JP2018041250A - 地域防災情報システム - Google Patents

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Abstract

【課題】既に避難が済んでいる住戸を認識することができる地域防災情報システムを提供する。【解決手段】地域防災情報システム1は、所定の地域内の住戸2に設けられ、火災を検出して火災警報信号を送信する火災警報器3と、住戸2に設けられ、火災警報器3から送信された火災警報信号を受信する屋外警報装置6と、を備える。屋外警報装置6は、操作されたときに住戸2の住人の避難が済んだことを報知する避難済み表示部を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、地域内で発生した火災情報を地域内の住人で共有する地域防災情報システムに関する。
近年、例えば重要伝統的建造物群保存地区等に指定された地域では、伝統的建造物等で発生した火災情報が、地域内の住人及び居合わせた人に迅速且つ確実に伝達されることが望まれている。そして、地域内の住人及び居合わせた人が協力して避難行動及び消火活動等を行い、伝統的建造物等を保護することが望まれている。特許文献1には、地域内で発生した火災等の警報を地域内の住人が共有することができる地域防災情報システムが開示されている。特許文献1では、住宅用火災警報器から警報信号を取得した子機が、通信回線を介してサーバーに警報信号を送信し、住宅用火災警報器が火災を検出した旨の情報を含む電子メールを、地域内の住人が所有する情報端末に送信する。また、特許文献1では、サーバーが、情報端末から火災確定信号を含む通信情報を取得したとき、通信回線を介して防災音響ユニットの警報を鳴動させるものである。
特開2015−133058号公報
特許文献1に開示された地域防災情報システムは、火災が検出されたとき、地域内の住人が所有する情報端末に電子メールを送信して、火災が検出されたことを地域内の住人に周知させる。また、地域防災情報システムのメール送信機能を利用して自然災害情報を送信し、避難を促すメールを送信することが考えられるが、避難が済んでいる住戸は、救助作業を実施する必要性が低い。このため、地域内の住人が、既に避難が済んでいる住戸を認識することが望まれている。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、既に避難が済んでいる住戸を認識することができる地域防災情報システムを提供するものである。
本発明に係る地域防災情報システムは、所定の地域内の住戸に設けられ、火災を検出して火災警報信号を送信する警報器と、住戸に設けられ、警報器から送信された火災警報信号を受信する警報装置と、を備え、警報装置は、操作されたときに住戸の住人の避難が済んだことを報知する避難済み表示部を有することを特徴とする。
本発明によれば、警報装置の避難済み表示部が、住戸の住人の避難が済んだことを表示する。このため、救助活動を行う人は、既に避難が済んでいる住戸を認識することができる。
本発明の実施の形態1に係る地域防災情報システム1を示す模式図である。 本発明の実施の形態1に係る地域防災情報システム1を示す模式図である。 本発明の実施の形態1における屋外警報装置6を示す模式図である。 本発明の実施の形態1におけるリモートコントローラ4を示す模式図である。 本発明の実施の形態1におけるユーザーテーブルを示す図である。 本発明の実施の形態1における端末情報テーブルを示す図である。 本発明の実施の形態1におけるメッセージテーブルを示す図である。 本発明の実施の形態1における避難場所テーブルを示す図である。 本発明の実施の形態1における避難完了リストを示す図である。 本発明の実施の形態2に係る地域防災情報システム100を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に係る地域防災情報システム100を示す模式図である。
実施の形態1.
以下、本発明に係る地域防災情報システム1の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る地域防災情報システム1を示す模式図である。この図1に基づいて、地域防災情報システム1について説明する。図1に示すように、地域防災情報システム1は、所定の地域Rに設けられた中継機10を備えており、所定の地域Rには、複数の住戸2が建っている。また、所定の地域Rには、中継機10から送信される信号を取得する親機11が設けられた管理部2aが設置されている。管理部2aには、親機11のほかにゲートウェイ12が設けられている。また、地域防災情報システム1は、サーバー14を備えている(図2参照)。
図2は、本発明の実施の形態1に係る地域防災情報システム1を示す模式図である。図2に示すように、各住戸2には、住宅用火災警報器3と、移報アダプタ5と、屋外警報装置6と、リモートコントローラ4とが設けられている。このように、地域防災情報システム1は、住宅用火災警報器3と、移報アダプタ5と、屋外警報装置6と、リモートコントローラ4と、中継機10と、親機11と、ゲートウェイ12と、サーバー14とを備えている。なお、各住戸2の住人は、例えば持ち運び可能な情報端末15を所有しており、各住戸2には固定電話16が設置されている。
住宅用火災警報器(警報器)3は、火災現象の一例としての煙または熱を感知(検出)すると警報音を発するものであり、住戸2の天井等に1つ以上設置される。また、住宅用火災警報器3は、火災警報信号を送受信する送受信部(図示せず)を有し、煙を感知すると無線により火災警報信号を送信する。同一住戸2内に設置されている住宅用火災警報器3の全ては、いずれかの住宅用火災警報器3から送信された火災警報信号を受信すると警報音を発する。なお、住宅用火災警報器3は、火災検出した状態が所定時間連続して経過した場合に火災確定信号を送信するようにしてもよい。この場合、火災確定信号は火災警報信号と同様に後述する移報アダプタ5および屋外警報装置6を経由して中継機10に送信される。
移報アダプタ5は住戸2内に1つ以上設置され、住宅用火災警報器3から送信された火災警報信号等を受信すると屋外警報装置6に火災警報信号等を移報する。移報アダプタ5と屋外警報装置6は無線により送受信してもよいし、有線により接続されていてもよい。
また、移報アダプタ5は、後述する屋外警報装置6に内蔵され、一体となっていてもよい。この場合、屋外にある屋外警報装置6が住宅用火災警報器3から送信された火災警報信号等を無線により受信する。
図3は、本発明の実施の形態1における屋外警報装置6を示す模式図である。屋外警報装置6(警報装置)は、住戸2の屋外に設けられ、図3に示すように、火災確認ボタン6a、誤報確認ボタン6b、自身が設置された住戸2のIDを記憶する記憶部(図示せず)、無線信号を送信する送信部(図示せず)を備え、移報アダプタ5からの火災警報信号を受信すると、自身のIDと共に火災警報信号を無線送信する。火災確認ボタン6aは、操作されたときに火災が事実であることを確定するものであり、例えば赤色のランプ付きボタンである。火災確認ボタン6aが押下されると、屋外警報装置6は、自身のIDと共に火災確定信号を中継機10に送信するものである。その際、火災確認ボタン6aは、点灯する。
なお、屋外警報装置6は、住宅用火災警報器3から送信された火災警報信号を受信した後、所定の時間火災確定操作もされず、また後述する誤報確定操作もされなかった場合、自発的に火災確定信号を中継機10に送信するように構成されてもよい。また、誤報確認ボタン6bは、操作されたときに火災警報が誤報であることを確定するものであり、例えば緑色のランプ付きボタンである。誤報確認ボタン6bが操作されて誤報が確定すると、屋外警報装置6は、誤報確定信号を中継機10に送信する。その際、誤報確認ボタン6bは、消灯する。なお、IDを記憶する記憶部は、移報アダプタ5に備えられ、火災警報信号と共に移報アダプタ5から屋外警報装置6に送信されるようにしてもよい。また、火災確認ボタン6a及び誤報確認ボタン6bは、通常消灯しており、火災警報信号を受信した際、いずれも点滅する。また、火災確定時に、火災確認ボタン6aが点灯し、誤報確認ボタン6bが消灯する。更に、誤報確定時に、火災確認ボタン6a及び誤報確認ボタン6bはいずれも消灯する。
次に、避難済み表示部6cについて説明する。本実施の形態1において、避難済み表示部6cは、火災確認ボタン6a及び誤報確認ボタン6bである。避難済み表示部6cは、操作されたときに住戸2から住人の避難が済んだことを表示するものである。ここでいう避難済みとは、住戸2から住人が他の場所へ避難して住戸2内に人が残っていないことを示す。屋外警報装置6は、避難済み表示部6cが避難済みを報知したとき、中継機10に避難済み信号を送信する。ここで、住人が避難する際に行われる避難済みであることを報知する操作について説明する。住人は、住人の住戸2に設置された屋外警報装置6の火災確認ボタン6aを長押しする。これにより、火災確認ボタン6aが点滅する。その後、住人は、誤報確認ボタン6bを押す。これにより、火災確認ボタン6aと誤報確認ボタン6bとが交互に点滅する。このように、本実施の形態1では、火災確認ボタン6aと誤報確認ボタン6bとが交互に点滅することが、住人が住戸2から避難済みの状態を示す表示である。なお、避難済みであることを報知する操作は、通常時、火災警報時、火災確定時のいずれの場合も、同様である。
図4は、本発明の実施の形態1におけるリモートコントローラ4を示す模式図である。リモートコントローラ4は、住戸2の居住者が所有して、または、住戸2内の任意の場所に固定して、火災又は非常状態等が発生した場合、及び避難が済んだ場合、居住者が自ら操作するものである。非常状態とは、例えば、居住者が体調不良となった状態等をいう。リモートコントローラ4は、図4に示すように、火災ボタン4aと非常ボタン4bと避難済みボタン4cとを有しており、また、無線信号を送信する送信部(図示せず)を備えている。リモートコントローラ4は、火災が発生した場合には、火災ボタン4aが操作され、非常状態が発生した場合には、非常ボタン4bが操作される。火災ボタン4aは、操作されたときに火災が事実であることを確定するものであり、火災ボタン4aが例えば3秒押下され続けると、リモートコントローラ4は、火災確定信号を送信部から中継機10に送信するものである。そして、リモートコントローラ4に設けられた火災報知部(図示せず)が、火災を報知する。火災報知部は、例えばブザーとLEDとからなり、火災ボタン4aが操作されると、ブザーが鳴動し且つLEDが点滅する。
また、非常ボタン4bは、操作されたときに非常状態であることを確定するものであり、非常ボタン4bが押下されると、リモートコントローラ4は、非常警報信号を送信部から中継機10に送信するものである。そして、リモートコントローラ4に設けられた非常報知部(図示せず)が、非常を報知する。非常報知部は、例えばブザーとLEDとからなり、非常ボタン4bが操作されると、ブザーが鳴動し且つLEDが点灯する。更に、火災報知部の報知又は非常報知部の報知が行われているときに、火災ボタン4aと非常ボタン4bとが同時に押下されると、火災報知部の報知又は非常報知部の報知が復旧される。
避難済みボタン4cは、操作されたときに住戸2の住人の避難が済んだことを確定するものであり、避難済みボタン4cが押下されると、リモートコントローラ4は、避難済み信号を送信部から中継機10に送信するものである。
なお、リモートコントローラ4は、自身のIDを記憶する記憶部(図示せず)を備え、送信部から火災確定信号、非常警報信号等の信号を送信する際には、自身のIDと共に送信することで、送信者(リモートコントローラ4の所有者)を特定することができる。
また、リモートコントローラ4から信号を送信する場合、近くにある屋外警報装置6を経由してもよい。このとき、リモートコントローラ4のIDを送信してもよいし、屋外警報装置6のIDを送信してもよい。前者の場合は、リモートコントローラ4の所有者(使用者)を特定できるし、後者の場合は、リモートコントローラ4が押された場所を特定できる。もちろん、リモートコントローラ4及び屋外警報装置6は、リモートコントローラ4のIDと屋外警報装置6のIDとの両方を送信してもよい。
火災警報信号、火災確定信号、非常警報信号及び避難済み信号等の信号は、中継機10、親機11、ゲートウェイ12、通信回線13を経由してサーバー14に送信される。サーバー14は、親機11から取得した通信情報を解析し、通信情報に含まれる信号と識別IDと記憶情報とに基づいて、電子メールを生成する。例えば、火災警報信号の場合、サーバー14は、後述する端末用サーバー14aに住宅用火災警報器3が作動したことを知らせる相手である一次通報先の住人の情報端末15に電子メール(火災警報信号)を送信させる。その後、電子メール(火災警報信号)を受信した情報端末15を持つ住人により火災が確認され、火災確認ボタン6aが操作されるとサーバー14に火災確定信号が送信され、サーバー14は、端末用サーバー14aに同一地域Rの全住人に電子メール(火災確定信号)を送信させる。
中継機10は、所定の地域R内に設けられ、屋外警報装置6から送信される住宅用火災警報器3からの火災警報信号を受信して管理部2aの親機11に送信するものである。また、中継機10は、屋外警報装置6から送信された火災確定信号を受信し、親機11に送信する。更に、中継機10は、リモートコントローラ4から送信された火災確定信号を受信し、親機11に送信する。更にまた、中継機10は、リモートコントローラ4から送信された非常警報信号を受信し、親機11に送信する。さらに、中継機10は、屋外警報装置6及びリモートコントローラ4から送信された避難済み信号を受信し、親機11に送信する。中継機10は、例えば地域R内における屋外の支柱等の上部に設置される。なお、屋外警報装置6及びリモートコントローラ4が親機11と送受信可能な距離にある場合、中継機10を経由せずに信号の授受を行うようにしてもよい。
親機11は、地域R内において、通信回線13への接続環境が整っている管理部2aに設けられており、中継機10からの火災警報信号、火災確定信号及び非常警報信号等を受信するものである。親機11は、ゲートウェイ12を介して通信回線13に接続される。また、親機11は、移報接点11aを有している。移報接点11aは、閉じられることによって信号を移報する端子であり、移報接点11aが閉じる動作条件はソフトウエアの変更により適宜変更可能である。本実施の形態1において、移報接点11aが閉じる動作条件は、親機11が中継機10から火災確定信号又は非常警報信号を受信することである。
音声装置17は、親機11の移報接点11aに接続されており、例えば管理部2aの軒下に設置されている。なお、音声装置17は、有線又は無線で親機11に接続されている。音声装置17は、1つの地域Rに1台以上設けられていてもよいし、設けなくてもよい。音声装置17は、親機11の移報接点11aが閉じたときに警報を鳴動するものであり、例えば音圧が距離1mで110dBの電子式サイレンである。なお、音声装置17は、親機11から送信される信号によって自動で音声を鳴動するものであるが、手動で音声を鳴動することも可能である。
なお、リモートコントローラ4の非常ボタン4bが屋外で押下された場合、リモートコントローラ4から送信された非常警報信号は、非常警報信号が届く範囲にある中継機10が受信する。このため、親機11が中継機10から非常警報信号を受信したとき、リモートコントローラ4の非常ボタン4bを押下した人の住戸2の位置とは関係なく、リモートコントローラ4の非常ボタン4bが押下された場所に近い位置に設置された音声装置17が警報を鳴動する。
ゲートウェイ12は、親機11が取得した火災警報信号、火災確定信号及び非常警報信号等において、プロトコル変換を行い、通信回線13を経由してサーバー14に火災警報信号、火災確定信号及び非常警報信号等を送信する。なお、ゲートウェイ12は、親機11に内蔵され、一体となっていてもよい。
サーバー14は、端末用サーバー14aと固定電話用サーバー14bとを有している。また、サーバー14は後述する記憶手段25を有し、ユーザーテーブル、端末情報テーブル等の複数のテーブルを記憶している。サーバー14は、火災警報信号、火災確定信号、誤報確定信号及び非常警報信号等を受信すると、後述するメッセージテーブルから各信号に対応して記憶している文章に、所定の地域Rに関する情報に基づいて当該信号の発報元情報(名前等)を追記して、電子メールおよび音声メッセージの文章を作成し、記憶している送信先のあて先と共に端末用サーバー14a及び固定電話用サーバー14bに送信し、それぞれにメール送信指示、電話発信指示を出す。
端末用サーバー14aは、サーバー14からのメール送信指示に基づいて、所定の地域R内の対象となる住人が所持する情報端末15に電子メールを送信するものである。ここで、情報端末15は、例えば携帯電話又はスマートフォン等であり、電子メールを受信する機能を有するものである。なお、端末用サーバー14aは、クラウドサーバーとしてもよい。また、火災確定信号は、火災入力アダプタ(図示せず)により自動火災報知設備(消防法により設置)から地域防災情報システム1に送信される信号を含む。
固定電話用サーバー14bは、サーバー14からの電話発信指示に基づいて、ネットワークを介して、住戸2に設置された固定電話16に電話を掛けてサーバー14から送信されたメッセージを読み上げる。具体的には、固定電話用サーバー14bは、サーバー14にネットワーク等を介して接続されており、サーバー14から送信されたメッセージの文章を音声合成機によって音声メッセージに変換する。そして、固定電話用サーバー14bは、サーバー14から指定された所定の住戸2に設置された固定電話16に電話を掛ける。固定電話用サーバー14bは、住人が電話に出ると、変換された音声メッセージを再生する。また、通信回線13とネットワークとは、同じネットワークでもよいし、別のネットワークでもよい。
なお、端末用サーバー14aと固定電話用サーバー14bはサーバー14と一体としてもよい。また、端末用サーバー14aと固定電話用サーバー14bはサーバー14と別の場所にあってもよく、その場合、サーバー14と端末用サーバー14a、固定電話用サーバー14bは、通信回線13を介して接続されていてもよいし、異なるネットワークを介して接続されていてもよい。
なお、固定電話用サーバー14bは、火災確定信号を受信したときのみ、固定電話に電話を掛けてメッセージを読み上げてもよい。また、固定電話用サーバー14bは、非常警報信号を受信したときのみ、固定電話に電話を掛けてメッセージを読み上げてもよい。これにより、仮に火災警報信号が誤報であった場合に、住人に余計な不安感を与えずに済む。この設定は、例えば後述するメッセージテーブルにて行うことができる。
また、サーバー14は、火災警報信号を受信したとき、固定電話用サーバー14bに住宅用火災警報器3が作動した住戸2に極めて近い住戸2の固定電話にのみ電話を掛けてメッセージを読み上げるように指示してもよい。これにより、共助ではなく避難誘導が主目的とされる住人に対し、避難誘導を促進することができる。なお、共助ではなく避難誘導が主目的とされる住人とは、例えば情報端末15を所持していない住人であり、例えば高齢者である。また、サーバー14は、固定電話用サーバー14bに対し、火災確定信号又は非常警報信号を受信したときに電話を掛ける住戸2の範囲を、火災警報信号を受信したときに電話を掛ける住戸2の範囲より広げてもよい。これにより、火災が確定した場合又は非常状態が確定した場合に、広範囲の住人に知らせることができる。
なお、サーバー14は、火災警報信号を受信してから、所定時間火災確定信号又は誤報確定信号を受信しなかった場合、火災確定と判断するようにしてもよい。これにより、火災時に何らかの理由で火災確定操作が行われなかった場合でも、火災として対処することができる。
前述の如く、サーバー14は、図2に示すように、記憶手段25を有している。記憶手段25は、複数のテーブルを記憶するものであり、例えばユーザーテーブル、端末情報テーブル、メッセージテーブル、避難場所テーブル及び避難完了リストを記憶している。ここで、図5〜図9を用いて、記憶手段25が記憶する各テーブルについて説明する。
図5は、本発明の実施の形態1におけるユーザーテーブルの一例を示す図である。図5に示すように、ユーザーテーブルは、屋外警報装置6又はリモートコントローラ4が設置された住戸2の住人の氏名又は名称、住戸2の住人のメールアドレス、住戸2の電話番号、住戸2の住所、住戸2の緯度及び経度が対応付けされたものである。サーバー14は、ユーザーテーブルを参照することによって、住戸2の住人の名称に基づいて、メールアドレス、電話番号及び住所等を読み出すことができる。
図6は、本発明の実施の形態1における端末情報テーブルの一例を示す図である。図6に示すように、端末情報テーブルは、ID(端末番号)、端末種別及び住戸2の住人の名称が対応付けされたものである。IDは、例えば4桁の数字である。端末種別は、例えば屋外警報装置6又はリモートコントローラ4である。サーバー14は、端末情報テーブルを参照することによって、IDに基づいて、住戸2の住人の名称を読み出すことができる。
図7は、本発明の実施の形態1におけるメッセージテーブルの一例を示す図である。図7に示すように、メッセージテーブルは、警報信号、題名、電子メール用メッセージ及び音声用メッセージが対応づけされたものである。警報信号は、例えば警報器(住宅用火災警報器3)作動、火災確定及び避難済み信号である。警報器作動時の信号は、火災警報信号である。火災確定時の信号は、火災確定信号である。避難済み信号は、屋外警報装置6の避難済み表示部6cが避難済みを報知したとき又はリモートコントローラ4の避難済みボタン4cが押下されたときに送信される信号である。題名は、各メッセージの題名として表示されるものである。
電子メール用メッセージは、住戸2の住人の情報端末15に送信される電子メールに記載されるメッセージである。音声用メッセージは、住戸2の固定電話16に読み上げられるメッセージである。警報器作動によって火災警報信号が送信されたとき(一次通報)の電子メール用メッセージ及び音声用メッセージは、即時火災の有無の確認を促すものである。火災確定によって火災確定信号が送信されたとき(二次通報)の電子メール用メッセージ及び音声用メッセージは、安全確保且つ消火活動を促すものである。
避難済み信号が送信されたときの電子メール用メッセージは、避難場所の情報を伝達するものである。避難場所の情報とは、避難場所の名称、例えば広域避難所として指定された公園又は小学校等の名称と、避難場所の地図(WebのURL等)等である。また、避難済み信号が送信されたときの電子メール用メッセージには、避難が完了したことを確定する確定用リンク(避難完了のURL)が含まれる。なお、避難場所の情報等は、避難情報が通知された際にも掲載される。また、本実施の形態1では、避難済み信号が送信された際の音声用メッセージは設定されていないが、音声用メッセージが設定されてもよい。
図8は、本発明の実施の形態1における避難場所テーブルを示す図である。図8に示すように、避難場所テーブルは、屋外警報装置6が設置された住戸2の住人の名称及び住人の避難場所が対応付けされたものである。避難場所としては、例えば住戸2から最も近い場所の避難所又は最もアクセスし易い避難所等が設定される。
なお、メッセージテーブルは、通報半径が対応づけされたものであってもよい。通報半径は、警報信号が送信された場所(発報元)からの距離であり、ユーザーテーブルに記憶された緯度、経度を基準として算出される。例えば、一次通報(火災警報信号)であれば、通報半径7m及び10mを境に、電子メール用メッセージ及び音声用メッセージが変更されるように構成されてもよい。
図9は、本発明の実施の形態1における避難完了リストを示す図である。図9に示すように、避難完了リストは、住戸2の住人の名称と避難場所とが紐付けて登録されるリストである。避難完了リストは、確定用リンクが操作されたときに、住戸2の住人の名称と避難場所とが登録される。なお、登録時には、操作用URLより住人自身が必要事項を記入、登録してもよいし、GPS等の機能を利用することにより、自動的に避難した場所を算出してもよい。避難完了リストは、救助者等が所持する情報端末15からも閲覧することができる。これにより、救助者等は、避難が完了した住人が、いずれの避難場所に避難しているかを瞬時に把握することができる。ここでいう避難完了とは、当該住人が避難場所に到着したことを示す。
なお、サーバー14は、Web上の地図にアクセスして、ユーザーテーブルに登録された緯度及び経度に基づいて、警報発生場所(発報元)を特定する。
次に、サーバー14の動作について説明する。サーバー14は、屋外警報装置6又はリモートコントローラ4から送信された避難済み信号を受信したとき、住戸2の住人が所持する情報端末15に、記憶手段25が記憶する避難場所テーブルから住戸2の住人の名称に対応する避難場所の情報を電子メールを用いて送信する。具体的には、サーバー14は、避難済み信号を受信したとき、端末情報テーブルから、屋外警報装置6又はリモートコントローラ4のIDに対応する住戸2の住人の名称を読み出す。次に、サーバー14は、避難場所テーブルから住戸2の住人の名称に対応する避難場所を読み出す。
そして、サーバー14は、図7のメッセージテーブルを用いて、避難済み信号に対応する電子メール用メッセージを読み出し、避難場所の情報等を付加してメッセージを作成する。例えば、「[住人の名称]さん、[避難場所]に避難してください。避難場所:[避難場所のURL] 避難完了報告:[避難完了のURL]」となる。ここで、避難場所のURLは、Webで閲覧可能な避難場所の地図等である。また、避難完了のURLとは、確定用リンクである。更に、サーバー14は、ユーザーテーブルから住戸2の住人の名称に対応するメールアドレスを読み出し、電子メールで住戸2の住人の情報端末15に作成したメッセージを送信する。
住戸2の住人は、電子メールを閲覧することによって、避難場所を認識することができる。また、住戸2の住人が、確定用リンクをクリックすると、サーバー14は、避難完了リストに、住戸2の住人の名称と避難場所とを登録する。
本実施の形態1によれば、屋外警報装置6の避難済み表示部6cが、住戸2から住人の避難が済んだことを報知する。このため、地域内の住人は、既に避難が済んでいる住戸2を認識することができる。また、これにより、救助者等が当該住戸2における救助及び捜索作業を行うか否かを瞬時に判断することができるため、救助作業を効率化させることができる。
また、サーバー14は、屋外警報装置6から送信された避難済み信号を受信したとき、住戸2の住人が所持する情報端末15に、記憶手段25が記憶する避難場所テーブルから住戸2の住人の名称に対応する避難場所の情報を送信する。これにより、住人は、避難すべき場所を直ちに認識することができる。また、サーバー14は、避難場所の情報と共に、避難が完了したことを確定する確定用リンクを送信し、確定用リンクが操作されたときに、住戸2の住人の名称と避難場所とが避難完了リストに登録される。救助者等が避難完了リストを閲覧することによって、安否確認を迅速に行うことができ、住人がいずれの避難場所に避難したかを検索することができる。
本実施の形態1では、避難済み表示部6cは、火災確認ボタン6a及び誤報確認ボタン6bである。このため、避難済みであることを表示する新たな表示機器を増加せずに、既存の機器を使用することができる。従って、汎用性が高く、コストを削減することができる。なお、避難済み表示部6cとして、専用の避難ボタン等を別途設けてもよい。これにより、避難時の作業及び確認が簡易になり、誤操作又は誤認等を低減することができる。また、リモートコントローラ4に避難済みボタン4cが設けられていることによって、リモートコントローラ4を用いて避難済みを報知することができる。
実施の形態2.
図10及び図11は、本発明の実施の形態2に係る地域防災情報システム100を示す模式図である。本実施の形態2は、地域防災情報システム100が、災害監視装置105を備えている点で、実施の形態1と相違する。本実施の形態2では、実施の形態1と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
実施の形態1では、火災が発生した場合の避難時について例示しているが、本実施の形態2のように、自然災害が発生した場合の避難時にも、同様に適用することができる。図10及び図11に示すように、地域防災情報システム100は、災害監視装置105と、火災監視装置108と、屋外警報装置6と、中継機10と、親機11と、ゲートウェイ12と、サーバー14とを備えている。
災害監視装置105は、所定の地域Rに及ぶ自然災害を監視し、所定の地域Rに自然災害を及ぼすことが予測された場合、予測信号を送信するものである。所定の地域Rには、複数の建物102が建っている。本実施の形態2では、災害監視装置105は、河川106の異常を監視する装置を含むものである。災害監視装置105は、例えば自治体等の管理者が有している。なお、河川106には、雨量計103と水位計104とが検出装置として設けられている。
雨量計103は、河川106の上流側に設けられ雨による降水量を計測するものである。そして、災害監視装置105は、雨量計103の計測結果に基づいて、河川106の異常を監視するものである。例えば、降水量が所定量より多ければ、河川106が氾濫する可能性が高いと判断される。ここで所定量とは、所定時間当たりの降水量である場合と、降り始めからの総雨量である場合とあり、それらを総合的に判断するようにしてもよい。
水位計104は、河川106に架けられた橋107に設けられ水位を計測するものである。そして、災害監視装置105は、水位計104の計測結果に基づいて、河川106の異常を監視するものである。水位計104は、橋107の欄干107aに設けられているが、橋107の異なる場所に設けられてもよい。例えば、水位が所定値より高ければ、河川106が氾濫する可能性が高いと判断される。さらに、水位の上昇率が高い場合に河川106が氾濫する危険性がより高いと判断してもよい。ここで、本実施の形態1では、雨量計103と水位計104とを併用することによって、河川106の異常、例えば河川106の氾濫を高精度に監視しているが、いずれか一方を用いてもよいし、そのほかの検出装置を用いてもよい。
火災監視装置108は、火災の発生が感知された場合、移報信号を送信するものであり、所定の地域Rの各建物102に設置されている。なお、火災監視装置108は、実施の形態1のような住宅用火災警報器3としてもよいし、自動火災報知設備としてもよい。実施の形態1のように住宅用火災警報器3を用いる場合は、移報信号は、火災警報信号であり、火災確定信号であり、誤報確定信号であり、避難済み信号である。これらの移報信号は屋外警報装置6から中継機10へ送信される。一方の自動火災報知設備の場合、自動火災報知設備が火災と判断した時点で移報信号として中継機10に対し無線または有線にて送信される。
次に、本実施の形態2の屋外警報装置6について説明する。屋外警報装置6は、災害監視装置105から予測信号が中継機10に送信された時点では、避難済み表示部6c(火災確認ボタン6a及び誤報確認ボタン6b)は、実施の形態1の通常時の状態となっている。つまり避難済み表示部6cは消灯している。なお、住人が避難する際に行われる避難済みであることを報知する操作は、実施の形態1と同様である。
予測信号は、中継機10、親機11、ゲートウェイ12、通信回線13を経由してサーバー14に送信される。サーバー14は、親機11から取得した通信情報を解析し、通信情報に含まれる信号と記憶情報とに基づいて、電子メールを生成する。そして、サーバー14は、端末用サーバー14aに災害監視装置105が作動したことを所定の地域Rの全ての住人の情報端末15に電子メールを送信させる。また、サーバー14は、固定電話用サーバー14bに災害監視装置105が作動したことを知らせる相手である建物102に設置された固定電話16に電話を掛けてサーバー14から送信されたメッセージを読み上げる。
ここで、本実施の形態2のサーバー14の記憶手段25が記憶する避難場所テーブルについて説明する。避難場所テーブルは、火災や自然災害の種類に基づいて異なる避難場所が設定される。本実施の形態2では、自然災害として、河川106の氾濫について例示しており、この場合、例えば河川106から遠く、周囲より高い場所が避難場所として設定される。また、自然災害として、山岳の崖崩れ等が挙げられるが、この場合、例えば山岳のふもとから遠い場所が避難場所として設定される。
本実施の形態2によれば、火災や自然災害の種類に基づいて異なる避難場所が設定される。このため、住人は、火災や各自然災害を避けるのに適した避難場所に避難することができる。
なお、上記実施の形態では、非常事態が発生したときに情報端末15に電子メールにて情報や操作用URLが送信される記載となっているが、情報端末15に送信されるものとしては、これに限定せず、例えば専用のアプリが立ち上がるようにしてもよい。専用アプリでは画面にボタンを配置したりすることで、より容易に避難済みであることを報知する操作をすることができる。この場合、確定用リンクは、画面上のボタンで代用することができる。
1 地域防災情報システム、2 住戸、2a 管理部、3 住宅用火災警報器、4 リモートコントローラ、4a 火災ボタン、4b 非常ボタン、4c 避難済みボタン、5 移報アダプタ、6 屋外警報装置、6a 火災確認ボタン、6b 誤報確認ボタン、6c 避難済み表示部、10 中継機、11 親機、11a 移報接点、12 ゲートウェイ、13 通信回線、14 サーバー、14a 端末用サーバー、14b 固定電話用サーバー、15 情報端末、16 固定電話、17 音声装置、25 記憶手段、100 地域防災情報システム、102 建物、103 雨量計、104 水位計、105 災害監視装置、106 河川、107 橋、107a 欄干、108 火災監視装置、R 地域。

Claims (7)

  1. 所定の地域内の住戸に設けられ、火災を検出して火災警報信号を送信する警報器と、
    前記住戸に設けられ、前記警報器から送信された前記火災警報信号を受信する警報装置と、を備え、
    前記警報装置は、
    操作されたときに前記住戸の住人の避難が済んだことを報知する避難済み表示部を有する
    ことを特徴とする地域防災情報システム。
  2. 前記警報装置と通信回線を介して接続され、前記警報装置が設置された住戸の住人の名称及び前記住人の避難場所が対応付けされた避難場所テーブルを記憶する記憶手段を有するサーバーを更に備え、
    前記警報装置は、
    前記避難済み表示部が避難済みを報知したとき、避難済み信号を送信するものであり、
    前記サーバーは、
    前記警報装置から送信された避難済み信号を受信したとき、前記住戸の住人が所持する情報端末に、前記記憶手段が記憶する前記避難場所テーブルから前記住戸の住人の名称に対応する避難場所の情報を送信するものである
    ことを特徴とする請求項1記載の地域防災情報システム。
  3. 前記サーバーは、
    前記避難場所の情報と共に、避難が完了したことを確定する確定用リンクを送信するものである
    ことを特徴とする請求項2記載の地域防災情報システム。
  4. 前記記憶手段は、
    前記確定用リンクが操作されたときに、前記住戸の住人の名称と避難場所とが登録される避難完了リストを記憶する
    ことを特徴とする請求項3記載の地域防災情報システム。
  5. 所定の地域に及ぶ自然災害を監視し、前記所定の地域に自然災害を及ぼすことが予測された場合、予測信号を送信する災害監視装置を更に備え、
    前記避難場所テーブルは、
    前記災害監視装置が監視する自然災害の種類に基づいて、避難場所が設定されるものである
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の地域防災情報システム。
  6. 前記警報装置は、
    火災が事実であることを確定する火災確認ボタンと、
    火災が誤報であることを確定する誤報確認ボタンと、を更に有し、
    前記火災確認ボタン及び前記誤報確認ボタンの操作により避難済み操作を行う
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の地域防災情報システム。
  7. 操作されたときに前記住戸の住人の避難が済んだことを確定する避難済みボタンを有するリモートコントローラを更に備える
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の地域防災情報システム。
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