JP2018044724A - 乾燥装置及び熱処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱体を支持する筐体から外部への熱放射を低減する技術を提供する。【解決手段】乾燥装置40は、基材5に形成された塗布膜を乾燥させる。乾燥装置40は、第1方向である−z方向に熱を放射する赤外線ヒータ42と、赤外線ヒータ42を内側にて支持する筐体部44と、筐体部44の外面との間に隙間40Sを形成しつつ筐体部44の外面を覆い、かつ、隙間40Sに連通する開口46opを形成する外壁部46と、筐体部44及び外壁部46の隙間40Sの雰囲気を排出する排出部50とを備える。外壁部46が形成する開口46opは、−z方向に向いている。【選択図】図3

Description

この発明は、基材に形成された塗布膜を乾燥させる技術に関する。
従来、リチウムイオン二次電池などの化学電池の製造においては、基材としての金属箔の上に比較的高粘度の電極材料の塗布膜を形成し、その塗布膜の乾燥処理が行われている。塗布膜の乾燥処理としては、乾燥炉内に搬送された基材の塗布膜に熱風を吹き付けて溶剤を蒸発させる熱風乾燥方式が採用されている(例えば、特許文献1,特許文献2)。また、赤外線ヒータを用いて塗布膜に赤外線を照射することによって、塗布膜を乾燥させることも提案されている(例えば、特許文献3)。赤外線ヒータを用いて塗布膜を乾燥させる場合、塗布膜に熱風を吹き付けて乾燥させる場合に比べて、塗布膜の平滑性を高めることができる。
特開2015−83920号公報 特開2012−202600号公報 特開2004−71472号公報
しかしながら、赤外線ヒータなどの発熱体を用いた場合、発熱体からその発熱体を支持する筐体に伝熱することで、筐体が加熱される。すると、筐体が配される乾燥炉内の温度が、筐体からの放射伝熱によって過熱状態となり、基材及び塗布膜が必要以上に加熱されてしまうおそれがある。このため、発熱体を高温に維持することが難しくなっており、その結果、発熱体からの放射熱を十分に利用することが困難となっていた。
本発明は、発熱体を支持する筐体から外部への熱放射を低減する技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、第1態様は、基材に形成された塗布膜を乾燥させる乾燥装置であって、第1方向に熱を放射する発熱体と、前記発熱体を内側にて支持する筐体部と、前記筐体部の外面の少なくとも一部を、隙間を形成しつつ覆い、かつ、前記隙間に連通する開口を形成する外壁部と、前記筐体部及び前記外壁部の前記隙間の雰囲気を排出する排出部とを備える。
また、第2態様は、第1態様の乾燥装置であって、前記外壁部が形成する前記開口が、前記第1方向に向けられている。
また、第3態様は、第2態様に係る乾燥装置であって、前記外壁部が前記筐体部よりも前記第1方向に長く延びる延長部分を有する。
また、第4態様は、第1態様から第3態様のいずれか1つの乾燥装置であって、前記筐体部は、前記第1方向に開口を形成しており、内部に前記発熱体を支持する内壁部と、前記内壁部の前記開口を塞ぐ底部とを含み、前記内壁部及び前記底部の連結部分が面一に形成されている。
また、第5態様は、第1態様から第4態様のいずれか1つの乾燥装置であって、前記筐体部及び前記外壁部を連結する連結部、をさらに備え、前記連結部は、前記筐体部及び前記外壁部に形成された貫通孔に通される軸部、及び、前記軸部の先端に設けられた頭部を有するボルトと、前記ボルトの前記軸部に螺合するナットと、前記筐体部及び前記外壁部の一方と前記ボルトの前記頭部との間、前記筐体部及び前記外壁部の他方と前記ナットとの間、並びに、前記筐体部及び前記外壁部の間に挟まれる断熱材とを含み、前記筐体部及び前記外壁部のいずれかに形成された前記貫通孔は、前記軸部よりも大きく開口しており、該貫通孔の縁部が前記軸部に非接触とされる。
また、第6態様は、第1態様から第5態様のいずれか1つの乾燥装置であって、前記外壁部の前記開口付近の温度を検出する温度検出器と、前記温度検出器によって検出された温度に応じて、前記発熱体の温度を制御する温度制御部とをさらに備える。
また、第7態様は、第1態様から第6態様のいずれか1つの乾燥装置であって、前記筐体部に支持されており、前記発熱体の前記第1方向側を覆うガラス部材、をさらに備える。
また、第8態様は、基材に形成された塗布膜を乾燥させる熱処理システムであって、基材を搬送する搬送機構と、前記搬送機構によって搬送される基材が内部に進入する進入口、及び、基材を外側へ退出させる退出口が形成されたチャンバーと、前記チャンバーの内部に配された前記乾燥装置とを備え、前記乾燥装置は、第1方向に熱を放射する発熱体と、内側にて前記発熱体を支持する筐体部と、前記筐体部の外面との間に隙間を形成しつつ、前記筐体部の外面の少なくとも一部を覆い、かつ、開口を形成する外壁部と、前記筐体部及び前記外壁部の前記隙間の雰囲気を排出する排出部とを含み、前記排出部は、前記雰囲気を前記チャンバーの外部に排出する。
また、第9態様は、第8態様の熱処理システムであって、前記外壁部が形成する前記開口は、前記第1方向を向いており、前記開口が、前記搬送機構によって前記基材が搬送される方向に交差する方向に延びる。
第1態様の乾燥装置によると、発熱体の熱によって加熱される筐体部の外面のうち、外壁部で覆われた部分については、雰囲気の排出によって外側に熱を放射することを抑制できる。これによって、乾燥装置が配置される乾燥炉の内部温度が上昇することを低減できる。
第2態様の乾燥装置によると、発熱体の発熱面を基材に対向させたときに、開口を基材に向けることができる。これによって、基材の塗布膜から蒸発した溶媒を含む雰囲気を、外壁部が形成する開口を通じて筐体部及び外壁部間の隙間に吸引でき、排出部によってその雰囲気を外部に排出できる。
第3態様の乾燥装置によると、外壁部のうち筐体部より長く延びる延長部分によって、基材の塗布膜から蒸発した溶媒を含む雰囲気を、筐体部及び外壁部の隙間に導くことができる。したがって、溶媒を含む雰囲気を効率的に排出できる。
第4態様の乾燥装置によると、内壁部及び底部の連結部分が面一に形成されていることによって、基材の塗布膜から蒸発した溶媒を含む雰囲気が、内壁部と底部との間にて滞留することを抑制できる。
第5態様の乾燥装置によると、断熱材を設けることによって、筐体部の熱が外壁部に伝導することを抑制できる。また、筐体部及び外壁部のいずれかに形成された貫通孔の縁部がボルトの軸部に非接触とされることによって、ボルトを介して、筐体部の熱が外壁部に伝導することを抑制できる。
第6態様の乾燥装置によると、開口に流入する雰囲気の温度を検出することによって、基材の乾燥処理を好適に行うことができる。
第7態様の乾燥装置によると、発熱体の第1方向側にガラス部材が設けられているため、基材の塗布膜から蒸発した溶媒が発熱体に付着することを抑制できる。これによって、蒸発した溶媒が発熱体に直接加熱されて反応することを抑制できる。
第8態様の熱処理システムによると、発熱体によって加熱された筐体部の熱が、チャンバー内に伝導することを抑制できる。これによって、チャンバー内の温度が上昇することを低減できる。
第9態様の熱処理システムによると、基材の幅方向に亘って基材から蒸発した溶媒を排出できる。
実施形態の熱処理システム100を示す図である。 実施形態の乾燥炉30の概略構成を示す図である。 実施形態の乾燥装置40の概略構成を示す図である。 実施形態の乾燥装置40の概略底面図である。 実施形態の連結部48を拡大して示す概略図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。各図面においては、それらの方向関係を明確にするためZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を適宜付している。ただし、このXYZ直交座標系は、熱処理システム100の各要素の位置関係を限定するものではない。また、各図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張又は簡略化して図示されている場合がある。
<1. 第1実施形態>
図1は、実施形態の熱処理システム100を示す図である。この熱処理システム100は、基材としての金属箔の上に電極材料である活物質の塗布膜を形成し、その塗布膜の乾燥処理を行ってリチウムイオン二次電池の電極製造を行う装置である。熱処理システム100は、塗布処理部10、予熱部20、乾燥炉30、アニール部60、冷却部70および搬送機構80を備える。また、熱処理システム100は、塗布処理部10に電極材料の塗布液を送給するポンプユニット15および電源等を収納する電装ボックス90を備える。
基材5は、リチウムイオン二次電池の集電体として機能する金属箔である。熱処理システム100にてリチウムイオン二次電池の正極を製造する場合には、基材5として例えばアルミニウム箔(Al)を用いることができる。また、熱処理システム100にて負極を製造する場合には、基材5として例えば銅箔(Cu)を用いることができる。基材5は長尺のシート状の金属箔であり、その幅および厚さについては特に限定されないが、例えば、幅600mm〜700mm、厚さ10μm〜20μmとするとよい。
長尺の基材5は、−Y側に配された供給ローラ81から送り出されて、+Y側に配された巻取ローラ82によって巻き取られることにより、塗布処理部10、予熱部20、乾燥炉30、アニール部60、冷却部70の順に搬送される。搬送機構80は、これら供給ローラ81および巻取ローラ82と複数の補助ローラ83a〜83eとを備える。なお、補助ローラ83a〜83eの個数又は配置については、図1の例に限定されるものではなく、必要に応じて適宜に増減又は位置変更してよい。
塗布処理部10は、塗布ノズル11およびバックアップローラ12を備える。バックアップローラ12に押圧支持された状態で走行する基材5の表面に塗布ノズル11から電極材料である活物質の溶液を塗布する。熱処理システム100にて正極を製造する場合には、塗布ノズル11から正極材料として、例えば正極活物質であるコバルト酸リチウム(LiCoO)、導電助剤であるカーボン(C)、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)の混合液を基材5に塗布する。コバルト酸リチウムに代えて、例えば、正極活物質としてニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、燐酸鉄リチウム(LiFePO)などを用いてもよい。
一方、熱処理システム100にて負極を製造する場合には、塗布ノズル11から負極材料として、例えば負極活物質である黒鉛(グラファイト)、結着剤であるPVDF、溶剤であるNMPの混合液を基材5に塗布する。黒鉛に代えて、負極活物質としてハードカーボン、チタン酸リチウム(LiTi12)、シリコン合金、スズ合金などを用いることもできる。また、正極材料および負極材料の双方において、結着剤としてPVDFに代えてスチレン−ブタジエンゴム(SBR)などを使用することができ、溶剤としてNMPに代えて水(HO)などを使用することができる。さらに、結着剤としてSBR、溶剤として水を用いる場合には、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を併用することもできる。これら正極材料および負極材料の塗布液は固体(微粒子)が分散されたスラリーであってその粘度はいずれも1Pa・s(パスカル秒)以上であり、一般的にチクソトロピー性を有する。
塗布ノズル11としては、基材5の幅方向(X軸方向)に沿ってスリット状の吐出口を設けたスリットノズルを用いることができる。塗布ノズル11は、ポンプユニット15から送給された電極材料の塗布液を吐出口から吐出して走行する基材5に塗布し、基材5の表面に電極材料の塗布膜を形成する。塗布処理部10において基材5の表面に形成される電極材料の塗布膜の厚さは数百ミクロンであり、基材5の厚さの10倍以上である。このような比較的厚い塗布膜を形成したとしても、電極材料は1Pa・s(パスカル秒)以上の粘度を有する高粘度のスラリーであるため、液ダレ等は生じ難くなっている。塗布処理部10にて電極材料の塗布膜が形成された基材5は搬送機構80によって予熱部20、乾燥炉30、アニール部60、冷却部70に順に搬送されて塗布膜の乾燥処理が行われる。
本実施形態の熱処理システム100には、基材5の上に形成された電極材料の塗布膜を加熱する3つのゾーンが設けられている。上流から順に第1の加熱ゾーンである予熱部20は、基材5の上に形成された塗布膜を昇温し、一定時間の予熱を行う。また、第2の加熱ゾーンである乾燥炉30は、主たる乾燥処理を行う処理部であり、予熱部20にて予熱された塗布膜を加熱して溶剤を蒸発させる。さらに、アニール部60は、塗布膜をより高温に加熱し、塗布膜に残留している溶剤を除去するとともに、乾燥炉30での乾燥処理で塗布膜中に発生した歪みおよび残留応力を除去する。
図2は、実施形態の乾燥炉30の概略構成を示す図である。乾燥炉30は、チャンバー32を備える。チャンバー32は、補助ローラ83b及び補助ローラ83cによって搬送される基材5の搬送方向(+Y方向)に延びている。この搬送方向は、基材5の長さ方向に一致する。チャンバー32には、基材5を内部に進入させるための進入口34が搬送方向上流側(−Y側)の端部に形成されている。また、チャンバー32には、基材5を外部に退出させるための退出口36が搬送方向下流側(+Y側)の端部に形成されている。
チャンバー32の内部には、複数台(ここでは、7台)の乾燥装置40がY軸方向に沿って配列されている。なお、チャンバー32の乾燥装置40の台数は、1台であってもよい。
図3は、実施形態の乾燥装置40の概略構成を示す図である。図4は、実施形態の乾燥装置40の概略底面図である。図4においては、基材5を二点鎖線で示している。乾燥装置40は、赤外線ヒータ42(発熱体)、筐体部44及び外壁部46を備える。
赤外線ヒータ42は、矩形の板状に形成されており、基材5の塗布膜が形成された表面に対向する面は、赤外線(近赤外線又は遠赤外線を含む。)を面状に放射する熱放射面420となっている。すなわち、赤外線ヒータ42の熱放射面420は、基材5に向かう−Z方向(第1方向)に熱を放射する。赤外線ヒータ42は、発熱制御部422によってその温度が制御される。
筐体部44は、赤外線ヒータ42を内側にて支持する部材である。筐体部44は、例えば金属材料で構成されており、−Z側(第1方向側)が開口する内壁部440と、その内壁部440の−Z側端部の開口を塞ぐ石英ガラス442とを備える。本例では、赤外線ヒータ42は、筐体部44における内壁部440の−Z側端部よりも+Z側の位置に支持されている。赤外線ヒータ42は、内壁部440に対して、圧入固定又はネジ止めなどによって固定されている。石英ガラス442は、筐体部44に支持されており、赤外線ヒータ42の−Z側を塞ぐ底部となっている。
内壁部440の−Z側端部と、石英ガラス442との連結部分は、面一に形成されている。このため、基材の塗布膜から蒸発した溶媒を含む雰囲気が、内壁部440と底部である石英ガラス442との接続部分で滞留することを抑制できる。
赤外線ヒータ42の熱放射面420と、基材5の表面との間に、石英ガラス442が配されていることによって、基材5の塗布膜から蒸発した溶媒が、赤外線ヒータ42に直接に接することを抑制できる。これによって、蒸発した溶媒が赤外線ヒータ42に直接加熱されて反応することを抑制できる。
外壁部46は、金属材料などによって形成された板状の部材であり、筐体部44との間に隙間40Sを形成しつつ、筐体部44の外面の少なくとも一部を覆っている。本例では、外壁部46は、筐体部44の四方の側面(+X側面、―X側面、−Y側面及び+Y側面)のそれぞれを覆う4つの側板部460と、筐体部44の天井面(+Z側面)を覆う天板部462とを備える。そして、4つの側板部460の−Z側端部は、筐体部44とともに、隙間40Sに連通する開口46opを形成している。開口46opは、筐体部44の−Z側端部の四方を囲んでいる。
筐体部44及び外壁部46は、複数の連結部48によって連結されている。
外壁部46の天板部462の内側には、筒状部分4620が形成されている。筒状部分4620の内側は、筐体部44及び外壁部46の間の隙間40Sに連通しているとともに、後述する排出部50に連通している。
乾燥装置40の構成要素である排出部50は、ポンプ又は換気扇などで構成されている。排出部50は、本例では、図2に示すように、複数台の乾燥装置40に対して1台の排出部50が設けられている。ただし、乾燥装置40各々に対して、1つずつ排出部50が設けられてもよい。
排出部50は、外壁部46の筒状部分4620に接続されており、隙間40S内の雰囲気をチャンバー32の外に排出する。すなわち、排出部50が動作することによって、チャンバー32内の雰囲気が、開口46op、隙間40Sを通じて、チャンバー32の外に排出される。
特に、開口46opは、基材5の表面に向かう方向(−Z方向)に向けられている。このため、開口46opが基材5に向けられることによって、基材5上の雰囲気を効率よく吸引できる。また、開口46opが向けられる−Z方向は、赤外線ヒータ42が熱を放射する方向(熱放射面420が向く方向)に一致する。このため、赤外線ヒータ42からの熱によって加熱されて基材5から蒸発した溶媒を、開口46opを介して効率よく吸引できる。
開口46opが基材5の搬送方向に交差する幅方向(X軸方向)に延びるため、基材5の幅方向に亘って雰囲気を吸引できる。これによって、基材5上の雰囲気を幅方向に亘って吸引できるため、基材5を幅方向に亘って良好に処理することができる。
外壁部46の側板部460各々は、筐体部44の内壁部440よりも第1方向に長く延びる延長部分464を有する。延長部分464を設けることによって、基材5の塗布膜から蒸発した溶媒を含む雰囲気を、筐体部44及び外壁部46の開口46opを通じて隙間40Sに導くことができる。したがって、溶媒を含む雰囲気を効率的に排出できる。
以上のように、赤外線ヒータ42の熱によって加熱される筐体部44の外面のうち、外壁部46で覆われた部分については、筐体部44から乾燥装置40外に直接熱が放射されることを抑制できる。また、排出部50によって、筐体部44と外壁部46との間の隙間40Sの雰囲気が排出されることによって、外壁部46の外側に熱が放射されることを低減できる。これによって、乾燥装置40が配置される乾燥炉30のチャンバー32の内部温度が上昇することを抑制できる。したがって、チャンバー32の内部温度の上昇によってではなく、発熱体である赤外線ヒータ42からの放射熱によって、基材5及び塗布膜を有効に加熱できる。
ここで、赤外線ヒータ42は、その発熱温度に応じて、生じる放射熱の波長特性が異なる。具体的には、赤外線ヒータ42が高温になるほど、放射熱に含まれる遠赤外線領域が増大する。一般的に、遠赤外線量が増大すると、塗布膜の内部に進入する放射熱量が増大するため、塗布膜の内部を有効に乾燥できる。つまり、赤外線42を高温にすることによって、赤外線ヒータ42からの放射熱を有効利用できる。
従来技術のように、外壁部46を設けない場合、チャンバー32の内部温度が上昇することによって、基材5及び塗布膜が必要以上に加熱されるおそれがある。このため、赤外線ヒータ42を十分高温にすることが困難となり、その結果、乾燥に寄与する遠赤外線量が不十分となることによって、塗布膜の内部を十分に乾燥することが困難となる。
なお、図3及び図4に示すように、外壁部46の−Z側端部に庇部466を設けてもよい。庇部466は、X軸方向に延びる板状に形成された部材である。ここでは、外壁部46の4つの側板部460のうち、+Y側の側板部460に設けられている。
庇部466の主面のうち、筐体部44側の内側主面は、外壁部の端部に接続する46基端部の側から反対側の先端側に向けて、基材5の搬送方向である+Y方向に傾く傾斜面となっている。このような庇部466を設けることによって、塗布膜から蒸発した溶媒を、開口46opに誘導できる。
なお、外壁部46は、筐体部44の必ずしも四方の側面全てを覆うことは必須ではなく、四方の側面のうち一部を覆っていてもよい。ただし、開口46opは、基材5の搬送方向に交差する方向(X軸方向)に延びていることが望ましい。
また、開口46opを、筐体部44及び外壁部46の双方によって形成することは必須ではない。例えば、開口46opを、外壁部46の4つの側板部460に形成してもよい。4つの側板部460に開口46opを形成した場合、開口46opは、+X方向、−X方向、+Y方向及び−Y方向に向けられる。すなわち、開口46opが−Z方向(すなわち、)に向けられることも必須ではない。
図5は、実施形態の連結部48を拡大して示す概略図である。連結部48は、ボルト480と、ナット482と、断熱材484a,484b,484cを備える。
ボルト480は、筐体部44及び外壁部46に形成された貫通孔44H,46Hに挿通される軸部480a、及び、軸部480aの端部に設けられた頭部480bを有する。ナット482は、ボルト480の軸部480aの外周に形成されたネジ溝に螺合する。本例では、頭部480bは、外壁部46の外側に配されており、ナット482は筐体部44の内側に配されている。
断熱材484aは、ボルト480の頭部480bと外壁部46との間に挟まれて保持されている。また、断熱材484bは、ナット482と筐体部44との間に挟まれて保持されている。さらに、断熱材484cは、筐体部44と外壁部46との間に挟まれて保持されている。断熱材484a,484b,484cは、ボルト480の軸部480aの周囲の全部又は一部を覆うように取付けられている。
筐体部44の貫通孔44Hの内径は、ボルト480の軸部480aの外径よりも大きくなっており、貫通孔44Hの内周が、軸部480aに非接触とされている。
断熱材484a,484b,484cを設けることによって、赤外線ヒータ42から筐体部44に伝導した伝導熱が、外壁部46に伝導することを抑制できる。また、筐体部44の貫通孔44Hの内周面がボルト480の軸部480aに非接触とされることによって、ボルト480を介して筐体部44の熱が外壁部46に伝導することを抑制できる。
なお、ナット482を外壁部46の外側に配し、ボルト480の頭部480bを筐体部44の内側に配されてもよい。また、外壁部46の貫通孔46Hの内径をボルト480の軸部480aの外径よりも大きくすることによって、貫通孔46Hの内周面がボルト480の軸部480aの外周面に非接触となるようにしてもよい。
図3に示すように、乾燥装置40は、温度検出器49を備える。温度検出器49は、外壁部46が形成する開口46op付近の温度を検出する。本例では、温度検出器49は、筐体部44の−Z側端部に設けられている。温度検出器49は、検出された温度に応じた検出信号を発熱制御部422に入力する。発熱制御部422は、その検出信号に基づいて、赤外線ヒータ42の温度を制御する。
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
本発明に係る技術を用いて乾燥処理を行う対象となる塗布膜はリチウムイオン二次電池の電極材料膜に限定されるものではなく、例えば太陽電池材料(電極材、封止材)の塗布膜または電子材料の絶縁膜や保護膜であってもよい。比較的粘度の高い材料を厚く塗布した塗布膜を乾燥させるのに本発明に係る技術を好適に適用することができる。よって、顔料や接着剤の塗布膜を乾燥させるのに、本発明に係る技術を用いるようにしてもよい。
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
100 熱処理システム
5 基材
30 乾燥炉
32 チャンバー
34 進入口
36 退出口
40 乾燥装置
40S 隙間
42 赤外線ヒータ(発熱体)
420 熱放射面
422 発熱制御部
44 筐体部
440 内壁部
442 石英ガラス(底部)
44H 貫通孔
46 外壁部
46H 貫通孔
46op 開口
460 側板部
462 天板部
48 連結部
480 ボルト
480a 軸部
480b 頭部
482 ナット
484a,484b,484c 断熱材
49 温度検出器
50 排出部
80 搬送機構
81 供給ローラ
82 巻取ローラ

Claims (9)

  1. 基材に形成された塗布膜を乾燥させる乾燥装置であって、
    第1方向に熱を放射する発熱体と、
    前記発熱体を内側にて支持する筐体部と、
    前記筐体部の外面の少なくとも一部を、隙間を形成しつつ覆い、かつ、前記隙間に連通する開口を形成する外壁部と、
    前記筐体部及び前記外壁部の前記隙間の雰囲気を排出する排出部と、
    を備える、乾燥装置。
  2. 請求項1の乾燥装置であって、
    前記外壁部が形成する前記開口が、前記第1方向に向けられている、乾燥装置。
  3. 請求項2に記載の乾燥装置であって、
    前記外壁部が前記筐体部よりも前記第1方向に長く延びる延長部分を有する、乾燥装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項の乾燥装置であって、
    前記筐体部は、
    前記第1方向に開口を形成しており、内部に前記発熱体を支持する内壁部と、
    前記内壁部の前記開口を塞ぐ底部と、
    を含み、
    前記内壁部及び前記底部の連結部分が面一に形成されている、乾燥装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項の乾燥装置であって、
    前記筐体部及び前記外壁部を連結する連結部、
    をさらに備え、
    前記連結部は、
    前記筐体部及び前記外壁部に形成された貫通孔に通される軸部、及び、前記軸部の先端に設けられた頭部を有するボルトと、
    前記ボルトの前記軸部に螺合するナットと、
    前記筐体部及び前記外壁部の一方と前記ボルトの前記頭部との間、前記筐体部及び前記外壁部の他方と前記ナットとの間、並びに、前記筐体部及び前記外壁部の間に挟まれる断熱材と、
    を含み、
    前記筐体部及び前記外壁部のいずれかに形成された前記貫通孔は、前記軸部よりも大きく開口しており、該貫通孔の縁部が前記軸部に非接触とされる、乾燥装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項の乾燥装置であって、
    前記外壁部の前記開口付近の温度を検出する温度検出器と、
    前記温度検出器によって検出された温度に応じて、前記発熱体の温度を制御する温度制御部と、
    をさらに備える、乾燥装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項の乾燥装置であって、
    前記筐体部に支持されており、前記発熱体の前記第1方向側を覆うガラス部材、
    をさらに備える、乾燥装置。
  8. 基材に形成された塗布膜を乾燥させる熱処理システムであって、
    基材を搬送する搬送機構と、
    前記搬送機構によって搬送される基材が内部に進入する進入口、及び、基材を外側へ退出させる退出口が形成されたチャンバーと、
    前記チャンバーの内部に配された前記乾燥装置と、
    を備え、
    前記乾燥装置は、
    第1方向に熱を放射する発熱体と、
    内側にて前記発熱体を支持する筐体部と、
    前記筐体部の外面との間に隙間を形成しつつ、前記筐体部の外面の少なくとも一部を覆い、かつ、開口を形成する外壁部と、
    前記筐体部及び前記外壁部の前記隙間の雰囲気を排出する排出部と、
    を含み、
    前記排出部は、前記雰囲気を前記チャンバーの外部に排出する、熱処理システム。
  9. 請求項8の熱処理システムであって、
    前記外壁部が形成する前記開口は、前記第1方向を向いており、
    前記開口が、前記搬送機構によって前記基材が搬送される方向に交差する方向に延びる、熱処理システム。
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