以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っても適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
また本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
さらに、実施の形態で用いる図面においては、構造物を区別するために付したハッチングを図面に応じて省略する場合もある。
また、以下の実施の形態で説明する技術は、電気光学層が設けられた表示領域の複数の素子に、表示領域の周囲から信号を供給する機構を備える表示装置に広く適用可能である。電気光学層は、電気的な制御信号により駆動され、表示画像を形成する機能を有する素子を備えた層である。上記のような表示装置には、例えば、液晶表示装置、有機EL(Electro-Luminescence)表示装置、あるいはプラズマディスプレイ装置など、種々の表示装置が例示できる。以下の実施の形態では、表示装置の代表例として、液晶表示装置を取り上げて説明する。
また、液晶表示装置は、表示機能層である液晶層の液晶分子の配向を変化させるための電界の印加方向により、大きくは以下の2通りに分類される。すなわち、第1の分類として、表示装置の厚さ方向(あるいは面外方向)に電界が印加される、所謂、縦電界モードがある。縦電界モードには、例えばTN(Twisted Nematic)モードや、VA(Vertical Alignment)モードなどがある。また、第2の分類として、表示装置の平面方向(あるいは面内方向)に電界が印加される、所謂、横電界モードがある。横電界モードには、例えばIPS(In-Plane Switching)モードや、IPSモードの一つであるFFS(Fringe Field Switching)モードなどがある。以下で説明する技術は、縦電界モードおよび横電界モードのいずれにも適用できるが、以下で説明する実施の形態では、一例として、横電界モードの表示装置を取り上げて説明する。
<表示装置の構成>
図1は、一実施の形態である表示装置の一つの構成例を示す平面図である。図2は、図1に示す表示装置の表示領域の一部分の拡大断面図である。図3は、図1に示す表示装置における回路レイアウトの一例を示す平面図である。図4は、図3に示す表示装置における画素を示す等価回路図である。図5は、図1に示すドライバチップと基板との接続部分の拡大断面図である。図6は、図1に示す走査信号線駆動回路の構成例を示す回路ブロック図である。なお、図1では、周辺領域SAのうち、遮光層BMと重畳する部分には表示領域DAよりも濃い色のパターンを付して示している。また、図2では、基板SUB1の厚さ方向における走査信号線GLと映像信号線SLとの位置関係の例を示すため、図2とは異なる断面に設けられた走査信号線GLを一緒に示している。また、図3に示すスイッチ回路SWSには、多数の映像信号接続線SCLが接続されているが、図3では、多数のSCLが配置されている領域にドットパターンを付している。
図1に示すように、表示装置DSP1は、表示パネルPNL1と、表示パネルPNL1に搭載されたドライバチップDRC1と、を有する。表示パネルPNL1は、画像が表示される表示面DS(図2参照)を有する。ドライバチップDRC1は、表示パネルPNL1の駆動を制御する制御回路を備えているIC(Integrated Circuit)チップである。また、表示装置DSP1は、表示パネルPNL1に接続された配線部材である配線板(配線部)FWB1を有する。配線板FWB1は、複数の配線が樹脂で覆われたフレキシブル配線板である。配線板FWB1は、図1に矢印を付して模式的に示すように、表示パネルPNL1の端子部TM1に接続されている。端子部TM1には、表示パネルPNL1の外部の回路から、配線板FWB1を介して駆動信号や映像信号などの電気信号の他、表示パネルPNL1を駆動するための電源電圧が供給される。
また、表示パネルPNL1は、複数の画素(第1画素)PX(図3参照)が配列された表示領域DAと、表示領域DAの外側にある周辺領域SAと、を備えている。図1に示す例では、表示領域DAは台形であり、互いに平行に延びる長辺および短辺のそれぞれがY方向に沿って延びている。また、図1に示す例では、Y方向が表示領域DAの長手方向になっている。表示領域DAは、表示装置DSP1に入力される信号に基づいて、表示面DS(図2参照)側から視認可能な画像が表示される領域である。周辺領域SAは、平面視において、表示領域DAの周囲を連続的に囲むように配置されている。平面視において、周辺領域SAの内側の辺(端部)は、表示領域DAの外縁部に接している。表示領域DAには、複数の画素PXが配列されている。例えば、図1に示すように、平面視において、互いに交差、好ましくは直交する2つの方向をX方向およびY方向とする。複数の画素PXは、平面視において、表示領域DA内において、X方向およびY方向にマトリクス状に配列されている。なお、本願では、「平面視において」とは、表示パネルPNL1の表示面に垂直な方向から視た場合を意味する。
また、周辺領域SAは、外部から視認可能な画像が表示されない非表示領域であって、表示領域DAの周囲を囲むように配置されている。周辺領域SAは、非表示領域であって、周辺領域SAの大部分は遮光層BMと重畳している。
また、図2に示すように、表示パネルPNL1は、基板SUB1と、基板SUB1と対向配置された基板SUB2と、基板SUB1と基板SUB2との間に配置された電気光学層としての液晶層LQと、を有する。言い換えれば、本実施の形態の表示装置DSP1は、電気光学層としての液晶層LQを備える液晶表示装置である。なお、本実施の形態において、基板SUB1をアレイ基板と言い換えることができ、基板SUB2を対向基板と言い換えることができる。
図1に示すように、ドライバチップDRC1および端子部TM1は、表示パネルPNL1の周辺領域SAのうち、遮光層BMと重畳しない領域(露出領域)NDA2にある。図1に示すY方向における一方側をY1側、他方側をY2側とした時に、領域NDA2は、Y方向において、表示領域DAよりもY1側にある。表示パネルPNL1は、平面視における大部分において、図2に示すように、基板SUB1と基板SUB2とが対向している。しかし、図1に示す領域NDA2は、基板SUB2(図5参照)から露出している。図5に示す例では、遮光層BMは、基板SUB2に形成されており、領域NDA2(図1参照)は遮光層BMと重畳しない。なお、遮光層BMは、周辺領域SAの他、表示領域DA内にも配置されている。平面視において、表示領域DAにある複数の画素PX(図3参照)のそれぞれの周囲を囲むように設けられている。
また、ドライバチップDRC1は、周辺領域SA(詳しくは領域NDA2)にある領域DRAに搭載されている。図5に示すように、基板SUB1の領域DRAには、端子PD1および端子PD2が配置され、ドライバチップDRC1は、端子PD1および端子PD2に接続されている。端子PD1は、ドライバチップDRC1に形成された回路と、表示パネルPNL1(図1参照)上に形成された回路とを電気的に接続するインタフェースである。また、端子PD2は、ドライバチップDRC1と配線板FWB1とを電気的に接続するインタフェースである。ドライバチップDRC1は、端子PD2および配線FDWを介して端子PD3に接続されている。また、端子PD3には配線板FWB1の配線FWが接続されている。また、図1に示すように、ドライバチップDRC1の少なくとも一部分(例えば長辺)は、Y方向およびX方向のそれぞれに対して傾斜する方向T3に沿って延在している。
図4に示すように、表示装置DSP1は、映像信号線駆動回路SDを有する。映像信号線駆動回路SDは、画素PXと電気的に接続され、映像信号線SLを介して電気光学層である液晶層LQを駆動する。本実施の形態の例では、映像信号線駆動回路SDは、ドライバチップDRC1に形成されている。映像信号線駆動回路SDは、映像信号線SLを介して複数の画素PXのそれぞれが備える画素電極(第1電極)PEに映像信号Spicを供給する。また、図6に示すように、ドライバチップDRC1は、制御配線GWを介して駆動回路に制御信号を供給する制御回路(第1制御回路)CTCを有する。制御回路CTCは、端子PD1(図5参照)を介して駆動回路と電気的に接続されている。
本実施の形態では、図5に示すように、ドライバチップDRC1が基板SUB1上に搭載された例を取り上げて説明する。ただし、ドライバチップDRC1の位置や制御回路CTCの位置は、図1に示す領域DRAの他、種々の変形例がある。例えば、配線板FWB1にドライバチップDRC1が搭載されていても良い。この場合、配線板FWB1が端子PD1に接続される。これにより、ドライバチップDRC1を配線板FWB1に搭載した場合でも、ドライバチップDRC1の制御回路CTCは、領域DRAの端子PD1を介して駆動回路と電気的に接続される。
図3に示すように、表示装置DSP1は、複数の映像信号線SLと、複数の画素PXを有する。表示領域DAにおいて、基板SUB1と基板SUB2(図2参照)との間には、複数の画素PXが配置されている。複数の画素PXは、X方向およびY方向にマトリクス状に配列され、m×n個配置されている(ただし、mおよびnは正の整数である)。複数の映像信号線SLは、Y方向にそれぞれ延在し、かつ、X方向に互いに間隔を空けて配列されている。複数の画素PXのそれぞれは、X方向において、映像信号線SLにより区画されている。このため、X方向沿って配列される画素PXの数は、映像信号線SLの数に対応している。図3に示す例では、m本の映像信号線SLが、映像信号線SL1、SL2およびSLmの順で、X方向の一方の側であるX1から他方の側であるX2側に向かって配列されている。複数の映像信号線SLの各々は、表示領域DAの外側の周辺領域SAに引き出されている。複数の映像信号線SLの各々は、表示領域DA内の映像信号線SLとドライバチップDRC1とを相互に接続する接続配線(引き出し配線とも呼ぶ)としての映像信号接続線SCLを介してドライバチップDRC1と電気的に接続されている。
映像信号線SLおよび映像信号接続線SCLは、映像信号を伝送する配線として機能する映像線であるが、映像信号線SLと映像信号接続線SCLとは、以下のように区別することができる。すなわち、ドライバチップDRC1に接続され、複数の画素PXに映像信号を供給する信号伝送経路である映像線のうち、表示領域DAと重なる位置にある部分(配線部)を映像信号線SLと呼ぶ。また、上記映像線のうち、表示領域DAの外側にある部分(配線部)を映像信号接続線SCLと呼ぶ(または、引き出し配線とも呼ぶ)。複数の映像信号線SLのそれぞれは、Y方向に直線的に延びている。一方、映像信号接続線SCLは、映像信号線SLとドライバチップDRC1とを接続する配線なので、図3に示すように、映像信号線SLとドライバチップDRC1との間に屈曲部を有している。
図3に示す例では、映像信号線SLと映像信号接続線SCLとの間には、スイッチ回路(選択回路)SWSがある。スイッチ回路SWSは、例えば複数のトランジスタにより構成されるマルチプレクサ回路であって、各色用の映像信号線SLを選択して入力された信号を出力する。スイッチ回路SWSは、例えば、赤色の信号、緑色の信号、あるいは青色の信号など、映像信号の種類を選択する選択スイッチとして動作する。言い換えれば、スイッチ回路SWSは、映像信号線SLに供給される映像信号Spic(図4参照)の種類を選択する選択回路である。この場合、スイッチ回路SWSとドライバチップDRC1とを接続する映像信号接続線SCLの数は、映像信号線SLの数より少ない。このように、スイッチ回路SWSを設けることで、映像信号接続線SCLの数を低減できれば、ドライバチップDRC1とスイッチ回路SWSとの間において、映像信号接続線SCLの数を低減できる。図3に示すようにスイッチ回路SWSが設けられている場合、映像信号線SLと映像信号接続線SCLとは、以下のように区別することができる。すなわち、ドライバチップDRC1とスイッチ回路SWSとを接続する部分(配線部)を映像信号接続線SCLと呼ぶ。また、映像線のうち、表示領域DAと重なる位置にある部分(配線部)からスイッチ回路SWSに接続される部分(配線部)までを映像信号線SLと呼ぶ。
また、図3に示すようにスイッチ回路SWSは、表示領域DAのY1側の辺の形状に倣って屈曲している。詳細には、スイッチ回路SWSは、複数のトランジスタにより構成されているので、スイッチ回路SWSを構成する複数のトランジスタの配列ラインは、表示領域DAのY1側の辺の形状に沿って屈曲している。このように、スイッチ回路SWSが表示領域DAのY1側の辺に沿って屈曲していることにより、周辺領域SAのうち、Y1側の部分(図1に示す屈曲部BEN3、BEN4、および延在部EXT4)の面積を低減できる。
また、表示装置DSP1は、複数の走査信号線GLと、複数の走査信号線GLに入力される走査信号Gsi(図6参照)を出力する走査信号出力回路としての駆動回路と、を有する。駆動回路は、周辺領域SA(図1参照)において、基板SUB1上に設けられている。ドライバチップDRC1は、制御配線GWを介して駆動回路に接続されている。複数の走査信号線GLは、X方向にそれぞれ延在し、かつ、Y方向に互いに間隔を空けて配列されている。複数の画素PXのそれぞれは、Y方向において、走査信号線GLにより区画されている。このため、Y方向沿って配列される画素PXの数は、走査信号線GLの数に対応している。図1に示す例では、n本の走査信号線GLが、走査信号線GL1、GL2およびGLnの順で、Y方向の一方の側から他方の側に向かって配列されている。複数の走査信号線GLの各々は、表示領域DAの外側の周辺領域SAに引き出され、駆動回路に接続されている。また、複数の走査信号線GLは、複数の映像信号線SLと互いに交差している。走査信号線GLは、図4に示す画素スイッチ素子PSWとしてのトランジスタ(画素トランジスタ)Tr1のゲート電極GEを含んでいる。
図3では、駆動回路GDが設けられた領域を枠で囲んで模式的に示している。駆動回路は、複数種類の回路部分を含んでいる。例えば、図6に示すように、駆動回路GDは、シフトレジスタ回路GSRと、シフトレジスタ回路GSRに接続され、制御信号に基づいて走査信号線GLに供給する電位を選択するスイッチ回路(走査信号スイッチ回路)GSWと、を含んでいる。また、駆動回路GDは、制御配線GWを介してドライバチップDRC1と接続されている。ドライバチップDRC1は、制御配線GWを介してクロック信号GCLやイネーブル信号ENBなどの制御信号を駆動回路GDに供給する。
図6に示す例では、クロック信号GCLは、クロック線GWCを介して駆動回路GDの複数のシフトレジスタ回路GSRのそれぞれに伝送される。また、イネーブル信号ENBは、イネーブル線GWEを介して駆動回路GDの複数のスイッチ回路GSWのそれぞれに伝送される。イネーブル線GWEは、走査信号Gsiとしての電位を走査信号線GLに供給する電位供給線である。図6に示す例では、走査信号線GL1に走査信号Gsi1が供給され、走査信号線GL2に走査信号Gsi2が供給され、走査信号線GLnには、走査信号Gsinが供給されている。図6に模式的に示すように、複数の走査信号Gsiのそれぞれは、クロック信号GCLのタイミングに対応して電圧レベルが変化するパルス信号である。また、スタートパルス信号GSPは、スタートパルス線GWSを介して複数のシフトレジスタ回路GSRのうち、最初に駆動されるシフトレジスタ回路GSRに伝送される。
また、図6に示す例では、シフトレジスタ回路GSRとスイッチ回路GSWとのセットが回路ブロックGDB1またはGDB2を構成し、回路ブロックGDB1およびGDB2のそれぞれは、走査信号線GLに接続されている。図6では、判り易さのため、非ロスのシフトレジスタ回路GSRに一つのスイッチ回路GSWが接続され、スイッチ回路GSWのそれぞれに走査信号線GLが接続されている。しかし、回路ブロックGDB1およびGDB2の回路構成には種々の変形例がある。例えば、一つのシフトレジスタ回路GSRに複数のスイッチ回路GSWが接続されている場合もある。
また、駆動回路GDとドライバチップDRC1との間には、バッファ回路GBUが接続されている。バッファ回路GBUは、駆動回路GDを介して走査信号線GLに供給する電位を中継する回路である。制御信号の伝送経路中にバッファ回路GBUが介在している場合、駆動回路GDに供給されるゲート信号の波形がバッファ回路GBUにより修正される。図6に示すように、バッファ回路GBUと電源回路PSCとは、駆動回路GDに電源電位を供給する電源配線PLを介して接続されている。詳しくは、バッファ回路GBUと電源回路PSCとは、相対的に高い電位VDHが供給される配線PLH、および電位VDHより低い電位が供給される配線PLLを介して接続されている。バッファ回路GBUでは、電位VDHや電位VDLを利用して、イネーブル信号ENBなどの制御信号の波形を補正して、駆動回路GDに出力する。図6に示す電源回路PSCは、例えば、配線板FWB1に形成されている。また、変形例としては、電源回路PSCは、表示装置DSP1の外部に形成され、配線板FWB1を介してバッファ回路GBUと接続されていても良い。
また、図3に示す例では、X方向において、一方の側であるX1側、および他方の側であるX2側の両方に駆動回路GDが配置されている。詳しくは、X方向において、X1側には、駆動回路(走査信号線駆動回路、第1駆動回路)GD1があり、X2側には、駆動回路(走査信号線駆動回路、第2駆動回路)GD2がある。また、X方向において、表示領域DAは、駆動回路GD1と駆動回路GD2との間にある。図3に示すように、走査信号線GLの両端に駆動回路GDが接続された状態での駆動方式を、走査信号線GLの両側駆動方式と呼ぶ。ただし、駆動回路GDのレイアウトには種々の変形例がある。例えば、図3に示すX方向において、X1側およびX2側のうちの、いずれか一方に駆動回路GDが配置されていても良い。走査信号線GLの一方の端部に駆動回路GDが接続され、他方の端部には駆動回路GDが接続されていない状態での駆動方式を、走査信号線GLの片側駆動方式と呼ぶ。また、例えば、ドライバチップDRC1と駆動回路GDとの間に、バッファ回路GBU(図6参照)が接続されていなくても良い。
また、図2に示すように、表示装置DSP1は、共通電極(第2電極)CEを有する。また、図4に示すように、表示装置DSP1は、表示装置DSP1が画像を表示する際に、共通電極CEを駆動する共通電極駆動回路(共通電位回路とも呼ぶ)CDを有する。共通電極CEにはコモン線CMLを介して共通電極駆動回路CDと電気的に接続されている。図4に示す例では、共通電極駆動回路CDは、配線板FWB1に形成されている。共通電極CEは、複数の画素のそれぞれに対して共通の電位が供給される電極である。このため、表示領域DAと重畳するように一つの共通電極CEが設けられていれば良い。ただし、複数に分割された共通電極CEが、表示領域DAと重畳するように設けられていても良い。
なお、共通電極駆動回路CDが形成される位置は、図3に示す態様の他、種々の変形例がある。例えば、共通電極駆動回路CDがドライバチップDRC1に形成されていても良い。また例えば、共通電極駆動回路CDが図1に示す基板SUB1上に配置されている形態も、共通電極駆動回路CDが周辺領域SAに形成されている実施態様に含まれる。また例えば、共通電極駆動回路CDが表示装置DSP1の外部に形成され、配線板FWB1に接続されていても良い。
図4に示すように、画素PXは、画素スイッチ素子PSWと、画素電極PEと、を有する。また、本実施の形態の例では、複数の画素PXは、共通電極CEを、共有する。画素スイッチ素子PSWは、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)であるトランジスタTr1を含む。画素スイッチ素子PSWは、走査信号線GLおよび映像信号線SLと電気的に接続されている。詳しくは、画素スイッチ素子PSWであるトランジスタTr1のソース電極SEは映像信号線SLに接続され、ドレイン電極DEは画素電極PEに接続されている。また、トランジスタTr1のゲート電極GEは、走査信号線GLに含まれている。駆動回路(図3参照)は、ゲート電極GEに電位(図6に示す走査信号Gsi)を供給し、画素スイッチ素子PSWをオンオフ動作させることにより、画素電極PEに対する映像信号Spicの供給状態を制御する。言い換えれば、トランジスタTr1は、画素電極PEへの電位供給を制御する画素スイッチ素子PSWとして機能する。画素スイッチ素子PSWは、トップゲート型TFTおよびボトムゲート型TFTのいずれであってもよい。また、画素スイッチ素子PSWの半導体層の材料は、例えば、多結晶シリコン(ポリシリコン)であるが、酸化物半導体やアモルファスシリコンでも良い。
画素電極PEは、絶縁膜14(図2参照)を介して共通電極CEと対向している。共通電極CE、絶縁膜14および画素電極PEは、保持容量CSを形成している。映像信号に基づいて表示画像を形成する表示動作期間において、画素電極PEと共通電極CEとの間には各電極に印加される駆動信号に基づいて電界が形成される。そして、電気光学層である液晶層LQを構成する液晶分子は、画素電極PEと共通電極CEとの間に形成される電界により駆動される。例えば、本実施の形態のように、横電界モードを利用する表示装置DSP1では、図2に示すように、基板SUB1に画素電極PEおよび共通電極CEが設けられている。液晶層LQを構成する液晶分子は、画素電極PEと共通電極CEとの間に形成される電界(例えば、フリンジ電界のうちの基板の主面にほぼ平行な電界)を利用して回転される。
つまり、表示動作期間において、画素電極PEおよび共通電極CEのそれぞれは、電気光学層である液晶層LQを駆動する駆動電極として動作する。言い換えれば、複数の画素電極PEのそれぞれは、電気光学層を駆動する第1電極である。また、共通電極CEのそれぞれは、電気光学層を駆動する第2電極である。
図2に示すように、基板SUB1と基板SUB2とは互いに離間した状態で貼り合わされている。液晶層LQは、基板SUB1と基板SUB2との間に封入されている。基板SUB1は、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を有する絶縁基板10を有する。また、基板SUB1は、絶縁基板10の基板SUB2に対向する側に、複数の導体パターンを有する。複数の導体パターンには、複数の走査信号線GL、複数の映像信号線SL、複数のコモン線CML、複数の共通電極CE、および複数の画素電極PEが含まれる。また、複数の導体パターンのそれぞれの間には絶縁膜が介在している。隣り合う導体パターンの間に配置され、導体パターンを互いに絶縁する絶縁膜には、絶縁膜11、絶縁膜12、絶縁膜13、絶縁膜14、および配向膜AL1が含まれる。なお、図2では、走査信号線GL、共通電極CE、およびコモン線CMLについては、それぞれ一個ずつ示している。
上記した複数の導体パターンのそれぞれは、積層された複数の配線層に形成されている。図2に示す例では、共通電極CE、および画素電極PEはそれぞれ異なる層に形成され、共通電極CEが形成された層の下層に三層の配線層が設けられている。絶縁基板10上に形成された三層の配線層のうち、最も絶縁基板10側に設けられた第1層目の配線層WL1には、主に走査信号線GLが形成されている。配線層WL1に形成された導体パターンは、例えばクロム(Cr)、チタン(Ti)、もしくはモリブデン(Mo)等の金属またはそれらの合金からなる。
絶縁膜11は、配線層WL1および絶縁基板10の上に形成されている。絶縁膜11は、例えば窒化シリコンまたは酸化シリコン等からなる透明な絶縁膜である。なお、絶縁基板10と絶縁膜11との間には、走査信号線GLの他に、画素スイッチ素子のゲート電極や半導体層などが形成されている。
絶縁膜11上には、第2層目の配線層WL2が形成されている。配線層WL2には、主に映像信号線SLが形成されている。配線層(2配線層)WL2は、配線層(第1配線層)WL1よりも抵抗率が低い材料で形成されている。配線層WL2に形成された導体パターンは、例えばアルミニウム(Al)をモリブデン(Mo)やチタン(Ti)等で挟んだ多層構造の金属膜からなる。配線層WL2の配線材料は配線層WL1の配線材料よりも比抵抗が低いと好ましい。また、画素スイッチ素子のソース電極やドレイン電極なども絶縁膜11の上に形成されている。図2に示す例では、映像信号線SLは、Y方向に延在する。絶縁膜12は、映像信号線SLおよび絶縁膜11の各々の上に形成されている。絶縁膜12は、例えばアクリル系の感光性樹脂からなる。
また、図2に示す例では、絶縁膜12上には、第3層目の配線層WL3が形成されている。配線層WL3には、主にコモン線CMLが形成されている。配線層WL3に形成された導体パターンは、配線層WL2と同様に、例えばアルミニウム(Al)をモリブデン(Mo)やチタン(Ti)等で挟んだ多層構造の金属膜からなる。図2に示す例では、コモン線CMLは、Y方向に延在する。絶縁膜13は、コモン線CMLおよび絶縁膜12の各々の上に形成されている。絶縁膜13は、例えばアクリル系の感光性樹脂からなる。なお、図2では、走査信号線GL、映像信号線SLやコモン線CMLなどの配線が三層の配線層に配置された例を示している。しかし、配線層の層数は上記には限定されず、種々の変形例がある。例えば、図2に示す配線層WL3が設けられていなくても良い。この場合、コモン線CMLは例えば、共通電極CEが形成される層と同層に形成されていても良い。
図2では、図1に示す表示領域DAの拡大断面を示しているが、図2に示す配線層WL1、WL2およびWL3のそれぞれは、図1に示す周辺領域SAにも配置されている。図3に示す映像信号接続線SCL、制御配線GWや、電源配線PLは、配線層WL1、WL2およびWL3のうちの一つまたは複数の配線層に形成されている。また、図3に示すスイッチ回路SWSなど、周辺領域SAに配置された複数の回路のそれぞれは、配線層WL1、WL2およびWL3のうちの一つまたは複数の配線層に形成されている。
図2に示すように、共通電極CEは、絶縁膜13上に形成されている。共通電極CEは、ITO(Indium tin oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明な導電材料が好ましい。なお、表示装置が、縦電界モードとしてのTNモードまたはVAモード等の表示装置である場合、共通電極CEは、基板SUB2に形成されていてもよい。また、図2に示す断面では、共通電極CEとコモン線CMLとの間に絶縁膜13が介在している。ただし、図3に示すように、コモン線CMLの一部分と共通電極CEの一部分は電気的に接続されている。また、外光の反射を利用する反射型表示装置であれば、共通電極CEは金属材料であってもよい。
絶縁膜14は、絶縁膜13および共通電極CEの上に形成されている。画素電極PEは、絶縁膜14上に形成されている。平面視において、各画素電極PEは、互いに隣り合う2つの映像信号線SLの間に位置し、共通電極CEと対向する位置に配置されている。画素電極PEは、例えば、ITOまたはIZOなどの透明な導電材料または金属材料が好ましい。配向膜AL1は、画素電極PEおよび絶縁膜14を覆っている。
一方、基板SUB2は、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を備える絶縁基板20を有する。また、基板SUB2は、絶縁基板20の基板SUB1に対向する側に、遮光膜である遮光層BMと、カラーフィルタCFR、CFGおよびCFBと、オーバーコート層OCLと、配向膜AL2と、導電膜CDFを有する。
導電膜CDFは、絶縁基板20が有する平面のうち、液晶層LQと対向する面の反対側の面に配置されている。導電膜CDFは、例えば、ITOまたはIZOなどの透明な導電材料からなる。導電膜CDFは、外部からの電磁波の影響が液晶層LQなどに及ぶことを抑制するシールド層として機能する。また、液晶層LQを駆動する方式が、TNモードや、VAモードなどの縦電解モードの場合、基板SUB2に電極が設けられ、この電極がシールド層としても機能するので、導電膜CDFは省略できる。
表示装置DSP1は、光学素子OD1と、光学素子OD2と、を有する。光学素子OD1は、絶縁基板10とバックライトユニットBLとの間に配置されている。光学素子OD2は、絶縁基板20の上方、すなわち絶縁基板20を挟んで基板SUB1と反対側に配置されている。光学素子OD1および光学素子OD2は、それぞれ少なくとも偏光板を含んでおり、必要に応じて位相差板を含んでいてもよい。
<表示装置の平面形状と回路レイアウト>
次に本実施の形態の表示装置の平面形状と、回路レイアウトの関係について説明する。図7は、図3に示す複数の画素のそれぞれに付与される負荷の要因を模式的に示す回路図である。また、図8は、図3に示す表示装置のうち、上辺側の回路構成の詳細を示す拡大平面図である。
なお、図7において、共通電極CEは、複数の画素電極PEに跨って配置されていることを明示的に示すため、シート状の共通電極CEを図示している。図8では、駆動回路GD1、GD2の回路レイアウトの見易さのため、図6に示す複数の制御配線GWのうち、イネーブル信号を伝送するイネーブル線GWEを代表的に示している。また、図8では、図6に示す回路ブロックGDB1、GDB2を四角形で示している。図8に示す回路ブロックGBA1、GBB1、GBC1、GBD1、およびGBE1のそれぞれは、駆動回路GD1を構成する複数の回路ブロックGDB1に含まれている。また、回路ブロックGBA2、GBB2、GBC2、GBD2、およびGBE2のそれぞれは、駆動回路GD2を構成する複数の回路ブロックGDB2に含まれている。回路ブロックGBA1とGBA2、GBB1とGBB2、GBC1とGBC2、GBD1とGBD2、およびGBE1とGBE2のそれぞれは、互いに同一の走査信号線GLに接続されている。図8では、見易さのため、複数の走査信号線GLのそれぞれを一点鎖線で示し、複数の映像信号線SLのそれぞれを点線で示している。また、図8では、イネーブル線GWE1およびGWE2のそれぞれにおいて、図2に示す配線層WL1に形成された部分を実線で示し、配線層WL2または配線層WL3に形成された部分を点線で示している。また、図8では、複数の画素PXのうち、走査信号線GLAに接続される一つの画素PXAおよび走査信号線GLEに接続される一つの画素PXEを模式的に四角形で示している。
図1に示すように本実施の形態の表示装置DSP1は、表示領域DAの平面形状、および周辺領域SAの外形形状がそれぞれ「異形」になっている。図1に示す例では、表示装置DSP1は、自動車の後方確認用のミラー(rearview mirror)と兼用され、表示領域DAの平面形状、および周辺領域SAの外形形状は、それぞれ台形である。また、平面視において、表示領域DAの周囲に配置されている遮光層BMの形状は、以下の通りである。すなわち、遮光層BMは、Y方向に沿ってそれぞれ延びる延在部(第1延在部)EXT1および延在部(第2延在部)EXT2と、を有する。また、遮光層BMは、延在部EXT1と延在部EXT2との間にある屈曲部(第1屈曲部)BEN1および屈曲部(第2屈曲部)BEN2とを有する。また、延在部EXT1は屈曲部BEN1に接続され、延在部EXT2は屈曲部BEN2に接続されている。また、延在部EXT2の長さは延在部EXT1の長さよりも長い。また、図1に示す例では、遮光層BMは、屈曲部BEN1と屈曲部BEN2との間に延在部(第3延在部)EXT3を有し、延在部EXT3は、Y方向およびX方向のそれぞれに対して傾斜する方向T1に沿って延在する辺(内端辺)を有している。なお、Y方向に対して傾斜する方向とは、Y方向に対して、直角および平行以外の角度を成す方向である。同様に、X方向に対して傾斜する方向とは、X方向に対して、直角および平行以外の角度を成す方向である。
なお、屈曲部とは、延在方向が変化する部分の事を意味する。屈曲部には、図1に示すように曲線的に曲がっている部分の他、折れ曲がっている部分も含まれる。また、曲線的に曲がっている場合には、曲線部分による延在方向の変化量(角度)/曲線部分の全長を曲率として定義することができる。
また、図1に示す例では、遮光層BMは、延在部EXT1を介して屈曲部BEN1の反対側に屈曲部(第3屈曲部)BEN3を有する。また、遮光層BMは、延在部EXT2を介して屈曲部BEN2の反対側に屈曲部(第4屈曲部)BEN4を有する。また、遮光層BMは、屈曲部BEN3と屈曲部BEN4との間に延在部(第4延在部)EXT4を有し、延在部EXT4は、Y方向およびX方向のそれぞれに対して傾斜する方向T2に沿って延在する辺(内端辺)を有している。本実施の形態の例では、表示領域DAは台形を成すので、方向T1と方向T2は互いに平行ではない。また、図1に示す例では、方向T2と方向T3とは、互いに平行である。この「方向T2と方向T3とが互いに平行である」という表現には、厳密に両者が平行である場合の他、加工精度などの影響により厳密には平行ではないが、実質的に平行とみなせるものも含む。なお、図1では、Y方向におけるY2側にある屈曲部BEN1および屈曲部BEN2と区別するため、屈曲部BEN3を第3屈曲部と記載し、屈曲部BEN4を第4屈曲部として記載した。ただし、後述する図17に示すように、Y1側の部分に着目すれば、屈曲部BEN3を第1屈曲部と読み替え、屈曲部BEN4を第2屈曲部と読み替えることもできる。同様に、延在部EXT4については、第4延在部と記載したが、第3延在部と読み替えることもできる。
表示装置DSP1に表示される画像の品質を向上させる観点からは、表示領域DAに配列される複数の画素PXのそれぞれに付与される負荷の値(例えば寄生容量や配線抵抗などに起因するインピーダンス値)を表示領域DAと重畳する平面内において均一化することが好ましい。表示領域DA内において、画素PXに対する負荷の値の面内分布が不均一になれば、表示ムラなど、画質低下の原因になる。
複数の画素PXのそれぞれに付与される負荷要因には、図7に示す寄生容量C1〜寄生容量C5、および走査信号線GLの配線抵抗や映像信号線SLの配線抵抗が含まれる。寄生容量C1は、走査信号線GLと映像信号線SLとの間の寄生容量である。寄生容量C2は、トランジスタTr1のソース電極およびドレイン電極と、映像信号線SLとの間の寄生容量である。寄生容量C3は、トランジスタTr1のソース電極およびドレイン電極と、走査信号線GLとの間の寄生容量である。また、寄生容量C4は、走査信号線GLと共通電極CEとの間の寄生容量である。寄生容量C5は、映像信号線SLと共通電極CEとの間の寄生容量である。
まず、複数の画素PXのそれぞれに付与される負荷要因のうち、主に走査信号線GLの配線抵抗に起因する負荷に着目して検討する。図8に示すように、複数の走査信号線GLのそれぞれは、X方向に沿って、表示領域DAを横切るように配置されている。表示領域DAの形状が正方形や長方形でない場合、複数の走査信号線GLには、互いに長さ(延在距離)が異なるものが含まれている。例えば、図8に示す例では、走査信号線GLAと走査信号線GLEとは互いに長さが異なる。詳しくは、走査信号線GLAは、延在部EXT3に重畳する回路ブロックGBA1と、屈曲部BEN2に重畳する回路ブロックGBA2とに接続されている。言い換えれば、走査信号線GLAの一部分は延在部EXT3と重畳し、他の一部分は、屈曲部BEN2と重畳する。また、走査信号線GLEは、延在部EXT1に重畳する回路ブロックGBE1と、延在部EXT2に重畳する回路ブロックGBE2とに接続されている。言い換えれば、走査信号線GLEの一部分は延在部EXT1と重畳し、他の一部分は、延在部EXT2と重畳する。この場合、走査信号線GLEの長さ(延在距離)は、走査信号線GLAの長さより長い。
ここで、図8に示す、走査信号線GLAの中央付近に位置する画素PXAと、走査信号線GLEの中央付近に位置する画素PXEと、に付与される負荷のうち、走査信号線GLの配線抵抗に起因する負荷は以下の通りである。すなわち、走査信号線GLの配線抵抗は、走査信号線GLの端部から、画素PXのゲート電極GE(図4)参照までの経路距離に比例して大きくなる。すなわち、走査信号線GLの配線抵抗は、走査信号線GLの端部から、画素PXのゲート電極GE(図4)参照までの経路距離に比例して大きくなる。また、図7で示した通り、走査信号線GLの配線抵抗は、各画素のトランジスタTr1や映像信号線SLと交差する回数が増えるほど、寄生容量の影響を受けて増大する。このため、表示品質を向上させるためには、複数の画素PXのそれぞれに対応する時定数の差を低減することが好ましい。
そこで、本実施の形態では、図6に示す駆動回路GDを介して走査信号線GLに走査信号Gsi(図6参照)としての電位を供給するイネーブル線GWEの配線抵抗を調整することにより、複数の画素PX(図8参照)に付与される負荷の均一化を図っている。詳しくは、図2を用いて説明したように、表示装置DSP1は、配線層(第1配線層)WL1と、配線層WL1よりも抵抗率が低い材料で形成された配線層(第2配線層)WL2と、を備える。配線層WL1に形成された導体パターンは、例えばクロム(Cr)、チタン(Ti)、もしくはモリブデン(Mo)等の金属またはそれらの合金からなる。また、配線層WL2に形成された導体パターンは、例えばアルミニウム(Al)をモリブデン(Mo)やチタン(Ti)等で挟んだ多層構造の金属膜からなる。この場合、配線層WL1の抵抗率(比抵抗)は、配線層WL2の比抵抗より高い。図2に示すように、走査信号線GLは、配線層WL1に形成されている。そして、延在部EXT3と重畳した領域において、イネーブル線(第1電位供給線)GWE1は、配線層WL1および配線層WL2を経由している。
単にイネーブル線GWE1の配線抵抗を低減させる観点のみを考慮すれば、イネーブル線GWE1が配線層WL1を経由しないことが好ましい。例えば、イネーブル線GWE1が配線層WL2のみを経由している場合、イネーブル線GWE1の配線抵抗に起因して画素PXに付与される負荷を実質的に無視できる程小さくできる。しかし、イネーブル線GWE1の一部分が配線層WL1を経由している場合、配線層WL1を経由する部分の配線経路距離に応じてイネーブル線GWE1の配線抵抗の値を調整できる。例えば、図8に示す例では、制御回路CTCから回路ブロックGBA1に至るイネーブル線GWE1の配線経路において、イネーブル線GWE1は、複数の部分(X方向に沿って延びる実線で示された部分)で配線層WL1を経由する。
ここで、走査信号線GLAに電位を供給するイネーブル線GWE1のうち、配線層WL1を経由する部分の配線経路距離の合計値は、例えば、走査信号線GLEに電位を供給するイネーブル線GWE1のうち、配線層WL1を経由する部分の配線経路距離よりも長い。この場合、走査信号線GLAに電位を供給するイネーブル線GWE1の配線抵抗は、走査信号線GLEに電位を供給するイネーブル線GWE1の配線抵抗よりも大きい。また、イネーブル線GWE1の一部分が配線層WL1を経由する場合、画素PXAおよび画素PXEのそれぞれに付与される負荷要因には、イネーブル線GWE1の配線抵抗が含まれる。そして、画素PXAおよび画素PXEの走査信号Gsiにおいて、走査信号線GLの配線抵抗、イネーブル配線GWE1の配線抵抗、および寄生容量C1の影響を総合的に考慮すると、時定数の差を低減することができる。言い換えれば、表示領域DAに配置された複数の画素PXのそれぞれに対する時定数の面内差を低減することができる。つまり、本実施の形態によれば、イネーブル配線GWE1の配線抵抗を調整することにより、走査信号線GLの配線抵抗および寄生容量C1に起因する負荷の面内分布のバラつきを低減させている。この結果、表示装置DSP1に表示される画像の品質を向上させることができる。
また、駆動回路GD1は、回路ブロック(第1A回路ブロック)GBA1回路ブロック(第1B回路ブロック)GBB1、回路ブロック(第1C回路ブロック)GBC1、および回路ブロック(第1D回路ブロック)GBD1を有している。図8に示す例では、回路ブロックGBA1および回路ブロックGBB1は延在部EXT3と重畳し、回路ブロックGBC1および回路ブロックGBD1は屈曲部BEN1と重畳する。イネーブル線GWE1は、回路ブロックGBA1と回路ブロックGBB1との間で、距離(第1距離)D1で配線層WL1を経由する。また、イネーブル線GWE1は、回路ブロックGBC1と回路ブロックGBD1との間で、距離(第1距離)D2で配線層WL1を経由する。距離D2は距離D1よりも短い。
図8に示す例では、イネーブル線GWE1は、駆動回路GD1の終端にある回路ブロックGDB1と、その隣にある回路ブロックGBA1との間で、距離D4で配線層WL1を経由する。図8に示す例では、距離D4は、距離D1よりも短い。ただし、距離D4の長さは延在部EXT3のスペースに応じて決定されるので、距離D4と距離D1とが等しい場合もある。
また、駆動回路GD2は、回路ブロック(第2A回路ブロック)GBA2、および回路ブロック(第2B回路ブロック)GBB2を有している。図8に示す例では、回路ブロックGBA2および回路ブロックGBB2は屈曲部BEN2と重畳する。イネーブル線GWE2は、回路ブロックGBA2と回路ブロックGBB2との間で、距離(第3距離)D3で配線層WL1を経由する。距離D1は距離D3よりも長い。
複数の走査信号線GLのそれぞれはX方向に沿って延びている。このため、イネーブル線GWE1およびGWE2のうち、配線層WL1に形成される部分がX方向に沿って延びていれば、複数の信号伝送経路(イネーブル線GWEおよび走査信号線GLを含む配線経路距離)の抵抗値を揃え易い。延在部EXT3のX方向の長さは、屈曲部BEN1や屈曲部BEN2のX方向の長さよりも長い。したがって、延在部EXT3と重畳する領域では、屈曲部BEN1やBEN2と重畳する領域と比較して、X方向の配線長さを長くすることができる。したがって、図8に示すように、距離D1が距離D2や距離D3よりも長くなっている場合、複数の信号伝送経路の抵抗値を揃え易い。
また、図8に示す例では、屈曲部BEN2と重畳した領域において、イネーブル線(第2電位供給線)GWE2は、配線層WL1および配線層WL2を経由している。この場合、イネーブル配線GWE2の配線抵抗を調整することにより、走査信号線GLの配線抵抗および寄生容量C1に起因する負荷の面内分布のバラつきを低減させることができる。ただし、延在部EXT3の方が屈曲部BEN2よりも面積が大きいので、配線層WL1を経由する距離を長くできる。このため、イネーブル線の一部分が配線層WL1を経由していることによる時定数のバラつきを抑制する効果は、イネーブル線GWE1の方が相対的に高い。ただし、イネーブル線GWE1およびイネーブル線GWE2のそれぞれが、配線層WL1および配線層WL2の両方を経由している場合、時定数のバラつきを抑制する効果が特に高い。
また、本実施の形態のように、複数の画素PXに付与される負荷の面内差を低減する観点からは、相対的に配線抵抗が低い走査信号線GLに接続される部分では、イネーブル線GWE1、またはGW2の一部分が配線層WL1を経由していない方が好ましい場合もある。例えば、図8に示す例では、延在部EXT1と重畳した領域において、イネーブル線GWE1は、配線層WL2を経由し、かつ配線層WL1を経由しない。また、延在部EXT2と重畳した領域において、イネーブル線GWE2は、配線層WL2を経由し、かつ配線層WL1を経由しない。延在部EXT1と延在部EXT2とを結ぶ複数の走査信号線GLのそれぞれの長さは、設計上同じ長さになっている(ただし、加工精度等の理由により多少の相違はある)。延在部EXT1と延在部EXT2とを結ぶ複数の走査信号線GLのそれぞれの長さは、表示装置DSP1が備える複数の走査信号線GLのうち、最も長い。例えば走査信号線GLEのように、一方の端部が延在部EXT1と重畳し、他方の端部が延在部EXT2と重畳する複数の走査信号線GLの長さは、一方の端部が延在部EXT3と重畳する走査信号線GL(例えば走査信号線GLA)の長さよりも長い。つまり、走査信号線GLEの配線抵抗は走査信号線GLAの配線抵抗より大きい。したがって、延在部EXT1、EXT2と重畳する領域では、電位を供給する経路(イネーブル線GWE1、GWE2)の配線抵抗を高くしても、時定数の面内差を低減する効果は得られない。また、イネーブル線GWE1、GWE2の全体の配線抵抗が大きいと、複数の画素PXのそれぞれに付与される負荷が大きくなる。したがって、イネーブル線GWE1、GWE2の配線抵抗の調整マージンを大きくする観点からは、延在部EXT1と重畳した領域、および延在部EXT2と重畳した領域では、イネーブル線GWE1、GWE2は配線層WL1を経由しない事が好ましい。
また、駆動回路GD2は、回路ブロック(第2C回路ブロック)GBC2、および回路ブロック(第2D回路ブロック)GBD2を有している。回路ブロックGBC1と回路ブロックGBC2とは、同一の走査信号線GLCに接続されている。また、回路ブロックGBD1と回路ブロックGBD2とは、同一の走査信号線GLDに接続されている。ここで、イネーブル線GWE1は、回路ブロックGBC1と回路ブロックGBD1との間で配線層WL1および配線層WL2を経由する。一方、イネーブル線GWE2は、回路ブロックGBC2と回路ブロックGBD2との間で、配線層WL2を経由し、かつ配線層WL1は経由しない。図8に示す例では、回路ブロックGBC2は屈曲部BEN2と重畳し、回路ブロックGBD2は延在部EXT2と重畳する。回路ブロックGBC2は延在部EXT2の近傍に配置されており、延在部EXT2と重畳する位置に配置された複数の回路ブロックGDB2の配列ラインの延長線上に配置されている。この場合、イネーブル線GWE1が、回路ブロックGBC1と回路ブロックGBD1との間で配線層WL1および配線層WL2を経由していれば、イネーブル線GWE2は配線層WL1を経由していなくても画素PXに付与される負荷を調整することは可能である。
また、イネーブル線GWE1の一部分は延在部EXT1と重畳する。イネーブル線GWE1は、延在部EXT1と重畳した領域において、配線層WL2を経由し、かつ、配線層WL1を経由しない。これにより、例えば走査信号線GLEに接続される画素PXEに付与される負荷を低減できる。
ただし、延在部EXT1と重畳した領域、および延在部EXT2と重畳した領域において、イネーブル線GWE1、GWE2の一部分が配線層WL1を経由している場合でも、スペース上の制約により、配線層WL1を経由する距離は長くできない。したがって、図8に対する変形例としては、延在部EXT1と重畳した領域、および延在部EXT2と重畳した領域において、イネーブル線GWE1、GWE2の一部分が配線層WL1を経由していても良い。
また、本実施の形態では、複数の走査信号線GLそれぞれの両端に駆動回路が接続されている。言い換えれば、複数の走査信号線GLのそれぞれは、両側駆動方式により駆動されている。このように、両側駆動方式により複数の走査信号線GLを駆動する場合、複数の走査信号線GLのうちの一部に、片側駆動方式で駆動されるものが含まれると、複数の走査信号線GLに付与される負荷の面内分布が不均一になる原因になる。つまり、画質向上の観点からは、全ての走査信号線GLが両側駆動方式で駆動されることが好ましい。
仮に、表示領域DAの平面形状が正方形や長方形であれば、複数の走査信号線GLの長さを揃えること、および複数の映像信号線SLの長さを揃えること、は容易である。このため、表示領域DAと重畳するように配列された複数の画素PXのそれぞれに付与される負荷の値をほぼ一定にすることは比較的容易である。ところが、本実施の形態のように、異形の表示領域DAを有する表示装置DSP1の場合、複数の画素PXのそれぞれに付与される負荷の値の面内分布が不均一になり易い。
そこで、本実施の形態の表示装置DSP1の場合、図3に示すように、駆動回路GD1は、屈曲部BEN1(図1参照)と重畳する領域を跨いで、屈曲部BEN2(図2参照)の近傍まで延びている。言い換えれば、平面視において、屈曲部BEN2は駆動回路GD1の終端部と駆動回路GD2の終端部との間にある。これにより、複数の走査信号線GLのうち、Y方向において最もY2側に配列されている走査信号線GL1の両端に駆動回路GDが接続される。言い換えれば、走査信号線GL1を含む複数の走査信号線GLのそれぞれは、両側駆動方式で駆動される。これにより、複数の走査信号線GLのうちの一部が片側駆動方式で駆動されることにより起因する画質の低下を抑制できる。
上記した構成は、図9に示すクロック線GWC1、GWC2を用いて以下のようの表現することもできる。図9は、図8に示す表示装置と同じ部分において、駆動回路にクロック信号を供給する配線のレイアウトの例を示す拡大平面図である。図9では、駆動回路GD1、GD2の回路レイアウトの見易さのため、図6に示す複数の制御配線GWのうち、クロック信号を伝送するクロック線GWCを代表的に示している。
図9に示すように、すなわち、表示装置DSP1は、制御回路CTCと駆動回路GD1とを接続し、クロック信号(第1クロック信号)GCL1(図6参照)が供給されるクロック線(第1クロック線)GWC1と、制御回路CTCと駆動回路GD1とを接続し、クロック信号(第2クロック信号)GCL2(図6参照)が供給されるクロック線(第2クロック線)GWC2と、を備えている。また、平面視において、屈曲部BEN1は、クロック線GWC1と重畳しており、かつ、屈曲部BEN2は、クロック線GWC1の終端部とクロック線GWC2の終端部との間にある。図9に示すように、クロック線GWC1の終端部は、屈曲部BEN1と屈曲部BEN2との間にある。図9に示す例では、クロック線GWC2の終端部は屈曲部BEN2と重畳し、かつ、クロック線GWC1の終端部は、屈曲部BEN2と重畳していない。台形の平面形状を持つ表示装置DSP1の一方の斜辺、すなわち、図9に示す延在部EXT3に沿った辺では、その斜辺に沿って駆動回路GD1を配置することができる。これにより、駆動回路GD1の終端部および駆動回路GD2の終端部、言い換えればクロック線GWC1の終端部およびクロック線GWC2の終端部まで、走査信号線GLの両側駆動方式を適用することができる。
次に、図7に示す複数の画素PXのそれぞれに付与される負荷要因のうち、走査信号線GLと映像信号線SLの間の寄生容量C1(図7参照)に起因する負荷について検討する。図10は、図8に対する変形例である表示装置の拡大平面図である。また、図11は、図10に示す回路ブロック周辺の回路レイアウトを示す拡大平面図である。また、図12は、図11に対する変形例を示す拡大平面図である。図11および図12では、走査信号線GLの配線部(主配線部)GLPMと配線部(副配線部)GLPSとの境界を識別するため、走査信号線GLにハッチングを付して示している。配線部GLPMと配線部GLPSには互いに異なる種類のハッチングを付しているが、配線部GLPMおよび配線部GLPSは、同じ導電性材料で配線層WL1(図2参照)に連続的に形成された導体パターンである。
表示領域DAの形状が正方形や長方形でない場合、複数の走査信号線GLには、交差する映像信号線SLの本数が互いに異なるものが含まれている。例えば、図8に示す例では、平面視において、表示領域DA内で走査信号線GLAが交差する映像信号線SLの本数と、表示領域DA内で走査信号線GLEが交差する映像信号線SLの本数とは互いに異なる。詳しくは、走査信号線GLAが交差する映像信号線SLの本数は、表示領域DA内で走査信号線GLEが交差する映像信号線SLの本数より少ない。言い換えれば、図8に示す画素PXEに走査信号Gsi(図6参照)を伝送する信号伝送経路に接続される寄生容量C1(図7参照)の数は、画素PXAに走査信号Gsiを伝送する信号伝送経路に接続される寄生容量C1の数よりも多い。したがって、単に図7に示す寄生容量C1のみを考慮した場合、画素PXEに付与される負荷の方が、画素PXAに付与される負荷よりも大きい。そして、表示品質を向上させるためには、複数の画素PXのそれぞれに付与される負荷の面内差を低減することが好ましいことは上記した通りである。
そこで、図10に示す表示装置DSP2では、複数の映像信号線SLのうちの一部が表示領域DAを跨いで周辺領域SAの延在部EXT3と重畳する領域まで延びている。そして、延在部EXT3において、走査信号線GLと映像信号線SLとが交差している。この場合、延在部EXT3と重畳する走査信号線GL(例えば走査信号線GLA)が交差する映像信号線SLの本数が図8に示す表示装置DSP1と比較して多くなる。つまり、走査信号線GLAに接続される画素PXAに付与される負荷のうち、図7に示す寄生容量C1に対応する負荷が増える。これにより、複数の画素PXのそれぞれに付与される負荷の面内差を低減することができる。
詳しくは、図11に示すように、平面視において、走査信号線GLAは、駆動回路(第1駆動回路)GD1と表示領域DAの間、および表示領域DA内にある配線部(主配線部)GLPMと、配線部GLPMに接続され、駆動回路GD1と周辺領域SAの外縁との間にある配線部(副配線部)GLPSと、を有している。平面視において、配線部GLPSは映像信号線SLと交差する。配線部GLPSは、配線部GLPMの延長線上にあり、X方向に沿って延びている。図11に示す例では、複数の走査信号線GLのそれぞれは、配線部GLPMと配線部GLPSとを有している。また、複数の映像信号線SLのそれぞれは、平面視において表示領域DA内にある配線部(主配線部)SLPMと、平面視において周辺領域SAにある配線部(副配線部)SLPSとを有している。そして、周辺領域SA、詳しくは延在部EXT3と重畳する領域において、走査信号線GLの配線部GPLSと複数の映像信号線SLの配線部SLPSとが互いに交差している。
周辺領域SAにおいて走査信号線GLAと複数の映像信号線SLとが交差する部分には、それぞれ寄生容量C1(図7参照)が付与される。この複数の交差部分での寄生容量C1のそれぞれは、走査信号線GLAに接続される画素PXA(図10参照)に付与される負荷として算入される。この結果、図10に示す画素PXEに付与される負荷と画素PXAに付与される負荷の差を低減できる。
また、図10に示す例では、走査信号線GLAを含む複数の走査信号線GLは、屈曲部BEN2と重畳する領域において、映像信号線SLと交差している。この場合、走査信号線GLAが周辺領域において交差する映像信号線SLの本数をさらに増加させることができる。ただし、走査信号線GLAの延長線上において、延在部EXT3と重畳する領域の長さは屈曲部BEN2と重畳する領域の長さより長い。このため、走査信号線GLAと交差する映像信号線SLの本数は、延在部EXT3と重畳する領域の方が屈曲部BEN2と重畳する領域より多い。
ところで、表示装置DSP2のように、周辺領域SAに走査信号線GLの配線部GLPSや映像信号線SLの配線部SLPSが配置されている場合、周辺領域SAに配置される制御配線GW(図6参照)のレイアウトによっては、制御配線GWと走査信号線GL、あるいは制御配線GWと映像信号線SLとが交差する場合も考えられる。しかし、走査信号線GLおよび映像信号線SLのそれぞれと、制御配線GWとは平面視において交差しないことが好ましい。例えば、図11に示す例では、走査信号線GLの配線部GLPSは、平面視において、イネーブル線GWE1と交差しない。また、映像信号線SLの配線部SLPSは、平面視においてイネーブル線GWE1と交差しない。また、図11では図示を省略しているが、図6に示すクロック線GWCおよびスタートパルス線GWSのそれぞれは、周辺領域SAにおいて走査信号線GLおよび映像信号線SLと交差しないことが好ましい。
また、図10に示すように、複数の走査信号線GLには、配線部GLPS(図11参照)を有していないものが含まれる。例えば、図10に示す走査信号線GLEは、配線部GLPSを有していない。平面視において、表示領域DA内で走査信号線GLAが交差する映像信号線SLの本数は、走査信号線GLEが交差する映像信号線SLの本数よりも少ない。表示装置DSP2の場合、複数の走査信号線GLのうち、交差する映像信号線SLの本数が相対的に少ない走査信号線GLに対して選択的に配線部GLPSが設けられている。特に、走査信号線GLEは、一方の端部が延在部EXT1と重畳し、他方の端部が延在部EXT2と重畳する。このため、表示領域DA内で走査信号線GLEが交差する映像信号線SLの本数は、他の走査信号線GLの場合よりも多い。複数の画素PXに付与される負荷の面内差を低減させる観点からは、走査信号線GLEのように、表示領域DA内において交差する映像信号線SLの数が最大になる走査信号線GLの場合、配線部GLPSを有していない事が好ましい。
図10および図11に示す表示装置DSP2は、周辺領域SAにおいて映像信号線SLと走査信号線とが交差している点を除き、図8に示す表示装置DSP1と同様である。このため、表示装置DSP1と表示装置DSP2の共通する部分に関し、重複する説明は省略する。
また、図12に示す表示装置DSP3のように、一つの走査信号線GLと一つの映像信号線SLが周辺領域SAの複数箇所で交差している場合、一つの走査信号線GLに付与される寄生容量C1の数をさらに増加させることができる。表示装置DSP3は、配線部GLPSの形状が図11に示す表示装置DSP2と相違する。表示装置DSP3の場合、走査信号線GL(少なくとも走査信号線GLAを含む)の配線部GLPSは、配線部GLPMに接続される配線部(第1配線部)GLP1と、配線部GLPSに接続され、配線部GLP1とは異なる位置に延びる配線部(第2配線部)GLP2を有している。配線部GLP1は、配線部GLPMの延長線上にあり、X方向に沿って延びている。配線部GLP1の一方の端部は配線部GLPMに接続されている。配線部GLP1の他方の端部は、Y方向に沿って延びる配線部GLPJを介して配線部GLP2に接続されている。また、配線部GLP2は、配線部GLPMの延長線上には無く、X方向に沿って延びている。配線部GLP1と配線部GLP2のそれぞれは、周辺領域SA(詳しくは延在部EXT3と重畳する領域)において、複数の映像信号線SLと交差している。言い換えれば、図12に示す複数の映像信号線SLのうちの少なくとも一部は、配線部GLPSと複数箇所で交差している。図12に示す走査信号線GLAの例では、6本の映像信号線SLのそれぞれが、配線部GLPSの配線部GLP1および配線部GLP2と交差している。
表示装置DSP3の場合、周辺領域SAにおいて走査信号線GLAと交差する映像信号線SLの本数は、図11に示す表示装置DSP2と同数である。しかし、走査信号線GLAと映像信号線SLとが交差する箇所は、表示装置DSP3の場合の方が表示装置DSP2の場合よりも多い。図12に示す例では、走査信号線GLAは、複数の映像信号線SLのそれぞれと、二箇所で交差している。この場合、表示装置DSP3の場合、表示装置DSP2と比較して、走査信号線GLAに付与される寄生容量C1(図7参照)の数を増加させることができる。なお、図12では、一つの走査信号線GLと一つの映像信号線SLが周辺領域SAの複数箇所で交差している例として、二箇所で交差する実施態様を例示的に示したが、「複数箇所」は三箇所以上であっても良い。
また、図12に示す例では、配線部GLP2の長さ(X方向の長さ)は配線部GLP1の長さ(X方向の長さ)より短い。このため、配線部GLP1と交差する複数の映像信号線SLには、配線部GLP2と交差しないものが含まれている。図12に示す走査信号線GLAの例では、2本の映像信号線SLのそれぞれが配線部GLP1と交差し、かつ配線部GLP2とは交差しない。この実施形態によれば、走査信号線GL間における配線抵抗の差を緩和することが出来る。
図12に示す表示装置DSP3は、上記した相違点を除き、図11に示す表示装置DSP2と同様である。例えば、図10に示す表示装置DSP2と同様に、表示装置DSP3の場合も、複数の走査信号線GLのうちの一部(例えば走査信号線GLE)は、配線部GLPSを有していない。表示装置DSP3と表示装置DSP2の共通する部分に関し、重複する説明は省略する。
次に、図7に示す複数の画素PXのそれぞれに付与される負荷要因のうち、走査信号線GLと共通電極CEとの間の寄生容量である寄生容量C4に起因する負荷について検討する。図13は、図10に対する他の変形例である表示装置の拡大平面図である。また、図14は、図13に示す回路ブロック周辺の回路レイアウトを示す拡大平面図である。図15は、図13に示す複数の回路ブロックのうち、図14に示す回路ブロックとは別の回路ブロック周辺の回路レイアウトを示す拡大平面図である。図13〜図15では、共通電極CEと重畳する領域にドットパターンを付して示している。なお、以下では、表示装置DSP4と図10に示す表示装置DSP10との相違点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
表示領域DAの形状が正方形や長方形でない場合、複数の走査信号線GLには、共通電極CEと重畳する長さが互いに異なるものが含まれている。例えば、図13に示す例では、平面視において、走査信号線GLAが共通電極CEと重畳する長さは、走査信号線GLEが共通電極CEと重畳する長さより短い。言い換えれば、図13に示す画素PXEに走査信号Gsi(図6参照)を伝送する信号伝送経路に接続される寄生容量C4(図7参照)の数は、画素PXAに走査信号Gsiを伝送する信号伝送経路に接続される寄生容量C4の数よりも多い。したがって、単に図7に示す寄生容量C4のみを考慮した場合、画素PXEに付与される負荷の方が、画素PXAに付与される負荷よりも大きい。そして、表示品質を向上させるためには、複数の画素PXのそれぞれに付与される負荷の面内差を低減することが好ましいことは上記した通りである。
図13〜図15に示す表示装置DSP4は、周辺領域SAに共通電極CEの一部分を有し、周辺領域SAにおいて、走査信号線GLと共通電極CEとが重畳する。例えば、図14に示す部分では、周辺領域SAのうち、延在部EXT3と重畳する領域において、走査信号線GLの配線部GLPSは共通電極CEと重畳する。この場合、走査信号線GL(例えば走査信号線GLA)が共通電極CEと重畳する長さが、表示装置DSP1(図8参照)や表示装置DSP2(図10参照)と比較して長くなる。つまり、走査信号線GLAに接続される画素PXAに付与される負荷のうち、図7に示す寄生容量C4に対応する負荷が増える。これにより、複数の画素PXのそれぞれに付与される負荷の面内差を低減することができる。
また、表示装置DSP4の場合、走査信号線GLの配線部GLPSが共通電極CEと重畳する長さは一定ではない。走査信号線GLの配線部GLPSが共通電極CEと重畳する長さは、その走査信号線GLが交差する映像信号線SLの本数に応じて異なる長さになっている。交差する映像信号線SLの本数が多い程、図7に示す寄生容量C1に起因する負荷が大きくなるので、寄生容量C4に起因する負荷は小さくても良い。このため、走査信号線GLに交差する映像信号線SLの本数が多い程、共通電極CEと重畳する距離は短い。一方、交差する映像信号線SLの本数が少ない場合、図7に示す寄生容量C1に起因する負荷が小さいので、寄生容量C4に起因する負荷を大きくすることで、全体の負荷を大きくする必要がある。このため、交差する映像信号線SLの本数が少ない程、共通電極CEと重畳する距離は長い方が好ましい。
例えば図15に示すように、屈曲部BEN1と重畳する領域において、走査信号線GLの配線部GLPSは共通電極CEと重畳する。図14に示す走査信号線GLAと図15に示す走査信号線GLDとを比較すると、平面視において、表示領域DA内で走査信号線GLAが交差する映像信号線SLの本数は、走査信号線GLDが交差する映像信号線SLの本数よりも少ない。この場合、周辺領域SAにおいて、走査信号線GLAの配線部GLPSが共通電極CEと重畳する長さは、走査信号線GLDの配線部GLPSが共通電極CEと重畳する長さよりも長い。また、図10を用いて説明した表示装置DSP2と同様に、例えば走査信号線GLE(図13参照)のように、表示領域DA内において交差する映像信号線SLの数が最大になる走査信号線GLの場合、配線部GLPSを有していない。このように、走査信号線GLの配線部GLPSが共通電極CEと重畳する長さは、その走査信号線GLが交差する映像信号線SLの本数に応じて異なる長さになっている場合、複数の画素PXのそれぞれに付与される負荷のうち、図7に示す寄生容量C4に起因する負荷の面内差を低減できる。
また、図13〜図15に示す表示装置DSP4で説明した技術と、図12に示す表示装置DSP3で説明した技術とを組み合わせても良い。図16は、図12および図14に対する変形例である表示装置の回路ブロック周辺の回路レイアウトを示す拡大平面図である。図16に示す表示装置DSP5の場合、走査信号線GL(少なくとも走査信号線GLAを含む)の配線部GLPSは、配線部GLPMに接続される配線部(第1配線部)GLP1と、配線部GLPSに接続され、配線部GLP1とは異なる位置に延びる配線部(第2配線部)GLP2を有している。配線部GLP1は、配線部GLPMの延長線上にあり、X方向に沿って延びている。配線部GLP1の一方の端部は配線部GLPMに接続されている。配線部GLP1の他方の端部は、Y方向に沿って延びる配線部GLPJを介して配線部GLP2に接続されている。また、配線部GLP2は、配線部GLPMの延長線上には無く、X方向に沿って延びている。配線部GLP1と配線部GLP2のそれぞれは、周辺領域SA(詳しくは延在部EXT3と重畳する領域)において、共通電極CEと重畳している。表示装置DSP5の場合、図14に示す表示装置DSP4と比較して走査信号線GLAが共通電極CEと重畳する距離がさらに長くなる。
次に、図1に示すY方向において、Y2側の反対に位置するY1側の周辺領域SAにおける回路レイアウトについて説明する。台形の平面形状を持つ表示装置DSP1の他方の斜辺、すなわち、延在部EXT4(図1参照)に沿った辺には、スイッチ回路SWSが配置され、複数の映像信号線SLが表示領域DAに向かって延びている。このため、延在部EXT4に沿って駆動回路GD1または駆動回路GD2を配置することが難しい。そこで、図3に示すY方向におけるY1側の辺では、Y2側の辺とは異なる回路レイアウトが適用されている。
図17は、図3に示す表示装置のうち、下辺側の回路構成の詳細を示す拡大平面図である。また、図18は、図17に示す平面において、共通電極のレイアウトの例を示す拡大平面図である。図17に示すように、表示装置DSP1は、表示領域DAと制御回路CTC(図6参照)が形成されたドライバチップDRC1との間にスイッチ回路(選択回路)SWSを備えている。また、平面視において、スイッチ回路SWSと表示領域DAとの間に駆動回路GD1およびGD2がない。この場合、複数の映像信号線SLのそれぞれは、途中に屈曲部を持たず、スイッチ回路SWSからY方向に沿って直線的に延びている。映像信号線SLの総数は、走査信号線GLの総数よりも多い。このため、複数の映像信号線SLのそれぞれは屈曲せず、直線的に延びていることが好ましい。
一方、複数の走査信号線GLには、例えば図17に示す走査信号線GLn1や走査信号線GLn2のように、屈曲した部分を有する走査信号線GLを含んでいる。詳しくは、表示領域DAとスイッチ回路SWSとの間を経由する走査信号線GLn1および走査信号線GLn2は、周辺領域SAに屈曲部を有している。走査信号線GLn1および走査信号線GLn2のそれぞれの一部分は、表示領域DAとスイッチ回路SWSとの間(言い換えれば、表示領域DAとドライバチップDRC1の制御回路CTCの間)に延在する。ただし、複数の走査信号線GLのそれぞれは、表示領域DA内(言い換えれば表示領域DAと重畳する区間)においては、X方向に沿って延在している。また、表示領域DA内では、複数の走査信号線GLのそれぞれは、等間隔で配列される。
複数の走査信号線GLのそれぞれについて両側駆動方式を適用する場合、駆動回路GD1を構成する回路ブロックGDB1の数と、駆動回路GD2を構成する回路ブロックGDB2の数は等しい。しかし、延在部EXT1と延在部EXT2とは上記したように長さが異なるため、回路ブロックGDB1、GDB2の配置スペースが異なる。すなわち、上記したようにY方向において、延在部EXT2は延在部EXT1より長い。この場合、延在部EXT2と重畳する領域は、駆動回路GD2を構成する複数の回路ブロックGDB2を配置するためのスペースを広く確保できる。このため、複数の回路ブロックGDB2は、Y方向に沿って直線的に配列されている。言い換えれば、駆動回路GD2を構成する複数の回路ブロックGDB2は、スイッチ回路SWSと表示領域DAとの間を避けて配置し易い。
一方、延在部EXT1と重畳する領域は、駆動回路GD1を構成する複数の回路ブロックGDB1を配置するためのスペースであるが、その面積は延在部EXT2と重畳する領域の面積より小さい。この結果、駆動回路GD1を構成する複数の回路ブロックGDB1は、延在部EXT1と重畳する領域に加え、屈曲部BEN3と重畳する領域にも配置される。屈曲部BEN3と重畳する回路ブロックGDB1は、延在部EXT2と重畳する回路ブロックGDB2より狭ピッチで配置されている。このため、Y2側の領域では、Y方向において、互いに異なる位置に配置された回路ブロックGDB1と回路ブロックGDB2とが一本の走査信号線GLを介して接続される場合がある。例えば、図17に示す走査信号線GLN1や走査信号線GLn2は、それぞれ一方の端部が回路ブロックGDB1に接続され、他方の端部が回路ブロックGDB2に接続されている。そして。Y方向において、回路ブロックGDB1と回路ブロックGDB2との位置は互いに異なっている。
また、図17に示すように、表示領域DA内において、走査信号線GLn1が交差する複数の映像信号線SLの本数は、走査信号線GLn2が交差する複数の映像信号線SLの本数とは互いに異なっている。図17に示す例では、平面視において、表示領域DA内で、走査信号線GLn1が交差する複数の映像信号線SLの本数は、走査信号線GLn2が交差する前記複数の映像信号線の本数よりも少ない。図7に示す画素PXは、走査信号線GLと映像信号線SLとが交差毎に設けられているので、図17に示す走査信号線GLn1と走査信号線GLn2との関係は以下のように表現できる。すなわち、走査信号線GLn1に接続される画素PXの数は、走査信号線GLn2が接続される画素PXの数よりも少ない。また、画素PXにはトランジスタ(画素トランジスタ)Tr1を含んでいるので、以下のように表現することもできる。走査信号線GLn1に接続されるトランジスタTr1の数は、走査信号線GLn2が接続されるトランジスタTr1の数よりも少ない。
図17に示す例では、平面視において、走査信号線GLn1が交差する複数の映像信号線SLの本数は、走査信号線GLn2が交差する複数の映像信号線SLの本数と同数である。このため、図7に示す複数の画素PXのそれぞれに付与される負荷要因のうち、寄生容量C1に起因する負荷は、均一化されている。ただし、寄生容量C3に起因する負荷は、以下の理由により面内差が大きくなる可能性がある。
すなわち、寄生容量C3は、走査信号線GLに接続されるトランジスタTr1の数に応じて変化する。図17に示すように、走査信号線GLn1に接続されるトランジスタTr1(図7参照)の数が、走査信号線GLn2が接続されるトランジスタTr1の数よりも少ない場合、走査信号線GLn1に付与される負荷の方が相対的に小さくなる。この寄生容量C3に起因する負荷の面内差を低減する方法としては、周辺領域SAにトランジスタTr1と同様の構造のトランジスタ(ダミー画素のトランジスタ等)を配置して、複数の走査信号線GLに接続されるトランジスタTr1の数の差を小さくする方法もある。しかし、図17に示すように、表示領域DAとスイッチ回路SWSとの間の領域では、走査信号線GLの一部分が回路ブロックGDB1との接続位置よりもY1側に引き出され、表示領域DAの外縁部(外周の辺)に沿って他の領域よりも狭い配置ピッチで配列されている。また、この領域では、複数の回路ブロックGDB1の配置ピッチ自体が狭くなるので、走査信号線GLの配置密度が局所的に高くなる領域が存在する。図17では、表示領域DAとスイッチ回路SWSとの間の領域には、複数の走査信号線GLと複数の映像信号線SLとが平面視において直交する部分と、直交以外の角度で交差する部分が含まれる。そして、複数の走査信号線GLと複数の映像信号線SLとが直交以外の角度で交差する部分では、走査信号線GLの配置密度が相対的に高くなっている。このように、走査信号線GLの配置密度が高い領域では、トランジスタTr1を配置することが難しい。
したがって、表示領域DAとスイッチ回路SWSとの間を経由する走査信号線GLに対しては、寄生容量C3に起因する負荷のバラつきを、他の負荷により補うことが好ましい。例えば、図18に示すように、走査信号線GLn1が共通電極CEと重畳する長さは、走査信号線GLn2が共通電極CEと重畳する長さよりも長い。このため、寄生容量C4(図7参照)を考えると、走査信号線GLn1に付与される寄生容量C4に起因する負荷は、走査信号線GLn2に付与される寄生容量C4に起因する負荷よりも大きい。この場合、寄生容量C3に起因する負荷のバラつきを、寄生容量C4に起因する負荷により補って負荷全体としてのバラつきを低減させることができる。
また、図17および図18に示すように、走査信号線GLn1は走査信号線GLn2よりもスイッチ回路SWSの近く、言い換えれば、ドライバチップDRC1の制御回路CTCの近くに配置されている。また、走査信号線GLn1の長さは、走査信号線GLn2の長さよりも長い。このため、走査信号線GLの配線抵抗に起因する負荷を考えると、走査信号線GLn1の配線抵抗に起因する負荷は走査信号線GLn2の配線抵抗に起因する負荷よりも大きい。この場合、寄生容量C3に起因する負荷のバラつきを、配線抵抗に起因する負荷により補って負荷全体としてのバラつきを低減させることができる。
次に、図7に示す複数の画素PXのそれぞれに付与される負荷要因のうち、映像信号線SLとトランジスタTr1の間の寄生容量C2に起因する負荷について検討する。図7に示す寄生容量C2に起因する容量は、映像信号線SLに接続されるトランジスタTr1の数に応じて変化する。したがって、複数の映像信号線SLのそれぞれに接続されるトランジスタTr1の数が互いに異なっている場合、複数の映像信号線SLに付与される寄生容量C2に起因する負荷にバラつきが生じる。また、図3に示すように、複数の映像信号線SLのそれぞれは、Y方向に延在し、表示領域DAと重畳する長さが互いに異なる。例えば図3に示す例では、映像信号線SL1よりもX2側にある映像信号線SLmが表示領域DAと重畳する長さは、映像信号線SL1が表示領域DAと重畳する長さよりも長い。また、図17に示す例では、表示装置DSP1は、映像信号線(第1映像信号線)SLd1と映像信号線(第2映像信号線)SLd2を有している。映像信号線SLd2が表示領域DAと重畳する長さは、映像信号線SLd1が表示領域DAと重畳する長さよりも長い。この場合、平面視において、映像信号線SLd1に接続されたトランジスタTr1(図7参照)の個数は、映像信号線SLに接続されたトランジスタTr1の個数よりも少ない。したがって、映像信号線SLd1に付与される寄生容量C2に起因する負荷は、映像信号線SLd2に付与される寄生容量C2に起因する負荷よりも小さい。
図18に示す表示領域DAとスイッチ回路SWSとの間に位置する周辺領域SAには、共通電極CEと重畳する領域と、共通電極CEと重畳しない領域とが含まれる。少なくとも映像信号線SLd2は、周辺領域SAにおいて、共通電極CEと重畳しない部分を有している。周辺領域SAにおいて、映像信号線SLd1が共通電極CEと重畳する長さは、映像信号線SLd2が共通電極CEと重畳する長さよりも長い。ここで、図7に示す複数の画素PXのそれぞれに付与される負荷要因のうち、映像信号線SLと共通電極CEの間の寄生容量C5に起因する負荷は、映像信号線SLと共通電極CEとが重畳する長さに比例して大きくなる。このため、周辺領域SAにおいて映像信号線SLd1に付与される寄生容量C5に起因する負荷は、映像信号線SLd2に付与される寄生容量C5に起因する負荷よりも大きい。したがって、寄生容量C2に起因する負荷のバラつきを、寄生容量C5に起因する負荷により補って負荷全体としてのバラつきを低減させることができる。
なお、上記した「周辺領域SAにおいて、映像信号線SLd1が共通電極CEと重畳する長さは、映像信号線SLd2が共通電極CEと重畳する長さよりも長い。」という表現には、映像信号線SLd1および映像信号線SLd2のそれぞれが、周辺領域SAにおいて、共通電極CEと重畳する態様の他、映像信号線SLd2が周辺領域SAでは共通電極CEと重畳しない態様も含まれる。
また、図17に示す例では、複数の映像信号線SLのそれぞれは、スイッチ回路SWSから表示領域DAまでの長さがそれぞれ異なる。複数の映像信号線SLは、映像信号線(第3映像信号線)SLd3と映像信号線(第4映像信号線)SLd4を有している。平面視において、スイッチ回路SWSから表示領域DAまでの映像信号線SLd4の長さは、スイッチ回路SWSから表示領域DAまでの映像信号線SLd3の長さよりも長い。図17に示すように、複数の走査信号線GLのうち、最もスイッチ回路SWSに近い位置に配置されている走査信号線GLn1は、表示領域DA内で映像信号線SLd3と交差している。映像信号線SLd3は、表示領域DAの外側(すなわち、周辺領域SA)で走査信号線GLと交差させる必要がないので、スイッチ回路SWSまでの長さを短くすることができる。一方、走査信号線GLn1は、表示領域DAの外(詳しくは表示領域DAとスイッチ回路SWSとの間)で映像信号線SLd4と交差している。スイッチ回路SWSから表示領域DAまでの映像信号線SLd4の長さが長ければ、周辺領域SAにおいて複数本の走査信号線GLと映像信号線SLd4とを交差させることができる。
このように、表示領域DAの外で、複数の走査信号線GLのうちの一部と映像信号線SLd4とを交差させることにより、複数の映像信号線SLと複数の走査信号線GLとが互いに交差する数を均一化することができる。図7を用いて説明したように、走査信号線GLと映像信号線SLとの間の寄生容量C1は、画素PXに付与される負荷要因の一つである。したがって、複数の映像信号線SLと複数の走査信号線GLとが互いに交差する数を均一化することで、画素PXに付与される負荷の面内分布のバラつきを低減させることができる。
また、図18に示す例では、映像信号線SLd3が共通電極CEと重畳する長さは、映像信号線SLd4が共通電極CEと重畳する長さよりも長い。一方、周辺領域SAにおいては、映像信号線SLd4が共通電極CEと重畳する長さは、映像信号線SLd3が共通電極CEと重畳する長さよりも長い。映像信号線SLd4は、映像信号線SLd3よりもX1側にあり、全体の長さが短い。このため、表示領域DA内では、映像信号線SLd3が共通電極CEと重畳する長さは、映像信号線SLd4が共通電極CEと重畳する長さよりも長くなる。この場合、図7を用いて説明した寄生容量C5に起因する負荷にバラつきが生じる。図18に示すように、周辺領域SAにおいては、映像信号線SLd4が共通電極CEと重畳する長さは、映像信号線SLd3が共通電極CEと重畳する長さよりも長い場合、寄生容量C5に起因する負荷のバラつきを低減できる。
以上、本願発明者が見出した技術について、一例としての実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、上記実施の形態においては、開示例として液晶表示装置の場合を例示したが、その他の適用例として、有機EL表示装置、その他の自発光型表示装置、あるいは電気泳動素子等を有する電子ペーパー型表示装置等、あらゆるフラットパネル型の表示装置が挙げられる。また、中小型から大型まで、特に限定することなく適用が可能である。
また例えば、正方形や長方形以外の異形の表示領域を有する表示装置の一例として、台形の表示領域を備える表示装置を取り上げて説明した。しかし、表示領域DAの形状は台形以外であっても良い。例えば、表示領域DAの形状が平行四辺形であっても良い。
また、例えば、上記実施の形態においては、図3に示すように複数の走査信号線GLのそれぞれの両端部が駆動回路GD1および駆動回路GD2に接続され、表示領域DAの内の全体を両側駆動方式で駆動する実施態様について説明した。しかし変形例として、表示領域DAの内の全体を片側駆動方式で駆動しても良い。この場合、例えば、図3に示す駆動回路GD1が無く、全ての走査信号線GLが駆動回路GD2により片側駆動方式で駆動されても良い。あるいは、複数の走査信号線GLのそれぞれが、駆動回路GD1および駆動回路GD2のうちのいずれか一方に接続され、他方には接続されていなくても良い。
また、例えば、図6など、駆動回路GDおよび駆動回路GDに接続された走査信号線GLの関係を説明する各図では、一つのシフトレジスタ回路GSRに一つのスイッチ回路GSWが接続された回路ブロックGDBのそれぞれに一本の走査信号線GLが接続されている例を示した。スイッチ回路GSWと走査信号線GLは、一対一で対応している必要があるが、例えば図19に示す変形例のように、一つのシフトレジスタ回路GSRに複数のスイッチ回路GSWが接続されていても良い。図19は、図6に示す回路ブロックに対する変形例を示す回路ブロック図である。図19に示す例では、複数のシフトレジスタ回路GSRのそれぞれには、4個のスイッチ回路GSWが接続されている。一つのシフトレジスタ回路GSRと4個のスイッチ回路のGSWのセットで一つの回路ブロックを構成する。また、複数のスイッチ回路のそれぞれには、一本の走査信号線GLが接続されている。
図19に示す変形例の場合、一つの回路ブロックGDBに含まれるスイッチ回路GSWのそれぞれに対して互いに独立したイネーブル線GWEが接続されている。この場合、シフトレジスタ回路GSRから供給されるパルス信号とイネーブル線GWEから供給されるパルス信号とを組み合わせることにより、複数の走査信号線GLのそれぞれに対して順次走査信号Gsi(図6参照)を伝送することができる。図19に示す変形例の場合、図6を用いて説明した例と比較して、シフトレジスタ回路GSRの数を低減できる。また、走査信号線GLの数が同じであると仮定した場合、図19に示すように、複数の走査信号線GLのそれぞれが、互いに独立した複数のイネーブル線GWEのうちのいずれかに接続されている構成は以下の点で有利である。すなわち、イネーブル線GWEに接続されるGSスイッチ回路GSWの数が少なくなる為(図の例では1/4)、イネーブルGWE線の負荷容量を低減する事ができる。
また、本明細書では、技術思想に基づく様々な実施態様について、複数の変形例に分けて説明したが、複数の実施態様(変形例)において、共通する部分については重複する説明は省略している。したがって、上記した複数の変形例のうち、二個以上を組み合わせて適用しても良い。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例および修正例に想到し得るものであり、それら変更例および修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
例えば、前述の各実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。