JP2018043354A - 三次元造形物、三次元造形物の製造方法及びインクセット - Google Patents

三次元造形物、三次元造形物の製造方法及びインクセット Download PDF

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Abstract

【課題】着色インク組成物の硬化物であり、色の異なる複数の着色領域を有する三次元造形物において、色の異なる前記着色領域が、直接接している場合に比して、着色領域の混色が抑制された三次元造形物の提供。【解決手段】着色インク組成物の硬化物であり、色の異なる複数の着色領域と、透明インク組成物の硬化物である透明領域であって、前記色の異なる複数の着色領域間に介在する透明領域と、を有する三次元造形物。【選択図】図1

Description

本発明は、三次元造形物、三次元造形物の製造方法及びインクセットに関する。
三次元造形装置は、3Dプリンターとも呼ばれる。例えば、三次元形状の断面形状データに従って、インクジェット法を用いて着色インク組成物を配置し、紫外線(UV)又は電子線(EB)等により硬化することを繰り返して三次元造形物(例えば、工業製品等の部品、人形等の玩具など)を作製する装置が知られている。
三次元造形装置において、カラーの三次元造形物を使用するために、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー及び、ブラック等の、複数色の着色インク組成物を配置、硬化する装置が知られている。
ここで、三次元造形装置、及び三次元造形物の製造方法に関しては、種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、「少なくともラジカル重合性化合物、ラジカル重合開始剤、及び、着色剤を含有する着色液と、少なくともカチオン重合性化合物、及び、カチオン重合開始剤を含有する下塗り液とを少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録用インクセット。」が開示されている。
特許文献2には、「少なくとも着色剤を含有するカラーインク及び白インクから構成されるインクジェット用インクセットにおいて、該白インクの表面張力が、該カラーインクの表面張力よりも低いことを特徴とするインクジェット用インクセット。」が開示されている。
特許文献3には、「ラジカル重合性を有する樹脂前駆体と、当該樹脂前駆体を光照射によってラジカル重合反応させるためのラジカル光重合開始剤と、カチオン重合性を有する樹脂前駆体と、当該樹脂前駆体を光照射によってカチオン重合反応させるためのカチオン光重合開始剤と、着色剤とを含むことを特徴とするインクジェット用インク。」が開示されている。
特許文献4には、「光反射性を有するインクから形成された光反射層と、加飾層と、透明インクから形成された透明層とが設けられており、該加飾層が該光反射層の外側に形成されており、該透明層が該加飾層の外側に形成されていることを特徴とする造形物。」が開示されている。
特許文献5には、「積層方式により形成された造形物であって、加飾層を有し、加飾インクのみでは該加飾層のインク充填密度が所定のインク充填密度を満たさない箇所について、補填インクによって該加飾層のインク充填密度が補填されていることを特徴とする造形物。」が開示されている。
特許文献6には、「25℃における粘度が15mPa・s以上で、光照射により硬化可能なインクを、インクジェット記録方式を用いて基材へ噴射し、次いで活性光線を照射することによって画像を形成する画像形成方法において、噴射前に該インクを40℃以上に加熱することによって、該インクの粘度を12mPa・s以下に制御する手段を有し、かつ該インクが基材へ噴射された後、該インクの粘度が15mPa・s以下であるときに光照射することを特徴とする画像形成方法。」が開示されている。
特許文献7には、「以下の成分:すなわち、(a)1種以上のエポキシ化合物を含むエポキシ成分;該エポキシ成分の0〜30重量%未満、好ましくは28重量%未満、更に好ましくは20重量%未満はグリシジル型である、(b)(i)ヒドロキシル基を含まない;又は(ii)ヒドロキシル基を含むが、500グラム以下、好ましくは約300グラム以下のヒドロキシル当量を有する1種以上の多官能(メタ)アクリレートを含む(メタ)アクリレート成分;そして、好ましくは、該(メタ)アクリレート成分は、組成物の総重量を基準として20重量%未満を形成する、(c)好ましくはポリエステル化合物ではなく、好ましくはアクリレート化ポリオールではなく、そして好ましくは、ポリエーテルポリオール化合物である、2つ以上のヒドロキシル基を含む成分、(d)カチオン光重合開始剤;及び、(e)フリーラジカル光重合開始剤を含む光硬化性組成物。」が開示されている。
特開2008−248071号公報 国際公開第2006/087930号 特開2006−008998号公報 特開2015−147327号公報 特開2015−147328号公報 特開2004−034441号公報 特表2007−516318号公報
本発明の課題は、着色インク組成物の硬化物であり、色の異なる複数の着色領域を有する三次元造形物において、色の異なる前記着色領域が、直接接している場合に比して、着色領域の混色が抑制された三次元造形物を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
請求項1に係る発明は、
着色インク組成物の硬化物であり、色の異なる複数の着色領域と、
透明インク組成物の硬化物である透明領域であって、前記色の異なる複数の着色領域間に介在する透明領域と、を有する
三次元造形物。
請求項2に係る発明は、
前記着色領域と、前記透明領域とが、カチオン重合物により結合されている、請求項1に記載の三次元造形物。
請求項3に係る発明は、
前記透明領域の引張弾性率が、前記着色領域の引張弾性率よりも小さい、請求項1又は請求項2に記載の三次元造形物。
請求項4に係る発明は、
色の異なる複数の着色インク組成物の硬化物である色の異なる複数の着色領域と、透明インク組成物の硬化物であって、前記色の異なる複数の着色領域間に介在する透明領域とを、前記着色インク組成物及び透明インク組成物の吐出及び硬化を繰り返して形成する工程を含む
三次元造形物の製造方法。
請求項5に係る発明は、
前記着色インク組成物が、
着色剤、ラジカル重合性基を有する化合物、カチオン重合性基を有する化合物及び光ラジカル重合開始剤、又は、
着色剤、ラジカル重合性基及びカチオン重合性基を有する化合物、並びに、光ラジカル重合開始剤を含有し、
前記透明インク組成物が、
ラジカル重合性基を有する化合物、カチオン重合性基を有する化合物、光ラジカル重合開始剤、及び、光カチオン重合開始剤、又は、
ラジカル重合性基及びカチオン重合性基を有する化合物、光ラジカル重合開始剤、並びに、光カチオン重合開始剤、を含有する、
請求項4に記載の三次元造形物の製造方法。
請求項6に係る発明は、
前記着色インク組成物の硬化物の接触角と、前記透明インク組成物の硬化物の接触角の差が、10°以上である、請求項5に記載の三次元造形物の製造方法。
請求項7に係る発明は、
ラジカル重合性基を有する化合物、カチオン重合性基を有する化合物、及び、光ラジカル重合開始剤を含有する、又は、
ラジカル重合性基及びカチオン重合性基を有する化合物、並びに、光ラジカル重合開始剤を含有する
着色インク組成物と、
ラジカル重合性基を有する化合物、カチオン重合性基を有する化合物、光ラジカル重合開始剤及び光カチオン重合開始剤、又は、
ラジカル重合性基及びカチオン重合性基を有する化合物、光ラジカル重合開始剤、並びに、光カチオン重合開始剤を含有する
透明インク組成物と、を含む
インクセット。
請求項8に係る発明は、
前記着色インク組成物の硬化物の接触角と、前記透明インク組成物の硬化物の接触角の差が、10°以上である、請求項7に記載のインクセット。
請求項1に係る発明によれば、着色インク組成物の硬化物であり、色の異なる複数の着色領域を有する三次元造形物において、色の異なる前記着色領域が、直接接している場合に比して、着色領域の混色が抑制された三次元造形物が提供される。
請求項2に係る発明によれば、着色領域と、透明領域とが、ラジカル重合物のみにより結合されている場合に比して、折り曲げ強度に優れた三次元造形物が提供される。
請求項3に係る発明によれば、透明領域の引張弾性率が、着色領域の引張弾性率と同じであるか、大きい場合に比して、折り曲げ強度に優れた三次元造形物が提供される。
請求項4に係る発明によれば、着色領域が、色の異なる着色領域に、直接接する場合に比して、着色領域の混色が抑制された三次元造形物の製造方法が提供される。
請求項5に係る発明によれば、着色インク組成物が重合性化合物としてアクリロイルオキシ基を有する化合物のみを含有する場合に比して、折り曲げ強度に優れた三次元造形物の製造方法が提供される。
請求項6に係る発明によれば、着色インク組成物の硬化物の接触角と、前記透明インク組成物の硬化物の接触角の差が、10°未満である場合に比して、着色領域の混色が抑制された三次元造形物の製造方法が提供される。
請求項7に係る発明によれば、着色インク組成物が重合性化合物としてアクリロイルオキシ基を有する化合物のみを含有する場合に比して、折り曲げ強度に優れた三次元造形物の製造に用いられるインクセットが提供される。
請求項8に係る発明によれば、着色インク組成物の硬化物の接触角と、前記透明インク組成物の硬化物の接触角の差が、10°未満である場合に比して、着色領域の混色が抑制された三次元造形物の製造に用いられるインクセットが提供される。
本実施形態に係る三次元造形物の一例を示す概略図である。 製造途中の本実施形態に係る三次元造形物の一例を示す概略図である。 実施例において製造された三次元造形物を示す概略図である。 比較例において製造された三次元造形物を示す概略図である。 実施例において製造された三次元造形物を示す概略図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
<三次元造形物>
本実施形態に係る三次元造形物は、着色インク組成物の硬化物であり、色の異なる複数の着色領域と、透明インク組成物の硬化物である透明領域であって、前記色の異なる複数の着色領域間に介在する透明領域と、を有する。
従来の、複数色の着色インク組成物を用い、色の異なる複数の着色領域を形成することにより作製された、複数の着色領域を含む三次元造形物においては、色の異なる着色領域が隣接する箇所において、着色領域の混色(以下、単に「混色」ともいう。)が認められる場合があった。
それに対し、本実施形態の三次元造形物は、色の異なる前記着色領域が、前記透明領域を介して接触していることにより、色の異なる着色領域が直接接する箇所がなく、混色が抑制される。
色の異なる着色領域が、透明領域を介して接触しているとは、ある着色領域と、色の異なる別の着色領域との間に、透明領域が必ず存在することをいう。
更に、三次元造形物の表面は、着色領域により形成されていてもよいが、耐衝撃性や、着色領域の汚れからの保護の観点から、三次元造形物の表面は、透明領域により形成されていることが好ましい。
図1は、本実施形態の三次元造形物の一例を示す概略図である。三次元造形物1において、4つの色の異なる着色領域22、24、26、28が、直接接することなく、透明領域30を介して接触している。
また三次元造形物1は、三次元造形物の表面に透明領域30を有している。
透明領域の厚さは、混色を抑制する観点から、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましく、1μm以上であることが更に好ましい。上限は特に限定されないが、発色性の観点から、1mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましい。
色の異なる複数の着色領域としては、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ホワイト、ライトシアン、ライトマゼンタ、グリーン、オレンジ等の着色領域が挙げられる。
これらの着色領域は、それぞれ、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ホワイト、ライトシアン、ライトマゼンタ、グリーン、オレンジ等の着色インク組成物の硬化物である。
着色インク組成物の詳細については後述する。
本実施形態において、色が異なるとは、La空間における2つの知覚色を代表する2点間の直線距離、すなわちΔEabは、下式で与えられる。
ΔEab=[(ΔL+(Δa+(Δb1/2
上記ΔEabにおいて、色が異なるとは、おおよそ以下のようになる。
ΔEabが0以上0.5未満:きわめてわずかに異なる。
ΔEabが0.5以上1.5未満:わずかに異なる。
ΔEabが1.5以上3.0未満:感知しえるほどに異なる。
ΔEabが3.0以上6.0未満:著しく異なる。
ΔEabが6.0以上12.0未満:きわめて著しく異なる。
ΔEabが12.0以上:別の色系統になる。
色の評価は、X−Rite社製 非接触式 TeleFlashシステムなどの彩色計などにより測定される。
本実施形態において、光路長を1cmとした場合の波長380nm以上780nm以下の光の透過率が、80%以上である領域を透明領域、80%未満である領域を着色領域という。
上記透過率は、分光光度計を用い、測定試料の光路長及び透過率を測定し、Beer−Lambert(ベール−ランバート)の法則に基づき光路長を補正することにより測定される。
透明領域の透過率と、硬化前の透明インク組成物の透過率とは同程度であると考えられる。従って、透明領域の上記透過率が80%以上であれば、透明インク組成物及び着色インク組成物を硬化するために活性放射線を照射した場合、着色インク組成物よりも透明インク組成物の方が活性放射線の透過性に優れるため、透明インク組成物が着色インク組成物よりも先に硬化すると考えられる。その結果、着色領域の混色が抑制されると推測される。
更に、上記透過率が80%以上であれば、例えば、製造途中の三次元造形物を支持する造形台を移動させながら、インクを吐出する方法により三次元造形物を製造する場合には、三次元造形物のひずみ(以下、単に「ひずみ」ともいう。)が抑制される。
上記ひずみは、製造途中の三次元造形物の強度が弱く、造形台の移動に対し、三次元造形物の移動が追従できない場合に、製造途中の三次元造形物がいわゆる「ブレ」のような動きをしてしまい、目標位置に対する吐出位置のズレが生じる結果、発生すると考えられる。しかし、上記透過率が80%以上であれば、透明インク組成物が着色インク組成物よりも先に硬化することにより、三次元造形物の強度が上昇し、造形台の移動に対し、製造途中の三次元造形物の移動が追従しやすくなるため、ひずみの発生が抑制されると推測している。
また、透明領域の上記透過率は、混色の抑制、及び、ひずみの発生が抑制される観点から、80%以上であることがより好ましく、81%以上であることが更に好ましい。透過率の上限は特に限定されず、100%以下であればよい。
透明インク組成物の詳細については後述する。
(カチオン重合物)
本実施形態の三次元造形物は、得られる三次元造形物の折り曲げ強度の観点から、前記着色領域と、前記透明領域とが、カチオン重合物により結合されていることが好ましい。
カチオン重合物とは、カチオン重合により形成される重合体をいう。
着色領域と透明領域とが、カチオン重合物により結合されているとは、一つのカチオン重合物が、着色領域と、透明領域の両方の領域に存在することをいう。
例えば、少なくともカチオン重合性基を有する化合物を含む着色インク組成物と、少なくともカチオン重合性基を有する化合物及びカチオン重合開始剤を含む透明インク組成物とを接触するように吐出し、活性放射線の露光により硬化した場合、着色インク組成物中の、少なくともカチオン重合性基を有する化合物と、透明インク組成物中の、少なくともカチオン重合性基を有する化合物とが、カチオン重合物を形成する。
上記態様によれば、一つのカチオン重合物が、着色領域と、透明領域の両方に存在する三次元造形物が得られる。
カチオン重合は、ラジカル重合よりも、酸素による重合阻害がされにくく、重合開始種の寿命が長く、重合が継続する時間が長いという特徴を有しており、より高分子化した重合物が得られるため、重合物の浸透性が高く、重合領域が拡大すると考えられる。
したがって、前記着色領域と、前記透明領域とが、カチオン重合物により結合される場合には、ラジカル重合物のみにより結合される場合と比較して、より高分子化した重合物によって、広く、深い範囲が結合されるため、着色領域と透明領域の接着性に優れると考えられる。
その結果、三次元造形物が着色領域と透明領域の界面における剥がれや割れの発生が抑制され、折り曲げ強度に優れた三次元造形物が得られると推測している。
前記着色領域と、前記透明領域とが、カチオン重合物により結合された三次元造形物は、例えば、カチオン重合性基を有する化合物を含有する着色インク組成物と、カチオン重合性基を有する化合物と、光カチオン重合開始剤とを含有する透明インク組成物とを用いて形成することにより得られる。光カチオン重合開始剤は、着色インク組成物が含有してもよいが、光の透過性に優れ、重合が効率よく進行する観点から、透明インク組成物に含有されることが好ましい。
前記着色領域と、前記透明領域とが、カチオン重合物により結合されていることは、前記着色領域、及び、前記透明領域に含まれる開始剤の残渣、及び、重合体の分析により確認される。
具体的には、赤外分析法などによる二重結合官能器量の減衰、カチオン重合される重合性モノマーの構造変化、カチオン重合試薬構造由来の吸収スペクトル変化、熱重量分析法による350℃以上の重量減衰量などで確認することが可能である。通常は、カチオン重合モノマーは、環構造体が多く、この環構造が開裂することにより、重合が起きるので、この吸収スペクトル変化を測定することで、前記着色領域と、前記透明領域とが、カチオン重合物により結合されていると判断される。
(引張弾性率)
本実施形態の三次元造形物は、前記透明領域の引張弾性率が、前記着色領域の引張弾性率よりも小さいことが好ましい。物体に一様な圧力(あるいは張力)をかけたとき,体積が縮小(あるいは膨張)する。
上記態様によれば、三次元造形物の耐衝撃性に優れると考えられる。
これは、硬い(引張弾性率の大きい)着色領域を、柔らかい(引張弾性率の小さい)透明領域により包むことにより、例えば落下等の衝撃や、ねじり等の負荷が、透明領域により吸収されるためであると推測される。
透明領域の引張弾性率は、5Mpa以上40MPa以下が好ましく、耐衝撃性の観点から、10Mpa以上40Mpa以下がより好ましく、20Mpa以上40Mpa以下が更に好ましい。
着色領域の引張弾性率は、10MPa以上80MPa以下が好ましく、耐衝撃性の観点から、20MPa以上70Mpa以下がより好ましく、20MPa以上50MPa以下が更に好ましい。
透明領域と着色領域の引張弾性率の差は、耐衝撃性の観点から、5MPa以上70MPa以下が好ましく、10MPa以上50MPa以下がより好ましく、10Mpa以上30Mpa以下が更に好ましい。
上記引張弾性率は、ASTM D−638に準じて、引張試験機により測定される。
(着色領域の大きさ)
透明領域に囲まれた、一つの着色領域の大きさは、1000mm以下であることが好ましく、125mm以下であることがより好ましく、1mm以下であることがさらに好ましい。下限は特に限定されないが、インクジェットの製造適性上、1×10−6mm以上であることが好ましい。
一つ一つの着色領域の大きさが1mm以下であれば、三次元造形物に含まれる透明領域の量が多くなり、得られる三次元造形物の耐衝撃性及び折り曲げ強度に優れる。
一つの着色領域が10mmを超える場合には、色の異ならない、同色の着色領域であっても、分割して複数の同色の着色領域として、同色の着色領域同士を、透明領域を介して接触させることも有用である。
また、着色領域の間に透明領域を配置することにより、三次元造形物の着色濃度を制御してもよい。
(インク層)
本実施形態に係る三次元造形物は、着色インク組成物及び透明インク組成物(以下、まとめて「インク組成物」ともいう。)の少なくとも一方を吐出し、活性放射線の露光により硬化して着色領域及び透明領域(以下、まとめて「領域」ともいう。)の少なくとも一方を形成する、という、インク組成物の少なくとも一方の吐出及び露光(硬化)を繰り返すことにより形成される。
1回の吐出及び露光(硬化)により形成される、硬化したインク組成物の層を、インク層(以下、単に「層」ともいう。)という。
吐出されたインク組成物を硬化してインク層とし、インク層上に更にインク組成物を吐出して硬化してすることにより多数のインク層が積層され、三次元造形物が得られる。すなわち、本実施形態に係る三次元造形物は、多数のインク層の積層体である
本実施形態に係る三次元造形物は、インク層を1以上有することが好ましく、2以上有することがより好ましく3以上有することが更に好ましい。
インク層の厚さは、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.5μm以上5μm以下であることがより好ましく、1.0μm以上3μm以下であることが更に好ましい。
上記インク層の数及び厚さは、三次元造形物を削りだし、透過型、若しくは反射型電子顕微鏡で層を観察し、測定器で測定することが可能である。
(透明インク組成物)
透明インク組成物は、ラジカル重合性基を有する化合物、カチオン重合性基を有する化合物、光ラジカル重合開始剤、及び、光カチオン重合開始剤、又は、ラジカル重合性基、及び、カチオン重合性基を有する化合物、光ラジカル重合開始剤、並びに、光カチオン重合開始剤、を含有することが好ましい。
上記態様によれば、光の透過しやすい透明インク組成物が、ラジカル重合により着色インク組成物よりも先に硬化して透明領域が形成されるため、混色の抑制、及び、ひずみの発生が抑制される。また、尺食インク組成物が少なくともカチオン重合性基を有する化合物を含む場合には、カチオン重合物により、着色領域と、透明領域とが結合されるため、折り曲げ強度に優れた三次元造形物が得られる。
本実施形態において、光路長を1cmとした場合の波長380nm以上780nm以下の光の透過率が、80%以上である領域を透明インク組成物、80%未満である領域を着色インク組成物という。
上記透過率は、分光光度計を用い、測定試料の光路長及び透過率を測定し、Beer−Lambert(ベール−ランバート)の法則に基づき光路長を補正することにより測定される。
また、透明インク組成物の上記透過率は、混色の抑制、及び、ひずみの発生が抑制される観点から、80%以上であることがより好ましく、81%以上であることが更に好ましい。透過率の上限は特に限定されず、100%以下であればよい。
−第一の態様−
本実施形態における透明インク組成物の第一の態様は、ラジカル重合性基を有する化合物、カチオン重合性基を有する化合物、光ラジカル重合開始剤、及び、光カチオン重合開始剤を含有する透明インク組成物である。
〔ラジカル重合性基を有する化合物〕
ラジカル重合性基を有する化合物としては、ラジカル重合反応によって重合してポリマーを形成する種々のモノマー、オリゴマー、およびプレポリマーがいずれも使用可能である。
ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロキシ基又は(メタ)アクリルアミド基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。
具体的には、ラジカル重合性基を有する化合物としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等が好適に挙げられる。これらの中でも、ラジカル重合性基を有する化合物としては、ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの双方を意味し、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの双方を意味する。また、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル基およびメタクリロイル基の双方を意味する。
−ウレタン(メタ)アクリレート−
ウレタン(メタ)アクリレート(以下、単に「ウレタン(メタ)アクリレート」とも称する。)は、ウレタン構造と2個以上の(メタ)アクリロイル基を一分子内に有する化合物である。ウレタン(メタ)アクリレートは、モノマーであってもよし、オリゴマーであってもよいが、オリゴマーであることがよい。
ウレタン(メタ)アクリレートの官能数((メタ)アクリロイル基の数)は、2以上20以下(好ましくは2以上15以下)がよい。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレートとを用いた反応生成物が挙げられる。具体的には、ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物を反応させたプレポリマーであって、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーと、水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応生成物が挙げられる。また、ウレタン(メタ)アクリレートとしては、ポリイソシアネート化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応生成物が挙げられる。
・ポリイソシアネート化合物
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、鎖状飽和炭化水素イソシアネート、環状飽和炭化水素イソシアネート、芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。これら中でも、ポリイソシアネート化合物は、近紫外領域に光吸収帯を持たない鎖状飽和炭化水素イソシアネート、近紫外領域に光吸収帯を持たない環状飽和炭化水素イソシアネートが好ましい。
鎖状飽和炭化水素イソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
環状飽和炭化水素イソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添トルエンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
・ポリオール化合物
ポリオール化合物としては、例えば、ジオール、多価アルコール等が挙げられる。
ジオールとしては、例えば、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,3,5−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,2−ジメチロールシクロヘキサン、1,3−ジメチロールシクロヘキサン、1,4−ジメチロールシクロヘキサン等)等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、ヒドロキシル基を3個以上含有するアルキレン多価アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、エリスリトール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、マンニトール等)が挙げられる。
ポリオール化合物としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等も挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、多価アルコールの多量体、多価アルコールとアルキレンオキサイドとの付加物、アルキレンオキサイドの開環重合体等が挙げられる。
ここで、多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,8−デカンジオール、オクタデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール等が挙げられる。
アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロロヒドリン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価アルコールと二塩基酸との反応生成物、環状エステル化合物の開環重合体等が挙げられる。
ここで、多価アルコールとしては、例えば、ポリエーテルポリオールの説明で例示した多価アルコールが挙げられる。
二塩基酸としては、例えば、カルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等)、カルボン酸の無水物等が挙げられる。
環状エステル化合物としては、例えば、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、グリコールとアルキレンカーボネートとの反応生成物、グリコールとジアリールカーボネートとの反応生成物、グリコールとジアルキルカーボネートとの反応生成物等が挙げられる。
ここで、アルキレンカーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート等が挙げられる。ジアリールカーボネートとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、4−メチルジフェニルカーボネート、4−エチルジフェニルカーボネート、4−プロピルジフェニルカーボネート、4,4’−ジメチルジフェニルカーボネート、2−トリル−4−トリルカーボネート、4,4’−ジエチルジフェニルカーボネート、4,4’−ジプロピルジフェニルカーボネート、フェニルトルイルカーボネート、ビスクロロフェニルカーボネート、フェニルクロロフェニルカーボネート、フェニルナフチルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられる。
ジアルキルカーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート、ジ−n−アミルカーボネート、ジイソアミルカーボネート等が挙げられる。
・水素基含有(メタ)アクリレート
水素基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。水素基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジル基含有化合物(例えばアルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等)と(メタ)アクリル酸との付加物も挙げられる。
−ウレタン(メタ)アクリレート重量平均分子量−
ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量としては、500以上5000以下が好ましく、1000以上3000以下がより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、ポリスチレンを標準物質としたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
−他のラジカル重合性基を有する化合物−
ラジカル重合性基を有する化合物としては、上記以外に他のラジカル重合性基を有する化合物も挙げられる。
他のラジカル重合性基を有する化合物としては、例えば、以下に例示する、(メタ)アクリレート(単官能の(メタ)アクリレート、多官能の(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
単官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレート、複素環を有する(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド化合物等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールのブロックポリマーのモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
複素環を有する(メタ)アクリレートとしては、例えばテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミドおよび
N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
多官能の(メタ)アクリレートのうち、2官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,10−デカンジオールジアクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,7−ヘプタンジオールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルアクリレート、EO(エチレンオキサイド)変性ビスフェノールAジアクリレート、PO(プロピレンオキサイド)変性ビスフェノールAジアクリレート、EO変性水添ビスフェノールAジアクリレート、EO(エチレンオキサイド)変性ビスフェノールFジアクリレート等が挙げられる。
多官能の(メタ)アクリレートのうち、3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO(エチレンオキサイド)変性ジグリセリンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート変性アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
ラジカル重合性基を有する化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
〔カチオン重合性基を有する化合物〕
カチオン重合性基を有する化合物としては、カチオン重合反応によって重合してポリマーを形成種々のモノマー、オリゴマー、およびプレポリマーがいずれも使用可能である。
カチオン重合性基としては、エポキシ基、オキセタニル基、ビニル基等が挙げられ、カチオン重合性基を有する化合物としては、硬化性の観点から、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物が好ましく、エポキシ化合物、又は、オキセタン化合物がより好ましい。
−エポキシ化合物及びオキセタン化合物−
本実施形態において用いられるエポキシ化合物としては、特に限定されず、公知のエポキシ化合物が使用されるが、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシド等が好ましく挙げられる。
芳香族エポキシドとしては、例えば、ビスフェノールA(アルキレンオキサイド付加体を含む)のジグリシジルエーテル又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA(アルキレンオキサイド付加体を含む)のジグリシジルエーテル又はポリグリシジルエーテル、及び、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。上記アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられる。
上記シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物は、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、適当な酸化剤(過酸化水素、過酸等)を用いてエポキシ化することによって得られる、
脂肪族エポキシドのとしては、脂肪族多価アルコール(アルキレンオキサイド付加体を含む)のジグリシジルエーテル又はポリグリシジルエーテルが挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
芳香族エポキシモノマーとしては、特に限定はされないが、例えば、ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマー、ナフタレン骨格を有するエポキシモノマー、アダマンテン骨格を有するエポキシモノマー、及び、フルオレン骨格を有するエポキシモノマー、ビフェニル骨格を有するエポキシモノマー、バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマー、キサンテン骨格を有するエポキシモノマー、アントラセン骨格やピレン骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。これらのエポキシモノマーは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本実施形態において用いるオキセタンモノマーとしては、特に限定はされないが、例えば、単官能または2官能のオキセタンモノマーが用いられる。
より具体的には、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成(株)製、商品名OXT101等)、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテル(東亞合成(株)製、商品名OXT221等)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(東亞合成(株)製、商品名OXT212等)等が好ましく挙げられる。
芳香族オキセタンモノマーとしては、例えば、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン(東亞合成(株)製、商品名OXT121等)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(東亞合成(株)製、商品名OXT211等)、等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、例えば、アルキレングリコールジビニルエーテル、アルキレングリコールモノビニルエーテル、ポリアルキレングリコールジビニルエーテル、アルキレンジオールジビニルエーテル、シクロアルキレンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシアルキルモノビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等が挙げられる。
上記アルキレン基としては炭素数2以上20以下のアルキレン基が好ましく、炭素数2以上10以下のアルキレン基がより好ましい。
カチオン重合性基を有する化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
透明インク組成物におけるカチオン重合性基を有する化合物の含有量は、透明領域と着色領域の折り曲げ強度の観点から、透明インク組成物の全質量に対し、2質量%以上98質量%以下であることが好ましく、5質量%以上95質量%以下であることがより好ましく、30質量%以上70質量%以下であることが更に好ましい。
〔光ラジカル重合開始剤〕
光ラジカル重合開始剤としては、特に制限がなく、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−アルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類が挙げられる。
上記化合物の中でも、硬化性の観点から、ホスフィンオキシド類が好ましい。
アセトフェノン類としては、例えば、2,2−エトキシアセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンなどが挙げられる。
ベンゾイン類としては、例えば、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4−クロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノンなどが挙げられる。
ホスフィンオキシド類としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF社製、IRGACURE TPO)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製、IRGACURE 819)などが挙げられる。
また、ラジカル重合開始剤としては、「UV・EB硬化技術の応用と市場(シーエムシー出版、田畑米穂監修/ラドテック研究会編集)」に記載の各種化合物も使用される。
光ラジカル重合開始剤の含有量は、硬化性の観点から、透明インク組成物の全質量に対し、0.1質量部以上15質量部以下が好ましく、1質量部以上10質量部以下がより好ましい。
なお、前記光ラジカル重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトン、チオキサントン、などが挙げられる。
〔光カチオン重合開始剤〕
カチオン重合性基を有する化合物を、光照射によってカチオン重合反応させるための光カチオン重合開始剤としては、従来公知の種々の、光カチオン重合開始剤が用いられる。光カチオン重合開始剤の具体的化合物としては、例えばジアゾニウム塩、ヨードニウム塩(ジアリールヨードニウム塩等)、スルホニウム塩(トリアリールスルホニウム塩等)、鉄アレーン錯体、有機ポリハロゲン化合物等が挙げられる。このうち、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩としては、特公昭54−14277号、特公昭54−14278号、特開昭51−56885号、米国特許第3,708,296号、同第3,853,002号等に記載された化合物が挙げられる。
特に好適な化合物としては、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C 、PF 、AsF 、SbF 、CFSO 塩が挙げられ、中でも対アニオンとしてボレート化合物をもつものが、酸発生能力が高く好ましい。また、スルホン酸を発生するスルホン化物、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物、鉄アレン錯体等も好適である。更に、光カチオン重合開始剤については、津田譲著「超LSLレジストの分子設計」(共立出版、1990)の55〜78ページに記載の光酸発生剤化合物が使用される。
光カチオン重合開始剤としては、市販の化合物も使用される。市販の化合物としては、BASF社製、IRGACURE250、270及び290が好ましい。
光カチオン重合開始剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。透明インク組成物における光カチオン重合開始剤の含有量は、硬化性の観点から、透明インク組成物の全質量に対し、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上15質量%以下がより好ましい。
〔着色剤〕
透明インク組成物は、後述する着色剤を含有しないことが好ましい。
透明インク組成物が着色剤を含有する場合、透明性の観点から、着色剤の含有量は、透明インク組成物の全質量に対し、1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0.1%以下であることが更に好ましい。
〔重合禁止剤〕
重合禁止剤としては、例えば、フェノール系重合禁止剤(例えば、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等)、ヒンダードアミン、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、ヒドロキノン等の周知の重合禁止剤が挙げられる。
重合禁止剤の含有量は、ラジカル重合性基を有する化合物の全質量に対して、0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、0.1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
なお、重合禁止剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
〔界面活性剤〕
界面活性剤としては、例えば、シリコーン系界面活性剤、アクリル系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の周知の界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、透明インク組成物の全質量に対して、0.05質量%以上15質量%以下が好ましく、0.1質量%以上10.0質量%以下がより好ましい。
なお、界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
〔その他の添加剤〕
上記以外で、その他の添加剤としては、例えば、溶剤、増感剤、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、増粘剤、分散剤、重合促進剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)等の周知の添加剤が挙げられる。
〔透明インク組成物の特性〕
透明インク組成物の表面張力は、例えば18mN/m以上70mN/m以下の範囲が挙げられる。
ここで、表面張力は、ウイルヘルミー型表面張力計(協和界面科学株式会社製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値である。
透明インク組成物の粘度は、例えば3mPa・s以上100mPa・s以下の範囲が挙げられる。
ここで、粘度は、レオマット115(Contraves製)を測定装置として用いて、測定温度は23℃、せん断速度は1400s−1の条件で測定した値である。
透明インク組成物の硬化物の接触角は、50°以上104°以下であることが好ましく、50以上90°以下であることがより好ましく、60°以上90°以下であることが更に好ましい。
また、着色インク組成物の硬化物の接触角と、透明インク組成物の硬化物の接触角の差は、5°以上であることが好ましく、10°以上であることがより好ましく、15°以上であることが更に好ましい。接触角の差の上限は特に限定されないが、50°以下であればよい。
上記接触角は、硬化物の作製方法と、接触角の測定方法について記載をお願いいたします。測定は25℃室温下、水溶媒を使用し、協和界面科学(株)製 全自動接触角計DMo−1101を使って測定した。
測定サンプルは、UV硬化後 厚みおよそ10μm、1cmX1cm四方の平板サンプルになるように成形した。
UV条件は、365nmのUV−LED光源(シーシーエス(株)製面照射型)を使い 150mW/cmの放射照度で、2秒照射を行った。
−第二の態様−
本実施形態における透明インク組成物の第二の態様は、ラジカル重合性基、及び、カチオン重合性基を有する化合物、光ラジカル重合開始剤、並びに、光カチオン重合開始剤、を含有する透明インク組成物である。
ラジカル重合性基、及び、カチオン重合性基を有する化合物を含むことにより、折り曲げ強度により優れた三次元造形物が得られる。
透明インク組成物の第二の態様における、光ラジカル重合開始剤、並びに、光カチオン重合開始剤は、透明インク組成物の第一の態様における光ラジカル重合開始剤、並びに、光カチオン重合開始剤と同義であり、好ましい態様も同じである。
第二の態様において、透明インク組成物は、上記透明インク組成物の第一の態様において記載した、ラジカル重合性基を有する化合物、及び、カチオン重合性基を有する化合物を含むことが好ましい。
また、透明インク組成物の第二の態様における、着色剤、重合禁止剤、界面活性剤、その他の添加剤、及び、透明インク組成物の特性についても、透明インク組成物の第一の態様における着色剤、重合禁止剤、界面活性剤、その他の添加剤、及び、透明インク組成物の特性と同義であり、好ましい態様も同じである。
〔ラジカル重合性基、及び、カチオン重合性基を有する化合物〕
ラジカル重合性基、及び、カチオン重合性基を有する化合物におけるラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましく、カチオン重合性基としては、ビニルエーテル基が好ましい。
ラジカル重合性基、及び、カチオン重合性基を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、エチルオキセタンメチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールビニルグリシジルエーテル等が挙げられる。
ラジカル重合性基、及び、カチオン重合性基を有する化合物としては、市販の化合物を使用してもよく、例えば、VEEA及びVEEM(共に(株)日本触媒製)、EOXTVEおよびCHDMVG(共に丸善石油化学(株)製)が挙げられる。
ラジカル重合性基、及び、カチオン重合性基を有する化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
透明インク組成物におけるラジカル重合性基、及び、カチオン重合性基を有する化合物の含有量は、硬化性の観点から、透明インク組成物の全質量に対し、5質量%以上95質量%以下であることが好ましく、10質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、30質量%以上70質量%以下であることが更に好ましい。
(着色インク組成物)
本実施形態に係る着色インク組成物は、着色剤、ラジカル重合性基を有する化合物、カチオン重合性基を有する化合物及び光ラジカル重合開始剤を含有する、又は、ラジカル重合性基及びカチオン重合性基を有する化合物、並びに、光ラジカル重合開始剤を含有する。
上記態様によれば、硬化速度の速いラジカル重合により、速やかに着色領域が形成されるため三次元造形物の製造速度に優れ、また、透明インク組成物が少なくともカチオン重合性基を有する化合物及び光カチオン重合開始剤を含む場合には、カチオン重合物により、着色領域と、透明領域とが更に結合されるため、折り曲げ強度に優れた三次元造形物が得られる。
−第一の態様−
本実施形態における着色インク組成物の第一の態様は、着色剤、ラジカル重合性基を有する化合物、カチオン重合性基を有する化合物、及び、光ラジカル重合開始剤を含有する着色インク組成物である。
〔着色剤〕
着色剤としては顔料、染料などの従来公知の種々の着色剤を使用することができ、特に三次元造形物の耐候性を向上する観点から、顔料が好ましい。
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、若しくは顔料を、分散媒として樹脂等に分散させたもの、又は顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いられる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いられる。
本実施形態において使用される有機顔料及び無機顔料の具体例としては、特許第5372295号公報の段落0036乃至0039に記載の化合物などを挙げることができ、これらを本実施形態にも適用される。
顔料の分散には、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
顔料の分散を行う際には、分散剤を添加してもよい。分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体等を挙げることができる。また、ルーブリゾール社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、分散助剤としては、各種顔料に応じたシナージストも用いられる。
これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量部に対し、1質量部以上50質量部以下添加することが好ましい。
着色インク組成物において、顔料などの諸成分の分散媒としては、溶剤を添加してもよいが、無溶剤であることが好ましい。これは、着色領域中に、溶剤が残留すると、耐溶剤性が劣化したり、溶剤の残留(VOC、Volatile Organic Compound)が生じたりするためである。上記観点から、分散媒としては、ラジカル重合性基を有する化合物を用い、中でも、低粘度のカチオン重合性モノマーを選択することが分散適性やインク組成物のハンドリング性向上の観点から好ましい。
顔料粒子の体積平均粒径は、0.01μm以上2μm以下であることが好ましく、0.02μm以上0.1μm以下がより好ましい。また、最大粒径は3μm以下が好ましく、1μm以下が更に好ましい。上記範囲となるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、着色インク組成物の保存安定性及び硬化感度を維持される。
体積平均粒径の測定には、マイクロトラックUPA粒度分析計 UPA−UT151 (Microtrac社製)により行う。その測定は、1000倍希釈したインクを測定セルに入れて行う。なお、測定時の入力値として、粘度にはインク希釈液の粘度を、粒子屈折率は顔料粒子の屈折率を採用する。
着色剤の含有量は、着色インク組成物の全質量に対し、0.01質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上20質量%以下がより好ましい。着色剤として油溶性染料を用いた場合には、着色インク組成物の全質量(溶媒を含む)に対して、0.01質量%以上10質量%以下が特に好ましい。
〔ラジカル重合性基を有する化合物〕
着色インク組成物におけるラジカル重合性基を有する化合物の化合物種は、上述の透明インク組成物の第一の態様におけるラジカル重合性基を有する化合物の化合物種と同義であり、好ましい態様も同じである。
ラジカル重合性基を有する化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色インク組成物におけるラジカル重合性基を有する化合物の含有量は、硬化性の観点から、着色インク組成物の全質量に対し、5質量%以上95質量%以下であることが好ましく、10質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上85質量%以下であることが更に好ましい。
〔カチオン重合性基を有する化合物〕
着色インク組成物におけるカチオン重合性基を有する化合物の化合物種は、上述の透明インク組成物の第一の態様におけるカチオン重合性基を有する化合物の化合物種と同義であり、好ましい態様も同じである。
カチオン重合性基を有する化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色インク組成物におけるカチオン重合性基を有する化合物の含有量は、硬化性の観点から、着色インク組成物の全質量に対し、5質量%以上95質量%以下であることが好ましく、10質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上85質量%以下であることが更に好ましい。
〔光ラジカル重合開始剤〕
着色インク組成物における光ラジカル重合開始剤の化合物種は、上述の透明インク組成物の第一の態様における光ラジカル重合開始剤の化合物種と同義であり、好ましい態様も同じである。
光ラジカル重合開始剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色インク組成物における光ラジカル重合開始剤の含有量は、硬化性の観点から、着色インク組成物の全質量に対し0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以上10%以下であることが更に好ましい。
〔光カチオン重合開始剤〕
着色インク組成物は、光カチオン重合開始剤を含有してもよい。
着色インク組成物における光カチオン重合開始剤の化合物種は、上述の透明インク組成物の第一の態様における光カチオン重合開始剤の化合物種と同義であり、好ましい態様も同じである。
光カチオン重合開始剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色インク組成物が光カチオン重合開始剤を含有する場合、における光カチオン重合開始剤の含有量は、硬化性の観点から、着色インク組成物の全質量に対し、0.1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上10質量%以下であることが更に好ましい。
また、三次元造形物の折り曲げ強度の観点から、着色インク組成物における光カチオン重合開始剤の含有量は、透明インク組成物における光カチオン重合開始剤の含有量よりも小さいことが好ましい。
また、着色インク組成物の第一の態様における、重合禁止剤、界面活性剤、及び、その他の添加剤についても、透明インク組成物の第一の態様における、重合禁止剤、界面活性剤、及び、その他の添加剤と同義であり、好ましい態様も同じである。
〔着色インク組成物の特性〕
着色インク組成物の表面張力は、例えば18mN/m以上70mN/m以下の範囲が挙げられる。
ここで、表面張力は、ウイルヘルミー型表面張力計(協和界面科学株式会社製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値である。
着色インク組成物の粘度は、例えば3mPa・s以上100mPa・s以下の範囲が挙げられる。
ここで、粘度は、レオマット115(Contraves製)を測定装置として用いて、測定温度は23℃、せん断速度は1400s−1の条件で測定した値である。
着色インク組成物の硬化物の接触角は、50°以上104°以下であることが好ましく、50°以上90°以下であることがより好ましく、60°以上90°以下であることが更に好ましい。
−第二の態様−
本実施形態における着色インク組成物の第二の態様は、ラジカル重合性基、及び、カチオン重合性基を有する化合物、並びに、光ラジカル重合開始剤を含有する物である。
ラジカル重合性基、及び、カチオン重合性基を有する化合物を含むことにより、折り曲げ強度により優れた三次元造形物が得られる。
着色インク組成物の第二の態様における、光ラジカル重合開始剤は、透明インク組成物の第一の態様における光ラジカル重合開始剤と同義であり、好ましい態様も同じである。
第二の態様において、着色インク組成物は、上記着色インク組成物の第一の態様において記載した、ラジカル重合性基を有する化合物、及び、カチオン重合性基を有する化合物を含むことが好ましい。
第二の態様において、着色インク組成物は、光カチオン重合開始剤を含有してもよい。光カチオン重合開始剤は、上記着色インク組成物の第一の態様において記載した、光カチオン重合開始剤と同義であり、好ましい態様も同じである。
また、着色インク組成物の第二の態様における、着色剤、重合禁止剤、界面活性剤、その他の添加剤、及び、着色インク組成物の特性についても、着色インク組成物の第一の態様における着色剤、重合禁止剤、界面活性剤、その他の添加剤、及び、着色インク組成物の特性と同義であり、好ましい態様も同じである。
〔ラジカル重合性基、及び、カチオン重合性基を有する化合物〕
着色インク組成物におけるラジカル重合性基、及び、カチオン重合性基を有する化合物の化合物種は、上述の透明インク組成物の第二の態様におけるラジカル重合性基、及び、カチオン重合性基を有する化合物種と同義であり、好ましい態様も同じである。
ラジカル重合性基、及び、カチオン重合性基を有する化合物の化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色インク組成物におけるラジカル重合性基、及び、カチオン重合性基を有する化合物の含有量は、硬化性の観点から、着色インク組成物の全質量に対し、50質量%以上99質量%以下であることが好ましく、60質量%以上98質量%以下であることがより好ましく、70質量%以上95質量%以下であることが更に好ましい。
<三次元造形物の製造方法>
本実施形態の三次元造形物の製造方法は、色の異なる複数の着色インク組成物の硬化物である色の異なる複数の着色領域と、透明インク組成物の硬化物であって、前記色の異なる複数の着色領域間に介在する透明領域とを、前記着色インク組成物及び透明インク組成物の吐出及び硬化を繰り返して形成する工程を含む。
本実施形態の三次元造形物の製造方法においては、まず、例えば造形台に、着色インク組成物及び透明インク組成物の少なくとも一方を吐出し、露光により硬化してインク層を形成する。
本実施形態において、着色インク組成物を硬化して形成したインク層を着色インク層、透明インク組成物を硬化して形成したインク層を透明インク層という。
着色領域は、1以上の着色インク層により形成される領域であり、透明領域は、1以上の透明インク層により形成される領域である。
造形台に吐出されたインク組成物は、最終的に三次元造形物の表面(1層目)となる。三次元造形物の表面は、透明領域により形成されていることが好ましい点から、造形台には透明インク組成物のみを吐出することが好ましい。
上記吐出において、色の異なる着色インク組成物を複数吐出する場合、色の異なる着色インク組成物同士が接触しないよう、色の異なる着色インク組成物の間に透明インク組成物が介在するように吐出する。
露光後、形成された着色インク層又は透明インク層上に着色インク組成物及び透明インク組成物の少なくとも一方を吐出し、露光により硬化して、2層目の着色インク層及び透明インク層の少なくとも一方を形成する。
同様にして、3層目以降のインク層を、吐出及び露光を繰り返して形成する。
2層目以降の着色インク組成物の吐出においては、着色インク組成物は、色の異なる着色インク層上には吐出されず、同一の色の着色インク層上、又は、透明インク層上に吐出される。
上記態様によれば、着色インク組成物の硬化物である着色領域と、透明インク組成物の硬化物であって、前記色の異なる複数の着色領域間に介在する透明領域とが形成される。
吐出及び露光を繰り返す数としては、特に制限はないが、1回以上であることが好ましい。
本実施形態の三次元造形物の製造方法によれば、着色領域と色の異なる別の着色領域とが透明領域を介して接触するため、混色が抑制される。
本実施形態の三次元造形物の製造方法において使用される着色インク組成物及び透明インク組成物は、本実施形態の三次元造形物において説明した着色インク組成物及び透明インク組成物と同義であり、好ましい態様も同じである。
本実施形態の三次元造形物の製造方法について、図2を用いて説明する。
図2は、製造途中の三次元造形物の一例を示す概略図である。
図2における製造途中の三次元造形物は、吐出と、露光とを8回繰り返した時点の三次元造形物であり、造形台10の上に、透明インク層20と、互いに色が異なる着色インク層12、14、16、18とが8層目までが製造されている。
1回の吐出により、1層分に相当する着色インク組成物及び透明インク組成物の少なくとも1方が吐出され、その後の露光により硬化されて、1層のインク層が形成される。
図2においては、表面が透明領域である三次元造形物を製造するため、1層目として、造形台10の上に、透明インク組成物のみを吐出し、露光することにより、透明インク層20が形成されている。
なお、説明における便宜上、図2には着色インク層18と造形台との間に1層の透明インク層20を有する態様として記載したが、実際の三次元造形物の製造においては、着色インク層と造形台との間には、例えば、厚さ100μmの層を50回形成することにより、0.5mmの透明領域が形成されることが好ましい。
図2における2層目の形成においては、着色インク組成物及び透明インク組成物を吐出することにより、一つの層の中で、着色インク組成物が、色の異なる別の着色インク組成物と、透明インク組成物を介して接触する。その結果、図2における2層目に示したように、一つの層の中で、色が異なる着色インク層12と18とが、透明インク層20を介して接触している。
また、6層目乃至7層目の形成においては、製造途中の三次元造形物の高さ方向において、着色インク組成物が、色の異なる着色インク層に、透明インク層を介して接触する。具体的には、5層目の着色インク層18上に、6層目として透明インク組成物を吐出し、露光して透明インク層20とし、6層目の透明インク層20上に、7層目として着色インク組成物を吐出し、着色インク層16を形成している。
その結果、5層目乃至7層目に示したように、製造途中の三次元造形物の高さ方向において、色の異なる着色インク層18と16とが、透明インク層20を介して接触する。
なお、説明における便宜上、図2には6層目として、1層の透明インク層20を有する態様を記載したが、実際の三次元造形物の製造においては、着色インク層と色の異なる着色インク層との間には、例えば、厚さ100μmの層を50回形成することにより、0.5mmの透明領域が形成されることが好ましい。
吐出方法としては、特に制限なく公知の吐出方法が使用されるが、例えば、ピエゾ素子の振動圧力を利用するピエゾ方式、静電誘引力を利用してインクを吐出する電荷制御方式、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出する音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等が挙げられる。
吐出におけるインク滴量は、特に制限はないが、得られる三次元造形物の緻密さ及び三次元造形物の製造速度の観点から、1pL以上200pL以下であることが好ましく、5pL以上100pL以下であることが好ましい。(参考pL:ピコリットル10pLは 1200dpi解像度、30pLは,900dpi程度)
露光において照射される活性放射線としては、特に制限はなく、例えば、紫外線、電子線等が挙げられ、中でも、汎用性の観点から紫外線が好ましい。
紫外線(紫外光)のピーク波長は、200nm以上420nm以下であることが好ましく、240nm以上400nm以下であることがより好ましく、300nm以上400nm以下であることが更に好ましい。
活性放射線が照射される際の露光面照度は、例えば10mW/cm以上8000mW/cm以下が好ましく、100mW/cm以上1000mW/cm以下がより好ましい。
照射手段としては、例えば、紫外線照射ランプ(ハロゲンランプ、高圧水銀灯など)、レーザ、発光ダイオード(LED)、電子線照射装置などが挙げられる。
また、三次元造形物の支持のためのサポート領域を形成するため、吐出において、サポート領域形成用インクを更に吐出してもよい。
例えば、下方位置の造形物の幅よりも、上方位置の造形物の幅が大きく、いわゆるオーバーハングしている部分がある場合、このオーバーハング部分を下方より支持するサポート領域を形成する。
サポート領域は、例えば吐出及び露光の繰り返しが完了した後に、造形物から除去される。
サポート領域形成用インクとしては、公知のサポート領域の形成に用いられるインクが制限なく使用され、例えば、特開2016−132773号公報、及び、2016−043610号公報に記載のサポート材が挙げられる。
<インクセット>
本実施形態のインクセットは、ラジカル重合性基を有する化合物、カチオン重合性基を有する化合物、及び、光ラジカル重合開始剤を含有する、又は、ラジカル重合性基及びカチオン重合性基を有する化合物、並びに、光ラジカル重合開始剤を含有する着色インク組成物と、ラジカル重合性基を有する化合物、カチオン重合性基を有する化合物、光ラジカル重合開始剤及び光カチオン重合開始剤、又は、ラジカル重合性基及びカチオン重合性基を有する化合物、光ラジカル重合開始剤、並びに、光カチオン重合開始剤を含有する透明インク組成物と、を含む。
本実施形態のインクセットに含まれる着色インク組成物は、本実施形態の三次元造形物において説明した着色インク組成物と同義であり、好ましい態様も同じである。
本実施形態のインクセットに含まれる透明インク組成物は、本実施形態の三次元造形物において説明した透明インク組成物と同義であり、好ましい態様も同じである。
本実施形態のインクセットは、複数の着色インク組成物を含んでもよい。例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ホワイトの5色の着色インク組成物を含むインクセットが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
<インクの調製>
下記表1〜2に記載の各成分を混合し、着色インク組成物C−1〜C−3、M−1〜M−3、Y−1〜Y−3、及び、W−1〜W−3、並びに、透明インク組成物T−1〜T−3を調製した。表1中、「−」の記載は、該当する化合物を含有していないことを示している。
なお、表1中に記載の略語は下記のとおりである。
・U−15HA:ウレタンアクリレートオリゴマー、新中村化学工業(株)製
・UA−4200:ウレタンアクリレートオリゴマー、新中村化学工業(株)製
・U−200PA:ウレタンアクリレートオリゴマー、新中村化学工業(株)製
・UV−3300B:エーテルタイプオリゴマー、日本合成化学(株)製
・IBXA:イソボルニルアクリレート、大阪有機化学工業(株)製
・TEGORad2011:シリコーン系界面活性剤、エボニック社製
・エチルカルビトールアクリレート:2−(2−エトキシエトキシ)エチル、ビスコート#190、大阪有機化学工業(株)製
・VEEA:2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルアクリレート、(株)日本触媒製
・OXT−212:2−エチルヘキシルオキセタン、東亞合成(株)製
・OXT−221:3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン、東亞合成(株)製
・PR122:ピグメントレッド122、山陽色素(株)社製
・PB15:3:ピグメントブルー15:3、山陽色素(株)社製
・PY−150:ピグメントイエロー150、山陽色素(株)社製
・酸化チタン:酸化チタン、チタン工業(株)社製
・GENORAD16:アクリル酸エステル、RAHN社製
・BAPO:Irgacure 819、BASF社製
・Irgacure290:トリアリールスルフォニウム テトラキス−(ペンタフルオロフェニル)ボレート、BASF社製
表2に記載したインク組成物を使用して、図3及び図4に記載した三次元造形物をそれぞれ作製した。
三次元造形物の作製はPolyJet3D(アルテック(株)社製改造機)を用いて行った。
図3及び図4は三次元造形物の正面図であり、図3又は図4における紙面内の上方向から各インク組成物を吐出し、三次元造形物を製造した。
三次元造形物の作製条件は吐出量50pL、インクの加熱温度50℃、UV−LED(365nm波長)、照度500mW/cm、とした
図3及び図4中、22は着色領域(シアン)を、24は着色領域(イエロー)を、26は着色領域(マゼンタ)を、28は着色領域(ホワイト)を、30は透明領域を、それぞれ表している。
図3及び図4に記載した三次元造形物は同一の形状、同一のサイズであり、各部のサイズは図5に記載した。
<折り曲げ強度評価>
精密万能試験機(島津製作所製、オートグラフAG-Xplusシリーズ)を用い、三次元造形物の折り曲げ強度を測定した。
具体的には、曲げ試験規格 ASTM D790に準じて折り曲げ強度を測定し、下記評価基準により評価した。評価結果は表2に記載した。
A:折り曲げ強度が30mN/m以上である
B:折り曲げ強度が15mN/m以上30mN/m未満である
C: 折り曲げ強度が10mN/m以上15mN/m未満である
D:折り曲げ強度が10mN/m未満である
<混色評価>
着色領域と透明領域、又は、着色領域と別の着色領域の界面を光学顕微鏡を用いて観察し、下記評価基準により官能評価を行った。
A:ほとんど滲みがない。
B:わずかに滲みが確認されるが、界面境界が、ほぼ直線である。
C:しみだし、混色があり、界面境界が、判別できる。
D:混色し 界面境界が不明。
1,2,3 三次元造形物
10 造形台
12,14,16,18 着色インク層
20 透明インク層
22 着色領域(シアン)
24 着色領域(イエロー)
26 着色領域(マゼンタ)
28 着色領域(ホワイト)
30 透明領域

Claims (8)

  1. 着色インク組成物の硬化物であり、色の異なる複数の着色領域と、
    透明インク組成物の硬化物である透明領域であって、前記色の異なる複数の着色領域間に介在する透明領域と、を有する
    三次元造形物。
  2. 前記着色領域と、前記透明領域とが、カチオン重合物により結合されている、請求項1に記載の三次元造形物。
  3. 前記透明領域の引張弾性率が、前記着色領域の引張弾性率よりも小さい、請求項1又は請求項2に記載の三次元造形物。
  4. 色の異なる複数の着色インク組成物の硬化物である色の異なる複数の着色領域と、透明インク組成物の硬化物であって、前記色の異なる複数の着色領域間に介在する透明領域とを、前記着色インク組成物及び透明インク組成物の吐出及び硬化を繰り返して形成する工程を含む
    三次元造形物の製造方法。
  5. 前記着色インク組成物が、
    着色剤、ラジカル重合性基を有する化合物、カチオン重合性基を有する化合物及び光ラジカル重合開始剤、又は、
    着色剤、ラジカル重合性基及びカチオン重合性基を有する化合物、並びに、光ラジカル重合開始剤を含有し、
    前記透明インク組成物が、
    ラジカル重合性基を有する化合物、カチオン重合性基を有する化合物、光ラジカル重合開始剤、及び、光カチオン重合開始剤、又は、
    ラジカル重合性基及びカチオン重合性基を有する化合物、光ラジカル重合開始剤、並びに、光カチオン重合開始剤、を含有する、
    請求項4に記載の三次元造形物の製造方法。
  6. 前記着色インク組成物の硬化物の接触角と、前記透明インク組成物の硬化物の接触角の差が、10°以上である、請求項5に記載の三次元造形物の製造方法。
  7. ラジカル重合性基を有する化合物、カチオン重合性基を有する化合物、及び、光ラジカル重合開始剤を含有する、又は、
    ラジカル重合性基及びカチオン重合性基を有する化合物、並びに、光ラジカル重合開始剤を含有する
    着色インク組成物と、
    ラジカル重合性基を有する化合物、カチオン重合性基を有する化合物、光ラジカル重合開始剤及び光カチオン重合開始剤、又は、
    ラジカル重合性基及びカチオン重合性基を有する化合物、光ラジカル重合開始剤、並びに、光カチオン重合開始剤を含有する
    透明インク組成物と、を含む
    インクセット。
  8. 前記着色インク組成物の硬化物の接触角と、前記透明インク組成物の硬化物の接触角の差が、10°以上である、請求項7に記載のインクセット。
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