JP2018036722A - 車両の運動制御方法及び車両の運動制御装置 - Google Patents

車両の運動制御方法及び車両の運動制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】自動運転の継続が困難な状態をドライバーに適切に伝達し、手動運転への切り替わりの心づもりを与えることができる車両の運動制御方法を提供すること。【解決手段】外界認識と自車両状態認識とに基づいて車両運動を制御する車両の運動制御方法において、自車両と、自車両の周囲に存在する障害物との物理的相対関係から算出されたリスクポテンシャルを制御目標にしての自動運転中、自動運転の継続可能性を予測判断し、自動運転継続困難地点への接近によって自動運転の継続可能性が低いと予測判断されると、リスクポテンシャル目標値を、通常走行用目標値とは乖離した接近走行用目標値に切り替え設定し(ステップS301〜ステップS305)、リスクポテンシャルが接近走行用目標値に一致するように、自車両の車両運動を制御する構成とした。【選択図】図5

Description

本開示は、外界認識と自車両状態認識に基づいて車両運動を制御する車両の運動制御方法及び車両の運動制御装置に関するものである。
従来、自動運転から手動運転に切り替わったときに運転に注力することができるよう、自動運転の継続可能性に応じて車載情報機器の機能制限を行うことでドライバーに自動運転の継続可能性状態を伝達し、ドライバーに手動運転への切り替わりの心づもりをさせる車両制御方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
WO2015/162764 A1
しかしながら、ドライバーは、自動運転中に必ず車載情報機器を使用するとは限らない。そのため、従来の車両制御方法のように、車載情報機器を機能制限することで自動運転の継続可能性状態を伝達する場合では、ドライバーが車載情報機器を使用していないときには、自動運転の継続可能性状態をドライバーに適切に伝達することができないという問題があった。
本開示は、上記問題に着目してなされたもので、自動運転の継続が困難な状態をドライバーに適切に伝達し、手動運転への切り替わりの心づもりを与えることができる車両の運動制御方法及び車両の運動制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示は、外界認識と自車両状態認識とに基づいて車両運動を制御する車両の運動制御方法であり、自車両と、自車両の周囲に存在する障害物との物理的相対関係から算出されたリスクポテンシャルを制御目標にしての自動運転中、自動運転の継続可能性を予測判断する。そして、自動運転の継続が困難な自動運転継続困難地点への接近によって自動運転の継続可能性が低いと予測判断されると、リスクポテンシャルの制御目標値を、通常走行用目標値とは乖離した接近走行用目標値に切り替え設定する。さらに、制御目標値が接近走行用目標値に設定されると、リスクポテンシャルが接近走行用目標値に一致するように、自車両の車両運動を制御する。
この結果、自動運転の継続が困難な状態をドライバーに適切に伝達し、手動運転への切り替わりの心づもりを与えることができる。
実施例1の車両の運動制御方法及び運動制御装置が適用された車両運動支援システムを示す全体システム構成図である。 実施例1の車両走行計画演算部が有するフィードバック制御部の構成を示すブロック図である。 実施例1の車両制御演算装置にて実行される車両運動制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の車両制御演算装置にて実行される自動運転継続可能性判断処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の車両制御演算装置にて実行されるリスクポテンシャル目標値設定処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の車両の運動制御装置によって設定されたリスクポテンシャル目標値の特性を示すタイムチャートである。 本開示の車両の運動制御装置によって設定されるリスクポテンシャル目標値の設定例を示す説明図である。
以下、本開示の車両の運動制御方法及び車両の運動制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
(実施例1)
まず、構成を説明する。
実施例1における車両の運動制御方法及び運動制御装置は、外界認識と自車両状態認識とに基づいて車両運動を支援するシステムを搭載した運転支援車両に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体システム構成」、「車両運動制御処理構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1の車両の運動制御方法及び運動制御装置が適用された車両運動支援システムを示す全体システム構成図である。以下、図1に基づき、実施例1の全体システム構成を説明する。
実施例1の車両運動支援システムは、図1に示すように、外界認識装置1と、自車状態認識装置2と、車両制御演算装置3と、車両駆動装置4と、を備えている。
外界認識装置1は、自車両に設けられ、自車両の周囲に存在する他車両の位置や形状、運動状態(移動速度、移動方向)、また、道路形状、道路特性、交通状態等の自車両の走行環境を検出する装置である。
この外界認識装置1としては、一般的に使用されているレーザレンジファインダや、超音波を利用するクリアランスソナー、画像を撮影して撮影画像情報を取得する単眼カメラ、複数の撮影部を有するステレオカメラ等を用いる。なお、レーザレンジファインダは、赤外線レーザーを目標物に照射し、その反射の度合いで目標物までの距離を測定できる装置であり、検出物体のまでの距離情報をポイントクラウド情報として取得できるようになっている。さらに、外界認識装置1は、外部通信機能を有し、インフラ設備やGPS衛星を含む自車両外部のシステムから送信される情報(例えば工事区間や、事故発生箇所の位置情報)を取得可能になっている。
外界認識装置1によって得られた自車両周囲の走行環境情報は、車両制御演算装置3に出力される。
自車状態認識装置2は、自車両に設けられ、自車両の走行速度や走行位置等の自車状態情報を検出する装置である。
この自車状態認識装置2としては、例えば車輪速センサや、操舵角センサ、ヨーレートセンサを用いる。なお、車速センサは、車軸の回転数を検出することで、車速を検出する。また、操舵角センサは、操舵用アクチュエータの回転軸を検出することで、操舵角(車両前後方向に対する車輪の傾き)を検出する。ヨーレートセンサは、ヨーレート(旋回方向への回転角の変化速度)を検出する。さらに、自車状態認識装置2は、外部通信機能を有し、インフラ設備やGPS衛星を含む自車両外のシステムから送信される情報を取得可能になっている。
自車状態認識装置2によって得られた自車状態情報は、車両制御演算装置3に出力される。
車両制御演算装置3は、外界認識装置1及び自車状態認識装置2によって得られた情報を基にして、自車両の走行計画を演算する装置であり、外界認識と自車両状態認識とに基づいて車両運動を制御するコントローラである。この車両制御演算装置3は、環境・車両状態認識部31と、自動運転継続可能性演算部32と、RP制御目標値設定部33と、車両走行計画演算部34と、車両運動制御部35と、を有している。
環境・車両状態認識部31は、外界認識装置1から入力された走行環境情報と、自車状態認識装置2から入力された自車状態情報と、に基づいて、自車両と、自車両の周囲に存在する障害物(以下、「車両周囲障害物」という)との物理的相対関係を検出する。そして、この物理的相対関係からリスクポテンシャル(=リスク感指標値)を算出する。
また、この環境・車両状態認識部31では、自車両の現在位置を特定すると共に、この現在位置を起点する走行ルート上、つまり自車両の進行方向前方の所定の距離範囲内を探索し、この所定距離範囲内に自動運転継続困難地点が存在するか否かを判断する。そして、当該地点が存在する場合にはその座標を記録する。
ここで、「リスクポテンシャル(=リスク感指標値)」とは、障害物との距離(車間距離)や障害物との相対速度、到達時間等を変数とし、自車両の周囲に存在する障害物との物理的相対関係から算出されたリスク感指標(障害物への自車両の接近リスクの高さの指標)である。
このリスクポテンシャルは、周囲車両に対する定常状態を表す指標としての車間時間THW(time headway)と、先行車両に対する過渡状態を表す指標としての余裕時間TTC(time to collision)とを用いて、下記式(1)から算出される。
RP = 1/THW + k・1/TTC
= Vh/d + k・(Vp−Vh)/d …(1)
ここで、THW= 車間距離/自車両速度
TTC= 車間距離/相対速度
Vh=自車両速度
Vp=先行車両速度
d=車間距離
k=重みづけ係数 である。
また、「自動運転継続困難地点」とは、自動運転の継続が困難になり、手動運転への切り替えが必要と予測される地点である。つまり、この「自動運転継続困難地点」は、例えば工事区間や事故発生箇所、渋滞区間等の一般的な交通状態から逸脱した交通状況の発生地点(交通規制地点)であり、自動運転では対応が不可能な交通状況が発生した地点である。交通状況については、VICS情報(「VICS」は、Vehicle Information and Communication Systemの略であり、(財)道路交通情報通信システムセンターの登録商標である。)から取得してもよい。
なお、「自動運転」とは、車載コンピュータによって自車両の運転制御を実施し、ドライバーの運転制御を不要とする運転状態である。また、「手動運転」とは、ドライバーによる運転制御が必要な運転状態である。
自動運転継続可能性演算部32(自動運転継続可能性判断部)は、自車両の自動運転能力と、環境・車両状態認識部31によって認識された走行環境とを対比し、自動運転継続可能性の高さを判断する。つまり、自動運転での走行中、自車両の現在位置を起点とする走行ルートを継続して自動運転可能であるか否かを予測判断する。
ここで、「自動運転継続可能性が高い状態」とは、自車両が今後遭遇する運転環境が、自動運転にて対応できる(自動運転を維持できる)と予測できる状態である。ここでは、走行ルート上に存在する自動運転継続困難地点への到達に要する到達必要時間が十分に確保されている状態か、走行ルート上に自動運転継続困難地点が存在していない状態である。
一方、「自動運転継続可能性が低い状態」とは、自車両が今後遭遇する運転環境が、自動運転では対応できない(自動運転を維持できず手動運転への切り替わりであるハンドオーバーが発生する可能性がある)と予測できる状態である。ここでは、走行ルート上に存在する自動運転継続困難地点への到達に要する到達必要時間が十分に確保されておらず、自動運転継続困難地点に接近している状態である。
なお、到達必要時間が、RP調整時間とハンドオーバー告知時間との合計時間以下であれば、到達必要時間が十分に確保できず、自動運転継続可能性が低いとする。
「RP調整時間」とは、リスクポテンシャルの制御目標値(以下、「リスクポテンシャル目標値」という)を切り替える(変化する)時間であり、「自動運転継続可能性が低い状態」と判断してから所定時間の間である。この「所定時間」は、リスクポテンシャル目標値の変化に対する車両応答性や、車両運動の違和感、制御特性(リスクポテンシャル)変化のドライバーへの伝達性能等に基づいて任意に設定し、ゼロであってもよい。
また、「ハンドオーバー告知時間」とは、自動運転から手動運転に切り替える前に、この運転制御の切り替え(ハンドオーバー)が生じることをドライバーに告知する時間であり、RP調整時間が完了してから自動運転継続困難地点に到達するまでの時間である。このハンドオーバー告知時間は、ハンドオーバーの告知に必要な最低時間以上を確保すると共に、ドライバーの状態によって任意に設定可能とする。つまり、ドライバーの状態をモニタリングし、自動運転中のドライバーの運転関心度合が低い場合(ドライバーが運転に専念できていないとき)には比較的長く設定する。
RP制御目標値設定部33(目標値切替設定部)は、自動運転継続可能性演算部32にて判断された自動運転継続可能性の高さに基づいて、リスクポテンシャル目標値を設定する。
すなわち、「自動運転継続可能性が高い状態」であれば、リスクポテンシャル目標値を「通常走行用目標値」に設定する。また、「通常走行継続性能が低い状態」であれば、リスクポテンシャル目標値を「接近走行用目標値」に設定する。
「通常走行用目標値」は、自動運転に対するドライバーの安心感と、キビキビした運転感覚とのバランスを基準として、実験等に基づき任意に設定された値である。
「接近走行用目標値」は、「通常走行用目標値」とは乖離した値、ここでは、「通常走行用目標値」に対して低い方に乖離した値に設定される。この「接近走行用目標値」は、RP調整時間の間に設定される「過渡期用目標値」と、ハンドオーバー告知時間の間に設定される「ハンドオーバー用目標値」と、を有している。
「過渡期用目標値」は、任意に設定したRP調整時間の間に、時間の経過と共に「通常走行用目標値」から「ハンドオーバー用目標値」に向かって次第に低下する値に設定される。なお、この「過渡期用目標値」の変化率(単位時間当たりの変化量)は、ここでは一定に設定される。
「ハンドオーバー用目標値」は、ドライバーのリスク感を低減した状態(ドライバーの安心感を十分に確保した状態)でのハンドオーバーの実施を可能にすることを基準に、実験等に基づいて任意に設定される。また、この「ハンドオーバー用目標値」は、「通常走行用目標値」に対し、ドライバーが車両運動を体感することで制御特性(リスクポテンシャル)の変化を知覚可能な偏差をあけて低い方に乖離した一定の値とする。
車両走行計画演算部34は、環境・車両状態認識部31によって演算されたリスクポテンシャルと、RP制御目標値設定部33によって演算されたリスクポテンシャル目標値と、に基づいて、自車両の今後の走行計画を生成する。この車両走行計画演算部34によってされた生成された走行計画は、車両運動制御部35に入力される。ここで、自車両の走行計画は、車両走行計画演算部34が有するフィードバック制御部34aによって演算される。なお、「走行計画」とは、自車両の今後の速度、周囲車両との相対速度、車間距離である。
このフィードバック制御部34aでは、実際のリスクポテンシャルがリスクポテンシャル目標値に一致するように速度や車間距離等をフィードバック制御し、自車両の走行計画を演算する。
すなわち、図2に示すように、まず、リスクポテンシャル目標値として「通常走行用目標値」、「過渡期用目標値」、「ハンドオーバー用目標値」のいずれかを目標設定部101に入力する。一方、自車両の車速と、周囲車両との相対速度、車間距離に基づき、実RP算出部102にて実際のリスクポテンシャルを算出する。そして、リスクポテンシャル目標値と、実際のリスクポテンシャルとの差分(偏差)を演算し、この差分をRP調整部103に入力する。
RP調整部103では、入力された差分に応じたゲインにより、リスクポテンシャル目標値と実際のリスクポテンシャルとの差分を減ずるように自車両の速度を制御するための速度制御値が演算される。そして、速度算出部104において、速度制御値に外乱の影響を加え、自車両の車速を算出する。なお、車速を制御することで周囲車両との相対速度及び車間距離も変化する。
そして、変化した車速、周囲車両との相対速度、車間距離を用いて、実RP算出部102にて実際のリスクポテンシャルを再度算出し、算出された値を用いて走行計画をフィードバック制御することによって、実際のリスクポテンシャルを制御目標であるリスクポテンシャル目標値に一致させる走行計画が生成される。
車両運動制御部35は、車両走行計画演算部34にて演算された自車両の走行計画に基づき、この走行計画を実現する車両運動を生成する。この車両運動制御部35によって生成された車両運動情報は、車両駆動装置4に入力される。
車両駆動装置4は、自車両を駆動するためのアクチュエータであり、車両制御演算装置3の車両運動制御部35によって生成された車両運動情報に従って自車両を駆動する。この車両駆動装置4としては、駆動アクチュエータ、制動アクチュエータ、転舵アクチュエータ、セレクトレンジ&シフトポジションアクチュエータ等を用いる。
[車両運動制御処理構成]
図3は、実施例1の車両制御演算装置にて実行される車両運動制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、車両運動制御処理構成を表す図3の各ステップについて説明する。
ステップS101では、外界認識装置1で得られた情報を読み込み、自車両の周囲の交通環境を認識し、ステップS102へ進む。
ここで、外界認識装置1からは、自車両の周囲に存在する他車両の位置や形状、運動状態(移動速度、移動方向)に関する情報を読み込む。また、車両周囲の道路形状や道路特性、交通状況に関する情報を読み込む。なお、交通状況に関する情報として、工事区間の位置情報を車両外部のインフラ設備から、通信により取得する。
ステップS102では、ステップS101での交通環境の認識に続き、自車状態認識装置2で得られた情報を読み込み、自車両の走行状態を認識し、ステップS103へ進む。
ここで、自車状態認識装置2からは、自車両の走行速度、地図情報と照合された自車両位置(座標)、地図上での走行方向を読み込む。
ステップS103では、ステップS102での自車状態の認識に続き、ステップS101にて認識した交通環境と、ステップS102にて認識した自車状態と、に基づき、自動運転が可能であるか否かを判断する。YES(自動運転可能)の場合にはステップS200へ進む。NO(自動運転不可能)の場合にはリターンへ進む。
ここで、自動運転の可否は、予め設定した所定の条件(例えば、高速道路を走行中等)を基準に判断する。
ステップS200では、ステップS103での自動運転可能との判断に続き、自動運転の継続可能性の高さを判断する自動運転継続可能性判断処理を実行し、ステップS300へ進む。なお、自動運転継続可能性判断処理の詳細については後述する。
ステップS300では、ステップS200での自動運転継続可能性判断処理の実行に続き、このステップS200にて判断された自動運転の継続可能性の高さに応じて、リスクポテンシャル目標値を設定するリスクポテンシャル目標値設定処理を実行し、ステップS104へ進む。なお、リスクポテンシャル目標値設定処理の詳細については後述する。
ステップS104では、ステップS300でのリスクポテンシャル目標値設定処理の実行に続き、このステップS300にて設定されたリスクポテンシャル目標値に応じて、実際のリスクポテンシャルを当該リスクポテンシャル目標値に一致させるための自車両の速度と、前方車両との車間距離を設定し、ステップS105へ進む。
ここでは、現在の自車両状態から算出した実際のリスクポテンシャルと、リスクポテンシャル目標値との乖離量から速度調整量を算出し、自車両の速度を調整することで車間距離の制御も行うというフィードバック制御により速度及び車間距離を設定する。
ステップS105では、ステップS104での自車速及び車間距離の設定に続き、自車両の運動(実際の速度及び車間距離)を、設定された速度及び車間距離に一致させる車両駆動信号を車両駆動装置4へ出力し、自車両を自動運転による運転制御で走行させてリターンへ進む。
[自動運転継続可能性判断処理構成]
図4は、実施例1の車両制御演算装置にて実行される自動運転継続可能性判断処理の流れを示すフローチャートである。以下、自動運転継続可能性判断処理構成を表す図4の各ステップについて説明する。
ステップS201では、ステップS103での自動運転可能との判断に続き、ステップS102での自車状態の認識に続き、ステップS101にて認識した交通環境と、ステップS102にて認識した自車状態と、予め設定された目的地までのルート情報と、に基づき、自車両の現在位置を特定する。そして、特定した現在位置を起点する走行ルート上、つまり自車両前方の所定の距離範囲内の運転シーンを検索し、ステップS202へ進む。
ここで、「運転シーンの検索」とは、上記所定距離範囲内に、一般的な交通状態から逸脱した交通状況(交通規制地点)が存在するか否かを判断し、存在する場合にはその項目(交通規制理由)を検出することである。
ステップS202では、ステップS201での運転シーンの検索に続き、検索した距離範囲内に自動運転継続困難地点が存在するか否かを判断する。YES(自動運転継続困難地点あり)の場合にはステップS203へ進む。NO(自動運転継続困難地点なし)の場合にはステップS207へ進む。
ここで、自動運転継続困難地点の有無は、ステップS105にて検出した「一般的な交通状態から逸脱した交通状況」の項目名を、予めリスト化した運転難度の高い運転シーンに照合して判断する。当該交通状況が、運転難度が高くて自動運転にて対応が不可能な交通状況であれば、当該交通状況が自動運転継続困難地点に該当し、自動運転継続困難地点はありと判断する。一方、当該交通状況における運転難度は低く、自動運転にて対応可能であれば、当該交通状況は自動運転継続困難地点に該当せず、自動運転継続困難地点はなしと判断する。
ステップS203では、ステップS202での自動運転継続困難地点ありとの判断に続き、自動運転継続困難地点に該当すると判断された「一般的な交通状態から逸脱した交通状況」の発生地点を自動運転継続困難地点の位置として、その座標を記録し、ステップS204へ進む。また、このとき、自動運転継続困難地点が存在するという判断結果を、他の処理過程で用いることができるようにフラグを切り替える。
ステップS204では、ステップS203での自動運転継続困難地点の座標記録に続き、自車両が現在位置から自動運転継続困難地点に到達するまでに要する時間である到達必要時間を算出し、ステップS205へ進む。
ここで、「到達必要時間」は、自車両の現在位置から記録した自動運転継続困難地点の座標までの距離を、現在の自車両の走行速度で除して算出する。
ステップS205では、ステップS204での到達必要時間の算出に続き、この到達必要時間が、予め設定したインフォメーション時間以下であるか否かを判断する。YES(到達必要時間≦インフォメーション時間)の場合にはステップS206へ進む。NO(到達必要時間≦インフォメーション時間)の場合にはステップS207へ進む。
ここで、「インフォメーション時間」とは、任意に設定したRP調整時間とハンドオーバー告知時間との合計時間である。
ステップS206では、ステップS205での到達必要時間≦インフォメーション時間との判断に続き、自車両が自動運転継続困難地点に接近しており、自動運転での対応ができずハンドオーバーが生じる可能性があるとして、自動運転継続可能性が低いと判断し、エンドへ進む。
ステップS207では、ステップS202での自動運転継続困難地点なしとの判断、又は、ステップS205での到達必要時間>インフォメーション時間との判断に続き、自車両が今後遭遇する運転環境が、自動運転にて対対応できる(自動運転を維持できる)として、自動運転継続可能性が高いと判断し、エンドへ進む。
[リスクポテンシャル目標値設定処理構成]
図5は、実施例1の車両制御演算装置にて実行されるリスクポテンシャル目標値設定処理の流れを示すフローチャートである。以下、リスクポテンシャル目標値設定処理構成を表す図5の各ステップについて説明する。
ステップS301では、ステップS200での自動運転継続可能性判断処理の実行に続き、このステップS200にて自動運転継続可能性が低いと判断されたか否かを判断する。YES(自動運転継続可能性=低い)の場合にはステップS302に進む。NO(自動運転継続可能性=高い)の場合にはステップS305に進む。
ステップS302では、ステップS301での自動運転継続可能性=低いとの判断に続き、「ハンドオーバー用目標値」を演算し、ステップS303へ進む。
ここで、「ハンドオーバー用目標値」は、ドライバーのリスク感を低減した状態でのハンドオーバーの実施を可能にすると共に、「通常走行用目標値」に対してドライバーが車両運動を体感することでリスクポテンシャルの変化を知覚可能な偏差をあけて低い方に乖離した任意の値に設定される。
ステップS303では、ステップS302での「ハンドオーバー用目標値」の演算に続き、「過渡期用目標値」を演算し、ステップS304へ進む。
ここで、「過渡期用目標値」は、任意に設定したRP調整時間の間に、時間の経過と共に「通常走行用目標値」から「ハンドオーバー用目標値」に向かって次第に低下する値に設定される。
ステップS304では、ステップS303での「過渡期用目標値」の演算に続き、ステップS302にて演算された「ハンドオーバー用目標値」と、ステップS303にて演算された「過渡期用目標値」と、を用いて、「接近走行用目標値」を、リスクポテンシャル目標値として設定し、エンドへ進む。
このとき、RP調整時間(自動運転継続可能性が低いと判断してから所定時間の間)に、「過渡期用目標値」が設定され、ハンドオーバー告知時間(上記所定時間から自動運転継続困難地点に到達するまでの間)に「ハンドオーバー用目標値」が設定される。
ステップS305では、ステップS301での自動運転継続可能性=高いとの判断に続き、「通常走行用目標値」をリスクポテンシャル目標値として設定し、エンドへ進む。
ここで、「通常走行用目標値」は、自動運転に対するドライバーの安心感と、キビキビした運転間隔とのバランスを取った任意の値に設定される。
次に、実施例1の車両の運動制御方法及び運動制御装置における「車両運動制御作用」を説明する。
[車両運動制御作用]
図6は、実施例1の車両の運動制御装置によって設定されたリスクポテンシャル目標値の特性を示すタイムチャートである。以下、図3〜図5に示すフローチャートと図6に基づき、実施例1の車両運動制御作用を説明する。
実施例1では、自車両の走行中図3に示す車両運動制御処理を実行する。すなわち、図3に示すフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS102→ステップS103へと進み、自動運転が可能であるか否かを、自車両の周囲の交通環境や自車両の走行状態に基づいて判断する。自動運転が可能であると判断したら、ステップS200へ進み、自動運転継続可能性判断処理を実行する。
すなわち、図4に示すフローチャートにおいて、ステップS201→ステップS202へと進み、自車両の現在位置から所定の距離範囲内の運転シーンを検索し、自動運転継続困難地点の有無を判断する。自動運転継続困難地点があると判断されたら、ステップS203→ステップS204→ステップS205へと進み、当該自動運転継続困難地点に対して接近しているか否かを判断する。そして、自車両が自動運転継続困難地点に接近していると判断されたら、ステップS206へと進み、自動運転継続可能性が低いと判断する。一方、自車両前方の所定距離範囲内に自動運転継続困難地点がないと判断されたり、自動運転継続困難地点の到達までに余裕があると判断されたりした場合には、ステップS207へと進み、自動運転継続可能性が高いと判断する。
このように、自動運転継続可能性の高さが判断されたら、続いて、ステップS300へと進み、リスクポテンシャル目標値設定処理を実行する。
すなわち、図5に示すフローチャートにおいて、ステップS301へと進み、自動運転継続可能性が低いか否かを判断する。ステップS200(ステップS206)において自動運転継続可能性が低いと判断されていたら、ステップS302→ステップS303→ステップS304へと進み、リスクポテンシャル目標値として、ハンドーバー用目標値と「過渡期用目標値」とを有する「接近走行用目標値」が設定される。一方、ステップS200(ステップS207)において自動運転継続可能性が高いと判断されていたら、ステップS305へと進み、リスクポテンシャル目標値として、「通常走行用目標値」が設定される。
そして、リスクポテンシャル目標値を設定したら、図4に示すフローチャートにおいてステップS104→ステップS105へと進み、実際のリスクポテンシャルを制御目標であるリスクポテンシャル目標値に一致させるように、速度及び車間距離をフィードバック制御によって設定し、当該車速等を実現するための車両駆動信号を車両駆動装置4へ出力し、自車両を自動運転によって運転制御する。
つまり、図6に示す時刻t1以前では、ステップS101→ステップS102→ステップS103→ステップS201→ステップS202→ステップS203→ステップS204→ステップS205→ステップS207→ステップS301→ステップS305→ステップS104→ステップS105へと進み、制御目標であるリスクポテンシャル目標値が「通常走行用目標値」に設定された状態にて自動運転が実施されている。
このように、リスクポテンシャル目標値を「通常走行用目標値」に設定して自動運転を行うことで、自動運転中にドライバーが感じるリスク感の変動を抑制し、ドライバーに安心感を与えることができる。また、実際のリスクポテンシャルが「通常走行用目標値」に一致するように自車両の車両運動が制御され、自動運転に対するドライバーの安心感と、キビキビした運転感覚とのバランスが取れた自動運転を実現することができる。
そして、自車両の走行ルートの前方に存在する自動運転継続困難地点に接近し、時刻t1時点で、自動運転継続困難地点までの到達に必要な到達必要時間がインフォメーション時間に達したら、ステップS101→ステップS102→ステップS103→ステップS201→ステップS202→ステップS203→ステップS204→ステップS205→ステップS206へと進んで、自動運転継続可能性が低いと判断される。これにより、ステップS301→ステップS302→ステップS303→ステップS304へと進み、リスクポテンシャル目標値が「接近走行用目標値」に設定される。その後、ステップS104→ステップS105へと進んで、制御目標であるリスクポテンシャル目標値が「接近走行用目標値」に設定された状態での自動運転が実施される。
すなわち、自動運転の継続可能性が低いと予測判断した時刻t1時点から、所定時間(時刻t2時点)までの任意に設定したRP調整時間の間は、リスクポテンシャル目標値が「過渡期用目標値」に設定される。これにより、リスクポテンシャル目標値は、時間の経過と共に「通常走行用目標値」から「ハンドオーバー用目標値」に向かって一定の変化率で次第に低下していく。
そして、所定時間が経過してRP調整時間が完了したら、このRP調整時間完了時点(時刻t2時点)から自動運転継続困難地点に到達するまで(時刻t3時点)の間のハンドオーバー告知時間の間は、リスクポテンシャル目標値が「ハンドオーバー用目標値」に設定される。これにより、リスクポテンシャル目標値は、「通常走行用目標値」に対し、ドライバーが制御特性(リスクポテンシャル)の変化を知覚可能な偏差をあけて低い方に乖離した一定の値に設定される。
そして、自動運転中の実際のリスクポテンシャルは、「接近走行用目標値(過渡期用目標値→ハンドオーバー用目標値)」に一致するように自車両の車両運動が制御される。つまり、自動運転中の自車両の車両運動の制御特性(リスクポテンシャル)が、時刻t1以前のドライバーの安心感と、キビキビした運転感覚とのバランスが取れた状態から、ドライバーの安心感をより重視したいわゆる安全運転状態となる。
これにより、制御特性の切り替わりに伴って、速度や車間距離といった車両運動が変化し、ドライバーは、制御特性の変化を、自車両の自動運転中の車両運動を体感することで知覚することができる。そして、制御特性の変化を知覚することで、ドライバーは、自動運転を維持できず手動運転への切り替わりであるハンドオーバーが発生する可能性があることを把握できる。つまり、自動運転の継続が困難な状態をドライバーに適切に伝達し、ハンドオーバーの発生(手動運転への切り替わり)の心づもりをドライバーに与えることができる。
すなわち、実施例1では、自動運転中、自動運転での対応が困難な運転シーン(自動運転継続困難地点)へ接近しているとき、制御目標であるリスクポテンシャル目標値を、「通常走行用目標値」とは乖離した「接近走行用目標値」に切り替え設定し、実際のリスクポテンシャルが「接近走行用目標値」に一致するように自車両の車両運動を制御する。
この結果、「通常走行用目標値」を基準として制御される車両運動から、「接近走行用目標値」を基準として制御される車両運動となって、状況の変化(ハンドオーバーの発生)をドライバーが把握できるインフォメーションを提供することができる。そのため、自動運転ができなくなったとき、ドライバーに余裕を持たせたハンドオーバーを可能とすることができる。
また、この実施例1では、「接近走行用目標値」は、「通常走行用目標値」に対して低い方に乖離した値に設定されている。そのため、リスクポテンシャル目標値が切り替え設定された際、車両運動は、ドライバーの安心感をより重視したいわゆる安全運転となる。そのため、一般的に速度が低下したり、車間距離が広くなったりして自動運転継続困難地点に到達するまでの時間的余裕を確保することができる。また、ハンドオーバー時に交通流の周囲の状況に適した柔軟な運転とすることが可能となり、手動運転の切り替えを円滑に行うことができる。
また、実施例1では、「接近走行用目標値」が、自動運転の継続可能性が低いと予測判断してから所定時間(RP調整時間)の間に設定される「過渡期用目標値」と、所定時間(時刻t2時点)から自動運転継続困難地点に到達するまで(時刻t3時点)の間(ハンドオーバー告知時間)に設定される「ハンドオーバー用目標値」と、を有している。
これにより、車両制御の実際の応答性を考慮した上で自動運転継続困難地点に到達するまでに、ポテンシャル目標値を「通常走行時目標値」から乖離した値(ハンドオーバー用目標値)に確実に切り替え設定することができる。そのため、ドライバーに制御特性の変化を適切に体感させることができ、ドライバーに対して、ハンドオーバーの発生(手動運転への切り替わり)の心づもりを、余裕を持って知らせることができる。
さらに、この実施例1では、「ハンドオーバー用目標値」が、ドライバーのリスク感を低減した状態(ドライバーの安心感を十分に確保した状態)でのハンドオーバーの実施を可能にすることを基準に、「通常走行用目標値」に対し、ドライバーが車両運動を体感することで制御特性(リスクポテンシャル)の変化を知覚可能な偏差をあけて低い方に乖離した一定の値に設定されている。一方、「過渡期用目標値」が、RP調整時間の間に、時間の経過と共に「通常走行用目標値」から「ハンドオーバー用目標値」に向かって、一定の変化率で次第に低下する値に設定されている。
そのため、リスクポテンシャル目標値を「通常走行用目標値」から「ハンドオーバー用目標値」へと円滑に変化させることができ、このリスクポテンシャル目標値の変化に伴う車両運動の変化に不自然さを発生させることがない。これにより、乗り心地の低下を抑えつつ、ドライバーにハンドオーバーの発生(手動運転への切り替わり)の心づもりを与えることができる。また、リスクポテンシャル目標値を、ドライバーが車両運動を体感することで制御特性(リスクポテンシャル)の変化を知覚可能な程度に低下させることができ、ハンドオーバーの発生をさらに適切に把握させることができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両の運動制御方法及び車両の運動制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 外界認識と自車両状態認識とに基づいて車両運動を制御する車両の運動制御方法において、
自車両と、前記自車両の周囲に存在する障害物との物理的相対関係から算出されたリスクポテンシャルを制御目標にしての自動運転中、前記自動運転の継続可能性を予測判断し(ステップS201〜ステップS207)、
前記自動運転の継続が困難な自動運転継続困難地点への接近によって前記自動運転の継続可能性が低いと予測判断されると、前記リスクポテンシャルの制御目標値を、通常走行用目標値とは乖離した接近走行用目標値に切り替え設定し(ステップS301〜ステップS305)、
前記制御目標値が前記接近走行用目標値に設定されると、前記リスクポテンシャルが前記接近走行用目標値に一致するように、前記自車両の車両運動を制御する(ステップS104,ステップS105)構成とした。
これにより、自動運転の継続が困難な状態をドライバーに適切に伝達し、手動運転への切り替わりの心づもりを与えることができる。
(2) 前記接近走行用目標値を設定する際、前記通常走行用目標値に対して低い方に乖離した値に設定する構成とした。
これにより、(1)の効果に加え、自車両の車両運動を安心感を重視した制御にすることができ、自動運転継続困難地点に到達するまでの時間的余裕を確保すると共に、手動運転の切り替えを円滑に行うことができる。
(3) 前記接近走行用目標値は、前記自動運転の継続可能性が低いと予測判断してから所定時間の間(RP調整時間)に設定される過渡期用目標値と、前記所定時間から前記自動運転継続困難地点に到達するまでの間(ハンドオーバー告知時間)に設定されるハンドオーバー用目標値と、を有する構成とした。
これにより、(1)又は(2)の効果に加え、車両制御の実際の応答性を考慮した上でポテンシャル目標値を切り替え設定し、ドライバーに対して制御特性の変化を適切に体感させて、ハンドオーバー発生の心づもりを、余裕を持って与えることができる。
(4) 前記ハンドオーバー用目標値は、前記通常走行用目標値に対し、前記自車両のドライバーがリスクポテンシャルの変化を知覚可能な偏差をあけて低い方に乖離した一定の値に設定され、
前記過渡期用目標値は、時間の経過と共に前記通常走行用目標値から前記ハンドオーバー用目標値まで次第に低下する値に設定される構成とした。
これにより、 (3)の効果に加え、リスクポテンシャル目標値の変化に伴う車両運動の変化に不自然さを発生させず、乗り心地の低下を抑えつつ、ハンドオーバー発生の心づもりを適切に与えることができる。
(5) 外界認識と自車両状態認識とに基づいて車両運動を制御するコントローラ(車両制御演算装置3)を搭載した車両の運動制御装置において、
前記コントローラ(車両制御演算装置3)は、
自車両と、前記自車両の周囲に存在する障害物との物理的相対関係から算出されたリスクポテンシャルを制御目標にしての自動運転中、前記自動運転の継続可能性を予測判断する自動運転継続可能性判断部(自動運転継続可能性演算部32)と、
前記自動運転の継続が困難な自動運転継続困難地点への接近によって前記自動運転の継続可能性が低いと予測判断されると、前記リスクポテンシャルの制御目標値を、通常走行用目標値とは乖離した接近走行用目標値に切り替え設定する目標値切替設定部(RP制御目標値設定部33)と、
前記制御目標値が前記接近走行用目標値に設定されると、前記リスクポテンシャルが前記接近走行用目標値に一致するように、前記自車両の車両運動を制御する車両運動制御部35と、
を有する構成とした。
これにより、自動運転の継続が困難な状態をドライバーに適切に伝達し、手動運転への切り替わりの心づもりを与えることができる。
以上、本開示の車両の運動制御方法及び車両の運動制御装置を実施例1に基づいて説明してきたが、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、自動運転の継続可能性が低いと予測判断してから所定時間の間(RP調整時間)に設定される「過渡期用目標値」が、時間の経過と共に「通常走行用目標値」から「ハンドオーバー用目標値」まで一定の変化率で次第に低下する例を示したが、これに限らず、意図的に不自然な車両運動になるような値としてもよい。
つまり、例えば、図7において実線で示すように、自動運転の継続可能性が低いと予測判断したタイミング(時刻t時点)で、リスクポテンシャル目標値を「通常走行用目標値」から「ハンドオーバー用目標値」へと切り替えてもよい。この場合、RP調整時間は実質的にゼロとなり、「過渡期用目標値」は設定されないことになる。
このときには、車両運動の制御特性が急激に変化することになり、ドライバーに対して制御特性の違いを強く知覚させることができる。
また、図7において、一点鎖線で示すように、自動運転の継続可能性が低いと予測判断した時点(時刻t時点)から、所定時間経過時点(時刻t時点)までの間に、リスクポテンシャル目標値の変化率を次第に大きくしてもよい。この場合では、所定時間経過時点(時刻t時点)の直前の方が、より自動運転の制御特性の変化を感じやすくさせることができる。また、図7において二点鎖線で示すように、自動運転の継続可能性が低いと予測判断した時点(時刻t時点)から、所定時間経過時点(時刻t時点)までの間に、リスクポテンシャル目標値の変化率を次第に小さくしてもよい。この場合では、自動運転の継続可能性が低いと予測判断した時点(時刻t時点)の直前の方が、より自動運転の制御特性の変化を感じやすくさせることができる。
なお、不自然な車両運動の発生は極力少ない方が良いため、ドライバーが自車両の周囲に注意を向けている場合(車両運動の特性変化に気づきやすい場合)には、リスクポテンシャル目標値の変化率を次第に大きくし、ドライバーが運転制御の変化に対する心づもりが全くできていない場合(車両運動の特性変化に気づきにくい場合)には、リスクポテンシャル目標値の変化率を最初に大きくすることが考えられる。
さらに、図7において破線で示すように、自動運転の継続可能性が低いと予測判断した時点(時刻t時点)後、リスクポテンシャル目標値を「通常走行用目標値」よりも上昇させ、その後、所定時間経過時点(時刻t時点)までの間に、「ハンドオーバー用目標値」に向かって次第に低下させてもよい。この場合であって、車両運動は「通常走行用目標値」とは乖離した値に設定されることで、車両運動の制御特性が変化して、ドライバーに対してハンドオーバー発生の心づもりを与えることができる。
また、実施例1では、自動運転の継続可能性が高い場合には、リスクポテンシャル目標値が予め設定された「通常走行用目標値」に設定される例を示したが、この「通常走行用目標値」は、一定値でなくてもよい。例えば、高速道路や一般道等の走行道路の違いや車線の数、走行ルートの混雑状況、ドライバー個人の運転に対するリスク感度等に応じて適宜設定してもよい。この「通常走行用目標値」に対して「接近走行用目標値」が乖離した値であれば、制御特性の違いをドライバーが体感することができ、車両運動によるハンドオーバー発生のインフォメーションを伝達することができる。
1 外界認識装置
2 自車状態認識装置
3 車両制御演算装置(コントローラ)
31 環境・車両状態認識部
32 自動運転継続可能性演算部(自動運転継続可能性判断部)
33 RP制御目標値設定部(目標値切替設定部)
34 車両走行計画演算部
34a フィードバック制御部
35 車両運動制御部
5 車両駆動装置

Claims (5)

  1. 外界認識と自車両状態認識とに基づいて車両運動を制御する車両の運動制御方法において、
    自車両と、前記自車両の周囲に存在する障害物との物理的相対関係から算出されたリスクポテンシャルを制御目標にしての自動運転中、前記自動運転の継続可能性を予測判断し、
    前記自動運転の継続が困難な自動運転継続困難地点への接近によって前記自動運転の継続可能性が低いと予測判断されると、前記リスクポテンシャルの制御目標値を、通常走行用目標値とは乖離した接近走行用目標値に切り替え設定し、
    前記制御目標値が前記接近走行用目標値に設定されると、前記リスクポテンシャルが前記接近走行用目標値に一致するように、前記自車両の車両運動を制御する
    ことを特徴とする車両の運動制御方法。
  2. 請求項1に記載された車両の運動制御方法において、
    前記接近走行用目標値を設定する際、前記通常走行用目標値に対して低い方に乖離した値に設定する
    ことを特徴とする車両の運動制御方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された車両の運動制御方法において、
    前記接近走行用目標値は、前記自動運転の継続可能性が低いと予測判断してから所定時間の間に設定される過渡期用目標値と、前記所定時間から前記自動運転継続困難地点に到達するまでの間に設定されるハンドオーバー用目標値と、を有する
    ことを特徴とする車両の運動制御方法。
  4. 請求項3に記載された車両の運動制御方法において、
    前記ハンドオーバー用目標値は、前記通常走行用目標値に対し、前記自車両のドライバーがリスクポテンシャルの変化を知覚可能な偏差をあけて低い方に乖離した一定の値に設定され、
    前記過渡期用目標値は、時間の経過と共に前記通常走行用目標値から前記ハンドオーバー用目標値まで次第に低下する値に設定される
    ことを特徴とする車両の運動制御方法。
  5. 外界認識と自車両状態認識とに基づいて車両運動を制御するコントローラを搭載した車両の運動制御装置において、
    前記コントローラは、
    自車両と、前記自車両の周囲に存在する障害物との物理的相対関係から算出されたリスクポテンシャルを制御目標にしての自動運転中、前記自動運転の継続可能性を予測判断する自動運転継続可能性判断部と、
    前記自動運転の継続が困難な自動運転継続困難地点への接近によって前記自動運転の継続可能性が低いと予測判断されると、前記リスクポテンシャルの制御目標値を、通常走行用目標値とは乖離した接近走行用目標値に切り替え設定する目標値切替設定部と、
    前記制御目標値が前記接近走行用目標値に設定されると、前記リスクポテンシャルが前記接近走行用目標値に一致するように、前記自車両の車両運動を制御する車両運動制御部と、
    を有することを特徴とする車両の運動制御装置。
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