたとき、インプラント保持体105上に直線状に配設されたインプラントWは一対の紫外線ランプ103、103間に位置して、これと対向配置されるものである。
インプラントWは、紫外線ランプ103からの、例えば、172nmや、254nmの紫外線が所定の時間、照射される。照射処理後は、ファン111が回転し、筐体101内のガスが循環して、オゾン除去手段112によってオゾンの除去処理が行われるものである。
なお、紫外線光源としては、上述した紫外線ランプのほかに、紫外線を発生するLEDを複数並列配置したものも使用される。
ところで、このようなインプラント用紫外線照射装置によって紫外線処理されるインプラントWは通常は断面円形の円柱形状であって、これが紫外線ランプ103間に配置されて紫外線を照射されると、図6に示すように、インプラントWの円周表面において、紫外線照度にムラができる。つまり、インプラントWに照射される紫外線の照度は、その外円周上の最もランプ103に近い点Aにおいて照度が最も高く、これと90°ずれた点Bにおいて最も低くなる。そのため、インプラントWに対する紫外線照射量にムラができてしまう。
このような不具合は、例えば172nm等のVUV光を使用する場合には、VUV光が空気中の酸素によって吸収されるので、より顕著となる。
また、このような傾向は、紫外線光源としてLEDを使用するものにあっても全く同様である。
その結果、インプラントWでは、外円周上の位置によって、紫外線による有機汚染物除去処理にムラが生じてしまうという問題がある。
特開2012−157413号公報
この発明が解決しようとする課題は、筐体内に配設された紫外線光源と、該紫外線光源に対向配置されたインプラント保持部とを備え、紫外線によりインプラントの有機汚染物除去を行うためのインプラント用紫外線照射装置において、インプラントへの紫外線照射量にムラがなく、全外周位置で均一な有機汚染物除去処理ができる構造を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明に係るインプラント用紫外線照射装置は、前記インプラント保持部には、インプラントの長手方向の軸回りに該インプラント保持部を回転させる回転機構が設けられていることを特徴とする。
また、前記インプラント用紫外線照射装置はインプラントステージを有し、該インプラントステージは2つの基台部からなり、第一の基台部には、前記インプラント保持部が回転自在に設けられており、第二の基台部には、前記インプラント保持部を回転させるための駆動部が設けられていることを特徴とする。
また、前記第一の基台部は、貫通孔を有するブロック体からなり、前記インプラント保持部は、前記貫通孔内に回転自在に設けられていて、該インプラント保持部には従動磁石が取り付けられており、前記第二の基台部は、密閉されたケーシングを備え、前記駆動部は、該ケーシング内に設けられるとともに、前記従動磁石を回転させる駆動磁石を有することを特徴とする。
本発明のインプラント用紫外線照射装置によれば、紫外線照射処理にあたってインプラントをその長手方向軸回りに回転させるので、その全外周表面にムラなく紫外線照射ができて、有機汚染物処理が均一に達成できる。
また、インプラントステージを第一基台部と第二基台部の2つから構成することで、インプラントの有機汚染物除去作業に先立って、予めインプラントの各基台部をオートクレーブなどにより容易に加熱滅菌処理することができる。
また、第一基台部をブロック体としたので、そのまま上記加熱滅菌処理ができ、また、第二基台部を密閉されたケーシングから構成し、その内部に駆動部を収容したので、駆動部に処理水が掛かることなく、第二基台部の加熱滅菌処理を行うことができる。
本発明のインプラント用紫外線照射装置における要部の斜視図。 図1の正面断面図。 図2の要部の部分拡大断面図。 従来のインプラント用紫外線照射装置の正断面図。 図4の横断面図。 従来例の不具合の説明図。
図1は、本発明のインプラント用紫外線照射装置におけるインプラントステージを示す斜視図で、図2は、その正面断面図であり、図3は、図2の要部の拡大断面図である。
図1に示されるように、本発明のインプラント用紫外線照射装置において、インプラントWを保持するためのインプラントステージ1は、2つの基台部、即ち、第一基台部2と第二基台部3とからなる。インプラントWは、第一基台部2に保持され、その長手方向軸回りに回転可能とされている。
図2にその詳細が示され、第一基台部2は、全体がブロック形状とされ、複数の貫通孔21、21が一列状に配置形成されている。第3図で示すように、この貫通孔21内には、カップ状のインプラント保持部4が回転自在に設けられている。
このカップ状のインプラント保持部4は、その支持軸41が軸受け42によって支持されることにより、貫通孔21内で回転可能に支持される。
図2に示すように、このインプラント保持部4内にインプラントWが挿入支持される。
そして、特に図3で明示されるように、インプラント保持部4の支持軸41の下端には従動磁石6が取り付けられている。この従動磁石6は、ブロック状の第一基台部2の下面から突出することはない。
一方、図2に示すように、第二基台部3は、密閉されたケーシング31からなり、このケーシング31内には、前記インプラント保持部4を回転させる駆動部5が収容されている。
駆動部5は、バッテリー51によって駆動されるモータ52と、これにより回転されるプーリー53を有し、このプーリー53は、前記第一基台部2の貫通孔21内のインプラント保持部4にそれぞれ対向して設けられる。
そして、これらのプーリー53、53はベルト55によって回転される。そして、図3で示すように、その回転軸54には、前記従動磁石6に対向して駆動磁石7が取り付けられている。
図3に示すように、第一基台部2と第二基台部3が組み立てられたとき、第一基台部2内の従動磁石6は、第二基台部3のケーシング31の上壁32よりも若干上方に位置する。
また、第二基台部3内に収容された駆動部5の駆動磁石7は、ケーシング31の上壁32の若干下方で前記従動磁石6に対向するように位置する。
これにより、従動磁石6と駆動磁石7は、ケーシング31の上壁32を介在して対向配置されることになる。
このような配置とすることで、駆動部5により回転される駆動磁石7によって、これと対向する従動磁石6が回転され、インプラント保持部4及びこれに保持されたインプラントWが、その長手方向軸を中心として回転される。
上記実施例での説明においては、各インプラント保持部4を回転させる機構として、プーリー53とベルト55によるものを示したが、歯車により回転伝達機構を用いることもできる。即ち、各インプラント保持部4に対向して回転軸54に歯車を配置し、これらを互いに噛み合わせる構成とすることにより、回転伝達する機構とするものである。
また、紫外線照射時にインプラントを回転させる構成としたことにより、紫外線光源はインプラントの両側に一対設けることが、必ずしも必要でなくなり、紫外線光源を片側配置として片側からの照射であってもインプラントの全外周面にムラなく照射することができる。こうすることで、装置全体の小型化に資するものである。
以上説明したように、本発明のインプラント用紫外線照射装置においては、インプラント保持体が回転自在に支持されていることにより、紫外線光源からの紫外線がインプラントの全外周面にムラなく照射され、有機汚染物の除去が均一に行われるという効果を奏する。
また、インプラントステージを2つの基台部により構成したことで、紫外線照射処理に先立って、これら基台部の加熱滅菌処理が容易にできる。
特に、第二基台部のケーシングを密閉構造とすることで、前記加熱滅菌処理時に内部の駆動部が処理水から保護されて汚染されることがない。
1 インプラントステージ
2 第一基台部
21 貫通孔
3 第二基台部
31 ケーシング
32 上壁
4 インプラント保持部
41 支持軸
42 軸受
5 駆動部
51 バッテリー
52 モータ
53 プーリー
54 回転軸
55 ベルト
6 従動磁石
7 駆動磁石
W インプラント


Claims (3)

  1. 筐体内に配設された紫外線光源と、該紫外線光源に対向配置されたインプラント保持部とを備え、紫外線によりインプラントの有機汚染物除去を行うためのインプラント用紫外線照射装置において、
    前記インプラント保持部には、インプラントの長手方向の軸回りに該インプラント保持部を回転させる回転機構が設けられていることを特徴とするインプラント用紫外線照射装置。
  2. 前記インプラント用紫外線照射装置はインプラントステージを有し、該インプラントステージは2つの基台部からなり、
    第一の基台部には、前記インプラント保持部が回転自在に設けられており、
    第二の基台部には、前記インプラント保持部を回転させるための駆動部が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のインプラント用紫外線照射装置。
  3. 前記第一の基台部は、貫通孔を有するブロック体からなり、
    前記インプラント保持部は、前記貫通孔内に回転自在に設けられていて、該インプラント保持部には従動磁石が取り付けられており、
    前記第二の基台部は、密閉されたケーシングを備え、前記駆動部は、該ケーシング内に設けられるとともに、前記従動磁石を回転させる駆動磁石を有する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のインプラント用紫外線照射装置。


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