JP2018043798A - 包装容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワンタッチで蓋を開放可能な包装容器を提供する。【解決手段】上縁に開口部を備える少なくとも上端部が弾性変形可能な容器本体と、前記開口部を塞ぐ蓋部と、を備える包装容器であって、前記蓋部は、天板と、前記天板の外周から垂下する外側筒状垂下壁と、前記天板内面から垂下し、前記外側筒状垂下壁よりも一回り内部に位置し、かつ前記開口部上端内面壁の形状に沿った内側筒状垂下壁とを備え、前記開口部近傍の外側に係止部が設けられ、前記外側筒状垂下壁の内周面には、前記係止部により係止される第1の被係止部が設けられ、前記容器本体に外力を加えることで前記容器本体の上端部を変形させ、当該変形が少なくとも前記第1の被係止部から前記蓋部全体に伝播して当該蓋部を歪ませることによって、前記係止部による前記第1の被係止部に対する係止が解除されると共に、前記内側筒状垂下壁が前記開口部の内側により押し上げられることによって、当該開口部が開放されることを特徴とする、包装容器。【選択図】図3

Description

本開示は、ワンタッチで蓋を開放可能な包装容器に関する。
近年、チューインガム、チョコレート、飴などの菓子類をリクローズ可能なボトル状の包装容器に収容して販売している商品がある。この種のリクローズ可能な包装容器の一例は、特許文献1に記載されている。
また、菓子類の包装容器に限らず、蓋をワンタッチで簡単に開放できる包装容器は、その操作の手軽さから幅広い需要が見込まれる。このようなワンタッチ開放容器の例は、特許文献2及び3に記載されている。
特開2010−76819号公報 特開2007−261670号公報 特開2004−276960号公報
特許文献1に記載された容器は、1つの蓋に、ガムなどの内容物の振出口と、捨て紙の取出口を分けて設けている。そのため、内容物の振出口の面積が蓋面積よりも狭くなる結果、内容物を取り出しづらいという欠点がある。また、当該容器には、内容物の振出口に開閉用のつまみが設けられており、片手で容器を把持しながら同じ手でつまみを用いて蓋を開け閉めすることは困難である。
これに対し、特許文献2及び3に記載の容器は、いずれも蓋の開閉を片手で行うことを目的とするものである。しかし、これらの容器においては、スムーズな開閉のためにヒンジ部にばね手段を設けたり(特許文献2)、ヒンジ部が蓋体を上方へ持ち上げるように付勢する構成を採用したりしている(特許文献3)。このように、これらの容器においては、ヒンジ部に特別な構成が必要となるため、製造工程が煩雑である。
そこで、本開示は、ヒンジ部に特別な構成を採用することなく、ワンタッチで蓋を開放することが可能な包装容器の提供を課題とする。
請求項1記載の本開示は、上縁に開口部を備える少なくとも上端部が弾性変形可能な容器本体と、前記開口部を塞ぐ蓋部と、を備える包装容器であって、
前記蓋部は、天板と、前記天板の外周から垂下する外側筒状垂下壁と、前記天板内面から垂下し、前記外側筒状垂下壁よりも一回り内部に位置し、かつ前記開口部上端内面壁の形状に沿った内側筒状垂下壁とを備え、
前記開口部近傍の外側に係止部が設けられ、前記外側筒状垂下壁の内周面には、前記係止部により係止される第1の被係止部が設けられ、
前記容器本体に外力を加えることで前記容器本体の上端部を変形させ、当該変形が少なくとも前記第1の被係止部から前記蓋部全体に伝播して当該蓋部を歪ませることによって、前記係止部による前記第1の被係止部に対する係止が解除されると共に、前記内側筒状垂下壁が前記開口部の内側により押し上げられることによって、当該開口部が開放されることを特徴とする、包装容器である。
請求項2記載の本開示は、前記第1の被係止部は、前記外側筒状垂下壁内周面の一部に設けられ、
前記容器本体の上端部において、前記第1の被係止部近傍とその反対側の部分との距離が縮む方向に外力を加えることで前記容器本体の上端部を変形させ、当該変形が前記第1の被係止部及びその反対側の部分から前記蓋部全体に伝播して当該蓋部を歪ませることを特徴とする、請求項1に記載の包装容器である。
請求項3記載の本開示は、前記蓋部が、前記開口部を塞ぐように前記容器本体にヒンジ部を介して揺動自在に連結されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の包装容器である。
請求項4記載の本開示は、前記ヒンジ部が前記開口部近傍に設けられ、前記外側筒状垂下壁の一部が当該ヒンジ部と連結し、
前記第1の被係止部は、少なくとも前記外側筒状垂下壁と前記ヒンジ部との連結位置とは反対側に位置し、かつ当該外側筒状垂下壁内周面から前記天板中央に向かって突出し、
前記容器本体の前記ヒンジ部近傍と前記第1の被係止部近傍との距離が縮む方向に外力を加えることで前記容器本体の上端部を変形させ、当該変形が前記ヒンジ部及び前記第1の被係止部から前記蓋部全体に伝播して当該蓋部を歪ませることによって、
前記係止部による前記第1の被係止部に対する係止が解除されると共に、前記ヒンジ部近傍の前記内側筒状垂下壁が前記開口部の内側により押し上げられることによって、当該開口部が開放されることを特徴とする、請求項3に記載の包装容器である。
請求項5記載の本開示は、前記容器本体が、上縁が開口した少なくとも上端部が弾性変形可能な容器胴部材と、前記容器胴部材の上縁に固着された弾性変形可能な環状口部材とを備え、
前記蓋部は、前記環状口部材に外嵌合する弾性変形可能な嵌合環部と、前記開口部を開閉するための蓋本体とを備え、
前記蓋本体は、前記天板、前記外側筒状垂下壁及び前記内側筒状垂下壁を備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の包装容器である。
請求項6記載の本開示は、前記第1の被係止部が、前記外側筒状垂下壁内周面に周方向3°以上120°以下の角度範囲で存在することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の包装容器である。
請求項7記載の本開示は、前記係止部が、前記開口部近傍の外側全周に設けられていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の包装容器である。
請求項8記載の本開示は、前記蓋部が弾性変形可能であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の包装容器である。
請求項9記載の本開示は、前記蓋部の平面視形状が略円形又は略楕円形であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の包装容器である。
請求項10記載の本開示は、前記容器本体及び前記蓋部の平面視形状がいずれも略円形である場合において、前記係止が解除されるとき、下記式(1)により求められる変形率pが7.0%以上8.5%以下であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の包装容器である。
式(1)
p={(R−r)/R}×100
(上記式(1)中、pは変形率(%)を、Rは前記変形前の前記容器本体の最大径(mm)を、rは前記変形における前記容器本体の短径(mm)を、それぞれ表す。)
請求項11記載の本開示は、前記容器本体の平均肉厚が、0.10mm以上10mm以下であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の包装容器である。
請求項12記載の本開示は、前記容器本体の上端部の平均肉厚が、0.10mm以上10mm以下であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の包装容器である。
請求項13記載の本開示は、前記容器本体が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリアミド、ポリカーボネート及びポリ塩化ビニルからなる群より選ばれる少なくとも1つの材料を含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の包装容器である。
請求項14記載の本開示は、前記外側筒状垂下壁において、前記ヒンジ部との連結位置及び前記第1の被係止部が存在する位置のいずれとも異なる少なくとも1つの位置に、当該外側筒状垂下壁内周面から前記天板中央に向かって突出し、かつ前記係止部により係止される第2の被係止部が設けられることを特徴とする、請求項4〜13のいずれか一項に記載の包装容器である。
請求項15記載の本開示は、前記第2の被係止部が、前記外側筒状垂下壁内周面に周方向3°以上20°以下の角度範囲で存在することを特徴とする、請求項14に記載の包装容器である。
請求項16記載の本開示は、前記外側筒状垂下壁と前記ヒンジ部との連結位置近傍に、当該外側筒状垂下壁内周面から前記天板中央に向かって突出し、かつ前記係止部により係止される第3の被係止部が設けられることを特徴とする、請求項4〜15のいずれか一項に記載の包装容器である。
請求項17記載の本開示は、前記第3の被係止部は、前記外側筒状垂下壁内周面に周方向3°以上120°以下の角度範囲で存在することを特徴とする、請求項16に記載の包装容器である。
本開示によれば、容器本体に外力を加えることにより、容器本体の上端部の変形に伴い蓋部が歪む結果、係止の解除と共に蓋部を押し上げることができ、ワンタッチで蓋を開放することができる。
本開示の包装容器の第1の実施形態を示す斜視図である。 第1の実施形態において容器本体1と蓋部2とが別の部材からなる場合における分解斜視図である。 第1の実施形態における蓋部2の右側面断面図と底面断面図である。 第1の実施形態の右側面断面図である。 蓋の係止が解除される直前の第1の実施形態の右側面断面図である。 片手で蓋の係止を解除する直前の第1の実施形態の模型の右側面写真である。 片手で蓋の係止を解除する直前の第1の実施形態の模型の正面写真である。 包装容器の密閉が破られた直後の第1の実施形態の右側面断面図である。 密閉が破られた後、蓋が全開となる前の第1の実施形態の右側面断面図である。 蓋が全開となった第1の実施形態の右側面断面図である。 第2の実施形態における蓋部2の右側面断面図と底面断面図である。 第3の実施形態における蓋部2の右側面断面図と底面断面図である。 第4の実施形態における蓋部2の右側面断面図と底面断面図である。 第5の実施形態における蓋部2の右側面断面図と底面断面図である。 本開示の包装容器の第6の実施形態を示す斜視図である。 蓋部の参考例の右側面断面図と底面断面図である。
本開示の包装容器は、上縁に開口部を備える少なくとも上端部が弾性変形可能な容器本体と、前記開口部を塞ぐ蓋部と、を備える包装容器であって、
前記蓋部は、天板と、前記天板の外周から垂下する外側筒状垂下壁と、前記天板内面から垂下し、前記外側筒状垂下壁よりも一回り内部に位置し、かつ前記開口部上端内面壁の形状に沿った内側筒状垂下壁とを備え、
前記開口部近傍の外側に係止部が設けられ、前記外側筒状垂下壁の内周面には、前記係止部により係止される第1の被係止部が設けられ、
前記容器本体に外力を加えることで前記容器本体の上端部を変形させ、当該変形が少なくとも前記第1の被係止部から前記蓋部全体に伝播して当該蓋部を歪ませることによって、前記係止部による前記第1の被係止部に対する係止が解除されると共に、前記内側筒状垂下壁が前記開口部の内側により押し上げられることによって、当該開口部が開放されることを特徴とする。
本開示における「包装容器」とは、包装に用いられる容器を意味し、物を包装する前の状態も本開示に含まれる。
以下、本開示の包装容器について、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示すのは本開示の包装容器の一例であり、本開示はこれに限定されない。
図1は、本開示の包装容器の第1の実施形態を示す斜視図である。
包装容器の第1の実施形態100は、容器本体1と、容器本体1の上部に位置する蓋部2とを備える。容器本体1と蓋部2とは互いに一体として成型されたものであってもよいし、容器本体1と蓋部2とはそれぞれ別の部材として成型され、製造段階で組み立てられるものであってもよい。
本実施形態において、容器本体1は、平面視円形で、底を有し、上縁に開口部を有する円筒形状を有する。容器本体1は、一体成型品であってもよいし、2つ以上の部品から構成されるものであってもよい。例えば、容器本体1は、上縁が開口した容器胴部材と、当該容器胴部材の上縁に固着された環状口部材とを含んでいてもよい。
図2は、第1の実施形態において容器本体1と蓋部2とが別の部材からなる場合における分解斜視図である。図2に示すように、容器本体1は容器胴部材1aと環状口部材1bとからなり、環状口部材1bはその開口部近傍の外側に係止部1cを備える。環状口部材1bは蓋部2の内側に嵌合するため、組み上がった状態においては蓋部2の内部に隠れている。
本実施形態において、蓋部2は、平面視円形であり、開口部3を塞ぐように容器本体1にヒンジ部を介して連結されている。ヒンジ部(図示せず)は、開口部3近傍に設けられている。蓋部2は、揺動自在に容器本体1と連結されている。ただし、本開示においては、後述するように、蓋の開放状態において、容器本体と蓋部とは分離していてもよい。また、容器本体と蓋部とが連結していたとしても、その連結手段は必ずしもヒンジのみに限定されない。
蓋部2は、一体成型品であってもよいし、2つ以上の部品から構成されるものであってもよい。例えば、蓋部2は、環状口部材に外嵌合する嵌合環部4と、開口部3を開閉するための蓋本体5とを含んでいてもよい。本実施形態において、蓋本体5は、ヒンジ部を中心に揺動自在に設けられている。
嵌合環部4と蓋本体5とは、互いに一体成型されたものであってもよいし、個別に成型された別部品であってもよい。
なお、本明細書における「蓋の開放」とは、蓋部が容器本体の開口部を塞ぐ構造のみ備える場合には、蓋部自体が容器本体の開口部から離れることにより、当該開口部が開かれることを意味する。これに対し、蓋部が容器本体の開口部を塞ぐ構造(例えば、上記蓋本体等)に加えて、他の構造(例えば、上記嵌合環部等)を備える場合には、本明細書における「蓋の開放」とは、蓋本体等が容器本体の開口部から離れることにより、当該開口部が開かれることを意味するものとする。
後述する通り、本開示の容器は外力を加えることによって蓋が開くことを主な特徴の一つとしているため、少なくとも、外力を加える部分においては、弾性変形が可能であることが好ましい。本開示において「弾性変形」とは、弾性限界以下の力を加えて変形した物体から力を取り去るとすぐに消える変形のことを意味する。また、ここで「弾性限界」とは、固体に外力を加えて変形させる場合、ある限度以上応力が大きくなると元の形に戻らなくなる限界の応力のことを意味する。
蓋の開放には容器本体の上端部の変形を要するため、容器本体の少なくとも上端部が弾性変形可能であることを要する。また、容器本体が容器胴部材と環状口部材とを備える構成である場合には、容器胴部材の少なくとも上端部と、環状口部材とがいずれも弾性変形可能であることを要する。
さらに、蓋部が嵌合環部と蓋本体とを備える構成である場合には、環状口部材に外嵌合する嵌合環部についても、環状口部材と共に弾性変形可能であることが必要である。また、環状口部材や容器本体に加えた外力は、ヒンジ部を通じて蓋本体に伝わり、蓋本体を歪ませるため、蓋本体やヒンジ部も弾性変形可能であることが好ましい。
本開示においては、容器本体及び蓋部がいずれも弾性変形可能であることが好ましい。
容器本体の少なくとも上端部を弾性変形可能に成型するためには、容器本体の平均肉厚及び材質を以下の通りに規定することが好ましい。
容器本体の平均肉厚は、0.10mm以上10mm以下であることが好ましい。平均肉厚が0.10mm未満であるとすると、容器本体の強度が弱まり、包装容器の本来の形状を保持できないおそれがある。また、平均肉厚が10mmを超える場合には、容器本体が変形しづらくなる結果、後述する方法による蓋の開放が困難となるおそれがある。
容器本体の平均肉厚は、0.50mm以上5.0mm以下であることがより好ましく、0.75mm以上2.5mm以下であることがさらに好ましい。
容器本体の少なくとも上端部は、弾性変形可能とするために、上記平均肉厚の範囲より薄くても構わない。
蓋部についても、同様の理由により、平均肉厚が0.10mm以上10mm以下であることが好ましく、0.50mm以上5.0mm以下であることがより好ましく、0.75mm以上2.5mm以下であることがさらに好ましい。なお、蓋部の平均肉厚は、容器本体の平均肉厚と略等しくてもよく、異なっていてもよい。
容器本体の上端部の平均肉厚は、0.10mm以上10mm以下であることが好ましい。当該平均肉厚が0.10mm未満であるとすると、特に容器本体の開口部の強度が弱まるおそれがある。また、当該平均肉厚が10mmを超える場合には、容器本体が変形しづらくなる結果、後述する方法による蓋の開放が困難となるおそれがある。
容器本体の上端部の平均肉厚は、0.50mm以上5.0mm以下であることがより好ましく、0.75mm以上2.5mm以下であることがさらに好ましい。
容器本体の平均肉厚の測定方法は、以下の通りである。
まず、容器本体の任意の部分の壁の厚さをノギス等の装置により測定する。容器本体の10〜20か所を同様に測定し、その平均値を平均肉厚とする。
蓋部の平均肉厚の測定方法も、上記同様である。
容器本体の上端部の平均肉厚の測定方法は、以下の通りである。
まず、容器本体の上端部の壁の厚さ(容器本体が容器胴部材と環状口部材とを備える場合には、環状口部材の壁の厚さ)をノギス等の装置により測定する。容器本体の上端部の10〜20か所を同様に測定し、その平均値を、容器本体の上端部の平均肉厚とする。
容器本体が弾性変形可能である限り、容器本体を構成する材料は特に限定されない。
容器本体を構成する材料としては、例えば、弾性変形可能な樹脂、並びに、紙及びアルミ等の基材の両面又は片面に当該樹脂を含む層を積層したものが挙げられる。
容器本体は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート、ポリアミド、ポリカーボネート、又はポリ塩化ビニルを含むことが好ましい。これらの材料は、成型しやすく、安価で、包装容器に必要な強度と柔軟性を兼ね備えるためである。これらの材料は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。蓋部についても、容器本体と同様に、上記材料を含むことが好ましい。
容器本体には、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンを用いることがより好ましく、ポリプロピレンを用いることがさらに好ましい。一方、蓋部には、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンを用いることがより好ましく、ポリエチレンを用いることがさらに好ましい。蓋部については、後述するティアバンドを用いる場合に、より柔らかい素材であるポリエチレンの使用が適している。
本開示において、容器本体が変形しにくい場合には、蓋の開放が難しくなるおそれがある。しかしその一方、容器本体が変形しやすい場合には、容器本体に対するわずかな衝撃によって容易に蓋が開くおそれがある。
容器本体及び蓋部の平面視形状がいずれも略円形である場合において、蓋の開けやすさの許容範囲を規定する基準としては、例えば、下記式(1)により求められる変形率pが挙げられる。
式(1)
p={(R−r)/R}×100
(上記式(1)中、pは変形率(%)を、Rは変形前の容器本体の最大径(mm)を、rは変形における容器本体の短径(mm)を、それぞれ表す。)
なお、上記「容器本体の最大径」とは、容器本体をその上縁側から見たときの最も長い差し渡しの長さを意味し、上記「変形における容器本体の短径」とは、変形時の容器本体について、その上縁側から見たときの最も短い差し渡しの長さを意味するものとする。
係止部による第1の被係止部(及び、存在する場合にはその他の被係止部。以下、これらの被係止部を総称して「第1の被係止部等」という場合がある。)に対する係止が解除されるとき、上記式(1)により求められる変形率pが7.0%以上8.5%以下であることが好ましい。係止が解除されるときに変形率pが7.0%未満であるとすると、容器本体が少しの衝撃で歪んだ場合であっても蓋が開くおそれがある。一方、変形率pが8.5%を超えて係止が解除されるとすると、蓋の開放のために容器本体をより大きく歪ませる必要が生じ、包装容器の使用者の負担が大きい。
前記係止が解除されるときの変形率pは、7.2%以上8.0%以下であることがより好ましく、7.5%以上7.8%以下であることがさらに好ましい。
本開示において、容器本体が変形しにくい場合には、蓋の開放のためにより大きな外力を付与する必要がある。しかしその一方、容器本体が変形しやすい場合には、外力付与時に潰れて元の形に戻らないおそれがある。特に、片手による蓋の開放を目的とする場合には、容器本体の可撓性の許容範囲は自ずと限定される。容器本体の可撓性の許容範囲を規定する基準としては、例えば、係止解除のために付与すべき外力が挙げられる。
係止部による第1の被係止部等に対する係止が解除されるとき、容器本体に付与される前記外力が35.0N以上60.0N以下であることが好ましい。前記外力が35.0N未満であるとすると、容器本体が柔らかすぎるため、蓋を開放しても容器本体の形状が元に戻らないおそれがある。一方、60.0Nを超える外力によって係止が解除されるとすると、蓋の開放が困難となるおそれがある。
前記係止が解除されるときの前記外力は、40.0N以上55.0N以下であることがより好ましく、42.8N以上51.0N以下であることがさらに好ましい。
本開示においては、蓋の開放に必要な外力によって容器本体に生じる応力は、容器本体の弾性限界未満であることが好ましい。
図1に示すように、蓋部2には、開封用のつまみ6と、そのつまみ6につながったティアバンド7が設けられていてもよい。つまみ6を指でつまんで引っ張ることにより、ティアバンド7を蓋部2から取り外すことができる。蓋部2は、容器に外力を加える後述の方法により開くことができる。また、蓋部2は、図示の状態に閉じること、つまりリクローズすることが可能である。
図1及び図2に示すように、蓋部2には、外力を加える適切な位置を示すための指示部8を設けてもよい。
指示部8は、後述する第1の被係止部近傍に設けることが好ましい。容器の使用者が、指示部8に適切な外力を付与することにより、第1の被係止部に関する係止を容易に解除することができるためである。指示部8の態様としては、例えば、指示部8への印字、彩色若しくは彫刻、又は指示部8を立体的に造形することが挙げられる。
図示してはいないが、同様の指示部をヒンジ部近傍に設けてもよい。これにより、容器の使用者に対して、第1の被係止部近傍の位置と、ヒンジ部近傍の位置の両方を指示することができ、蓋の開放を容易にすることができる。
図1及び図2に示すように、ティアバンド7近傍には、開閉つまみ9を設けてもよい。開閉つまみ9を押し上げる方法によっても、蓋を開くことができる。
図2に示すように、容器本体1の開口部近傍の外側に係止部1cが設けられる。係止部1cの形状や個数等は、第1の被係止部等を係止できるものであれば、特に限定されない。例えば、後述するように、第1の被係止部等が凸形状を有する場合には、係止部は、第1の被係止部等の形状に対応する溝であってもよい。一方、図2に示すものとは異なるが、本開示においては、係止部を突条環とし、第1の被係止部等を溝としてもよい。さらに、第1の被係止部等が2以上存在する場合には、被係止部ごとに形状を変えて、その各形状に合わせて係止部を設けてもよい。
係止部1cは、開口部3近傍の外側全周に設けられていてもよい。その場合には、包装容器の製造工程において、容器本体1がどの向きであっても、第1の被係止部等を係止部1cにより止めることができる。
一方、本開示においては、係止部を開口部近傍の一部に設け、第1の被係止部を全周に設けてもよい。
本開示においては、係止部は1つのみ設けられていてもよく、2以上設けられていてもよい。
係止部が1つのみ設けられる例は以下の通りである。溝又は凸形状が開口部近傍外側の一部に1つのみ設けられる例、溝又は突条環が開口部近傍の外側全周に1つのみ設けられる例等。
係止部が2以上設けられる例は以下の通りである。溝又は凸形状が開口部近傍外側に断続的に2つ以上設けられる例、溝又は突条環が開口部近傍の外側全周に二重又は三重に設けられる例等。
容器本体の形状は特に限定されない。容器本体の形状としては、例えば、円柱形状、角柱形状、球状、楕円球状等が挙げられる。また、後述する第6の実施形態のように、容器本体の胴部等の、蓋の開放に直接関与しない容器本体の部分の形状は自由に設計することが可能である。
蓋部の形状も特に限定されない。ここでいう「蓋部の形状」とは、蓋部の平面視形状を意味し、蓋部が嵌合環部4と蓋本体5とを備える場合には、これらの部材を組み合わせた後の蓋部全体の平面視形状を意味する。
図1及び図2においては、容器本体1と蓋部2とがいずれも平面視円形となっているが、容器本体1と蓋部2の平面視形状が同じである必要はなく、互いに異なっていてもよい。
蓋部の平面視形状は、対称性が高くデザイン性に優れるという観点から、略円形又は略楕円形であることが好ましい。
本開示においては、蓋部の一部として、蓋部の他の部分と容器本体とを連結するヒンジ部を備えていてもよい。蓋部が嵌合環部と蓋本体とを備える場合には、ヒンジ部は、嵌合環部と蓋本体とを連結する部材となることが好ましく、この場合には、嵌合環部が容器本体上端(又は環状口部材)に対し外嵌合する結果、ヒンジ部は容器本体と蓋本体とを連結する役割を果たす。
ヒンジ部については、蓋部の他の部分や容器本体と同様に、弾性変形可能であることが好ましい。
本開示において、蓋部と容器本体とを連結する場合には、連結手段はヒンジのみに限定されない。
ただし、本開示においては、蓋の開放状態において、容器本体と蓋部とが分離していてもよい。この場合にはヒンジ部等の連結手段は不要となる。
図3は、第1の実施形態における蓋部2の右側面断面図と底面断面図である。以下、蓋部が嵌合環部と蓋本体とを備える場合について主に説明する。なお、図3、図9〜図12、及び図14においては、右側面断面図(図の上側)において一点鎖線Aで切断した後の蓋本体の底面図が、図の下側の底面断面図に該当する。
図3上側の右側面断面図に示す通り、蓋部2は、嵌合環部4と蓋本体5とが、ヒンジ部10を介して連結することにより構成される。図3には、その他の構成要素として、ティアバンド7が描かれている。
図3上側の右側面断面図に示す通り、蓋本体5は、天板21、外側筒状垂下壁22及び内側筒状垂下壁23を備える。同図に示す通り、天板21、外側筒状垂下壁22及び内側筒状垂下壁23は一体として成型されており、外側筒状垂下壁22の正面側には開閉つまみ9が設けられている。
外側筒状垂下壁22は、天板21の外周から垂下し、その一部(容器後方、すなわち図の左側部分)がヒンジ部10と連結し、嵌合環部4へとつながっている。
係止部により係止される第1の被係止部は、外側筒状垂下壁に設けられる。第1の実施形態においては、第1の被係止部が設けられる位置は、外側筒状垂下壁における、少なくともヒンジ部との連結位置と反対側の位置である。また、本実施形態においては、第1の被係止部が突出する方向は、外側筒状垂下壁内周面から天板中央へ向かう方向である。
図3上側の右側面断面図に示す通り、本実施形態においては、第1の被係止部24は、外側筒状垂下壁22とヒンジ部10との連結位置とは正反対の位置(容器前方、すなわち図の右側部分)に設けられている。これはつまり、図3下側の底面断面図に示す通り、連結位置10aの周方向中心から180°離れた位置に、第1の被係止部の周方向中心が位置合わせされていることを意味する。図3上側の右側面断面図に示す通り、第1の被係止部24は、開閉つまみ9の裏側に配置されることになる。
ただし、本実施形態においては、第1の被係止部の位置は、少なくともヒンジ部との連結位置とは反対側の位置であればよい。ここでいう「ヒンジ部との連結位置とは反対側の位置」とは、ヒンジ部との連結位置とは略反対側の位置を意味し、当該連結位置と正反対の位置を含む一定の領域を指すものとする。したがって、第1の被係止部の周方向中心が当該領域内に存在していればよく、その限りにおいて、第1の被係止部の周方向中心と、当該連結位置と正反対の位置とは、多少ずれていてもよい。このような場合でも蓋部を歪ませることができ、スムーズな蓋の開放が可能である。
図3下側の底面断面図に示す通り、第1の被係止部24(斜線で示す)は、外側筒状垂下壁内周面に一定の角度範囲で存在することが好ましい。ここでいう角度は、同図中のθと等しい。
θは、好適には3°以上120°以下であり、より好適には30°以上100°以下であり、さらに好適には60°以上90°以下である。θが3°未満であるとすると、外側筒状垂下壁において第1の被係止部の占める部分が狭すぎるため、蓋の係止が不十分となるおそれがある。一方、θが120°を超えるとすると、外側筒状垂下壁において第1の被係止部の占める部分が広くなりすぎるため、係止が解除しにくく、後述する方法により蓋を開放することが困難となるおそれがある。
より好適には、第1の被係止部24の周方向中心から両側に、それぞれ均等に1.5°以上60°以下の範囲で第1の被係止部24を設けることが好ましい。
本開示においては、第1の被係止部は、外側筒状垂下壁内周面の一部に設けられていることが好ましい。図14は、蓋部2の参考例の右側面断面図と底面断面図を示す。図14は、第1の被係止部27(斜線で示す。)を外側筒状垂下壁の全ての部分に設けたこと以外は、図3と同じものを示す。このような参考例を採用した場合には、第1の被係止部27が係止部に対し均等に係り止められている結果、外力を付与したとしても蓋部を浮き上がらせることが難しくなるおそれがある。ただし、係止部の形状や第1の被係止部27の外側筒状垂下壁に対する高さを適宜調節したり、当該高さや強度を第1の被係止部27の部位によって変えたりすることによって、本開示の効果を奏することが可能である。
図3上側の右側面断面図に示す通り、内側筒状垂下壁23は、天板21の内面から垂下し、外側筒状垂下壁22よりも一回り内部に位置する。
内側筒状垂下壁23の壁の高さは、蓋部の部位によって異なっていてもよい。ここでいう壁の高さとは、内側筒状垂下壁23において、天板21との接触点から、当該点から垂れ下がった壁先端までの距離をいう。
特に、図3上側の右側面断面図に示す通り、容器後方(同図の左側部分)の内側筒状垂下壁23の壁の高さは、容器前方(同図の右側部分)の内側筒状垂下壁23の壁の高さよりも高いことが好ましい。後述する蓋の開放の際、容器後方部(ヒンジ部10の近傍)の内側筒状垂下壁23は、容器本体開口部の内側と接触して押し上げられる役割を担うため、その壁の高さが低いと押し上げが不十分となるからである。これに対し、容器前方部の内側筒状垂下壁23はそのような役割を有さず、むしろ、蓋の開放時にいち早く容器本体の密閉状態を破るためにも、容器前方部の内側筒状垂下壁23の壁の高さは適度に低い方が好ましい。
このような観点から、容器後方の内側筒状垂下壁23の壁の高さは、容器前方の内側筒状垂下壁23の壁の高さの1.0倍を超えて1.5倍以下であることが好ましく、1.1倍以上1.4倍以下であることがより好ましい。
内側筒状垂下壁の形状は、容器本体の開口部上端内面壁の形状に沿って形成される。蓋の閉止時において、内側筒状垂下壁と開口部上端内面壁とが密着することにより、包装容器の密閉性が保たれ、リクローズ性を確保することができる。
以下、図4〜図8を用いて、本第1の実施形態を用いた蓋の開放の詳細を説明する。図4〜図8は、包装容器が閉止した状態から、全開した状態までの一連の様子を示す図である。
図4は、第1の実施形態の右側面断面図である。図4においては、容器に何らの外力も付与されていない。図4の上部分(蓋部)は、ティアバンド7が除去されていること以外は、図3上側の右側面断面図と同様のものを示している。
図4には、さらに、容器胴部材1a、環状口部材1b及び係止部1cを示す。容器胴部材1aの上縁には、環状口部材1bが嵌り込み、固着している。さらに、環状口部材1bに対しては、嵌合環部4が外側から嵌合している。
第1の被係止部24は、容器本体の開口部近傍外側に設けられた係止部1cにより止められ、その結果、天板21全体が開口部に覆いかぶさり、包装容器が閉止されている。さらに、蓋本体の内側筒状垂下壁23と環状口部材の開口部上端内面壁とが密着することにより、包装容器の密閉性が保たれている。
図5Aは、蓋の係止が解除される直前の第1の実施形態の右側面断面図である。また、図5Bは片手で蓋の係止を解除する直前の第1の実施形態の模型の右側面写真であり、図5Cはその正面写真である。
図4と図5Aとを比較すると分かるように、図5Aにおいては、天板21が容器上方向に凸状に反っている。これは、図5Aにおいて、第1の実施形態100に対して、容器本体のヒンジ部10近傍と第1の被係止部24近傍との距離が縮む方向に外力が加えられることによって、容器本体の上端部が変形することに起因する。ここでいう「容器本体のヒンジ部10近傍と第1の被係止部24近傍との距離が縮む方向」とは、図5A中、容器の水平方向に略平行かつ容器に対し内向きな方向を意味し、また、「外力」とは、容器に対して外部から作用する力を意味する。すなわち、容器本体のヒンジ部10近傍と第1の被係止部24近傍とを中心に、図5Aの紙面左右両側から容器内側に向かって外力が付与されている。
蓋の開放に必要な外力は、少なくとも容器本体の上端部を変形できる程度の外力であれば足りる。
本開示においては、外力を加える方法は特に限定されず、例えば、容器本体の上端部を潰す方法の他、容器本体の上端部を握り込む方法や、容器本体の上端部の一部をつまむ方法等が挙げられる。
外力を加える部分も特に限定されず、容器本体のどこに外力を加えてもよい。ただし、蓋の開放のためには容器本体の上端部の変形が必要なため、容器本体の上端部に外力を加えることが好ましい。
外力を加える方法の一例としては、図5Bや図5Cに示すように、容器本体のヒンジ部10近傍又は第1の被係止部24近傍のいずれか一方を人差し指等で、いずれか他方を親指で押さえ、そのまま親指と人差し指等とを近づけて容器本体をたわめる方法が考えられる。この方法は、特に容器本体が片手で把持できる大きさである場合に有効な方法である。外力を付与する他の方法としては、例えば、容器本体のヒンジ部10近傍を壁などに押し付け、容器本体の第1の被係止部24近傍を親指や拳で押さえ、そのまま親指等を壁に近づけて容器本体をたわめる方法が考えられる。
容器本体に対する外力の付与のイメージは、静止時における容器本体の平面視断面形状を歪めていくイメージである。例えば、容器本体の平面視断面形状が略円形状である場合、外力付与時においては当該断面形状が略楕円形状になるイメージである。
容器本体の上端部が変形することによって、当該変形がヒンジ部10及び第1の被係止部24から蓋部全体に伝播して当該蓋部を歪ませる。より詳細な説明は以下の通りである。容器本体の上端部の変形によって、外側筒状垂下壁のうちヒンジ部10と連結している部分が、ヒンジ部10に追従して移動し、外側筒状垂下壁のうち第1の被係止部24が、これを係り止めている係止部1cに追従して移動する。しかし、外側筒状垂下壁のうち上記以外の部分は、容器本体の上端部のどの部分にも追従しないため、容器本体から浮き上がる結果、蓋部の形状が歪む。特に、図5Aに示すように、当該蓋部の歪みは、蓋部において比較的広い面積を有し、かつ外力に略平行な面を有する天板21において作用し、天板21が容器上方向に凸状に反ることとなる。図5B及び図5Cの各写真には、蓋部が歪み天板が反った結果、閉止時には蓋本体の裏に隠れていた環状口部材の一部が外部から視認できる様子が写っている。
このように、本開示における蓋の開放は、容器本体の上端部の変形と蓋部の変形とが連動することによって生ずる。本開示においては、第1の被係止部の位置や、ヒンジ部の有無にかかわらず、容器本体の上端部の変形が、少なくとも第1の被係止部から蓋部全体に伝播して蓋部の変形と連動することによって、蓋が開放するきっかけとなる。
図6は、包装容器の密閉が破られた直後の第1の実施形態の右側面断面図である。図5Aから図6までの間に、天板21に蓄積した応力が、係止部1cによる第1の被係止部24を引き留める力に勝つことにより、天板21が元の形状に戻ろうとする勢いによって、係止部1cによる第1の被係止部24に対する係止が解除される。この場合、天板21は一種のばね性を獲得するといえ、その蓄積した応力の大きさや、天板21の素材によっては、蓋本体5は弾けるように開く。その結果、内側筒状垂下壁23の一部が容器本体の開口部に乗り上げ、密閉状態が破られる。
図7は、密閉が破られた後、蓋が全開となる前の第1の実施形態の右側面断面図である。
図6における係止の解除は突発的に生じ得るため、場合によっては蓋本体が跳ね上がる。したがって、その勢いに乗じて、好適にはヒンジ部10近傍の内側筒状垂下壁23aが開口部の内側1dにより押し上げられることによって、当該開口部が開放される。内側筒状垂下壁23aと開口部内側1dとの接触部が滑らかにスライドするため、開口部の開放はスムーズに進行する。
図8は、蓋が全開となった第1の実施形態の右側面断面図である。図8に示すように、内側筒状垂下壁23が開口部3の上縁に乗り上げることによって、蓋の開放が完了する。そして、包装容器を外力から解放すると、包装容器の各部材の形状は元の形にまで復元する。
図8に示すように、第1の実施形態においては、開放した蓋本体が容器本体と連結している。しかし本開示においては、蓋の開放状態において、容器本体と蓋部とは、必ずしも互いに連結している必要はなく、分離していてもよい。この場合、蓋部に蓄積した応力の大きさ等によっては、開放時の勢いに乗じて蓋部を飛ばすこともできる。
以上説明した通り、本開示においては、容器本体に外力を加えるというワンアクションにより蓋を開けることが可能である。これは、蓋部の少なくとも一部に第1の被係止部を設けることにより、外力を付与した際に蓋部が容器本体から浮き上がる結果、第1の被係止部が係止部から外れることで蓋が開放されるという原理による。特に、本開示の容器が片手で把持できる大きさである場合には、その把持した手で蓋を開けることができ、従来よりも簡便な開放操作が可能である。
さらに、蓋部の変形により蓄えられた応力を利用して、開放時に蓋部を勢いよく跳ね上げる構成とすることもできる。その構成を採用する場合には、さらに、天板の裏面に、文字、図形、記号、立体的形状や色彩、又はこれらの組み合わせを施すことにより、蓋の開放に娯楽性を加えることもできる。
本開示においては、蓋部の内側筒状垂下壁の形状を、容器本体の開口部上端内面壁の形状に沿わせることにより、容器の密閉性を確保している。その一方、蓋部の係止は、容器本体の係止部と、蓋部の第1の被係止部により確保されている。このように、本開示においては、密閉性を担う部分と係止機能を担う部分が別々に設けられているため、容器の密閉性(及びそれに伴うリクローズ性)を犠牲にすることなく、被係止部を自由に設計することができる。そのため、図3の底面断面図に示すように第1の被係止部24を外側筒状垂下壁の一部に設けてもよく、その結果として蓋部の簡単な開放が可能となる。
さらに、本開示においては、従来の蓋の開放機構とは異なり、ヒンジ部においてばねによる付勢を必ずしも要しない。その理由は、上記図5A及び図6の説明において述べた通り、外力付与時に主に天板に応力が蓄積されるため、天板が一種のばね性を獲得する結果、係止解除と共に蓋が自動的に開放するためである。
ただし、蓋部の素材や形状、包装容器の大きさ等によっては、ヒンジ部にばね等を設け、蓋開放の補助に供してもよい。
本開示の包装容器の寸法は特に限定されないものの、ワンタッチで蓋を開放できるという観点からは、片手で持てる寸法(ハンディサイズ)が好ましい。
本開示の包装容器の高さは、用途によって適宜調節できるが、例えば外寸で50〜100,000mmとしてもよい。
本開示における容器本体の幅は、用途によって適宜調節できるが、片手で握れるサイズとして、例えば外寸で50〜100mmとしてもよい。容器本体の平面視断面形状が略円形以外の場合には、容器本体の長径(容器本体幅方向の最も長い差渡し径)を外寸で100〜200mm、短径(容器本体幅方向の最も短い差渡し径)を外寸で20〜50mmとしてもよい。
本開示における容器本体の容量は、上記寸法同様に適宜調節できるが、例えば、0.1〜1,000Lとしてもよい。
第1の被係止部とは別に、係止部により係止される第2の被係止部を独立して設けてもよい。
第2の被係止部は、外側筒状垂下壁において、ヒンジ部との連結位置及び第1の被係止部が存在する位置のいずれとも異なる位置に設けられる。第2の被係止部は、ヒンジ部との連結位置と第1の被係止部が存在する位置との略中間の位置に設けられることが好ましい。仮に第1の被係止部を包装容器正面側とした場合、第2の被係止部は包装容器側面側に設けることが好ましい。
第2の被係止部は、好適には外側筒状垂下壁において周方向に延設される。第2の被係止部は、外側筒状垂下壁内周面から天板中央へ向かって突出する。
第2の被係止部は、1つのみ設けてもよいし、2つ以上設けてもよい。
図9は、第2の実施形態における蓋部2の右側面断面図と底面断面図である。第2の実施形態は、第2の被係止部を用いた典型例である。第2の実施形態は、さらに第2の被係止部25が設けられたこと以外は、第1の実施形態(図1〜図8)と同様である。
図9下側の底面断面図に示す通り、第2の実施形態において、第2の被係止部25(斜線で示す)は、外側筒状垂下壁22に沿って考えた場合、外側筒状垂下壁22とヒンジ部10との連結位置10aと、第1の被係止部24が存在する位置とのちょうど中間の位置にそれぞれ1つずつ設けられている。より具体的には、同図に示す通り、連結位置10aの周方向中心から90°離れた位置に、第2の被係止部の周方向中心が位置合わせされている。
このように第2の被係止部を設けることにより、よりしっかりした蓋部の閉止状態が実現する。本第2の実施形態においては、第2の被係止部は2つのうちいずれか1つのみであってもよいが、バランスの良い閉止を実現するため、2つとも設けることが好ましい。
図9下側の底面断面図に示す通り、第2の被係止部25は、外側筒状垂下壁内周面に一定の角度範囲で存在することが好ましい。ここでいう角度は、同図中のθと等しい。
θは、好適には3°以上20°以下であり、より好適には5°以上18°以下であり、さらに好適には10°以上15°以下である。θが3°未満であるとすると、外側筒状垂下壁において第2の被係止部の占める部分が狭すぎるため、蓋の閉止状態が不十分となるおそれがある。一方、θが20°を超えるとすると、外側筒状垂下壁において第2の被係止部の占める部分が広くなりすぎるため、蓋の開放が困難となるおそれがある。
より好適には、第2の被係止部25の周方向中心から両側に、それぞれ均等に1.5°以上10°以下の範囲で第2の被係止部25を設けることが好ましい。
第1、第2の被係止部とは別に、さらに、係止部により係止される第3の被係止部を独立して設けてもよい。
第3の被係止部は、外側筒状垂下壁とヒンジ部との連結位置近傍に設けられる。第3の被係止部の周方向中心は、当該連結位置と位置合わせされていてもよく、当該連結位置とはずれていてもよい。
第3の被係止部は、好適には外側筒状垂下壁において周方向に延設される。第3の被係止部は、外側筒状垂下壁内周面から天板中央へ向かって突出する。
図10は、第3の実施形態における蓋部2の右側面断面図と底面断面図である。第3の実施形態は、第3の被係止部を用いた典型例である。第3の実施形態は、さらに第3の被係止部26が設けられたこと以外は、第1の実施形態(図1〜図8)と同様である。
図10下側の底面断面図に示す通り、第3の被係止部26(斜線で示す)は、外側筒状垂下壁とヒンジ部との連結位置10a近傍に設けられる。より具体的には、同図に示す通り、連結位置10aの周方向中心と、第3の被係止部26の周方向中心とが位置合わせされている。
図10下側の底面断面図に示す通り、第3の被係止部26は、外側筒状垂下壁内周面に一定の角度範囲で存在することが好ましい。ここでいう角度は、同図中のθと等しくなる。θの数値範囲は、上述した第1の被係止部の場合と同様である。
なお、第1の被係止部についてのθと、第3の被係止部についてのθとは、同じ角度であってもよいし、異なる角度であってもよい。
図11は、第4の実施形態における蓋部2の右側面断面図と底面断面図である。第4の実施形態は、さらに第2の被係止部25と第3の被係止部26が設けられたこと以外は、第1の実施形態(図1〜図8)と同様である。そして、第2の被係止部25及び第3の被係止部26については上述した通りである。
上記第1〜第4の実施形態では、第1の被係止部が、外側筒状垂下壁とヒンジ部との連結位置とは反対側の位置に、1つのみ設けられていた。しかし、本開示においては、第1の被係止部の位置や個数は、特に限定されない。
図12は、第5の実施形態における蓋部2の右側面断面図と底面断面図である。第5の実施形態は、第1の被係止部24の位置と個数以外は、第1の実施形態(図1〜図8)と同様である。
図12下側の底面断面図に示す通り、第5の実施形態において、2つの第1の被係止部24(斜線で示す)は、それぞれ、その周方向中心が外側筒状垂下壁22とヒンジ部10との連結位置10aの周方向中心から90°離れた位置にある。この第1の被係止部24の位置は、上述した第2の実施形態(図9)の第2の被係止部25の位置と同じである。ただし、本第5の実施形態においては、第1の被係止部の位置を決めるに当たり、外側筒状垂下壁とヒンジ部との連結位置10aは特に基準としない。したがって、本第5の実施形態は、容器本体と蓋部との連結手段としてヒンジを用いない包装容器や、蓋の開放状態において容器本体と蓋部とが分離する包装容器にも適用することができる。
図12下側の底面断面図に示す通り、第1の被係止部24は、外側筒状垂下壁内周面に一定の角度範囲で存在することが好ましい。ここでいう角度は、同図中のθと等しくなる。θの数値範囲は、上述した第1の実施形態と同様である。
図12には第1の被係止部24が2つ描かれているが、本第5の実施形態においては、第1の被係止部は1つのみでもよく、3つ以上設けられていてもよい。ただし、本第5の実施形態においてバランスの良い閉止を実現するためには、第1の被係止部は2つ以上設けることが好ましく、外側筒状垂下壁22の平面視形状に沿って均等に第1の被係止部を配置することが好ましい。
第1の被係止部を2つ以上設ける場合には、その大きさや形状は互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
このように、第1の被係止部を外側筒状垂下壁内周面の一部の任意の位置に設けた場合、蓋を開放するためには、容器本体の上端部において、第1の被係止部近傍と、その反対側の部分(図12においては、もう一方の第1の被係止部近傍)との距離が縮む方向に外力を加えることにより、容器本体の上端部を変形させる。例えば、図12に示すように第1の被係止部を容器側面側に設けた場合には、容器本体を左右両側から潰して変形させる。また、第1の被係止部を容器の斜め前方側に設けた場合には、容器本体を斜め前方とその反対側から挟んで潰して変形させる。
この容器本体の上端部の変形が、第1の被係止部及びその反対側の部分から蓋部全体に伝播する。より詳細に説明すると、容器本体の上端部の変形によって、外側筒状垂下壁のうち第1の被係止部が、これを係り止めている係止部に追従して移動し、第1の被係止部と反対側の部分も、対応する容器本体の部分に追従して移動する。しかし、外側筒状垂下壁のうち上記以外の部分は、容器本体の上端部のどの部分にも追従しないため、容器本体から浮き上がる結果、蓋部の形状が歪む。このように、容器本体の上端部の変形と蓋部の変形との連動が、蓋の開放の契機となる。
図13は、本開示の包装容器の第6の実施形態を示す斜視図である。第6の実施形態は、容器本体の下部分が、容器本体の上部分よりも大きな直径を有する他は、第1〜第5の実施形態(図1〜図12)のうちいずれか1つと同様である。
本開示は蓋の開放に主な特徴を有するため、この特徴を損なわない限度において、容器本体の形状を自由に選択することができる。例えば、図13に示すように、容器の蓋から首にかけての部分を第1の実施形態と同様の構成とし、容器本体の胴部30を大きくすることもできる。また、本図面には示さないものの、例えば、当該胴部30を多角形状や球状としたり、動物、植物、乗り物や建物その他あらゆるものをモチーフとした形状としたりすることも可能である。
第1〜第5の実施形態は主としてハンディな容器であり、片手で把持したままその手で簡単に開放できることをその効果の1つとする。これに対し、本第6の実施形態は、容器本体が大型であり、およそ持ち上げることのできない寸法のものであってもよく、その蓋及びその近傍を本開示の構成とすることによって、蓋を片手で簡単に開放することが可能である。
本開示の変形例は、上縁に開口部を備える少なくとも上端部が弾性変形可能な容器本体と、前記開口部を塞ぐ蓋部と、を備える包装容器であって、
前記蓋部は、天板と、前記天板の外周から垂下する外側筒状垂下壁と、前記天板内面から垂下し、前記外側筒状垂下壁よりも一回り内部に位置し、かつ前記開口部上端内面壁の形状に沿った内側筒状垂下壁とを備え、
前記開口部近傍の外側に係止部が設けられ、前記外側筒状垂下壁の内周面には、前記係止部により係止される第1の被係止部が設けられ、
前記係止部と第1の被係止部により蓋部が閉じられ、かつ前記内側筒状垂下壁と前記開口部上端内面壁により容器内部の密閉性が確保されることを特徴とする。
本変形例は、上記第1〜第6の実施形態から、外力の付与及びそれに伴う蓋部の開放の特徴を除いた、より簡素化した構成を備える。
上記変形例においては、密閉機能(及びそれに伴うリクローズ機能)と係止機能とを異なる部分で確保できるという点で、実用上優れた効果を奏する。このように包装容器に必要な2つの機能を異なる部位で分担することにより、被係止部を蓋全体に設ける必要が無く、蓋の一部に設けることができる。その結果、蓋の開放時に被係止部から受ける抵抗を最小限に抑えることができ、従来よりも小さい力で蓋を開放できる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本開示を更に具体的に説明するが、本開示は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
1.包装容器の製造
[実施例1]
上記第1の実施形態に示した包装容器を製造した。
まず、容器胴部材、環状口部材、及び蓋部をそれぞれインジェクション成型により成型した。各部品の材料及び平均肉厚は以下の通りである。
容器胴部材:ポリプロピレン製、平均肉厚1.0mm
環状口部材:ポリプロピレン製、平均肉厚1.0mm
蓋部:ポリエチレン製、平均肉厚1.5mm
容器胴部材及び環状口部材は、それぞれ図2及び図4に示したものを用いた。
蓋部は、図3に示したもの(第1の実施形態)を用いた。このとき、被係止部の角度θ=60°とした。
次に、容器本体の上縁に環状口部材を固着させ、さらに蓋部を環状口部材と嵌合させ、実施例1の包装容器を得た。
完成した包装容器の形状及び寸法は以下の通りである。
包装容器の形状:円柱形状
包装容器の寸法(外寸):
高さ:89.0mm
幅(円柱の直径):66.4mm
容量:0.240L
2.包装容器の圧縮試験
実施例1の包装容器について圧縮試験を行った。具体的には、テンシロン万能試験機(オリエンテック社製、型番:RTC−1225A)を用いて、実施例1の包装容器(容器最大径:φ66.4mm)の容器本体のヒンジ部近傍と第1の被係止部近傍との距離が縮む方向に外力を付与して潰し、蓋の係止が解除されたとき、及び蓋が全開したときの各変位量と各荷重ピークを測定した。なお、ここで「変位量」とは、容器最大径(すなわち容器直径の外寸:φ66.4mm)と、潰した際の容器の短径との差を意味する。なお、ここでいう「蓋の係止が解除されたとき」とは図6に示したような状態のときを意味し、「蓋が全開したとき」とは図8に示したような状態のときを意味する。
試験方法の詳細は以下の通りである。
試験速度:30mm/min
荷重レンジ:100N
測定は5つの容器について同じ条件下で行い、その平均を求めた。また、5つの容器全てについて、外力から解放した後に、蓋が全開したまま、容器の各部材(容器胴部材、環状口部材、蓋部)の形状が元の形にまで復元した。
下記表1は、5つの容器の変位量、変形率及び荷重ピーク、並びにそれらの平均値をまとめた表である。なお、実験番号1〜5は便宜のため付したものであり、それぞれ5つの容器の結果に対応する。
なお、表1における「変形率」とは、下記式(1)により求められる値である。
式(1)
p={(R−r)/R}×100
(上記式(1)中、pは変形率(%)を、Rは変形前の容器本体の最大径(mm)を、rは変形における容器本体の短径(mm)を、それぞれ表す。)
また、下記表2は、圧縮前の容器最大径と、圧縮時の平均変形量等をまとめた表である。
上記表1の結果より、容器本体及び蓋部の平面視形状がいずれも略円形である場合、蓋の係止が解除されるときの変形率pは7.5%以上7.8%以下であり、その際の荷重は42.76N以上50.99N以下であることが実証された。また、蓋が全開するときの変形率pは12%以上13%以下であり、その際の荷重は34.32N以上36.97N以下であることが実証された。さらに、外力から解放した後に、容器の各部材の形状が元の形にまで復元したことから、蓋の係止の解除及び蓋の全開に必要な外力によって容器本体に生じる応力は、容器本体の弾性限界未満であることが実証された。
また、上記表1及び表2より、容器最大径が66.4mmの容器について、平均して5.04mm圧縮した時点で蓋の係止が解除されることが分かる。また、その際の荷重ピークの平均は47.25Nである。一方、これらの表より、同じ容器について、平均して8.08mm圧縮した時点で蓋が全開することが分かる。また、その際の荷重ピークの平均は35.60Nである。また、これらの表より、蓋の係止の解除時の平均変形率は7.6%であり、蓋全開時の平均変形率は12%であることが分かる。
1 容器本体
1a 容器胴部材
1b 環状口部材
1c 係止部
1d 開口部内側
2 蓋部
3 開口部
4 嵌合環部
5 蓋本体
6 つまみ
7 ティアバンド
8 指示部
9 開閉つまみ
10 ヒンジ部
10a 外側筒状垂下壁22とヒンジ部10との連結位置
21 天板
22 外側筒状垂下壁
23 内側筒状垂下壁
23a ヒンジ部10近傍の内側筒状垂下壁
24 第1の被係止部
25 第2の被係止部
26 第3の被係止部
27 参考例における第1の被係止部
30 容器本体の胴部
100 包装容器の第1の実施形態
A 切断面の位置を示す一点鎖線

Claims (17)

  1. 上縁に開口部を備える少なくとも上端部が弾性変形可能な容器本体と、
    前記開口部を塞ぐ蓋部と、
    を備える包装容器であって、
    前記蓋部は、
    天板と、
    前記天板の外周から垂下する外側筒状垂下壁と、
    前記天板内面から垂下し、前記外側筒状垂下壁よりも一回り内部に位置し、かつ前記開口部上端内面壁の形状に沿った内側筒状垂下壁とを備え、
    前記開口部近傍の外側に係止部が設けられ、
    前記外側筒状垂下壁の内周面には、前記係止部により係止される第1の被係止部が設けられ、
    前記容器本体に外力を加えることで前記容器本体の上端部を変形させ、当該変形が少なくとも前記第1の被係止部から前記蓋部全体に伝播して当該蓋部を歪ませることによって、
    前記係止部による前記第1の被係止部に対する係止が解除されると共に、前記内側筒状垂下壁が前記開口部の内側により押し上げられることによって、当該開口部が開放されることを特徴とする、包装容器。
  2. 前記第1の被係止部は、前記外側筒状垂下壁内周面の一部に設けられ、
    前記容器本体の上端部において、前記第1の被係止部近傍とその反対側の部分との距離が縮む方向に外力を加えることで前記容器本体の上端部を変形させ、当該変形が前記第1の被係止部及びその反対側の部分から前記蓋部全体に伝播して当該蓋部を歪ませることを特徴とする、請求項1に記載の包装容器。
  3. 前記蓋部が、前記開口部を塞ぐように前記容器本体にヒンジ部を介して揺動自在に連結されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の包装容器。
  4. 前記ヒンジ部が前記開口部近傍に設けられ、前記外側筒状垂下壁の一部が当該ヒンジ部と連結し、
    前記第1の被係止部は、少なくとも前記外側筒状垂下壁と前記ヒンジ部との連結位置とは反対側に位置し、かつ当該外側筒状垂下壁内周面から前記天板中央に向かって突出し、
    前記容器本体の前記ヒンジ部近傍と前記第1の被係止部近傍との距離が縮む方向に外力を加えることで前記容器本体の上端部を変形させ、当該変形が前記ヒンジ部及び前記第1の被係止部から前記蓋部全体に伝播して当該蓋部を歪ませることによって、
    前記係止部による前記第1の被係止部に対する係止が解除されると共に、前記ヒンジ部近傍の前記内側筒状垂下壁が前記開口部の内側により押し上げられることによって、当該開口部が開放されることを特徴とする、請求項3に記載の包装容器。
  5. 前記容器本体は、
    上縁が開口した少なくとも上端部が弾性変形可能な容器胴部材と、
    前記容器胴部材の上縁に固着された弾性変形可能な環状口部材とを備え、
    前記蓋部は、
    前記環状口部材に外嵌合する弾性変形可能な嵌合環部と、
    前記開口部を開閉するための蓋本体とを備え、
    前記蓋本体は、前記天板、前記外側筒状垂下壁及び前記内側筒状垂下壁を備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の包装容器。
  6. 前記第1の被係止部は、前記外側筒状垂下壁内周面に周方向3°以上120°以下の角度範囲で存在することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の包装容器。
  7. 前記係止部は、前記開口部近傍の外側全周に設けられていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の包装容器。
  8. 前記蓋部が弾性変形可能であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の包装容器。
  9. 前記蓋部の平面視形状が略円形又は略楕円形であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の包装容器。
  10. 前記容器本体及び前記蓋部の平面視形状がいずれも略円形である場合において、
    前記係止が解除されるとき、下記式(1)により求められる変形率pが7.0%以上8.5%以下であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の包装容器。
    式(1)
    p={(R−r)/R}×100
    (上記式(1)中、pは変形率(%)を、Rは前記変形前の前記容器本体の最大径(mm)を、rは前記変形における前記容器本体の短径(mm)を、それぞれ表す。)
  11. 前記容器本体の平均肉厚が、0.10mm以上10mm以下であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の包装容器。
  12. 前記容器本体の上端部の平均肉厚が、0.10mm以上10mm以下であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の包装容器。
  13. 前記容器本体は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリアミド、ポリカーボネート及びポリ塩化ビニルからなる群より選ばれる少なくとも1つの材料を含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の包装容器。
  14. 前記外側筒状垂下壁において、前記ヒンジ部との連結位置及び前記第1の被係止部が存在する位置のいずれとも異なる少なくとも1つの位置に、当該外側筒状垂下壁内周面から前記天板中央に向かって突出し、かつ前記係止部により係止される第2の被係止部が設けられることを特徴とする、請求項4〜13のいずれか一項に記載の包装容器。
  15. 前記第2の被係止部は、前記外側筒状垂下壁内周面に周方向3°以上20°以下の角度範囲で存在することを特徴とする、請求項14に記載の包装容器。
  16. 前記外側筒状垂下壁と前記ヒンジ部との連結位置近傍に、当該外側筒状垂下壁内周面から前記天板中央に向かって突出し、かつ前記係止部により係止される第3の被係止部が設けられることを特徴とする、請求項4〜15のいずれか一項に記載の包装容器。
  17. 前記第3の被係止部は、前記外側筒状垂下壁内周面に周方向3°以上120°以下の角度範囲で存在することを特徴とする、請求項16に記載の包装容器。
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