JP2018040856A - 光学装置、投影光学系、露光装置、および物品の製造方法 - Google Patents

光学装置、投影光学系、露光装置、および物品の製造方法 Download PDF

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Atsuo Endo
淳生 遠藤
望 和泉
Nozomi Izumi
望 和泉
一貴 木村
Kazutaka Kimura
一貴 木村
智浩 吉川
Tomohiro Yoshikawa
智浩 吉川
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Abstract

【課題】ミラーの反射面を精度よく変形させるために有利な技術を提供する。
【解決手段】ミラーの反射面を変形させる光学装置は、前記ミラーと対向して配置されたベース定盤と、前記ベース定盤と前記ミラーとの間に配置され、前記ミラーの複数箇所に力を加える複数のアクチュエータと、前記ベース定盤と前記ミラーとの間の距離を検出する検出部と、前記複数のアクチュエータの駆動により前記ベース定盤を予熱して前記ベース定盤を基準状態とする第1処理と、該第1処理を行った後、前記基準状態の前記ベース定盤の形状を示す形状情報と前記検出部での検出結果とに基づいて、前記反射面の形状が目標形状に近づくように前記複数のアクチュエータを駆動する第2処理とを行う処理部と、を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、ミラーの反射面を変形させる光学装置、それを用いた投影光学系、露光装置、および物品の製造方法に関する。
半導体デバイスなどの製造に用いられる露光装置では、解像度を向上させるため、投影光学系の光学収差を補正することが求められている。特許文献1には、投影光学系に含まれるミラーに複数のアクチュエータによって力を加え、ミラーの反射面を変形させることで、投影光学系の光学収差を補正する光学装置が提案されている。
特許第4330577号公報
ミラーの反射面を変形させる光学装置には、ベース定盤とミラーとの間に複数のアクチュエータを配置し、ベース定盤とミラーとの間の距離が所定の距離になるように複数のアクチュエータを制御するものがある。このように構成された光学装置では、基板の露光中において、ミラーの反射面の形状が目標形状となるように複数のアクチュエータを制御している間、複数のアクチュエータの各々での発熱によりベース定盤が徐々に(過渡的に)変形しうる。この状態では、ベース定盤とミラーとの間の距離が所定の距離になるように複数のアクチュエータを制御したとしても、ベース定盤の変形に起因してミラーの反射面も徐々に変形するため、ミラーの反射面の形状を目標形状とすることが困難になりうる。
そこで、本発明は、ミラーの反射面を精度よく変形させるために有利な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての光学装置は、ミラーの反射面を変形させる光学装置であって、前記ミラーと対向して配置されたベース定盤と、前記ベース定盤と前記ミラーとの間に配置され、前記ミラーの複数箇所に力を加える複数のアクチュエータと、前記ベース定盤と前記ミラーとの間の距離を検出する検出部と、前記複数のアクチュエータの駆動により前記ベース定盤を予熱して前記ベース定盤を基準状態とする第1処理と、該第1処理を行った後、前記基準状態の前記ベース定盤の形状を示す形状情報と前記検出部での検出結果とに基づいて、前記反射面の形状が目標形状に近づくように前記複数のアクチュエータを駆動する第2処理とを行う処理部と、を含むことを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、ミラーの反射面を精度よく変形させるために有利な技術を提供することができる。
第1実施形態の露光装置を示す図である。 第1実施形態の光学装置の構成例を示す図である。 アクチュエータの構成例を示す図である。 ベース定盤を加熱した時間とベース定盤の温度との関係を示す図である。 露光処理を示すフローチャートである。 ミラーおよびベース定盤の変形後の形状を示す図である。 各アクチュエータの駆動条件とベース定盤の形状との関係の生成方法を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材ないし要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
本発明に係る第1実施形態の露光装置100について、図1を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態の露光装置100を示す図である。第1実施形態の露光装置100は、照明光学系10と、マスク1を保持して移動可能なマスクステージ20と、投影光学系30と、基板2を保持して移動可能な基板ステージ40と、制御部50とを含みうる。制御部50は、例えばCPUやメモリなどを有するコンピュータによって構成され、基板2を露光する処理(露光装置100の各部)を制御する。
照明光学系10は、例えばスリットにより、光源(不図示)から射出された光を、Y方向に長い円弧状の光に整形し、整形した光(スリット光)でマスク1を照明する。マスク1および基板2は、マスクステージ20および基板ステージ40によってそれぞれ保持されており、投影光学系30を介して光学的にほぼ共役な位置(投影光学系30の物体面および像面の位置)に配置される。投影光学系30は、所定の投影倍率を有し、マスク1のパターン像を複数のミラーで反射させて基板2に投影する。そして、マスクステージ20および基板ステージ40を、投影光学系30の物体面と平行な方向(例えばX方向)に、投影光学系30の投影倍率に応じた速度比で相対的に移動させる。これにより、スリット光を基板上で走査して基板2の露光を行い、マスク1に形成されたパターンを基板2に転写する。
投影光学系30は、例えば、図1に示すように、台形ミラー31と、凹面ミラー32と、凸面ミラー33とを含むように構成されうる。照明光学系10から射出されてマスク1を透過した光は、台形ミラー31の面31aにより光路を折り曲げられ、凹面ミラー32の反射面32aの上部に入射する。凹面ミラー32の反射面32aの上部で反射した光は、凸面ミラー33の反射面で反射し、凹面ミラー32の反射面32aの下部に入射する。凹面ミラー32の反射面32aの下部で反射した光は、台形ミラー31の面31bにより光路を折り曲げられ、基板2に入射する。このように構成された投影光学系30では、凸面ミラー33の反射面が光学的な瞳となる。
露光装置100では、解像度を向上させるため、投影光学系30の光学収差を補正することが求められている。そのため、第1実施形態の露光装置100には、投影光学系30の凹面ミラー32の反射面32aを変形させる光学装置60が設けられる。そして、光学装置60によって凹面ミラー32の反射面32aを変形させることにより、投影光学系30の光学収差や、投影像の倍率、歪み、フォーカスを補正する。なお、反射面32aはX方向に変形させる。ここで、第1実施形態では、光学装置60によって凹面ミラー32の反射面32aを変形させる例について説明するが、例えば、投影光学系30における複数のミラーのうち少なくとも1つのミラーの反射面を光学装置60によって変形してもよい。また、本実施形態の光学装置60は、投影光学系30のミラーの反射面に限られず、例えば、望遠鏡に設けられたミラーの反射面を変形するために用いられてもよい。
次に、第1実施形態の光学装置60について、図2を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態の光学装置60の構成例を示す図である。第1実施形態の光学装置60は、例えば、ベース定盤61と、複数のアクチュエータ62と、検出部63と、処理部64とを含み、投影光学系30における凹面ミラー32(以下では、ミラー32と称する)の反射面32aを変形しうる。ベース定盤61は、ミラー32と対向して配置される。また、処理部64は、例えばCPUやメモリなどを有するコンピュータによって構成され、ミラー32の反射面32aを変形する処理を行う。
ミラー32は、光を反射する反射面32aと、反射面32aの反対側の面である裏面32bとを有し、ミラー32の中心を含むミラー32の一部(以下、中心部)が固定部材65を介してベース定盤61に固定されている。このようにミラー32の中心部をベース定盤61に固定するのは、露光装置100の投影光学系30に用いられるミラー32においては、ミラー32の中心部に光が照射されないことが多く、ミラー32の中心部を変形させる必要性が小さいからである。ここで、第1実施形態では、固定部材65によってミラー32の中心部をベース定盤61に固定しているが、固定部材65によってミラー32の任意の箇所をベース定盤61に固定してもよい。
複数のアクチュエータ62は、ミラー32の裏面32bに力を加えてミラー32とベース定盤61との間の距離を変更するように、ミラー32とベース定盤61との間に配置される。本実施形態では、各アクチュエータ62として、例えばボイスコイルモータ(以下、VCM)やリニアモータなど、互いに接触しない可動子62aおよび固定子62bを含む非接触型のアクチュエータを用いる例について説明する。非接触型のアクチュエータを各アクチュエータ62として用いる場合、可動子62aおよび固定子62bのうちの一方がミラー32の裏面32bに固定され、それらのうちの他方がベース定盤61に固定される。図1に示す例では、可動子62aがミラー32の裏面32bに固定され、固定子62bがベース定盤61に固定されている。ここで、各アクチュエータ62としては、非接触型のアクチュエータの代わりに、ピエゾアクチュエータなど、剛性の比較的大きいアクチュエータが用いられてもよい。この場合、各アクチュエータ62は、図3に示すように、ヒンジ66を介してミラー32の裏面32bに固定されてもよい。ヒンジ66および複数のアクチュエータ62によってミラー32を支持することができる場合には固定部材65を用いなくてもよい。
検出部63は、ミラー32の複数箇所において、ミラー32とベース定盤61との間の距離を検出する複数のセンサ63a(変位計)を含みうる。複数のセンサ63aの各々は、例えば静電容量センサやレーザ干渉計などによって構成され、各アクチュエータ62の近傍にそれぞれ配置されうる。また、処理部64は、検出部63(複数のセンサ63a)での検出結果に基づいて、ミラー32の反射面32aの形状が目標形状になるように複数のアクチュエータ62をフィードバック制御する。例えば、処理部64は、各センサ63aで検出された距離と目標距離との偏差が小さくなるように(零に近づくように)各アクチュエータ62を制御するための指令値を決定し、決定した指令値に基づいて各アクチュエータ62を制御する。目標距離とは、ミラー32の反射面32aの形状を目標形状とするためのミラー32とベース定盤61との間の距離のことであり、ミラー32の複数箇所の各々について決定されうる。ここで、第1実施形態では、光学装置60の処理部64が、露光装置100の制御部50と一体に構成されうるが、別々に構成されてもよい。
このように構成された光学装置60では、ミラー32の反射面32aの形状が目標形状となるように複数のアクチュエータ62を制御している間(基板を露光している間)、各アクチュエータ62での発熱によりベース定盤61が徐々に(過渡的に)変形しうる。この状態では、検出部63での検出結果に基づいて複数のアクチュエータ62を制御し、ミラー32とベース定盤61との間の距離を制御したとしても、ベース定盤61の変形に起因してミラー32の反射面32aも徐々に変形する。そのため、ミラー32の反射面32aの形状を目標形状とすることが困難になりうる。したがって、光学装置60では、基板2を露光している間のベース定盤61の変形を、できる限り低減させることが好ましい。
ここで、ベース定盤61の温度特性について説明する。図4は、ベース定盤61に与える単位時間あたりの熱量Qを一定としてベース定盤61を加熱した時間とベース定盤61の温度との関係を示す図である。図4に示すように、ベース定盤61は、温度が高くなるにつれて、温度変化率(単位時間当たりの温度変化)が小さくなっていき、熱的に安定した熱平衡状態となる。この熱平衡状態では、ベース定盤61の温度がほとんど変わらないため、ベース定盤61の変形もほとんど生じない。つまり、ベース定盤61は、その温度が高いほど温度変化率が小さくなり、変形しづらくなる。また、基板2を露光している間(ミラー32の反射面32aの形状が目標形状になるように複数のアクチュエータ62の各々を制御している間)におけるベース定盤61の温度低下は、ほぼ無視できる程度に小さい。したがって、ベース定盤61を予熱して変形させた状態にしておけば、基板2を露光している間におけるベース定盤61の変形を低減することができる。
そこで、本実施形態の光学装置60は、複数のアクチュエータ62を駆動して発熱させることによりベース定盤61を予熱して基準状態とする第1処理を行う。そして、第1処理の後に、基準状態におけるベース定盤61の形状を示す形状情報と検出部63での検出結果とに基づいて、ミラー32の反射面32aの形状が目標形状に近づくように複数のアクチュエータの各々を制御する第2処理を行う。これにより、第2処理(基板2の露光中)におけるベース定盤61の変形を低減することができる。ここで、ベース定盤61の形状とは、複数のアクチュエータ62が配置されたベース定盤61の面(ミラー側の面)における複数箇所の各々での位置(X方向)のマップのことである。
以下に、本実施形態の露光装置100における露光処理のフローについて、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施形態の露光装置100における露光処理を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートの各工程は、制御部50(処理部64)によって実行されうる。フローチャートの開始前において、処理部64に含まれるメモリには、ベース定盤61を基準状態にするための各アクチュエータ62の駆動条件(所定の駆動条件)、および、基準状態のベース定盤の形状を示す形状情報が記憶されている。また、当該メモリには、ベース定盤61の形状情報に基づく基板2の露光中のベース定盤61とミラー32との目標距離も記憶されている。
S11では、制御部50は、メモリに記憶された駆動条件に基づいて複数のアクチュエータ62を駆動して発熱させることにより、図6示すように、ベース定盤61を予熱して基準状態とする(第1処理)。図6では、ベース定盤61を基準状態としたときのミラー32およびベース定盤61の形状を破線で示している。S11の工程では、熱平衡状態を基準状態として適用し、ベース定盤61が熱平衡状態になるように複数のアクチュエータ62を駆動する。しかしながらそれに限られるものではなく、例えば熱平衡状態となる前のベース定盤61の状態を基準状態としてもよい。また、S11の工程では、複数のアクチュエータ62の各々での発熱量が同じになるように各アクチュエータ62を駆動することが好ましい。ここで、S11の工程(第1処理)は、基板2に形成された複数のショット領域の各々に対する露光処理のうち最初の露光処理の前に行われうるが、それに限られるものではなく、例えば、2番目以降の露光処理の前に行われてもよい。即ち、S11の工程は、露光処理と露光処理との間のアイドリング期間に行われてもよい。また、S11の工程は、露光装置100を立ち上げた後の最初の露光処理の前に行われてもよい。
S12では、制御部50は、基板2に形成された複数のショット領域のうちの対象ショット領域の露光を行う。このとき、制御部50は、基準状態でのベース定盤61の形状を示す形状情報と、検出部63での検出結果とに基づいて、ミラー32の反射面32aの形状が目標形状となるように複数のアクチュエータ62の各々を制御する(第2処理)。例えば、制御部50は、形状情報におけるベース定盤61の形状(基準状態でのベース定盤61の形状)を基準としてミラー32の反射面32aの形状を目標形状とするためのミラー32とベース定盤61との目標距離をミラーの複数箇所の各々について求める。そして、制御部50は、検出部63での検出結果に基づいて、ミラー32とベース定盤61との距離が当該目標距離になるように複数のアクチュエータ62の各々をフィードバック制御する。これにより、対象ショット領域の露光を行っている間において、ミラー32の反射面32aの形状を目標形状とすることができる。
ここで、メモリに記憶されている前述の形状情報について説明する。形状情報は、例えば、S11の工程(第1処理)の前に、所定の駆動条件に従って各アクチュエータ62を駆動したときのベース定盤の状態を基準状態として事前に生成(取得)されうる。このように生成された形状情報を用いる場合、S11の工程では、形状情報を生成するために用いられた当該所定の駆動条件に従って複数のアクチュエータ62の各々を駆動することによりベース定盤61を基準状態とする。駆動条件は、例えば、複数のアクチュエータ62の各々を駆動するための指令値および時間のうち少なくとも一方を含みうる。アクチュエータ62を駆動するための指令値は、アクチュエータの種類に応じて異なり、例えば電流値または電圧値である。
例えば、各アクチュエータ62としてVCMが用いられる場合、アクチュエータ62を駆動するための指令値は電流値であり、VCMの単位時間当たりの発熱量Qは、Q=d・A /Rで表されうる。dはVCMの熱損失係数、RはVCMの抵抗値、AはVCMを駆動する際の電流値である。制御部50は、電流値A(第1電流値)で各VCMを駆動し続け、VCMの駆動を開始してからベース定盤が熱平衡状態となるまでの時間(第1時間)を求める。そして、第1時間において第1電流値で各VCMを駆動したときのミラー32の反射面32aの形状を外部の計測器で計測するとともに、ミラー32とベース定盤61との間の距離を検出部63に検出させる。これにより、外部の計測器での計測結果と検出部63での検出結果とに基づいて、第1時間の間において第1電流値で各アクチュエータ62(各VCM)を駆動したときの形状情報を生成することができる。そして、このように生成された形状情報を用いる場合、制御部50(処理部64)は、S11の工程において、第1時間において第1電流値で各アクチュエータ62を駆動することによりベース定盤61を熱平衡状態(基準状態)とする。
ここで、形状情報を生成する工程は、例えば、光学装置60を投影光学系30に搭載する前に事前に行われるとよい。また、外部の計測器としては、例えばシャックハルトマンセンサなどが用いられうる。なお、アクチュエータ62に固定の電流値しか入力しない場合には、駆動条件は時間だけでよく、アクチュエータ62に経時変化する電流を入力することができる場合には、駆動条件は電流値および時間である。後者の倍には、電流値を時間で積分した値に基づいて、ベース定盤61を基準状態にするための駆動条件を定めてもよい。
一方、各アクチュエータ62としてピエゾアクチュエータが用いられる場合、アクチュエータ62を駆動するための指令値は電圧値である。ピエゾアクチュエータは、ピエゾアクチュエータ内のコンデンサの電圧を変化させることにより駆動し、当該電圧変化に伴い電流が流れることで発熱する。ピエゾアクチュエータの単位時間当たりの発熱量Qは、Q=d・R・ΔV で表されうる。dはピエゾアクチュエータの熱損失係数、Rはピエゾアクチュエータの抵抗値、ΔVはピエゾアクチュエータに印加される単位時間当たりの電圧変化である。制御部50は、第1電圧をΔVで電圧変化させながら各ピエゾアクチュエータを駆動し続け(駆動量を変化させ続け)、駆動を開始してからベース定盤61が熱平衡状態となるまでの時間(第1時間)を求める。そして、ΔVで電圧変化させながらベース定盤61が基準状態となるまで各ピエゾアクチュエータを駆動したときのミラー32の反射面32aの形状を外部の計測器で計測するとともに、ミラー32とベース定盤61との間の距離を検出部63に検出させる。これにより、外部の計測器での計測結果と検出部での検出結果とに基づいて、ベース定盤61が基準状態となるまで各アクチュエータ62(各ピエゾアクチュエータ)を駆動したときの形状情報を生成することができる。
図5のフローチャートに戻り、S13では、制御部50は、次に露光処理を行うべきショット領域(次のショット領域)が基板上にあるか否かを判断する。即ち、制御部50は、ミラー32の反射面32aの形状が目標形状となるように複数のアクチュエータ62の各々を制御する第2処理を伴う露光処理を、基板上のショット領域の数に応じて複数回行う。基板上に次のショット領域がある場合はS14に進み、基板上に次のショット領域が無い場合は終了する。
S14では、制御部50は、基板2を露光していない期間(複数回の露光処理(第2処理)の間の期間)において、ベース定盤61が基準状態となるように各アクチュエータ62を駆動する(第3処理)。即ち、制御部50は、基板2を露光していない期間において、ベース定盤61の形状が、S11の工程(第1処理)による変形後の形状になるように各アクチュエータ62を駆動する。例えば、S12での対象ショット領域の露光において各アクチュエータ62が個別に制御されると、S12の工程における各アクチュエータ62での発熱量の差によりベース定盤61に温度分布のムラが生じ、ベース定盤61が局所的に変形しうる。このようにベース定盤61が局所的に変形した状態では、次のショット領域の露光の際、事前に生成された形状情報を用いて各アクチュエータ62を制御しても、ミラー32の反射面32aの形状を目標形状とすることが困難になりうる。
そのため、S14の工程において、制御部50は、ベース定盤61が基準状態となるように各アクチュエータ62を駆動する。例えば、制御部50は、S14の工程(第3処理)およびその直前のS12の工程(第2処理)における消費電力の合計が複数のアクチュエータ62の各々で同じになるように各アクチュエータ62を駆動するとよい。一例として、複数のアクチュエータ62が第1アクチュエータと第2アクチュエータとを含み、S12の工程において、第1アクチュエータの発熱量よりも第2アクチュエータの発熱量の方が少ないとする。この場合、その直後のS14の工程では、第2アクチュエータの発熱量よりも第1アクチュエータの発熱量の方が多くなる駆動条件で各アクチュエータ62を駆動することが好ましい。また、制御部50は、S14の工程において、ベース定盤61が基準状態としての熱平衡状態となるように各アクチュエータ62を制御するとよい。これにより、制御部50は、次のショット領域の露光において、事前に生成された形状情報および検出部63での検出結果に基づいて各アクチュエータ62を制御することで、ミラー32の反射面32a形状を目標形状とすることができる。ここで、本実施形態におけるS14の工程は、S13の工程の後に行われているが、S13の工程と同時に行われてもよいし、S12の工程の後かつS13の工程の前に行われてもよい。
このように、本実施形態の光学装置60は、ミラー32の反射面32aの形状が目標形状となるように各アクチュエータ62を制御する前(基板2を露光する前)に、各アクチュエータ62を駆動することによりベース定盤61を予熱して基準状態とする。これにより、基板2を露光している間におけるベース定盤61の変形を低減することができる。これにより、反射面32aの形状を目標形状に近づけることができる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、所定の駆動条件に従って各アクチュエータ62を駆動することにより、基準状態(例えば熱平衡状態)でのベース定盤61の形状を示す形状情報を事前に生成する例について説明した。しかしながら、本発明は、形状情報を事前に生成することに限定されるものではない。例えば、S11の工程(第1処理)においてベース定盤61を基準状態とするために各アクチュエータ62を実際に駆動したときの駆動条件に基づいて形状情報を生成してもよい。
そこで、第2実施形態の光学装置(制御部50(処理部64))は、各アクチュエータ62の駆動条件とベース定盤の形状との関係を事前に求めておき、第1処理を終えたときまでのアクチュエータ62の駆動条件に基づいて形状情報を生成する(求める)。当該形状情報は、第1処理を終えるごとに生成されうる。具体的には、制御部50は、S11の工程(第1処理)において各アクチュエータ62を実際に駆動したときの駆動条件に対応するベース定盤61の形状を、当該関係に基づいて求めることにより形状情報を生成する。駆動条件は、第1実施形態と同様である。
以下に、各アクチュエータ62の駆動条件とベース定盤61の形状との関係を生成する方法について、図7を参照しながら説明する。図7は、各アクチュエータ62の駆動条件とベース定盤61の形状との関係の生成方法を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートは、例えば、光学装置60を投影光学系30に搭載する前に事前に行われうる。また、ここでは、アクチュエータ62としてVCMを用い、電流値を一定として各アクチュエータ62(VCM)を駆動した時間(駆動時間)を駆動条件として用いる例について説明する。
S21では、初期温度に設定されたベース定盤61の形状を取得する。例えば、ベース定盤61の温度を初期温度に設定し、そのときのミラー32の反射面32aの形状を外部の計測器で計測するとともに、ミラー32とベース定盤61との間の距離を検出部63に検出させる。これにより、外部の計測器での計測結果と検出部63での検出結果とに基づいて、初期温度に設定されたベース定盤61の形状を取得することができる。ここで、初期温度は、例えば、投影光学系30の内部において設定されうる雰囲気温度と同じ温度に設定されることが好ましい。
S22では、所定の電流値での各アクチュエータ62の駆動を開始する。S23では、所定の電流値での各アクチュエータ62の駆動が所定の時間tが経過したか否かを判断する。所定の時間tが経過していない場合はS23を繰り返し、所定の時間tが経過した場合はS24に進む。S24では、ミラー32の反射面32aの形状を外部の計測器で計測するとともに、ミラー32とベース定盤61との間の距離を検出部63に検出させる。これにより、外部の計測器での計測結果と検出部63での検出結果とに基づいて、ベース定盤61の形状を取得することができる。S25では、ベース定盤が熱平衡状態になったか否かを判断する。ベース定盤が熱平衡状態になっていない場合はS22に戻り、ベース定盤が熱平衡状態になった場合はS26に進む。S26では、S21〜S25において所定の時間tごとに取得したベース定盤61の形状に基づいて、複数のアクチュエータ62の駆動条件(駆動時間)とベース定盤61の形状との関係(例えばテーブルや式)を生成する。
このように、本実施形態では、複数のアクチュエータ62の駆動条件とベース定盤61の形状との関係を事前に求めておく。これにより、S11の工程においてベース定盤61を基準状態とするために各アクチュエータ62を実際に駆動したときの駆動条件から形状情報を生成することができる。ベース定盤61に予熱を与えておくことで、基板2を露光している間におけるベース定盤61の過渡的な変形を低減することができる。これにより、反射面32aの形状を目標形状に近づけることができる。
<物品の製造方法の実施形態>
本発明の実施形態に係る物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品の製造方法は、基板に塗布された感光剤に上記の露光装置を用いて潜像パターンを形成する工程(基板を露光する工程)と、かかる工程で潜像パターンが形成された基板を現像する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1:マスク、2:基板、10:照明光学系、20:マスクステージ、30:投影光学系、32:ミラー、40:基板ステージ、50:制御部、60:光学装置、61:ベース定盤、62:アクチュエータ、63:検出部、64:処理部

Claims (12)

  1. ミラーの反射面を変形させる光学装置であって、
    前記ミラーと対向して配置されたベース定盤と、
    前記ベース定盤と前記ミラーとの間に配置され、前記ミラーの複数箇所に力を加える複数のアクチュエータと、
    前記ベース定盤と前記ミラーとの間の距離を検出する検出部と、
    前記複数のアクチュエータの駆動により前記ベース定盤を予熱して前記ベース定盤を基準状態とする第1処理と、該第1処理を行った後、前記基準状態の前記ベース定盤の形状を示す形状情報と前記検出部での検出結果とに基づいて、前記反射面の形状が目標形状に近づくように前記複数のアクチュエータを駆動する第2処理とを行う処理部と、
    を含むことを特徴とする光学装置。
  2. 前記形状情報は、前記第1処理の前に、前記ベース定盤が前記基準状態となるまで所定の駆動条件に従って前記複数のアクチュエータを駆動することにより生成された情報である、ことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記処理部は、前記複数のアクチュエータの駆動条件と前記ベース定盤の形状との関係に基づいて、前記第1処理において前記複数のアクチュエータを実際に駆動したときの駆動条件に対応する前記ベース定盤の形状を求めることにより前記形状情報を生成する、ことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  4. 前記駆動条件は、前記複数のアクチュエータの各々を駆動するための指令値および時間のうち少なくとも一方を含む、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の光学装置。
  5. 前記処理部は、前記第1処理において、前記複数のアクチュエータの各々での発熱量が同じになるように前記複数のアクチュエータの各々を駆動する、ことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の光学装置。
  6. 前記処理部は、前記ベース定盤が前記基準状態としての熱平衡状態になるように前記第1処理を行う、ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の光学装置。
  7. 前記処理部は、前記第2処理を複数回行い、複数回の前記第2処理の間の期間において、前記ベース定盤が前記基準状態となるように前記複数のアクチュエータを駆動する第3処理を行う、ことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の光学装置。
  8. 前記複数のアクチュエータは、第1アクチュエータと、前記第3処理の直前の前記第2処理において前記第1アクチュエータよりも発熱量が少ない第2アクチュエータとを含み、
    前記処理部は、前記第3処理において、前記第1アクチュエータよりも前記第2アクチュエータの発熱量が多くなるように前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータを駆動する、ことを特徴とする請求項7に記載の光学装置。
  9. 前記処理部は、前記ベース定盤が前記基準状態としての熱平衡状態になるように前記第3処理を行う、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の光学装置。
  10. マスクのパターン像を複数のミラーで反射させて基板に投影する投影光学系であって、
    前記複数のミラーのうち少なくとも1つのミラーの反射面を変形させる請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の光学装置を含む、ことを特徴とする投影光学系。
  11. 基板を露光する露光装置であって、
    請求項10に記載の投影光学系を含む、ことを特徴とする露光装置。
  12. 請求項11に記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
    前記工程で露光された前記基板を現像する工程と、
    を含むことを特徴とする物品の製造方法。
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