以下、図面を参照しつつ、本発明に係る各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。
なお、以下では、画像形成装置の一例として、スキャナ機能、コピー機能、およびプリンター機能を備えるデジタル複合機として機能するMFPについて説明するが、画像形成装置は、MFPに限定されるものではない。たとえば、画像形成装置は、タブレット端末、パソコン、デジタルカメラ、電子辞書、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機、表示部を有するその他の機器などとして実現される場合もあり得る。以下で説明される各実施の形態は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
以下において、画面に含まれるボタンのうち、他の操作画面へ遷移するためのボタンを画面遷移ボタンという。画面遷移ボタンのうち、デフォルトで設定された座標位置(以下、デフォルト位置という)とは異なる位置に表示されるボタンを位置変更ボタンという。
<第1の実施の形態>
[概要]
図1〜図4を参照して、第1の実施の形態に係る画像形成装置100の概要について説明する。図1は、MFPとして構成される画像形成装置100の外観を示した図である。図1に示されるように、画像形成装置100は、タッチパネルを含むUI(User Interface)部16を有する。画像形成装置100は、UI部16に対する操作に応じて、スキャナ機能、コピー機能、およびプリンター機能などの各機能を実行する。
図2は、ユーザーが画像形成装置100のコピー機能を呼び出した場合におけるUI部16の画面遷移の一例を示す図である。図2(a)には、画像形成装置100の起動時にUI部16に表示されるホーム画面30が示されている。ホーム画面30は、コピー機能を呼び出すためのボタン31、ファクシミリ機能およびスキャン機能を呼び出すためのボタン32、ファイル管理に関する機能を呼び出すためのボタン33、Webブラウザーを起動するためのボタン34など、画像形成装置100が有する各機能を呼び出すためのボタンを含む。
ユーザーによってボタン31が押下されると、画像形成装置100は、コピー機能を実行するための操作画面をUI部16に表示する。図2(b)には、コピー機能を実行するための操作画面40の一例が示されている。
図2(b)に示される例では、操作画面40は、コピー機能を実行する際の条件を設定するためのボタン41〜46を含む。図2(b)に示す操作画面40では、各ボタン41〜46は、デフォルトで設定された座標位置(デフォルト位置)に配置されている。
具体的には、操作画面40は、カラー条件を設定するためのボタン41、濃度条件を設定するためのボタン42、用紙条件を設定するためのボタン43、倍率条件を設定するためのボタン44、両面印刷条件を設定するためのボタン45、パンチなどの仕上り条件を設定するためのボタン46を含み、ボタン41〜46が画面下方において横方向に一定間隔に並べて配置されている。
ユーザーによってボタン41〜46のいずれかが押下されると、画像形成装置100は、押下されたボタンに対応する条件の詳細を設定するための操作画面をUI部16に表示する。すなわち、ボタン41〜46は、他の操作画面へ遷移するための画面遷移ボタンである。図2(c)には、ボタン46が押下され、仕上り条件の詳細を設定するための操作画面50の一例が示されている。
図2(c)に示される例では、操作画面50は、仕上り条件の詳細を設定するためのボタン群51と、仕上り条件の設定を中止するためのボタン52と、仕上り条件の設定を完了するためのボタン53とを含む。図2(c)に示す操作画面50では、各ボタンは、デフォルト位置に配置されている。
ユーザーは、仕上り条件を変更したい場合に、操作画面50上のボタン群51を操作する。前回と同じ仕上り条件でよい場合には、ユーザーは、ボタン群51を操作することなく、ボタン53を押下する。仕上り条件の設定を中止したい場合にも、ユーザーは、ボタン群51を操作することなく、ボタン52を押下する。
図2に示されるように、画像形成装置100は、操作画面40におけるボタン46(操作画面50に遷移するためのボタン)のデフォルト位置の近傍に、操作画面50におけるボタン52,53のデフォルト位置を設定している。ボタン52,53は、操作画面50において操作頻度の高いボタンである。そのため、ユーザーは、操作画面40においてボタン46を押下した後、手をほとんど動かすことなく、操作画面50においてボタン52またはボタン53を押下することができる。これにより、画像形成装置100は、ユーザーにとって操作しやすい操作画面50を表示することができる。
次に、操作画面40のボタン41〜46の少なくとも1つの位置がデフォルト位置から変更された場合におけるUI部16の画面遷移について説明する。画像形成装置100は、ユーザーからのカスタマイズ指示により、操作画面40の構成を変更することができる。たとえば、ユーザーが特定の機能や条件を利用しない場合、画像形成装置100は、当該特定の機能や条件に対応するボタンを含まない操作画面を表示することができる。これにより、ユーザーは、不要な条件を設定するためのボタンを表示しないように操作画面40のカスタマイズすることができる。
図3は、操作画面40がカスタマイズされた場合におけるUI部16の画面遷移の比較例を示す図である。
図3(a)には図2(a)と同じホーム画面30が示されている。ユーザーによってボタン31が押下されると、画像形成装置100は、コピー機能を実行するための操作画面40をUI部16に表示する。図3(b)には、コピー機能を実行するための操作画面40の一例が示されている。
図3(b)に示される例の操作画面40は、図2(b)に示される例の操作画面40と比較して、両面印刷条件を設定するためのボタン45を含まず、仕上り条件を設定するためのボタン46が表示される位置が変更されている点で相違する。具体的には、図3(b)の操作画面40において、ボタン46は、図2(b)の操作画面40におけるボタン46の位置(デフォルト位置)ではなく、図2(b)の操作画面40におけるボタン45の位置に表示されている。つまり、ボタン46は、デフォルト位置とは異なる位置に表示される位置変更ボタンである。
以下において、図2(b)に示す操作画面40におけるボタン46の位置(デフォルト位置)から、図3(b)に示す操作画面40におけるボタン46の位置までのベクトルを、ボタン46の移動ベクトルという。すなわち、画像形成装置100は、操作画面40において、ボタン46が表示される位置をデフォルト位置から移動ベクトルだけ移動させた位置に変更している。
ここで、図3(b)に示す操作画面40においてボタン46が押下されたときに、ボタン群51とボタン52とボタン53とを図2(c)と同じ位置に配置した操作画面50が表示されるとする。図3(c)は、この場合における、仕上り条件の詳細を設定するための操作画面50の比較例が示されている。
図3(c)に示される操作画面50では、ボタン52とボタン53とがデフォルト位置(図2(c)と同じ位置)に配置される。そのため、ユーザーは、図3(b)に示す操作画面40においてボタン46を押下した後、操作画面50においてボタン52またはボタン53を押下する場合、図2と比較して、ボタン46の移動ベクトル分だけ余計に手を移動させる必要が生じる。その結果、ユーザーの操作性が低下する。
そこで、第1の実施の形態に係る画像形成装置100は、操作画面40のカスタマイズに伴い、操作画面50におけるボタンの位置も変更する。
図4は、第1の実施の形態に係る画像形成装置100における、操作画面40がカスタマイズされた場合のUI部16の画面遷移の例を示す図である。図4(a)には図2(a)、図3(a)と同じホーム画面30が示されている。ユーザーによってボタン31が押下されると、画像形成装置100は、図4(b)に示される操作画面40をUI部16に表示する。
図4(b)の操作画面40は、図3(b)と同一であり、図2(b)の操作画面40と比較して、ボタン45が削除され、ボタン46がデフォルト位置から図2(b)に示す操作画面40におけるボタン45の位置まで移動されている。
図4(b)の操作画面40においてボタン46が押下されると、画像形成装置100は、仕上り条件の詳細を設定するための操作画面50をUI部16に表示する。図4(c)には、図4(b)に示す操作画面40においてボタン46が押下されたときに表示される、仕上り条件の詳細を設定するための操作画面50の一例が示されている。
図4(c)に示される例では、操作画面50は、図2(c)の操作画面50と同様に、ボタン群51とボタン52とボタン53とを含む。ただし、図4(c)に示す操作画面50は、図2(c)に示す操作画面50と比較して、ボタン52およびボタン53が表示される位置を変更している。具体的には、図4(c)に示す操作画面50におけるボタン52の位置は、デフォルト位置(図2(c)に示す操作画面50におけるボタン52の位置)からボタン46の移動ベクトルだけ移動されている。図4(c)に示す操作画面50におけるボタン53の位置も、デフォルト位置(図2(c)に示す操作画面50におけるボタン53の位置)からボタン46の移動ベクトルだけ移動されている。
これにより、図4における、操作画面40のボタン46と操作画面50のボタン52およびボタン53との相対位置関係は、図2における、操作画面40のボタン46と操作画面50のボタン52およびボタン53との相対位置関係と同一となる。つまり、画像形成装置100は、操作画面40におけるボタン46の近傍の位置に、操作画面50において押下される頻度の高いボタン52,53を移動させている。その結果、ユーザーは、図2と同様に、操作画面40においてボタン46を押下した後、手をほとんど動かすことなく、操作画面50においてボタン52またはボタン53を押下することができる。
図5は、図4の画面遷移における画像形成装置100の状態の遷移を説明する図である。
画像形成装置100は、ホーム画面30をUI部16に表示し、ユーザーからの操作を待機する(第1の状態)。
ホーム画面30においてボタン31が押下されたことを受けると(第2の状態)、画像形成装置100は、コピー機能を実行するための画面であり、各種の条件を設定するためのボタン41〜46を含む操作画面40をUI部16に表示させる(第3の状態)。ここでは、画像形成装置100は、両面印刷条件を設定するためのボタン45を削除する旨の指示をユーザーから予め受けており、当該指示に従って、ボタン46をデフォルト位置から移動させた位置に配置した図4(b)の操作画面40をUI部16に表示させる。
画像形成装置100は、操作画面40の表示が完了した後、ユーザーからの操作を待機する。このとき、画像形成装置100は、デフォルト位置とは異なる位置に表示されるボタン46が押下されたときの遷移先画面となる操作画面50におけるボタン位置の変更のための演算処理(ボタン位置の変更処理)を開始する(第4の状態)。
具体的には、画像形成装置100は、図4(c)に示されるように、操作頻度の高いボタン52およびボタン53が表示される位置を、図2(c)に示すボタン52およびボタン53のデフォルト位置よりも、図4(b)に示す操作画面40におけるボタン46に近くなるように変更する。言い換えると、画像形成装置100は、ボタン52およびボタン53が表示される位置を、デフォルト位置よりも、操作画面40におけるボタン46からの距離が短くなるように変更する。
操作画面40においてボタン46が押下されたことを受けると(第5の状態)、画像形成装置100は、ボタン46に対応する、仕上げ条件の詳細を設定するための操作画面50をUI部16に表示させる(第6の状態)。
画像形成装置100は、ボタン46が押下される前の第4の状態において、ボタン46に対応する操作画面50のボタン位置の変更処理を開始している。そのため、画像形成装置100は、第6の状態において、変更処理により得られた操作画面50を速やかにUI部16に表示させることができる。すなわち、ボタン46が押下されてから操作画面50のボタン位置の変更処理を開始する場合に比べて、画像形成装置100は、ボタン46が押下されてから操作画面50の表示が完了するまでの時間を短くすることができる。
このように、画像形成装置100は、操作画面40においてボタン46をデフォルト位置とは異なる位置に表示したときであっても、ボタン46が押下されたときに、当該ボタン46が表示される位置に従って、ボタン52およびボタン53の位置が操作しやすい位置に変更された操作画面50を速やかにUI部16に表示させることができる。
[ハードウェア構成]
図6は、画像形成装置100の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。図6に示されるように、画像形成装置100は、制御部10と、データ記憶装置14と、画像読取部15と、UI部16と、ネットワークI/F(インターフェース)17と、画像処理部18と、画像出力部19とを備える。
制御部10は、装置全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)11と、制御プログラムを格納するためのメモリーであるROM(Read Only Memory)12と、作業用の記憶領域となるメモリーであるRAM(Random Access Memory)13とを含む。
制御部10には、バスを介して、データ記憶装置14と、画像読取部15と、UI部16と、ネットワークI/F17と、画像処理部18と、画像出力部19とが接続されている。
画像読取部15は、写真、文字、絵などの画像情報を原稿から光電的に読取って画像データを取得する。取得された画像データは、画像出力部19やネットワークI/F17に送られ、印刷やデータの送信に供されるか、または、後の利用のためにデータ記憶装置14に格納される。
UI部16は、ディスプレイ16aと、タッチパネル16bと、操作キー16cとを備える。
ディスプレイ16aは、たとえば、液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))であり、ホーム画面や操作画面を表示することができる。
タッチパネル16bは、ディスプレイ16aの画面上に設けられ、ペンや指等で押下された座標位置を検知する。タッチパネル16bは、ユーザーからの指示を受けるための入力部として機能する。
操作キー16cは、たとえば、テンキー、スタートキーを含むハードキーである。テンキーは数字や記号の入力を受け付け、スタートキーは印刷の開始の指示を受ける。操作キー16cも、ユーザーからの指示を受けるための入力部として機能する。
ネットワークI/F17は、図示しない通信ネットワークを介して接続された他の装置との間で各種の情報を送受信する。ネットワークI/F17は、有線又は無線方式のLANを介して、LANに接続されたサーバーや、PC、携帯端末、他の画像形成装置との間でデータの送受信を行う。また、ネットワークI/F17は、可搬性記憶メディア(たとえば、USB(Universal Serial Bus)メモリー)からデータを取得するとともに、可搬性記憶メディアにデータを記憶させる。また、ネットワークI/F17は、ファクス回線を介してファクスデータの送受信を行う。
画像処理部18は、たとえば、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の画像処理用の集積回路である。画像処理部18は、たとえば、ネットワークI/F17が受信したデータをビットマップ形式の画像データに変換するラスタライズ処理を実行する。
画像出力部19は、印刷対象となる画像データで示される画像を、用紙またはフィルムなどの記録シートに印刷するプリント処理を行なう。
データ記憶装置14は、たとえば、ハードディスク装置などの記憶装置を含む。データ記憶装置14は、画像読取部15が原稿を読み取ることで得られた画像データ、ネットワークI/F17が外部から取得したデータなどを記憶する。
[機能構成]
図7は、画像形成装置100が備える制御部10の主な機能構成の一例を示すブロック図である。図7に示されるように、制御部10は、位置情報記憶部10aと、遷移先画面記憶部10bと、カスタマイズ処理部10cと、決定部10dと、ボタン位置変更部10eと、表示制御部10fとを含む。位置情報記憶部10aおよび遷移先画面記憶部10bの少なくとも一方は、たとえばROM12および/またはRAM13によって実現される。カスタマイズ処理部10c、決定部10d、ボタン位置変更部10e、および、表示制御部10fのうち少なくとも一つは、たとえばCPU11が適切なプログラムを実行することによって実現される。
位置情報記憶部10aは、UI部16に表示される各操作画面について、当該操作画面に含まれるボタンのデフォルト位置を示す位置情報テーブルを記憶する。
各操作画面に含まれるボタンのデフォルト位置は、画像形成装置100の設計者によって、ユーザーが操作しやすい操作画面となるように予め設定される。画像形成装置100の設計者は、画面遷移を考慮して、各操作画面のボタンのデフォルト位置を設定すればよい。たとえば、図2に示されるように、操作画面50におけるボタン52およびボタン53のデフォルト位置は、操作画面50の前画面である操作画面40における、操作画面50への遷移を指示するためのボタン46のデフォルト位置の近傍になるように設定される。
図8は、位置情報記憶部10aが記憶する位置情報テーブルの一例を示す。図8(a)は、ユーザーによってカスタマイズが可能な操作画面40(図4参照)の位置情報テーブルを示す。図8(b)は、ユーザーによってカスタマイズができない操作画面50(図4参照)の位置情報テーブルを示す。
図8(a)に示されるように、位置情報記憶部10aは、カスタマイズが可能な各操作画面について、当該操作画面に含まれる各ボタンを識別するボタン識別情報と、当該ボタンの画像を識別するための画像識別情報と、当該ボタンのサイズと、当該ボタンのデフォルト位置と、カスタマイズ情報とを対応付けた位置情報テーブルを記憶する。カスタマイズ情報は、ユーザーからのカスタマイズ指示により設定された各ボタンの表示の有無を示す表示有無情報と、ユーザーからのカスタマイズ指示によりデフォルト位置から変更された座標位置(以下、カスタマイズ後の座標位置という)とを含む。
図8(b)に示されるように、位置情報記憶部10aは、ユーザーによってカスタマイズができない各操作画面について、当該操作画面に含まれる各ボタンを識別するボタン識別情報と、当該ボタンの画像を識別するための画像識別情報と、当該ボタンのサイズと、当該ボタンのデフォルト位置と、当該ボタンの位置の変更の可否を示す変更可否情報とを対応付けた位置情報テーブルを記憶する。
なお、図8(b)に示す例では、操作画面50のうち、ボタン52およびボタン53のみデフォルト位置からの変更を可としたが、ボタン群51に属する各ボタンもデフォルト位置からの変更を可としてもよい。
遷移先画面記憶部10bは、画面を遷移するためのボタン(画面遷移ボタン)ごとに、当該ボタンを識別するボタン識別情報と、当該ボタンが押下されたときの遷移先の操作画面を識別する画面識別情報とを対応付けた情報を記憶する。
図9は、遷移先画面記憶部10bが記憶する情報の一例を示す。図9に示されるように、遷移先画面記憶部10bは、たとえば、ボタン46と操作画面50とを対応付けて記憶している。
カスタマイズ処理部10cは、タッチパネル16bがユーザーからのカスタマイズ指示を受けた場合に、当該カスタマイズ指示に従って、操作画面の構成を変更する。
図10は、操作画面40に対するカスタマイズ指示を受けるためのカスタマイズ設定画面の一例である。図10に示すカスタマイズ設定画面は、操作画面40に表示すべきボタンの種類を設定するとともに、表示すべきボタンを「機能ボタン」の番号順に並べて配置させるカスタマイズ設定を行なうための画面である。
図10(a)に示すカスタマイズ設定画面では、「機能ボタン5」として両面条件を設定するためのボタンを配置し、「機能ボタン6」として仕上り条件を設定するためのボタンを配置する設定(すなわち、各ボタンをデフォルト位置に配置する設定)となっている。
図10(b)に示すカスタマイズ設定画面では、「機能ボタン5」が設定されず、「機能ボタン6」として仕上り条件を設定するためのボタンを配置する設定となっている。この場合、「機能ボタン1」から「機能ボタン4」として設定されたボタンの次に「機能ボタン6」として設定されたボタンが並べて配置される。つまり、5番目のボタンとして「機能ボタン6」として設定されたボタンが表示される。
カスタマイズ処理部10cは、図10に示されるようなカスタマイズ設定画面に対して入力されたカスタマイズ指示に従って、操作画面の構成を変更する。たとえば、カスタマイズ処理部10cは、ボタンの表示の有無を切り替えたり、ボタンが表示される位置をデフォルト位置から変更したりする。
カスタマイズ処理部10cは、ユーザーからのカスタマイズ指示に従ってボタンが表示される位置をデフォルト位置から変更した場合、位置情報記憶部10aが記憶する位置情報テーブルに対して、カスタマイズ後の座標位置を示すカスタマイズ情報を書き込む。よって、カスタマイズ情報に座標位置が登録されているボタンは、デフォルト位置とは異なる位置に表示される位置変更ボタンとなる。
また、カスタマイズ処理部10cは、ユーザーからのカスタマイズ指示に従ってボタンの表示を無しに切り替えた場合、位置情報記憶部10aが記憶する位置情報テーブルに対して、表示有無「無し」を示すカスタマイズ情報を書き込む。
図7に戻って、決定部10dは、ボタンが表示される位置(ボタンの表示予定位置)をデフォルト位置から変更すべき操作画面を変更対象画面として決定する。決定部10dは、他の操作画面へ遷移するためのボタン(画面遷移ボタン)がデフォルト位置とは異なる位置に表示される場合に、当該ボタン(位置変更ボタン)が押下されたときの遷移先の操作画面を変更対象画面として決定する。
具体的には、決定部10dは、位置情報記憶部10aが記憶する位置情報テーブルにカスタマイズ後の座標位置を示すカスタマイズ情報が含まれる場合に、当該カスタマイズ情報に対応するボタン識別情報によって示されるボタンを位置変更ボタンとして特定する。決定部10dは、遷移先画面記憶部10bが記憶する情報において、特定した位置変更ボタンのボタン識別情報に対応する画面識別情報によって示される操作画面を変更対象画面として決定する。
ボタン位置変更部10eは、操作画面のボタンが表示される予定の位置(表示予定位置)をデフォルト位置から変更するための演算処理を実行する。ボタン位置変更部10eは、位置情報記憶部10aから、決定部10dにより変更対象画面として決定された操作画面に対応する位置情報テーブルを読み出す。ボタン位置変更部10eは、読み出した位置情報テーブルに基づいて、変更可否情報が「可」のボタンを特定し、当該ボタンの位置をデフォルト位置から変更する演算処理(以下、ボタン位置の変更処理という場合がある)を実行する。
変更後の座標位置を算出するための演算式は、ボタンごとに予め定められている。ボタン位置変更部10eは、ボタンごとに定められた演算式を予め記憶しており、当該演算式に従って、変更後の座標位置(表示予定位置)を算出する。ボタン位置変更部10eは、位置を変更したボタンを識別するボタン識別情報と、当該ボタンに対して算出した変更後の座標位置とを対応付けた変更情報を表示制御部10fに出力する。
ボタン位置変更部10eは、変更対象画面のボタンが表示される位置を、当該ボタンのデフォルト位置よりも、当該変更対象画面に遷移するための画面遷移ボタンに近くなるように変更することが好ましい。つまり、ボタン位置変更部10eは、変更対象画面のボタンが表示される位置を、当該ボタンのデフォルト位置よりも、当該変更対象画面に遷移するための画面遷移ボタンからの距離が短くなるように変更することが好ましい。これにより、変更対象画面の操作性が向上する。
たとえば、ボタン位置変更部10eは、操作画面50のボタン52について、以下の演算式(a)を記憶している。
変更後の座標位置=ボタン52のデフォルト位置+(ボタン46のカスタマイズ後の座標位置−ボタン46のデフォルト位置)・・・(a)。
ボタン位置変更部10eは、位置情報記憶部10aが記憶する位置情報テーブルから、ボタン52のデフォルト位置、ボタン46のカスタマイズ後の座標位置およびボタン46のデフォルト位置を読み出し、上記の演算式(a)に従って、ボタン52の変更後の座標位置を算出する。
表示制御部10fは、位置情報記憶部10aが記憶する位置情報テーブルおよびボタン位置変更部10eから受けた変更情報に基づいて、各操作画面を生成し、生成した操作画面をUI部16に表示する。
表示制御部10fは、表示対象となる操作画面について、当該操作画面に対応する位置情報テーブルを位置情報記憶部10aから読み出し、読み出した位置情報テーブルの各ボタンのレコードを確認する。表示制御部10fは、カスタマイズ情報が設定されたボタンを、当該カスタマイズ情報に従って配置し、カスタマイズ情報が設定されていないボタンをデフォルト位置に配置することで操作画面を生成する。
表示制御部10fは、全てのレコードにカスタマイズ情報が含まれない場合、ボタン位置変更部10eから変更情報を受けたか否かを確認する。表示制御部10fは、ボタン位置変更部10eから変更情報を受けていない場合、デフォルト位置に各ボタンを配置することで操作画面を生成する。
表示制御部10fは、ボタン位置変更部10eから変更情報を受けた場合、変更情報に含まれるボタン識別情報により示されるボタンを、当該ボタン識別情報に対応する変更後の座標位置に従って配置し、それ以外のボタンをデフォルト位置に配置することで操作画面を生成する。
[ボタン位置の変更処理の流れ]
図11は、第1の実施の形態に係る画像形成装置100におけるボタン位置の変更処理の流れを示すフローチャートである。
まず、表示制御部10fは、表示指示を受けた操作画面をUI部16に表示する(ステップS11)。
次に、決定部10dは、UI部16に表示されている操作画面に、他の操作画面へ遷移するためのボタン(画面遷移ボタン)が含まれるか判断する(ステップS12)。決定部10dは、遷移先画面記憶部10bが記憶している情報の中に、操作画面に含まれるボタンを識別するボタン識別情報がある場合、当該ボタン識別情報により示されるボタンが画面遷移ボタンであると判断する。
UI部16に表示されている操作画面に画面遷移ボタンが含まれない場合(ステップS12でNO)、画像形成装置100は、ボタン位置の変更処理を終了する。
UI部16に表示されている操作画面に画面遷移ボタンが少なくとも1つ含まれる場合(ステップS12でYES)、決定部10dは、当該画面遷移ボタンの中から1つのボタンを任意に選択する(ステップS13)。
決定部10dは、選択したボタンが押下されたときの遷移先画面が変更対象画面か否か判断する(ステップS14)。
具体的には、決定部10dは、UI部16に表示されている操作画面に対応する位置情報テーブルを位置情報記憶部10aから読み出し、読み出した位置情報テーブルにおいて、ステップS13で選択したボタンについてカスタマイズ後の座標位置が設定されているか否か確認する。
位置情報テーブルにカスタマイズ後の座標位置が設定されている場合、決定部10dは、ステップS13で選択したボタンを位置変更ボタンとし、当該位置変更ボタンが押下されたときの遷移先画面を変更対象画面として決定する。すなわち、決定部10dは、当該位置変更ボタンを識別するボタン識別情報に対応する画面識別情報を遷移先画面記憶部10bから読み出し、読み出した画面識別情報により示される操作画面を変更対象画面として決定する。
位置情報テーブルにカスタマイズ後の座標位置が設定されていない場合、決定部10dは、ステップS13で選択したボタンが押下されたときの遷移先画面が変更対象画面ではないと判断する。
遷移先画面が変更対象画面である場合(ステップS14でYES)、ボタン位置変更部10eは、当該遷移先画面のボタンの位置を変更する(ステップS15)。具体的には、ボタン位置変更部10eは、遷移先画面に対応する位置情報テーブルを位置情報記憶部10aから読み出し、読み出した位置情報テーブルにおいて変更可否情報(図8(b)参照)が「可」であるボタンについて変更後の座標位置を算出する。
遷移先画面が変更対象画面ではない場合(ステップS14でNO)またはステップS15の次に、決定部10dは、UI部16に表示されている操作画面に含まれる画面遷移ボタンの中から、未選択の画面遷移ボタンが残っているか判断する(ステップS16)。
未選択の画面遷移ボタンが残っている場合(ステップS16でYES)、ステップS13〜S16が繰り返される。このとき、ステップS13において、決定部10dは、未選択の画面遷移ボタンの中から1つのボタンを任意に選択する。これにより、決定部10dは、画面遷移ボタンのうちデフォルト位置とは異なる位置に表示される全ての位置変更ボタンの遷移先画面を変更対象画面として決定する。
未選択の画面遷移ボタンが残っていない場合(ステップS16でNO)、画像形成装置100は、ボタン位置の変更処理を終了する。
このように、決定部10dは、画面遷移ボタンのうち、位置情報デーブルにより示されるデフォルト位置とは異なる位置に表示される位置変更ボタン(たとえばボタン46)(第1のボタン)が操作されたときの遷移先画面(たとえば操作画面50)を変更対象画面として決定する。
ボタン位置変更部10eは、変更対象画面として決定された遷移先画面の少なくとも1つのボタン(第2のボタン)の位置をデフォルト位置から変更する変更処理を、位置変更ボタンに対する操作を受ける前に開始する。つまり、ボタン位置変更部10eは、操作画面40が表示されたタイミング、つまり、操作画面50への遷移指示を受ける前のタイミングにおいて、操作画面40の遷移先となり得る操作画面50のボタン位置の変更処理を開始する。そのため、画像形成装置100は、操作画面50への遷移指示を受けたタイミングで、ボタン位置の変更処理により得られた操作画面50を速やかにUI部16に表示させることができる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置100は、上記の第1の実施の形態に係る画像形成装置100の変形例である。
本実施の形態に係る画像形成装置100のタッチパネル16bは、操作画面40がUI部16に表示されている状態において、操作画面40に含まれるボタンのスクロール指示を受けることができる。
図12は、スクロール指示を受ける前後の操作画面40を示す図である。図12(a)は、スクロール指示を受ける前の操作画面40を示し、図12(b)は、スクロール指示を受けた後の操作画面40を示している。
図12に示す例の操作画面40は、コピー機能を実行する際に設定可能な条件の詳細設定を行なうための複数のボタン41〜49とスクロールバー40aとを含む。
図7および図12を参照して、表示制御部10fは、スクロールバー40aに対する操作(スクロール指示)に応じて、ボタン41〜49をスクロールさせる。表示制御部10fは、スクロール後の各ボタンの座標位置を決定部10dおよびボタン位置変更部10eに出力する。
たとえば、図12(b)に示す位置にスクロールバー40aが操作された場合、表示制御部10fは、ボタン位置変更部10eは、ボタン43のスクロール後の座標位置をボタン41のデフォルト位置とし、当該スクロール後の座標位置を出力する。
決定部10dは、表示制御部10fから各ボタンのスクロール後の座標位置を受けた場合、当該ボタンのデフォルト位置とスクロール後の座標位置とを比較する。決定部10dは、デフォルト位置とスクロール後の座標位置とが一致しないボタンを位置変更ボタンとして特定し、特定した位置変更ボタンが押下されたときの遷移先画面を変更対象画面として決定する。
ボタン位置変更部10eは、決定部10dにより変更対象画面として決定された遷移先画面について、ボタン位置の変更処理を実行する。つまり、ボタン位置変更部10eは、操作画面40に対するスクロール指示を受けるたびに、スクロール後の座標位置に基づいて、当該操作画面40に含まれるボタンが押下されたときの遷移先画面におけるボタン位置の変更処理(図11に示される処理)を実行する。
これにより、画像形成装置100は、スクロール指示により操作画面40がスクロールされたタイミング、つまり、画面を遷移させるボタンが押下されるタイミングよりも前に、当該ボタンが押下されたときの遷移先画面におけるボタン位置の変更処理を開始することができる。その結果、ユーザーは、操作画面40に対するスクロール指示を入力した後に、操作画面40に含まれる位置変更ボタンを押下した場合であっても、速やかに遷移先画面を確認することができる。
なお、画像形成装置100は、スクロールバー40aに対する操作に加えて、または当該操作の代わりに、UI部16に対するフリック操作をスクロール指示として受けることができ、当該フリック操作によってボタンをスクロールさせてもよい。この場合、フリック操作に応じて、表示制御部10fは、各ボタンのスクロール後の座標位置を算出し、算出したスクロール後の座標位置を決定部10dおよびボタン位置変更部10eに出力すればよい。
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置100は、上記の第1の実施の形態に係る画像形成装置100の変形例である。
第1の実施の形態では、ボタン位置変更部10eは、操作画面40がUI部16に表示されているときに、操作画面40に含まれるボタンが押下されたときの遷移先画面(たとえば操作画面50)におけるボタン位置の変更処理を行なう。これに対し、第3の実施の形態に係る画像形成装置100では、ボタン位置変更部10eは、操作画面40に対するカスタマイズ指示を受けたタイミングで、操作画面40に含まれるボタンが押下されたときの遷移先画面(たとえば操作画面50)におけるボタン位置の変更処理を行なう。
図13は、第3の実施の形態に係る画像形成装置100におけるボタン位置の変更処理の流れを示すフローチャートである。
まず、カスタマイズ処理部10cは、たとえば図10に示されるカスタマイズ設定画面に入力されたカスタマイズ指示に従って、操作画面のカスタマイズを実行する(ステップS21)。このとき、カスタマイズ処理部10cは、カスタマイズの結果に従って、位置情報テーブルのカスタマイズ情報を更新する。
次に、決定部10dは、位置情報テーブルにおいて、対応するカスタマイズ情報が更新されたボタン識別情報を特定する。決定部10dは、特定したボタン識別情報に対応する画面識別情報を遷移先画面記憶部10bから読み出し、読み出した画面識別情報により示される操作画面を変更対象画面として決定する(ステップS22)。
次に、ボタン位置変更部10eは、決定部10dにより変更対象画面として決定された操作画面のボタン位置の変更処理を行なう(ステップS23)。
これにより、操作画面のカスタマイズを行なうタイミングにおいて変更対象画面のボタン位置も変更されるため、画像形成装置100は、カスタマイズされた操作画面のボタンを押下された場合に、速やかに遷移先の操作画面をUI部16に表示することができる。
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態に係る画像形成装置100は、上記の第1の実施の形態と比較して、制御部10の代わりに以下の制御部10Aを備える点で相違する。第4の実施の形態では、決定部10dは、予め設計者によって定められたボタンの優先度に従って、優先度の高い位置変更ボタンの遷移先画面を変更対象画面として決定する。
図14は、第4の実施の形態に係る画像形成装置100が備える制御部10Aの機能構成を示すブロック図である。制御部10Aは、たとえば、制御部10(図6)と同様に、CPU11、ROM12、および、RAM13を含む。図14を参照して、制御部10Aは、第1の実施の形態に係る制御部10(図7参照)と比較して、優先度記憶部10gを備える点で相違する。優先度記憶部10gは、たとえば、ROM12またはRAM13によって実現される。
優先度記憶部10gは、操作画面ごとに、当該操作画面に含まれるボタンを識別するボタン識別情報と優先度とを対応付けた優先度情報を記憶する。各ボタン識別情報に対応する優先度は、画像形成装置100の設計者によって予め設定されている。たとえば、画像形成装置100の設計者は、押下する頻度が高いと推定されるボタンほど優先度が高くなるように、各ボタンに対応する優先度を設定すればよい。
図15は、優先度記憶部10gが記憶する優先度情報の一例を示す図である。図15に示す優先度情報では、ボタン41、ボタン42、ボタン46の順に高くなるように優先度が設定されている。
図16は、第4の実施の形態に係る画像形成装置100におけるボタン位置の変更処理の流れを示すフローチャートである。図16に示されるように、本実施の形態におけるボタン位置の変更処理は、第1の実施の形態における変更処理(図11参照)と比較して、ステップS12とステップS14との間に、ステップS13の代わりにステップS33とステップS34とを含む点で相違する。
ステップS33において、ボタン位置変更部10eは、所定数(たとえば5個)の操作画面に対するボタン位置の変更処理を実行したか判断する。
所定数の操作画面に対するボタン位置の変更処理を実行していない場合(ステップS33でNO)、決定部10dは、優先度記憶部10gが記憶する優先度情報に基づいて、ステップS11で表示した操作画面に含まれる画面遷移ボタンのうち、最も優先度の高いボタンを選択する(ステップS34)。
ステップS34の後、第1の実施の形態と同様にステップS14〜S16が実行される。ステップS16において未選択の画面遷移ボタンがある場合(YES)、ステップS33の処理に戻される。ステップS16の後のステップS34において、決定部10dは、未選択の画面遷移ボタンのうち、最も優先度の高いボタンを選択する。
所定数の操作画面に対するボタン位置の変更処理を実行した場合(ステップS33でYES)、画像形成装置100はボタン位置の変更処理を終了する。
本実施の形態によれば、ステップS34およびステップS14において、決定部10dは、デフォルト位置とは異なる位置に表示される複数の位置変更ボタンのうち、優先度についての上位所定数のボタンに対応する遷移先画面を変更対象画面として決定する。ボタン位置変更部10eは、上位所定数のボタンに対応する遷移先画面についてのみボタン位置の変更処理を実行する。これにより、ボタン位置変更部10eの処理に時間がかかりすぎることを防止することができる。
また、優先度についての上位所定数の操作画面についてボタン位置の変更処理が実行されるため、画像形成装置100は、たとえば表示される頻度の高いと推定される遷移先画面を操作性に優れた画面に変更できるとともに、当該遷移先画面への遷移の指示を受けたときに速やかに遷移先画面を表示することができる。
<第5の実施の形態>
本発明の第5の実施の形態に係る画像形成装置100は、上記の第1の実施の形態と比較して、制御部10の代わりに以下の制御部10Bを備える点で相違する。第5の実施の形態では、決定部10dは、ボタンの操作実績に従って、操作される頻度の高い位置変更ボタンの遷移先画面を変更対象画面として決定する。
図17は、第5の実施の形態に係る画像形成装置100が備える制御部10Bの機能構成を示すブロック図である。図17を参照して、制御部10Bは、第1の実施の形態に係る制御部10(図7参照)と比較して、操作情報記憶部10hと操作情報更新部10iとを備える点で相違する。制御部10Bは、たとえば、制御部10(図6)と同様に、CPU11、ROM12、および、RAM13を含む。操作情報記憶部10hは、たとえば、ROM12またはRAM13によって実現される。操作情報更新部10iは、たとえばCPU11が適切なプログラムを実行することによって実現される。
図18は、操作情報記憶部10hが記憶する操作情報の一例を示す図である。図17に示されるように、操作情報記憶部10hは、画面遷移ボタンごとに、当該ボタンが押下された日時を示す操作日時情報と、過去1ケ月で操作された回数(頻度)とを示す操作情報を記憶している。
操作情報更新部10iは、操作情報記憶部10hが記憶する操作情報を更新する。具体的には、操作情報更新部10iは、画面遷移ボタンが押下されるたびに、押下された日時を示す操作日時情報を押下されたボタンと対応付けて操作情報記憶部10hに格納する。
また、操作情報更新部10iは、所定のタイミング(例えば、毎日10時)において、画面遷移ボタンごとに、当該タイミングから所定期間(例えば1ヶ月)遡った時点までの期間に含まれる操作日時を示す操作日時情報の数をカウントする。操作情報更新部10iは、カウントした数値を過去1ケ月で操作された回数とし、操作情報記憶部10hが記憶する情報を更新する。
図19は、第5の実施の形態に係る画像形成装置100におけるボタン位置の変更処理の流れを示すフローチャートである。
図19に示されるように、本実施の形態におけるボタン位置の変更処理は、第4の実施の形態における変更処理(図16参照)と比較して、ステップS34の代わりにステップS44を含む点で相違する。
1回目のステップS44において、決定部10dは、操作情報記憶部10hが記憶する操作情報に基づいて、ステップS11で表示された操作画面に含まれる画面遷移ボタンのうち、過去1ケ月に操作された回数(頻度)が最も高いボタンを選択する。
また、2回目以降のステップS44(ステップS16の後のステップS44)において、決定部10dは、未選択の画面遷移ボタンのうち、過去1ケ月に操作された回数(頻度)が最も高いボタンを選択する。
本実施の形態によれば、ステップS44およびステップS14において、決定部10dは、デフォルト位置とは異なる位置に表示される複数の画面遷移ボタン(位置変更ボタン)のうち、操作された頻度についての上位所定数の位置変更ボタンに対応する遷移先画面を変更対象画面として決定する。ボタン位置変更部10eは、上位所定数の遷移先画面についてのみボタン位置の変更処理を実行する。これにより、ボタン位置変更部10eの処理に時間がかかりすぎることを防止することができる。
また、操作された頻度についての上位の所定数の操作画面についてボタン位置の変更処理が実行されるため、画像形成装置100は、表示される頻度の高い遷移先画面を操作性に優れた画面に変更できるとともに、当該遷移先画面への遷移の指示を受けたときに速やかに遷移先画面を表示することができる。
なお、操作情報記憶部10hは、ボタンが押下された日時を示す操作日時情報のみを頻度を示す情報として記憶していてもよい。この場合、決定部10dは、操作日時情報に基づいて頻度を算出し、算出した頻度に従って変更対象画面を決定すればよい。
<第6の実施の形態>
本発明の第6の実施の形態に係る画像形成装置100は、上記の第5の実施の形態に係る画像形成装置100の変形例である。第6の実施の形態では、決定部10dは、ボタンの操作実績に従って、操作された時点が新しい位置変更ボタンの遷移先画面を変更対象画面として決定する。
図20は、第6の実施の形態に係る画像形成装置100におけるボタン位置の変更処理の流れを示すフローチャートである。
図20に示されるように、本実施の形態におけるボタン位置の変更処理は、第5の実施の形態における変更処理(図19参照)と比較して、ステップS44の代わりにステップS54を含む点で相違する。
1回目のステップS54において、決定部10dは、操作情報記憶部10hが記憶する操作情報に基づいて、ステップS11で表示された操作画面に含まれる画面遷移ボタンのうち、操作日時が最も新しいボタンを選択する。
また、2回目以降のステップS54(ステップS16の後のステップS54)において、決定部10dは、未選択の画面遷移ボタンのうち、操作日時が最も新しいボタンを選択する。
本実施の形態によれば、ステップS54およびステップS14において、決定部10dは、デフォルト位置とは異なる位置に表示される複数の位置変更ボタンのうち、操作された時点の新しさについての上位所定数の位置変更ボタンに対応する遷移先画面を変更対象画面として決定する。ボタン位置変更部10eは、上位所定数の遷移先画面についてのみボタン位置の変更処理を実行する。これにより、ボタン位置変更部10eの処理に時間がかかりすぎることを防止することができる。
また、操作日時の新しさについての上位所定数の操作画面についてボタン位置の変更処理が実行されるため、画像形成装置100は、最近表示した遷移先画面を操作性に優れた画面に変更できるとともに、当該遷移先画面への遷移の指示を受けたときに速やかに遷移先画面を表示することができる。
<第7の実施の形態>
本発明の第7の実施の形態に係る画像形成装置100は、上記の第1の実施の形態に係る画像形成装置100の変形例である。第7の実施の形態では、所定のジョブを実行中において、ボタン位置変更部10eは、ボタン位置の変更処理の実行を回避する。
図21は、第7の実施の形態に係る画像形成装置100におけるボタン位置の変更処理の流れを示すフローチャートである。
図21に示されるように、本実施の形態におけるボタン位置の変更処理は、第1の実施の形態における変更処理(図11参照)と比較して、ステップS11とステップS12との間にステップS60を含む点で相違する。
ステップS60において、制御部10は、特定のジョブを実行中であるか否かを判断する。特定のジョブを実行中である場合(ステップS60でYES)、画像形成装置100は、ボタン位置の変更処理を終了する。特定のジョブの実行中ではない場合(ステップS60でNO)、ボタン位置の変更処理はステップS12に移される。
ここで、特定のジョブとは、たとえば、画像処理部18による所定容量以上の印刷データをビットマップ形式の画像データに変換するラスタライズ処理である。画像処理部18によるラスタライズ処理は、負荷が大きい。そのため、所定容量以上の印刷データに対するラスタライズ処理が実行中である場合、ボタン位置の変更処理の実行を回避することにより、ラスタライズ処理速度の低下を防止することができる。
また、特定のジョブは、画像処理部18による高圧縮ファイルの生成処理であってもよい。高圧縮ファイルの一例は、コンパクトPDF(Portable Document Format)ファイルである。高圧縮ファイルの生成処理とは、画像データで示される画像を文字領域と非文字領域(たとえば写真領域や図形領域など)とに分離し、文字領域に対応するデータと非文字領域に対応するデータとの各々を圧縮することにより、圧縮ファイル(たとえばPDFファイル)を生成する処理である。
画像処理部18による高圧縮ファイルの生成処理は、領域分離処理を含むため、負荷が大きい。そのため、高圧縮ファイルの生成処理が実行中である場合、ボタン位置の変更処理を行なわないことにより、高圧縮ファイルの生成処理速度の低下を防止することができる。
また、特定のジョブは、即時に実行すべきジョブ(たとえばファクスジョブ)であってもよい。ファクスジョブとは、原稿から送信用の画像データを生成する処理、ファクス回線を用いた画像データの送受信処理、およびファクス回線を介して受信した画像データを用紙に印刷する処理を含む。そのため、画像読取部15と、ネットワークI/F17と、画像処理部18と、画像出力部19とは、ファクスジョブを実行する実行部となり得る。
ファクスジョブが実行中である場合、ボタン位置の変更処理を行なわないことにより、ボタン位置の変更処理との並行処理によるファクスジョブの遅延を防止することができる。
なお、本実施の形態に係る画像形成装置の構成は、上記の第2〜第6の実施の形態にも適用してもよい。
<第8の実施の形態>
本発明の第8の実施の形態に係る画像形成装置100は、上記の第1〜第7の実施の形態に係る画像形成装置100の変形例である。
上記の第1〜第7の実施の形態では、決定部10dは、画面遷移ボタンのうち、位置情報テーブルの当該ボタンに対応するカスタマイズ後の座標位置とデフォルト位置とが異なる位置変更ボタンが押下されたときの遷移先画面を変更対象画面として決定した。これに対し、第8の実施の形態では、決定部10dは、位置変更ボタンに対応するカスタマイズ後の座標位置と位置情報テーブルにより示されるデフォルト位置との距離が閾値以上の場合に、当該位置変更ボタンが操作されたときの遷移先画面を変更対象画面として決定する。
これにより、ある位置変更ボタンが表示される位置とデフォルト位置との距離が閾値より小さい場合に、当該ボタンが押下されたときの遷移先画面について、ボタン位置変更部10eは、ボタン位置の変更処理の実行を回避する。そのため、ボタン位置変更部10eの負荷を低減することができる。
なお、位置変更ボタンのカスタマイズ後の座標位置とデフォルト位置との距離が小さい場合、当該ボタンが押下されたときの遷移先画面の各ボタンをデフォルト位置に配置したとしても、それほど操作性が低下するわけではない。
<第9の実施の形態>
本発明の第9の実施の形態に係る画像形成装置100は、上記の第1〜第8の実施の形態に係る画像形成装置100の変形例である。
第9の実施の形態に係る画像形成装置100では、ボタン位置変更部10eは、変更対象の操作画面の1つ前の操作画面がUI部16に表示されたタイミングではなく、2つ以上前の操作画面がUI部16に表示されたタイミングで、変更対象となる操作画面におけるボタン位置の変更処理を開始する。
図22は、本実施の形態に係る画像形成装置100の画面遷移の一例を示す図である。図22(a)に示すホーム画面30においてファイル管理の機能を呼び出すためのボタン33が押下されると、画像形成装置100は、フォルダの選択を促す操作画面をUI部16に表示する。図22(b)には、フォルダの選択を促す操作画面60の一例が示されている。
図22(b)に示される例では、操作画面60は、フォルダ「AAA」を選択するためのボタン61と、フォルダ「BBB」を選択するためのボタン62と、フォルダ「CCC」を選択するためのボタン63とを含む。すなわち、画像形成装置100は、データ記憶装置14に格納されている3つのフォルダのいずれかを選択するためのボタン61〜63を含む操作画面60をUI部16に表示する。
図22(b)に示す操作画面60においてボタン61が押下されると、画像形成装置100は、押下されたボタン61に対応するフォルダに含まれるファイルのいずれかの選択を促す操作画面をUI部16に表示する。図22(c)には、ファイルの選択を促す操作画面70の一例が示されている。
図22(c)に示される例では、操作画面70は、ファイル「File a」を選択するためのボタン71と、ファイル「File b」を選択するためのボタン72とを含む。すなわち、画像形成装置100は、フォルダ「AAA」に含まれる2つのファイルのいずれかを選択するためのボタン71,72を含む操作画面70をUI部16に表示する。
図22(c)に示す操作画面70においてボタン71またはボタン72が押下されると、画像形成装置100は、ファイルに対する操作内容の選択を促す操作画面をUI部16に表示する。図22(d)および図22(f)には、ファイルに対する操作内容の選択を促す操作画面80の一例が示されている。図22(d)はボタン71が押下されたときの操作画面80を示し、図22(f)はボタン72が押下されたときの操作画面80を示しているが、いずれも同じ画面である。
図22(d)および図22(f)に示される例では、操作画面80は、ファイル名の変更を行なうためのボタン81と、ファイルの編集を行なうためのボタン82と、ファイルで示される画像を他の画像に重ねるオーバーレイ画像として登録するためのボタン83とを含む。
図22(d)および図22(f)に示される操作画面80は、事前にカスタマイズ処理部10cによりカスタマイズされており、ボタン82がデフォルト位置とは異なる位置に表示される。そのため、決定部10dは、ボタン82が押下されたときの遷移先画面を変更対象画面として決定する。
図22(d)に示す操作画面80においてボタン82が押下されると、画像形成装置100は、ファイル「File a」に含まれるページのいずれかの選択を促す操作画面をUI部16に表示する。図22(e)には、ファイル「File a」に含まれるページの選択を促す操作画面90の一例が示されている。
図22(e)に示される例では、操作画面90は、1ページ目を選択するためのボタン91と、2ページ目を選択するためのボタン92とを含む。すなわち、画像形成装置100は、ファイル「File a」に含まれる2ページのいずれかを選択するためのボタン91,92を含む操作画面90をUI部16に表示する。ボタン91,92は、対応するページのサムネイル画像を含む。
同様に、図22(f)に示す操作画面80においてボタン82が押下されると、画像形成装置100は、ファイル「File b」に含まれるページのいずれかの選択を促す操作画面をUI部16に表示する。図22(g)には、ファイル「File b」に含まれるページの選択を促す操作画面90の一例が示されている。
図22(g)に示される例では、操作画面90は、1ページ目を選択するためのボタン91と、2ページ目を選択するためのボタン92と、3ページ目を選択するためのボタン93とを含む。すなわち、画像形成装置100は、ファイル「File b」に含まれる3ページのいずれかを選択するためのボタン91〜93を含む操作画面90をUI部16に表示する。ボタン91〜93は、対応するページのサムネイル画像を含む。
このように、操作画面90の構成は、操作画面70において選択されるファイルのページ数によって異なる。
ボタン位置変更部10eは、操作画面90への遷移指示が入力されるタイミング(ここでは、操作画面80においてボタン82が押下されるタイミング)よりも前に、操作画面90におけるボタン位置の変更処理を開始する。
具体的には、ボタン位置変更部10eは、操作画面80がUI部16に表示されたタイミング(図22(d)および図22(f)参照)ではなく、操作画面70がUI部16に表示されたタイミング(図22(c)参照)で、操作画面90におけるボタン位置の変更処理を開始する。
操作画面90におけるボタン位置の変更処理を開始するためには、ボタン位置変更部10eは、操作画面70において選択され得るファイルのページ数を把握するとともに、各ページのサムネイル画像を生成する必要がある。そのため、制御部10は、操作画面70がUI部16に表示されたタイミングにおいて、各ファイルをデータ記憶装置14から読み出す。
なお、操作画面60がUI部16に表示されたタイミング(図22(b)参照)において、制御部10は、各フォルダに含まれるファイルをデータ記憶装置14から読み出してもよい。この場合、ボタン位置変更部10eは、操作画面60がUI部16に表示されたタイミングにおいて、決定部10dにより変更対象画面として決定された操作画面90について、当該操作画面90に対応するファイルのページ数に基づいて、ボタン位置の変更処理を開始してもよい。
このように、ボタン位置変更部10eは、操作画面90の1つ前の操作画面80がUI部16に表示されたタイミングではなく、2つ以上前の操作画面(操作画面70または操作画面60)がUI部16に表示されたタイミングで、操作画面90におけるボタン位置の変更処理を開始する。これにより、画像形成装置100は、操作画面90への遷移指示が入力されると、速やかに操作画面90を表示することができる。
上記の第1〜第9の実施の形態において、上述の動作(図11、図13、図15、図18〜20に示すステップを含む)をMFP1のCPU11に実行させるためのプログラムが提供されてもよい。このようなプログラムは、MFP1のコンピューターに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
なお、プログラムは、コンピューターのOS(Operating System)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。
また、第1〜第9の実施の形態に係るプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、第1〜第9の実施の形態に係るプログラムに含まれ得る。
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。