JP2018039124A - 液体噴射装置 - Google Patents

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知機 宇田川
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【課題】キャリッジに搭載された気体収容室を加減圧する加減圧機構をコンパクトに構成できる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体噴射装置11は、液体供給源の一例である液体収容体20から液体供給流路37を介して供給される液体をターゲットの一例としての媒体に対して噴射する液体噴射部33を備える。液体噴射装置11は、液体噴射部33を搭載し、媒体に対して移動するキャリッジ32と、キャリッジ32に搭載された気体収容室(減圧室48と加圧室83a)と、液体噴射装置11のキャリッジ32外に配置され、気体収容室と接続された1系統の気体流路87に気体を送出および気体流路87から気体を吸引可能なポンプ86とを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、液体噴射部を搭載するキャリッジを備える液体噴射装置に関する。
液体噴射装置の一例として、例えば特許文献1には、用紙等のターゲットに対して移動可能に設けられるとともに液体噴射部を有するキャリッジを備えたプリンター装置が開示されている。このプリンター装置は、キャリッジに搭載されたサブタンクと、キャリッジに搭載されたサブタンクと、一台のポンプと、ポンプを用いてサブタンクを負圧状態に減圧するサブタンク減圧部及び正圧状態に加圧するサブタンク加圧部と、メインタンクに貯留されたインクをサブタンクに移送するインク移送部とを備えている。サブタンク内は、液体が貯留される領域である液体供給流路(液体貯留領域)と、気体が収容される領域である気体収容室(気体収容領域)とが含まれる。そして、ポンプに気体が吸引されることでサブタンク内の気体収容室が負圧状態に減圧され、メインタンクからサブタンクにインクが移送される。また、ポンプから送出された気体が気体収容室を加圧することでサブタンクが正圧に加圧され、液体噴射部から液体が流出するクリーニングが行われる。
特開2009−226626号公報
ところで、特許文献1に記載の液体噴射装置では、キャリッジに搭載されたサブタンク内の気体収容室を減圧するためにポンプとキャリッジとの間を接続する減圧用の気体流路と、気体収容室を加圧するためにポンプとキャリッジとの間を接続する加圧用の気体流路との2系統の気体流路が必要であった。そのため、キャリッジ上のサブタンク内の気体収容室を加減圧するために設けられた、ポンプ、サブタンク減圧部およびサブタンク加圧部等を含む加減圧機構の構成が複雑になるという課題があった。なお、キャリッジに搭載された気体収容室が、1つの場合に限らず、少なくとも1つの減圧室と少なくとも1つの加圧室とを含む構成の場合も、ポンプとキャリッジとの間を減圧用と加圧用との2系統の気体流路で接続する必要があり、上記の課題は概ね共通したものとなっている。
本発明の目的は、キャリッジに搭載された気体収容室を加減圧する加減圧機構をコンパクトに構成できる液体噴射装置を提供することにある。
上記課題を解決する液体噴射装置は、液体供給源から液体供給流路を介して供給される液体をターゲットに対して噴射する液体噴射部を備える液体噴射装置であって、前記液体噴射部を搭載し、前記ターゲットに対して移動するキャリッジと、前記キャリッジに搭載された気体収容室と、前記液体噴射装置の前記キャリッジ外に配置され、前記気体収容室と接続された1系統の気体流路に気体を送出および該気体流路から気体を吸引可能なポンプと、を備える。
この構成によれば、気体の送出と気体の吸引とが可能なポンプとキャリッジに搭載された気体収容室とを1系統の気体流路で接続したので、ポンプ、気体流路および気体収容室を含む加減圧機構を小型化することができる。
上記液体噴射装置において、前記気体収容室は、前記液体供給流路と隣合う位置に設けられ減圧される減圧室と、該液体供給流路を押圧して前記液体を前記液体噴射部から排出させる加圧室と、を含むことが好ましい。
この構成によれば、気体収容室が減圧室と加圧室とを含むので、液体供給流路内の液体の脱気や脱泡と、液体供給流路の押圧による液体噴射部からの液体の排出とを行うことにより、液体噴射部の液体の噴射状態をより一層正常に維持し易くすることができる。
上記液体噴射装置において、前記気体流路は、前記減圧室と前記加圧室とを接続するキャリッジ上気体流路と接続位置で接続され、前記キャリッジ上気体流路の前記接続位置より前記減圧室側には、該減圧室を減圧する方向の気体の流れを許容し、該減圧室を加圧する方向の気体の流れを規制する一方向弁が設けられており、前記加圧室の前記液体供給流路を押圧する押圧部は、可撓性部材で形成されていることが好ましい。
この構成によれば、ポンプが気体を送出する加圧駆動と気体を吸引する減圧駆動とに切り替えられることで、1系統の気体流路を通じて減圧室の減圧と加圧室の加圧とを容易に実現できる。また、ポンプを減圧駆動から加圧駆動に切り替えても、減圧室を減圧状態に維持することができる。
上記液体噴射装置において、前記液体供給流路と前記気体流路は可撓性の材料で一体形成されていることが好ましい。
この構成によれば、装置本体とキャリッジとの間に接続される可撓性の流路を小型化することができる。
上記液体噴射装置において、前記ポンプはチューブポンプであって、内部に流路を有するチューブを支持するフレームと、駆動源からの動力により軸中心に回転可能な回転体と、前記回転体に支持され、前記チューブを押圧可能に前記軸中心に回転する押圧ローラーと、を備え、前記回転体は、該回転体の前記回転方向に沿って延びており前記押圧ローラーに前記チューブの前記流路を閉塞させる閉塞位置と該流路の閉塞を解除させる解除位置とが設けられたガイド部を有し、前記チューブは、前記回転体の一の方向への回転により前記流路が閉塞され、前記回転体の他の方向への回転により前記流路が閉塞された状態から該流路の閉塞が解除された後、前記流路が閉塞され、前記チューブの一端が前記気体流路と接続され、前記回転体の前記一の方向への回転により前記チューブの前記一端側から気体を吸引し、前記回転体の前記他の方向への回転により前記チューブの前記一端側から気体を送出することが好ましい。
この構成によれば、加減圧ポンプの構成として好適に採用できる。
液体噴射装置の実施形態を示す斜視図。 液体噴射装置の正面図。 液体噴射装置の全体構成を示す模式側面図。 液体噴射装置の構成を示す模式平断面図。 液体噴射装置における液体供給系および加減圧機構を示す模式図。 チューブポンプの第1実施形態を示す断面図。 図6のチューブポンプが備える回転体及び押圧ローラーの斜視図。 チューブポンプの第2実施形態を示す断面図。 チューブポンプの第3実施形態を示す斜視図。 図9のチューブポンプの分解斜視図。 図9のチューブポンプの分解斜視図。 図9のチューブポンプの内部構成を示す模式図。 圧送機構の変更例を示す断面図。 液体噴射装置における加減圧機構の変更例を示す要部模式図。 加減圧機構の図14と異なる変更例を示す要部模式図。 加減圧機構の図15と異なる変更例を示す要部模式図。 液体噴射装置の変更例を示す断面図。
以下、液体噴射装置の実施形態について、図を参照して説明する。液体噴射装置は、例えば、ターゲットの一例である用紙などの媒体に液体の一例であるインクを噴射することによって記録(印刷)を行うインクジェット式のプリンターである。
<液体噴射装置の実施形態>
図1に示すように、本実施形態の液体噴射装置11は、例えばJIS規格のA0判やB0判などといった比較的大きいサイズの媒体Sに印刷を行うラージフォーマットプリンター(LFP)である。
液体噴射装置11は、筐体12と、筐体12を支持する支持脚部13と、筐体12の上に配置される液体供給装置14と、を備える。液体供給装置14は、液体を収容する液体供給源の一例としての液体収容体20を装着可能な1または複数(本実施形態では4つ)の収容体保持部16と、収容体保持部16の基端側に設けられた回動軸17と、を備える。収容体保持部16は、装着された液体収容体20を保持する。
筐体12において印刷済みの媒体Sが出てくる側を前側とすると、筐体12の前側には、液体噴射装置11の操作を行う操作部18が設けられている。また、筐体12の前面部分からは、印刷済みの媒体Sを支持しつつ下方に向けて案内する支持突部19が突出している。
図2に示すように、筐体12は、その長手方向(図2では左右方向)において、支持突部19など、媒体Sの搬送路が配置される中央部分と、搬送路の外側となる両端部分とに区分される。液体供給装置14は、媒体Sの搬送路が配置される長手方向の中央部分に配置することが好ましい。
収容体保持部16が複数ある場合、複数の収容体保持部16は、筐体12の長手方向に並ぶように配置するとよい。液体収容体20は、収容体保持部16が図2に示す着脱位置にあるときに、収容体保持部16に着脱される。そのため、収容体保持部16は、着脱位置において、液体収容体20の高さよりも幅及び奥行きが長くなる平置き姿勢になることが好ましい。このような平置き姿勢にすると、大型の液体収容体20であっても、高さを抑えつつ、安定して着脱操作を行うことができる。また、液体収容体20の水平移動により収容体保持部16に対する着脱が行われるようにすると、液体収容体20の自重が着脱操作に影響しにくい。
図3に示すように、液体噴射装置11は、円筒状に巻かれた使用前の媒体S(例えば、ロール紙)を回転可能に保持する給送機構25と、筐体12から出てきた印刷済みの媒体Sを巻き取る巻取機構26と、筐体12から出た媒体Sにテンションを与えるテンションバー27と、を備えてもよい。この構成によれば、円筒状に巻かれた長尺の媒体Sに連続的に記録処理を行うことができる。
筐体12内には、液体噴射部33を搭載し、媒体Sに対して移動するキャリッジ32が設けられている。詳しくは、筐体12内には、長手方向に延びるガイド軸31と、ガイド軸31に沿って往復移動するキャリッジ32と、キャリッジ32に保持された1または複数(本実施形態では2つ)の液体噴射部33(図4を併せて参照)と、筐体12内で媒体Sの搬送路を形成する支持部34と、筐体12内で媒体Sを搬送する搬送機構35と、が収容されている。
液体噴射部33は、複数のノズル36を有して、搬送機構35より支持部34上を搬送される媒体Sに向けて、ノズル36から液体を噴射することによって、記録処理を行う。本実施形態において、キャリッジ32の移動方向と筐体12の長手方向は一致する。また、支持部34上における媒体Sの搬送路はキャリッジ32の移動方向と交差(好ましくは直交)する。
キャリッジ32には、液体収容体20に収容された液体を液体噴射部33に向けて流動させる液体供給流路37が接続されている。収容体保持部16は、装着された液体収容体20に収容された液体とノズル36との高低差によって発生する水頭によって、液体を液体噴射部33に供給可能な位置に配置される。なお、「水頭」とは、液体の持つ圧力を液柱の重力方向の高さに置き換えたものであり、長さの次元(例えばm)を持つ。例えば、液体が水で水頭1mを圧力換算した場合、9.8kPaとなる。
収容体保持部16は、図3に実線で示す着脱位置と、図3に二点鎖線で示す供給位置との間で移動可能に設けられる。本実施形態では、収容体保持部16は回動軸17を中心に略90度回動することによって、供給位置と着脱位置との間で移動する。収容体保持部16が複数ある場合、複数の収容体保持部16が個別に回動する構成にしてもよいし、複数の収容体保持部16がまとめて回動する構成にしてもよい。
収容体保持部16は、回動軸17を中心として、図示しない駆動源の駆動力により回動する構成にすることもできるし、手動により回動する構成にすることもできる。収容体保持部16を回動させるための駆動源は、例えば、円筒状に巻かれた未使用の媒体Sを巻き解いたり、印刷済みの媒体Sを巻き取ったりするために設けられたモーターと兼用してもよい。収容体保持部16を手動で回動させる場合、収容体保持部16には取っ手15を設けてもよい。
なお、回動角度を90度より小さくして、液体収容体20が水平に対して斜めになる姿勢を、収容体保持部16の着脱位置または供給位置にしてもよい。いずれにしても、供給位置での液体収容体20に収容された液体とノズル36との高低差によって発生する水頭を圧力換算した値が、記録処理のために液体が噴射されるときに発生する圧力損失よりも大きいことが好ましい。
供給位置において、収容体保持部16に装着された液体収容体20は、着脱位置にあるときよりも高さが長くなる縦置き姿勢になることが好ましい。また、着脱位置においては、装着された液体収容体20の位置が供給位置より低くなることが好ましい。
液体収容体20は、例えば、可撓性を有する袋からなる液体収容部21と、液体収容部21を収容するケース22とを有するカートリッジであってもよいし、液体を直接収容するタンクであってもよい。また、液体収容体20としての可撓性を有する袋からなる液体収容部21を収容体保持部16に着脱可能なトレーにセットし、そのトレーとともに液体収容部21を収容体保持部16に装着する形態であってもよい。液体収容部21は、収容した液体の出口となる導出部23を有し、収容体保持部16への装着時に、導出部23を通じて液体を供給可能な状態になるように、液体供給流路37の上流端に接続される。供給位置においては、導出部23が液体収容部21の下に配置されるようにすると、水頭によって液体が液体収容部21から流出しやすい。
液体噴射装置11は、液体収容体20から液体噴射部33に向けて液体を強制的に流動させる圧送機構38と、液体噴射装置11が備える各種機構の制御を行う制御部100と、を備える。圧送機構38による液体の加圧力は、供給位置における水頭を圧力換算した値よりも大きいことが好ましい。制御部100は、所定のタイミングで圧送機構38の駆動制御を行うことによって、水頭による液体の供給と圧送機構38による液体の供給とを切り替える。
液体収容体20において、閉じた袋からなる液体収容部21に液体を収容(充填)している場合、その収容された液体には、「水頭中心」が存在する。「水頭中心」とは、内部空間が大気に開放されたいわゆる開放系の液体収容部において、収容される液体の液面に相当するものである。そして、供給位置に配置された液体収容部21に収容された液体により発生するノズル36に対する水頭(液体の持つ位置エネルギー)は、この「水頭中心」とノズル36との高低差により定義される。
「水頭中心」は、開放系の液体収容部に収容される液体の液面と同様に、液体収容部21に収容される液体の残量が少なくなると、重力方向における下方に移動する。本実施形態における未使用状態の液体収容部21には、「水頭中心」が供給位置に配置された液体収容部21の高さの半分程度となるように液体が充填されており、水頭の最大値は図3の高低差Hに相当する。
液体供給流路37は、収容体保持部16につながる上流側で2つの分岐流路37a,37bに分岐してもよい。この場合、分岐した一方の分岐流路37aに圧送機構38を設け、分岐した他方の分岐流路37bには、下流への液体の流動を許容するとともに上流への液体の流動を抑制する一方向弁40を設けるとよい。
液体供給流路37において分岐流路37a,37bより上流には、開閉弁39が設けられている。開閉弁39は、開弁状態になったときに液体の流動を許容し、閉弁状態になったときに液体の流動を規制する。開閉弁39は、制御部100の開閉制御により、開弁状態と閉弁状態とに切替可能な構成とすることが好ましい。
図4に示すように、液体供給流路37は、筐体12内において長手方向の端部で延設方向が反転するように引き回されて、その下流側がキャリッジ32に接続されている。
液体供給流路37には、キャリッジ32に搭載され、液体に混入した気泡等の異物を捕捉するフィルターユニット41を設けることが好ましい。フィルターユニット41は、キャリッジ32の外側に露出させておくと、交換等のメンテナンスを容易に行うことができる。液体供給流路37には、例えばフィルターユニット41の下流側などに、液体の流れに方向転換や分割などの変化を起こすスタティックミキサー42(図5を併せて参照)を設けると、液体中の濃度の偏りを低減することができる。
図4における右端側をキャリッジ32の往路移動の始端とすると、搬送路の外側となる筐体12内の右側部分には、液体噴射部33のメンテナンスを行うために設けられたメンテナンス機構50が配置されている。メンテナンス機構50は、液体噴射部33を払拭する払拭部材51を有する払拭装置52と、液体噴射部33が噴射する液体を受容する液体受容部53を有するフラッシングユニット54と、液体噴射部33のクリーニングを行うクリーニング機構55と、を備える。払拭装置52、フラッシングユニット54及びクリーニング機構55は、支持部34と長手方向に並ぶように配置される。
払拭装置52は、払拭部材51を液体噴射部33と相対移動させることにより、液体噴射部33を払拭するワイピングを行う。フラッシングユニット54は、ノズル36の目詰まりの予防または解消を目的として、ノズル36から液滴を吐き捨てるフラッシングを行うときに、吐き捨てられた液体を液体受容部53で受容する。液体受容部53は、例えば、回転する無端状のベルトで構成することができる。
図5に示すように、クリーニング機構55は、液体噴射部33との間にノズル36が開口する閉空間を形成するキャップ56と、廃液を収容する廃液収容体57と、キャップ56と廃液収容体57をつなぐ吸引流路58と、吸引流路58に設けられた吸引ポンプ59と、を備える。廃液収容体57は、筐体12の外に配置してもよい(図1参照)。
クリーニング機構55は、キャップ56が閉空間を形成した状態で吸引ポンプ59が駆動することによって、閉空間に負圧を発生させてノズル36から液体を排出させる吸引クリーニングを行う。吸引クリーニングにより、液体噴射部33の中などにある気泡等の異物が液体とともに排出される。ノズル36から排出された液体は、廃液として、吸引流路58を通じて廃液収容体57に収容される。
液体供給流路37が接続されたキャリッジ32には、液体供給流路37の上流側から下流側へ向かう順番で、液体貯留部43、脱気機構45及び圧力調整機構70が搭載されている。キャリッジ32には、液体供給流路37におけるキャリッジ32に設けられた流路部分(キャリッジ上液体供給流路)のうち所定流路内の液体を加減圧するために液体供給流路37と隣合う位置に配置された気体収容室の一例として、液体の減圧に用いられる減圧室48と、液体の加圧に用いられる加圧室83aとが設けられている。
液体貯留部43は、壁面の一部が撓み変位可能な可撓性部材43aにより構成され、容積可変の空間を形成する。液体貯留部43は、ばね44の付勢力により加圧された容積可変の空間に液体を貯留し、液体の圧力変動を緩和する。
脱気機構45は、液体を一時貯留する脱気室46と、脱気室46と脱気膜47で区画されるとともに減圧される減圧室48と、減圧室48につながる減圧流路49と、ポンプ86と、を備える。脱気膜47は、気体を通過させるが液体を通過させない性質を有し、ポンプ86の駆動により減圧流路49を通じて減圧室48を減圧することにより、脱気室46に貯留された液体に混入した気泡や溶存ガスを除去する。なお、減圧室48は、液体供給流路37の一部である脱気室46と脱気膜47を介して隣合う位置に配置されている。
圧力調整機構70は、液体供給流路37の途中に設けられる供給室71と、供給室71と連通孔72を介して連通可能な圧力室73と、連通孔72を開閉可能な弁体74と、基端側が供給室71に収容されるとともに先端側が圧力室73に収容される受圧部材75と、を備える。弁体74は、例えば供給室71内に位置する受圧部材75の基端部分に取り付けられた弾性体からなる。液体供給流路37には、供給室71に流入する液体を濾過するフィルター76を設けてもよい。
圧力室73の壁面の一部は、撓み変位可能な可撓膜77により形成される。また、圧力調整機構70は、供給室71に収容される第1付勢部材78と、圧力室73に収容される第2付勢部材79を備える。第1付勢部材78は、受圧部材75を介して、連通孔72を閉塞する方向に弁体74を付勢する。
受圧部材75は、可撓膜77が圧力室73の容積を小さくする方向に撓み変位して押すことにより変位する。弁体74は、可撓膜77の圧力室73側となる内側の面にかかる圧力(内圧)が可撓膜77の圧力室73の反対側となる外側の面にかかる圧力(外圧)より低くなり、かつ、内側の面にかかる圧力と外側の面にかかる圧力との差が所定値(例えば1kPa)以上になると、閉弁状態から開弁状態となる。
なお、所定値とは、第1付勢部材78と第2付勢部材79の付勢力、可撓膜77を変位させるために必要な力、弁体74によって連通孔72を閉塞するために必要な押圧力(シール荷重)、受圧部材75の供給室71側および弁体74の表面に作用する供給室71内の圧力及び圧力室73内の圧力に応じて決まる値である。
すなわち、第1付勢部材78と第2付勢部材79の付勢力が大きいほど、所定値も大きくなる。また、この第1付勢部材78と第2付勢部材79の付勢力は、圧力室73内の圧力がノズル36における気液界面にメニスカスを形成可能な範囲の負圧状態(例えば可撓膜77の外側の面にかかる圧力が大気圧の場合、−1kPa)となるように設定される。
連通孔72が開放されて供給室71から圧力室73に液体が流入すると、圧力室73の内圧が上昇する。そして、圧力室73の内圧が上述の所定値になると、弁体74が連通孔72を閉塞する。
圧力室73の内圧は、液体噴射部33からの液体の排出に伴って低下する。そして、弁体74は、圧力室73の外圧(大気圧)と圧力室73の内圧との差圧に応じて自律的に連通孔72を開閉する。そのため、圧力調整機構70は差圧弁(差圧弁の中でも特に減圧弁)に分類される。
圧力調整機構70には、強制的に連通孔72を開いて液体を液体噴射部33に供給する開弁機構81を付加してもよい。開弁機構81は、例えば、可撓膜77により圧力室73と区画された収容室82に収容された加圧袋83を備える。加圧袋83は、可撓性部材で形成されており、その内部に気体収容室の一例としての加圧室83aを有している。加圧袋83の加圧室83aは収容室82に設けられた貫通孔81aを介して加圧流路84と接続されている。収容室82は貫通孔81aと加圧流路84との隙間によって外側空間(大気)に開放されており、加圧袋83はその加圧室83aに加圧流路84を通じて供給される気体によって膨らむことにより液体供給流路37の一部である圧力室73を押圧する押圧部として機能する。そして、膨らんだ加圧袋83の押圧によって、可撓膜77を圧力室73の容積を小さくする方向に撓み変位させることによって、強制的に連通孔72を開く。開弁機構81が強制的に連通孔72を開くことによって、液体噴射部33から加圧した液体を流出(排出)させる加圧クリーニングを行うことができる。なお、加圧室83aは、液体供給流路37の一部である圧力室73と可撓膜77を介して隣合う位置に配置されている。
気体流路87は、減圧室48と加圧室83aとを接続するキャリッジ上気体流路89と接続位置90で接続されている。キャリッジ上気体流路89は、接続位置90よりも減圧室48側となる減圧流路49と、接続位置90よりも加圧室83a側となる加圧流路84とを含む。つまり、ポンプ86から延びる気体流路87はキャリッジ32に接続され、キャリッジ32上の接続位置90で加圧流路84と減圧流路49とに分岐している。キャリッジ上気体流路89における接続位置90よりも減圧室48側の流路部分である減圧流路49には、減圧室48を減圧する方向の気体の流れを許容し、減圧室48を加圧する方向の気体の流れを規制する一方向弁85が設けられている。
ポンプ86は液体噴射装置11の筐体12内におけるキャリッジ32外の位置に配置されている。ポンプ86は、減圧室48と加圧室83aとに接続された1系統の気体流路87に気体を送出および気体流路87から気体を吸引可能に構成されている。つまり、ポンプ86は加圧と減圧の両方の駆動が可能な構成になっており、加圧袋83に気体を送出する加圧駆動と、減圧室48から気体を吸引する減圧駆動とが可能になっている。そして、ポンプ86が加圧駆動することによって加圧袋83に気体を送出し、ポンプ86が減圧駆動することによって減圧室48を減圧する。
気体流路87が1系統であるとは、1つのポンプが送出および吸引する気体の流動が1つであることを指す。このため、気体の流動が1つである限りにおいて流路の数は単数でも複数でもよい。気体流路87は、ポンプ86が加圧駆動するときに加圧流路84と共に加圧流路として機能し、ポンプ86が減圧駆動するときに減圧流路49と共に減圧流路として機能する。よって、気体流路87(共通流路)と、接続位置90で接続された加圧流路84と減圧流路49とを含む流路全体が、広義の気体流路となる。
液体噴射部33は、ノズル36に連通する液室91と、液室91と振動板92により区画された収容部93と、収容部93に収容されたアクチュエーター94と、圧力室73から流出した液体を一時貯留して複数の液室91に液体を供給する共通液室95と、を備える。圧力室73と共通液室95の間には、液体を濾過するフィルター96を配置してもよい。
アクチュエーター94は、例えば、駆動電圧が印加された場合に収縮する圧電素子である。アクチュエーター94の収縮に伴って振動板92を変形させた後、駆動電圧の印加を解除すると、容積が変化した液室91内の液体がノズル36から液滴として噴射される。
このとき、ノズル36に気泡が混入すると、液滴が適切に噴射されず、噴射不良となる。また、ノズル36に固形物などの異物が詰まった場合や、乾燥等により液体の粘度が上昇した場合にも、噴射不良が生じる。こうした噴射不良を予防するため、液体供給流路37にはフィルターユニット41やフィルター76,96を設けて、気泡等の異物を除去することが好ましい。
共通液室95には、例えばフィルターユニット41と開閉弁39の間の液体供給流路37に液体を返送する返送流路97を接続し、共通液室95から返送流路97に向けて液体を流動させる循環ポンプ98を返送流路97に配置してもよい。この構成によれば、循環ポンプ98の駆動により、返送流路97と液体供給流路37の間で液体を循環させることによって、液体供給流路37にあるフィルターユニット41及びフィルター76,96で気泡等の異物を補足することができる。また、液体が顔料等の沈降成分を含んでいる場合には、液体を循環させたりスタティックミキサー42を通過させたりすることによって、液体を攪拌して濃度を均一にすることができる。
図4に示すように、液体供給流路37と気体流路87は可撓性の材料で一体形成されている。本例では、液体供給流路37、返送流路97および気体流路87は、装置本体とキャリッジ32との間に延在する部分が可撓性の材料により一つの扁平な束状に一体形成されている。一例として、複数(多数)のチューブが一列に並んだ状態で隣同士が連結されることで扁平な板状に一体成形された多連チューブ88が用いられている。図4では、多連チューブ88の一部を破断し、その一部を断面が見える向きで描いている。同図に示すように、多連チューブ88は、一例として、複数ずつの大径(第1流路径)のチューブ88aの間に少なくとも1つ(図4の例では1つ)の小径(第2流路径)のチューブ88bが挟まれた状態にある。大径のチューブ88aは液体供給流路37に用いられ、小径のチューブ88bは気体流路87に用いられる。本例では、N本(但しNは4以上の自然数)の大径のチューブ88aのうち(N−1)本を液体供給流路37に用い、残り1つの大径のチューブ88aを返送流路97に用い、さらに小径のチューブ88bを気体流路87に用いている。ポンプ86とキャリッジ32との間を接続する1系統の気体流路87は一本のチューブ88bからなる。ここで、気体流路87を液体供給流路37のチューブ88aの第1流路径よりも小さな第2流路径のチューブ88bとしているのは、ポンプ86の駆動開始からの減圧所要時間および加圧所要時間を短くするためである。なお、気体流路87の流路径は適宜の値に設定でき、例えば液体供給流路37と同じまたは液体供給流路37よりも大径にしてもよい。
次に、圧送機構38の構成について例示する。
圧送機構38は、例えばダイアフラムポンプであり、液体供給流路37を構成する分岐流路37aの途中に設けられるポンプ室61と、ポンプ室61の壁面の一部を構成する変位部材62と、ポンプ室61の外側に配置されるばね63と、変位機構64と、を備える。変位部材62は、ポンプ室61の容積を増減する方向に変位する。ばね63は、ポンプ室61の容積を減少させる方向に変位部材62を付勢する。ただし、ばね63の付勢力によりポンプ室61の容積が最も小さくなった状態でも液体が流動するように、ポンプ室61の壁面の一部に連通溝61aを設けておくことが好ましい。
変位機構64は、例えば、ポンプ室61と変位部材62により区画された気体室65と、通気路66を通じて気体室65を吸引する吸気ポンプ67とを有し、吸気ポンプ67の駆動により、ばね63の付勢力に抗して、変位部材62をポンプ室61の容積を増大させる方向に変位させる。なお、吸気ポンプ67が駆動を停止すると、通気路66を通じて気体室65に気体が流入するとともに、ばね63の付勢力により変位部材62がポンプ室61の容積を減少させる方向に変位するように構成するとよい。
また、圧送機構38は、収容体保持部16とポンプ室61の間に設けられる吸引弁68と、ポンプ室61と液体噴射部33の間に設けられる吐出弁69と、を備える。吸引弁68は、ポンプ室61に流入する液体の流れを許容するとともにポンプ室61から流出する液体の流れを規制する一方向弁である。吐出弁69は、ポンプ室61から流出する液体の流れを許容するとともにポンプ室61に流入する液体の流れを規制する一方向弁である。そして、吸気ポンプ67が駆動することによってポンプ室61に液体が流入する吸引駆動が行われ、吸気ポンプ67が駆動を停止することによってばね63の付勢力によりポンプ室61から液体が流出する吐出駆動が行われる。
<チューブポンプの第1実施形態>
続いて、チューブポンプの第1実施形態について、図を参照して説明する。
図6に示すように、本実施形態のチューブポンプ110は、中空部111aが流路を形成するチューブ111の途中に設けられるチューブポンプであって、例えば図5に示す液体噴射装置11のポンプ86または吸引ポンプ59として使用することができる。
チューブポンプ110は、円筒状の内周面112cを有するフレーム112を備え、内周面112cに沿うように、チューブ111を環状に湾曲させた状態で収容する。また、チューブポンプ110は、回転軸114を有してチューブ111の環111cの内周側に配置される回転体120と、回転体120に回転自在に支持される押圧ローラー113F,113Sと、を備える。
フレーム112は、チューブ111を挿通する2つの挿通口112a,112bを有する。チューブ111は、挿通口112a,112bからフレーム112内に入って内周面112cに沿って湾曲し始めた部分が内周面112cの軸方向に重なって交差している。そのため、平面視においてチューブ111の環111cにとぎれる部分(リークポイント)はない。
回転体120は、駆動源109の動力により、チューブ111の環111cの内周側に位置する回転軸114を中心として、第1回転方向(図6に矢印で示す反時計方向)と第1回転方向の反対方向である第2回転方向(図6における時計方向)とに自転する。押圧ローラー113F,113Sは、フレーム112内において、自転する回転体120に係止されることによってチューブ111を押圧しながら公転する。これにより、チューブ111内の流体が回転体120の回転方向に圧送される。
回転体120は、第1回転方向への自転時に第1押圧ローラー113Fを係止する第1係止部121と、第2回転方向への自転時に第2押圧ローラー113Sを係止する第2係止部122と、を有する。また、回転体120は、第1係止部121から第1回転方向に向けて回転軸114に近づくように渦巻き状に湾曲した第1案内曲部123と、第2係止部122から第2回転方向に向けて回転軸114に近づくように渦巻き状に湾曲した第2案内曲部124と、を有する。押圧ローラー113F,113Sは、回転軸114と軸方向が平行をなすように配置され、その両端側には回転体120と係合する係合軸部113aが設けられる。
本実施形態の回転体120は、第1係止部121及び第1案内曲部123が形成された溝状の第1案内部125と、第2係止部122及び第2案内曲部124が形成された溝状の第2案内部126とを有する。第1案内部125と第2案内部126は、図6に示す平面視において、回転軸114の軸心を通る直線を対称軸として線対称に配置することが好ましい。
本実施形態のチューブポンプ110は、押圧ローラーとして、第1案内部125に係合する第1押圧ローラー113Fと、第2案内部126に係合する第2押圧ローラー113Sと、を備える。そして、第1押圧ローラー113Fと第2押圧ローラー113Sは、フレーム112内で環状をなすチューブ111の環111cの異なる領域を押圧する。
図7に示すように、回転体120は、回転軸114と、回転軸114の一端側に配置される円盤状の大径プレート115と、回転軸114の他端側に配置される小径プレート116と、を有する。大径プレート115には、第1案内部125と第2案内部126が貫通孔として形成され、小径プレート116には第1案内部125と第2案内部126が外縁を切り欠いた切り欠きとして形成されている。
押圧ローラー113F,113Sは、軸方向の両端に突出する係合軸部113aが大径プレート115と小径プレート116の案内部125,126にそれぞれ係合することによって、回転体120の自転に伴って回転軸114の周りを公転する。なお、押圧ローラー113F,113Sがそれぞれ係止部121,122に係止されたときの位置を、チューブ111を押圧してその流路を閉塞させる閉塞位置(押圧位置)と称する。また、押圧ローラー113F,113Sが案内部125,126の係止部121,122とは反対側の端部に係止されたときの位置をチューブ111の流路の閉塞を解除させる解除位置と称する。また、案内部125,126の係止部121,122とは反対側の端部も、それぞれ案内曲部123,124の一部とする。そして、押圧ローラー113F,113Sは必ずしも解除位置まで到達しなくても、それぞれ係止部121,122から離れることによってチューブ111の押圧を解除する。
このように回転体120は、押圧ローラー113F,113Sを閉塞位置と解除位置とに案内するガイド部の一例として回転体120の回転方向に沿って延びている第1案内部125と第2案内部126とを有する。第1案内部125と第2案内部126は、回転体120の回転方向に応じて押圧ローラー113F,113Sの一方を閉塞位置に他方を解除位置に案内する。そして、チューブ111は、回転体120の一の方向への回転により流路が押圧ローラー113F,113Sのうちの一方の押圧により閉塞され、回転体120の他の方向への反転過程で流路の閉塞が一旦解除され、その閉塞解除後の他の方向への回転により、押圧ローラー113F,113Sのうちの他方の押圧により流路が閉塞される。
次に、チューブポンプ110の動作について説明する。
図6において、フレーム112の外にあるチューブ111の右側(上流)から左側(下流)に流体を流動させる場合、駆動源109の動力により、回転体120を第1回転方向(図6に矢印で示す反時計方向)に自転させる。
図6において、フレーム112の外にあるチューブ111の右側(上流)から左側(下流)に流体を流動させる場合、駆動源109の動力により、回転体120を第1回転方向(図6に矢印で示す反時計方向)に自転させる。
すると、図6に示すように、第1押圧ローラー113Fが第1案内部125の第1係止部121に係止される押圧位置に配置され、第2押圧ローラー113Sが第2案内部126の解除位置に配置される。その後、第1押圧ローラー113Fはチューブ111を押圧した状態で、また、第2押圧ローラー113Sはチューブ111を押圧しない状態で、フレーム112の内周面112cに沿って公転する。これにより、チューブ111内の流体が下流となる第1回転方向に押し出されると同時に、押圧が解除された部分のチューブ111が広がって上流から流体を吸引する。
また、この状態から、流体の流動方向を反転させる場合、回転体120の自転方向を第1回転方向から第2回転方向(図6における時計方向)に反転させる。すると、第1係止部121に係止されていた第1押圧ローラー113Fが第1案内曲部123に案内されながら解除位置に移動する。また、第2案内部126の解除位置にあった第2押圧ローラー113Sが第2案内曲部124に案内されながら押圧位置に移動し、第2係止部122に係止される。こうした反転の過程では、一方の押圧ローラー113Fがチューブ111の押圧が解除して、2つの押圧ローラー113F,113Sが同じタイミングで案内曲部123,124に係合してチューブ111内を大気圧に戻した後、他方の押圧ローラー113Sがチューブ111の押圧を開始する。
その後、第1押圧ローラー113Fはチューブ111を押圧しない状態で、また、第2押圧ローラー113Sはチューブ111を押圧した状態で、フレーム112の内周面112cに沿って公転する。これにより、チューブ111内の流体が第2回転方向に押し出されると同時に、押圧が解除された部分が広がって流体を吸引する。
流体の圧送を終了するときには、回転体120の回転方向を反転させ、2つの押圧ローラー113F,113Sがそれぞれ案内曲部123,124に係合する位置で回転体120の自転を停止する。これにより、チューブ111内を大気圧に戻した状態で、チューブポンプ110の駆動が停止される。このように、押圧ローラー113による押圧を解除してチューブ111内を大気圧に戻すことを、ポンプレリースという。
案内部125,126においては、回転軸114を中心とした案内曲部123,124の形状及び長さを一致させるとよい。そうすると、回転体120が反転したときに、第1押圧ローラー113Fが第1案内曲部123に係合するのと同じタイミングで第2押圧ローラー113Sが第2案内曲部124に係合する。
チューブポンプ110を加減圧用のポンプ86に使用する場合、図6におけるチューブポンプ110において右方向へ延出するチューブ111の一端が気体流路87と接続されている。このため、駆動源109の動力により、回転体120を第1回転方向(図6に矢印で示す反時計方向となる一の方向)への回転(自転)により、チューブ111の一端側(右側)から他端側(左側)に流体が流動し、ポンプ86は気体を吸引する。一方、回転体120を第2回転方向(図6における時計方向となる他の方向)のへの回転によりチューブ111の一端側から気体を送出する。
次に、液体噴射装置11の作用について、制御部100が行う制御の内容とともに説明する。
液体収容体20が新しいものに交換された直後など、液体の残量が多いときには、制御部100は圧送機構38を駆動させず、液体収容体20に収容された液体のノズル36に対する水頭によって、液体を供給する。
圧送機構38のポンプ室61に連通溝61aを設けたり、圧送機構38が配置された分岐流路37aとは別ルートの分岐流路37bを設けたりしておくと、ポンプ室61の容積が最も小さくなった状態でも液体収容体20と液体噴射部33との間の液体供給流路37の連通状態を維持することができ、水頭により液体を供給することができる。
液体が液体収容部21に収容されている場合、液体の残量が少なくなると、袋である液体収容部21の反力により液体が流出しにくくなるため、制御部100が圧送機構38による液体の供給に切り替えるべく、圧送機構38を駆動させることが好ましい。この構成によれば、圧送機構38の駆動によって、液体収容部21内の液体を吸引して、液体噴射部33の方に加圧供給することができる。
また、駆動源109の動力により、回転体120が第1回転方向(図6に矢印で示す反時計方向)に回転(自転)すると、チューブ111の一端側(右側)から他端側(左側)に気体が流動し、ポンプ86は気体を吸引する。このため、気体流路87を通じて気体が吸引される。このとき、減圧流路49に設けられた一方向弁85は、減圧室48を減圧する方向の気体の流れを許容し、減圧室48を加圧する方向の気体の流れを規制する。このため、ポンプ86が駆動を停止しても、減圧室48は負圧に保持される。この結果、ポンプ86の減圧駆動停止後であっても、脱気室46に貯留された液体から気泡や溶存ガスが除去される。なお、このとき、加圧袋83の加圧室83a内の気体が加圧流路84を通じて吸引されるため、加圧袋83は収縮するだけで可撓膜77を押圧することはないので、圧力調整機構70は閉弁状態に保持される。
一方、駆動源109の動力により、回転体120を第2回転方向(図6における時計方向)に回転すると、チューブ111の他端側から一端側に気体が流動し、ポンプ86は気体を送出する。加圧袋83は加圧室83aに加圧流路84を通じて供給される気体によって膨らんで液体供給流路37の一部である圧力室73を押圧する。そして、膨らんだ加圧袋83が可撓膜77を介して圧力室73を押圧するとともに受圧部材75を開弁方向へ変位させる。この結果、圧力調整機構70の連通孔72を開き、液体噴射部33から加圧した液体を流出(排出)させる加圧クリーニングが行われる。加圧クリーニングにより、液体噴射部33の中などの液体中に存在する気泡等の異物が液体とともにノズル36から排出される。ノズル36から排出された液体は、廃液として、吸引流路58を通じて廃液収容体57に収容される。そして、クリーニング終了時期になると、駆動源109の駆動が停止されるとともに所定量の反転が行われ、ポンプ86が大気圧にレリースされる。この結果、加圧室83aが大気開放されることで、加圧袋83による可撓膜77を介した圧力室73の押圧が解除され、加圧クリーニングが終了する。
ポンプ86の加圧駆動中は、減圧流路49に設けられた一方向弁85が減圧室48を加圧する方向の気体の流れを規制する。このため、ポンプ86の加圧駆動中も、減圧室48は負圧に保持される。この結果、ポンプ86の加圧駆動中であっても、脱気室46に貯留された液体から気泡や溶存ガスを除去する脱気処理を継続可能である。
また、圧力調整機構70の収容室82に加圧袋83を設けた理由は、下記のとおりである。加圧袋83を無くし収容室82に気体を直接供給しても、可撓膜77を介して圧力室73を押圧することは可能である。しかし、その後、ポンプ86が減圧駆動されて収容室82が大気圧より低くなると、可撓膜77の収容室82側の面にかかる圧力が変化することになる。圧力調整機構70の弁体74は、可撓膜77の圧力室73側となる内側の面にかかる圧力(内圧)が可撓膜77の圧力室73の収容室82側となる外側の面にかかる圧力(外圧)より低く且つ内側の面にかかる圧力と外側の面にかかる圧力との差が所定値以上になると、閉弁状態から開弁状態となる。このため、収容室82が大気圧より低くなると、弁体74が閉弁状態から開弁状態となる圧力室73内の圧力も収容室82内の圧力低下に対応して低くなってしまう。この弁体74が閉弁状態から開弁状態となる圧力室73内の圧力のずれは、ノズル36における液体の適切な形状のメニスカスの形成を阻害する。これは、液体噴射部33の正常な液体噴射を阻害する1つの原因となる。
これに対して、本例では、圧力室73を押圧可能な押圧部として機能する加圧袋83を収容室82に収容した構成なので、ポンプ86の減圧駆動時は押圧部(本例では加圧袋83)内の加圧室83aが減圧されて押圧部の押圧が解除されるだけで、収容室82内における押圧部以外の領域は大気圧に維持される。このため、圧力調整機構70の弁体74が閉弁状態から開弁状態となる圧力室73内の圧力が所望の値に維持される。この結果、液体噴射部33はノズル36から適切な形状のメニスカスが形成された状態で液体を噴射できるため、液体噴射部33の液体の噴射状態を正常に維持できる。
次に、チューブポンプ110の作用について説明する。
チューブポンプ110では、回転体120が何れの回転方向に自転する場合にも、押圧ローラー113F,113Sのうちの一方がチューブ111を押圧した状態を保ったままで連続回転することができるので、流体を継続して圧送することができる。
ここで、例えば上流から下流に流体を圧送しているチューブ111内の圧力は、第1押圧ローラー113Fが押圧している箇所より上流は負圧(圧送を開始するときの初期圧力より減圧された状態)になり、その箇所より下流は正圧(圧送を開始するときの初期圧力より加圧された状態)になっている。そのため、案内部125,126がそれぞれ案内曲部123,124を備えず、単に押圧ローラー113F,113Sの公転方向を反転させて逆方向への圧送を開始した場合には、反転開始時の初期圧力の値がばらついてしまう、という課題がある。そして、この課題を解決するには、圧力センサー等でチューブ111内の圧力を測定して、目的の圧力になるまで回転体120を自転させる必要がある。
その点、本実施形態のチューブポンプ110では、押圧ローラー113F,113Sのうちの一方がチューブ111の押圧が解除してチューブ111内の加圧状態及び減圧状態を解消した後に、押圧ローラー113F,113Sのうちの他方がチューブ111の押圧を開始する。
すなわち、回転体120の回転方向が反転したときに、押圧ローラー113F,113Sが第1案内曲部123及び第2案内曲部124に係合して、チューブ111の押圧を解除するので、チューブ111の端部において中空部111aが大気に開放されている場合、反転の過程でチューブ111内の圧力が大気圧にリセットされる。そのため、圧力センサー等を設けることなく、反転により別方向への圧送を開始するときの初期圧力を大気圧として、回転体120の回転数または回転角度に基づいてチューブポンプ110の駆動を制御することができる。
また、チューブポンプ110の駆動を停止するときには、2つの押圧ローラー113F,113Sをそれぞれ案内曲部123,124に係合させておくことによって、チューブ111の押圧を解除できる。そのため、チューブポンプ110の上流と下流とでチューブ111に流体を流動させることができる。また、押圧によりチューブ111にかかる負荷を低減することができる。
そして、ポンプ86にチューブポンプ110を使用した場合、駆動源109の動力により、回転体120が第1回転方向(図6に矢印で示す反時計方向となる一の方向)へ回転(自転)する。このとき、閉塞位置に配置された押圧ローラー113Fがチューブ111を押圧しながら第1回転方向に公転することにより、チューブ111の一端側(右側)から他端側(左側)に流体が流動し、ポンプ86は気体を吸引する。次に駆動源109の動力により、回転体120が第1回転方向と反対側となる第2回転方向へ回転すると、まず押圧ローラー113Fが解除位置に移動してチューブ111の押圧が解除されることにより、チューブ111内の加圧状態及び減圧状態が解消され、チューブ111内が大気圧にリセットされる。続いて押圧ローラー113Sが閉塞位置に移動してチューブ111の押圧を開始する。閉塞位置に配置された押圧ローラー113Fはチューブ111を押圧しながら第2回転方向に公転することにより、チューブ111の他端側(左側)から一端側(右側)に流体が流動し、ポンプ86は気体を送出する。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)液体噴射装置11は、液体収容体20から液体供給流路37を介して供給される液体を媒体Sに対して噴射する液体噴射部33を搭載し、媒体Sに対して移動するキャリッジ32を備える。また、キャリッジ32には、液体噴射部33の液体の噴射状態を正常に維持する気体収容室の一例を構成する減圧室48および加圧室83aが搭載されている。また、液体噴射装置11のキャリッジ32外には、減圧室48および加圧室83aと接続された1系統の気体流路87に気体を送出および気体流路87から気体を吸引可能なポンプ86が配置されている。そして、キャリッジ32に搭載される気体収容室(減圧室48および加圧室83a)、気体流路87およびポンプ86により、加減圧機構を構成した。よって、キャリッジ32に搭載された減圧室48および加圧室83aを加減圧するためにポンプ86とキャリッジ32との間に接続される気体流路87を1系統で構成したのでポンプ86、気体流路87、減圧室48および加圧室83a等を含む加減圧機構をコンパクトに構成することができる。
(2)ポンプ86と1系統の気体流路87を通じて接続される気体収容室は、液体供給流路37を減圧する脱泡用の減圧室48と、液体供給流路37の一部を構成する圧力室73を押圧して液体を液体噴射部33から排出させる加圧クリーニング用の加圧室83aとを含む。よって、液体供給流路37内の液体の減圧と、液体供給流路37の押圧による液体噴射部33からの液体の排出とを行うことにより、液体噴射部33の液体の噴射状態をより一層正常に維持し易くなる。
(3)気体流路87は、減圧室48と加圧室83aとを接続するキャリッジ上気体流路89と接続位置90で接続され、キャリッジ上気体流路89の接続位置90より減圧室48側の減圧流路49には、減圧室48を減圧する方向の気体の流れを許容し、減圧室48を加圧する方向の気体の流れを規制する一方向弁85が設けられている。また、加圧室83aが液体供給流路37の一部を構成する圧力室73を押圧する押圧部として機能する加圧袋83は、可撓性部材で形成されている。よって、ポンプ86が気体を送出する加圧駆動と気体を吸引する減圧駆動とに切り替えられることで、1系統の気体流路87を通じて減圧室48の減圧と加圧室83aの加圧とを容易に実現できる。また、ポンプ86を減圧駆動から加圧駆動に切り替えても、減圧室48を減圧状態に維持することができる。例えば減圧室48と脱気膜47により隔てられた脱気室46内の液体から気泡および溶存ガスを除去できるため、液体噴射部33の噴射状態を正常に維持することができる。
(4)液体供給流路37と気体流路87は可撓性の材料で一体形成されている。詳しくは、液体供給流路37と気体流路87には装置本体側とキャリッジ32側との間を接続する可撓性材料からなる多連チューブ88を用いた。よって、装置本体とキャリッジ32との間に接続される可撓性の流路37,87を小型(コンパクト)に構成できる。ひいてはキャリッジ32に搭載された減圧室48および加圧室83aを含む加減圧機構を小型に構成できる。このため、加減圧機構の小型化による省スペースが図れ、液体噴射装置11の小型化を実現できる。
(5)液体供給流路37の第1流路径よりも気体流路87の第2流路径を小さくしたので、ポンプ86の駆動開始から気体収容室(減圧室48と加圧室83a)が所望の圧力に達するまでの減圧と加圧に要する所要時間を短くすることができる。したがって、速やかかつ効率よく脱気および加圧クリーニングを実現できるので、液体噴射部33の液体噴射を正常な状態に維持することができる。
(6)ポンプ86はチューブポンプ110であって、回転駆動の正逆によって流体の吸引と送出とを切り替えられるとともに、反転の過程で一時的に大気圧に開放される。詳しくは、チューブポンプ110は、内部に流路を有するチューブ111を支持するフレーム112と、駆動源109からの動力により軸中心に回転可能な回転体120と、回転体120に支持され、チューブ111を押圧可能に軸中心に回転(公転)する押圧ローラー113F,113Sとを備えている。回転体120は、回転体120の回転方向に沿って延びており押圧ローラー113F,113Sにチューブ111の流路を閉塞させる閉塞位置と流路の閉塞を解除させる解除位置とが設けられたガイド部の一例を構成する案内部125,126を有する。チューブ111は、回転体120の一の方向への回転により流路が閉塞され、回転体120の他の方向への回転により流路が閉塞された状態から流路の閉塞が解除された後、流路が閉塞される。つまり、また、チューブ111の一端が気体流路87と接続され、回転体120の一の方向への回転によりチューブ111の一端側から気体を吸引し、回転体120の他の方向への回転によりチューブ111の一端側から気体を送出する。よって、チューブポンプ110を加減圧兼用のポンプ86として好適に採用できる。例えばポンプ86が反転を開始したとき(正確には反転後にリセット位置に達したとき)の初期圧力を大気圧として、回転体120の回転数または回転角度に基づいてチューブポンプ110の駆動を制御することができる。この場合、圧力センサー等のセンサー類を設けなくてもよく、しかも制御部100によるポンプ86の制御が簡単で済む。
(7)チューブポンプ110は、2つの案内部125,126を有する1つの回転体120と、案内部125,126にそれぞれ係合する押圧ローラー113F,113Sを備えるので、第1押圧ローラー113Fの押圧により流体を第1回転方向に圧送し、第2押圧ローラー113Sの押圧により流体を第2回転方向に圧送することができる。
<チューブポンプの第2実施形態>
次に、チューブポンプの第2実施形態について、図を参照して説明する。
図8に示すように、第2実施形態のチューブポンプ110Sは、第1実施形態と同じく、中空部111aが流路を形成するチューブ111の途中に設けられるチューブポンプであるので、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略し、第1実施形態と異なる構成を中心に説明する。
チューブポンプ110Sは、チューブ111を支持するフレーム112と、駆動源109からの動力により軸中心に回転可能な回転体120と、回転体120に支持され、チューブ111を押圧可能に軸中心に回転する押圧ローラー113とを備える。回転体120は、第1係止部121と第2係止部122を両端に有し、第1係止部121と第2係止部122の間に第1案内曲部123と第2案内曲部124が連続して配置されたガイド部の一例として一の案内部127を有する。そして、案内部127には一の押圧ローラー113が係合し、回転体120の回転方向が反転したときに、押圧ローラー113が第1案内曲部123及び第2案内曲部124を通過して、第1係止部121と第2係止部122の間を移動する。
例えば、図8において、フレーム112の外にあるチューブ111の右側(上流)から左側(下流)に流体を流動させる場合、駆動源109の動力により、回転体120を第1回転方向(図8に矢印で示す反時計方向)に自転させる。
すると、図8に示すように、押圧ローラー113は、案内部127の第1係止部121に係止される押圧位置に配置された後、チューブ111を押圧した状態でフレーム112の内周面112cに沿って公転する。これにより、チューブ111内の流体が下流となる第1回転方向に圧送される。
また、この状態から、回転体120の自転方向を第1回転方向から第2回転方向(図8における時計方向)に反転させると、第1係止部121に係止されていた押圧ローラー113の係合軸部113aが第1案内曲部123に案内されながら解除位置(図8に二点鎖線で示す)に移動する。これにより、押圧ローラー113によるチューブ111の押圧が解除され、チューブ111の端部において中空部111aが大気に開放されている場合、チューブ111内が大気圧に戻る。
続いて、解除位置にあった押圧ローラー113が第2案内曲部124に案内されながら第2係止部122に係止される押圧位置に移動すると、押圧ローラー113がチューブ111を押圧した状態でフレーム112の内周面112cに沿って公転する。これにより、チューブ111内の流体が第2回転方向に圧送される。
流体の圧送を終了するときには、回転体120の自転方向を反転させ、押圧ローラー113が第1案内曲部123または第2案内曲部124に係合する位置で回転体120の自転を停止する。これにより、押圧ローラー113による環111cの押圧を解除してチューブ111内を大気圧にリセットした状態で、チューブポンプ110の駆動が停止される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(8)一の押圧ローラー113と一の案内部127を設ければよいため、構成を簡素化することができる。よって、チューブポンプ110Sを加減圧兼用のポンプ86として好適に採用できる。
<チューブポンプの第3実施形態>
次に、チューブポンプの第3実施形態について、図を参照して説明する。
図9に示すように、第3実施形態のチューブポンプ110Tは、第1実施形態と同じく、中空部111aが流路を形成するチューブ111の途中に設けられるチューブポンプであるので、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略し、第1実施形態と異なる構成を中心に説明する。
本実施形態のチューブポンプ110Tは、軸方向(軸中心を図9に一点鎖線で示す)に並ぶ第1ポンプ108Fと第2ポンプ108Sを含む。チューブポンプ110Tは、フレーム112として、第1ポンプ108Fを構成する第1フレーム112Fと、第2ポンプ108Sを構成する第2フレーム112Sと、を備える。また、チューブポンプ110Tは、駆動源109の動力を第1ポンプ108Fと第2ポンプ108Sに伝達する動力伝達機構131を備える。
例えばチューブポンプ110Tが図5に示すポンプ86である場合、図9に示すチューブ111の第1フレーム112Fから露出した露出部111fは、加圧した気体を加圧袋83に送る加圧流路84および減圧室48を減圧するための減圧流路49と連通するように気体流路87に接続される。チューブポンプ110Tの駆動に伴ってチューブ111の端部111eから加圧された気体が排出される場合、端部111eを駆動源109等に向けて配置すると、排気を駆動源109の冷却に用いることができる。冷却する対象は駆動源109に限らず、他の構成部材を駆動させるモーターまたは電源回路等であってもよい。
チューブ111は、露出部111fにつながる部分が第1ポンプ108Fの挿通口112aを通じて第1フレーム112F内に入り、第1フレーム112Fの挿通口112bから出たチューブ111は第2ポンプ108Sの挿通口112aを通じて第2フレーム112S内に入る。そして、第2フレーム112Sの挿通口112bから出たチューブ111の端が端部111eである。
図10に示すように、チューブポンプ110Tは、回転体120として、第1案内部125を有して第1フレーム112Fに収容される第1回転体120Fと、第2案内部126を有して第2フレーム112Sに収容される第2回転体120Sと、を備える。案内部125,126には、それぞれ押圧ローラー113F,113Sが係合する。案内部125,126は、回転体120F,120Sの回転方向に沿って延びており、押圧ローラー113F,113Sをチューブ111の流路を閉塞させる閉塞位置と、流路の閉塞を解除する解除位置とに案内するガイド部の一例を構成する。また、チューブポンプ110Tは、第1回転体120Fとは別体の第1回転軸114Fと、第2回転体120Sとは別体の第2回転軸114Sと、を備える。
第1回転体120Fと第2回転体120Sとは、一の駆動源109(図9参照)の動力により回転する回転軸114F,114Sの軸方向に並ぶように配置される。チューブ111は、回転体120F,120Sをそれぞれ囲むフレーム112F,112S内に収容される部分がそれぞれ異なる環111cを形成する。そして、押圧ローラー113F,113Sは、それぞれチューブ111の異なる環111cを形成する領域を押圧する。
例えば、回転体120F,120Sが図10に矢印で示す第1回転方向に自転する場合、第1押圧ローラー113Fはチューブ111の流路を閉塞させる閉塞位置に案内され、また、第2押圧ローラー113Sはチューブ111の流路の閉塞を解除する解除位置に案内される。そして、閉塞位置に案内された第1押圧ローラー113Fはチューブ111を押圧した状態で、また、解除位置に案内された第2押圧ローラー113Sはチューブ111を押圧しない状態で公転し、チューブ111の端部111eから露出部111fの方に向けて流体を圧送する。また、回転体120F,120Sが第2回転方向に自転する場合、第1押圧ローラー113Fは解除位置に案内されてチューブ111を押圧しない状態で、また、第2押圧ローラー113Sは閉塞位置に案内されてチューブ111を押圧した状態で公転し、チューブ111の露出部111fから端部111eの方に向けて流体を圧送する。このチューブポンプ110Tは、加減圧兼用のポンプ86に使用された場合、回転体120F,120Sが第1回転方向に回転することで加圧駆動され、チューブ111の露出部111fから気体を送出し、回転体120F,120Sが第2回転方向に回転することで減圧駆動され、チューブ111の露出部111fへ気体を吸引する。
駆動源109(図9参照)の動力は、第1回転軸114Fを介して第1回転体120Fに伝達され、さらに、第1回転体120Fから第2回転軸114Sを介して第2回転体120Sに伝達される。ここで、動力伝達機構131は、第1回転体120Fの回転を遅延させて第2回転軸114S及び第2回転体120Sに伝える回転遅延部132を有することが好ましい。
図11に示すように、回転遅延部132は、例えば、係合突部133aを有する第1回転部材133と、係合突部133aが係合可能なカム溝134aを有する第2回転部材134と、によって構成される。カム溝134aは、第2回転軸114Sの軸心を中心とする円周に沿って延びる円弧状をなす。また、第2回転部材134は、カム溝134aの始端と終端を形成する係止突部134bを有する。
第1回転部材133は第1回転軸114Fと一体に回転するように組み付けられ、第2回転部材134は第2回転軸114Sと一体に回転するように組み付けられる。また、第2回転部材134のカム溝134aに第1回転部材133の係合突部133aを挿入する態様で、第1回転部材133と第2回転部材134を組み合わせる。
この構成において、第1回転軸114Fが図11に矢印で示す第1回転方向に回転すると、第1回転体120Fが第1回転方向に自転し、第1押圧ローラー113Fがチューブ111の流路を閉塞させる閉塞位置(押圧位置)に案内されてチューブ111を押圧する。また、第1回転軸114Fとともに第1回転部材133が回転すると、係合突部133aがカム溝134aに沿って回転する。そして、係合突部133aが係止突部134bにぶつかると、係合突部133aに押されて第2回転部材134が自転を開始する。すると、第2回転部材134とともに第2回転軸114S及び第2回転体120Sが第1回転方向に自転する。このように、第1回転体120Fの回転は、係合突部133aがカム溝134aに沿って回転する回転角度の分、遅延して第2回転体120Sに伝えられる。
この状態から第1回転軸114Fの回転方向が反転すると、第1回転体120Fが第2回転方向に自転し、第1押圧ローラー113Fがチューブ111の流路を閉塞させる閉塞位置から流路の閉塞を解除させる解除位置に移動して、チューブ111の押圧を解除する。この間、第1回転軸114Fとともに第1回転部材133が回転するが、係合突部133aがカム溝134aに沿って第2回転方向に回転する間、第2回転部材134は第1回転部材133に押されないので、第2回転軸114S及び第2回転体120Sは回転しない。そのため、第1押圧ローラー113Fが閉塞位置から離れて第1案内曲部123に移動すると、チューブ111内は大気圧にリセットされる。
そして、第2回転方向に回転する係合突部133aが係止突部134bにぶつかると、第2回転部材134とともに第2回転軸114S及び第2回転体120Sが第2回転方向への自転を開始する。これにより、第2押圧ローラー113Sが第2案内曲部124から第2係止部122に移動して、チューブ111を押圧しながら公転する。このように、第1回転体120Fが反転したときにも、その回転は、係合突部133aがカム溝134aに沿って回転する回転角度の分、遅延して第2回転体120Sに伝えられる。
回転体120F,120Sと回転軸114F,114Sの間には、それぞれ一又は複数(本実施形態では2つずつ)の付勢部材129を介装し、回転体120F,120Sを介して押圧ローラー113F,113Sがチューブ111に向けて付勢されるようにすることが好ましい。付勢部材129として、例えばコイルばねまたは板ばねなどのばねを使用することができる。付勢部材129がコイルバネの場合、回転軸114F,114Sには付勢部材129の基端部を収容する係止凹部114aを設け、回転体120F,120Sには付勢部材129の先端部を収容する係止凹部120aを設けるとよい。
また、回転軸114F,114Sには軸中心から外径を広げるように突出した突出部114bを設け、この突出部114bに係止凹部114aを形成するとよい。また、回転体120F,120Sにおいて、係止凹部120aの内部空間が軸中心を含むように係止凹部120aの深さを設定するとよい。
このようにすると、図12に示すように、軸中心と重なるように付勢部材129を配置することができる。これにより、付勢部材129を軸中心と押圧ローラー113F,113Sの間に配置する場合よりも、フレーム112F,112Sの直径を小さくすることができる。
また、例えば図12に示す第2ポンプ108Sでは、第2押圧ローラー113Sが第2案内曲部124と第2係止部122の間で移動するときに付勢部材129の付勢力が強く作用するように、付勢部材129による付勢方向(図12では矢印で示す)を設定することが好ましい。同様に、第1ポンプ108Fでは、第1押圧ローラー113Fが第1案内曲部123と第1係止部121の間で移動するときに付勢部材129の付勢力が作用するように、付勢部材129による付勢方向を設定することが好ましい。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(9)押圧ローラー113F,113Sは回転体120F,120Sを介して付勢部材129に付勢されているので、押圧ローラー113F,113Sがそれぞれ案内曲部123,124と係止部121,122の間で移動するときに、精度よくチューブ111の押圧を開始したり押圧を解除したりすることができる。よって、チューブポンプ110Tを加減圧兼用のポンプ86として好適に採用できる。
(10)第1押圧ローラー113F及び第1回転体120Fと、第2押圧ローラー113S及び第2回転体120Sとは、それぞれ異なるフレーム112F,112Sに収容されているので、軸中心と重なるように付勢部材129を配置することができる。これに対して、一のフレーム112に収容した2つの押圧ローラー113F,113Sをそれぞれ付勢部材129で付勢する場合、軸中心と押圧ローラー113F,113Sの間に付勢部材129を配置することになるため、付勢部材129の長さの分、フレーム112F,112Sの直径が拡大する。したがって、本実施形態によれば、付勢部材129の配置に伴うフレーム112の大径化を抑制することができる。
(11)フレーム112F,112Sの直径が小さくなるにつれて、案内曲部123,124の長さが短くなるため、押圧ローラー113F,113Sを同じタイミングでそれぞれ案内曲部123,124に係合させてチューブ111の押圧を解除することが難しくなる。その点、回転遅延部132により第1回転体120Fの回転を遅延させて第2回転体120Sに伝えることにより、その遅延させた時間の分、押圧ローラー113F,113Sのうちの一方が押圧を解除してから、押圧ローラー113F,113Sのうちの他方が押圧位置に移動するまでの時間を長くすることができる。したがって、案内曲部123,124が短い小径のフレーム112F,112Sであっても、押圧ローラー113F,113Sが同じタイミングで押圧を解除する構成を実現しやすい。また、回転を反転させてから次の圧送を開始するタイミングをカム溝134aの長さにより調整することができる。
上記実施形態は以下に示す変更例のように変更してもよい。また、上記実施形態に含まれる構成と下記変更例に含まれる構成とを任意に組み合わせてもよいし、下記変更例に含まれる構成同士を任意に組み合わせてもよい。
・図13に示す変更例のように、圧送機構38は、液体供給流路37を構成するチューブ101の途中に設けられたチューブポンプであってもよい。圧送機構38は、押圧ローラー102を移動させる移動機構103を備える。移動機構103は、例えば、チューブ101を収容する円筒状のフレーム104と、その径方向に異なる二位置に押圧ローラー102を案内する案内溝105を有してフレーム104内に収容される回転体106と、図示しない駆動源の駆動力により回転する回転軸107とを備える。そして、回転軸107と共に回転体106が回転することによって、押圧ローラー102が公転する。
回転体106が図13に矢印で示す第1回転方向に回転すると、係止部105aに係止された押圧ローラー102がチューブ101を押圧しながら移動し、チューブ101内の液体が圧送される。また、回転体106が第1回転方向の反対方向である第2回転方向に回転すると、押圧ローラー102が案内溝105の第2端105bの方に移動してチューブ101の押圧が解除されるので、液体が圧送されなくなる。制御部100は、チューブポンプである圧送機構38による液体の供給を水頭による液体の供給に切り替える際に、駆動源を制御して、押圧ローラー102によるチューブ101の押圧を解除させるとよい。この場合、チューブポンプによる液体の圧送が行われていない場合でも、液体収容体20と液体噴射部33との間の液体供給流路37の連通状態を維持することができ、水頭により液体を供給することができる。
・ポンプ86が気体を送出して加圧する加圧室は、圧力調整機構70における開弁機構81を構成する加圧室83aに限定されない。例えば図14に示すように、液体収容体20から液体噴射部33に向けて供給される液体が一時貯留されるサブタンク140をキャリッジ32に搭載する。サブタンク140は液体供給流路37の一部として液体で満たされる液体収容室141を有し、液体収容室141内には可撓性の加圧袋142が収容されている。このため、加圧袋142は液体収容室141内の液体中に存在する。この加圧袋142が、その内部の加圧室143にポンプ86から1系統の気体流路87を通じて気体が供給されることで膨らむと、その膨らんだサイズに応じてサブタンク140内の液圧が高まる。一方、加圧袋142内の気体が減少して加圧袋142が収縮すると、サブタンク140内の液圧が低下する。例えば、制御部100はポンプ86を駆動制御して、サブタンク140内の液圧を加減圧制御し、液体噴射部33の背圧を所定の負圧の範囲内に収まるように調整する。これにより液体噴射部33の液体の噴射状態を正常に維持できる。さらに、例えばポンプ86から気体を供給して加圧袋142を膨らませることにより液体噴射部33のノズル36から液体を排出する加圧クリーニングを行ってもよい。
・ポンプ86が気体を吸引して減圧させる減圧室は、脱気機構45の減圧室48に限定されず、例えば液体貯留部43でもよい。図5に示す液体貯留部43は、ばね44の付勢力で液体供給流路37の一部を加圧する構成であったが、図15に示すように、ポンプ86から気体流路87および加圧流路84を通じて供給する気体によって液体供給流路37の一部を構成する液体貯留室43bを加圧する液体貯留部43でもよい。図15に示す液体貯留部43は、容積可変の空間からなる液体貯留室43bと、気体流路87および加圧流路84に接続された加圧室43cと、液体貯留室43bと加圧室43cとを区画する撓み変位可能な可撓性部材43aとを備える。ポンプ86から送出された気体が加圧室43cに供給されると、加圧室43cの内圧が高まり可撓性部材43aが液体貯留室43bの容積を減少させる側(図15では上側)へ撓み変形することにより、液体貯留室43b内に貯留された液体が加圧される。このとき、圧送機構38がダイアフラムポンプである場合、そのポンプの駆動中は引動作と吐出動作とが交互に行われ、吸引動作の過程で液体が送出されない所謂「息継ぎ」が周期的に発生する。この液体貯留室43b内の液体の圧力が低下する息継ぎのタイミングに合わせて制御部100がポンプ86を加圧駆動する制御を行うことが望ましい。この構成によれば、ダイアフラムポンプに起因する液体の圧力変動にさほど影響されずに液体貯留部43下流側へ安定した圧力で液体を供給できる。なお、図15に示す加圧室43cに、液体貯留室43bを加圧する方向に可撓性部材43aを付勢するばね44を収容してもよい。
・圧力調整機構70の圧力室73を押圧する押圧部は、加圧袋83に限らない。図16に示すように、圧力室73と可撓膜77で区画された収容室82の一面側に内方へ突出する筒状のシリンダー151と、シリンダー151内をその軸線方向に移動可能なピストン152と、ピストン152を突出方向(同図では左方向)と反対側の方向へ付勢するばね153とを備えたシリンダー駆動方式でもよい。シリンダー151とピストン152とで区画された気体収容室の一例としての加圧室154には加圧流路84が接続されている。ポンプ86が加圧駆動されて1系統の気体流路87および加圧流路84を通じてシリンダー151内の加圧室154に気体が供給されると、ピストン152がその先端部の突出部152aと共にばね153の付勢力に抗して突出方向へ移動する。そして、突出部152aが可撓膜77および受圧部材75を押圧して圧力室73を加圧するとともに圧力調整機構70を開弁させる。この結果、液体噴射部33のノズル36から液体を強制的に排出させる加圧クリーニングが行われる。収容室82は大気連通孔81bを通じて大気に開放されているので、ポンプ86の減圧駆動中も収容室82が大気圧に保持されるため、圧力調整機構70は所定の設定圧で開弁する。このように押圧部は、加圧袋方式、シリンダー駆動方式などの駆動方式は特に限定されず、加圧室に気体を供給することで押圧駆動されるものであればよい。
・加圧室は、押圧部用の室に限らず、例えば液体供給流路の液体に作用するために駆動されるエアシリンダー(単動型シリナダー)やエアモーター等の空圧アクチュエーター内の室でもよい。この場合、ポンプ86から気体が供給されることで空圧アクチュエーターが駆動される。さらにスタティックミキサー42に替え、加圧駆動方式の攪拌器を設けてもよい。攪拌器は加圧室を有し、例えば気体を供給して加圧した加圧室に連通する例えばエアノズルから気流(例えば空気流)を吹き付けて羽根車を回転させることにより、羽根車の回転軸が挿通された液体供給流路内でその回転軸に固定された攪拌用の羽根車を回転させ、液体供給流路内の液体(例えばインク)を攪拌させる。なお、エアシリンダー等の往復動式の空圧アクチュエーターの室を気体収容室の一例としての加減圧室とし、加減圧室の加圧により空圧アクチュエーターを伸長駆動させ、加減圧室の減圧により空圧アクチュエーターを収縮駆動させてもよい。このように1つの気体収容室が加圧および減圧されてもよい。
・特許文献1に記載されたようなキャリッジに搭載されたサブタンクの加圧と減圧に適用してもよい。この場合、サブタンクの加圧と減圧のためにキャリッジに設けられた液体供給流路と隣合う気体収容室を、ポンプと接続された一系統の気体流路を通じて加圧および減圧すればよい。このように気体収容室は加圧室と減圧室とを兼ねた1つの室であってもよい。また、この例のように液体供給流路と隣合う気体収容室とは、液体供給流路と区画された室である必要はなく、同一の室における液体供給流路の領域と隣合う領域でもよい。この場合、サブタンク内の収容室において液体が収容されている領域(液面以下の領域)が液体供給流路の一部を構成する液体収容領域に相当し、液体収容領域以外であって気体が収容されている領域(液面よりも上方の領域)が気体収容室に相当する。この構成によれば、サブタンク内の液体の脱気と加圧クリーニングとを気体収容室の減圧と加圧とにより行うためにキャリッジとポンプとの間に接続される気体流路が1系統で済むので、減圧用と加圧用の各チューブを別々に2系統必要な特許文献1に記載の構成に比べ、加減圧機構をコンパクトに構成することができる。
・液体供給流路と隣合う位置に設けられた気体収容室は、例えば気液分離膜を介して隔てられているが、気体収容室(減圧室)が減圧されることにより液体供給流路内の液体に溶存する気体が気体収容室側に透過する程度のガスバリア性を有するフィルムでもよい。
・図17に示す変更例のように、収容体保持部16が移動しない構成にしてもよい。また、収容体保持部16をキャリッジ32上に配置してもよい。
・図17に示す変更例のように、液体噴射装置11は、支持脚部13を備えなくてもよい。また、液体噴射装置11は、給送機構25、巻取機構26及びテンションバー27に代えて、所定のサイズに裁断された単票紙である媒体Sを収容するカセット28を着脱可能に装着するようにしてもよい。
・前記実施形態および変更例では、ポンプ86の加圧駆動時および停止時にも負圧に保持する必要がある脱気機構45の減圧室であったため、減圧流路49に一方向弁85を設けたが、ポンプ86の加圧駆動時および停止時に負圧に保持する必要のない減圧室である場合は一方向弁85を設けなくてもよい。
・加圧室が、ポンプ86の減圧駆動時および停止時にも正圧に保持される必要がある構成の場合は、加圧流路84に一方向弁を設けてもよい。この場合、一方向弁は、加圧室を加圧する方向の気体の流れを許容し、加圧室を減圧する方向の気体の流れを規制する。
・チューブポンプ110に替えて、反転過程で大気圧にレリースされない構成の加減圧兼用のチューブポンプを用い、制御部100が圧力センサーの検出結果に基づきチューブポンプを駆動制御する構成でもよい。
・加減圧兼用のポンプ86は、チューブポンプに限定されず、他の方式のポンプでもよい。ギヤポンプ、ベーンポンプ、ねじポンプなどの回転式ポンプおよびダイアフラムポンプ、ベローズポンプ、ピストンポンプ、プランジャーポンプなどの往復動式ポンプを用いることができる。回転式ポンプの場合は回転方向の正逆を切り替えて気体の送出と吸引とを切り替え、往復動式ポンプの場合は気体の送出と吸引とを切り替える弁の切換制御を行えばよい。
・液体供給流路37と気体流路87は可撓性材料で一体形成されている構成に限定されない。例えば複数の液体供給流路が一体形成され、気体流路は液体供給流路とは別部材で構成してもよい。
・圧送機構38は、収容体保持部16に装着された液体収容体20(例えば、ケース22と液体収容部21の間の空間からなる加圧室)に加圧した気体を送出することにより、液体収容体20内の液体を加圧して、液体供給流路37に流出させるようにしてもよい。この場合、図17に示すように、収容体保持部16をキャリッジ32に搭載した場合、収容体保持部16に装着された液体収容体20内の加圧室にポンプ86から1系統の気体流路を通じて気体を送出することで、液体収容体20から液体を液体供給流路に流出させてもよい。
・液体噴射装置11は、水頭による液体供給を行わず、常時、圧送機構38の駆動により液体を供給してもよい。
・脱気機構45の脱気室46を、圧力調整機構70の圧力室73と液体噴射部33のフィルター96との間を接続する液体供給流路37に設けてもよい。
・液体噴射部33が噴射する液体はインクに限らず、例えば機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体などであってもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射して記録を行う構成にしてもよい。
・媒体Sは用紙に限らず、プラスチックフィルムや薄い板材などでもよいし、捺染装置などに用いられる布帛であってもよい。また、媒体SはTシャツなど、任意の形状の衣類等であってもよいし、食器または文具のような任意の形状の立体物であってもよい。
11…液体噴射装置、12…筐体、20…液体供給源の一例としての液体収容体、32…キャリッジ、33…液体噴射部、34…支持部、35…搬送機構、36…ノズル、37…液体供給流路、43…液体貯留部、43c…加圧室、45…脱気機構、48…気体収容室の一例を構成する減圧室、49…減圧流路、70…圧力調整機構、81…開弁機構、83…加圧袋、83a…気体収容室の一例を構成する加圧室、84…加圧流路、85…一方向弁、73…圧力室、86…ポンプ、87…気体流路、88…多連チューブ、88a…大径のチューブ、88b…小径のチューブ、89…キャリッジ上気体流路、90…接続位置、100…制御部、108F…第1ポンプ、108S…第2ポンプ、109…駆動源、110…チューブポンプ、110S…チューブポンプ、110T…チューブポンプ、111…チューブ、112…フレーム、112F…第1フレーム、112S…第2フレーム、113…押圧ローラー、113a…係合軸部、113F…第1押圧ローラー(押圧ローラー)、113S…第2押圧ローラー(押圧ローラー)、114…回転軸、114F…第1回転軸、114S…第2回転軸、120…回転体、120F…第1回転体(回転体)、120S…第2回転体(回転体)、123…第1案内曲部、124…第2案内曲部、125…ガイド部の一例としての第1案内部、126…ガイド部の一例としての第2案内部、127…ガイド部の一例としての案内部、129…付勢部材、131…動力伝達機構、132…回転遅延部、133…第1回転部材、134…第2回転部材、143…気体収容室の一例を構成する加圧室、154…気体収容室の一例を構成する加圧室、S…ターゲットの一例としての媒体。

Claims (5)

  1. 液体供給源から液体供給流路を介して供給される液体をターゲットに対して噴射する液体噴射部を備える液体噴射装置であって、
    前記液体噴射部を搭載し、前記ターゲットに対して移動するキャリッジと、
    前記キャリッジに搭載された気体収容室と、
    前記液体噴射装置の前記キャリッジ外に配置され、前記気体収容室と接続された1系統の気体流路に気体を送出および該気体流路から気体を吸引可能なポンプと、
    を備えることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記気体収容室は、前記液体供給流路と隣合う位置に設けられ減圧される減圧室と、該液体供給流路を押圧して前記液体を前記液体噴射部から排出させる加圧室と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記気体流路は、前記減圧室と前記加圧室とを接続するキャリッジ上気体流路と接続位置で接続され、
    前記キャリッジ上気体流路の前記接続位置より前記減圧室側には、該減圧室を減圧する方向の気体の流れを許容し、該減圧室を加圧する方向の気体の流れを規制する一方向弁が設けられており、
    前記加圧室の前記液体供給流路を押圧する押圧部は、可撓性部材で形成されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記液体供給流路と前記気体流路は可撓性の材料で一体形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記ポンプはチューブポンプであって、
    内部に流路を有するチューブを支持するフレームと、
    駆動源からの動力により軸中心に回転可能な回転体と、
    前記回転体に支持され、前記チューブを押圧可能に前記軸中心に回転する押圧ローラーと、
    を備え、
    前記回転体は、該回転体の前記回転方向に沿って延びており前記押圧ローラーに前記チューブの前記流路を閉塞させる閉塞位置と該流路の閉塞を解除させる解除位置とが設けられたガイド部を有し、
    前記チューブは、前記回転体の一の方向への回転により前記流路が閉塞され、前記回転体の他の方向への回転により前記流路が閉塞された状態から該流路の閉塞が解除された後、前記流路が閉塞され、
    前記チューブの一端が前記気体流路と接続され、
    前記回転体の前記一の方向への回転により前記チューブの前記一端側から気体を吸引し、前記回転体の前記他の方向への回転により前記チューブの前記一端側から気体を送出することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
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