JP2018042876A - 金属製円形の幅広側縁ケーキ型 - Google Patents

金属製円形の幅広側縁ケーキ型 Download PDF

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節子 廣澤
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Abstract

【課題】金属製円形のケーキ型で粉類に対しメレンゲの割合が多いスポンジケーキ(シフォンケーキ)生地をケーキ型の外枠の高さ10ぶん目まで充填して外枠上開口部外側に広がりながら膨らんだ生地をそのまま水平に保持して焼成でき、またケーキ生地の種類に関わらず、金属製円形のケーキ型で生地を焼成したときの生地の上面の焼き色を均等にするための工程を素早く簡単に行うことができるケーキ型を提供する。
【解決手段】外枠2bと底部からなる金属製円形のケーキ型は外枠上開口部の外側水平方向に2cm〜5cmの幅広の側縁2aを形成し、金属製円形の幅広側縁ケーキ型の底部の中央に突出して配置される煙突状の筒を形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は金属製円形の幅広側縁ケーキ型、及びケーキの製造方法に関する。
従来の外枠と底部からなるケーキ型の底部中央に突出して配置される煙突状の筒が形成されているケーキ型(シフォンケーキ型と呼ばれているもの)や外枠と底部からなるケーキ型(デコレーションケーキ型と呼ばれているもの)は一般的には円形のものでケーキ型の外枠上開口部の側縁は短く巻き上げてあるか、短く平らに加工されているものが多く、外枠の側面側から側縁は摘まみにくい加工で、外枠上開口部から指を差し入れて側縁を持つしかない。当然側縁の下面から支えて持つことはほぼできない。またケーキ型を使用したあとケーキ型を約90度に倒して洗うが側縁が短いため傾斜がなく洗いにくい。
(非特許文献1参照)
主にはケーキを焼成する焼き型としての製品ではあるが、煙突が形成されているものは中心部分に熱が通り易い事もあり、パンを焼成することもある。同じく底部と外枠だけからなるケーキ型もケーキ以外のものを焼成することもある焼き型である。
例えば粉類が少なくメレンゲの割合がかなり多い配合で作ったとても柔らかいプレーンなスポンジケーキ(シフォンケーキ)の生地をケーキ型の外枠の高さ10ぶん目まで充填して焼成した場合、生地の混ざり具合や粉類、水分、油、オーブンなどの温度や熱の回り具合などが絶妙に良い状態の場合は側縁の短い従来のケーキ型であっても、焼成途中で生地が溢れることなく焼成できる場合もあるが、生地が溢れて下に落ちることもよくある。しかしこの場合溢れることなく外側に膨らんで維持された生地はケーキ型の外枠上開口部の外側水平方向には維持することは出来ない。膨らんで広がった部分の生地は下にずっしりたるんだ状態のものである。通常この場合煙突状の筒のあるケーキ型(シフォンケーキ型)を使用するが、底部と外枠からなるケーキ型でシフォンケーキの生地の配合で生地を焼成する人もいる。
この発明は図5(a)、(b)、(c)に示すように、底部4c中央に煙突状の筒4bが形成された焼き型4を使用し、メレンゲを多く、粉類の少ない材料で生地5を焼成した生地5の上面を膨らんだ状態で維持させる方法は焼き型4の筒4bを支持部とし、筒上部4aに、図2の示す遮蔽物2を係止部2bで係止させて設置し、また更に図1の示す遮蔽物1の係止部1bを係止部2bに重ね合わせて乗せて設置し、焼き型4に充填されたメレンゲの多い粉類の少ない材料で作った生地5を焼成するもので、焼き型4に対して適量である約7ぶん目〜8ぶん目の生地を充填して焼成し生地5の上面の膨らみを維持する技術に関する。(特許文献1)
上記発明は生地の上面の膨らみを維持する方法であり、ケーキ型の外枠の高さ生地10ぶん目までを充填して生地を焼成した場合の外枠上開口部外側に広がりながら膨らんだ生地を水平に保持し焼成するものとは異なる。
また従来の金属製円形のケーキ型にメレンゲの多い生地をケーキ型の約7ぶん目〜8ぶん目の適量を充填して焼成した場合であっても生地の混ざり具合やオーブンの種類、室温などの条件によっては生地が一気に膨れあがって溢れたり、溢れた生地が焦げたりすることがある。生地を焼成するとき、最初の段階ではケーキ型はまだは熱くないので比較的簡単にオーブン庫内に設置できるが、そのようなことが突発的に起きたとき素早く対処したいが、ケーキ型は円形であるため側面をうっかり触るとかえってオーブンの奥に押し込んでしまうこともある。そのうえ側縁が短く加工されているので素早く引っ張り出すことはできず、対処に時間が費やされる。四角いケーキ型とは違い角がないため、ケーキ型を取り出したり水平に回転移動させたりなどの作業は加熱途中においては厚ぼったい手袋をしているため非常に持ちにくい形状の側縁である。
また、ケーキの種類に関わらず生地の上面の焼き色が濃かったり薄かったりすることがあるが上記に述べたように側縁が短い加工なので摘まんで持つなどできず、ケーキ型を水平に回転させるなどして生地の焼き色を調節したい場合でも面倒な作業である。
加熱途中オーブン庫内でのちょっとしたトラブルなどが発生した時、急いでオーブンを開け対処したいが角皿に乗せて焼成している場合、角皿を引き出す際、手前に引き出した反動でケーキ型が勢いよく飛び出しそうになることがあり危険である。
オーブンの種類などにもよるが、熱の回りを良くするために角皿を使わないで網(足つきの網、或いは足つきではない網の場合には網の角にココット皿などを置いて設置したもの)を使い、その上にケーキ型を乗せて生地を焼成することも頻繁に行われている。足つきの網などを使用する場合は、角皿ごと引き出す時のようには網を引き出すことはしないが、この場合は奥の方まで手を入れてケーキ型を手前に持ってくるしかない。
加熱途中でオーブンに手を入れる時は厚ぼったい専用の手袋を使用するがケーキ型の側縁の幅が短く加工されているので側縁を持つことはできず素早く作業を行えないことが多々ある。
両手でケーキ型の外枠側面を挟んで持つという動作は広く両腕が開いた状態になり、オーブンの扉の間口が狭い場合は扉の枠などに接触してやけどなどの原因になる事もある。
特願2015−157952
「フッ素樹脂加工シフォンケーキ型15cmDL-0526添付説明書1枚 」,株式会社貝印
本発明は例えば金属製円形のケーキ型(外枠本体中央に煙突状の筒が配置されて形成されているシフォンケーキ型)で粉類に対しメレンゲの割合が多いスポンジケーキ(シフォンケーキ)の生地をケーキ型の外枠の高さ10ぶん目まで充填した場合、加熱によってケーキ型の上開口部外側に膨らんだ生地をほぼ水平に保ちそのまま維持して焼成すること。
また焼成途中で生地が溢れそうになったとき又は溢れてしまった場合、またケーキ生地の種類に関わらず、例えば金属製円形のケーキ型で生地を焼成したときの生地の上面の焼き色を均等にするための工程を素早く簡単に行うこと。
本発明は上記目的を達成するものであり本発明の請求項1と請求項2の手段は以下の通りである。
請求項1の発明は、外枠と底部からなる金属製円形のケーキ型は外枠上開口部の外側水平方向に2cm〜5cmの幅広の側縁が形成されていることを特徴とする。
請求項2の発明は前記金属製円形の幅広側縁ケーキ型の前記底部の中央に突出して配置される煙突状の筒が形成されていることを特徴とする。
請求項3の発明は前記金属製円形の幅広側縁ケーキ型(外枠本体中央に煙突状の筒が配置されて形成されているケーキ型)又は、外枠と底部からなる金属製円形の幅広側縁ケーキ型で生地の上面の焼き色を調節するための作業を行いながら焼成し、ケーキ型外枠上開口部の外側水平方向に広がりながら膨らんだ生地をそのまま水平に保持して焼成することを特徴とする。
請求項1と請求項2の発明によって、請求項3の発明であるケーキの裾は外枠上開口部の外側水平方向に広がり側縁に焼きつけて焼成しているためその部分の生地はとても香ばしくなる。またケーキ製造の工程においての作業を安全に素早く行うことができる。
使用後ケーキ型を洗う際、幅広の側縁を外枠外側にほぼ水平に加工しているため、ケーキ型を横に倒して洗うとき外枠側面とシンク面との傾斜ができることにより洗い易い。
本発明のケーキ型1の詳細構造を示すもので、( a )はそのセットされた状態の斜視図、( b ) はその断面図。 本発明のケーキ型2の詳細構造を示すもので、( a )はそのセットされた状態の斜視図、( b )は筒本体の斜視図、( c )はその土台の外枠本体の斜視図、( d )はその断面図。 本発明のケーキ型2で生地4を焼成している途中オーブン5を開け、AからB方向に側縁2aを掴んで回しながら移動させている斜視図。 図3の拡大図。 本発明のケーキ型2と遮蔽物8(特願2015−157952)とクリップ9をセットした斜視図。実験例1を示すもの。
図1の示すケーキ型1はスチール製でフッ素表面処理が加工で、図2の示すケーキ型2
はアルミ製でアルマイト表面処理加工が施されている。金属製であれば材質はこれに限定されない。
電気オーブンコンベクション機能 庫内サイズ約30リットル
ガスオーブンの場合は若干温度設定を低くする
オーブン専用の厚い手袋を使用。
以下に示す実施例、比較表などを用い本発明と従来技術との違いを説明し、上記に示した本発明のケーキ型1、ケーキ型2以外の使用する調理道具については実施例の中で説明する。
室温約28〜29度。室温は季節などにより異なるので、温度によって、オーブンの設定温度を若干調節する。
焼成する生地4の材料は小麦粉や卵、水分、砂糖、油、油脂などを含む。分量は実施例の中で示す。
本発明のケーキ型1での実施の工程とその際の利点なども含め以下に説明する。
図1の示す( a )ケーキ型1の側縁1aの幅は約2cm 上面開口部直径約20cmサイズ 容量約1762ml 外枠の高さ6cm 側縁1aの端部1hは下面側に巻き上げてあり、端部1b下面は突起した形状になるように( b )に示す係止部1xの加工をしており、側縁1aの下面から支えてケーキ型1を引き出す場合、係支部1xが程よくひっ掛かりになり引き出しやすい加工であるが、例えば端部1hを下面に巻き上げずにバリ取り処理をし、端部1hの側縁1aの下面又は上面にいくらかの溝状の窪みを形成し側縁1aを持ちやすくする加工でも良い。ほぼ水平の側縁1aが形成できる加工が好ましいが、ほぼ水平の側縁1aであれば他の加工でも良い。バターなどの油脂類を使用し、いくらかしっかりした高さの低いスポンジケーキを作る際に主に使用する。メレンゲの多い生地4を焼成する際も使用することもあるがその場合は側縁1aの幅などの寸法を
割り出して生地4が溢れない寸法に加工することが好ましい。
オーブンの角皿を使用する。生地4の粗熱の放冷にはケーキクーラーを使用する。加熱中にオーブンに手を入れる際は手袋3をしていることを前提に説明をする。
「生地4の材料と分量」
全卵約210g、小麦粉約110g、砂糖約110g、溶かしバター約30g、 塩約0.5g、 レモン汁約2.5cc
全卵をよく撹拌し乳化させ砂糖、バターを混ぜた後、他の材料すべてを混ぜ合わせて作った生地4を使用。
ケーキ型1の側縁1aを持ちケーキ型1を水平に回わしながら生地4を6ぶん目位まで充填する。
生地4に内包する大きな気泡を抜くためケーキ型1を持ち上げ15cmくらいの高さからケーキ型1を垂直に落とす。生地4が内包した大きな気泡を抜く作業も側縁2aが幅広く加工されており持ち易く簡単に行える。
200度で予熱したオーブン5に生地4を充填したケーキ型1を角皿に乗せる。25〜35分前後焼成する。
オーブン5の種類などによって熱の回り方は違うが加熱途中、生地4の上面の焼き色が均等になるようにオーブン5の扉6を開けて角皿を引き出さず、又は奥まで手を入れずにケーキ型1の側縁1aを片手で摘まんで持ち、水平にケーキ型1を回した後、再び生地4の焼成をする。側縁1aを摘まみ、生地4の上面の焼き色が極端に手前だけ色が薄かったり、極端に後ろ側だけ濃かったりなどがないようにするための作業であるが、側縁1aの幅が広くなっているので厚ぼったい手袋3をしていても持ちやすく容易に行える。
生地4の上面の焼き色によって香りに影響し、その香りが美味しさを左右するが細やかな手間を省かず簡単に行えるようになりスポンジケーキの美味しさが高まる。
生地4の焼成終了時、オーブン5の扉6を開けて側縁1aを片手で摘まんで持ち、手前に引き出してから生地4の焼き上がりを確認するため、生地4の上面に竹串を刺して確認し、安全な状態でケーキ型1を取り出す。この際も図1の(b)で示すように係止部1xの加工により側縁1aを摘まんだとき滑りにくく持ちやすい。
生地4の材料の配合にもよるが生地4の焼成が終了した後、幅広く加工された側縁1aを持ち、ケーキクーラーにケーキ型1ごと逆さにして生地4の粗熱を放冷をする。
すぐに離型し焼きあがった生地4を取り出す人もいるためケーキ型1でスポンジケーキを作る際は人それぞれのタイミングで離型作業をして良い。
(焼きあがった生地4の離型も側縁1aを持ちやすい角度で持つことができ作業がしやすい。)
上記工程により生地4の上面の焼き色を均等にするという細やかな作業を無理なく加えることができ、香りのよい美味しいスポンジケーキを従来よりも簡単に作ることができる。このケーキ型1を使いメレンゲの配分が多い生地4を外枠1bの高さ10ぶん目まで充填し側縁1aに生地4を焼きつけながら焼成することもできるが上記記載にあるようにケーキ型の寸法を割り出して側縁1aなどの幅を加工することが好ましい。
使い終わったケーキ型を洗う。ケーキ型1を倒し側縁1aの端部1hがシンク面に接触し、この場合の側縁1aは約2cmで、シンク面から外枠1bの外側面の傾斜が約30度あり、側縁1aを摘まんで回転させる動作が楽にできて食器洗い用のスポンジで、外枠1bの内面を洗うとき手をすんなり入れることができる角度であり、一番洗いにくい部分である底部1eと外枠1bの境目が洗い易い。
ケーキ型1を倒したときのシンク面と外枠1bにできる傾斜の角度は側縁1aの幅や外枠1bの高さによって異なる。
図2に示すケーキ型2の(a)は側縁2aの幅が約3cmのである。外枠2bの高さ約8cm 外枠上開口部直径約17cmサイズ 容量約1370ml 煙突状の筒2fの高さ約11.3cmケーキ型2の外枠2b上開口部から約4cm突出している。この場合は2層式ケーキ型2であるが、作るケーキの種類によっては底部2eと外枠2bが一体式のものでもよい。 側縁2aの端部2hは下面側に巻き上げてあり、いくらか突起した形状になるように係止部2xが加工してあり、側縁2aの下面から支えてケーキ型2を引き出す場合、係止部2xが引掛かかりになり引き出しやすい加工であるが、例えば端部2hを下面に巻き上げずに、バリ取り処理を施し側縁2aの下面又は上面にいくらかの溝状の窪みを形成して側縁2aを持ち易くする加工でも良い。ほぼ水平の側縁2aが形成できる加工が好ましいが、ほぼ水平の側縁2aであれば他の加工でも良い。
図2の側縁2aに焼き付いた部分の生地4を香ばしく、裾広がりのシルエットのシフォンケーキを焼成するための工程とその際の利点などを以下に示す。
図2のケーキ型2は煙突状の筒2fが形成されており主にシフォンケーキというメレンゲの多いスポンジケーキを製造する際使用するもの(筒2fに生地4を焼きつけながら焼成するため高さが増し膨らみのあるシフォンケーキが製造できるもの)である。生地4がケーキ型2の内面や 筒2fに生地4が焼き付き易いようにするためケーキ型2の内面には油を塗らず焼成する。
オーブン5庫内に足つきの網7を設置する。生地4の粗熱の放冷はコーヒーカップを逆さにしたものを台にして使用。加熱中にオーブン5に手を入れる際は手袋3をしている事を前提に説明をする。
「生地4の材料と分量」
卵白156g 卵黄78g 小麦粉84g 砂糖91g お湯又は水65g 油45g レモン汁3.25 cc 塩0.65cc
生地4は卵黄生地(小麦粉、砂糖、油、水分など)とメレンゲ(卵の白身を泡立てたもの)を別々に作った後、卵黄生地とメレンゲを混ぜたもの。生地の配合の比率を若干変え、好みの生地の柔らかさにしても良い。
以下は簡単にシフォンケーキを作る際の工程を説明しながら請求項2の発明がどのように実施されるかを利点なども含めて説明する。
図2のケーキ型2の幅広の側縁2aを摘まんで持ち、ケーキ型2を水平に回しながら約10ぶん目の外枠2bの高さまで材料を混ぜ合わせて作った生地4を充填。水平方向から側縁2aを掴めて持ち易い。
生地4を充填した後、側縁2aを両手で持ち、水平に横方向縦方向に揺すり、その後側縁2aを両手で持ち、ケーキ型2を持ち上げ15cm程の高さから垂直に落として生地4に含まれる大きな気泡を抜く。生地4が10ぶん目まで充填されているが、側縁2aの幅が広く加工されており生地4はこぼれにくい。従来のケーキ型であれば、この時点で既にこぼれてしまう生地4の分量である。
側縁2aを両手で持ち、200度で予熱したオーブン5にケーキ型2を挿入する。
約180度で25〜35分前後生地4を焼成する。
約4〜5分程で生地4が上方向に徐々に膨らみはじめ、筒2fに生地4が焼き付きながら徐々に膨らむ。約12〜15分位から更に膨らみ今度は側縁2aの外枠2b上開口部外側方向に生地4が広がるように膨らみ、側縁2aに焼き付きながら更に外側に向かって膨らむが、側縁2aに保持されているため下に垂れ下がらずに水平に広がりながら焼き膨らむ。(オーブン5の庫内温度が設定以上の高温である場合や、生地4の混ざり方によってムラがかなりあった場合など又は極端に上記材料の配合よりはるかにメレンゲが多い場合などではどんなに側縁2aの幅が広く、生地4が溢れにくい形状であっても場合によっては生地4が溢れることもある。がしかし仮に生地4が溢れたとしてもその際側縁2aを持つ、又は側縁2aの下面を支えるなどしてケーキ型2を素早く手前に引き出すことが可能になり慌てずにその際の対処が行える。係止部2xが引掛かかりになり厚ぼったい手袋3をしていても引き出しやすい。)
この場合のオーブン5は大きめのサイズであるが背面ヒーターのため若干生地4の背面ヒーター側の上面または側面の生地4の焼き色が濃くなる又は奥にケーキ型2を押し込み過ぎた場合など焦げることもあるため焼成途中にオーブン5を開け、側縁2aを摘まんで持つ又はこの場合側縁2aに生地4が焼き付いていることもあるので、側縁2aの端部2hの下面から片手で支える。係止部2xによってケーキ型2は滑らず支えられるように加工してある。側縁2aの下から支え、片手で手前にケーキ型2を引き出し水平に半回転させてから生地4を再加熱する。(この場合とても膨らむシフォンケーキであるため他のケーキ類よりも素早くこの工程を行う必要がある。なぜならばオーブン5の扉6を長時間開けているとオーブン5の庫内温度が急激に下がり生地4の上面だけではなく生地4全体が縮んでしまうからである。側縁2aは摘まみやすい幅で加工されていて手袋3をしていてもその際の作業が素早く行える。)
生地4の焼成終了後、オーブン5を開けて側縁2aの下面を片手で支えるように持ち、ケーキ型2を手前に引き出し、生地4の焼き上がりを竹串を刺して確認し生地4の焼き上がりを確認した後、オーブン5からケーキ型2を取り出す。
手前にケーキ型2を一旦引き出してからオーブン5の外に出せるという手順は安全である。
ケーキ型2を逆さまにして生地4の粗熱の放冷をし、それから数時間から約1日ケーキ型2をこのままビニール袋に入れて冷蔵庫で冷やす。生地4を乾燥させないようにビニール袋に入れる。
「ケーキ型2から生地4を取り出す工程」
外枠2bの内側に焼き付いた生地4をナイフで剥がすが、側縁2aを横から摘まんで持ち、ケーキ型2を手前へ水平に回わしながら生地4の離型をする。次に筒2fと底部2eに焼き付いた生地4を剥がして終了。側縁2aを摘まんで持つことが楽にできる角度になっており作業が効率よく行える。
焼成直後は生地4の上面は上方に膨らんでいたが、生地4の粗熱が取れたころにはケーキ型2の高さまで縮む。(この場合の焼成法は生地4の上面が縮む現象が起こるのは物理的に避けることができない一般的な現象)がしかしケーキ型2で生地4を焼成したことにより、側縁2aに焼き付いて保持され膨らんだ生地4によって、ケーキの裾は広がりのあるシルエットになり、側縁2aに生地4が焼き付きながら膨らむことによりこの部分の生地4が香ばしいシフォンケーキを製造できる。
使い終わったケーキ型を洗う。ケーキ型2を倒し側縁2aの端部2hが洗い場のシンク面に接触し、側縁2aの幅や外枠2bの高さにもよるがこの場合の側縁2aは約3cmで、シンク面から外枠2bの外側面との傾斜が20度以上あり、側縁2aを摘まんで回転させる動作が楽にでき食器洗い用のスポンジで外枠2bの内面を洗うとき手をすんなり入れることができる角度で、一番洗いにくい部分である底部2kと外枠2bの境目が洗い易い。ケーキ型2を倒したときのシンク面と外枠2bにできる傾斜の角度は側縁2aの幅や外枠2bの高さによって異なる。
従来のケーキ型(シフォンケーキ型17cmサイズ、容量は約1370mlでケーキ型1と同じであるが側縁が短い。)を使用する場合に充填する生地4の一般的分量と本発明の側縁2aの幅が広いケーキ型2を使用する場合での分量を比較するため配合の比率を同じくし表1に示す。生地4の配合の比率を若干変え、好みの生地4の柔らかさにしても良い。



表1が示すように従来のケーキ型と比べ本発明のケーキ型2に充填する生地4の分量は従来の1.3倍であり、かなり多いことがわかる。
従来のケーキ型では生地4が溢れやすい分量
(実験例1)本発明のケーキ型1、ケーキ型2の発明以外の発明である遮蔽物8を用いるため、実験例1として記述する。この場合のシフォンケーキの焼き上がりまでの工程と結果、その利点などを含め以下に詳述する。本発明はシフォンケーキの生地4をケーキ型2の外枠2bの高さ、10ぶん目まで充填し焼成したときの側縁2a外枠2b上開口部外側水平方向に広がるように膨らんだ生地4をそのままほぼ水平に保持した状態で生地4の焼成を行うものである。
図2のケーキ型2の側縁2aの幅は約3cm 外枠2bの高さ約8cm 外枠2b上開口部直径約17cmサイズ 容量約1370ml 煙突状の筒2fの高さ約11.3cm ケーキ型2の外枠2b上開口部から約4cm突出している。この場合は二層式ケーキ型2であるが、作るケーキの種類によっては底部2eと外枠2bが一体式のものでもよい。側縁2aは端部1hは下面側に巻き上げ加工をしており、側縁2aの下面から支えてケーキ型2を引き出す際、引っかかりになり引き出しやすい加工である。煙突状の筒2fの高さ約11.3cm、ケーキ型2の外枠2b上開口部から約4cm突出している。
図5に示す直径約22cmの遮蔽物8も使用。遮蔽物8の中央に形成された生地4の水分を調節をするための水分調節穴10を開閉するスプーン状の治具12と遮蔽物8の側縁とケーキ型2の側縁2aを連結固定するコの字型のクリップ9を使用する。
オーブン5庫内に足つきの網7を設置。加熱中にオーブン5に手を入れる際は手袋3をしていることを前提に説明をする。
「生地4の材料と分量」
卵白156g 卵黄78g 小麦粉84g 砂糖91g 水又は お湯63g 油45g
レモン汁 3.25cc塩0.65g
生地4は卵黄生地(小麦粉、砂糖、油、水分など混ぜたもの)とメレンゲ(卵の白身を泡立てたもの)を別々に作り卵黄生地とメレンゲを混ぜたもの。生地4の配合の比率を若干変えて好みの生地4の柔らかさにしても良い。
側縁2aを摘まんで持ち、ケーキ型2を水平に回しながら外枠2bの高さ10ぶん目まで生地4を充填する。
生地4に内包する大きな気泡を抜くため側縁2aを両手で持ち、ケーキ型2を水平に縦方向横方向に揺すり、更にケーキ型2を持ち上げて15cmくらいの高さから垂直に落とす。実施例2でも述べたように生地4が10ぶん目まで充填されているが、側縁2aの幅は広く加工されており生地4はこぼれにくい。側縁が短い従来のケーキ型では、こぼれやすい生地4の分量である。
図5の示すように煙突状の筒2fの上部に遮蔽物8を設置する。
遮蔽物8の下面に油を塗らない。ケーキ型2の内面にも油を塗らない。
遮蔽物8の側縁とケーキ型2の側縁2aをコの字型クリップ9で連結し固定する。生地4の分量が外枠2bの高さ10ぶん目まで充填したため、生地4に内包するメレンゲの量が多く、焼成途中で生地4が膨らむにつれて遮蔽物8が持ち上げられてしまうことを考慮しクリップ9を使用。
前述したが、遮蔽物8の中央に水分調節穴10が形成されており、これは焼成途中での生地4の水分調節をするためのものであるが、焼成の前半はこの水分調節穴10を塞ぐ。図5は水分調節穴10をスプーン状の治具12で塞ぐときの様子である。焼き膨らむ生地4の上面を遮蔽物8の下面に焼き付き易い状態にするためである。
200度で予熱したオーブン5に遮蔽物8が設置されたケーキ型2を挿入し180度で前半約15〜20分前後焼成。
生地4の上面は約4〜5分程から徐々に膨らみ、筒2fに焼き付きながら約10〜12分前後で更に膨らんだ頃、遮蔽物8の下面に生地4が焼き付き、次に生地4が外枠2b上開口部外側に広がりながら膨らみながら始まり、側縁2aに生地4がほぼ水平に保持される。
側縁2aに保持された部分の生地4の焼き色がきつね色になるころ、約15〜20分前後経過した後オーブン5の扉6を開け、スプーン状の治具12を取り出し、水分調節穴10を開放し、今度は生地4に内包する生地4に多く含んだ水分、特には筒2fの周辺の生地4に多く含んだ水分を飛ばすため後半の焼成をする。
焼成が終了した後、オーブン5の扉6を開け、側縁2aを摘まんで持ち、手前に静かに引き出してから生地4の焼き上がりをするため遮蔽物8の確認穴11に竹串を刺して確認し、ケーキ型2の側縁2aを下から支えるようにして持ち上げオーブン5の扉6付近手前まで出してから安全な状態でケーキ型2をオーブン5から出す。側縁2aが広く加工されていて、すぐに手前までケーキ型2を引き出せるので、扉6などに接触するなどのやけどの危険性が減る。
慌てずに今度は遮蔽物8が設置されたままの状態で、そのまま逆さまにして生地4の粗熱を放冷する。粗熱が取れたらケーキ型2を逆さまの状態でビニール袋に入れ更に約1日冷蔵庫で生地4を冷やす。
生地4の離型はケーキ型2が逆さまになった状態で行うが、その前に一度このケーキ型2を上に向けてクリップ9に焼き付いている生地4をナイフで剥がしてクリップを外す。次に遮蔽物8に焼き付いた部分の生地4を剥しす。この場合は側縁2aを持たず、遮蔽物8の側縁を摘まみ水平にゆっくり回転させながら行う。次に側縁2aに焼き付いた部分、側縁2aの幅3cmだけをナイフで剥がす。ナイフが側縁2aの幅以上奥に入らないように注意して外枠2bの内面に焼き付いた生地4を傷つけないようにして、側縁2aの生地4を剥がす。次に筒2fに焼き付いた生地4を剥がし、それから底部2eに焼き付いた生地4を剥がす。
出来上がりの生地4の状態はとてもふわふわで、生地4の上面の膨らみは遮蔽物8によって維持され、更に外側に広がって膨らんだ生地4は側縁2aによって保持された。外側水平方向に広がった、側縁2aに焼き付いた生地4と生地4の上面全体の膨らみを維持した生地4になり、上方向にも外側方向にもかなり膨らんだ、裾広がりのシフォンケーキになる。生地4を焼成したことにより焼き付いた部分の生地4がずっしりと重たい生地4ではなく、軽い食感の香ばしいシフォンケーキを製造できた。これまでの数百回に渡る焼き実験では遮蔽物8を使用しない場合は生地4の上面は必ず縮んだ。よってこれは物理的に避けることのできない現象として判断するが、遮蔽物8を使用することにより外側水平方向だけではなく上方向にも生地4が維持された。
従来のケーキ型(シフォンケーキ型17cmサイズ、容量は1370mlでケーキ型2と同じであるが側縁が短い)と遮蔽物8の組み合わせでの焼成と、本発明の側縁2aの幅が広いケーキ型2と遮蔽物8の組み合わせでの焼成において充填する生地4の分量を比較するため配合の比率を同じにして表2に示す。生地4の配合の比率を若干変え、好みの生地4の柔らかさにしても良い。

表2が示すように従来のケーキ型と遮蔽物8、本発明のケーキ型2と遮蔽物8の組み合わせで使用した場合の充填する生地4の分量は従来の1.3倍であり、かなり多いことがわかる。従来のケーキ型では生地4が溢れやすい分量である。
本発明のケーキ型1とケーキ型2は金属製円形の側縁の幅が広いケーキ型である。側縁の幅約2〜5cm 外枠の高さ約5〜15cm 外枠上開口部の直径約7〜25cm
上記の記載により本発明がどのように活用されるか、ケーキの製造をする工程を通して説明したが使用するオーブン5やその設定、又は生地4の材料の種類などの条件はこれらに限るものではなく本発明の構成、例えば図1のケーキ型1の側縁1a又は図2のケーキ型2の側縁2aの幅は均等であることが好ましいが必ずしも均等でなくても良いし、外枠1b外枠2bの上開口部外側に水平であることが望ましいが若干の傾斜があっても良い。又は側縁1a側縁2aの端部1h、端部2hの更に外側に取手などの加工があっても良い。ただしオーブン5の庫内のサイズを考慮することが好ましい。側縁1a、側縁2aの幅は特にシフォンケーキを焼成することを考慮し、生地4が溢れにくい寸法を算出して加工することが好ましい。使用する金属の材質、表面処理加工なども含め本発明は同一範疇的技術が適用されるものでありこれらに限定されるものではない。
ひと昔前はケーキ作りやパン作りは特殊なものであり、プロの仕事であったが近年ではケーキやパンなどを家庭で作る人が多く、その人口は益々増えており、より使い易く面白味のあるものを求める事は当然のことであり産業発展上の利用価値はかなり高い。
1 ケーキ型1
1a 側縁
1b 外枠
1e 底部
1h 端部
1x 係止部
2 ケーキ型2
2a 側縁
2b 外枠
2e 底部
2f 筒
2g 底部
2h 端部
2x 係止部
3 手袋
4 生地
5 オーブン
6 オーブン扉
7 網
8 遮蔽物
9 クリップ
10 水分調節穴
11 確認穴
12 治具



Claims (3)

  1. 外枠と底部からなる金属製円形のケーキ型は前記外枠上開口部の外側水平方向に2cm〜5cmの幅広の側縁が形成されていることを特徴とする金属製円形の幅広側縁ケーキ型。
  2. 前記金属製円形の幅広側縁ケーキ型の前記底部の中央に突出して配置される煙突状の筒が形成されていることを特徴とする金属製円形の幅広側縁ケーキ型。
  3. 前記金属製円形の幅広側縁ケーキ型(外枠本体中央に煙突状の筒が配置されて形成されているケーキ型)又は、外枠と底部からなる金属製円形の幅広側縁ケーキ型を使用しケーキ型外枠上開口部外側水平方向に広がり膨らんだ生地を保持し焼成することを特徴とするケーキの製造方法。
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CN112715584B (zh) * 2020-12-31 2022-06-07 广州市金甲餐饮设备有限公司 一种商用防烫伤烤箱

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