JP2018043913A - 水素製造装置 - Google Patents

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【課題】水素製造に要する熱エネルギーを低減するとともに、反応器の閉塞を防止する。【解決手段】水素製造装置100は、化学エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置130と、発電装置の排熱により、炭化水素を熱分解して、固体炭素および水素を生成する第1反応部210a、210bと、第1反応部210a、210bに水蒸気を供給する水蒸気供給部220a、220bと、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、炭化水素から水素を製造する水素製造装置に関する。
従来、メタン等の炭化水素を水蒸気改質して水素を製造する技術が実用化されている(例えば、特許文献1)。
しかし、炭化水素を水蒸気改質すると、水素のみならず二酸化炭素が生成されてしまうという問題がある。二酸化炭素は、地球温暖化の要因となっているため、大気への排出の低減が求められている。
そこで、触媒の存在下で炭化水素を熱分解することで、二酸化炭素の排出量を低減して、水素を製造する技術が開発されている。
特開2014−136655号公報
しかし、炭化水素を熱分解すると、水素とともに生成される固体炭素が析出し、反応器が閉塞するおそれがあるという問題がある。また、水素製造に要する熱エネルギーを低減したいという要望もある。
本発明は、このような課題に鑑み、水素製造に要する熱エネルギーを低減するとともに、反応器の閉塞を防止することが可能な水素製造装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る水素製造装置は、化学エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置と、前記発電装置の排熱により、炭化水素を熱分解して、固体炭素および水素を生成する第1反応部と、前記第1反応部に水蒸気を供給する水蒸気供給部と、を備える。
また、前記発電装置の排熱によって加熱された前記第1反応部において、前記水蒸気供給部によって供給された水蒸気と、前記固体炭素とが反応することで生成された合成ガスから、液体有機化合物、あるいは、水素および液体有機化合物を生成する第2反応部を備えるとしてもよい。
また、前記液体有機化合物から水素を生成する水素生成部を備えるとしてもよい。
また、記第1反応部は、触媒の存在下で炭化水素を熱分解するとしてもよい。
また、前記炭化水素は、少なくとも、メタン成分と、炭素数が2以上の高次炭化水素成分とを含み、前記第1反応部は、前記炭素数が2以上の高次炭化水素成分を熱分解して生成された固体炭素を触媒として前記メタン成分を熱分解するとしてもよい。
水素製造に要する熱エネルギーを低減するとともに、反応器の閉塞を防止することが可能となる。
第1の実施形態にかかる水素製造装置を説明する図である。 水素製造量と熱分解用メタンの供給量との関係を説明する図である。 吸熱量と熱分解用メタンの供給量との関係を説明する図である。 第2の実施形態にかかる水素製造装置を説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1の実施形態:水素製造装置100)
図1は、第1の実施形態にかかる水素製造装置100を説明する図である。なお、図1中、ガスの流れを実線の矢印で示し、電気の流れを白抜き矢印で示し、熱の流れを破線の矢印で示す。
図1に示すように、水素製造装置100は、発電ユニット110と、水素製造ユニット200と、供給量制御部250とを含んで構成される。
(発電ユニット110)
発電ユニット110は、水蒸気改質反応部120と、発電装置130とを含んで構成される。ただし、水蒸気改質反応部120は発電装置130の種類によっては省略できる。
水蒸気改質反応部120は、炭化水素の供給源に接続された原料ガス供給管102が接続されている。したがって、原料ガス供給管102を通じて、炭化水素の供給源から水蒸気改質反応部120に炭化水素が供給される。なお、本実施形態では、炭化水素としてメタン(CH)を例に挙げて説明する。また、水蒸気改質反応部120には、水蒸気供給管104が接続されており、水蒸気供給管104を通じて水蒸気が供給される。
そうすると、水蒸気改質反応部120において、下記反応式(1)に示す反応(水蒸気改質反応)が遂行され、メタンから水素(H)と一酸化炭素(CO)が生成される。また、水蒸気改質反応部120において、下記反応式(2)に示す反応(シフト反応)が遂行されれば、一酸化炭素から水素と二酸化炭素(CO)が生成される。なお、下記反応式(1)、(2)に示す反応を進めると、1モルのメタンから、4モルの水素と1モルの二酸化炭素が生成されることとなる。ただし、平衡組成としてはメタン、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気の混合ガスとなる。
CH + HO → CO + 3H …反応式(1)
CO + HO → CO + H …反応式(2)
こうして、生成された改質ガスは、配管122を通じて発電装置130に供給される。
発電装置130は、例えば、固体酸化物形燃料電池(SOFC)で構成され、改質ガスを電力と熱に変換する。発電装置130が生成した熱(排熱)は、反応器(ここでは、後述する第1反応部210a、210b)に伝達される。また、発電装置130から排出されるオフガスは配管132を通じて全量外部に排気されるか、あるいは、オフガスの一部が燃料の一部としてリサイクルされることもある。
(水素製造ユニット200)
水素製造ユニット200は、第1反応部210a、210bと、水蒸気供給部220a、220bと、第2反応部230とを含んで構成される。
第1反応部210a、210bには、下記反応式(3)に示す反応(熱分解反応)を促進する触媒が収容されている。
CH → C + 2H …反応式(3)
第1反応部210aには、原料ガス供給管102から分岐された配管106が接続されている。したがって、原料ガス供給管102、配管106を通じて、メタンの供給源から第1反応部210aにメタンが供給される。同様に、第1反応部210bには、配管106から分岐された配管108が接続されている。したがって、原料ガス供給管102、配管106、108を通じて、メタンの供給源から第1反応部210bにメタンが供給される。
上記したように第1反応部210a、210bには、発電装置130の排熱が伝達される。したがって、第1反応部210a、210bにおいて、上記反応式(3)に示す反応が遂行され、メタンが固体炭素(C)と水素に分解される。なお、本実施形態において、第1反応部210a、210bが700℃〜800℃程度になるように、発電装置130の排熱が伝達される。これにより、上記反応式(3)において生成される固体炭素がアモルファス状となる。したがって、後述する反応式(4)の反応効率を向上させることができる。こうして生成された水素は配管212a、212bを通じて外部の水素利用設備に供給される。
なお、上記反応式(3)の反応に触媒を使用する場合、反応が遂行されると固体炭素が触媒上に析出し、触媒の機能が低下してしまう。触媒を使用しない場合でも固体炭素が析出し続けると、第1反応部210a、210bを閉塞させてしまう。そこで、水蒸気供給部220a、220bが第1反応部210a、210bに水蒸気を供給し、第1反応部210a、210bにおいて、下記反応式(4)に示す反応(合成ガス生成反応)を遂行させる。
C + 2HO → CO + 2H …反応式(4)
具体的に説明すると、水蒸気供給部220aは、水蒸気の供給源と第1反応部210aとを接続する水蒸気供給管222aと、水蒸気供給管222aに設けられたバルブ224aとを含んで構成される。したがって、第1反応部210aには、水蒸気供給部220aを通じて水蒸気が供給される。同様に、水蒸気供給部220bは、水蒸気の供給源と第1反応部210bとを接続する水蒸気供給管222bと、水蒸気供給管222bに設けられたバルブ224bとを含んで構成される。したがって、第1反応部210bには、水蒸気供給部220bを通じて水蒸気が供給される。そして、発電装置130の排熱が伝達されることによって、第1反応部210a、210bにおいて、上記反応式(4)に示す反応が遂行されることとなる。
したがって、第1反応部210aまたは第1反応部210bにおいて、配管106、108を通じたメタンの供給と、水蒸気供給部220a、220bを通じた水蒸気の供給とは、排他的に行われることになる。また、第1反応部210aにメタンが供給されている際には、第1反応部210bに水蒸気が供給され、第1反応部210aに水蒸気が供給されている際には、第1反応部210bにメタンが供給される。これにより、連続的に水素を製造することができる。また、触媒を使用する場合には連続的に触媒を再生(触媒から固体炭素を除去)することが可能となる。さて、このように第1反応部210aと第1反応部210bとでは、反応式(3)に示す反応と反応式(4)に示す反応とが排他的に行われることから、一方の反応速度が他方の反応速度と異なる場合、低速の反応がシステム全体の反応のボトルネックになってしまう。そこで、本実施形態では、各第1反応部210a、210bにおける触媒量、温度(発電装置130から供給される熱量)を調整することで、各第1反応部210a、210bの反応速度を略同一にしている。
一方、上記反応式(4)に示す反応が遂行されることによって生成された二酸化炭素と水素との混合ガスは、配管216a、216bを通じて第2反応部230に供給される。
第2反応部230には、下記反応式(5)に示す反応を促進する触媒が収容されている。下記反応式(5)に示す反応により、1モルの水素が生成されることとなる。
CO + 2H → CH + H …反応式(5)
したがって、第2反応部230に二酸化炭素と水素の混合ガス(二酸化炭素:水素=1:2)が供給されると、上記反応式(5)に示す反応が遂行され、ギ酸(CH)と水素とが生成されることとなる。なお、第2反応部230には水(液体)が充填されたタンク(図示せず)が配置されており、反応式(5)の左辺に記載したCOおよびHは当該タンクに導入される。当該タンク内では水中においてCOおよびHが反応し、ギ酸の水溶液が生成される。そして、水溶液から分離された水素は、配管232を通じて外部の水素利用設備に供給されることとなる。
また、第2反応部230は上記タンクを備えずともよい。この場合、反応式(5)によって生じたギ酸(気体)を、その沸点(100.8℃)以下に冷却することで液体にしてもよい。これにより、ギ酸と水素とを容易に分離することができる。そして、分離された水素は、配管232を通じて外部の水素利用設備に供給されることとなる。一方、分離されたギ酸は、配管234を通じて外部に送出される。メタンの炭素をギ酸として固定することにより、二酸化炭素の排出を削減し、かつ、化成品やポリマー製造等のC1化学プロセス(炭素数1の化合物を原料とした有機化合物の合成化学プロセス)の原料として利用することができる。
(供給量制御部250)
供給量制御部250は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成される。供給量制御部250は、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して、バルブ102a、104a、106a、108a、214a、214b、218a、218b、224a、224bの開度を制御する。供給量制御部250は、後述するメタンの供給量と吸熱量とに基づいて、バルブ102a、106a、108aの開度を制御する。以下、メタンの供給量と吸熱量とのシミュレーション結果について説明する。
(シミュレーション結果)
発電装置130の燃料極にメタン(燃料)を1mol/secで供給し、第1反応部210a、210bにメタンを供給しない場合(メタンの熱分解率=0)を基準とし、熱分解用のメタンの供給量(以下、「熱分解用メタンの供給量」とする)を変化させた際の水素の製造量(以下、「水素製造量」とする)、吸熱量をシミュレーションした。なお、この際、発電装置130が出力する電力の発電効率を50%と仮定した。また、水蒸気供給管104から発電装置130に供給される水蒸気量は、S/C(水蒸気/メタン)が3となるように水蒸気供給管104に設けられたバルブ104aの開度を調整した。また、ここで、熱分解用メタンの全量が熱分解し、水素と固体炭素に分解すると仮定した。
図2は、水素製造量と熱分解用メタンの供給量との関係を説明する図である。ここでは、反応式(3)で生成する水素のみを考慮したため、比例係数が2となった。なお、反応式(5)で生成する水素を含めると比例係数は3となる。図2に示すように、熱分解用メタンの供給量に比例して水素製造量は増加する。しかし、熱分解に必要な熱量も増加することが予想される。
図3は、吸熱量と熱分解用メタンの供給量との関係を説明する図である。図3において、実線は、上記反応式(3)に示す熱分解反応を遂行する第1反応部210a、210bの吸熱量と、熱分解用メタンの供給量との関係を示し、破線は、上記反応式(3)に示す熱分解反応および上記反応式(4)に示す合成ガス生成反応を遂行する第1反応部210a、210bとの吸熱量の和と、熱分解用メタンの供給量との関係を示す。
熱分解用メタンの供給量が増加すると、上記反応式(3)に示す熱分解反応が増加する。したがって、図3の実線で示すように、上記反応式(3)に示す熱分解反応を遂行する第1反応部210a、210bの吸熱量は、熱分解用メタンの供給量の増加に従って増加する。
また、上記反応式(4)の吸熱量を加えると、図3の破線で示すように、熱分解用メタンの供給量の増加に従って吸熱量の和が増加する。例えば、1モル/秒のメタンを燃料とする発電装置130によって、400kW程度の排熱が得られる場合、熱分解用メタンの供給量が2モル/秒程度までは、第1反応部210a、210bにおいて熱分解反応を遂行させる際の熱も、合成ガス生成反応を遂行させる際の熱も発電装置130で賄うことができる。しかし、熱分解用メタンの供給量が2モル/秒程度以上とする場合、発電装置130の発電効率を下げて排熱量を増加させるか、合成ガス生成反応を遂行させる際に、他の熱源を利用する必要があることが分かった。
したがって、供給量制御部250は、発電装置130の排熱能力と利用可能な外部の熱量とに基づいて、熱分解用メタンの供給量を決定する。そして、供給量制御部250は、決定した熱分解用メタンの供給量に基づいて、バルブ102a、106a、108aの開度を制御する。
なお、供給量制御部250は、バルブ106aを開弁する際には、バルブ108aを閉弁する。また、供給量制御部250は、バルブ218a、224aを閉弁し、バルブ214aを開弁する。供給量制御部250は、バルブ214bを閉弁し、バルブ218b、224bを開弁する。これにより、第1反応部210aにおいて上記反応式(3)に示す熱分解反応を遂行させている間に、第1反応部210bにおいて上記反応式(4)に示す反応を遂行させる。つまり、第1反応部210aが、炭化水素を熱分解して、水素と固体炭素とを生成する際には、第1反応部210bが、固体炭素と水蒸気とを反応させて、合成ガスを生成することとなる。
一方、供給量制御部250は、バルブ108aを開弁する際には、バルブ106aを閉弁する。また、供給量制御部250は、バルブ214aを閉弁し、バルブ218a、224aを開弁する。供給量制御部250は、バルブ218b、224bを閉弁し、バルブ214bを開弁する。これにより、第1反応部210aにおいて上記反応式(4)に示す反応を遂行させている間に、第1反応部210bにおいて上記反応式(3)に示す熱分解反応を遂行させる。つまり、第1反応部210aが、固体炭素と水蒸気とを反応させて、合成ガスを生成する際には、第1反応部210bが、炭化水素を熱分解して、水素と固体炭素とを生成することとなる。
以上説明したように、本実施形態にかかる水素製造装置100によれば、第1反応部210a、210bが、発電装置130の排熱で水素を製造できることから、水素の製造に要する熱エネルギー(コスト)を削減することが可能となる。
さらに、第1反応部210a、210bにおいて合成ガス生成反応を遂行させることから、第1反応部210a、210bに収容された触媒を再生(触媒から固体炭素を除去)することができる。これにより、固体炭素の析出による触媒機能の低下、および、反応器の閉塞を防止することが可能となる。
また、第2反応部230を備える構成により、液体有機化合物を製造することができ、炭素(原子)を液体有機化合物として分離することが可能となる。したがって、炭素(原子)を容易に回収することができる。
(第2の実施形態:水素製造装置300)
上記第1の実施形態において、第2反応部230が生成した液体有機化合物を外部に送出する構成を例に挙げて説明した。しかし、第2反応部230が生成した液体有機化合物料から水素を生成することもできる。
図4は、第2の実施形態にかかる水素製造装置300を説明する図である。図4に示すように、水素製造装置300は、発電ユニット110と、水素製造ユニット310と、供給量制御部250とを含んで構成される。なお、上記第1の実施形態と実質的に等しい構成については、同一の符号を付して、説明を省略する。
水素製造ユニット310は、第1反応部210a、210bと、水蒸気供給部220a、220bと、第2反応部230と、水素生成部320とを含んで構成される。
水素生成部320には、配管234が接続されており、配管234を通じて液体有機化合物(ギ酸)が供給される。水素生成部320は、ギ酸を収容する密閉容器と、密閉容器を所定の温度(例えば、80℃程度)に加熱する加熱部と、加熱後に所定の温度(−50℃程度)に冷却する冷却部とを含んで構成される。これにより、下記反応式(6)に示す反応を遂行させることができ、さらに水素を製造することができる。また、冷却部を備える構成により、二酸化炭素を液体として回収することができる。
CH → H + CO …反応式(6)
こうして水素生成部320によって生成された水素は、配管322を通じて外部の水素利用設備に供給されることとなる。また、水素生成部320によって分離回収された二酸化炭素(液体)は、配管324を通じて、外部の処理設備に供給されることとなる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態において、第1反応部210a、210bが熱分解する炭化水素としてメタンを例に挙げて説明した。しかし、炭化水素の種類に限定はない。例えば、天然ガス、都市ガス等の、少なくともメタン成分と、C2以上(炭素数が2以上)の高次炭化水素成分とを含む混合物であってもよい。第1反応部210a、210bが熱分解する炭化水素として都市ガスを用いた場合、第1反応部210a、210bに触媒を収容せずともよい。この場合、第1反応部210a、210bにおいて、都市ガスの中のC2以上の高次炭化水素成分が先に熱分解され、析出した固体炭素の触媒作用を利用してメタン成分を分解することもできる。
また、上記実施形態において、発電装置がSOFCである場合を例に挙げて説明した。しかし、発電装置は、化学エネルギーを電気エネルギーに変換することができれば、構成に限定はない。例えば、発電装置をSOFC以外の燃料電池(例えば、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC))等の分散電源で構成してもよいし、エンジン、ガスタービン等の大規模火力発電であってもよい。また、燃料電池、エンジン、ガスタービンのうちの複数のハイブリッドの発電装置であってもよいし、これらのうちのいずれか1または複数と他の発電装置のハイブリッドの発電装置であってもよい。
また、上記実施形態において、発電装置が炭化水素を電気エネルギーに変換する構成を例に挙げて説明した。しかし、発電装置は、炭化水素に限らず、有機化合物を燃料としてもよい。
また、上記実施形態において、第1反応部210a、210b、第2反応部230、水素生成部320によって生成された水素が外部に送出される構成を例に挙げて説明した。しかし、第1反応部210a、210b、第2反応部230、水素生成部320のうち、いずれか1または複数によって生成された水素を発電装置130の燃料極に供給してもよい。これにより、発電装置130の二酸化炭素排出係数を低減することができる。
また、上記実施形態において、第2反応部230がギ酸を生成する構成を例に挙げて説明した。しかし、第2反応部230は、ギ酸以外の他の液体有機化合物を製造することもできる。例えば、液体有機化合物としてメタノールを製造することができる。この場合、供給量制御部250は、水蒸気供給部220a、220bが第1反応部210a、210bに供給する水蒸気量を制御して、生成される一酸化炭素と水素との比が1:2となるように、下記反応式(7)、(8)に示す反応を遂行させる。そして、第2反応部230において下記反応式(9)に示す反応を遂行させて、メタノール(CHOH)を製造する。
C + HO → CO + H …反応式(7)
CO + HO → CO + H …反応式(8)
CO + 2H → CHOH(液体) …反応式(9)
また、液体有機化合物がメタノールである場合、水素生成部320は、メタノールを水蒸気改質する装置であるとよい。
また、第1反応部210a、210bから固体炭素を取り除く除去機構を備えてもよい。除去機構は、例えば、触媒を振動させる振動装置と、触媒と固体炭素とを分離する篩とを含んで構成される。除去機構を備える構成により、上記反応式(4)に示す反応を低減することができ、消費エネルギー(熱量)を低減することが可能となる。
本発明は、炭化水素から水素を製造する水素製造装置に利用することができる。
100、300 水素製造装置
130 発電装置
210a、210b 第1反応部
220a、220b 水蒸気供給部
230 第2反応部
320 水素生成部

Claims (5)

  1. 化学エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置と、
    前記発電装置の排熱により炭化水素を熱分解して、固体炭素および水素を生成する第1反応部と、
    前記第1反応部に水蒸気を供給する水蒸気供給部と、
    を備えた水素製造装置。
  2. 前記発電装置の排熱によって加熱された前記第1反応部において、前記水蒸気供給部によって供給された水蒸気と、前記固体炭素とが反応することで生成された合成ガスから、液体有機化合物、あるいは、水素および液体有機化合物を生成する第2反応部を備えた請求項1に記載の水素製造装置。
  3. 前記液体有機化合物から水素を生成する水素生成部を備えた請求項2に記載の水素製造装置。
  4. 前記第1反応部は、触媒の存在下で炭化水素を熱分解する請求項1から3のいずれか1項に記載の水素製造装置。
  5. 前記炭化水素は、少なくとも、メタン成分と、炭素数が2以上の高次炭化水素成分とを含み、
    前記第1反応部は、前記炭素数が2以上の高次炭化水素成分を熱分解して生成された固体炭素を触媒として前記メタン成分を熱分解する請求項1から4のいずれか1項に記載の水素製造装置。
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