JP2018036502A - 画像処理回路、画像変換装置、画像表示装置及び画像処理方法 - Google Patents

画像処理回路、画像変換装置、画像表示装置及び画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低ダイナミックレンジの画像を、高輝度領域における表現能力に優れた高ダイナミックレンジの画像に変換可能な、画像処理回路、画像変換装置、画像表示装置及び画像処理方法を提供する。【解決手段】低ダイナミックレンジである第1のダイナミックレンジの画像2の、輝度値が第1のダイナミックレンジ2の上限値以上となって飽和した輝度飽和領域を検出する輝度飽和領域検出器4と、検出された前記輝度飽和領域に対して、前記輝度飽和領域の近傍に位置する画素に関して得られる輝度値の波形を基に、前記輝度飽和領域内の各画素の前記上限値を超えたピーク輝度値の波形を導出して、前記ピーク輝度値を算出するピーク輝度値生成器5と、前記第1のダイナミックレンジの画像2と、前記輝度飽和領域の各画素の前記ピーク輝度値から、高ダイナミックレンジである第2のダイナミックレンジの画像3を生成する画像合成器7を備える画像処理回路1を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、画像処理回路、画像変換装置、画像表示装置及び画像処理方法に関する。
近年、撮像素子の高性能化等に伴い、通常のSDR(スタンダードダイナミックレンジ)画像に比べ、より幅広いダイナミックレンジを表現可能な、HDR(ハイダイナミックレンジ)画像が使用されている。
HDR画像に関しては、PQ方式やHLG方式等の、標準化、規格化が行われている。例えばPQ方式は、最小0.005nitsから最大10,000nitsまでの絶対輝度を扱っている。HLG方式においても、最大輝度がSDR画像の10倍以上である。 したがって、例えばディスプレイ等においても、従来は500nitsに満たない程度の最大表示輝度であったが、近年においては、最大表示輝度が数千、あるいは10,000nitsの装置の開発が進んでいる。
また、HDR画像に関しては、例えば特許文献1に記載されている符号化方法等をはじめとした、様々な提案がなされている。
特開2013−106333号公報
SDR画像は、長年にわたり使用され続けてきたため、コンテンツ量が膨大である。このSDR画像の膨大なコンテンツを有効に活用するため、これらを、HDR画像を使用可能な機器等においても使用できるようにすることが望ましい。例えばディスプレイ等の、HDR画像を表示可能な画像表示装置でSDR画像を表示する場合において、通常考えられる対応方法を、図8を用いて以下に説明する。
図8に示されるグラフにおいて、横軸は、入力されるSDR画像の輝度値であり、縦軸はHDR画像として表示される輝度値である。ここでは説明を簡単にするために、HDR画像の輝度値の上限値は、SDR画像の輝度値の上限値の10倍である場合を想定している。横軸であるSDR画像の輝度値は、上限値が1に正規化されており、縦軸であるHDR画像の輝度値は、上限値が10に正規化されている。
HDR画像を表示可能な画像表示装置において、SDR画像を表示する方法の1つとして、図8に線101として示されるように、画像表示装置においてSDR画像を表示する際の最大輝度を、HDR画像を表示する際の最大輝度の1/10として、SDR画像のダイナミックレンジをそのまま維持して表示することが考えられる。この場合においては、画像表示装置に表示されたSDR画像は、人間の眼には非常に暗く感じられることがある。
次に、図8に線102として示されるように、画像表示装置においてSDR画像を表示する際の最大輝度を、HDR画像を表示する際の最大輝度と同じとするように、SDR画像のダイナミックレンジをHDR画像のダイナミックレンジ最大限に引き伸ばすことが考えられる。この場合においては、画像表示装置に表示されたSDR画像は、人間の眼には、白飛びが著しくて明る過ぎるように感じられることがある。
更に、図8に線103として示されるように、画像表示装置においてSDR画像を表示する際の最大輝度を、線101と線102の場合の間の値に、例えば、HDR画像を表示する際の最大輝度の1/2となるように調整することが考えられる。この場合においては、上記の2つの場合よりも、人間の眼にとって比較的見やすく感じられることが多い。しかし、この場合においても上記の2つの場合と同様に、SDR画像は、輝度値の上限値を超える、より明るい輝度値によって表示するのが本来望ましい画素においても、当該画素の輝度値が上限値に制限された状態で表示されている。すなわち、SDR画像が輝度飽和した状態で表示されている。したがって、この場合においても、本質的には上記の2つの場合と同様に、HDR画像を表示可能な画像表示装置の表示能力を最大限に活かせておらず、高輝度領域における表現能力が優れているとはいえない。
本発明が解決しようとする課題は、低ダイナミックレンジの画像を、高輝度領域における表現能力に優れた高ダイナミックレンジの画像に変換可能な、画像処理回路、画像変換装置、画像表示装置及び画像処理方法を提供することである。
本発明に係る画像処理回路は、第1のダイナミックレンジの画像を、該第1のダイナミックレンジより広い範囲の第2のダイナミックレンジの画像へ変換する画像処理回路であって、前記第1のダイナミックレンジの画像の、輝度値が第1のダイナミックレンジの上限値以上となって飽和した輝度飽和領域を検出する輝度飽和領域検出器と、検出された前記輝度飽和領域に対して、前記輝度飽和領域の近傍に位置する画素に関して得られる輝度値の波形を基に、前記輝度飽和領域内の各画素の前記上限値を超えたピーク輝度値の波形を導出して、前記ピーク輝度値を算出するピーク輝度値生成器と、前記第1のダイナミックレンジの画像と、前記輝度飽和領域の各画素の前記ピーク輝度値から、前記第2のダイナミックレンジの画像を生成する画像合成器を備える。
また、本発明に係る画像表示方法は、第1のダイナミックレンジの画像を、該第1のダイナミックレンジより広い範囲の第2のダイナミックレンジの画像へ変換する画像処理方法であって、前記第1のダイナミックレンジの画像の、輝度値が第1のダイナミックレンジの上限値以上となって飽和した輝度飽和領域を検出し、検出された前記輝度飽和領域に対して、前記輝度飽和領域の近傍に位置する画素に関して得られる輝度値の波形を基に、前記輝度飽和領域内の各画素の前記上限値を超えたピーク輝度値の波形を導出して、前記ピーク輝度値を算出し、前記第1のダイナミックレンジの画像と、前記輝度飽和領域の各画素の前記ピーク輝度値から、前記第2のダイナミックレンジの画像を生成する。
本発明によれば、低ダイナミックレンジの画像を、高輝度領域における表現能力に優れた高ダイナミックレンジの画像に変換可能な、画像処理回路、画像変換装置、画像表示装置及び画像処理方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態における画像処理回路の信号処理ブロック図である。 前記第1実施形態における画像表示回路の、ピーク輝度値生成器の信号処理ブロック図である。 前記第1実施形態における画像表示回路の、ピーク輝度値生成器の動作説明図である。 本発明の第2実施形態における画像表示装置の信号処理ブロック図である。 本発明の第3実施形態における画像変換装置の信号処理ブロック図である。 前記第1実施形態における実験結果の説明図である。 前記第1実施形態における実験結果の説明図である。 従来の画像処理方法の説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
本第1実施形態における画像処理回路は、第1のダイナミックレンジの画像を、該第1のダイナミックレンジより広い範囲の第2のダイナミックレンジの画像へ変換する画像処理回路であって、第1のダイナミックレンジの画像の、輝度値が第1のダイナミックレンジの上限値以上となって飽和した輝度飽和領域を検出する輝度飽和領域検出器と、検出された輝度飽和領域に対して、輝度飽和領域の近傍に位置する画素に関して得られる輝度値の波形を基に、輝度飽和領域内の各画素の上限値を超えたピーク輝度値の波形を導出して、ピーク輝度値を算出するピーク輝度値生成器と、第1のダイナミックレンジの画像と、輝度飽和領域の各画素のピーク輝度値から、第2のダイナミックレンジの画像を生成する画像合成器を備える。
本第1実施形態においては、第1のダイナミックレンジはSDR(スタンダードダイナミックレンジ)であり、第1のダイナミックレンジより広い範囲の第2のダイナミックレンジはHDR(ハイダイナミックレンジ)である。また、ダイナミックレンジの上限値とは、当該ダイナミックレンジの画像データがとり得る輝度値の最大値であり、例えば8ビット、256階調の画像データにおいては、255が上限値となる。
本第1実施形態における画像処理回路は、例えば256階調画像のSDR画像が入力された場合に、輝度値の上限値を超える、より明るい輝度値によって表示するのが本来望ましい画素においても、当該画素の輝度値が上限値に制限されて輝度飽和した状態で表示されているという状況を改善するために、輝度飽和した領域以外の画素の輝度値を基に、輝度飽和した領域の画素の輝度値を、本来望ましい輝度値に近い、より明るい輝度値を推測することにより補完しようとするものである。この、輝度飽和した領域の各画素に対して決定される、輝度値の上限値よりも明るい輝度値がピーク輝度値である。
なお、本第1実施形態の画像処理回路1における各処理は、各サブピクセルR、G、Bごとに行われる。説明を簡単にするため、以降、各処理の内容を、特にサブピクセルごとに説明しない。すなわち、例えば画素の輝度値と記載した場合においては、画素の、サブピクセルごとの各々の輝度値を意味し、関連する処理は、サブピクセルごとに行われるものである。
図1は、第1実施形態における画像処理回路の信号処理ブロック図である。画像処理回路1は、輝度飽和領域検出器4、ピーク輝度値生成器5、遅延回路6、及び、画像合成器7を備えており、拡張SDR画像(第1のダイナミックレンジの画像)2からピーク輝度が生成されたSDR画像、すなわちHDR画像(第2のダイナミックレンジの画像)3を生成する。
第1実施形態において入力される拡張SDR画像2は、ガンマカーブがかかっているSDR画像が逆補正され、光に対してリニアな状態にされたうえで、各画素の輝度値に、例えば5等の一定の値を乗算することにより、画像処理回路1から出力されるHDR画像3のダイナミックレンジを超えない範囲で、ダイナミックレンジが拡張されている。画像処理回路1の入力としてダイナミックレンジが一定の値だけ乗算されて拡張された拡張SDR画像2を使用する理由は、次のとおりである。
本第1実施形態における画像処理回路1においては、上記のように、輝度飽和した領域以外の画素の輝度値を基に、輝度飽和した領域の輝度値を、本来望ましい輝度値に近いピーク輝度値を推測することにより補完しようとするものである。ただし、本第1実施形態においては、例えば輝度値の上限値が255のSDR画像に対して、例えばその10倍に近い値となるような、輝度値の上限値から大きく乖離したピーク輝度値を出力しない場合が多い。すなわち、HDR画像の輝度値の上限値が、SDR画像の輝度値の上限値の例えば10倍である場合においては、補完されるピーク輝度値が、入力となるSDR画像の、例えば2倍程度になるように本第1実施形態により導出されても、残り8倍分に相当するHDR画像のダイナミックレンジが依然として使用されない可能性がある。
そこで、本第1実施形態においては、上記のように、逆補正が適用されたSDR画像の各画素の輝度値に、例えば5等の一定の値が予め乗算されて拡張された、拡張SDR画像2を入力とし、拡張SDR画像2に対して輝度飽和した領域のピーク輝度値を補完して、HDR画像3を生成している。これにより、例えばピーク輝度値が拡張SDR画像2の2倍程度となるように算出された場合であっても、出力されるHDR画像3の輝度値の最大値をHDR画像のダイナミックレンジの上限値に近くすることが可能であるため、HDR画像のダイナミックレンジを十分に活用したHDR画像3を出力することができる。
あるいはまた、ガンマカーブを逆補正したSDR画像を画像処理回路1に直接入力し、出力されたHDR画像の各画素の輝度値に対して、上記のような一定の値を乗算してもよい。すなわち、ガンマカーブを逆補正したSDR画像に対して、以下に詳説する輝度飽和領域検出、ピーク輝度値生成および画像合成を行い、ピーク輝度値が入力されたSDR画像の例えば2倍程度である暫定のHDR画像を生成し、これに対して、例えば5等の一定の値を乗算したHDR画像3を生成して出力としてもよい。この場合における輝度飽和領域検出、ピーク輝度値生成及び画像合成の各処理は、拡張SDR画像2を基にHDR画像3を生成する場合と、扱う数値の大きさは全体的に異なるが、本質的な処理内容は変わらない。そのため以降では、拡張SDR画像2を基にHDR画像3を生成する場合を例にして説明を行う。
本第1実施形態は、上記のような拡張SDR画像2を画像処理回路1の入力とするものであるが、通常のSDR画像を入力として受信し、拡張SDR画像2を生成する拡張処理部を、後述する輝度飽和領域検出器4の前段として本画像処理回路1内に設けても構わないし、輝度飽和領域検出器4内において、輝度飽和領域検出器4の前処理として本拡張処理を実施しても構わないのは、言うまでもない。
輝度飽和領域検出器4は、画像処理回路1へ入力された拡張SDR画像2を受信し、輝度値が拡張SDR画像2の輝度値の上限値以上となって飽和した輝度飽和領域を検出する。より詳細には、輝度飽和領域検出器4は、拡張SDR画像2の各画素の輝度値と、拡張SDR画像2のダイナミックレンジの上限値、すなわち、SDR画像のダイナミックレンジの上限値に上記一定の値を乗算した値とを比較することにより、輝度値が上限値に一致している画素を探す。このような画素が一定以上、例えば10×10以上の面積を占めるような領域となっている場合に、当該領域を輝度飽和領域として検出する。
輝度飽和領域検出器4は、拡張SDR画像2をそのまま遅延回路6に送信すると同時に、拡張SDR画像2と、検出した輝度飽和領域に関する情報を、ピーク輝度値生成器5へ送信する。
ピーク輝度値生成器5は、輝度飽和領域検出器4によって検出された輝度飽和領域に対して、輝度飽和領域の近傍に位置する画素に関して得られる輝度値の波形を基に、輝度飽和領域内の各画素の上限値を超えたピーク輝度値の波形を導出して、ピーク輝度値を算出する。図2に、ピーク輝度値生成器5の信号処理ブロック図を示す。ピーク輝度値生成器5は、水平波形抽出器10、垂直波形抽出器13、4つの波形生成器11a、11b、14a、14b、2つの一次元波形合成器12、15、二次元波形合成器16、及び、二次元LPF(Low−Pass Filter)17を備えている。
水平波形抽出器10は、輝度飽和領域検出器4から拡張SDR画像2と輝度飽和領域に関する情報を受信する。水平波形抽出器10は、全ての輝度飽和領域の各々について、拡張SDR画像2内の、画素により構成される行のうち、輝度飽和領域が含まれる全ての行において、当該行における水平方向の波形を生成する。ここで、水平方向の波形とは、横軸が水平方向の画素位置を、縦軸が横軸上の各画素の輝度値を表す二次元のグラフにおいて、ある特定行において水平方向に連続して位置する画素に対し、例えば図3(a)に示されるように、当該画素の輝度値をプロットした点をつなげたものである。
図3(a)においては、拡張SDR画像2がとり得る輝度値の上限が破線30として示されており、破線30に重なる飽和線33が、輝度飽和領域Sに相当している。この輝度飽和領域Sを挟むように、2つの領域R、Rが位置している。輝度飽和領域Sと左側の領域である領域Rとの境界である画素の位置は、xlbとして、及び、右端の領域である領域Rとの境界である画素の位置は、xrbとして、それぞれ示されている。領域Rにおける画素の輝度値の波形は、左側波形31として示されており、領域Rにおける画素の輝度値の波形は、右側波形32として示されている。これらの波形31、32は、それぞれ境界位置xlb、xrbから離れるにつれて下降している。すなわち、波形31、32に相当する画素においては、輝度飽和領域Sから離れるにつれて輝度値が低くなっている。
水平波形抽出器10は、各輝度飽和領域Sに対し、当該輝度飽和領域Sが含まれる全ての行において、図3(a)に示されるような、輝度飽和領域Sとその近傍の水平方向の波形を抽出し、図2に示される波形生成器11a、波形生成器11bに送信する。
波形生成器11aは、水平波形抽出器10から水平方向の波形を受信し、領域Rの波形、すなわち左側波形31を基に、輝度飽和領域Sに相当する部分における、左側波形31を基にした輝度値の波形を導出する。図3(b)に、この、左側波形31を基にした輝度値の波形(輝度飽和領域における波形)41の一例を示す。図3(b)において、左側波形31を基にした輝度値の波形41は、位置xlbから右方向に単調増加する波形41aと、波形41aから更に右方向に破線で示されている波形41bより構成されている。
左側波形31の傾きの変化が、輝度飽和領域Sに近づくにつれて緩やかになっている場合には、ピーク輝度値の波形は、輝度飽和領域S内において、輝度飽和領域Sの境界近傍のある位置で輝度値の上昇が頭打ちとなる傾向にあると考えられる。また、左側波形31の傾きの変化が、輝度飽和領域Sに近づくにつれて急峻になっている場合には、ピーク輝度値の波形は、輝度飽和領域S内において、輝度飽和領域Sの境界近傍においても輝度値の上昇が頭打ちとならずに上昇を続け、輝度飽和領域Sの境界から更に離れた位置において、輝度値の上昇が緩やかになり、やがて頭打ちとなるような傾向にあると考えられる。
本第1実施形態においては、左側波形31を基にした輝度値の波形41を、左側波形31の二次微分値D2を基に導出している。より具体的には、次の数式1のような関数Lhl(x)によって、左側波形31を基にした輝度値の波形41を導出する。関数Lhl(x)は、左側波形31の形状と、左側波形31を基にした輝度値の波形41の形状との間の、上記したような関連性を考慮し、モデル化した関数である。
(数1)
hl(x)=A×{cos(w×(x−xlb)+θlb)−cos(θlb)}
+L(xlb−1) [xlb≦x≦xls] …(1)
=A×{1−cos(θlb)}+L(xlb−1) [xls≦x≦xrb]
ls=(2π―θlb)/w+xlb
θlb=(3/2)×π―(1/2)×tan−1(k×D2)
A=k×(U―U)/2
w=k×{L(xlb−1)−L(xlb−2)}×π
ここで、L(x)は、画素xと、その拡張SDR画像2における輝度値の対応を表す関数、Uは、HDR画像3の輝度値の上限値、Uは、拡張SDR画像2の輝度値の上限値、k、k、kは、調整パラメータである。
概念的には、上記数式1は、xlb≦x≦xlsの部分においては、三角関数の波形において、値が−1から1へと推移する部分によってモデル化されている。xlsは、三角関数の値が1、すなわち最大値となる部分であり、輝度飽和領域Sの左側の境界xlbから輝度飽和領域S内に向けて離れるにつれて上昇した後に、輝度値が頭打ちとなる位置に相当する。この部分は、図3(b)においてxlb≦x≦xlsの部分に示される波形41aに相当する。上記数式1は、飽和線33の左端の境界である位置xlbの、1つ、及び2つ左に位置する画素の、拡張SDR画像2における輝度値L(xlb−1)、L(xlb−2)を基にして、係数wを計算し、本係数w、及び、二次微分値D2を基に、輝度飽和領域における輝度値が頭打ちとなる位置であるxlsと、及び、xlbからxlsまでの関数Lhl(x)の形状を決定している。
また、上記数式1は、xls≦x≦xrbの部分においては、xlsにおいて到達した最大値を維持するようにモデル化されている。これは、図3(b)においてxls≦x≦xrbの部分に破線で示される波形41bに相当する。波形生成器11aは、このようにして生成された波形41aと波形41bをつないで、左側波形31を基にした輝度値の波形41を生成する。
波形生成器11aは、左側波形31を基にした輝度値の波形41、すなわち関数Lhl(x)を、一次元波形合成器12へ送信する。
波形生成器11bは、水平波形抽出器10から水平方向の波形を受信し、領域Rの波形、すなわち右側波形32を基に、輝度飽和領域Sに相当する部分における、右側波形32を基にした輝度値の波形を導出する。図3(b)に、右側波形32を基にした輝度値の波形(輝度飽和領域における波形)42の一例を示す。図3(b)において、右側波形32を基にした輝度値の波形42は、左側波形31を基にした輝度値の波形41と同様に、波形42aと、波形42bより構成されている。
右側波形32を基にした輝度値の波形42においても、左側波形31を基にした輝度値の波形41と同様に、右側波形32の二次微分値D2を基にして導出されている。右側波形32を基にした輝度値の波形42を導出する関数Lhr(x)は、上記の数式1と同様に、数式1と対称的に、設定することが可能である。すなわち、xrsを輝度飽和領域Sの右側の境界xrbから輝度飽和領域S内に向けて離れるにつれて上昇した後に、輝度値が頭打ちとなる位置としたときに、xrbから左方向に位置xrsに向かうにつれて輝度値が上昇する部分の波形42aと、xrsより左の輝度値が一定となっている部分の波形42bを生成し、これらをつないで、右側波形32を基にした輝度値の波形42を生成する。
波形生成器11bは、生成した右側波形32を基にした輝度値の波形42、すなわち関数Lhr(x)を、一次元波形合成器12へ送信する。
一次元波形合成器12は、波形生成器11aと波形生成器11bから、それぞれ、左側波形31を基にした輝度値の波形41、すなわち関数Lhl(x)と、右側波形32を基にした輝度値の波形42、すなわち関数Lhr(x)を受信して、これらを合成する。
一次元波形合成器12は、位置xlsと位置xrsの位置関係によって、異なる式を用いて波形を合成する。まず、図3(b)に示されるような、位置xlsが位置xrsの左側に位置している場合においては、次の数式2によって、図3(b)に太線で示される、波形41a、波形43、及び波形42aからなる、水平方向における波形(第1の方向における波形)である関数L(x)を導出する。
(数2)
(x)=Lhl(x) [xlb≦x≦xls] …(2)
={(xrs−x)×Lhl(x)+(x−xls)×Lhr(x)}
/(xrs−xls) [xls≦x≦xrs]
=Lhr(x) [xrs≦x≦xrb]
図3(b)においては、上記のxlb≦x≦xlsの場合の関数L(x)は波形41aに、xls≦x≦xrsの場合の関数L(x)は波形43に、及び、上記のxrs≦x≦xrbの場合の関数L(x)は波形42aに、それぞれ相当する。このように、数式2は、位置xlsと位置xrsの間においては、位置xlsにおける関数Lhl(x)の値と、位置xrsにおける関数Lhr(x)の値とを直線で結ぶように、波形すなわち関数L(x)を生成する。
また、一次元波形合成器12は、図3(c)に示されるような、位置xlsが位置xrsの右側に位置している場合においては、輝度飽和領域Sの左側の境界xlbから右方向に、及び、輝度飽和領域Sの右側の境界xrbから左方向に、それぞれ関数Lhl(x)と関数Lhr(x)をみたときに、いずれも輝度値が、三角関数の最大値に達する前に、すなわち、位置xls及び位置xrsに到達して輝度値が頭打ちとなる前に減少傾向に移るものと判断し、次の数式3によって、図3(c)に太線で示される、波形41aの一部と、波形42aの一部からなるような、関数L(x)を導出する。
(数3)
(x)=min(Lhl(x)、Lhr(x)) …(3)
このように、位置xlsが位置xrsの右側に位置している場合においては、これらの関数の最小値をとることで、すなわち、輝度飽和領域Sの左側の境界xlbと右側の境界xrbの各々から波形41aと波形42aの交点までの波形をつなぎ合わせることで、関数L(x)を導出する。
このように、波形生成器11a、波形生成器11b、及び、一次元波形合成器12は、2つの領域R、Rの各々において、当該領域R、Rにおける画素の輝度値L(x)の波形の二次微分値D2を基に、個別に輝度飽和領域Sにおける波形41、42を導出し、これらを合成することにより、水平方向における波形すなわち関数L(x)を導出する。
一次元波形合成器12は、導出した水平方向における波形すなわち関数L(x)を、図2に示される二次元波形合成器16へ送信する。
ここで、例外的に、境界xlb、xrbが、画像そのものの外周である場合が考えられる。例えば、ある画像の左端の画素の輝度値が飽和している場合においては、この輝度飽和領域Sに相当する水平波形においては、境界xlbの座標値が0となるため、領域Rが存在しない。また、ある画像の右端の画素の輝度値が飽和している場合においては、この輝度飽和領域Sに相当する水平波形においては、境界xrbの座標値が0となるため、領域Rが存在しない。このような場合には、関数Lhl(x)または関数Lhr(x)の導出に必要な、領域Rまたは領域R内の、輝度飽和領域S近傍にある画素の輝度値が取得できないため、関数Lhl(x)または関数Lhr(x)の導出が不可能である。
このような場合において、関数Lhl(x)または関数Lhr(x)のいずれか一方が導出できていれば、導出できた方の関数をそのまま、関数L(x)として、二次元波形合成器16へ出力する。また、例えば画像内のある行において、左端から右端まで、全画素の輝度が飽和している場合等には、関数Lhl(x)と関数Lhr(x)のいずれの関数も導出できない。このような場合には、関数L(x)を導出できなかった旨を、二次元波形合成器16へ送信する。
図2に示されるピーク輝度値生成器5は、水平波形抽出器10、波形生成器11a、11b、一次元波形合成器12と同様に、次のようにして、垂直波形抽出器13、波形生成器14a、14b、一次元波形合成器15を用いて、垂直方向(第2の方向)に関しても同様に、垂直方向における波形すなわち関数L(x)を導出する。
垂直波形抽出器13は、水平波形抽出器10と同様に、輝度飽和領域検出器4から拡張SDR画像2と輝度飽和領域に関する情報を受信する。垂直波形抽出器13は、複数の輝度飽和領域Sの各々に対し、当該輝度飽和領域Sが含まれる全ての列において、図3(a)に示される波形と同様な、輝度飽和領域Sとその近傍の垂直方向の波形を抽出し、波形生成器14a、波形生成器14bに送信する。
波形生成器14aは、波形生成器11aと同様に、垂直波形抽出器13から垂直方向の波形を受信し、輝度飽和領域Sの上側領域の波形、すなわち上側波形を基に、輝度飽和領域における、上側波形を基にした輝度値の波形(輝度飽和領域における波形)を導出し、その関数Lvt(x)を、一次元波形合成器15へ送信する。
波形生成器14bは、波形生成器11bと同様に、垂直波形抽出器13から垂直方向の波形を受信し、輝度飽和領域Sの下側領域の波形、すなわち下側波形を基に、輝度飽和領域における、下側波形を基にした輝度値の波形(輝度飽和領域における波形)を導出し、その関数Lvb(x)を、一次元波形合成器15へ送信する。
一次元波形合成器15は、波形生成器14aと波形生成器14bから、それぞれ、上側波形を基にした輝度値の波形、すなわち関数Lvt(x)と、下側波形を基にした輝度値の波形、すなわち関数Lvb(x)を受信して、これらを合成する。一次元波形合成器15は、図3(b)、図3(c)を用いて説明した一次元波形合成器12と同様に、垂直方向における波形すなわち関数L(x)を導出し、二次元波形合成器16へ送信する。
二次元波形合成器16は、一次元波形合成器12、一次元波形合成器15の各々から、各輝度飽和領域について、当該輝度飽和領域が含まれる全ての行における、水平方向における波形すなわち関数L(x)と、当該輝度飽和領域が含まれる全ての列における、垂直方向における波形すなわち関数L(x)を受信し、次のように、これらを合成する。
二次元波形合成器16は、輝度飽和領域に属する全ての画素に対し、当該画素が位置する行における関数L(x)での、当該画素の輝度値と、当該画素が位置する列における関数L(x)での、当該画素の輝度値との平均を計算することにより、当該画素の暫定的なピーク輝度値である暫定ピーク輝度値を決定する。
しかし、一次元波形合成器12に関して説明したように、関数Lhl(x)と関数Lhr(x)のいずれか、あるいは双方ともに、導出されていない場合がある。垂直方向に関しても同様で、関数Lvt(x)と関数Lvb(x)のいずれか、あるいは双方ともに、導出されていない場合がある。
二次元波形合成器16は、例えばある行において、関数L(x)を導出する基となる関数Lhl(x)、Lhr(x)の、いずれか一方が導出できなかった場合には、輝度飽和領域の当該行内の画素においては、関数L(x)と関数L(x)の平均を計算する際に、関数L(x)と関数L(x)とに、例えば1:2の重みをもたせて平均を計算する。逆に、関数L(x)を導出する基となる関数Lvt(x)、Lvb(x)の、いずれか一方が導出できなかった場合には、輝度飽和領域の当該列内の画素においては、関数L(x)と関数L(x)の平均を計算する際に、関数L(x)と関数L(x)とに、例えば2:1の重みをもたせて平均を計算する。このように、より多くの情報を基に導出された関数に大きな重みを持たせるようにして平均を計算する。
また、ある行において、関数L(x)を導出する基となる関数Lhl(x)、Lhr(x)の双方が導出できなかった場合には、当該行内の画素においては、関数L(x)の値そのものを当該画素の暫定ピーク輝度値とする。逆に、ある列において、関数L(x)を導出する基となる関数Lvt(x)、Lvb(x)の双方が導出できなかった場合には、当該列内の画素においては、関数L(x)の値そのものを当該画素の暫定ピーク輝度値とする。
更に、輝度飽和領域内のある画素に関して、当該画素の位置する行における関数L(x)と、当該画素の位置する列における関数L(x)のいずれもが導出できなかった場合には、当該画素の暫定ピーク輝度値を拡張SDR画像2の輝度値の上限値とする。
二次元波形合成器16は、上記のようにして、拡張SDR画像2内の全ての輝度飽和領域に関して、当該輝度飽和領域内の全ての画素の暫定ピーク輝度値を決定し、二次元LPF17へ送信する。
二次元LPF17は、二次元波形合成器16から各画素の暫定ピーク輝度値を受信し、LPFを適用して、輝度飽和領域の最終的なピーク輝度値の波形を導出し、各画素のピーク輝度値を算出する。上記のように生成された、輝度飽和領域内の各画素の暫定ピーク輝度値は、画素ごとに関数L(x)と関数L(x)の平均を計算することにより決定されているため、隣接する画素間で暫定ピーク輝度値に一定以上の差が生じている可能性がある。二次元LPF17は、暫定ピーク輝度値にLPFを適用することによって隣接する輝度値間の変化をなまらせることにより、二次元LPF17の出力するピーク輝度値が画像全体として自然にみえるように調整している。
二次元LPF17は、各輝度飽和領域について、算出したピーク輝度値を出力する。
以上のように、ピーク輝度値生成器5は、水平方向である第1の方向において輝度飽和領域Sを挟むように位置する2つの領域R、Rに関し、該2つの領域R、Rの各々における画素の輝度値の波形31、32の二次微分値D2を基に、第1の方向における波形L(x)を導出し、該第1の方向における波形L(x)から、ピーク輝度値の波形を導出する。
また、第1の方向とは異なる第2の方向に関しても、当該第2の方向における波形L(x)を導出し、第1の方向における波形L(x)と第2の方向における波形L(x)から、ピーク輝度値の波形を導出する。
更に、第1の方向における波形L(x)と第2の方向における波形L(x)を合成し、ローパスフィルタを適用することによって、ピーク輝度値の波形を導出する。
図1に示される遅延回路6は、輝度飽和領域検出器4から拡張SDR画像2を受信する。遅延回路6は、受信した拡張SDR画像2に対して、適切な遅延をかける。この「適切な遅延」とは、ピーク輝度値生成器5による処理の遅延分を補償して、遅延回路6を介して画像合成器7へ送信される拡張SDR画像2と、ピーク輝度値生成器5から送信される輝度飽和領域におけるピーク輝度値の波形との同期をとるためのものである。
遅延回路6は、遅延がかけられた拡張SDR画像2を、画像合成器7へ送信する。
画像合成器7は、遅延回路6から拡張SDR画像2を、ピーク輝度値生成器5から輝度飽和領域における各画素のピーク輝度値を、それぞれ受信する。画像合成器7は、拡張SDR画像2の、輝度飽和領域の各画素の輝度値を、当該画素のピーク輝度値へと変換することにより、HDR画像3を生成する。
画像合成器7は、生成したHDR画像3を外部へ出力する。
次に、上記画像処理回路1を使用した画像処理方法を、図1乃至図3を用いて説明する。
本画像表示方法は、第1のダイナミックレンジの画像を、該第1のダイナミックレンジより広い範囲の第2のダイナミックレンジの画像へ変換する画像処理方法であって、第1のダイナミックレンジの画像の、輝度値が第1のダイナミックレンジの上限値以上となって飽和した輝度飽和領域を検出し、検出された輝度飽和領域に対して、輝度飽和領域の近傍に位置する画素に関して得られる輝度値の波形を基に、輝度飽和領域内の各画素の上限値を超えたピーク輝度値の波形を導出して、ピーク輝度値を算出し、第1のダイナミックレンジの画像と、輝度飽和領域の各画素のピーク輝度値から、第2のダイナミックレンジの画像を生成する。また、第1の方向において輝度飽和領域を挟むように位置する2つの領域に関し、該2つの領域の各々における画素の輝度値の波形の二次微分値を基に、第1の方向における波形を導出し、第1の方向における波形から、ピーク輝度値の波形を導出する。
まず、輝度飽和領域検出器4が、入力された拡張SDR画像2を受信し、拡張SDR画像2の各画素の輝度値と、拡張SDR画像2のダイナミックレンジの上限値とを比較して、輝度値が上限値に一致している画素を探すことにより、輝度値が拡張SDR画像2の輝度値の上限値以上となって飽和した輝度飽和領域を検出する。輝度飽和領域検出器4は、拡張SDR画像2をそのまま遅延回路6に送信すると同時に、拡張SDR画像2と、検出した輝度飽和領域に関する情報を、ピーク輝度値生成器5へ送信する。
ピーク輝度値生成器5の水平波形抽出器10は、輝度飽和領域検出器4から拡張SDR画像2と輝度飽和領域に関する情報を受信する。水平波形抽出器10は、全ての輝度飽和領域の各々について、拡張SDR画像2内の、画素により構成される行のうち、輝度飽和領域が含まれる全ての行において、当該行における水平方向の波形を生成する。水平波形抽出器10は、抽出された水平方向の波形を、波形生成器11a、波形生成器11bに送信する。
波形生成器11aは、水平波形抽出器10から水平方向の波形を受信し、領域Rの波形、すなわち左側波形31を基に、輝度飽和領域Sに相当する部分における、左側波形31を基にした輝度値の波形(輝度飽和領域における波形)を導出する。本第1実施形態においては、左側波形31を基にした輝度値の波形41を、上記数式1のように、左側波形31の二次微分値D2を基に導出している。波形生成器11aは、左側波形31を基にした輝度値の波形41、すなわち関数Lhl(x)を、一次元波形合成器12へ送信する。
波形生成器11bは、水平波形抽出器10から水平方向の波形を受信し、領域Rの波形、すなわち右側波形32を基に、輝度飽和領域Sに相当する部分における、右側波形32を基にした輝度値の波形(輝度飽和領域における波形)を導出する。波形生成器11bは、右側波形32を基にした輝度値の波形42、すなわち関数Lhr(x)を、一次元波形合成器12へ送信する。
一次元波形合成器12は、波形生成器11aと波形生成器11bから、それぞれ、左側波形31を基にした輝度値の波形41、すなわち関数Lhl(x)と、右側波形32を基にした輝度値の波形42、すなわち関数Lhr(x)を受信して、これらを合成する。合成は、上記数式2によって行われる。一次元波形合成器12は、導出した水平方向における波形すなわち関数L(x)を、二次元波形合成器16へ送信する。
垂直波形抽出器13は、水平波形抽出器10と同様に、輝度飽和領域検出器4から拡張SDR画像2と輝度飽和領域に関する情報を受信する。垂直波形抽出器13は、複数の輝度飽和領域Sの各々に対し、当該輝度飽和領域Sが含まれる全ての列において、輝度飽和領域Sとその近傍の垂直方向の波形を抽出し、波形生成器14a、波形生成器14bに送信する。
波形生成器14aは、波形生成器11aと同様に、垂直波形抽出器13から垂直方向の波形を受信し、輝度飽和領域Sの上側領域の波形、すなわち上側波形を基に、輝度飽和領域における、上側波形を基にした輝度値の波形(輝度飽和領域における波形)を導出し、その関数Lvt(x)を、一次元波形合成器15へ送信する。
波形生成器14bは、波形生成器11bと同様に、垂直波形抽出器13から垂直方向の波形を受信し、輝度飽和領域Sの下側領域の波形、すなわち下側波形を基に、輝度飽和領域における、下側波形を基にした輝度値の波形(輝度飽和領域における波形)を導出し、その関数Lvb(x)を、一次元波形合成器15へ送信する。
一次元波形合成器15は、波形生成器14aと波形生成器14bから、それぞれ、上側波形を基にした輝度値の波形、すなわち関数Lvt(x)と、下側波形を基にした輝度値の波形、すなわち関数Lvb(x)を受信して、これらを合成する。一次元波形合成器15は、一次元波形合成器12と同様に、垂直方向における波形である関数L(x)を導出し、水平波形抽出器10へ送信する。
二次元波形合成器16は、一次元波形合成器12、一次元波形合成器15の各々から、各輝度飽和領域について、当該輝度飽和領域が含まれる全ての行における、水平方向における波形すなわち関数L(x)と、当該輝度飽和領域が含まれる全ての列における、垂直方向における波形すなわち関数L(x)を受信する。二次元波形合成器16は、これらを合成することにより、拡張SDR画像2内の全ての輝度飽和領域に関して、当該輝度飽和領域内の全ての画素の暫定ピーク輝度値を決定し、二次元LPF17へ送信する。
二次元LPF17は、二次元波形合成器16から各画素の暫定ピーク輝度値を受信し、LPFを適用して、輝度飽和領域の最終的なピーク輝度値の波形を導出し、各画素のピーク輝度値を算出する。二次元LPF17は、各輝度飽和領域Sについて、導出したピーク輝度値を出力する。
画像合成器7は、輝度飽和領域検出器4から遅延回路6を経た拡張SDR画像2を、ピーク輝度値生成器5から輝度飽和領域における各画素のピーク輝度値を、それぞれ受信する。画像合成器7は、拡張SDR画像2の、輝度飽和領域の各画素の輝度値を、当該画素のピーク輝度値へと変換することにより、HDR画像3を生成して、外部へ出力する。
次に、上記の画像処理回路及び画像処理方法の効果について説明する。
上記のような構成によれば、輝度飽和領域検出器4が、第1のダイナミックレンジの画像の、輝度値が第1のダイナミックレンジの画像の上限値以上となって飽和した輝度飽和領域を検出し、ピーク輝度値生成器5が、検出された輝度飽和領域に対して、輝度飽和領域の近傍に位置する画素に関して得られる輝度値の波形を基に、輝度飽和領域内の各画素の上限値を超えたピーク輝度値の波形を導出して、ピーク輝度値を算出し、画像合成器7が、第1のダイナミックレンジの画像と、輝度飽和領域の各画素のピーク輝度値から、第1のダイナミックレンジより広い範囲の第2のダイナミックレンジの画像を生成する。すなわち、第1のダイナミックレンジの画像の輝度が飽和した部分において、第1のダイナミックレンジの画像の輝度の上限値によって制限されたことにより第1のダイナミックレンジの画像においては表現できなかった、第1のダイナミックレンジの画像の輝度の上限値以上の高い輝度値を推測して補完することができる。これにより、第1のダイナミックレンジの画像から、第2のダイナミックレンジの画像表示装置で表示したときに人間の眼に自然に美しく映る、高輝度領域における表現能力に優れた第2のダイナミックレンジの画像に変換することが可能となる。
また、ピーク輝度値生成器5は、水平方向及び垂直方向の各々において、輝度飽和領域を挟むように位置する2つの領域に関し、数式1を用いて説明したように、該2つの領域の各々における画素の輝度値の波形の二次微分値を基に、水平方向及び垂直方向の各々における波形を導出し、ピーク輝度値の波形を導出する。これにより、輝度飽和領域の外側の輝度値の波形と、輝度飽和領域の内側で生成されたピーク輝度値の波形が滑らかに連続するため、第1のダイナミックレンジの画像から、第2のダイナミックレンジの画像表示装置で表示したときに違和感がなく人間の眼に自然に美しく映る、高輝度領域における表現能力により優れた第2のダイナミックレンジの画像に変換することが可能となる。
また、ピーク輝度値生成器5は、図3を用いて説明したように、水平方向及び垂直方向の各々において、輝度飽和領域を挟むように位置する2つの領域の各々において、個別に輝度飽和領域における波形を導出し、これらを合成することにより、水平方向及び垂直方向の各々における波形を導出し、ピーク輝度値の波形を導出する。すなわち、例えば水平方向における波形を導出する場合には、輝度飽和領域の左側部分の波形は輝度飽和領域の左方に位置する輝度値を基に、また、輝度飽和領域の右側部分の波形は輝度飽和領域の右方に位置する輝度値を基に、個別に導出される。これにより、輝度飽和領域内の特に周辺部分のピーク輝度値が、当該周辺部分に接する輝度飽和領域の外側の領域の輝度値に比較的強く依存するように、ピーク輝度値の波形を導出することができるため、輝度飽和領域の外側の輝度値の波形と、輝度飽和領域の内側で生成されたピーク輝度値の波形が滑らかに連続する。したがって、第1のダイナミックレンジの画像から、第2のダイナミックレンジの画像表示装置で表示したときに人間の眼に自然に美しく映る、高輝度領域における表現能力により優れた第2のダイナミックレンジの画像に変換することが可能となる。
また、ピーク輝度値生成器5は、水平方向における波形と垂直方向における波形を合成し、ローパスフィルタを適用することによって、ピーク輝度値の波形を導出する。上記のように、このローパスフィルタを実施する二次元LPF17は、隣接する輝度値間の変化をなまらせることにより、二次元LPF17の出力するピーク輝度値が画像全体として自然にみえるように調整している。これにより、第1のダイナミックレンジの画像から、第2のダイナミックレンジの画像表示装置で表示したときに人間の眼に自然に美しく映る、高輝度領域における表現能力により優れた第2のダイナミックレンジの画像に変換することが可能となる。
また、画像合成器7は、第1のダイナミックレンジの画像の、輝度飽和領域の各画素の輝度値を、当該画素のピーク輝度値へと変換することにより、第2のダイナミックレンジの画像を生成する。すなわち、第1のダイナミックレンジの画像を第2のダイナミックレンジの画像へと変換するに当たって、第1のダイナミックレンジの画像に対して適用される補正処理は輝度飽和領域に該当する部分に限られる。すなわち、輝度飽和領域以外の領域に対する補正処理が行われないため、輝度飽和領域以外の領域おいては元々の入力となる第1のダイナミックレンジの画像の画質を維持した上で、第2のダイナミックレンジの画像への変換が可能である。
また、本第1実施形態においては、元々の第1のダイナミックレンジの画像の各画素の輝度値に、例えば5等の一定の値が予め乗算された画像、すなわち拡張SDR画像2を、画像処理回路1への入力としている。これにより、既に説明したように、第2のダイナミックレンジの画像の、広いダイナミックレンジが十分に活用可能となる。したがって、第1のダイナミックレンジの画像から、第2のダイナミックレンジの画像表示装置で表示したときに人間の眼に自然に美しく映る、高輝度領域における表現能力により優れた第2のダイナミックレンジの画像に変換することが可能となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態における画像表示装置を説明する。図4は、第2実施形態における画像表示装置50の信号処理ブロック図である。画像表示装置50においては、第1実施形態同様、第1のダイナミックレンジはSDRであり、第1のダイナミックレンジより広い範囲の第2のダイナミックレンジはHDRである。画像表示装置50は、第1実施形態として示した画像処理回路1を、SDR画像処理部57として備えた表示装置である。
画像表示装置50は、I/F(インタフェース)部51、第1HDR用EOTF(Electro−Optical Transfer Function)階調変換器52、第2HDR用EOTF階調変換器53、SDR用EOTF階調変換器(EOTF階調変換器)54、第1HDR画像処理部55、第2HDR画像処理部56、SDR画像処理部(画像処理回路)57、セレクタ58、OETF(Optical−Electro Transfer Function)階調変換器59、パネル駆動・制御部60、及び、HDR画像表示パネル(画像表示パネル)61を備えている。
I/F部51は、画像表示装置50の外部から画像データや操作情報などを受信して、後段に位置する、第1HDR用EOTF階調変換器52、第2HDR用EOTF階調変換器53、または、SDR用EOTF階調変換器54のいずれかの、適切な処理経路へと画像データを送信する。例えば、画像データがPQ方式のHDR画像である場合には、第1HDR用EOTF階調変換器52へ、HLG方式のHDR画像である場合には、第2HDR用EOTF階調変換器53へ、SDR画像である場合には、SDR用EOTF階調変換器54へと、画像データを送信する。
第1HDR用EOTF階調変換器52は、HDR画像を受信して、PQ方式により、リニア信号へとEOTF階調変換を行い、階調変換された画像データを第1HDR画像処理部55へと送信する。第1HDR画像処理部55は、階調変換された画像データを受信して、ノイズ低減や画素値レベル調整などの画像処理を行う。
第2HDR用EOTF階調変換器53は、HDR画像を受信して、HLG方式により、リニア信号へとEOTF階調変換を行い、階調変換された画像データを第2HDR画像処理部56へと送信する。第2HDR画像処理部56は、階調変換された画像データを受信して、ノイズ低減や画素値レベル調整などの画像処理を行う。
SDR用EOTF階調変換器54は、SDR画像を受信してリニア信号へとEOTF階調変換を行い、階調変換された画像データをSDR画像処理部57へ送信する。SDR画像処理部57は、階調変換された画像データを受信して、上記第1実施形態で説明したような画像処理を行う。
セレクタ58は、I/F部51からの画像データの送信先にあわせて、第1HDR画像処理部55、第2HDR画像処理部56、SDR画像処理部57のいずれかを選択し、選択先から適切な画像データを受信する。セレクタ58は、受信した画像データをOETF階調変換器59へ送信する。
OETF階調変換器59は、セレクタ58によって選択された画像処理部から、HDR画像を受信して、ビデオ信号へとパネルの表示特性に合わせたOETF階調変換を行い、パネル駆動・制御部60へ送信する。HDR画像表示パネル61は、受信したOETF階調変換後のHDR画像に基づいて画像を表示する。
本第2実施形態における画像表示装置50が、上記第1実施形態と同様な効果を奏することは言うまでもない。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態における画像変換装置を説明する。図5は、第3実施形態における画像変換装置70の信号処理ブロック図である。画像変換装置70においては、第1実施形態同様、第1のダイナミックレンジはSDRであり、第1のダイナミックレンジより広い範囲の第2のダイナミックレンジはHDRである。画像変換装置70は、第1実施形態として示した画像処理回路1を、SDR画像処理部73として備えた変換装置である。
画像変換装置70は、I/F部71、SDR用EOTF階調変換器(EOTF階調変換器)72、SDR画像処理部(画像処理回路)73、第1HDR用OETF階調変換器(OETF階調変換器)74、第2HDR用OETF階調変換器(OETF階調変換器)75、及び、セレクタ76を備えている。
I/F部71は、画像変換装置70の外部からSDR画像や操作情報などを受信して、SDR用EOTF階調変換器72へ送信する。
SDR用EOTF階調変換器72は、SDR画像を受信してリニア信号へとEOTF階調変換を行い、階調変換された画像データをSDR画像処理部73へ送信する。SDR画像処理部73は、階調変換された画像データを受信して、上記第1実施形態で説明したような画像処理を行ってHDR画像を生成し、第1HDR用OETF階調変換器74、第2HDR用OETF階調変換器75へ送信する。
第1HDR用OETF階調変換器74は、SDR画像処理部73からHDR画像を受信して、PQ方式によりOETF階調変換を行う。第2HDR用OETF階調変換器75は、SDR画像処理部73からHDR画像を受信して、HLG方式によりOETF階調変換を行う。
セレクタ76は、出力するHDR方式を、PQ方式と、HLG方式のいずれかから選択し、第1HDR用OETF階調変換器74か第2HDR用OETF階調変換器75のいずれかから画像データを受信する。セレクタ76は、受信した画像データを、画像変換装置70の外部へ送信する。
本第3実施形態における画像変換装置70が、上記第1実施形態と同様な効果を奏することは言うまでもない。
[実験結果]
次に、図6、図7を用いて、上記第1実施形態に関する実験結果について説明する。
まず、図6(a)に示されるSDR画像を、上記第1実施形態の画像処理回路1によってHDR画像に変換した。変換前のSDR画像には、画像の中央上部に明るい領域がある。図6(b)は、この明るい領域が含まれるA部分における、明るい領域近傍の、水平方向の波形である。図6(b)においては、サブピクセルR、G、Bの各々の輝度値に関して、対応する波形がそれぞれ、波形80、81、82として示されている。図6(b)からわかるように、上記の明るい領域においては、サブピクセルRとG、すなわち波形80、81に関しては、その上端が略水平になっている。すなわち、サブピクセルRとGに関しては、輝度値がSDR画像の輝度値の上限値Uとなって輝度が飽和し、輝度飽和領域が形成されている。
上記のSDR画像を画像処理回路1によって変換した、変換後のHDR画像の、図6(b)と同じ部分における波形を図6(c)に示す。図6(c)においては、サブピクセルR、G、Bの各々の輝度値に関して、対応する波形がそれぞれ、波形83、84、85として示されている。波形83、84からわかるように、変換後のHDR画像においては、変換前のSDR画像のサブピクセルR、Gにおいて形成されていた輝度飽和領域に相当する部分に、SDR画像の輝度値の上限値Uを上回るピーク輝度値を有する、滑らかな形状の波形が形成されている。
次に、図7(a)に示されるような、輝度飽和領域が形成されている波形を備えるSDR画像を、上記第1実施形態の画像処理回路1によってHDR画像に変換した。図7(a)においては、サブピクセルR、G、Bの各々の輝度値に関して、対応する波形がそれぞれ、波形90、91、92として示されている。図7(a)からわかるように、サブピクセルR、すなわち波形90に関しては、輝度飽和領域が形成されている。
上記のSDR画像を画像処理回路1によって変換した、変換後のHDR画像の、図7(a)と同じ部分における波形を図7(b)に示す。図7(b)においては、サブピクセルR、G、Bの各々の輝度値に関して、対応する波形がそれぞれ、波形93、94、95として示されている。波形93からわかるように、変換後のHDR画像においては、変換前のSDR画像のサブピクセルRにおいて形成されていた輝度飽和領域に相当する部分に、SDR画像の輝度値の上限値Uを上回るピーク輝度値を有する、滑らかな形状の波形が形成されている。
ここで、変換後のHDR画像の波形93は、画像処理回路1によって、上記の数式2により生成されている。数式2は、図3(b)を用いて説明したように、位置xlsが位置xrsの左側に位置している場合において、位置xlsと位置xrsの間の部分の水平方向における輝度値の波形を、関数Lhl(x)における位置xlsの輝度値と関数Lhr(x)における位置xrsの輝度値とを直線で結ぶように生成するものであるが、図7(b)に示される波形93においては、輝度飽和領域を補完したピーク輝度値に相当する部分の波形が、直線ではなく、上下方向に微小な凹凸を備えるような形状となっている。
これは、画像処理回路1においては、水平方向と垂直方向の2方向で、各行、各列ごとに波形を生成して、水平方向と垂直方向の波形の交点に位置する画素ごとに、2つの波形の平均を計算することでピーク輝度値を導出していることに起因する。すなわち、本実験例においては、波形90に直交する、図示されない垂直方向の波形の影響で、波形93において左右に隣接する画素のピーク輝度値に差が表れている。この輝度値の差が、ローパスフィルタが適用されて波形がなだらかにされることによって周囲に影響して、図7(b)に示されるような微小な凹凸が形成されている。
なお、本発明の画像処理回路、画像変換装置、画像表示装置及び画像処理方法は、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において他の様々な変形例が考えられる。
例えば、上記各実施形態においては、第1のダイナミックレンジはSDRであり、第1のダイナミックレンジより広い範囲の第2のダイナミックレンジはHDRであるとしたが、これに限られず、画像処理の入力となる画像のダイナミックレンジが、画像処理の出力となる画像のダイナミックレンジより、相対的に低い関係にあればよいことは言うまでもない。
また、上記各実施形態において、数式1に入力される、U、U、k、k、k等の各パラメータは、画像処理回路1の外部から変更可能に設定されるようになっていてもよい。
また、上記各実施形態においては、例えば水平方向に関して、右側波形を基にした輝度値の波形を導出するに当たり、左側波形を基にした輝度値の波形を導出する数式1と対称的な関数Lhr(x)を個別に用いていたが、これに限られない。例えば、右側波形を基にした輝度値の波形は、水平波形抽出器10における波形抽出時に、画素を左右逆方向に並べ替えた状態の波形を生成し、これを、数式1を実現した波形生成器11aと同じ構成の波形生成器に入力した後、該波形生成器からの出力を再度、左右逆方向に並べ戻すようにすることにより、数式1と同じモデルを使用することが可能である。
また、上記第2、第3実施形態においては、HDR用のEOTF階調変換器や、それに対応する画像処理部、及びHDR用のOETF階調変換器は、PQ方式とHLG方式の、2種類の方式に対して2個ずつ設けられていたが、これに限られず、他の数でもよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記各実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
1 画像処理回路
2 拡張SDR画像(第1のダイナミックレンジの画像)
3 HDR画像(第2のダイナミックレンジの画像)
4 輝度飽和領域検出器
5 ピーク輝度値生成器
6 遅延回路
7 画像合成器
10 水平波形抽出器
11a、11b 波形生成器
12、15 一次元波形合成器
13 垂直波形抽出器
14a、14b 波形生成器
16 二次元波形合成器
17 二次元LPF
31 左側波形(領域における画素の輝度値の波形)
32 右側波形(領域における画素の輝度値の波形)
41 左側波形を基にした輝度値の波形(輝度飽和領域における波形)
42 右側波形を基にした輝度値の波形(輝度飽和領域における波形)
50 画像表示装置
51、71 I/F部
52 第1HDR用EOTF階調変換器
53 第2HDR用EOTF階調変換器
54、72 SDR用EOTF階調変換器(EOTF階調変換器)
55 第1HDR画像処理部
56 第2HDR画像処理部
57、73 SDR画像処理部(画像処理回路)
58、76 セレクタ
59 OETF階調変換器
60 パネル駆動・制御部
61 HDR画像表示パネル(画像表示パネル)
70 画像変換装置
、R 領域
S 輝度飽和領域
74 第1HDR用OETF階調変換器(OETF階調変換器)
75 第2HDR用OETF階調変換器(OETF階調変換器)

Claims (13)

  1. 第1のダイナミックレンジの画像を、該第1のダイナミックレンジより広い範囲の第2のダイナミックレンジの画像へ変換する画像処理回路であって、
    前記第1のダイナミックレンジの画像の、輝度値が第1のダイナミックレンジの上限値以上となって飽和した輝度飽和領域を検出する輝度飽和領域検出器と、
    検出された前記輝度飽和領域に対して、前記輝度飽和領域の近傍に位置する画素に関して得られる輝度値の波形を基に、前記輝度飽和領域内の各画素の前記上限値を超えたピーク輝度値の波形を導出して、前記ピーク輝度値を算出するピーク輝度値生成器と、
    前記第1のダイナミックレンジの画像と、前記輝度飽和領域の各画素の前記ピーク輝度値から、前記第2のダイナミックレンジの画像を生成する画像合成器を備える、画像処理回路。
  2. 前記ピーク輝度値生成器は、第1の方向において前記輝度飽和領域を挟むように位置する2つの領域に関し、該2つの領域の各々における前記画素の輝度値の波形の二次微分値を基に、前記第1の方向における波形を導出し、該第1の方向における波形から、前記ピーク輝度値の波形を導出する、請求項1に記載の画像処理回路。
  3. 前記ピーク輝度値生成器は、前記2つの領域の各々において、当該領域における前記画素の輝度値の波形の二次微分値を基に、個別に前記輝度飽和領域における波形を導出し、これらを合成することにより、前記第1の方向における波形を導出する、請求項2に記載の画像処理回路。
  4. 前記第1の方向は水平方向である、請求項2または3に記載の画像処理回路。
  5. 前記ピーク輝度値生成器は、前記第1の方向とは異なる第2の方向に関しても、当該第2の方向における波形を導出し、前記第1の方向における波形と前記第2の方向における波形から、前記ピーク輝度値の波形を導出する、請求項2から4のいずれか一項に記載の画像処理回路。
  6. 前記ピーク輝度値生成器は、前記第1の方向における波形と前記第2の方向における波形を合成し、ローパスフィルタを適用することによって、前記ピーク輝度値の波形を導出する、請求項5に記載の画像処理回路。
  7. 前記第2の方向は垂直方向である、請求項5または6に記載の画像処理回路。
  8. 前記画像合成器は、前記第1のダイナミックレンジの画像の、前記輝度飽和領域の各画素の輝度値を、当該画素の前記ピーク輝度値へと変換することにより、前記第2のダイナミックレンジの画像を生成する、請求項1から7のいずれか一項に記載の画像処理回路。
  9. 前記第1のダイナミックレンジはSDRであり、前記第2のダイナミックレンジはHDRである、請求項1から8のいずれか一項に記載の画像処理回路。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の画像処理回路と、
    前記第1のダイナミックレンジの画像を階調変換して前記画像処理回路へ送信するEOTF階調変換器と、
    前記画像処理回路から前記第2のダイナミックレンジの画像を受信して階調変換を行うOETF階調変換器と、
    該OETF階調変換器により階調変換された第2のダイナミックレンジの画像を受信して表示する画像表示パネルを備える、画像表示装置。
  11. 請求項1から9のいずれか一項に記載の画像処理回路と、
    前記第1のダイナミックレンジの画像を階調変換して前記画像処理回路へ送信するEOTF階調変換器と、
    前記画像処理回路から前記第2のダイナミックレンジの画像を受信して階調変換を行うOETF階調変換器を備える、画像変換装置。
  12. 第1のダイナミックレンジの画像を、該第1のダイナミックレンジより広い範囲の第2のダイナミックレンジの画像へ変換する画像処理方法であって、
    前記第1のダイナミックレンジの画像の、輝度値が第1のダイナミックレンジの上限値以上となって飽和した輝度飽和領域を検出し、
    検出された前記輝度飽和領域に対して、前記輝度飽和領域の近傍に位置する画素に関して得られる輝度値の波形を基に、前記輝度飽和領域内の各画素の前記上限値を超えたピーク輝度値の波形を導出して、前記ピーク輝度値を算出し、
    前記第1のダイナミックレンジの画像と、前記輝度飽和領域の各画素の前記ピーク輝度値から、前記第2のダイナミックレンジの画像を生成する、画像処理方法。
  13. 第1の方向において前記輝度飽和領域を挟むように位置する2つの領域に関し、該2つの領域の各々における前記画素の輝度値の波形の二次微分値を基に、前記第1の方向における波形を導出し、前記第1の方向における波形から、前記ピーク輝度値の波形を導出する、請求項12に記載の画像処理方法。
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