JP2018041023A - 光ファイバ融着部の放熱構造 - Google Patents
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このような課題に対応するため、従来から、下記特許文献1に示されるような光ファイバ融着部の放熱構造が用いられている。この光ファイバ融着部の放熱構造は、融着接続部が埋設された樹脂部材と、融着接続部および樹脂部材を収容する筐体と、樹脂部材を覆う蓋と、を備えている。この構成により、融着接続部から漏れた光が樹脂部材、筐体、および蓋に吸収される。吸収された光のエネルギーにより各部材は発熱するが、筐体および蓋が熱を放出するため、光ファイバの被覆材や周辺の部材を保護することができる。
一方、蓋で樹脂部材を覆わない場合には、このような圧縮力を抑えることができる。しかしながら、樹脂部材のうち蓋で覆われていない部分で放熱の効率が低下し、光ファイバや周辺の部材を有効に保護することができない。
さらに、樹脂部材の露出面に放熱用凹部が形成されているため、樹脂部材の表面積を大きくすることができる。これにより、融着接続部から漏れる光による熱を効率よく放出することができる。
以下、第1実施形態に係る光ファイバ融着部の放熱構造について、図1〜図3を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため縮尺を適宜変更している。
図1〜図3に示すように、光ファイバ融着部の放熱構造(以下、単に放熱構造10という)は、2本の光ファイバ11と、ヒートシンク1と、筐体2と、樹脂部材3と、を備えている。2本の光ファイバ11は、互いに融着接続されて融着接続部Cを形成している。
光ファイバ11は、ガラス層11aと、これを覆うプライマリ層11bと、を備えている。光ファイバ11としては、ポリマークラッドファイバを用いることができる。ポリマークラッドファイバとは、プライマリ層11bがポリマー材料で形成されている光ファイバである。ポリマークラッドファイバでは、プライマリ層11bの屈折率が、ガラス層11aのうちプライマリ層11bと接する部分(外周部)の屈折率よりも低い。ポリマークラッドファイバを用いることで、ガラス層11a内を伝搬する光がプライマリ層11bに進入するのを抑制し、ガラス層11a内に光を閉じ込めることができる。
なお、光ファイバ11としてポリマークラッドファイバを用いた場合には、融着接続部Cでポリマークラッドファイバ同士が接続される。この場合、ファイバレーザなどの出力を維持させるためにも、融着接続部Cでガラス層11a内の光が漏れる量を小さくすることが求められる。
なお、ガラス層11aはコアおよびガラスクラッドを有していなくてもよい。
筐体2は、上側に向けて開口する箱状に形成されている。筐体2は、その底面がヒートシンク1に接触する状態で、ヒートシンク1に取り付けられている。筐体2の側壁には一対の凹部2aが形成されている。一対の凹部2a内にはそれぞれ、光ファイバ11のうちガラス層11aがむき出しになっていない部分が載置されている。光ファイバ11は固定用樹脂4によって、凹部2a内に固定されている。固定用樹脂4の材質は、樹脂部材3の材質と同じあってもよく、異なっていてもよい。筐体2は、融着接続部Cおよび樹脂部材3を収容している。
放熱用凹部3aは、例えば樹脂部材3の成形時に型を押し当てて形成してもよい。あるいは、パターンの刻まれたマスクを被せて、エッチングガスにより形成してもよい。
さらに、樹脂部材3の露出面3cに複数の放熱用凹部3aが形成されているため、樹脂部材3の表面積を大きくすることができる。これにより、融着接続部Cから漏れる光による熱を効率よく放出することができる。
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態では、樹脂部材の材質および光ファイバの種類が異なる。
なお、本実施形態では、光が+X側に向けて伝搬するように構成するのが望ましい。
次に、本発明に係る第3実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
次に、本発明に係る第4実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
また、前記第2実施形態では、光ファイバ11(ポリマークラッドファイバ)と光ファイバ12(非ポリマークラッドファイバ)とを接続したが、光ファイバ12同士を接続する構成を採用してもよい。
Claims (5)
- 互いに融着接続されて融着接続部を形成する2本の光ファイバと、
前記融着接続部が内部に埋設された樹脂部材と、
前記融着接続部および前記樹脂部材を収容する筐体と、を備え、
前記樹脂部材は外部に露出した露出面を有し、前記露出面に放熱用凹部が形成されている、
光ファイバ融着部の放熱構造。 - 2本の前記光ファイバのガラス層の外周部における屈折率が、プライマリ層の屈折率および前記樹脂部材の屈折率より高い、請求項1に記載の光ファイバ融着部の放熱構造。
- 2本の前記光ファイバのうち、少なくとも一方の前記光ファイバのガラス層の外周部における屈折率が、当該光ファイバのプライマリ層の屈折率および前記樹脂部材の屈折率より低い、請求項1に記載の光ファイバ融着部の放熱構造。
- 前記樹脂部材には、貫通孔が形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の光ファイバ融着部の放熱構造。
- 前記樹脂部材の単位平面積あたりの前記放熱用凹部がなす表面積は、前記融着接続部に近づくほど大きくなっている、請求項1から4のいずれか1項に記載の光ファイバ融着部の放熱構造。
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