JP2018038024A - 無線通信正否判定システム - Google Patents

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Kazuteru Uchiki
一輝 内木
惠 森
Megumi Mori
惠 森
花木 秀信
Hidenobu Hanaki
秀信 花木
明暁 岩下
Akitoshi Iwashita
明暁 岩下
佳之 大屋
Yoshiyuki Oya
佳之 大屋
佳樹 大石
Yoshiki Oishi
佳樹 大石
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Abstract

【課題】中継器を使用した無線通信の不正成立を生じ難くすることができる無線通信正否判定システムを提供すること。【解決手段】車両1と電子キー2との間を同一周波数帯のUHF電波で通信し、電子キー2では車両1からの電波の受信信号強度を算出して、その受信信号強度を受信信号強度情報30として車両1に送信する。車両1では、通知された受信信号強度情報30と受信信号強度情報30が乗った電波の受信信号強度の差分を算出して、この差分が基準範囲にあるか否かを確認することにより、スマート通信の通信正否を判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、通信端末と通信マスタとが無線により通信を行う無線通信正否判定システムに関する。
従来、多くの車両には、IDコードを無線により送信する電子キー(所持態様から携帯機とも称される)によってID照合を実行する電子キーシステム(特許文献1等参照)が搭載されている。この種の電子キーシステムには、車両から送信されたリクエストを電子キーが受信すると、これに応答する形で電子キーがIDコードを車両に自動返信して、ID照合を実行させるキー操作フリーシステムがある。キー操作フリーシステムは、車外でID照合が成立するとドアロック施解錠が許可又は実行され、車内でID照合が成立するとエンジン始動操作が許可される。
このような電子キーシステムでは、ユーザの意志によらないところでID照合成立を謀る不正行為として、中継器を使った不正行為(中継器使用不正行為:特許文献2、特許文献3等参照)というものがある。中継器使用不正行為は、例えば電子キーが車両から遠い場所に位置する際に、この電子キーを複数の中継器によって車両と繋いで電波を中継し、これら2者間の通信を成立させる行為である。
特許文献2では、車両から携帯機へのLF信号のRSSI(受信信号強度)と、携帯機から車両へのRF信号のRSSIの両方を検出し、両RSSIの相関から一方が極端に小さい場合等の中継器使用不正行為の判定基準を満たした場合に、ドアロック施解錠やエンジン始動を許可しないようにしている。
特許文献3では、車両が電波を複数送信する際、送信信号強度を変えてそれぞれの電波を送信し、車両からの電波を電子キーが受信した際、この受信電波の受信信号強度を電子キーにおいて算出するようにしている。そして、算出した受信信号強度を基に、通信が正規通信か否かを判定するようにしている。
特開2005−262915号公報 特開2012−60482号公報 特開2011−229061号公報
ところで、従来は、車両から電子キーへのLF信号での通信、及び電子キーから車両へのRF信号での通信をしている際に、どちらかがアンテナ指向でヌルとなる場合があると、中継器使用不正行為があったと誤判定してしまうため、ドアロック施解錠やエンジン始動を正常に行えない。そのため、LF信号とRF信号の相対差を考慮する必要があり、この結果、中継器使用不正行為があったとする判定基準が緩くなり、中継器使用不正行為を検出できないことがある。
本発明の目的は、中継器を使用した無線通信の不正成立を生じ難くすることができる無線通信正否判定システムを提供することにある。
前記問題点を解決するために、本発明の無線通信正否判定システムは、第1送信実行手段を備える第1通信部と、第2送信実行手段を備える第2通信部とを備え、前記第1送信実行手段と前記第2送信実行手段とが互いに同一周波数帯の電波通信にて双方向通信を実行可能な無線通信正否判定システムであって、前記第1通信部は、前記第2通信部からの電波の受信信号強度(以下、第1受信信号強度という)を算出する第1受信信号強度算出手段を備えていて、前記第1送信実行手段により、第1受信信号強度の情報を送信し、前記第2通信部は、前記第1通信部からの電波を受信した際、この電波の受信信号強度(以下、第2受信信号強度という)を算出する第2受信信号強度算出手段と、前記第1受信信号強度と前記第2受信信号強度とに基づく判定値を算出する算出手段と、前記判定値と基準範囲との比較結果に基づいて、前記第1通信部との通信が正規通信か否かを判定する通信正否判定手段と、を備えたものである。
この構成によれば、第2通信部と第1通信部間の双方向通信が同一周波数帯で行われることから、アンテナ指向性や第2通信部と第1通信部間の距離によらず、第1受信信号強度(電波強度)と第2受信信号強度(電波強度)とに基づく判定値が基準範囲内となる。一方、リレー(中継器)を介して、第2通信部と第1通信部間で通信が行われた場合には、第1受信信号強度と第2受信信号強度とに基づく判定値は基準範囲内とならない。そのため、第1受信信号強度と第2受信信号強度とに基づく判定値と基準範囲との比較により正規通信か否かを判定することができる。
また、前記算出手段は、前記第1受信信号強度と前記第2受信信号強度との差分を前記判定値として算出してもよい。
この構成によれば、判定値を第1受信信号強度と第2受信信号強度との差分とするため、簡単な演算で素早く正規通信か否かを判定することができる。
また、前記算出手段は、前記第1受信信号強度の時間変化と前記第2受信信号強度の時間変化との一致度合を前記判定値として算出してもよい。
この構成によれば、第2通信部と第1通信部間の位置関係や電波の伝搬環境が変化しても中継器使用不正行為を検出できる。
また、前記通信正否判定手段は、前記判定値と前記基準範囲との比較結果が正規通信でないことを示す場合が複数回あった場合には、正規通信でないと判定してもよい。
この構成によれば、中継器使用不正行為があった場合、第1受信信号強度と第2受信信号強度とに基づく判定値と基準範囲との比較結果が中継器使用不正行為であることを示す場合が、複数回となることが多いため、複数回異なった場合には、正規通信でないと判定することができる。
また、前記第1通信部は、前記第1受信信号強度と、受信信号強度飽和検出用の第1閾値とを比較する第1比較手段を備え、前記第1受信信号強度が前記第1閾値を超えている場合には、前記第1送信実行手段は、第1減衰要請を前記第2通信部に送信し、前記第2送信実行手段は、前記第1減衰要請に基づいて、送信出力が前回出力よりも減衰するようにパワーコントロールを行って前記第1通信部に電波を送信し、前記算出手段は、前記送信出力を減衰して電波を送信した後に前記第1通信部から送信されて、前記第1減衰要請がない電波の第2受信信号強度と、該第2受信信号強度が算出された電波で通知された新たな第1受信信号強度とに基づいて前記判定値を算出してもよい。
この構成によれば、第1通信部と第2通信部が接近していて、第1受信信号強度が受信信号強度飽和検出用の第1閾値を超える場合があると、第1受信信号強度が飽和しているとする。
この場合は、第1通信部から第1減衰要請が、第2通信部に送られるため、第2通信部は、第1減衰要請に基づいて、送信出力が前回出力よりも減衰するようにパワーコントロールを行って第1通信部に電波を送信する。そして、第2通信部の算出手段は、送信出力を減衰して電波を送信した後に第1通信部から送信された電波の第2受信信号強度と、該第2受信信号強度が算出された電波で通知された新たな第1受信信号強度とに基づいて判定値を算出する。このことにより、通信正否判定手段は、新たな第1受信信号強度と第2受信信号強度とに基づく判定値を用いて正規通信か否かを判定することができる。
また、前記第2通信部は、前記第2受信信号強度と、受信信号強度飽和検出用の第2閾値とを比較する第2比較手段を備え、前記第2受信信号強度が前記第2閾値を超えている場合には、前記第2送信実行手段は、第2減衰要請を前記第1通信部に送信し、前記第1送信実行手段は、前記第2減衰要請に基づいて、送信出力が前回出力よりも減衰するようにパワーコントロールを行って前記第2通信部に電波を送信し、前記算出手段は、前記第2減衰要請を送信した後に前記第1通信部から送信されて、前記第2減衰要請の必要がない電波の新たな第2受信信号強度と、該新たな第2受信信号強度が算出された電波で通知された第1受信信号強度とに基づいて前記判定値を算出してもよい。
この構成によれば、第1通信部と第2通信部が接近していて、第2受信信号強度が受信信号強度飽和検出用の第2閾値を超える場合があると、第2受信信号強度が飽和しているとする。
この場合は、第2通信部から第2減衰要請が、第1通信部に送られるため、第1通信部は、第2減衰要請に基づいて、送信出力が前回出力よりも減衰するようにパワーコントロールを行って第2通信部に電波を送信する。そして、第2通信部の算出手段は、第2減衰要請を送信した後に第1通信部から送信されて、第2減衰要請の必要がない電波の新たな第2受信信号強度と、該新たな第2受信信号強度が算出された電波で通知された第1受信信号強度とに基づいて判定値を算出する。このことにより、通信正否判定手段は、第1受信信号強度と新たな第2受信信号強度とに基づく判定値を用いて正規通信か否かを判定することができる。
前記問題点を解決するために、本発明の無線通信正否判定システムは、第1送信実行手段を備える第1通信部と、第2送信実行手段を備える第2通信部とを備え、前記第1送信実行手段と前記第2送信実行手段とが互いに同一周波数帯の電波通信にて双方向通信を実行可能な無線通信正否判定システムであって、前記第1通信部は、前記第2通信部からの電波の受信信号強度(以下、第1受信信号強度という)を算出する第1受信信号強度算出手段を備えていて、前記第1送信実行手段により、第1受信信号強度の情報を送信し、前記第2通信部は、前記第1通信部からの電波を受信した際、この電波の受信信号強度(以下、第2受信信号強度という)を算出する第2受信信号強度算出手段と、前記第1受信信号強度の時間変化と前記第2受信信号強度の時間変化との一致度合を示す判定値を算出する算出手段と、前記判定値と基準範囲との比較結果に基づいて、前記第1通信部との通信が正規通信か否かを判定する通信正否判定手段と、を備え、前記第1受信信号強度算出手段は、前記第2通信部からの電波を受信する毎に受信時刻を関連付けした第1受信信号強度を算出し、前記第1通信部は、前記第1送信実行手段により、複数の受信機会の第1受信信号強度の情報をまとめて送信するものである。
この構成によれば、第2通信部と第1通信部間の双方向通信が同一周波数帯で行われることから、アンテナ指向性や第2通信部と第1通信部間の距離によらず、また、第2通信部と第1通信部間の位置関係や電波の伝搬環境が変化しても、第1受信信号強度(電波強度)の時間変化と第2受信信号強度(電波強度)の時間変化との一致度合を示す判定値が基準範囲内となる。一方、リレー(中継器)を介して、第2通信部と第1通信部間で通信が行われた場合には、第1受信信号強度の時間変化と第2受信信号強度の時間変化との一致度合を示す判定値は基準範囲内とならない。そのため、第1受信信号強度の時間変化と第2受信信号強度の時間変化との一致度合を示す判定値と基準範囲との比較により正規通信か否かを判定することができる。
また、複数の受信機会の第1受信信号強度の情報をまとめて送信するため、第2通信部からの電波を受信する度に、該受信した電波の第1受信信号強度の情報を送信する場合に比べ、第2通信部からの電波に対する応答電波を送信する際に、個々の応答電波を簡素化することができる。
しかも、第2通信部からの電波を受信する度に、該受信した電波の第1受信信号強度の情報を送信する場合とは異なり、第2通信部において、第1受信信号強度の情報を受信するまで次の電波を送信できないといった不都合が生じないため、双方向通信を円滑に遂行することができる。
上記無線通信正否判定システムについて、前記通信正否判定手段は、前記第1受信信号強度及び前記第2受信信号強度の少なくとも一方の変動幅に応じて、正規通信か否かを判定するときの判定基準となる前記基準範囲を切り替えることとしてもよい。
第1受信信号強度と第2受信信号強度とが僅かに異なる場合、変動幅が大きい箇所では判定値に与える影響は小さいが、変動幅が小さい箇所では判定値に与える影響が大きくなる。そのため、変動幅が小さい箇所での正規通信の判定もれを抑制するために判定基準を緩くすれば好適となるように思えるが、そうした緩い判定基準で正規通信か否かの判定を行うと、変動幅が大きい箇所で必要以上に正規通信と判定される懸念がある。つまり、中継器使用不正行為まで正規通信と判定される懸念があり、中継器使用不正行為の検出精度が低下する虞がある。
そこで、判定基準となる基準範囲を変動幅に応じて切り替える構成に着目した。この構成によれば、変動幅に応じた判定基準で正規通信か否かを判定することにより、中継器使用不正行為の検出精度を向上できる。
上記無線通信正否判定システムについて、前記通信正否判定手段は、前記変動幅が一定値以上の箇所では、前記変動幅が前記一定値未満の箇所よりも前記判定基準を厳しくすることとしてもよい。
この構成によれば、変動幅が小さい箇所では、判定基準を緩くすることにより、正規通信の判定もれが抑制される。また、変動幅が大きい箇所では、判定基準を厳しくすることにより、中継器使用不正行為まで正規通信と判定されることが抑制される。これら双方により、中継器使用不正行為の検出精度を向上できる。
上記無線通信正否判定システムについて、前記算出手段は、前記第1受信信号強度及び前記第2受信信号強度の少なくとも一方の変動幅が規定値以上であることを条件に、前記判定値を算出することとしてもよい。
第1受信信号強度と第2受信信号強度とが僅かに異なる場合、変動幅が大きい箇所では判定値に与える影響は小さいが、変動幅が小さい箇所では判定値に与える影響が大きくなる。そのため、変動幅が小さい箇所での正規通信の判定もれを抑制するために判定基準を緩くすれば好適となるように思えるが、そうした緩い判定基準で正規通信か否かの判定を行うと、変動幅が大きい箇所で必要以上に正規通信と判定される懸念がある。つまり、中継器使用不正行為まで正規通信と判定される懸念があり、中継器使用不正行為の検出精度が低下する虞がある。
そこで、変動幅が大きい場合のみ判定値を算出する構成に着目した。この構成によれば、変動幅が大きいデータのみを抽出して判定値を算出し、この判定値を基準範囲と比較しつつ正規通信か否かの判定を行う。これにより、中継器使用不正行為の検出精度を向上できる。
上記無線通信正否判定システムについて、前記算出手段は、一定期間内の前記変動幅を測定し、その測定した変動幅が前記規定値以上のとき、その一定期間内のデータに基づいて前記判定値を算出する一方、前記測定した変動幅が前記規定値未満のとき、次の一定期間内の前記変動幅を測定しつつ、該一定期間内の前記変動幅が前記規定値以上になるまで前記変動幅の測定期間を延長することとしてもよい。
この構成によれば、必要に応じて変動幅の測定期間を延長することにより、変動幅が大きい一定期間内のデータを抽出し、そのデータに基づいて判定値を算出する。この判定値を用いることで、中継器使用不正行為の検出精度を向上できる。
上記無線通信正否判定システムについて、前記算出手段は、前記第1受信信号強度及び前記第2受信信号強度の少なくとも一方について、基準となるサンプリングデータとして最初のサンプリングデータを選択するとともに、次以降のサンプリングデータを対象に、それぞれのひとつ前のサンプリングデータに対する変動幅を測定し、その測定した変動幅が特定値以上のサンプリングデータの個数と前記最初のサンプリングデータの個数との合計が規定数に達したとき、前記変動幅が前記規定値以上であるとして、前記規定数のサンプリングデータに基づいて前記判定値を算出することとしてもよい。
この構成によれば、最初のサンプリングデータと共に変動幅が大きいサンプリングデータを集めた上で、それらのサンプリングデータに基づいて判定値を算出する。この判定値を用いることで、中継器使用不正行為の検出精度を向上できる。
本発明によれば、中継器を使用した無線通信の不正成立を生じ難くすることができる。
第1実施形態の通信不正成立防止システムの構成を示すブロック図。 スマート通信の通信シーケンスを示すタイミングチャート。 中継器を使用した不正通信の概要を示す説明図。 スマート通信における無線通信正否判定システムの無線通信の正否判定のフローチャート。 車両と電子キー間の無線通信における経路の説明図。 片側リレーの場合の車両と電子キー間の無線通信における経路の説明図。 第2実施形態の通信不正成立防止システムの構成を示すブロック図。 第3実施形態の通信不正成立防止システムの構成を示すブロック図。 第4実施形態の通信不正成立防止システムの構成を示すブロック図。 第5実施形態でのスマート通信における無線通信正否判定システムの無線通信の正否判定のフローチャート。 第1受信信号強度の時間変化と第2受信信号強度の時間変化を示すグラフ。 第6実施形態について、受信信号強度が相関係数に与える影響を示すグラフ。 スマート通信における無線通信正否判定システムの無線通信の正否判定のフローチャート。 第7実施形態について、受信信号強度の変動幅が大きい場合に相関認証を実施することを示すグラフ。 第8実施形態について、受信信号強度の変動幅が大きい場合に相関認証を実施することを示すグラフ。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した通信不正成立防止システムの第1実施形態を図1〜図6に従って説明する。
図1に示すように、車両1には、車両1から電子キー2に無線による問い合せ(リクエスト信号Srq)を送信して、この問い合せに対する電子キー2の応答(ID信号Sid)によりID照合を行うキー操作フリーシステム3が搭載されている。キー操作フリーシステム3には、車外でID照合が成立するとドアロック施解錠が許可又は実行されるエントリー機能と、車内でID照合が成立すると車内のエンジンスイッチ4による車両1の電源遷移操作及びエンジン始動操作が許可されるエンジン始動機能とがある。なお、電子キー2は通信端末の一例であって第1通信部に相当し、リクエスト信号Srqが問い合せに相当し、ID信号Sidが応答に相当する。
この場合、車両1には、電子キー2との間でID照合を実行するキー照合装置5と、ドアロック動作を管理するドアロック装置6と、エンジンの動作を管理するエンジン始動装置7とが設けられ、これらが車内バス8によって接続されている。キー照合装置5には、キー照合装置5のコントロールユニットとして照合ECU(Electronic Control Unit )9が設けられている。照合ECU9のメモリ(図示略)には、車両1と組みをなす電子キー2のIDコードが登録されている。なお、照合ECU9は通信マスタの一例であって、第2通信部に相当する。
照合ECU9には、車外及び車内にLF(Low Frequency )帯の電波を発信するLF発信機11と、車外及び車内にUHF(Ultra High Frequency)帯の電波を発信するとともにUHF帯の電波を受信するUHF送受信機12とが接続されている。
UHF送受信機12は、電子キー2へのID返信要求としてリクエスト信号SrqをUHF帯の電波によって送信し、いわゆるスマート通信の成立可否を試みる。
一方、電子キー2には、電子キー2の動作を統括制御するキー制御部13が設けられている。キー制御部13のメモリ(図示略)には、キー固有のIDとして「IDコード」が登録されている。キー制御部13には、LF帯の電波を受信可能なLF受信機14と、UHF帯の電波を受信可能であるとともにキー照合装置5から送信されるUHF帯の電波と同一周波数帯のUHF帯の電波を送信可能なUHF送受信機15とが接続されている。
図2に示すように、車両駐車時、LF発信機11からLF帯のウェイク信号16が断続的に送信され、このウェイク信号16を電子キー2が受信して車外のスマート通信(車外通信)が確立すると、電子キー2からUHF帯のアック信号17が返信される。
照合ECU9は、ウェイク信号16の送信後にアック信号17を受信すると、続いてUHF帯の「ビークルID18」を送信する。「ビークルID18」は、車両1の固有IDである。電子キー2は、「ビークルID18」を受信するとビークルID照合を行い、ビークルID照合が成立することを確認すると、UHF帯のアック信号19を再度返信する。
照合ECU9は、「ビークルID18」の送信後にアック信号19を受信すると、続いてチャレンジ20を送信する。チャレンジ20には、「チャレンジコード」と「キー番号」とが含まれる。チャレンジ20は、リクエスト信号Srqに相当する。
電子キー2は、チャレンジ20を受信すると、まずはキー番号照合を行い、この照合が成立することを確認すると、「チャレンジコード」を自身の暗号鍵に通して「レスポンスコード」を演算する。そして、電子キー2は、この「レスポンスコード」と「IDコード」を主データとするレスポンス21を送信する。ここでレスポンス21は、前記ID信号Sidに相当する。
照合ECU9は、チャレンジ20を電子キー2に送信する際、自身も自らの暗号鍵にチャレンジコードを通して「レスポンスコード」を演算する。照合ECU9は、電子キー2からレスポンス21を受信すると、「レスポンスコード」の正否を確認するレスポンス照合と、電子キー2の「IDコード」の正否を確認するIDコード照合とを行う。照合ECU9は、両照合が成立したことを確認すると、原則的にスマート照合(車外照合)を成立として処理し、ドアロック装置6によるドアロック施解錠を許可又は実行する。
また、運転者が乗車したことが例えばカーテシスイッチ等により検出されると、車外に代えて今度は車内へLF発信機11からLF帯のウェイク信号16の送信が開始されて、車内のスマート通信(車内通信)が実行される。そして、車外照合と同様の手順で車内のスマート照合(車内照合)の成立可否が確認され、車内照合の成立が確認されると、エンジン始動装置7による電源遷移操作及びエンジン始動操作が許可される。
本実施形態の場合、図1に示すように、キー操作フリーシステム3には、図3に示す中継器22を使用したスマート通信の不正成立を防止する通信不正成立防止システム23が設けられている。中継器22を使用した不正通信成立とは、電子キー2を所持したユーザが車両1から遠く離れている際に、盗難行為を試みる第三者が、中継器22によって電波を中継して、スマート通信を不正に成立させる行為(中継器を使った不正行為)である。本実施形態の通信不正成立防止システム23は、この中継器22を使用した不正通信成立を防止するためのものである。
ところで、この種の中継器22では、データ内容を中継できるものの、電波強度まで中継(コピー)することはできない現状がある。よって、電子キー2において電波の受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indication )を確認すれば、スマート通信が電子キー2を経由した正規通信なのか、或いは中継器22を使用した不正通信なのかが分かる。このため、本実施形態の通信不正成立防止システム23は、電子キー2における電波の受信信号強度を確認することにより、スマート通信の通信正否判定を実行する。
この場合、図1に示すように、電子キー2のキー制御部13には、照合ECU9からUHF帯の電波を受信した際、この受信電波の受信信号強度を算出する受信信号強度算出部26が設けられている。受信信号強度算出部26は、UHF送受信機15で電波を受信した際、受信電波の振幅を検出することによって第1受信信号強度RSSI1 を算出する。受信信号強度算出部26は、第1受信信号強度算出手段に相当する。
また、電子キー2のキー制御部13には、受信信号強度算出部26が算出した第1受信信号強度RSSI1 を車両1に通知する受信信号強度通知部27が設けられている。
受信信号強度通知部27は、電子キー2が車両1の問い合せに応答して各種電波(以降、まとめてUHF電波28と記す)を送信する際に、UHF電波28の主データ29の他に、受信電波の第1受信信号強度RSSI1 を表すデータとして受信信号強度情報30をUHF電波28に乗せる。主データ29は、本実施形態では、前記「IDコード」と前記「レスポンスコード」である。受信信号強度通知部27は、第1送信実行手段に相当する。
一方、図1に示すように、照合ECU9には、スマート通信時において車両1が電子キー2にUHF帯の各種電波(以降、まとめてUHF電波24と記す)を送信する際に、このUHF電波24を、同一周波数帯で送信させる送信処理部25が設けられている。送信処理部25は、第2送信実行手段に相当する。
また、照合ECU9には、電子キー2からのUHF帯の電波を受信した際、この受信電波の受信信号強度である第2受信信号強度RSSI2 を算出する受信信号強度算出部9aが設けられている。受信信号強度算出部9aは、第2受信信号強度算出手段に相当する。
また、照合ECU9には、電子キー2からのUHF帯の電波で通知された受信信号強度情報30(第1受信信号強度RSSI1 )と、受信信号強度情報30を受信したときの受信信号の第2受信信号強度RSSI2 との差分を算出する算出部9bが設けられている。算出部9bは、算出手段に相当する。
また、照合ECU9には、通信正否判定部31が設けられている。通信正否判定部31は、前記差分と予め登録されている基準値Rとを比較し、その比較結果に基づいて、電子キー2とのスマート通信が正規通信か否かを判定する。通信正否判定部31は、通信正否判定手段に相当し、前記差分は、判定値に相当する。
(基準値Rについて)
基準値Rは、下記のようにして照合ECU9の図示しないメモリに登録されている。
照合ECU9に電子キー2の前記「IDコード」や前記「暗号鍵」を登録する時の通信において、電子キー2が車両1からのUHF帯の電波(受信信号)を受信したときの第1受信信号強度RSSI1 は、受信信号強度算出部26にて算出され、受信信号強度通知部27にて、該算出された第1受信信号強度RSSI1 を車両1に通知する。このとき、受信信号強度情報30は、前記「IDコード」や前記「暗号鍵」を通知する際の電波等を使用して、通知する。
受信信号強度情報30が乗ったUHF帯の電波の第2受信信号強度RSSI2 は、受信信号強度算出部9aにて算出され、算出部9bにて、電子キー2から送信された第1受信信号強度RSSI1 と、受信信号強度算出部9aが算出した第2受信信号強度RSSI2 との差分を算出する。この差分を基準値Rとして、照合ECU9は図示しないメモリに登録する。
なお、この基準値Rの登録時のUHF帯の電波の周波数帯は、前記スマート通信の周波数帯と同一周波数帯である。ここで、電子キー2の前記「IDコード」や前記「暗号鍵」を登録する場合、電子キー2は車両1に対して近接した位置、または車室内に位置した状態であって、中継器を使用しないで登録される。
(第1実施形態の作用)
次に、本実施形態の通信不正成立防止システム23の動作を図4〜図6に従って説明する。
まず、図4に示すように、車両1が電子キー2とスマート通信を実行する場合を想定する。図4は、スマート通信における無線通信正否判定システムの無線通信の正否判定のフローチャートである。なお、説明の便宜上、車両1のビークルID、暗号鍵及びキー番号は、正規の組合せのものであることを前提として説明する。また、電子キー2におけるキー制御部13の受信信号強度算出部26は、車両1からのUHF電波24の受信がある毎に、そのUHF電波24の受信信号強度を算出しているものとする。
車両1(照合ECU9)は、スマート通信時において、最初にLF帯の電波のウェイク信号16を送信する。電子キー2は、ウェイク信号16を受信すると、UHF帯の電波のアック信号17を車両1に送信する。次に、車両1(照合ECU9)は、UHF電波24でビークルID18を送信する。ビークルID18を受信した電子キー2は、UHF帯の電波のビークルID18のビークルID照合の成立を確認した後、UHF帯の電波のアック信号19を車両1に送信する。車両1(照合ECU9)は、アック信号19を受信すると、「チャレンジコード」と「キー番号」を乗せたリクエスト信号Srq(UHF電波24)としてチャレンジ20を送信する。チャレンジ20を受信した電子キー2は、主データ29(「IDコード」と「レスポンスコード」)と、チャレンジ20を受信した際の受信信号強度である第1受信信号強度RSSI1 を乗せて、UHF電波28であるレスポンス21を車両1に送信する。車両1の照合ECU9は、電子キー2からレスポンス21を受信すると、「レスポンスコード」の正否を確認するレスポンス照合と、電子キー2の「IDコード」の正否を確認するIDコード照合とを行う。照合ECU9は、両照合が成立したことを確認すると、次に、S10で、「通信条件」の成立の有無を判定する。
(通信条件)
通信条件は、
P1crx(車両の受信電力)= P1krx(電子キーの受信電力) + □
……(1)
式(1)が成立しているか、である。
前記通信条件の導出について図5を参照して説明する。なお、図5において、rは、車両1と電子キー2の両アンテナの距離である。
車両1から電子キー2へ、同一周波数帯の電波で通信する場合、
車両の送信電力 :P1ctx(dBm)
車両の送信受信アンテナ・ゲイン :Gc(dBm)
自由区間での伝搬ロス :Lr(dBm)
電子キーの送信受信アンテナ・ゲイン:Gk(dBm)
電子キーの受信電力 :P1krx(dBm)
とすると、
P1ctx+Gc−Lr+Gk=P1krx ……(2)
であり、電子キーの受信電力P1krxは、電子キーでの第1受信信号強度RSSI1 に近似する値となる。
一方、電子キー2から車両1へ通信する場合、
電子キーの送信電力 :P1ktx(dBm)
電子キーの送信受信アンテナ・ゲイン :Gk(dBm)
自由区間での伝搬ロス :Lr(dBm)
車両の送信受信アンテナ・ゲイン :Gc(dBm)
車両の受信電力 :P1crx(dBm)
とすると、
P1ktx+Gk−Lr+Gc=P1crx ……(3)
であり、車両の受信電力P1crxは、車両での第2受信信号強度RSSI2 に近似する値となる。ここで、車両の送信受信アンテナ・ゲインGcと電子キーの送信受信アンテナ・ゲインGkとは、下記のようになっており、
Gc=Gk+□(dBm) ……(4)
で、送信受信アンテナでの合計電力P0は、車両及び電子キーとも同じP0、
P0=P1ctx+Gc=P1ktx+Gk ……(5)
とすると、
P1ctx(車両の送信電力) = P1ktx(電子キーの送信電力) − □
……(6)
となる。□は差分を表わす。
また、
Gc=Gk+□(dBm) ……(7)
で、
P1crx(車両の受信電力)+Gc=P1krx(電子キーの受信電力)+Gk
……(8)
とすると、前記式(1)となる。
上記のことから、P1ctx(車両の送信電力)とP1ktx(電子キーの送信電力)とは、周波数帯が一定の場合、車両と電子キーでの受信信号強度の差分□が一定となる。
従って、差分□が常に一定であれば、式(1)が成立することになる。
本実施形態では、式(1)が成立するか否かの判定のために、照合ECU9では受信信号強度算出部9aでレスポンス21の第2受信信号強度RSSI2 を算出し、このレスポンス21の第2受信信号強度RSSI2 とレスポンス21で通知された受信信号強度情報30(第1受信信号強度RSSI1 )との差分を、算出部9bで算出する。そして、通信正否判定部31は、基準値Rと前記差分とを比較することにより、通信正否の判定を行う。本実施形態では、差分が基準値Rに一致することは、差分が基準範囲にあることに相当する。
なお、基準値Rと差分□との比較においては、基準値Rと差分□とが同一値の場合に、中継器使用不正行為がない適正な通信であると判定してもよく、或いは、差分□がR−Δ≦□≦R+Δの範囲(すなわち、基準範囲)内である場合に、差分が一定であると看做して中継器使用不正行為がない適正な通信と判定してもよい。なお、Δは、中継器使用不正行為がないと判定してもよいとする値である。
図4のS10において、式(1)を満たす場合(すなわち、成立する場合)には、照合ECU9はスマート通信を正規通信として判定処理するとともに、スマート照合(車外照合)を成立として処理し、S20において、ドアロック装置6によるドアロック施解錠を許可又は実行する。
一方、図6に示すように中継器22により片側リレーで電波が中継される場合、動作範囲は、車両1から電子キー2で決まるため、中継器22を介して通信が行われると、前記式(1)を満たさない。このため、中継器使用不正行為が検出できることになる。
なお、図6において、Grは、中継器22のアンテナのゲイン、P1rtxは、中継器22の送信電力、P1rrxは、中継器22の受信電力である。また、Lxは、中継器22と車両1の距離xによる伝搬ロス、Lyは、中継器22と電子キー2の距離yによる伝搬ロスである。
また、中継器22により双方向リレーで電波が中継される場合、車両1から電子キー2への通信に関与するアンテナ・ゲインGc、Gr、Gkと、電子キー2から車両1への通信に関与するアンテナ・ゲインGc、Gr、Gkとが等しくないと、受信信号強度の差分□が、一定とならず、式(1)を満足しない。すなわち、このような双方向リレーで電波を中継する際に、往路に関与するゲインと復路に関与するゲインを相互に等しくなるようにする中継器の作成は難しい。従って、中継器使用不正行為の検出を容易に行うことができる。
上記のようにして、S10において、式(1)を満たさない場合(すなわち、不成立の場合)には、照合ECU9はスマート通信を不正通信として判定処理し、S30において、スマート照合(車外照合)を不成立として処理する。
以上により、本実施形態においては、スマート通信の際に車両1と電子キー2との間で同一周波数帯のUHF電波24、UHF電波28で通信を行う。そして、電子キー2は車両1からの電波を受信したときの第1受信信号強度RSSI1 を算出する。そして、電子キー2では、算出した第1受信信号強度RSSI1 を受信信号強度情報30として車両1に送信する。車両1では、受信信号強度情報30が乗った電波の第2受信信号強度RSSI2 を算出し、受信信号強度情報30(第1受信信号強度RSSI1 )と算出した第2受信信号強度RSSI2 との差分を算出し、この差分が基準値と同一であれば、スマート通信を正規通信として処理し、一方で、同一でない場合には、中継器22を使用した不正通信として処理する。よって、中継器22を使用した不正通信を見分けることが可能となるので、不正通信を成立として処理させてしまうことを防ぐことが可能となる。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)車両1と電子キー2との間を同一周波数帯のUHF電波で通信し、電子キー2では車両1からの電波の第1受信信号強度RSSI1 を算出して、その受信信号強度を受信信号強度情報30として車両1に送信する。そして、車両1では、通知された受信信号強度情報30(第1受信信号強度RSSI1 )と受信信号強度情報30が乗った電波の第2受信信号強度RSSI2 の差分を算出して、この差分が基準値と同一か否かを確認することにより、スマート通信の通信正否を判定する。このため、スマート通信が中継器22を使用した通信か否かを見分けることが可能となるので、中継器22を使用した不正通信を成立させ難くすることができる。よって、車両1の不正使用や盗難に対するセキュリティ性を確保することができる。
(2)スマート通信の正否認証を車両1側で行うため、この種の認証機能を新たに電子キー2に設ける必要がない。よって、今まで使用していた電子キー2をそのまま継続使用することができ、かつ電子キー2を簡素な構造で済ますことができる。
(3)正規通信か否かを判定するべく基準値との比較に用いる判定値を第1受信信号強度RSSI1 と第2受信信号強度RSSI2 との差分とするため、簡単な演算で素早く正規通信か否かを判定することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のキー操作フリーシステム3に採用した通信不正成立防止システム23を図7に従って説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態と異なる構成を中心に説明し、第1実施形態と同一構成または相当する構成については同一符号を付して詳しい説明を省略する。なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、車両1と電子キー2との間の通信に使用されるUHF電波は、同一周波数帯である。また、本実施形態を含めた各実施形態のUHF電波の種類は限定するものではない。
本実施形態では、電子キー2のキー制御部13には、比較部13aが設けられているところが、第1実施形態と異なっている。
比較部13aは、受信信号強度算出部26が算出した、車両1から送信されたUHF電波の第1受信信号強度RSSI1 を受信信号強度飽和検出用の第1閾値と比較する。なお、第1閾値は、例えばUHF送受信機15内部の回路が処理できるUHF電波の受信信号強度の飽和値(最大値)よりも若干低い値である。第1受信信号強度RSSI1 が受信信号強度飽和検出用の第1閾値を超えている場合には、比較部13aは、受信電波の第1受信信号強度RSSI1 が飽和していると判定する。受信信号強度通知部27は、この判定があった場合には、車両1に、飽和しているとした第1受信信号強度RSSI1 及び減衰要請を、UHF電波で通知する。この通知するUHF電波は、車両1からのUHF電波が飽和していると判定された場合、電子キー2がその応答として送信するものである。
ここで、比較部13aは、第1比較手段に相当し、前記減衰要請は第1減衰要請に相当する。
車両1の照合ECU9では、第1受信信号強度RSSI1 及び減衰要請を受信すると、送信処理部25が、それらに基づいて、送信出力を前回出力よりも減衰するようにパワーコントロールを行って電子キー2にUHF電波を送信する。この場合、送信出力の減衰量αは、予め設定された量である。
なお、車両1の照合ECU9では、第1受信信号強度RSSI1 及び減衰要請を受信する毎に、前述の処理と同様の処理を行う。
そして、算出部9bは、上記処理があった後に、電子キー2から減衰要請がなくて第1受信信号強度RSSI1 の通知を受けた場合には、前記減衰要請がない電波自体の第2受信信号強度RSSI2 と、該電波により通知された新たな第1受信信号強度RSSI1 との差分を算出する。
この場合、通信正否判定部31は、送信出力を減衰量αで減衰した回数nに応じて、「R」から「R+n・α」に変更した基準値と、算出部9bが算出した差分とを比較することにより、通信正否の判定を行う。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)車両1と電子キー2とが接近している場合において、電子キー2が受信した電波の受信信号強度が飽和する場合がある。この場合、本実施形態では、電子キー2から車両1の照合ECU9に対して電波の送信出力を減衰要請することにより、電子キー2が受信する電波の受信信号強度の飽和がないようにできる。この飽和がなくなった状態で、スマート通信の通信正否を判定することができる。その結果、第1実施形態と同様の効果を得る。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態のキー操作フリーシステム3に採用した通信不正成立防止システム23を図8に従って説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態と異なる構成を中心に説明し、第1実施形態と同一構成または相当する構成については同一符号を付して詳しい説明を省略する。なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、車両1と電子キー2との間の通信に使用されるUHF電波は、同一周波数帯である。
本実施形態では、車両1の照合ECU9には、比較部9cが設けられているところが、第1実施形態と異なっている。
比較部9cは、受信信号強度算出部9aが算出した電子キー2からのUHF電波の第2受信信号強度RSSI2 と、受信信号強度飽和検出用の第2閾値とを比較し、第2受信信号強度RSSI2 が受信信号強度飽和検出用の第2閾値を超えている場合には、受信電波の受信信号強度が飽和していると判定する。なお、第2閾値は、例えばUHF送受信機12内部の回路が処理できるUHF電波の受信信号強度の飽和値(最大値)よりも若干低い値である。
送信処理部25は、減衰要請と、第2閾値を超えた第2受信信号強度RSSI2 を電子キー2に送信する。ここで、前記比較部9cは第2比較手段に相当し、前記減衰要請は第2減衰要請に相当する。
電子キー2の受信信号強度通知部27は、前記減衰要請と第2閾値を超えた第2受信信号強度RSSI2 に基づいて、送信出力が前回出力よりも減衰するようにパワーコントロールを行って、車両1に電波を送信する。この場合、送信出力の減衰量βは、予め設定された量である。なお、減衰量βは第2実施形態の減衰量αと同じでも異なっていてもよい。
電子キー2では、前記減衰要請と第2閾値を超えた第2受信信号強度RSSI2 を受信する毎に、前述の処理と同様の処理を行う。
車両1の照合ECU9の算出部9bは、前記減衰要請と第2閾値を超えた第2受信信号強度RSSI2 を送信した直後又はそれ以降に送信処理部25が前記減衰要請を含まないチャレンジ20を行った後に電子キー2から送信された電波自体の新たな第2受信信号強度RSSI2 と、該新たな第2受信信号強度RSSI2 が算出された電波で通知された第1受信信号強度RSSI1 との差分を算出する。そして、通信正否判定部31は、送信出力を減衰量βで減衰した回数m(すなわち、減衰要請回数)に応じて、「R」から「R+m・β」に変更した基準値と、算出部9bが算出した差分とを比較することにより、通信正否の判定を行う。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)車両1と電子キー2とが接近している場合において、照合ECU9が受信した電波の受信信号強度が飽和する場合がある。この場合、本実施形態では、照合ECU9から電子キー2に対して電波の送信出力を減衰要請することにより、照合ECU9が受信する電波の受信信号強度の飽和がないようにできる。この飽和がなくなった状態で、スマート通信の通信正否を判定することができる。その結果、第1実施形態と同様の効果を得る。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態のキー操作フリーシステム3に採用した通信不正成立防止システム23を図9を参照して説明する。第4実施形態は、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせたものである。すなわち、本実施形態では、図9に示すように比較部13aを有する電子キー2と、比較部9cを有する照合ECU9とにより、キー操作フリーシステム3及び通信不正成立防止システム23が構成されている。この通信不正成立防止システム23は、第2実施形態と第3実施形態でそれぞれ説明した作用効果を有するものとなる。
なお、第4実施形態において、n・減衰量α≠m・減衰量βの場合、通信正否判定部31は、送信出力を、車両1側と電子キー2側でそれぞれ減衰した量に応じて、「R」から「R+n・α−m・β」に変更した基準値と、算出部9bが算出した差分とを比較することにより、通信正否の判定を行う。
また、n・減衰量α=m・減衰量βの場合、通信正否判定部31は、基準値を「R」にして、該基準値Rと、算出部9bが算出した差分とを比較することにより、通信正否の判定を行う。
なお、上記第1〜第4実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・上記各実施形態では、レスポンス21に受信信号強度情報30を乗せたが、電子キー2から送信するUHF電波28において、受信信号強度情報30を乗せる電波は、前述したアック信号17、19、レスポンス21のいずれでもよく、また、他の種類のUHF電波であってもよい。そして、受信信号強度情報30を乗せた電波の第2受信信号強度RSSI2 を受信信号強度算出部9aで算出し、算出部9bで差分を算出した後、通信正否判定部31において、基準値Rと差分□とを比較するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、受信信号強度情報30を乗せた電波の受信信号強度を第2受信信号強度RSSI2 としたが、受信信号強度情報30を含まない電子キー2からの電波の受信信号強度を第2受信信号強度RSSI2 としてもよい。
・上記各実施形態では、レスポンス21の第2受信信号強度RSSI2 とチャレンジ20の第1受信信号強度RSSI1 (受信信号強度情報30)との差分が基準値Rと異なった場合が1回あった場合、正規通信ではないとした。
これに代えて、車両1と電子キー2との各種電波の通信において、複数回通信し、車両1で第1受信信号強度RSSI1 (受信信号強度情報30)が通知された電波の第2受信信号強度RSSI2 と該第1受信信号強度RSSI1 との差分が基準値と同一でない場合が通信正否判定部31の判定で複数回あった後に、差分が一定となった場合、不正通信として処理してもよい。
・第2実施形態では、車両1から送信されたUHF電波が飽和しているとき、電子キー2は、減衰要請(第1減衰要請)と、そのときの第1受信信号強度RSSI1 を車両1に送信することとしたが、減衰要請(第1減衰要請)のみを車両1に送信してもよい。この場合、車両1の照合ECU9における送信処理部25では、この減衰要請に基づいて、UHF電波の送信出力を減衰する。
・第3実施形態では、電子キー2から送信されたUHF電波が飽和しているとき、車両1は、減衰要請(第2減衰要請)と、そのときの第2受信信号強度RSSI2 を電子キー2に送信することとしたが、減衰要請(第2減衰要請)のみを電子キー2に送信してもよい。この場合、電子キー2の受信信号強度通知部27では、この減衰要請に基づいて、UHF電波の送信出力を減衰する。
・第1受信信号強度RSSI1 及び第2受信信号強度RSSI2 の少なくとも一方の変動幅に応じて、正規通信か否かを判定するときの判定基準となる上記基準値を切り替えてもよい。
・第1受信信号強度RSSI1 及び第2受信信号強度RSSI2 の少なくとも一方の変動幅が規定値以上であることを条件に、上記差分を算出してもよい。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態のキー操作フリーシステム3に採用した通信不正成立防止システム23を図1を援用しつつ図10及び図11に従って説明する。なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、車両1と電子キー2との間の通信に使用されるUHF電波は、同一周波数帯である。
本実施形態では、第1受信信号強度RSSI1 と第2受信信号強度RSSI2 との差分に代えて、第1受信信号強度の時間変化と第2受信信号強度の時間変化との一致度合を判定値とするところが、第1実施形態と異なっている。
図10に示すように、車両1が電子キー2とスマート通信を実行する場合を想定する。なお、電子キー2におけるキー制御部13の受信信号強度算出部26は、車両1からのUHF電波24の受信がある毎に、そのUHF電波24の第1受信信号強度を受信時刻と関連付けして算出しているものとする。よって、受信信号強度算出部26は第1受信信号強度算出手段に相当する。また、車両1における照合ECU9の受信信号強度算出部9aは、電子キー2からのUHF電波28の受信がある毎に、そのUHF電波28の第2受信信号強度を受信時刻と関連付けして算出しているものとする。よって、受信信号強度算出部9aは第2受信信号強度算出手段に相当する。これらにより、車両1と電子キー2の双方において、相手側からのUHF電波の受信信号強度の時間変化が得られることになる。
車両1(照合ECU9)は、スマート通信時において、最初にLF帯の電波のウェイク信号を送信する。電子キー2は、ウェイク信号を受信すると、UHF帯の電波のアック信号を車両1に送信する。
その後、車両1(照合ECU9)は、UHF電波24による1回目のチャレンジを送信する。1回目のチャレンジを受信した電子キー2は、1回目のチャレンジを受信した際の第1受信信号強度RSSIkey1(便宜上B1とする)を1回目のチャレンジの受信時刻に関連付けして算出した上で、本例では当該第1受信信号強度RSSIkey1を含まないUHF電波28である1回目のレスポンスを車両1に送信する。車両1の照合ECU9は、1回目のレスポンスを受信すると、1回目のレスポンスを受信した際の第2受信信号強度RSSIcar1(便宜上A1とする)を1回目のレスポンスの受信時刻に関連付けして算出した上で、UHF電波24による2回目のチャレンジを送信する。
2回目のチャレンジを受信した電子キー2は、2回目のチャレンジを受信した際の第1受信信号強度RSSIkey2(便宜上B2とする)を2回目のチャレンジの受信時刻に関連付けして算出した上で、本例では当該第1受信信号強度RSSIkey2を含まないUHF電波28である2回目のレスポンスを車両1に送信する。車両1の照合ECU9は、2回目のレスポンスを受信すると、2回目のレスポンスを受信した際の第2受信信号強度RSSIcar2(便宜上A2とする)を2回目のレスポンスの受信時刻に関連付けして算出した上で、UHF電波24による3回目のチャレンジ(図示略)を送信する。
やがて、n回目のチャレンジを受信した電子キー2は、n回目のチャレンジを受信した際の第1受信信号強度RSSIkeyn(便宜上Bnとする)をn回目のチャレンジの受信時刻に関連付けして算出した上で、本例では当該第1受信信号強度RSSIkeynを含まないUHF電波28であるn回目のレスポンスを車両1に送信する。車両1の照合ECU9は、n回目のレスポンスを受信すると、n回目のレスポンスを受信した際の第2受信信号強度RSSIcarn(便宜上Anとする)をn回目のレスポンスの受信時刻に関連付けして算出する。
そして、車両1と電子キー2との間でチャレンジ及びレスポンスの送受信をn回繰り返すことが取り決められていることを前提に、電子キー2は、n回目のレスポンスを車両1に送信した後、上記B1〜Bnを全て含む第1受信信号強度情報RSSIkeymを乗せたUHF電波28を車両1に送信する。
車両1の照合ECU9は、S40において、第1受信信号強度の時間変化と第2受信信号強度の時間変化との一致度合を示す相関係数ρ(−1≦ρ≦1)を計算する。相関係数ρは判定値に相当し、照合ECU9の算出部9bは算出手段に相当する。ここで、車両1が測定した第2受信信号強度はA=[A1,A2,・・・,An]であり、電子キー2が測定した第1受信信号強度はB=[B1,B2,・・・,Bn]である。そして、図11には、車両1が測定した第2受信信号強度が×印でプロットされ、電子キー2が測定した第1受信信号強度が○印でプロットされ、それらにより、各受信信号強度の時間変化が示されている。
相関係数ρの計算に戻り、第2受信信号強度の平均値はa=ΣAm/n(ただしm=1,2,・・・,n)であり、第1受信信号強度の平均値はb=ΣBm/n(ただしm=1,2,・・・,n)である。すると、第2受信信号強度とその平均値との差はA’=[A1−a,A2−a,・・・,An−a]となり、第1受信信号強度とその平均値との差はB’=[B1−b,B2−b,・・・,Bn−b]となる。
ピアソンの相関係数ρは、以下の式(9)を用いて計算される(S40)。
Figure 2018038024
車両1の照合ECU9は、S50において、相関係数ρが1に近いか否かを判断する。相関係数ρが1に近いほど相関が高く、第1受信信号強度の時間変化と第2受信信号強度の時間変化とがおよそ一致して相似形となっていることになる。逆に、相関係数ρが0に近いほど相関がなく、双方の時間変化が相似形からかけ離れていることになる。この1に近い値(一例として0.95)から1までの範囲が「基準範囲」に相当し、S50では、相関係数ρが0.95≦ρ≦1であるか否かが判断される。
車両1の照合ECU9は、S50でYESと判断すると、S60において、ドアロック施解錠を許可又は実行する一方、S50でNOと判断すると、S70において、中継器使用不正行為を検出しつつスマート照合(車外照合)を不成立として処理する。照合ECU9の通信正否判定部31は通信正否判定手段に相当する。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)車両1の照合ECU9と電子キー2との間の双方向通信が同一周波数帯のUHF電波で行われることから、アンテナ指向性や両者間の距離によらず、また、両者間の位置関係や電波の伝搬環境が変化しても、第1受信信号強度の時間変化と第2受信信号強度の時間変化との一致度合を示す判定値が基準範囲内となる。一方、中継器22を介して、照合ECU9と電子キー2との間で通信が行われた場合には、第1受信信号強度の時間変化と第2受信信号強度の時間変化との一致度合を示す判定値は基準範囲内とならない。そのため、第1受信信号強度の時間変化と第2受信信号強度の時間変化との一致度合を示す判定値である相関係数ρと基準範囲との比較により正規通信か否かを判定することができる。これにより、スマート通信が中継器22を使用した通信か否かを見分けることが可能となるので、中継器22を使用した不正通信を成立させ難くすることができる。よって、車両1の不正使用や盗難に対するセキュリティ性を確保することができる。
(2)複数の受信機会の第1受信信号強度の情報をまとめて送信するため、照合ECU9からの電波を受信する度に、該受信した電波の第1受信信号強度の情報を送信する場合に比べ、照合ECU9からの電波に対する応答電波を送信する際に、個々の応答電波を簡素化することができる。
(3)照合ECU9からの電波を受信する度に、該受信した電波の第1受信信号強度の情報を送信する場合とは異なり、照合ECU9において、第1受信信号強度の情報を受信するまで次の電波を送信できないといった不都合が生じないため、双方向通信を円滑に遂行することができる。
(4)上記(1)に関連して、電子キー2を持ったユーザが動いても、中継器使用不正行為を検出できる。
(5)中継器22による片側リレーの場合、一方の経路が異なることから中継器使用不正行為を検出できる。
(6)別周波数帯を用いた双方向リレーの場合、双方の経路が異なることから中継器使用不正行為を検出できる。
(7)照合ECU9に電子キー2を登録する時の第1受信信号強度の取得(交換)が不要である。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態のキー操作フリーシステム3に採用した通信不正成立防止システム23を図1を援用しつつ図12及び図13に従って説明する。本実施形態では、受信信号強度の変動幅に応じて、正規通信か否かを判定するときの判定基準となる「基準範囲」を切り替えるところが、第5実施形態と異なっている。
図12に示すように、第1受信信号強度と第2受信信号強度とが僅かに異なる場合、受信信号強度の変動幅が大きい箇所では相関係数に与える影響は小さいが、変動幅が小さい箇所では相関係数に与える影響が大きくなる。そのため、変動幅が小さい箇所での正規通信の判定もれを抑制するために判定基準を緩くすれば好適となるように思えるが、そうした緩い判定基準で正規通信か否かの判定を行うと、変動幅が大きい箇所で必要以上に正規通信と判定される懸念がある。つまり、中継器使用不正行為まで正規通信と判定される懸念があり、中継器使用不正行為の検出精度が低下する虞がある。
そこで、判定基準となる「基準範囲」を変動幅に応じて切り替える構成に着目し、本例では、変動幅が小さい箇所で判定基準を緩くする一方、変動幅が大きい箇所で判定基準を厳しくする構成を採用した。変動幅の大小は「一定値」を基準に判断される。
図13に示すように、車両1が電子キー2とスマート通信を実行する場合を想定する。なお、車両1が最初にLF帯の電波のウェイク信号を送信してから、後に電子キー2がB1〜Bnを全て含む第1受信信号強度情報RSSIkeymを乗せたUHF電波28を車両1に送信するまでの動作は、図10に示す第5実施形態の動作と同じである。
車両1の照合ECU9は、S80において、受信信号強度の変動幅(一例として双方の最大値の大きい方と双方の最小値の小さい方の差分)を計算するとともに、第5実施形態の式(9)を用いてピアソンの相関係数ρを計算する。
車両1の照合ECU9は、S90において、受信信号強度の変動幅が○dB以上か否かを判断する。○dBが上記「一定値」に相当する。
車両1の照合ECU9は、S90でYESと判断すると、S100において、相関係数ρが△≦ρ≦1か否かを判断する。図12を参照して、受信信号強度の変動幅が大きい箇所での相関係数の最小値よりも若干小さい値である0.95を△の一例とする。受信信号強度の変動幅が○dB以上の大きい箇所では、0.95から1までの範囲が「基準範囲」ということになり、S100では、相関係数ρが0.95≦ρ≦1か否かが判断される。
車両1の照合ECU9は、S100でYESと判断すると、S110において、ドアロック施解錠を許可又は実行する一方、S100でNOと判断すると、S120において、中継器使用不正行為を検出しつつスマート照合(車外照合)を不成立として処理する。
車両1の照合ECU9は、S90でNOと判断すると、S130において、相関係数ρが□≦ρ≦1か否かを判断する。図12を参照して、受信信号強度の変動幅が小さい箇所での相関係数の最小値よりも若干小さい値である0.75を□の一例とする。受信信号強度の変動幅が○dB未満の小さい箇所では、0.75から1までの範囲が「基準範囲」ということになり、S130では、相関係数ρが0.75≦ρ≦1か否かが判断される。
車両1の照合ECU9は、S130でYESと判断すると、S110において、ドアロック施解錠を許可又は実行する一方、S130でNOと判断すると、S120において、中継器使用不正行為を検出しつつスマート照合(車外照合)を不成立として処理する。
ところで、S100とS130との関係について、S100では相関係数ρが0.95≦ρ≦1か否かが判断される一方、S130では相関係数ρが0.75≦ρ≦1か否かが判断される。つまり、S90でYESと判断された変動幅が○dB以上の大きい箇所では、S100において相関係数ρが0.95≦ρ≦1か否かが判断されることにより、S130において相関係数ρが0.75≦ρ≦1か否かが判断される、S90でNOと判断された変動幅が○dB未満の小さい箇所よりも判定基準が厳しいことになる。別の言い方をすれば、S100では、より1に近い0.95を「基準範囲」の最小値とすることで、相関係数ρに基づき正規通信と判定される範囲を狭いものとし、これにより、判定基準を厳しくしている。本例ではS100の△が0.95であり、S130の□が0.75であるため、このことがS100及びS130では、△>□として示されている。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)受信信号強度の変動幅に応じた判定基準で正規通信か否かを判定することにより、中継器使用不正行為の検出精度を向上できる。
(2)変動幅が小さい箇所では、判定基準を緩くすることにより、正規通信の判定もれが抑制される。また、変動幅が大きい箇所では、判定基準を厳しくすることにより、中継器使用不正行為まで正規通信と判定されることが抑制される。これら双方により、中継器使用不正行為の検出精度を向上できる。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態のキー操作フリーシステム3に採用した通信不正成立防止システム23を図1を援用しつつ図14に従って説明する。本実施形態では、受信信号強度の変動幅が大きい場合のみ、相関係数ρと「基準範囲」とを比較する相関認証を行うところが、第5実施形態と異なっている。
先に触れた通り、第1受信信号強度と第2受信信号強度とが僅かに異なる場合、受信信号強度の変動幅が大きい箇所では相関係数ρに与える影響は小さいが、変動幅が小さい箇所では相関係数ρに与える影響が大きくなる。そのため、変動幅が小さい箇所での正規通信の判定もれを抑制するために判定基準を緩くすれば好適となるように思えるが、そうした緩い判定基準で正規通信か否かの判定を行うと、変動幅が大きい箇所で必要以上に正規通信と判定される懸念がある。つまり、中継器使用不正行為まで正規通信と判定される懸念があり、中継器使用不正行為の検出精度が低下する虞がある。
そこで、変動幅が大きい場合のみ相関係数ρを算出する構成に着目し、本例では、一定期間内の変動幅を測定し、その測定した変動幅が大きいとき、その一定期間内のデータに基づいて相関係数ρを算出する構成を採用した。一方、測定した変動幅が小さいとき、次の一定期間内の変動幅を測定しつつ、該一定期間内の変動幅が大きくなるまで変動幅の測定期間を延長することとした。一定期間内の変動幅の大小は「規定値」を基準に判断される。
図14に示すように、測定開始から○msが経過するまでの最初の一定期間内における受信信号強度の変動幅が□dB未満のとき、変動幅の測定期間を延長しつつ、次の一定期間内の変動幅を測定する。□dBが上記「規定値」に相当する。
そして、その一定期間内の変動幅が□dB未満のとき、再び変動幅の延長期間を延長しつつ、その次の一定期間内の変動幅を測定する。
この3つ目の一定期間内の変動幅が□dB以上のとき、該3つ目の一定期間内における相関係数ρを第5実施形態の式(9)を用いて算出した上で、その相関係数ρと「基準範囲」とを比較する相関認証を実施する。つまり、該3つ目の一定期間内における第1受信信号強度のデータと第2受信信号強度のデータとを抽出し、それらのデータに基づいて相関係数ρを算出した上で、相関認証を実施することになる。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)受信信号強度の変動幅が大きいデータのみを抽出して相関係数ρを算出し、この相関係数ρを「基準範囲」と比較しつつ正規通信か否かの判定を行う。これにより、中継器使用不正行為の検出精度を向上できる。
(2)必要に応じて変動幅の測定期間を延長することにより、変動幅が大きい一定期間内のデータを抽出し、そのデータに基づいて相関係数ρを算出する。この相関係数ρを用いることで、中継器使用不正行為の検出精度を向上できる。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態のキー操作フリーシステム3に採用した通信不正成立防止システム23を図1を援用しつつ図15に従って説明する。本実施形態では、受信信号強度の変動幅が大きいサンプリングデータを集めた上で、相関係数ρと「基準範囲」とを比較する相関認証を行うところが、第7実施形態と異なっている。
図15に示すように、基準となるサンプリングデータとして、受信信号強度の測定値を示す最初のサンプリングデータを選択するとともに、次以降のサンプリングデータを対象に、それぞれのひとつ前のサンプリングデータに対する変動幅を測定する。そして、最初のサンプリングデータの他、ひとつ前のサンプリングデータに対する変動幅が大きいサンプリングデータを記憶しつつ、それらの合計のデータ個数をカウントする。一方、ひとつ前のサンプリングデータに対する変動幅が小さいサンプリングデータについては、次のサンプリングデータを対象に変動幅を測定した後で破棄しつつ、上記データ個数のカウントから除外する。ひとつ前のサンプリングデータに対する変動幅の大小は「特定値」を基準に判断される。
本例では、2つ目〜5つ目のサンプリングデータはいずれも、それぞれのひとつ前のサンプリングデータに対する変動幅が△dB未満であるため破棄される一方、6つ目と7つ目のサンプリングデータは共に、それぞれのひとつ前のサンプリングデータに対する変動幅が△dB以上であるため、最初のサンプリングデータと共に記憶される。△dBが上記「特定値」に相当する。
こうしてカウントされたデータ個数が規定数(◇個であり、本例では3個)に達したとき、変動幅が規定値以上であるとして、該規定数のサンプリングデータに基づいて、相関係数ρを第5実施形態の式(9)を用いて算出した上で、その相関係数ρと「基準範囲」とを比較する相関認証を実施する。つまり、最初のサンプリングデータの他、6つ目と7つ目のサンプリングデータが示す第1受信信号強度の測定値と第2受信信号強度の測定値とを抽出し、それらの測定値(データ)に基づいて相関係数ρを算出した上で、相関認証を実施することになる。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)基準となる最初のサンプリングデータと共に変動幅が大きいサンプリングデータを集めた上で、それらのサンプリングデータに基づいて相関係数ρを算出する。この相関係数ρを用いることで、中継器使用不正行為の検出精度を向上できる。
なお、上記第5〜第8実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・判定値にピアソンの相関係数ρを用いる代わりに、相互相関係数を用いてもよい。或いは、最小二乗法やフーリエ変換、ウェーブレット変換を用いたり、画像処理技術(画像一致検出等)を応用してもよい。
・複数の受信機会の第1受信信号強度の情報をまとめて送信する代わりに、図1を援用して、照合ECU9からのUHF電波24を受信する度に、該受信した電波の第1受信信号強度の情報(受信信号強度情報30)を乗せたUHF電波28を車両1に送信してもよい。この場合、受信信号強度情報30は、UHF電波24の受信時刻が関連付けされた第1受信信号強度の情報である。これにより、車両1の照合ECU9は、UHF電波28の第2受信信号強度を受信時刻と関連付けして算出しつつ第2受信信号強度の時間変化を得ることができる他、UHF電波28に含まれる受信信号強度情報30に基づいて、第1受信信号強度の時間変化を得ることができる(図11と同様)。そして、照合ECU9の算出部9bは、受信信号強度情報30を含むUHF電波28を受信する度に(受信機会1回毎に)、或いは、複数回毎にまとめて、或いは、最後のn回後にまとめて相関係数ρを計算する。
・受信信号強度の変動幅は、第1受信信号強度及び第2受信信号強度の少なくとも一方の変動幅であればよい。この変動幅に応じて「基準範囲」を切り替える、或いは、その変動幅が規定値以上であることを条件に相関係数ρを算出してもよい。
・上記第6実施形態において、受信信号強度の変動幅による「基準範囲」の場合分けは3つ以上でもよい。場合分けが3つの例として、変動幅が大きい順に、判定基準が「厳しい:0.95≦ρ≦1」、「普通:0.85≦ρ≦1」、「緩い:0.75≦ρ≦1」となるように「基準範囲」を切り替えてもよい。
・上記第1〜第4実施形態の変更例に準じる構成を上記第5〜第8実施形態と組み合わせてもよい。
なお、上記第1〜第8実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・上記各実施形態において、電子キーシステムは、キー操作フリーシステム3に限定されず、例えばイモビライザーシステムとしてもよい。
・上記各実施形態において、双方向通信に使用する周波数帯は、UHF帯に限定されず、例えば、LF(Low Frequency )帯、HF(High Frequency)帯等の他の周波数帯を使用してもよい。尚、車両1と電子キー2との間での双方向通信に用いる電波について、同一周波数帯とは、それぞれの通信時の電波伝搬ロスが等しく、両者間でいわゆる相反定理(相反の理)が成り立つとみなせる周波数の範囲を指す。相反定理とは、同一周波数であれば、アンテナ指向性や両者間の距離によらず、双方の受信信号強度に基づく判定値が一定になる定理のことである。
・上記各実施形態において、通信マスタは、照合ECU9に限らず、通信を管理する他のECUとしてもよい。
・上記各実施形態において、通信端末は、電子キー2に限らず、無線通信が可能な端末であればよい。
・上記各実施形態において、問い合せは、リクエスト信号Srqに限らず、他の信号が採用可能である。また、応答は、ID信号Sidに限定されず、電子キー2が車両1に返信する信号であればよい。
・上記各実施形態において、通信不正成立防止システム23は、車両1に使用されることに限らず、他の機器や装置に応用可能である。
・上記各実施形態では、第1通信部を通信端末(電子キー2)とし、第2通信部を通信マスタ(照合ECU9)としたが、逆に第1通信部を通信マスタ(照合ECU9)とし、第2通信部を通信端末(電子キー2)としてもよい。すなわち、電子キー2側で、通信正否判定を行う前記各実施形態の照合ECU9の構成を、電子キー側に設けてもよい。
・上記各実施形態では、第1通信部または第2通信部のうちのいずれか一方で、通信正否判定を行うようにしたが、通信正否判定を行う前記各実施形態の照合ECU9の構成を、第1通信部、第2通信部の両方に設けてもよい。
・上記各実施形態において、受信信号強度から算出した各種パラメータを機械学習させて判定に用いてもよい。
1…車両、2…電子キー(通信端末、第1通信部)、3…キー操作フリーシステム、
4…エンジンスイッチ、5…キー照合装置、6…ドアロック装置、
7…エンジン始動装置、8…車内バス、9…照合ECU(通信マスタ、第2通信部)、
9a…受信信号強度算出部(第2受信信号強度算出手段)、
9b…算出部(算出手段)、
9c…比較部(第2比較手段)、
11…LF発信機、12…UHF送受信機、
13…キー制御部、13a…比較部(第1比較手段)、
14…LF受信機、15…UHF送受信機、16…ウェイク信号、
17、19…アック信号、18…ビークルID、20…チャレンジ、
21…レスポンス、22…中継器(リレー)、
23…通信不正成立防止システム、
24…UHF電波、25…送信処理部(第2送信実行手段)、
26…受信信号強度算出部(第1受信信号強度算出手段)、
27…受信信号強度通知部(第1送信実行手段)、
28…UHF電波、29…主データ、30…受信信号強度情報、
31…通信正否判定部(通信正否判定手段)、
Srq…問い合せとしてのリクエスト信号、Sid…応答としてのID信号、
RSSI1 …第1受信信号強度、RSSI2 …第2受信信号強度。

Claims (12)

  1. 第1送信実行手段を備える第1通信部と、第2送信実行手段を備える第2通信部とを備え、前記第1送信実行手段と前記第2送信実行手段とが互いに同一周波数帯の電波通信にて双方向通信を実行可能な無線通信正否判定システムであって、
    前記第1通信部は、前記第2通信部からの電波の受信信号強度(以下、第1受信信号強度という)を算出する第1受信信号強度算出手段を備えていて、前記第1送信実行手段により、第1受信信号強度の情報を送信し、
    前記第2通信部は、
    前記第1通信部からの電波を受信した際、この電波の受信信号強度(以下、第2受信信号強度という)を算出する第2受信信号強度算出手段と、
    前記第1受信信号強度と前記第2受信信号強度とに基づく判定値を算出する算出手段と、
    前記判定値と基準範囲との比較結果に基づいて、前記第1通信部との通信が正規通信か否かを判定する通信正否判定手段と、を備えた無線通信正否判定システム。
  2. 前記算出手段は、前記第1受信信号強度と前記第2受信信号強度との差分を前記判定値として算出する請求項1に記載の無線通信正否判定システム。
  3. 前記算出手段は、前記第1受信信号強度の時間変化と前記第2受信信号強度の時間変化との一致度合を前記判定値として算出する請求項1に記載の無線通信正否判定システム。
  4. 前記通信正否判定手段は、前記判定値と前記基準範囲との比較結果が正規通信でないことを示す場合が複数回あった場合には、正規通信でないと判定する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の無線通信正否判定システム。
  5. 前記第1通信部は、前記第1受信信号強度と、受信信号強度飽和検出用の第1閾値とを比較する第1比較手段を備え、前記第1受信信号強度が前記第1閾値を超えている場合には、前記第1送信実行手段は、第1減衰要請を前記第2通信部に送信し、
    前記第2送信実行手段は、前記第1減衰要請に基づいて、送信出力が前回出力よりも減衰するようにパワーコントロールを行って前記第1通信部に電波を送信し、
    前記算出手段は、前記送信出力を減衰して電波を送信した後に前記第1通信部から送信されて、前記第1減衰要請がない電波の第2受信信号強度と、該第2受信信号強度が算出された電波で通知された新たな第1受信信号強度とに基づいて前記判定値を算出する請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の無線通信正否判定システム。
  6. 前記第2通信部は、前記第2受信信号強度と、受信信号強度飽和検出用の第2閾値とを比較する第2比較手段を備え、前記第2受信信号強度が前記第2閾値を超えている場合には、前記第2送信実行手段は、第2減衰要請を前記第1通信部に送信し、
    前記第1送信実行手段は、前記第2減衰要請に基づいて、送信出力が前回出力よりも減衰するようにパワーコントロールを行って前記第2通信部に電波を送信し、
    前記算出手段は、前記第2減衰要請を送信した後に前記第1通信部から送信されて、前記第2減衰要請の必要がない電波の新たな第2受信信号強度と、該新たな第2受信信号強度が算出された電波で通知された第1受信信号強度とに基づいて前記判定値を算出する請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の無線通信正否判定システム。
  7. 第1送信実行手段を備える第1通信部と、第2送信実行手段を備える第2通信部とを備え、前記第1送信実行手段と前記第2送信実行手段とが互いに同一周波数帯の電波通信にて双方向通信を実行可能な無線通信正否判定システムであって、
    前記第1通信部は、前記第2通信部からの電波の受信信号強度(以下、第1受信信号強度という)を算出する第1受信信号強度算出手段を備えていて、前記第1送信実行手段により、第1受信信号強度の情報を送信し、
    前記第2通信部は、
    前記第1通信部からの電波を受信した際、この電波の受信信号強度(以下、第2受信信号強度という)を算出する第2受信信号強度算出手段と、
    前記第1受信信号強度の時間変化と前記第2受信信号強度の時間変化との一致度合を示す判定値を算出する算出手段と、
    前記判定値と基準範囲との比較結果に基づいて、前記第1通信部との通信が正規通信か否かを判定する通信正否判定手段と、を備え、
    前記第1受信信号強度算出手段は、前記第2通信部からの電波を受信する毎に受信時刻を関連付けした第1受信信号強度を算出し、
    前記第1通信部は、前記第1送信実行手段により、複数の受信機会の第1受信信号強度の情報をまとめて送信する無線通信正否判定システム。
  8. 前記通信正否判定手段は、前記第1受信信号強度及び前記第2受信信号強度の少なくとも一方の変動幅に応じて、正規通信か否かを判定するときの判定基準となる前記基準範囲を切り替える請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の無線通信正否判定システム。
  9. 前記通信正否判定手段は、前記変動幅が一定値以上の箇所では、前記変動幅が前記一定値未満の箇所よりも前記判定基準を厳しくする請求項8に記載の無線通信正否判定システム。
  10. 前記算出手段は、前記第1受信信号強度及び前記第2受信信号強度の少なくとも一方の変動幅が規定値以上であることを条件に、前記判定値を算出する請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の無線通信正否判定システム。
  11. 前記算出手段は、一定期間内の前記変動幅を測定し、その測定した変動幅が前記規定値以上のとき、その一定期間内のデータに基づいて前記判定値を算出する一方、前記測定した変動幅が前記規定値未満のとき、次の一定期間内の前記変動幅を測定しつつ、該一定期間内の前記変動幅が前記規定値以上になるまで前記変動幅の測定期間を延長する請求項10に記載の無線通信正否判定システム。
  12. 前記算出手段は、前記第1受信信号強度及び前記第2受信信号強度の少なくとも一方について、基準となるサンプリングデータとして最初のサンプリングデータを選択するとともに、次以降のサンプリングデータを対象に、それぞれのひとつ前のサンプリングデータに対する変動幅を測定し、その測定した変動幅が特定値以上のサンプリングデータの個数と前記最初のサンプリングデータの個数との合計が規定数に達したとき、前記変動幅が前記規定値以上であるとして、前記規定数のサンプリングデータに基づいて前記判定値を算出する請求項10に記載の無線通信正否判定システム。
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