図1に示すように、実施形態に係る情報処理装置Sは、表示手段Dに接続されており、受信手段1と、表示制御手段2と、抽出手段3と、報知手段4と、を備えて構成されている。
この構成において受信手段1は、複数の移動体の状態を示す状態情報を受信する。そして表示制御手段2は、受信手段1により受信した状態情報に基づき、当該状態情報の最新受信時刻を示す時刻情報を含み且つ移動体の移動に関連する関連情報を、新たな状態情報の受信に対応して当該時刻情報を更新しつつ、各移動体について表示手段Dに一覧表示させる。
一方抽出手段3は、予め設定された閾値時間以上時刻情報が更新されない移動体を抽出する。そして報知手段4は、抽出手段3により抽出された移動体に関連する報知を行う。
以上説明したように、実施形態に係る情報処理装置Sの動作によれば、移動体の状態を示す状態情報に基づき、状態情報の最新受信時刻を示す時刻情報を含む関連情報を、新たな状態情報の受信に対応して時刻情報を更新しつつ、複数の移動体について一覧表示させる。そして、既定の閾値時間以上時刻情報が更新されない移動体に関連する報知を行う。よって、各移動体についての関連情報が一覧表示される場合に、状態情報の受信に対応した時刻情報の更新がされない移動体について即時且つ個別に報知することができる。
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、図2乃至図8を用いて説明する。なお、図2は実施例に係る配送管理システムの概要構成を示すブロック図であり、図3は当該配送管理システムの細部構成を示すブロック図である。また、図4は実施例に係るデータベースの内容を例示する図であり、図5は実施例に係る表示制御処理を示すフローチャートであり、図6乃至図8は実施例に係る表示例をそれぞれ示す図である。このとき図3では、図1に示した実施形態に係る情報処理装置Sにおける各構成部材に対応する実施例の構成部材それぞれについて、当該情報処理装置Sにおける各構成部材と同一の部材番号を用いている。
以下に説明する実施例は、各配送車両それぞれに搭載された端末装置と、サーバ装置と、が、インターネット等のネットワークを介して接続されてなる配送管理システムにおいて、各配送車両の状態をサーバ装置において表示する際の表示制御に実施形態を適用した場合の実施例である。ここで当該配送車両の状態とは、各配送車両における、例えば走行中、駐車中、休憩中、荷卸中、荷積中、帰社等の状態をいう。
このとき「駐車中」の状態とは、各配送車両が駐車中であることが、当該配送車両の運転者又は同乗者の入力操作により示されている状態をいう。なお以下の説明において、配送車両の運転者又は同乗者を、単に配送車両の「搭乗者」と称する。また「休憩中」の状態とは、各配送車両の搭乗者が例えば昼食等の、予定された休憩中であることにより当該配送車両が停車状態にあることが、当該搭乗者の入力操作により示されている状態をいう。また「荷卸中」の状態とは、各配送車両の搭乗者が予定された荷卸し作業中であることにより当該配送車両が停車状態にあることが、当該搭乗者の入力操作により示されている状態をいう。更に「荷積中」の状態とは、各配送車両の搭乗者が予定された荷積中であることにより当該配送車両が停車状態にあることが、当該搭乗者の入力操作により示されている状態をいう。最後に「帰社」の状態とは、各配送車両についてその日に予定されている配送業務が終了して当該配送車両が帰社していることが、当該搭乗者の入力操作により示されている状態をいう。
図2に示すように、実施例に係る配送管理システムSSは、端末装置T1、端末装置T2、…、端末装置Tn(nは自然数)と、サーバ装置SVと、サーバ装置SVと端末装置T1、端末装置T2、…、端末装置Tnとを無線又は有線により接続するインターネット等のネットワークNWと、により構成されている。なお以下の説明において、端末装置T1、端末装置T2、…、端末装置Tnに共通の事項を説明する場合、これらを纏めて適宜「端末装置T」と称する。以上の構成において、サーバ装置SVは、例えば配送管理システムSSを管理する管理者等の元に固定設置されている。これに対して各端末装置Tは、それぞれが各配送車両に搭載されている。また各端末装置Tは、それぞれが搭載されている配送車両の位置、移動方向及び速度を例えばGPS(Global Positioning System)等のセンサを用いて検出し、その移動を案内する。このため各端末装置Tには後述するように、種々の渋滞情報を取得するためのインターフェースや、案内ルートを探索するための案内処理部等が備えられている。また各端末装置Tは、予め設定された時間間隔で、各配送車両の位置を示す位置データと、当該位置データにより示される位置が検出された日付及び時刻をそれぞれ示す日付データ及び時刻データと、当該時刻に端末装置Tにおいて検出された速度を示す速度データと、その配送車両の搭乗者により端末装置Tを用いて入力された当該配送車両が上記いずれの状態であるかを示す状態データと、を含む状態情報を、インターフェース及びネットワークNWを介して、各配送車両を識別するための車両IDに関連付けて送信する。ここで上記時間間隔は例えば1秒であるが、この時間間隔は上記管理者等が任意に設定し得る。
次に図3(a)に示すように、実施例に係る各端末装置Tはそれぞれ、インターフェース15と、CPU、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等からなり且つ図示しない上記各センサを含む案内処理部16と、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ19と、タッチパネル、操作ボタン又はリモコン等からなる操作部17と、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等からなる記録部18と、により構成されている。
この端末装置Tの構成においてインターフェース15は、案内処理部16の制御の下、種々の上記渋滞情報を取得すると共に、上記位置データ、上記日付データ及び時刻データ、並びに上記速度データ及び上記状態データを含む上記状態情報を、上記車両IDに関連付けてネットワークNWを介してサーバ装置SVに送信する。一方記録部18は、上記位置データ等を一時的に記憶すると共に、上記案内用の地図データや道路データ等を不揮発性に記録し、また、案内処理部16において実行される上記案内ルートの探索等のためのプログラム等を予め不揮発性に記録している。また操作部17は、上記配送車両の状態を示す上記状態データを入力するための操作や上記案内ルートの探索のための設定操作等が上記搭乗者により当該操作部17において実行されると、当該実行された操作を示す操作信号を生成して案内処理部16に出力する。そして案内処理部16は、上記操作信号に基づいて、上記地図データ等を用いた上記案内ルートの探索等を行ってその結果をディスプレイ19に表示すると共に、上記インターフェース15を介した上記状態情報の送信を行う。
一方図3(b)に示すように、実施例に係るサーバ装置SVは、インターフェース1と、CPU、RAM及びROM等からなる処理部10と、実施例に係る状態情報データベースDB1及び配送車両データベースDB2を不揮発性に記録するHDD又はSSD等からなる記録部5と、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイDと、キーボード及びマウス等からなる操作部4と、により構成されている。また処理部10は、表示制御部2と、抽出部3と、報知部4と、により構成されている。このとき、処理部10を構成する表示制御部2、抽出部3及び報知部4は、処理部10のCPU等に含まれるロジック回路によりハードウェア的に実現されるものであってもよいし、後述する実施例に係る表示制御処理を示すフローチャートに相当するプログラムを処理部10のCPUが読み出して実行することにより、ソフトウェア的に実現されるものであってもよい。
また、上記ディスプレイDが実施形態に係る表示手段Dの一例に、インターフェース1が実施形態に係る受信手段1の一例に、表示制御部2が実施形態に係る表示制御手段2の一例に、抽出部3が実施形態に係る抽出手段3の一例に、報知部4が実施形態に係る報知手段4の一例に、それぞれ相当する。更に、処理部2が本願に係る「進捗検出手段」の一例に相当し、記録部5が本願に係る「記憶手段」の一例に相当する。更にまた図3(b)において破線で示すように、上記インターフェース1、表示制御部2、抽出部3及び報知部4により、実施形態に係る情報処理装置Sの一例が構成されている。
このサーバ装置SVの構成においてインターフェース1は、処理部10の制御の下、ネットワークNWを介した上記状態情報の、各端末装置Tとの間の授受を制御する。一方記録部5は、上記状態情報データベースDB1及び上記配送車両データベースDB2を、それぞれ不揮発性に記録する。
このとき上記状態情報データベースDB1は、各端末装置Tから取得(受信)した上記状態情報に含まれる上記車両ID等を、当該状態情報のサーバ装置SVにおける受信時刻を示す受信時刻データと共に且つ配送車両ごとに記録したデータベースである。また上記配送車両データベースDB2は、各端末装置Tが搭載されている配送車両と、それが属する組織と、各配送車両について日ごとに計画される予定コースと、を関連付けたデータベースである。このとき各配送車両についての予定コースとは、それが対応する各配送車両がその日に運行されるべき(即ち移動すべき)予定コースである。この予定コースには、それに対応する配送車両の当該予定コース上の到達すべき目的地の位置やその名称等を示す目的地情報が、当該目的地ごとの到着順序を示す順序情報及び当該目的地ごとの到着すべき到着指定時刻を示す指定時刻情報と共に含まれている。なお一の予定コースには、通常その配送車両が到達すべき一又は複数の目的地が当該到達の順序に沿って含まれており、対応する配送車両が一の目的地に到達した後は、上記到達の順序において次に到達すべき目的地が、その配送車両の案内処理におけるその時点での新たな目的地となる。
一方操作部4は、上記管理者等により必要な指示操作が当該操作部4において実行されると、当該指示操作に対応する操作信号を処理部10に出力する。これにより処理部10は、上記管理者等に提示すべき情報をディスプレイDに表示等しつつ、状態情報データベースDB1内の記録内容及び配送車両データベースDB2内の記録内容並びに上記操作信号に基づいて、実施例に係る表示制御処理を含むサーバ装置SVとしての管理処理を実行する。このとき実施例に係る表示制御処理には、各予定コースについての実施例に係る配送車両の移動の進捗の一覧をディスプレイDに表示する処理が含まれる。
次に、上記状態情報データベースDB1の内容について、図4(a)に例示しつつ説明する。
図4(a)に例示するように、記録部5に記録される状態情報データベースDB1には、各端末装置Tから状態情報としてネットワークNWを介して送信されてくる上記日付データ、時刻データ、位置データ及び速度データ並びに状態データが、当該端末装置Tが搭載されている車両を識別するための車両IDに関連付けられて、時刻データにより示される時刻の順に且つ車両IDごと(即ち端末装置Tごと)に記録されている。また当該日付データ等には、それらを含む状態情報のサーバ装置SVにおける受信時刻を示す上記受信時刻データが対応付けられて記録されている。このとき上記位置データとしては、図4(a)に例示するように地図に対応付けて予め設定された座標面内の座標により示されるデータであってもよいし、単なる緯度/経度データであってもよい。そして図4(a)に例示する場合は、車両ID「1号車」の配送車両についての位置データ等として、その配送車両が座標(x1,y1)で示される位置から徐々に減速しつつ移動し、座標(x4,y4)で示される位置で停止している(即ちその速度が0となっている)ことが示されている。また、車両ID「1号車」の配送車両の移動に対応して当該配送車両の端末装置Tにおいて時刻10時00分04秒にその搭乗者により入力された状態データの内容が「休憩中」であることが判る。なお図4(a)に例示する場合において、時刻10時00分04秒に停止するまでの状態データが「走行中」とされているが、これは、車両ID「1号車」の配送車両の端末装置Tにおいてその搭乗者が「走行中」であると入力したものではなく、速度データが「0」ではない(即ち有意である)ことを検出したサーバ装置SVの処理部10により「走行中」として状態情報データベースDB1に記録されたものである。
次に、上記配送車両データベースDB2の内容について、図4(b)に例示しつつ説明する。
図4(b)に例示するように、記録部5に記録される配送車両データベースDB2には、日ごとに各配送車両に割り当てられている上記予定コースの名称のデータ、その予定コースに含まれる各目的地のリストである目的地リストのデータ及び当該予定コースが適用される日付を示す日付データが、上記車両ID(即ち端末装置T)に関連付けられて、当該車両IDの順に記録されている。このとき各目的地リストは、それが対応する予定コースについての上記目的地情報及び上記順序情報並びに上記指定時刻情報をそれぞれに含む目的地リストである。なお図4(b)には示されていないが、上記車両IDには、当該車両IDに関連付けられる配送車両の車番及びその日の運転者名を含む車両情報が関連付けられている(図6乃至図8参照)。このとき、上記「車番」とは、その配送車両の自動車登録番号又は車両番号をいう。
また配送車両データベースDB2には、各配送車両が属する組織の名称(図4(b)に例示する場合は「第1営業部」)を示すデータも合わせて記録されている。この場合の組織が、本願に係る「管理単位」の一例に相当する。更に、予定コースが設定されておらず目的地リストのみが記録されている配送車両(図4(a)に例示する場合は、車両ID「3号車」の配送車両及び車両ID「4号車」の配送車両)は、その日は一の目的地のみ(図4(b)に例示する場合は「文京区〇〇町」)に移動する予定であることを意味している。更にまた、予定コース及び目的地リストが共に記録されていない配送車両(図4(a)に例示する場合は、車両ID「1号車」の配送車両及び車両ID「2号車」の配送車両)は、その日は予め設定されたコース又は目的地に向けて移動することがないことを意味している。なお、予め設定されたコース又は目的地に向けて移動することがない配送車両でも、種々の目的により移動(運行)されること自体はあり得ることは注意を要する。
次に、サーバ装置SVの処理部10を中心として実行される実施例に係る表示制御処理について、具体的に図5乃至図8を用いて説明する。なお、実施例に係る表示制御処理は、サーバ装置SVとしての上記管理処理の一環として常時実行されている処理である。
実施例に係る表示制御処理に対応するフローチャートを図5に示す。実施例に係る表示制御処理として先ず処理部10は、各配送車両の端末装置Tから送信された上記状態情報を配送車両ごとにインターフェース15を介して受信し(ステップS1)、当該受信の度に、送信元の配送車両に係る移動の進捗として状態情報データベースDB1に記録する(ステップS2。図4(a)参照)。このとき当該状態情報は、例えば1秒おきに各端末装置Tから送信されてくる。そして処理部10は、当該受信した状態情報に含まれる上記日付データ等を、それに対応する上記受信時刻データと共に状態情報データベースDB1に記録する。
次に処理部10の抽出部3は、直前に受信された状態情報に含まれていた上記状態データにより示される状態又は上記速度データに対応して予め設定されている閾値時間以上状態情報が受信されていないか否かを、状態情報データベースDB1内の受信時刻データに基づいて配送車両ごとに確認する(ステップS3)。ステップS3の判定において各状態に対応した閾値時間以上状態情報を受信していない配送車両がある場合(ステップS3:YES)、処理部10の表示制御部2は、その配送車両が通信異常である旨の表示を含んだ状態で、各配送車両の移動の進捗のディスプレイDにおける一覧表示を、新たな状態情報に基づいて更新する(ステップS4)。このときの一覧表示及び上記配送車両が通信異常である旨の表示については、後ほど図6乃至図8を用いて詳述する。
ここで上記閾値時間とは、配送車両が通信異常を起こしていないかを判定するために上記配送車両の状態ごとに予め設定されている閾値時間である。即ち例えば、配送車両がトンネルを走行中には一時的に通信が途絶える場合や、搭乗者の休憩や作業等のために配送車両のエンジンが停止される場合には、それらよりも長い時間に亘って通信が途絶える場合が考えられる。よって、通信が途絶えてから通信異常と判定するまでの閾値時間は、配送車両の状態ごとに設定しておくのが好ましい。そして、当該状態にあるはずの配送車両からその状態に対応する閾値時間以上状態情報が受信されていない場合に、処理部10の表示制御部2及び報知部4は、当該受信されていない旨を、他の配送車両と識別可能にディスプレイD上に表示する。ここで、より具体的に上記閾値時間は、直前に受信された状態情報に含まれていた上記速度データが有意であって配送車両の状態が走行中であるとされる場合には、例えば5分とされる。また、直前に受信された状態情報に含まれていた上記状態データにより配送車両の状態が駐車中であるとことが示されている場合の上記閾値時間は、例えば30分とされる。更に、直前に受信された状態情報に含まれていた上記状態データにより搭乗者が休憩中であることにより配送車両が停止中であることが示されている場合の上記閾値時間は、例えば1時間とされる。更にまた、直前に受信された状態情報に含まれていた上記状態データにより搭乗者が荷卸中又は荷積中であることにより配送車両が停止中であることが示されている場合の上記閾値時間は、例えば2時間とされる。最後に、直前に受信された状態情報に含まれていた上記状態データにより配送車両が帰社していることが示されている場合の上記閾値時間は、例えば24時間とされる。なおこれらの閾値時間は、例えば各配送車両の通常の移動(運行)状態等を鑑みた統計的な手法等を用いて、基本的には経験的又は実験的に予め設定される。
一方ステップS3の判定において、各状態に対応した閾値時間以上状態情報を受信していない配送車両がない場合(ステップS3:NO)、抽出部3は次に、各配送車両の端末装置Tから受信した状態情報に含まれている上記状態データにより示される当該配送車両の移動の進捗と、その配送車両にその日に割り当てられている予定コースの内容と、が相違する進捗異常が発生している配送車両の有無を確認する(ステップS5)。
ここで上記進捗異常とは、例えば、予定コースとして含まれている目的地のいずれかに立ち寄らずに(即ちその目的地としては未到着となって)配送車両が移動している場合や、端末装置Tによる案内処理において上記指定時刻情報により示されている到着指定時刻より遅れてその目的地に到達することになっている場合等が挙げられる。
ステップS5の判定において進捗異常が発生している配送車両がある場合(ステップS5:YES)、表示制御部2は上記ステップS4に移行し、その配送車両が進捗異常である旨の表示を含んだ状態で、上記一覧表示を新たな状態情報に基づいて更新する。このときの一覧表示及び上記進捗異常である旨の表示についても、後ほど図6乃至図8を用いて詳述する。
他方、ステップS5の判定において進捗異常が発生している配送車両がない場合(ステップS5:NO)、処理部10の表示制御部2は、配送車両が通信異常である旨(上記ステップS3参照)や配送車両が進捗異常である旨(上記ステップS5参照)の表示を含まない通常の状態で、上記一覧表示を新たな状態情報に基づいて更新する(ステップS6)。このときの通常の一覧表示についても、後ほど図6乃至図8を用いて詳述する。
次に処理部10は、操作部4において、上記ステップS3に係る通信異常が発生している配送車両や上記ステップS5に係る進捗異常が発生している配送車両に注目してディスプレイD上の一覧表示をソートにより変更する旨の操作が行われたか否かを判定する(ステップS7)。なお以下の説明において、当該ソートにより変更する旨の操作を、単に「ソート操作」と称する。ステップS7の判定において、当該ソート操作が行われていない場合(ステップS7:NO)、処理部10は後述するステップS9の判定に移行する。一方ステップS7の判定において、当該ソート操作が行われた場合(ステップS7:YES)、表示制御部2は当該ソート操作に沿ってディスプレイD上の一覧表示を更新する(ステップS8)。このときの一覧表示の更新については、後ほど図7及び図8を用いて詳述する。
その後処理部10は、例えばサーバ装置SVとしての電源がオフとされる等により、実施例に係る表示制御処理を終了させるか否かを判定し(ステップS9)、終了させる場合は(ステップS9:YES)、そのまま当該表示制御処理を終了させる。一方ステップS9の判定において、引き続き実施例に係る表示制御処理を継続する場合(ステップS9:NO)、処理部10は上記ステップS1に戻って実施例に係る表示制御処理を繰り返す。この実施例に係る表示制御処理の繰り返しにより、実施例に係る進捗の一覧表示の更新及び上記ソート指示に基づいた当該一覧表示の更新が、各端末装置Tから新たに受信した状態情報(ステップS1参照)に基づいてリアルタイムに繰り返されることになる。
次に、図5を用いて説明した実施例に係る表示制御処理が行われた結果としてディスプレイDに表示される、実施例に係る各配送車両の移動の進捗の表示例、及び上記ソート指示に基づいた当該一覧表示の更新例について、図6乃至図8を用いて説明する。
先ず表示制御部2は、上記ステップS6として説明した通常状態における当該進捗の表示として、図6に示すように、配送車両ごとに、その日の予定コースに沿った移動の進捗を表示する。図6に例示する場合は、第1営業部に属し且つ車両ID「1号車」乃至車両ID「11号車」の各配送車両について、移動の進捗が一覧表示されている。この一覧表示において表示制御部2は、横一行を一台の配送車両に対応させて表示する。そして一台の配送車両については、それが属する組織、車両ID、車番及び運転者名を含む上記車両情報、その配送車両からの状態情報の最新の受信時刻、その配送車両の状態であるステータス表示、その配送車両に割り当てられている予定コースの名称、その配送車両の現在位置、及びその配送車両の移動の目的地の順序に沿った進捗が、それぞれ表示される。
このとき表示制御部2は、視認性の向上等のために、一覧表示における一行ごとに背景の塗り潰しを交互に入れ換えるように表示する。次に表示制御部2は、一覧表示における各配送車両について、それが属する組織、その車両情報及びそれに割り当てられている予定コースの名称について、配送車両データベースDB2から対応するデータを読み出して一覧表示に反映させる。また上記最新の受信時刻は、状態情報データベースDB1に各配送車両について記録されている上記受信時刻データにより示される受信時刻である。
更に表示制御部2は、状態情報データベースDB1に各配送車両について記録されている上記状態データにより示される各配送車両の状態を、図6に例示するような矢印又はマークにより、認識し易く表示する。図6に例示する場合、車両ID「1号車」の配送車両が帰社状態であることが「×」マークと「帰社」の文字を含むマークで表示されている。また、車両ID「2号車」の配送車両、車両ID「3号車」の配送車両、車両ID「6号車」の配送車両、車両ID「7号車」の配送車両、車両ID「9号車」乃至車両ID「11号車」の各配送車両が走行中であることが矢印マークで表示されている。このとき表示制御部2は、各矢印マークに対応する位置(具体的には矢印マークの下方)に、状態情報データベースDB1に各配送車両について記録されている上記速度データにより示される各配送車両の速度を表示する。
一方図6に例示する場合、その搭乗者が荷卸中であることにより車両ID「4号車」の配送車両が停車中であることが図6に例示するマークで表示されており、その搭乗者が休憩中であることにより車両ID「8号車」の配送車両が停車中であることが図6に例示するマークで表示されている。更に、車両ID「5号車」の配送車両が駐車中であることが図6に例示するマークで表示されている。
なお図6に例示するように、各マークにより示される配送車両の状態(即ち「荷卸中」の状態、「休憩中」の状態又は「駐車中」の状態等)を具体的に示す文字を、それぞれのマークと共に表示するように構成してもよい。
他方表示制御部6は、状態情報データベースDB1に各配送車両について記録されている上記位置データにより示される各配送車両の位置を、配送車両ごとに「現在地」として表示する。
更に表示制御部6は、配送車両データベースDB2に記録されている予定コースの目的地リストに基づき、その日の各目的地についての移動の進捗を、配送車両ごとに且つ目的地ごとに表示する。例えば図6に示す車両ID「5号車」の配送車両の場合、2016年5月11日は、本社→MD事業所→KF事業所→K1事業所→K2事業所→K3事業所、の順で移動すべきことが予定コースとして予定されており、目的地ごとの上記指定時刻情報により指定されている到着指定時刻が、目的地ごとに合わせて表示される。この場合に車両ID「5号車」の配送車両の端末装置Tでは、目的地ごとに到指定着時刻に到着するようにその案内処理部16による案内処理が実行され、目的地に到達するごとに到着時刻が入力される。この点は、各配送車両において同様である。そして表示制御部2は、現在の目的地を、他の目的地とは異なる態様で表示する。即ち図6に例示する場合、その時点での目的地(例えば車両ID「5号車」の配送車両は「本社」)がクロスハッチングにより、「目的地」の文字及びそれを示すマークと共に、配送車両ごとに示されている。
また表示制御部2は、例えば状態情報データベースDB1に各配送車両について記録されている上記位置データに基づき、各配送車両について、到着済みの目的地と未到着の目的地とを識別可能に表示する。より具体的に表示制御部2は、未到着の目的地については、一覧表示におけるその行としての背景色のまま、「未到着」の文字と共に表示し、一方到着済みの目的地については、当該背景色よりも濃い背景色を用いて、「到着」の文字と共に表示する。なお、各目的地についての到着済み/未到着の識別は、上述した位置データを用いる他に、その配送車両の搭乗者の入力操作に基づく上記状態データとして示される到着済み/未到着のデータを用いてもよい。
次に上述した通常の一覧表示において、報知部4は、図5ステップS3に関連する通信異常が発生している配送車両(図5ステップS3:YES参照)については、その旨を、当該通信異常が発生していない配送車両から識別可能に表示する(図5ステップS4参照)。例えば図6に示す車両ID「4号車」の配送車両の場合、配送車両の状態が「荷卸中」であり、その状態に対応する上記閾値時間は2時間であるが、一覧表示全体の更新時刻である13時に対して2時間以上状態情報が受信されていない(図5ステップS3:YES参照)。よって報知部4は、この配送車両について上記通信異常が生じていることを、例えば図6に示すハッチングにより表示する(図5ステップS4参照)。また図6に示す車両ID「5号車」の配送車両の場合、配送車両の状態が「駐車中」であり、その状態に対応する上記閾値時間は30分であるが、上記13時に対して30分以上状態情報が受信されていない(図5ステップS3:YES参照)。よって報知部4は、この配送車両について上記通信異常が生じていることを、例えば図6に示すハッチングにより表示する(図5ステップS4参照)。更に図6に示す車両ID「8号車」の配送車両の場合、配送車両の状態が「休憩中」であり、その状態に対応する上記閾値時間は1時間であるが、上記13時に対して1時間以上状態情報が受信されていない(図5ステップS3:YES参照)。よって報知部4は、この配送車両について上記通信異常が生じていることを、例えば図6に示すハッチングにより表示する(図5ステップS4参照)。最後に図6に示す車両ID「11号車」の配送車両の場合、配送車両の状態が「走行中」であり、その状態に対応する上記閾値時間は5分であるが、上記13時に対して5分以上状態情報が受信されていない(図5ステップS3:YES参照)。よって報知部4は、この配送車両について上記通信異常が生じていることを、例えば図6に示すハッチングにより表示する(図5ステップS4参照)。
更に上述した通常の一覧表示において、報知部4は、図5ステップS5に関連する進捗異常が発生している配送車両(図5ステップS5:YES参照)については、その旨を、当該進捗異常が発生していない配送車両から識別可能に表示する(図5ステップS4参照)。例えば図6に示す車両ID「10号車」の配送車両の場合、現在の目的地「K1事業所」についての上記到着指定時刻に対して案内処理上の到着予想時刻が30分遅れる進捗異常が発生している(図5ステップS5:YES参照)。よって報知部4は、この配送車両について上記通信異常が生じていることを、例えば図6に示す破線の囲み表示F2により表示する(図5ステップS4参照)。また図6に示す車両ID「11号車」の配送車両の場合、目的地「MD事業所」が未到着となって次の目的地が到着となっている進捗異常が発生している(図5ステップS5:YES参照)。よって報知部4は、この配送車両について上記進捗異常が生じていることを、例えば図6に示す実線の囲み表示F1により表示する(図5ステップS4参照)。このとき、車両ID「10号車」の配送車両と車両ID「11号車」の配送車両とでは、進捗異常の具体的内容が異なっている。そして、配送車両の管理としては、本来到着すべき目的地に到着せずに次の目的地に到着することの方が、目的地への到着が遅れるよりも深刻な進捗異常であると言える。そこで報知部4は、車両ID「11号車」の配送車両についての進捗異常の表示(囲み表示F1)の方を、車両ID「10号車」の配送車両についての進捗異常の表示(囲み表示F2)よりも、より目立つように表示する。なお表示制御部2は、実施例に係る上記囲み表示F1及び囲み表示F2の表示色を、より管理者の注意を引き易い例えば赤色として当該囲み表示F1及び囲み表示F2を表示してもよい。
なお図6に例示する一覧表示において、その右上の「戻る」ボタンの左側に横に並んで例示されているような選択ボタンを用いて、ディスプレイDにおける一覧表示を他の態様の表示に変更するように構成してもよい。また図6に例示する一覧表示においては、移動の進捗が車両IDごとに並べられているが、「並べかえ」のプルダウンメニューとして、車両IDの他に、例えば「車両番号(自動車登録番号)」、「搭乗者名(運転者名)」、「状態情報の最新受信時刻」又は「予定コース」を予め設定しておき、これらにより、一覧表示としての並べかえの順序を変更して表示するように構成してもよい。
他方、図5ステップS7に係るソート操作が行われた場合、表示制御部2は、例えば上記通信異常が発生している配送車両を優先するソート操作の場合は、図6に例示した一覧表示を、例えば図7に例示する一覧表示に変更する(図5ステップS8参照)。この図7に例示する一覧表示の場合、他の表示態様を変更することなく、通信異常が発生している配送車両(車両IDが「4号車」、「5号車」、「8号車」及び「11号車」である各配送車両)が上位に表示されている。
また表示制御部2は、例えば上記進捗異常が発生している配送車両を優先するソート操作の場合は、図6に例示した一覧表示を、例えば図8に例示する一覧表示に変更する(図5ステップS8参照)。この図8に例示する一覧表示の場合、他の表示態様を変更することなく、進捗異常が発生している配送車両(車両IDが「11号車」及び「10号車」である各配送車両)が上位に表示されている。このとき表示制御部2は、配送車両の管理としてより深刻な進捗異常が発生している配送車両(図8に例示する場合、車両IDが「11号車」である配送車両)の方を、より上位に並べ替えて表示する。
なお、図6乃至図8の表示例において、車両ID「3号車」の配送車両及び車両ID「4号車」の配送車両については、その日は一の目的地のみに移動する予定コースであるので、複数の目的地を含む上記予定コースの名称としては設定されておらず、他の目的地についての表示もされていない。また、車両ID「2号車」の配送車両については、その日については予め設定されたコース又は目的地に向けて移動することがないため、単に走行中であることのみが、対応するマーク及び速度の表示により示されている。
以上それぞれ説明したように、実施例に係る表示制御処理によれば、各配送車両の状態を示す状態情報に基づき、状態情報の最新受信時刻を含む移動の進捗を、新たな状態情報の受信に対応して受信時刻データを更新しつつ、複数の配送車両について一覧表示させる。そして、既定の閾値時間以上受信時刻データが更新されない配送車両に関連する報知を行う。よって、各配送車両の移動の進捗が一覧表示される場合に、状態情報の受信時刻データの更新がされない配送車両について即時且つ個別に報知することができる。
また、各配送車両の搭乗者の入力操作に基づいて生成され且つその配送車両が予定された停止状態(「駐車中」或いは荷卸し又は荷積みのための「停車中」等)であることを示す状態データを少なくとも含む状態情報に基づいて、走行中又は停止状態のいずれかを少なくとも示す配送車両の移動の進捗が一覧表示される。よって、各配送車両が走行中であるか停止状態であるかを少なくとも示す移動の進捗が一覧表示される場合に、状態情報の受信時刻データの更新がされない配送車両について即時且つ個別に報知することができる。
更に、配送車両の走行中又は停止状態のそれぞれに対応するマークを用いて移動の進捗が表示されるので、見易い状態で各配送車両の移動状態又は停止状態を少なくとも示す移動の進捗を一覧表示できると共に、状態情報の受信時刻データの更新がされない配送車両について即時且つ個別に報知することができる。
更にまた、配送車両ごとの異なる状態にそれぞれ対応した閾値時間を用いて受信時刻データが更新されない配送車両を抽出するので、配送車両の状態に応じて異なる閾値時間を用いることで、受信時刻データが更新されない配送車両を適切且つ個別に抽出することができる。
また配送車両の各状態にそれぞれ対応した上記閾値時間について、
配送車両が帰社していることが示されている場合の閾値時間(例えば24時間)>
搭乗者が荷卸中又は荷積中で配送車両が停止中であることが示されている場合の閾値時間(例えば2時間)>
搭乗者が休憩中で配送車両が停止中であることが示されている場合の閾値時間(例えば1時間)>
配送車両の状態が駐車中であるとことが示されている場合の閾値時間(例えば30分)>
配送車両の状態が走行中であるとされる場合の閾値時間(例えば5分)
の関係とされているので、受信時刻データが更新されない配送車両をより適切且つ個別に抽出することができる。
更に、各配送車両にそれぞれ対応した予定コースとの関係における、当該配送車両の移動の進捗を配送車両ごとに検出し、その検出された進捗を、配送車両ごとに且つ対応する車両情報等と共にディスプレイDに表示する(図6乃至図8参照)。よって、各配送車両についての移動の進捗が車両情報等と共に表示される場合に、状態情報の受信時刻データの更新がされない配送車両について即時且つ個別に報知することができる。
更にまた、各配送車両とそれらが属する組織とを関連付ける配送車両データベースDB2に基づき、当該組織の管理下にある各配送車両の移動の進捗をその組織ごとに表示させる。よって、各配送車両についての移動の進捗をそれらが属する組織ごとに表示しつつ、状態情報の受信時刻データの更新がされない配送車両について即時且つ個別に報知することができる。
また、報知を行うべき既定の報知状態(例えば通信異常の状態又は進捗異常の状態)にある配送車両を抽出し、その抽出された配送車両を報知状態の属性ごとに報知するので(図6乃至図8参照)、報知されるべき状態にある配送車両を個別に判り易く報知することができる。
更に、報知状態にある配送車両の、逐次受信される状態情報に基づいた抽出結果に基づいてその配送車両の報知を更新する(図5ステップS9:NO→ステップS1の処理参照)ので、報知状態にある配送車両を、リアルタイムで個別に判り易く報知することができる。
更にまた、移動の進捗の一覧表示において、報知状態にある配送車両についての移動の進捗を、他の配送車両についての移動の進捗に対して識別可能に報知する(図6乃至図8参照)ので、当該報知状態にある配送車両についての移動の進捗を、より判り易く個別に報知することができる。
また、報知状態にある配送車両の、逐次受信される状態情報に基づいた抽出結果に基づいて、当該配送車両についての移動の進捗の識別可能な報知を更新する(図5ステップS9:NO→ステップS1の処理参照)ので、報知されるべき状態にある配送車両についての移動の進捗を、リアルタイムで判り易く個別に報知することができる。
なお上述した実施例では、進捗異常の状態にある配送車両を囲み表示F1又は囲み表示F2の表示により報知し、通信異常の状態にある配送車両をハッチング表示により報知した。しかしながらこれら以外に、例えばサーバ装置SVの図示しないスピーカによる警告音の放音により当該各報知を行ってもよい。更には、当該囲み表示F1等の表示又はハッチング表示と、上記警告音の放音と、を並行して行ってもよい。
また上述した実施例では、各配送車両とそれらが管理される組織とを関連付けた配送車両データベースDB2を用いたが、これ以外に、各配送車両の搭乗者と彼らが管理される組織とを関連付けた搭乗者データベースを用いてもよい。この場合の搭乗者データベースは、実施例に係る配送車両データベースDB2と同様に、各端末装置Tが搭載された配送車両の搭乗者と、彼らが属する組織と、各搭乗者について日ごとに計画される予定コースと、を関連付けたデータベースであればよい。
更にまた上述した実施例では、移動体としての車両の移動の進捗等の表示制御に実施形態を適用したが、これ以外に、移動体としての二輪車、自転車又は人の移動の進捗等の表示制御に実施形態を適用してもよい。
また、図5に示したフローチャートに相当するプログラムを、光ディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して取得しておき、これを汎用のマイクロコンピュータ等に読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータ等を実施例に係る処理部10として機能させることも可能である。