JP2018042856A - 経皮投与デバイスの製造方法、および、経皮投与デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】投与部の形成材料からなる充填物を凹版から剥離しやすくすることのできる経皮投与デバイスの製造方法、および、経皮投与デバイスを提供する。【解決手段】経皮投与デバイスの製造方法は、凹部31を版材面30Sに有した凹版30を用い、版材面30Sに補助部材20を配置する配置工程を含む。補助部材20の立設部21は、凹部31の深さ方向に延び、張出部22は、版材面30Sと対向する方向から見て、凹部31を囲む仮想的な環上に等配された2以上の点の各々で版材面30Sに接し、かつ、立設部21の端部から上記環の内側に向けて張り出す。さらに、上記製造方法は、投与部の形成材料を、張出部22を覆うように凹版30に充填する工程と、補助部材20を立設部21の延びる方向に沿って変位させて張出部22を版材面30Sから離すことによって、形成材料からなる充填物Flを凹版30から剥離する工程とを含む。【選択図】図7

Description

本発明は、薬剤の投与に用いられる経皮投与デバイス、および、その製造方法に関する。
薬剤の投与対象に対して薬剤を皮膚から投与する方法として、経皮投与デバイスを用いる方法が知られている。経皮投与デバイスは、皮膚を穿孔するための微小な突起部を有する投与部を備えている。例えば、投与部の一例であるマイクロニードルは、先端に向けて尖る針形状を有した突起部を備えている。経皮投与デバイスを用いた薬剤の投与方法では、突起部が皮膚に押し付けられることによって皮膚に孔が形成され、この孔から投与対象の体内に薬剤が送り込まれる。こうした方法によれば、投薬のための特別な技術を要さずに、簡便に薬剤を投与することが可能である。
突起部の有する構造には、皮膚を穿孔することに適した細さを有することや、皮下に薬剤を浸透させるために必要な深さの孔を皮膚に形成することに適した長さを有することが求められる。具体的には、突起部の幅は、数μmから数百μm程度であることが望ましく、突起部の長さは、数十μmから数百μm程度であることが望ましい。
突起部を有する投与部は、例えば、機械加工やエッチングによって投与部の原版を作製する工程と、原版の凹凸を反転させた凹版を作製する工程と、凹版に投与部の形成材料を充填して充填物を凹版から剥離する工程とを有する製造方法によって製造される(例えば、特許文献1,2参照)。凹版から剥離された充填物が投与部である。しかしながら、上述のように突起部は微小な構造体であるため、突起部の表面や凹版の表面が傷つくことを抑えつつ、充填物を凹版から剥離することは困難である場合が多い。具体的には、充填物の剥離の際に充填物と凹版とに加わる力の大きさや方向が適切でない場合、突起部の形状が崩れたり、凹版が損傷したりすることが起こる。
凹版から充填物を剥離しやすくするための方策としては、凹版の表面に離型剤を塗布すること(例えば、特許文献1,2参照)や、投与部の形成材料として環状オレフィン系樹脂を用いて、充填物の離型性が良好となるように、形成材料の組成や物性を調整すること(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
国際公開第2008/013282号 国際公開第2008/004597号 特開2013−111104号公報
一方、皮膚に入り込む投与部の形成材料は、生体適合性を有することが好ましい。しかしながら、投与部の形成材料が生体適合性を有することは、投与部の形成材料が有する離型性に、大きな制限を課してしまう。また、凹版に離型剤を塗布する方法でも、突起部の表面に付着する離型剤は、生体適合性を有することが好ましい。しかし、生体適合性を有する離型剤の種類は少ないため、離型剤の塗布による離型性の向上にも限度がある。
このように、離型剤や形成材料の化学的作用のみを利用して充填物の離型性を高めることには限界があるため、凹版から充填物を剥離しやすくするための方策として、化学的作用とは別の観点からの方策が望まれている。
本発明は、投与部の形成材料からなる充填物を凹版から剥離しやすくすることのできる経皮投与デバイスの製造方法、および、こうした製造方法によって製造された経皮投与デバイスを提供することを目的とする。
上記課題を解決する経皮投与デバイスの製造方法は、第1面を有する基体と、前記第1面から突き出た突起部とを有する投与部を備える経皮投与デバイスの製造方法であって、
前記突起部の形状に追従した窪み形状を有する凹部を版材面に有した凹版を用い、前記版材面に補助部材を配置する配置工程であって、前記補助部材は、立設部と張出部とを備え、前記立設部は、前記凹部の深さ方向に延び、前記張出部は、前記版材面と対向する方向から見て、前記凹部を囲む仮想的な環上に等配された2以上の点の各々で前記版材面に接し、かつ、前記深さ方向における前記立設部の両端部のうちの前記版材面側に位置する端部から前記環の内側に向けて張り出す、前記配置工程と、前記投与部の形成材料が前記張出部を覆うように、前記凹部内の空間と前記版材面上の空間とに前記形成材料を充填する充填工程と、前記補助部材を前記立設部の延びる方向に沿って前記凹版に対して相対的に変位させて前記張出部を前記版材面から離すことによって、前記形成材料からなる充填物を前記凹版から剥離する剥離工程と、を含む。
上記製法によれば、補助部材の張出部に充填物が被さっているため、立設部の延びる方向に沿って張出部と版材面とが相互に離れることに伴って、立設部の延びる方向に沿って充填物と版材面とが相互に離れる。こうした剥離の態様によれば、補助部材を通じて充填物に剥離のための力が加えられるため、充填物を直接掴んで凹版から剥離する方法と比較して、充填物に加わる力を制御しやすい。そして、立設部の延びる方向に沿って張出部と版材面とが相互に離れることによって、凹部の深さ方向に沿って凹部と充填物とを相互に離すことが可能であり、例えば、充填物が凹部の深さ方向に対して傾斜した方向に引っ張られて充填物や凹版が傷つくことが抑えられる。このように、上記製法によれば、充填物と凹版とに加わる力の大きさや方向を剥離の際に制御することが容易であるため、充填物を凹版から剥離しやすい。
上記製造方法は、前記剥離工程の後に、前記充填物と前記補助部材とを分離する分離工程を含んでもよい。
上記製法によれば、凹版から好適に剥離された充填物を用いた経皮投与デバイスが得られる。したがって、形状についての精度や表面状態の良好な投与部を備える経皮投与デバイスが得られる。
上記製造方法において、前記充填物である前記投与部と前記補助部材とを前記凹版から離された一体の構造物として前記経皮投与デバイスに含めてもよい。
上記製法によれば、充填物の剥離を補助するための部材である補助部材が、投与部とともに経皮投与デバイスを構成する部材として用いられる。したがって、充填物と補助部材とを分離する工程が不要であり、また、充填物と補助部材との分離後に、補助部材とは別の部材として経皮投与デバイスを構成する部材を投与部に組み付ける製造方法と比較して、部材の組み付けの工程の削減が可能である。したがって、製造工程の簡素化が可能であり、製造に要するコストの削減もできる。
上記製造方法において、前記張出部は、前記環に沿って延びる1つの構造体であってもよい。
上記製法によれば、充填物と補助部材とが凹版から剥離される際に、充填物のなかで張出部に支持される部分を大きく確保しやすい。したがって、充填物が補助部材により安定して支えられている状態で、充填物と補助部材とを凹版から剥離することができる。
上記製造方法において、前記張出部は、前記環上に位置する複数の構造体から構成されていてもよい。
上記製法によれば、形成される投与部の基体における第1面を広く確保しやすい。したがって、特に、充填物と補助部材とが分離されて投与部のみから経皮投与デバイスが構成される場合には、薬剤の投与のために基体の第1面を皮膚に押し付けて突起部を皮膚に刺す際に、皮膚に対する基体の位置が安定しやすく、突起部が的確に皮膚に刺さりやすい。また、分離工程において、張出部の途切れている部分を起点として補助部材を充填物から分離することが可能であるため、補助部材と充填物との分離が容易である。
上記製造方法において、前記配置工程の後に、前記形成材料を前記版材面に供給する供給工程を行ってもよい。
上記製法によれば、投与部の形成材料が配置されていない状態で補助部材が版材面に配置されるため、版材面上における補助部材の位置合わせが容易である。
上記製造方法において、前記形成材料を前記版材面に供給する供給工程の後に、前記配置工程を行ってもよい。
上記製法によれば、補助部材の配置後に立設部で囲まれる微小な空間に投与部の形成材料を供給する製造方法と比較して、形成材料の供給が容易である。
上記製造方法において、前記形成材料は樹脂であり、前記充填工程では、加圧によって前記形成材料を充填してもよい。
投与部の形成材料が加圧によって凹版に充填される場合、形成材料が凹版に密着しやすく、充填物の剥離が困難になりやすい。したがって、投与部の形成材料が加圧によって凹版に充填される場合に、補助部材を用いて充填工程や剥離工程を行う上記製造方法が適用されることによって、充填物を凹版から剥離しやすくする効果の有益性が高い。
上記製造方法において、前記補助部材は金属からなる部分を含んでもよい。
上記製法によれば、機械的強度の高い補助部材が得られやすい。したがって、剥離工程において掴まれたり引き上げられたりすることに適した補助部材の実現が容易である。
上記製造方法において、前記補助部材は樹脂からなる部分を含み、前記樹脂からなる部分は、前記張出部のなかで前記配置工程において前記版材面に接する面を含んでもよい。
上記製法によれば、張出部のなかで版材面に接する面を含む部分が金属製である構成と比較して、補助部材と版材面との密着性が高められる。したがって、補助部材で囲まれる領域に漏れなく形成材料が充填されやすい。
上記課題を解決する経皮投与デバイスは、1つの平面である第1面を有する基体と、前記第1面から突き出た突起部とを備える投与部からなる経皮投与デバイスであって、前記基体は、当該基体の外縁に沿って延びるとともに前記第1面から窪む段差部を有し、前記段差部は、前記第1面と対向する方向から見て、前記基体の外縁に沿った環上の1箇所で途切れており、かつ、前記段差部の途切れている箇所では、前記第1面が前記基体の外縁まで延びている。
上記構成の経皮投与デバイスは、補助部材を用いた上述の製造方法によって製造できる。したがって、凹版から好適に剥離された充填物を用いた経皮投与デバイスが得られる。それゆえ、形状についての精度や表面状態の良好な投与部を備える経皮投与デバイスが得られる。
上記課題を解決する経皮投与デバイスは、第1面を有する基体であって、当該基体の外縁に沿って位置するとともに前記第1面から窪む段差部をさらに有する前記基体と、前記第1面から突き出た突起部とを備える投与部と、前記段差部を埋めて前記第1面とともに1つの平面を形成する張出部と、前記張出部から延びて、前記基体の外側で前記基体に接する立設部とを備える補助部材と、を備え、前記第1面と対向する方向から見て、前記張出部の位置する領域には、前記突起部を囲む仮想的な環上に等配された2以上の点が含まれる。
上記構成の経皮投与デバイスは、補助部材を用いた上述の製造方法によって、補助部材と充填物との分離を要さずに製造できる。すなわち、充填物の剥離を補助するための部材である補助部材を、投与部とともに経皮投与デバイスを構成する部材として用いて製造工程の簡素化を実現しつつ、凹版から好適に剥離された充填物を用いた経皮投与デバイスが得られる。それゆえ、形状についての精度や表面状態の良好な投与部と補助部材とを備える経皮投与デバイスが得られる。
本発明によれば、経皮投与デバイスの製造方法において、投与部の形成材料からなる充填物を凹版から剥離しやすくすることができる。
経皮投与デバイスの製造方法の第1実施形態について、製造対象の経皮投与デバイスの斜視構造を示す斜視図。 第1実施形態の経皮投与デバイスの製造方法にて用いられる補助部材の斜視構造を示す斜視図。 第1実施形態の経皮投与デバイスの製造方法における凹版の作製工程にて作製された凹版を示す図。 第1実施形態の経皮投与デバイスの製造方法における補助部材の配置工程を示す図。 第1実施形態の経皮投与デバイスの製造方法における形成材料の供給工程を示す図。 第1実施形態の経皮投与デバイスの製造方法における形成材料の充填工程を示す図。 第1実施形態の経皮投与デバイスの製造方法における充填物の剥離工程を示す図。 第1実施形態の経皮投与デバイスの製造方法における補助部材の分離工程を示す図。 第1実施形態の経皮投与デバイスの製造方法によって製造された経皮投与デバイスの断面構造を示す断面図。 変形例の補助部材の平面構造を示す平面図。 変形例の補助部材の平面構造を示す平面図。 変形例の補助部材の斜視構造を示す斜視図。 変形例の補助部材の斜視構造を示す斜視図。 変形例の補助部材の平面構造を示す平面図。 変形例の補助部材の平面構造を示す平面図。 変形例の補助部材の斜視構造を示す斜視図。 変形例の補助部材の斜視構造を示す斜視図。 変形例の補助部材の斜視構造を示す斜視図。 第1実施形態の経皮投与デバイスの製造方法によって製造された経皮投与デバイスの斜視構造の他の例を示す斜視図。 経皮投与デバイスの製造方法の第2実施形態について、製造された経皮投与デバイスの斜視構造を示す斜視図。 第2実施形態の経皮投与デバイスの製造方法によって製造された経皮投与デバイスの断面構造を示す断面図。 第2実施形態の経皮投与デバイスの製造方法によって製造された経皮投与デバイスの斜視構造の他の例を示す斜視図。 第2実施形態の経皮投与デバイスの製造方法によって製造された経皮投与デバイスであって、変形例の補助部材を備える経皮投与デバイスの断面構造を示す断面図。 第2実施形態の経皮投与デバイスの製造方法によって製造された経皮投与デバイスであって、変形例の補助部材を備える経皮投与デバイスの断面構造を示す断面図。 変形例の補助部材の断面構造を示す断面図。 変形例の経皮投与デバイスの断面構造を示す断面図。
(第1実施形態)
図1〜図19を参照して、経皮投与デバイスの製造方法、および、この製造方法によって製造される経皮投与デバイスの第1実施形態について説明する。
[経皮投与デバイスの概略構成]
まず、第1実施形態の製造方法の製造対象である経皮投与デバイスの概略構成について説明する。第1実施形態の製造方法によって製造される経皮投与デバイスは、投与部のみから構成される。図1を参照して、投与部の一例であるマイクロニードルの構成について説明する。
図1が示すように、経皮投与デバイス100を構成するマイクロニードル10は、板状を有する基体11と、基体11から突き出た突起部12とを備えている。基体11は、突起部12の配置された1つの面である第1面11Sと、第1面11Sとは反対側の面、すなわち、第1面11Sから最も離れた面である第2面11Tとを有し、第1面11Sは突起部12の基端を支持している。
第1面11Sと対向する方向から見た基体11の外形は特に限定されず、基体11の外形は、円形や楕円形であってもよいし、矩形であってもよい。
突起部12の形状は、円錐形状であってもよいし、角錐形状であってもよい。また、突起部12は、例えば、円柱形状や角柱形状のように、先端が尖っていない形状であってもよい。また、突起部12は、例えば、円柱に円錐が積層された形状のように、2以上の立体が結合した形状であってもよい。要は、突起部12は皮膚を刺すことが可能な形状であればよい。また、突起部12の側壁には、括れや段差が形成されていてもよいし、突起部12には、突起部12の延びる方向に延びる孔が形成されていてもよい。
マイクロニードル10が備える突起部12の数は特に限定されず、突起部12の数は1以上であればよい。マイクロニードル10が複数の突起部12を備える場合、基体11の第1面11Sと対向する方向から見て、複数の突起部12の各々は、規則的に並んでいてもよいし、不規則に並んでいてもよい。例えば、複数の突起部12は、格子状や同心円状に配列される。なお、複数の突起部12には、互いに異なる形状の突起部12が含まれていてもよい。
[補助部材の構成]
図2を参照して、第1実施形態の製造方法にて用いられる補助部材の構成について説明する。
図2が示すように、補助部材20は、筒状の立設部21と、立設部21が有する2つの筒端の一方から立設部21の内側に向かって張り出した張出部22とを備えている。
張出部22は閉環状を有している。張出部22の内周縁は、マイクロニードル10の基体11の第1面11Sにて突起部12が位置する領域よりも大きい領域を区画している。すなわち、マイクロニードル10が1つの突起部12を備える場合、張出部22の内周縁が区画する開口は、この開口内に突起部12を配置可能な大きさを有する。また、マイクロニードル10が複数の突起部12を備える場合、張出部22の内周縁が区画する開口は、第1面11Sに配置されたすべての突起部12を含む突起部12の集合を張出部22が囲むことの可能な大きさを有する。張出部22の内周縁が区画する開口の形状は特に限定されず、開口は円形状であってもよいし、矩形状であってもよい。張出部22の内周縁が区画する開口の形状は、例えば、第1面11Sの形状と一致する。
立設部21の延びる方向に沿った方向から見て、立設部21の内周縁が区画する領域の形状は特に限定されず、上記領域は、例えば、マイクロニードル10の基体11の外形と一致した形状を有する。例えば、基体11の外形が円形であるとき、立設部21の内周縁は張出部22から円筒状に延びる。また例えば、基体11の外形が矩形であるとき、立設部21の内周縁は張出部22から矩形筒状に延びる。
立設部21の延びる方向に沿った方向から見たときの立設部21の外形の形状は特に限定されず、立設部21の外形は、内周縁が区画する領域と相似形状であってもよいし、内周縁が区画する領域とは異なる形状であってもよい。例えば、立設部21の外形は、円形であってもよいし、矩形であってもよい。
立設部21における張出部22とは反対側の筒端の構成は特に限定されず、この筒端の付近に、マイクロニードル10の形成材料を立設部21の内側に供給するための開口が設けられていればよい。例えば、補助部材20は、立設部21における張出部22とは反対側の筒端に、他の器具や装置と補助部材20とを接続するための構造等を備えていてもよい。
補助部材20の形成材料は、マイクロニードル10の成形後に、マイクロニードル10の成形に用いられた凹版から補助部材20を剥離することのできる材料であればよく、例えば、樹脂、金属、ガラス等が挙げられる。また、補助部材20の形成材料は、マイクロニードル10の製造工程にて生じる処理に応じた特性を有していればよい。例えば、マイクロニードル10の形成材料が熱可塑性樹脂であって、マイクロニードル10の製造工程において補助部材20が加熱される場合には、補助部材20は、加熱温度に応じた耐熱性を有していればよい。また例えば、マイクロニードル10の形成材料が水溶液の状態で用いられる場合には、補助部材20は耐水性を有していればよい。
また、補助部材20には、上記凹版に充填されたマイクロニードル10の形成材料からなる充填物から、補助部材20を分離しやすくするための表面処理が施されていてもよい。具体的には、表面処理として、例えば、(1)フッ素系の樹脂、金属微粒子、ダイヤモンドライクカーボン、シリコーンオイル等の離型剤を含む離型層の形成、(2)化学的な表面改質、(3)表面形状の加工、等が挙げられる。
[経皮投与デバイスの製造方法]
図3〜図8を参照して、第1実施形態の経皮投与デバイスの製造方法として、補助部材20を用いてマイクロニードル10を製造する方法について説明する。
<凹版の作製工程>
図3が示すように、マイクロニードル10の製造には、凹版30が用いられる。凹版30は、1つの面である版材面30Sと、版材面30Sから窪む凹部31とを有している。凹部31は、製造対象であるマイクロニードル10の突起部12に追従した窪み形状を有し、突起部12の先端に対応する部分が底部となる向きに位置している。凹版30が有する凹部31の数は、製造対象であるマイクロニードル10の突起部12の数と一致し、凹部31の配置は、製造対象であるマイクロニードル10の突起部12の配置と一致する。換言すれば、凹版30は、マイクロニードル10が第1面11Sよりも突起部12の先端側にて有する凹凸の凹部と凸部とが反転した形状の凹凸を有している。
凹版30の外形形状や寸法は、製造対象であるマイクロニードル10や製造工程にて用いられる他の設備等に応じて適宜設計されればよい。
凹版30の形成材料は、凹部31の形状を転写してマイクロニードル10を成形するために求められる機械的強度と、凹部31の形状に対する充填物の良好な形状追従性とを実現可能な材料であればよい。凹版30の形成材料としては、例えば、(1)シリコン、石英等の硬脆性材料、(2)ニッケル、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン等の金属材料、(3)アルミナ、窒化アルミニウム、マシナブルセラミックス等のセラミックス、(4)ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン等の合成樹脂、(5)アルギン酸塩、キトサン等の多糖類が挙げられる。
凹部31の形成には、公知の微細加工技術が用いられればよい。微細加工技術としては、例えば、リソグラフィ法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、サンドブラスト法、レーザー加工法、ミリング法、切削法、研削法等が挙げられる。
なお、1つの凹版30は、複数のマイクロニードル10を一括して成形するための版であってもよい。すなわち、凹版30の版材面30Sには、各別のマイクロニードル10が成形される領域が含まれ、各領域に、製造対象であるマイクロニードル10の突起部12に応じた凹部31が設けられていてもよい。
凹版30は、製造対象であるマイクロニードル10の備える突起部12と同一の形状および配置である突起部を有する原版を基に作製されてもよい。原版の形成には、公知の微細加工技術が用いられればよい。微細加工技術としては、例えば、リソグラフィ法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、サンドブラスト法、レーザー加工法、ミリング法、切削法、研削法等が挙げられる。原版の形状を、メッキ法の利用や溶融樹脂の塗布によって凹版30の形成材料に反転して転写することで、凹版30が形成される。原版を用いて凹版30を形成することによって、1つの原版から複数の凹版30を作製することができるため、凹版30の生産性が高められ、凹版30の作製に要するコストの削減が可能である。
なお、凹版30と充填物との剥離性を向上させるために、凹版30の表面に離型性を高めるための表面処理を行ってもよい。具体的には、例えば、表面処理として、(1)フッ素系の樹脂、金属微粒子、ダイヤモンドライクカーボン、シリコーンオイル等の離型剤を含む離型層の形成、(2)化学的な表面改質、(3)表面形状の加工、等が挙げられる。離型剤としては、生体適合性を有する材料が用いられることが好ましい。
<補助部材の配置工程>
図4が示すように、凹版30の版材面30Sに、補助部材20が配置される。版材面30S上に補助部材20が配置された状態において、補助部材20の立設部21は凹部31の深さ方向に延びている。そして、張出部22は、凹部31の深さ方向における立設部21の両端部のうちの版材面30S側に位置する端部から、立設部21の内側に向けて張り出し、版材面30Sに接している。
詳細には、版材面30Sと対向する方向から見て、補助部材20は、張出部22が凹部31を囲む位置に配置される。凹版30が複数の凹部31を有する場合には、版材面30Sと対向する方向から見て、補助部材20は、張出部22がすべての凹部31の集合を囲む位置に配置される。
<形成材料の供給工程>
図5が示すように、マイクロニードル10の形成材料Mtが、凹版30に供給される。形成材料Mtは、凹版30の版材面30S上において補助部材20で囲まれている領域に供給される。
マイクロニードル10の形成材料Mtとして用いられる材料は、マイクロニードル10の用途やマイクロニードル10に求められる特性に応じて決定されればよい。例えば、アクリル樹脂やポリカーボネート等の有機材料、なかでも熱可塑性樹脂は、第1実施形態の製造方法によって製造されるマイクロニードル10の形成材料として好適に用いることができる。
また、マイクロニードル10の形成材料は、生体適合性を有することが好ましい。生体適合性を有する材料は、目的とする機能を発揮する際に生体に及ぼす害が小さい材料であって、水溶性高分子、非水溶性高分子、生体高分子、金属、および、樹脂等を含む。例えば、生体適合性を有する材料の例としては、アルギン酸塩、カードラン、キチン、キトサン、グルコマンナン、ポリリンゴ酸、ポリカプロラクトン、グリコサミノグリカン、コラーゲン、コラーゲンペプチド、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、シリコン、チタン、シリコーン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等が挙げられる。キチンとキトサンとの間に明確な境界はないが、一般的には、キチンの脱アセチル化が70%以上である物質がキトサンである。脱アセチル化は、公知の方法により行うことができる。生体適合性を備えるキチン、キトサン、キトサン誘導体は、蟹、エビ等の甲殻類由来の物質、菌糸類や微生物産生である植物由来の物質、および、これらを出発原料とした物質等を用いることができる。キトサン、キチン・キトサン、および、キチン・キトサン誘導体は、皮膚に対して美容効果を示すとともに殺菌効果、抗菌効果を有するため、マイクロニードル10の形成材料として好ましい。
また、マイクロニードル10の形成材料には、薬剤が含まれてもよい。マイクロニードル10の突起部12が皮膚の水分によって溶解する水溶性材料から形成されているとき、突起部12は皮内で溶解し、その結果、突起部12に含まれる薬剤が皮内に送り込まれる。薬剤は、皮内に投与されることにより機能する物質であれば、その種類は特に限定されない。薬剤としては、例えば、薬理活性物質や化粧品組成物等が挙げられる。例えば、薬剤として芳香を有する物質が用いられた場合、マイクロニードル10に匂いを付与することができるため、美容品としての使用に適したマイクロニードル10が得られる。また、薬剤は、生物製剤を含んでもよい。生物製剤は、ヒトや動物の細胞や細胞組織等に由来する原料または材料を用いた薬物である。
なお、マイクロニードル10によって投与される薬剤は、上述のように突起部12の内部に含まれて、突起部12の溶解とともに皮内に送り込まれてもよいし、突起部12の表面に付されて、突起部12による皮膚への孔の形成とともに皮内に送り込まれてもよい。あるいは、突起部12に溝や孔が形成されており、この溝や孔に薬剤が充填されて、薬剤は、突起部12による皮膚への孔の形成とともに皮内に送り込まれてもよい。また、突起部12が皮膚に刺される前や後に、液状の薬剤が皮膚に塗布され、突起部12によって形成された孔から、薬剤が皮内に送り込まれてもよい。さらには、これらの方式が組み合わされた形態によって、薬剤が投与されてもよい。また、突起部12が溶解性を有する材料から形成されている場合には、突起部12を構成する水溶性材料が薬剤として機能してもよい。なお、第1実施形態のマイクロニードル10は、皮膚への孔の形成の後に皮膚から突起部12が抜かれる投与方法に用いられてもよいし、皮膚に突起部12が埋没される投与方法に用いられてもよい。
ここで、マイクロニードル10の形成材料Mtの流動性が低い場合には、形成材料Mtが凹版30の凹部31付近に供給された後に、この形成材料Mtを囲むように補助部材20が凹版30の版材面30Sに配置されてもよい。すなわち、形成材料Mtの供給工程の後に、補助部材20の配置工程が行われてもよい。
<形成材料の充填工程>
図6が示すように、凹版30に供給された形成材料Mtは、補助部材20の張出部22を覆うように、凹部31内の空間と版材面30S上の空間とに充填される。すなわち、凹部31内が形成材料Mtで充填されるとともに、補助部材20の立設部21に囲まれる空間が張出部22の埋まる位置まで形成材料Mtで充填される。
形成材料Mtの充填方法としては、公知の方法が用いられればよい。例えば、形成材料Mtが樹脂である場合には、充填方法の例として、インプリント法、ホットエンボス法、射出成形法、押し出し成形法、キャスティング法等が挙げられる。形成材料Mtが熱可塑性樹脂であって形成材料Mtに対する加熱および加圧によって形成材料を充填する場合のように、充填時に形成材料Mtが加圧されると、形成材料Mtが凹版30に密着しやすく、充填物の剥離が困難になりやすい。したがって、加圧によって形成材料Mtを充填する場合に、第1実施形態の製造方法が用いられると、充填物を凹版30から剥離しやすくする効果の有益性が高い。
なお、形成材料Mtの流動性が高い場合等には、凹版30への形成材料Mtの供給と形成材料Mtの充填とが同時に行われてもよい。すなわち、形成材料Mtの供給工程と形成材料Mtの充填工程とが1つの工程であってもよい。
充填された形成材料Mtである充填物Flのなかで、凹部31内に位置する部分がマイクロニードル10の突起部12となる部分であり、版材面30S上に位置する部分が基体11となる部分である。
<充填物の剥離工程>
図7が示すように、補助部材20を立設部21の延びる方向に沿って引き上げることによって、張出部22が凹版30の版材面30Sから離され、これによって、充填物Flが凹版30から剥離される。例えば、立設部21の端部や外側面が掴まれて、立設部21が立設部21の延びる方向に沿って引っ張られることによって、補助部材20が引き上げられる。すなわち、補助部材20は、立設部21の延びる方向に沿って凹版30に対して相対的に変位させられる。
補助部材20は充填物Flのなかでマイクロニードル10の基体11となる部分の外側を囲み、張出部22は基体11となる部分に食い込んでいるため、張出部22が引き上げられることに伴って、充填物Flも立設部21の延びる方向に沿って引き上げられる。なお、こうした凹版30からの補助部材20と充填物Flとの剥離の方法として、公知の剥離技術が用いられてもよい。凹版30からの補助部材20と充填物Flとの剥離の前後や剥離中に、凹版30、補助部材20、および、充填物Flのうちの少なくとも一部の冷却や加熱が行われてもよい。
ここで、充填物Flの剥離の際に充填物Flと凹版30とに加わる力の大きさや方向が適切でない場合、充填物Flが崩れたり、凹版30が損傷したりすることが起こる。特に、充填物Flのなかで突起部12となる部分を、その延びる方向、すなわち凹部31の深さ方向に対して斜めに引き上げると、突起部12となる部分が引き上げられる過程で凹版30の表面に接触して、突起部12となる部分が崩れたり凹版30が傷ついたりすることが起きやすい。形成されたマイクロニードル10にて突起部12の形状が崩れていると、突起部12の穿孔性能の低下が生じる。また、凹版30が損傷すると、さらなるマイクロニードル10の製造のためには再び凹版30を作製しなければならなくなるため、マイクロニードル10の生産性の低下や製造に要するコストの増大が生じる。
こうした問題に対し、第1実施形態の製造方法では、補助部材20を通じて充填物Flに剥離のための力が加えられるため、充填物Flを直接掴んで引き上げる方法と比較して、充填物Flに加わる力を制御しやすい。そして、補助部材20を立設部21の延びる方向に沿って引き上げることによって、容易に、突起部12となる部分を、凹部31の深さ方向に沿って引き上げることができる。さらに、補助部材20の張出部22は閉環状を有し、充填物Flのなかで基体11となる部分の端部をその全周に渡って支持しているため、基体11となる部分の広がる方向の各位置において、充填物Flには補助部材20を通じて均等に力がかかりやすい。したがって、剥離に際して突起部12となる部分が凹部31の深さ方向に対して傾斜した方向に引っ張られることが好適に抑えられる。それゆえ、充填物Flを凹版30から剥離しやすい。
マイクロニードル10の形成材料として生体適合性を有する材料を用いる場合、一般に、生体適合性を有する材料は高価であるため、マイクロニードル10の形成に要する材料の量を削減することが望まれる。基体11の厚みを薄くすることで形成材料の削減が可能である一方で、基体11の厚みが薄くなるほど、充填物Flのなかで凹版30の版材面30S上に積み上げられている部分が薄くなるため、充填物Flを直接掴んで充填物Flを凹版30から剥離することはより難しくなる。この点、第1実施形態の製造方法では、補助部材20を通じて充填物Flに剥離のための力が加えられるため、基体11の厚みを薄くして材料費を削減することと、充填物Flを好適に凹版30から剥離することとの両立も可能である。
<補助部材の分離工程>
図8が示すように、充填物Flと補助部材20とが分離されることによって、充填物Flであるマイクロニードル10が得られる。充填物Flと補助部材20との分離には、物理的あるいは化学的な公知の技術が用いられればよい。
また、補助部材20と分離された充填物Flに対して断裁や研磨等が行われることにより、基体11の外形が整えられたり、孔や溝等の形成が行われたりして、最終的な製造対象であるマイクロニードル10が形成されてもよい。例えば、1つの凹版30から複数のマイクロニードル10を一括して成形する場合、充填物Flが、基体11と突起部12とからなる複数の部分に分割されることによって、マイクロニードル10が形成される。
[経皮投与デバイスの詳細構成]
図9を参照して、上述の製造方法によって製造される経皮投与デバイスの詳細構成について説明する。
図9が示すように、基体11は、基体11の外縁に沿って位置するとともに第1面11Sから窪む段差部13を有している。段差部13は、上記製造方法における分離工程にて補助部材20と充填物Flとが分離される前に、補助部材20の張出部22が位置していた部分である。すなわち、上記製造方法における剥離工程にて凹版30から隔離された補助部材20と充填物Flとからなる構造体のうち、張出部22が埋めていた部分が、段差部13である。そして、上記製造方法における充填工程にて、充填物Flのなかで、張出部22よりも内側で凹版30の版材面30Sと接していた部分が、第1面11Sである。
換言すれば、充填物Flにおける第1面11Sに対応する面と版材面30Sとが接する状態において、段差部13に対応する部分と版材面30Sとの間に隙間が形成され、この隙間に、充填物Flと凹版30との相対的な移動において基体11に対応する部分を支持するための補助部材20が位置する。
1つの凹版30および1つの補助部材20を用いて1つのマイクロニードル10が作製され、補助部材20が閉環状の張出部22を備えている場合、段差部13は、第1面11Sと対向する方向から見て、基体11の外縁に沿って延びる閉環状を有し、第1面11Sの形状は、張出部22の内周縁が区画する領域の形状と一致する。また、1つの凹版30および1つの補助部材20を用いて1つのマイクロニードル10が作製され、補助部材20が筒状の立設部21を備えている場合、基体11の外形は、立設部21の内周縁が区画する領域の形状と一致する。
突起部12の長さHは、基体11の厚さ方向、すなわち、第1面11Sと直交する方向に沿った突起部12の最大の長さであって、第1面11Sから突起部12の先端までの長さである。突起部12の長さHは、突起部12による穿孔の目的や投与される薬剤の種類等に応じて、突起部12の穿孔によって形成する必要のある孔の深さに基づいて決定される。
例えば、穿孔の対象が人体の皮膚であって、突起部12の穿孔によって形成される孔の深さを、角質層を貫通しかつ神経層へ到達しない長さに設定する場合、突起部12の長さHは200μm以上700μm以下であることが好ましく、200μm以上500μm以下であることがより好ましく、200μm以上300μm以下であることがさらに好ましい。
孔の深さが角質層を貫通しかつ神経層へ到達しない長さであると、薬剤を、角質層よりも深い位置に送達することができる。角質層に形成された孔は時間の経過とともに塞がるため、外界に対し角質層がバリアとなる結果、角質層よりも下に送達された薬剤は生体内に保持される。それゆえ、角質層の新陳代謝や、スキンケア等を目的とした皮膚の洗浄に起因して、薬剤が剥落することを低減できるため、長期間に渡って、薬剤が生体内に保持された状態が維持される。
また例えば、孔の深さを、角質層内に留まる長さに設定する場合、突起部12の長さHは30μm以上300μm以下であることが好ましく、30μm以上250μm以下であることがより好ましく、30μm以上40μm以下であることがさらに好ましい。
孔の深さが角質層内に留まる長さであると、薬剤を角質層内に滞留させることができる。角質層はたえず新陳代謝により新規に生成されるため、角質層内の薬剤は時間の経過とともに体外へ排出される。このため、薬剤が生体内に保持された状態を、例えば、皮膚の洗浄や皮膚のピーリング等によって、容易に解除することができる。
なお、マイクロニードル10が複数の突起部12を有する場合、複数の突起部12において、各突起部12の長さHは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、複数の突起部12のなかで外周部に配置されている突起部12の長さHが、中央部に配置されている突起部12の長さHよりも大きい構成では、投与対象の皮膚が曲面である場合に、その曲面に沿って突起部12が皮膚に接触しやすい。また例えば、複数の突起部12のなかで外周部に配置されている突起部12の長さHが、中央部に配置されている突起部12の長さHよりも小さい構成では、外力を受けやすい外周部の突起部12について、その機械的強度を高めることができる。
突起部12の幅Dは、基体11の第1面11Sと平行な方向における突起部12の最大の長さである。突起部12の幅Dは、必要とされる突起部12のアスペクト比や必要とされる孔の容積等に応じて決定される。突起部12の幅Dは、1μm以上300μm以下であることが好ましい。例えば、突起部12が円錐形状や円柱形状を有するとき、突起部12の底面、すなわち、基体11の第1面11Sと接している底面である円の直径が、突起部12の幅Dである。また例えば、突起部12が正四角錐形状や正四角柱形状を有するとき、基体11の第1面11Sと接している突起部12の底面である正方形における対角線の長さが、突起部12の幅Dである。
突起部12の先端が尖った形状に形成され、穿孔によって角質層を貫通する深さの孔を形成する場合、突起部12の先端角θは5°以上30°以下であることが好ましく、10°以上20°以下であることがより好ましい。また、穿孔によって角質層内に留まる深さの孔を形成する場合、突起部12の先端角θは30°以上であることが好ましく、45°以上であることがより好ましい。
突起部12の先端角θは、基体11の第1面11Sと直交する断面において、突起部12の先端が形成する角度の最大値である。例えば、突起部12が正四角錐形状を有するとき、突起部12の先端角θは、突起部12の底面の正方形の対角線を底辺とし、正四角錐の頂点を頂点とする三角形の頂角である。
なお、突起部12の形状は、上述の説明にて例示した形状に限定されず、突起部12による穿孔の目的や投与される薬剤の種類等に応じて適宜決定されればよい。例えば、突起部12による穿孔の目的としては、薬剤の経皮吸収を促進する目的や、皮膚を通じて生体内の物質を生体外へ取り出す目的が挙げられる。また、皮膚に対する穿孔の性能を向上させる観点から、突起部12の形状が決定されてもよい。
そして、上述の製造方法で用いられる凹版30の凹部31は、形成対象の突起部12の形状に合わせた形状の窪みとなるように形成される。すなわち、凹部31は、円錐、角錐、円柱、角柱等の形状に窪み、凹部31の内径は、例えば、数μmから数百μmであり、凹部31の深さは、例えば、数十μmから数百μmである。
基体11全体の厚みである厚さTは、すなわち、第1面11Sから第2面11Tまでの長さである。基体11の厚さTは、50μm以上1cm以下であることが好ましい。
基体11の厚さTが50μm以上であれば、基体11の剛性が十分に得られるため、補助部材20を凹版30の版材面30Sから離すことに伴って充填物Flが凹版30から剥離されやすい。一方、基体11の厚さTが1cm以下であれば、基体11が厚すぎないため、凹版30への形成材料の供給や充填に要する時間の増大が抑えられる。
段差部13の深さLは、基体11の厚さ方向に沿った段差部13の長さであって、すなわち、段差部13の底面から第1面11Sまでの、基体11の厚さ方向に沿った長さである。段差部13の深さLは、製造工程にて用いた補助部材20における張出部22の厚み、すなわち、立設部21の延びる方向に沿った張出部22の長さと一致する。段差部13の深さLは、20μm以上であることが好ましい。
段差部13の深さLが20μm以上であれば、充填物Flのなかで補助部材20が食い込んでいる部分を大きく確保しやすいため、補助部材20を凹版30の版材面30Sから離すことに伴って充填物Flが凹版30から剥離されやすい。
基体11の厚さTと段差部13の深さLとの差(T−L)は、20μm以上であることが好ましい。
上記差が20μm以上であれば、充填物Flのなかで補助部材20の張出部22に被さっている部分の剛性が十分に得られるため、補助部材20を凹版30の版材面30Sから離すことに伴って充填物Flが凹版30から剥離されやすい。
段差部13の幅Wは、段差部13の延びる方向と直交する方向における段差部13の底面の長さ、換言すれば、基体11の第1面11Sと対向する方向から見た場合の、第1面11Sから段差部13上を通って基体11の外縁までを結ぶ最短の距離である。段差部13の幅Wは、0.1mm以上であることが好ましい。
段差部13の幅Wが0.1mm以上であれば、充填物Flのなかで補助部材20が食い込んでいる部分を大きく確保しやすいため、補助部材20を凹版30の版材面30Sから離すことに伴って充填物Flが凹版30から剥離されやすい。
[補助部材の変形例]
図10〜図18を参照して、第1実施形態の製造方法にて用いられる補助部材20の変形例について説明する。図10,図11,図14,図15は、補助部材20の張出部22を平面視した図である。
上記実施形態の補助部材20は、閉環状の張出部22を備えているが、張出部22は閉環状でなくてもよい。張出部22は、上記製造方法の配置工程にて補助部材20が凹版30の版材面30Sに配置されたとき、版材面30Sと対向する方向から見て、凹部31を囲む仮想的な環上に等配された2以上の点の各々で版材面30Sに接する形状を有していればよい。凹部31が複数ある場合には、上記環は、すべての凹部31からなる集合を囲む仮想的な環である。例えば、張出部22が閉環状を有するとき、張出部22は、上記仮想的な環上のすべての点の各々で版材面30Sに接する。換言すれば、この場合、張出部22と版材面30Sとが接する点として、上記仮想的な環上に等配された任意の数の点を設定可能である。
張出部22の形状の一例として、図10が示すように、張出部22は、1箇所で環が途切れた形状を有していてもよい。この場合、張出部22は、上記仮想的な環上に等配された2以上の点の各々で版材面30Sに接する。こうした点の一例として、図10に仮想的な環である環Cとともに点Pを示す。
また、図11が示すように、張出部22は、2箇所以上で環が途切れた形状を有していてもよい。すなわち、張出部22は、複数の張出要素22aから構成されてもよい。図11では、張出部22が2つの張出要素22aから構成されている例を示す。複数の張出要素22aは、1つの環上に並んでおり、この環上において互いに分離されている。換言すれば、図2や図10で例示した補助部材20の張出部22は、上記仮想的な環に沿って延びる1つの構造体であり、図11で例示した補助部材20は、上記仮想的な環上に位置する複数の構造体から構成されている。
張出部22が複数の張出要素22aから構成されている場合、上記仮想的な環上に等配された点として、張出要素22aの各々に対し、張出要素22aと版材面30Sとが接する1以上の点を設定可能である。そして、これらの点によって、張出部22は、上記仮想的な環上に等配された2以上の点の各々で版材面30Sに接する。こうした点の一例として、図11に点Pを示す。
なお、張出部22が環の途切れた形状を有している場合、立設部21は、例えば、図12が示すように、張出部22から連続して延びる部分のみからなる形状、すなわち、筒の延びる方向に沿って側面の一部が開放されている形状であってもよい。あるいは、立設部21は、図13が示すように、張出部22が途切れている部分の上部の領域で繋がっている形状、すなわち、張出部22の位置する筒端から側面に延びる開口を有する形状であってもよい。またあるいは、立設部21は、張出部22が途切れている部分で版材面30Sに接する位置まで延びていてもよい。
また、張出部22が複数の張出要素22aから構成されている場合、張出要素22aは、1つの環上に点在していてもよい。例えば、図14が示す例では、張出部22は、2つ張出要素22aから構成されており、2つの張出要素22aは、1つの環上に等配されている。換言すれば、2つの張出要素22aは、上記環上において互いに向かい合う位置に配置されている。この場合、上記仮想的な環上に等配された点として、張出要素22aの各々に対し、張出要素22aと版材面30Sとが接する1つの点を設定可能である。そして、張出要素22aごとの点によって、張出部22は、上記仮想的な環上に等配された2つの点の各々で版材面30Sに接する。こうした点の一例として、図14に点Pを示す。
上記仮想的な環上に等配された点を設定可能であれば、張出要素22aの数は限定されない。例えば、図15が示すように、張出部22は、1つの環上に等配された3つの張出要素22aから構成されていてもよいし、張出部22は、4以上の張出要素22aから構成されていてもよい。こうした場合にも、上記仮想的な環上に等配された点として、張出要素22aの各々に対し、張出要素22aと版材面30Sとが接する1つの点を設定可能である。こうした点の一例として、図15に点Pを示す。
なお、張出要素22aが1つの環上に点在している場合、立設部21は、例えば、図16が示すように、張出要素22aから延びる部分である複数の直進部21aから構成されてもよい。あるいは、立設部21は、図17が示すように、張出要素22aから延びる部分である複数の直進部21aと、複数の直進部21aを張出要素22aとは反対側で繋ぐ筒状の筒部21bとから構成されてもよい。
張出部22が、凹部31を囲む仮想的な環上に等配された2以上の点の各々で版材面30Sに接する構成であれば、上記製造方法の充填工程の後、張出部22は、充填物Flのなかで基体11となる部分の端部、詳細には段差部13の底面となる部分を、上記点の各々に対応する位置で支持することとなる。すなわち、張出部22は、充填物Flのなかで基体11となる部分の端部をその周方向に沿ってほぼ均等に分散された位置で支持する。したがって、上記製造方法の剥離工程にて補助部材20を引き上げる際には、基体11となる部分の広がる方向の各位置において、充填物Flには補助部材20を通じて均等に力がかかりやすい。それゆえ、剥離に際して充填物Flが凹部31の深さ方向に対して傾斜した方向に引っ張られることが抑えられるため、充填物Flを凹版30から剥離しやすい。上述の説明においては、上記仮想的な環を円環として示したが、仮想的な環の形状は限定されず、例えば、立設部21の内周縁が区画する領域の形状に従った形状や、基体11の外形に従った形状であればよく、換言すれば、充填物Flの外形に従った形状であればよい。
なお、マイクロニードル10の形成材料が充填される領域を囲む部分において立設部21が側面に開口を有する場合であって、形成材料が流動性の高い材料である場合等には、補助部材20の内部に供給された形成材料が上記開口から漏れ出ることを抑えるために、補助部材20の外側に立設部21を囲む部材を配置して、マイクロニードル10の成形を行ってもよい。
また、補助部材20は、2以上の部材が嵌合等により組み合わされることによって構成されていてもよい。例えば、図18が示す補助部材20は、2つの構成部材20aから構成されている。各構成部材20aは、立設部21の周方向における約1/2の部分と張出部22の周方向における約1/2の部分とからなり、構成部材20aの周方向の端部には、構成部材20a同士の嵌合のための凹凸が設けられている。2つの構成部材20aが嵌合された状態で、1つの補助部材20として用いられる。そして、上記製造方法における分離工程にて補助部材20と充填物Flとが分離される際に、2つの構成部材20aが互いに反対の方向に引っ張られることにより、補助部材20が2つの構成部材20aに分割され、これによって、補助部材20と充填物Flとが分離される。こうした構成によれば、補助部材20が分割可能であるため、補助部材20と充填物Flとの分離が容易である。
張出部22が閉環状でない場合には、上記製造方法によって製造されたマイクロニードル10の段差部13も閉環状とはならず、張出部22の形状に追従した形状となる。例えば、図19が示すマイクロニードル10は、先の図10にて示した、1箇所で環が途切れた形状を有する張出部22を備える補助部材20を用いて1つの凹版30から製造したマイクロニードル10である。
図19が示すように、段差部13は、基体11の外縁に沿って延び、第1面11Sと対向する方向から見て、基体11の外縁に沿った環上の1箇所で途切れている。そして、段差部13の途切れている箇所では、第1面11Sが基体11の外縁まで延びている。換言すれば、第1面11Sと対向する方向から見て、1つの平面である第1面11Sは、第1面11Sの外縁の1箇所にて外側に突出し、基体11全体の外縁まで達している。
このように、第1面11Sと対向する方向から見て、製造工程にて張出部22の位置していた部分に段差部13が形成され、張出部22の途切れている部分には、段差部13が形成されずに第1面11Sが延びる。すなわち、張出部22が複数の張出要素22aから構成されている場合には、第1面11Sと対向する方向から見て、製造工程にて張出要素22aの位置していた部分に段差部13が形成され、互いに隣接する張出要素22aの間の部分には、段差部13が形成されずに第1面11Sが形成される。
張出部22が閉環状でない場合、分離工程では、張出部22の途切れている部分を起点として補助部材20を充填物Flから分離することが可能であるため、補助部材20と充填物Flとの分離が容易である。
以上説明したように、第1実施形態の経皮投与デバイスの製造方法および経皮投与デバイスによれば、以下の効果が得られる。
(1)補助部材20を通じて充填物Flに剥離のための力が加えられるため、充填物Flを直接掴んで凹版30から剥離する方法と比較して、充填物Flに加わる力を制御しやすい。そして、補助部材20を立設部21の延びる方向に沿って引き上げることによって、容易に、充填物Flを凹部31の深さ方向に沿って引き上げることが可能であり、充填物Flが凹部31の深さ方向に対して傾斜した方向に引っ張られて充填物Flや凹版30が傷つくことが抑えられる。特に、張出部22は、充填物Flの端部をその周方向に沿ってほぼ均等に分散された位置で支持するため、補助部材20を引き上げる際には、充填物Flの広がる方向の各位置に対し均等に力がかかりやすい。それゆえ、剥離に際して充填物Flが凹部31の深さ方向に対して傾斜した方向に引っ張られることが抑えられる。このように、第1実施形態の製造製法によれば、剥離の際に充填物Flと凹版30とに加わる力の大きさや方向の制御が容易であるため、充填物Flを凹版30から剥離しやすい。
(2)分離工程にて充填物Flと補助部材20とが分離されることによって、凹版から好適に剥離された充填物Flを投与部として用いた経皮投与デバイス100が得られる。したがって、形状についての精度や表面状態の良好な投与部を備える経皮投与デバイス100が得られる。
(3)張出部22が、仮想的な環に沿って延びる1つの構造体である構成では、剥離に際して充填物Flのなかで張出部22に支持される部分を大きく確保しやすい。したがって、充填物Flが補助部材20により安定して支えられている状態で、充填物Flと補助部材20とを凹版30から剥離することができる。一方、張出部22が仮想的な環上に位置する複数の構造体から構成されている構成では、分離工程において、張出部22の途切れている部分を起点として補助部材20を充填物Flから分離することが可能であるため、補助部材20と充填物Flとの分離が容易である。また、形成される投与部の基体11における第1面11Sを広く確保しやすい。したがって、特に、薬剤の投与のために基体11の第1面11Sを皮膚に押し付けて突起部12を皮膚に刺す際に、皮膚に対する基体11の位置が安定しやすく、突起部12が的確に皮膚に刺さりやすい。
(4)補助部材20の配置工程の後に投与部の形成材料の供給工程が行われる製造方法では、形成材料が配置されていない状態で補助部材20が凹版30の版材面30Sに配置されるため、版材面30S上における補助部材20の位置合わせが容易である。一方、形成材料の配置工程の後に補助部材20の配置工程が行われる製造方法では、補助部材20の配置後に立設部21で囲まれる微小な空間に形成材料を供給する製造方法と比較して、形成材料の供給が容易である。
(5)投与部の形成材料が樹脂であり、充填工程において、加圧によって形成材料が充填される製造方法では、形成材料が凹版30に密着しやすく、充填物Flの剥離が困難になりやすい。したがって、加圧によって形成材料Mtを充填する場合に、第1実施形態の製造方法が用いられると、充填物Flを凹版30から剥離しやすくする効果の有益性が高い。
(6)補助部材20が金属からなる部分を含む構成では、機械的強度の高い補助部材20が得られやすい。したがって、剥離工程において掴まれたり引き上げられたりすることに適した補助部材20の実現が容易である。また、一般に、樹脂材料は金属材料よりも柔軟性が高いため、張出部22のなかで配置工程にて版材面30Sに接する面を含む部分が樹脂からなる構成では、当該部分が金属からなる構成と比較して、凹版30に配置された補助部材20と版材面30Sとの密着性が高められる。したがって、補助部材20で囲まれる領域に漏れなく形成材料が充填されやすい。
(第2実施形態)
図20〜図24を参照して、経皮投与デバイスの製造方法、および、この製造方法によって製造される経皮投与デバイスの第2実施形態について説明する。
[経皮投与デバイスの構成]
第2実施形態の製造方法の製造対象である経皮投与デバイスの構成について説明する。第2実施形態の製造方法によって製造される経皮投与デバイスは、投与部と補助部材とから構成される。すなわち、第2実施形態の製造方法では、充填物Flと補助部材20との分離が行われない。
補助部材20は、例えば、経皮投与デバイスによる薬剤の投与を補助する器具に経皮投与デバイスを取り付けるための部材として用いられる。上記器具としては、例えば、経皮投与デバイスに向けて薬剤を供給する機能を有するシリンジや、突起部12による皮膚の穿孔を補助する機能を有するアプリケーターが挙げられる。アプリケーターは、例えば、使用者が突起部12を皮膚に刺す際に持ち手として機能する部分を有していてもよいし、突起部12に皮膚を穿孔するための付勢力を与える機構を備えていてもよい。
また、経皮投与デバイスは、経皮投与デバイスに対して滅菌等の各種の処理を行う装置や、経皮投与デバイスが皮膚に刺さることを利用して各種の分析を行う装置等に取り付けられてもよく、補助部材20は、こうした装置に経皮投与デバイスを取り付けるための部材として用いられてもよい。
また例えば、補助部材20は、経皮投与デバイスの梱包や運搬の際の配置位置や、経皮投与デバイスの使用時等に経皮投与デバイスを他の装置と組み合わせて用いる場合の配置位置等、経皮投与デバイスの配置位置を決めるための目印を示す部材として機能してもよい。
また例えば、補助部材20は、経皮投与デバイスの搬送や使用の際に支持される部分として機能してもよい。
図20および図21を参照して、投与部の一例であるマイクロニードル10と補助部材20とを備える経皮投与デバイス110の構成を説明する。マイクロニードル10の形態は第1実施形態と同様である。補助部材20の形態は、第1実施形態で説明した各種の形態のうちのいずれの形態であってもよい。図20および図21では、例として、張出部22が閉環状である補助部材20を経皮投与デバイス110が備える構成を示している。
図20および図21が示すように、マイクロニードル10の基体11は、基体11の外縁に沿った位置に、第1面11Sから窪む段差部13を有している。補助部材20の張出部22は、段差部13を埋めて、第1面11Sとともに1つの平面を形成している。すなわち、張出部22のなかで最も突起部12の先端側に位置する部分は平面状に形成されており、基体11の厚さ方向において、第1面11Sの位置と、張出部22における上記突起部12の先端側の面の位置とは一致している。
そして、第1面11Sと対向する方向から見て、張出部22の位置する領域には、突起部12を囲む仮想的な環上に等配された2以上の点が含まれる。この仮想的な環は、マイクロニードル10が複数の突起部12を備えている場合には、すべての突起部12からなる集合を囲む環である。張出部22が閉環状を有する場合には、張出部22の位置する領域には、上記仮想的な環上のすべての点が含まれる。換言すれば、この場合、張出部22の位置する領域に含まれる点として、上記仮想的な環上に等配された任意の数の点を設定可能である。
補助部材20の立設部21は、張出部22から突起部12とは反対側に延びて、基体11の外側で基体11に接している。
図22は、経皮投与デバイス110の他の例として、張出部22が2つの張出要素22aから構成され、立設部21が2つの直進部21aから構成されている補助部材20を経皮投与デバイス110が備える構成を示している。この場合、段差部13は、1つの環上において互いに向かい合う二箇所に配置されており、二箇所の各々にて張出要素22aで埋められている。そして、2つの張出要素22aは、第1面11Sとともに1つの平面を形成している。
こうした構成においては、上記仮想的な環上に等配された点として、張出要素22aの位置する領域ごとに、1つの点を設定可能である。そして、張出要素22aごとの点によって、第1面11Sと対向する方向から見て、張出部22の位置する領域には、上記仮想的な環上に等配された2つの点が含まれる。
上記仮想的な環上に等配された点を設定可能であれば、第1実施形態で説明したように、張出部22は、1箇所以上で環が途切れた形状を有していてもよいし、1つの環上に点在する3以上の張出要素22aから構成されていてもよい。張出部22がいずれの構成を有する場合であっても、基体11の外縁に沿った位置に段差部13が配置され、張出部22は、段差部13を埋めて、第1面11Sとともに1つの平面を形成する。
第2実施形態の補助部材20は、マイクロニードル10とともに経皮投与デバイス110を構成して皮膚からの薬剤の投与に用いられるため、生体適合性を有する材料から形成されていることが好ましい。
また、第1実施形態では、補助部材20に、充填物Flから補助部材20を分離しやすくするための表面処理を施してもよいことを述べたが、こうした表面処理に代えて、第2実施形態では、補助部材20に、補助部材20と充填物Flであるマイクロニードル10との密着性を向上させるための表面処理を施してもよい。具体的には、表面処理として、例えば、補助部材20の表面に微細な凹凸を設けるために、各種の特殊加工、サンドブラスト処理、プラズマ処理等を行うことが挙げられる。
[補助部材の変形例]
補助部材20は、上述した補助部材20の機能に応じた構造を有していてもよい。例えば、図23や図24に示すように、補助部材20は、立設部21の外側面に、立設部21に対して張出部22とは反対側に突き出す突出部23を備えていてもよい。
突出部23は、例えば、経皮投与デバイス110を他の器具や装置に取り付けるための構造である。例えば、突出部23は、ねじ山を構成し、突出部23と他の器具や装置に設けられたねじ溝との螺合によって、経皮投与デバイス110が他の器具や装置に取り付けられる。これにより、補助部材20は、経皮投与デバイス110を他の器具や装置に取り付けるための部材として機能する。また例えば、突出部23を用いて補助部材20と他の器具や装置とを嵌合することによって、経皮投与デバイス110が他の器具や装置に取り付けられてもよく、この場合も、補助部材20は、経皮投与デバイス110を他の器具や装置に取り付けるための部材として機能する。
また例えば、突出部23は、経皮投与デバイス110の配置位置を決めるための目印として機能してもよいし、経皮投与デバイス110の搬送や使用の際に支持される部分として機能してもよい。
このように、突出部23は、突出部23の用途に応じた形状、大きさ、配置を有していればよい。図23および図24に示す例では、突出部23は、立設部21の延びる方向における両端部のうち、張出部22の位置する端部に近い位置に配置されているが、これに限らず、突出部23は、立設部21における張出部22とは反対側の端部の付近に配置されていてもよい。
なお、第1実施形態の製造方法においても、突出部23を備える補助部材20が用いられてもよい。例えば、充填物Flの剥離工程にて充填物Flと補助部材20とを引き上げる際に掴まれる部分として突出部23が利用されてもよい。
[経皮投与デバイスの製造方法]
第2実施形態の経皮投与デバイスの製造方法は、分離工程を有していないこと以外は、第1実施形態と同様である。すなわち、第1実施形態と同様に、凹版30の作製工程と、補助部材20の配置工程と、形成材料Mtの供給工程とが行われる。第1実施形態で説明したように、補助部材20の配置工程と形成材料Mtの供給工程との順序は限定されない。
さらに、第1実施形態と同様に、形成材料Mtの充填工程と、充填物Flの剥離工程とが行われる。剥離工程によって凹版30から剥離された充填物Flがマイクロニードル10であり、剥離された充填物Flと補助部材20とからなる構造体が、経皮投与デバイス110である。すなわち、第2実施形態の製造方法では、充填物Flであるマイクロニードル10と補助部材20とが、凹版30から離された一体の構造物として経皮投与デバイス110に含められる。
なお、補助部材20とマイクロニードル10との密着性を向上させるための処理が、充填工程の前もしくは後、剥離工程の前もしくは後に行われてもよい。密着性を向上させるための処理としては、例えば、補助部材20における充填物Flと接する部分への接着剤の塗布等の化学的作用を利用した処理や、熱溶着やレーザー溶着等の処理が挙げられる。
なお、第2実施形態の製造方法では、1つの凹版30から1つの補助部材20とともに引き上げられた充填物Flとこの補助部材20とから、1つの経皮投与デバイス110が形成される。
以上説明したように、第2実施形態の経皮投与デバイスの製造方法および経皮投与デバイスによれば、第1実施形態の(1),(3)〜(6)の効果に加えて、以下の効果が得られる。
(7)充填物Flの剥離を補助するための部材である補助部材20が、投与部とともに経皮投与デバイス110を構成する部材として用いられる。したがって、経皮投与デバイス110の製造工程において、充填物Flと補助部材20とを分離する工程が不要である。また、充填物Flと補助部材20との分離後に、補助部材20とは別の部材として経皮投与デバイス110を構成する部材を投与部に組み付ける製造方法と比較して、部材の組み付けの工程の削減が可能である。したがって、経皮投与デバイス110の製造工程の簡素化が可能であり、製造に要するコストの削減もできる。
[変形例]
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・図25が示すように、補助部材20は、互いに異なる材料から構成された部分を有していてもよい。例えば、補助部材20は、金属から構成された金属部24と樹脂から構成された樹脂部25とを有する。そして、金属部24は、立設部21と張出部22の一部とを構成し、樹脂部25は張出部22の一部を構成する。詳細には、張出部22は、立設部21の延びる方向に沿って並ぶ2つの部分から構成されており、このうち、立設部21に近い部分を金属部24が構成し、立設部21から遠い部分、すなわち、凹版30の版材面30Sと接する面を含む部分を樹脂部25が構成する。
こうした構成によれば、剥離工程において、掴まれたり引っ張られたりする部分である立設部21とその付近の張出部22は金属から構成されているため、この部分での機械的強度が高められ、剥離工程にて力を加えられることに適した強度の補助部材20の実現が容易である。一方、張出部22のなかで凹版30の版材面30Sと接する部分は樹脂から構成されているため、当該部分が金属からなる構成と比較して、凹版30に配置された補助部材20と版材面30Sとの密着性が高められる。したがって、補助部材20で囲まれる領域に漏れなく形成材料が充填されやすい。
特に凹版30が金属製である場合には、凹版30が樹脂製である場合と比較して、凹版30自身の柔軟性が低く、補助部材20と版材面30Sとの密着性が低くなり易いため、張出部22のなかで版材面30Sと接する面を含む部分が樹脂から構成されていることによる効果が大きい。
・図26が示すように、基体11は、第2面11Tから窪む凹部を有していてもよいし、あるいは、第2面11Tから突き出た凸部を有していてもよい。こうした凹部や凸部は、例えば、マイクロニードル10の形成材料を凹版30に充填するときに、形成対象の凹部や凸部が反転された凹凸を有する型を形成材料に押し付けて形成材料を加圧することによって形成される。こうした基体11において、第1面11Sは、基体11のなかで最も突起部12の先端に近い位置に位置する平坦な面であり、第2面11Tは、基体11の厚さ方向において第1面11Sから最も離れた位置に位置する平坦な面である。
・投与部が有する突起部12の形状は、針状、すなわち、基体11の厚さ方向の長さが基体11の第1面11Sに沿った方向の長さよりも長い形状に限られない。突起部12の形状は、ブレード状、すなわち、基体11の第1面11Sに沿った方向である1つの延在方向の長さが基体11の厚さ方向の長さよりも長く、突起部12の先端が、基体11の第1面11Sと直交する方向とは異なる方向、例えば延在方向に沿った方向に延びる線状に形成された形状であってもよい。例えば、突起部12は、延在方向に沿って延びる三角柱形状であって、三角柱が有する3つの矩形の側面のなかの1つが基体11に接し、かつ、他の2つの側面を区画する辺が突起部12の先端として機能する形状を有していてもよい。
(付記)
上記課題を解決するための手段には、上記実施形態、および、上記変形例から導き出される技術的思想として以下の付記が含まれる。
1つの平面である第1面を有する基体と、前記第1面から突き出た突起部とを備える投与部を備え、前記第1面が、前記突起部の形状に追従する窪み形状を有した凹版の版材面に接するための面である経皮投与デバイスであって、前記基体は、当該基体の外縁に沿って延びるとともに前記第1面から窪む段差部を有し、前記段差部は、前記第1面と対向する方向から見て、前記基体の外縁に沿った環上の1以上の箇所で途切れており、かつ、前記段差部の途切れている箇所では、前記第1面が前記基体の外縁まで延び、前記第1面と前記版材面とが接する状態において、前記段差部と前記版材面との間に隙間を形成するための形状を備え、前記隙間は、前記突起部の突き出る方向に沿った前記基体と前記凹版との相対的な移動において前記基体を支持するための補助部材が位置するための空間である経皮投与デバイス。
[実施例]
上述した経皮投与デバイスおよびその製造方法について、具体的な実施例および比較例を用いて説明する。
<実施例1>
(凹版の作製工程)
精密機械加工によって、マイクロニードルの原版を作製した。原版の形成材料として、シリコン基板を用い、正四角錐(高さ:120μm、底面:38μm×38μm)の突起部が、1mm間隔で、10列10行の格子状に100本配列された原版を作製した。100本の突起部は、一辺が約9mmの正方形の領域内に配置された。
次に、電鋳によって原版の突起部の形状を転写し、原版の凹凸が反転されたニッケル製の凹版を作製した。
(補助部材の配置工程)
補助部材として、張出部が閉環状であり、立設部が筒状である補助部材を用意した。立設部の延びる方向に沿った方向から見て、張出部の内周縁および立設部の内周縁が区画する領域は円形であり、張出部の外形および立設部の外形は矩形である。立設部の延びる方向における補助部材の長さは30mmであり、張出部の外形および立設部の外形は30mm×30mmの正方形である。張出部の内径、すなわち、張出部の内周縁が区画する円形の開口の直径は、15mmであり、立設部の内径、すなわち、立設部の延びる方向に沿った方向から見て立設部が区画している円形の領域の直径は、25mmである。補助部材は、同一形状の2つの構成部材から構成されており、張出部の周方向にこれらの構成部材の各々に分離可能である。また、張出部の端部付近、すなわち、張出部のなかで凹版の版材面に接する部分はシリコーン樹脂から形成されており、張出部の他の部分と立設部とはステンレスから形成されている。
補助部材の配置工程では、凹版の版材面と対向する方向から見て、補助部材の張出部が、凹版の有する複数の凹部の全体を囲む位置に配置されるように、補助部材を版材面に配置した。
(形成材料の配置工程および形成材料の充填工程)
マイクロニードルの形成材料として、熱可塑性のアクリル樹脂を用い、このアクリル樹脂を凹版の版材面上にて補助部材によって囲まれる領域に配置した。そして、配置したアクリル樹脂を加熱しつつ加圧して、アクリル樹脂を、張出部を覆うように、凹部と版材面上にて補助部材で囲まれる空間とに充填した。
(充填物の剥離工程)
補助部材を版材面に対して垂直に引き上げることにより、凹版から、形成材料の充填物と補助部材とを剥離した。補助部材の引き上げに際して、充填物が補助部材から離れて落下することはなく、充填物と補助部材とを凹版から剥離することができた。これにより、充填物であるマイクロニードルと補助部材とから構成される実施例1の経皮投与デバイスが得られた。剥離されたマイクロニードルと、剥離後の凹版とを観察したところ、突起部の形状の崩れや、凹版の損傷は認められなかった。
<実施例2>
実施例1と同様の手順で、凹版の作製工程、補助部材の配置工程、形成材料の配置工程、形成材料の充填工程、および、充填物の剥離工程を行い、充填物と補助部材とからなる構造体を得た。続いて、補助部材の分離工程として、補助部材を2つの構成部材に分割して充填物から引き離し、充填物と補助部材とを分離した。これにより、分離された充填物であるマイクロニードルからなる実施例2の経皮投与デバイスが得られた。実施例2のマイクロニードルにおいて、基体全体の厚さは5mmであり、段差部の深さは2mmであり、段差部の幅は5mmであった。
<比較例1>
(凹版の作製工程)
実施例と同様の手順で、実施例と同一の形状および配置である凹部を有する凹版を作製した。
(形成材料の配置工程および形成材料の充填工程)
マイクロニードルの形成材料として、熱可塑性のアクリル樹脂を用い、補助部材を凹版の版材面上に配置せずに、アクリル樹脂を凹版の凹部上に配置した。そして、配置したアクリル樹脂を加熱しつつ加圧して、アクリル樹脂を凹部と版材面上の空間とに充填した。
(充填物の剥離工程)
形成材料の充填物のなかで、凹版の版材面上に位置する部分をピンセットでつまみ、充填物を版材面に対して垂直に引き上げようとした。しかし、充填物と凹版とが強く密着しており、充填物を凹版から剥がすことができなかった。そこで、ピンセットの先端を、充填物と版材面との間に差し込んで、充填物を凹版から剥離した。その結果、ピンセットの先端が凹版の表面に触れることによって凹版が傷ついた。さらに、凹部内に充填されている部分である突起部が版材面に対して斜めに引き上げられた結果、剥離の過程で突起部が凹版の表面と接触して、突起部の形状が崩れるとともに、凹版が傷ついた。
これにより、比較例のマイクロニードルである経皮投与デバイスが得られたが、上述のように、突起部や凹版が傷つくことを抑えつつ充填物を剥離することはできなかった。
10…マイクロニードル、11…基体、11S…第1面、11T…第2面、12…突起部、13…段差部、20…補助部材、20a…構成部材、21…立設部、22…張出部、22a…張出要素、23…突出部、24…金属部、25…樹脂部、30…凹版、30S…版材面、31…凹部、100,110…経皮投与デバイス。

Claims (12)

  1. 第1面を有する基体と、前記第1面から突き出た突起部とを有する投与部を備える経皮投与デバイスの製造方法であって、
    前記突起部の形状に追従した窪み形状を有する凹部を版材面に有した凹版を用い、前記版材面に補助部材を配置する配置工程であって、前記補助部材は、立設部と張出部とを備え、前記立設部は、前記凹部の深さ方向に延び、前記張出部は、前記版材面と対向する方向から見て、前記凹部を囲む仮想的な環上に等配された2以上の点の各々で前記版材面に接し、かつ、前記深さ方向における前記立設部の両端部のうちの前記版材面側に位置する端部から前記環の内側に向けて張り出す、前記配置工程と、
    前記投与部の形成材料が前記張出部を覆うように、前記凹部内の空間と前記版材面上の空間とに前記形成材料を充填する充填工程と、
    前記補助部材を前記立設部の延びる方向に沿って前記凹版に対して相対的に変位させて前記張出部を前記版材面から離すことによって、前記形成材料からなる充填物を前記凹版から剥離する剥離工程と、
    を含む経皮投与デバイスの製造方法。
  2. 前記剥離工程の後に、
    前記充填物と前記補助部材とを分離する分離工程を含む
    請求項1に記載の経皮投与デバイスの製造方法。
  3. 前記充填物である前記投与部と前記補助部材とを前記凹版から離された一体の構造物として前記経皮投与デバイスに含める
    請求項1に記載の経皮投与デバイスの製造方法。
  4. 前記張出部は、前記環に沿って延びる1つの構造体である
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の経皮投与デバイスの製造方法。
  5. 前記張出部は、前記環上に位置する複数の構造体から構成されている
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の経皮投与デバイスの製造方法。
  6. 前記配置工程の後に、前記形成材料を前記版材面に供給する供給工程を行う
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の経皮投与デバイスの製造方法。
  7. 前記形成材料を前記版材面に供給する供給工程の後に、前記配置工程を行う
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の経皮投与デバイスの製造方法。
  8. 前記形成材料は樹脂であり、
    前記充填工程では、加圧によって前記形成材料を充填する
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の経皮投与デバイスの製造方法。
  9. 前記補助部材は金属からなる部分を含む
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の経皮投与デバイスの製造方法。
  10. 前記補助部材は樹脂からなる部分を含み、
    前記樹脂からなる部分は、前記張出部のなかで前記配置工程において前記版材面に接する面を含む
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の経皮投与デバイスの製造方法。
  11. 1つの平面である第1面を有する基体と、前記第1面から突き出た突起部とを備える投与部からなる経皮投与デバイスであって、
    前記基体は、当該基体の外縁に沿って延びるとともに前記第1面から窪む段差部を有し、
    前記段差部は、前記第1面と対向する方向から見て、前記基体の外縁に沿った環上の1箇所で途切れており、かつ、前記段差部の途切れている箇所では、前記第1面が前記基体の外縁まで延びている
    経皮投与デバイス。
  12. 第1面を有する基体であって、当該基体の外縁に沿って位置するとともに前記第1面から窪む段差部をさらに有する前記基体と、前記第1面から突き出た突起部とを備える投与部と、
    前記段差部を埋めて前記第1面とともに1つの平面を形成する張出部と、前記張出部から延びて、前記基体の外側で前記基体に接する立設部とを備える補助部材と、
    を備え、
    前記第1面と対向する方向から見て、前記張出部の位置する領域には、前記突起部を囲む仮想的な環上に等配された2以上の点が含まれる
    経皮投与デバイス。
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