JP2018036483A - 液晶レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】有効レンズ径が拡大した液晶レンズを開示する。【解決手段】第1の透明電極層と、第2の透明電極層と、前記第1の透明電極層及び前記第2の透明電極層の間に設けられた液晶層と、前記第2の透明電極層及び前記液晶層の間に設けられた絶縁層と、前記絶縁層及び前記液晶層の間に設けられた高抵抗層とを有し、平面視において、前記第2の透明電極層が、円形状の中心電極層と、前記中心電極層の周囲に前記中心電極層とは離隔して設けられた複数の輪帯電極層とを備えており、平面視において、前記高抵抗層が、円形状の第1の抵抗層を備えており、平面視において、前記高抵抗層の外縁が、前記複数の輪帯電極層のうちの最外側輪帯電極層の外縁よりも内側に存在している、液晶レンズとする。【選択図】図1

Description

本願は液晶レンズを開示するものである。
誘電異方性及び光学異方性を示す液晶分子は、印加電圧を制御することで液晶分子の配向方向を制御することができ、実効的な屈折率を連続的に可変できる。例えば、第1の透明電極及び第2の透明電極の間に媒質として液晶分子を含む層(液晶層)を設け、電極間の電圧を制御することで、液晶層の実効的な屈折率分布を調整することができ、液晶レンズとして機能させることができる。
例えば、円形状の中心電極層と、中心電極層の周囲に設けられた複数の輪帯電極層とによって上記の第2の透明電極(同心円状のパターン電極群)を構成し、中心電極層から半径方向に電圧分布を形成することで、液晶層においても半径方向に屈折率分布を生じさせることができ、液晶レンズを例えば屈折率分布型レンズとして機能させることができる。ただし、このような第2の透明電極を用いた液晶レンズにおいては、液晶層に印加される電圧が階段状となり、連続的で滑らかな電位分布とならない。それゆえ、液晶層における屈折率分布も同様に不連続な階段状となり、理想的なレンズ特性とならない。このような問題を解決すべく、特許文献1に開示された液晶レンズにおいては、第2の透明電極と液晶層との間に絶縁層及び高抵抗層の二重層を配置することで、液晶層の屈折率分布を連続的で滑らかなものとしている。
特開2012−137682号公報
特許文献1に開示された液晶レンズにおいては、絶縁層及び高抵抗層の二重層が液晶層の表面全体を覆うように構成されている。すなわち、平面視において高抵抗層の面積が第2の透明電極(パターン電極群)の面積よりも過大とされている。本発明者らの知見によれば、このような面積の大きな高抵抗層を設けた場合、第1及び第2の透明電極間に電圧を印加すると、平面視において第2の透明電極層よりも外側においても、高抵抗層に誘導されて電界が生じ、結果として液晶層中の液晶分子の傾きが変化してしまう。このような場合、平面視で第2の透明電極層よりも外側の液晶分子の配向に引き摺られて、第2の透明電極層の内側の液晶分子も意図しない方向に配向してしまう。すなわち、第2の透明電極層の外縁近傍において、液晶分子を意図した方向に配向させることができず、光学位相差分布が断面が放物線状とならず、結果として液晶レンズの有効レンズ径が小さくなってしまう。
上記の背景技術に鑑み、本願では、レンズ特性を良好な状態に保ち、有効レンズ径の拡大と実効的なレンズパワーの増大とを実現した液晶レンズを開示する。
本願は、上記課題を解決するための手段の一つとして、
第1の透明電極層と、第2の透明電極層と、前記第1の透明電極層及び前記第2の透明電極層の間に設けられた液晶層と、前記第2の透明電極層及び前記液晶層の間に設けられた絶縁層と、前記絶縁層及び前記液晶層の間に設けられた高抵抗層とを有し、平面視において、前記第2の透明電極層が、円形状の中心電極層と、前記中心電極層の周囲に前記中心電極層とは離隔して設けられた複数の輪帯電極層とを備えており、平面視において、前記高抵抗層が、円形状の第1の抵抗層を備えており、平面視において、前記高抵抗層の外縁が、前記複数の輪帯電極層のうちの最外側輪帯電極層の外縁よりも内側に存在している、液晶レンズ
を開示する。
「透明電極層」とは、光を透過可能であるとともに電極として機能し得る層であって、従来より液晶レンズに用いられてきた透明電極層と同様のものでよい。例えば、ITO、酸化チタン、酸化亜鉛又はこれらの混合物を含む透明電極層が挙げられる。
「液晶層」とは、透明電極層の電圧を制御することで液晶の配向を調整可能で、実効的な屈折率の分布を調整可能な層であればよい。通常、配向膜と配向膜との間に液晶が充填されてなる層をいう。
「絶縁層」とは、光を透過可能であるとともに絶縁材料から構成される層をいう。絶縁材料は有機系・無機系を問わない。或いは、光を透過可能であるとともに下記の高抵抗層よりも誘電率の大きな材料から構成される層であってもよい。
「高抵抗層」とは、光を透過可能であるとともにシート抵抗が1kΩ以上10GΩ以下の層をいう。
「平面視」とは、第2の透明電極層を上側とし、第1の透明電極層を下側とした場合における「上面視」を意味する。
「中心電極層の周囲に中心電極層とは離隔して設けられた複数の輪帯電極層」とは、中心電極層の周囲に、リング状の隙間を介して、一の輪帯電極層が設けられ、当該一の輪帯電極層の周囲に、リング状の隙間を介して、他の輪帯電極層が設けられていることを意味する。輪帯電極層の数は複数(2つ以上)であればよい。このように、本開示の液晶レンズにおいて、第2の透明電極層は、同心円状のパターン電極群を構成する。
「前記高抵抗層の外縁」とは、高抵抗層が第1の抵抗層のみからなる場合は、当該第1の抵抗層の外縁をいい、高抵抗層が第1の抵抗層とそれ以外の抵抗層(例えば、下記第2の抵抗層)とからなる場合は、これら複数の抵抗層のうち最外側となる抵抗層の外縁をいう。
「前記高抵抗層の外縁が、前記複数の輪帯電極層のうちの最外側輪帯電極層の外縁よりも内側に存在している」とは、言い換えれば、平面視において、最外側輪帯電極層の外縁よりも内側に、高抵抗層の外縁が収まっていることを意味する。
本開示の液晶レンズは、平面視において、前記第1の抵抗層の外縁が、前記複数の輪帯電極層のうちのいずれか一つの帯幅内に存在することが好ましい。
「帯幅内」とは、輪帯電極層の外縁と内縁との間を意味する。すなわち、「平面視において、前記第1の抵抗層の外縁が、前記複数の輪帯電極層のうちのいずれか一つの帯幅内に存在する」とは、平面視において、第1の抵抗層の外縁が、一つの輪帯電極層の外縁と内縁との間に収まっていることを意味する。
本開示の液晶レンズは、平面視において、前記高抵抗層が、前記第1の抵抗層と、前記第1の抵抗層の周囲に前記第1の抵抗層とは離隔して設けられた輪帯状の第2の抵抗層とを備えた形態を含む。このような形態の場合、上述したように、液晶レンズは、平面視において、前記第2の抵抗層の外縁が、前記複数の輪帯電極層のうちの最外側輪帯電極層の外縁よりも内側に存在している。
このような形態の場合、液晶レンズは、平面視において、前記第2の抵抗層の外縁が、前記複数の輪帯電極層のうちのいずれか一つの帯幅内に存在することが好ましい。
さらに、このような形態の場合、液晶レンズは、平面視において、前記高抵抗層が、前記第2の抵抗層の周囲に前記第2の抵抗層とは離隔して設けられた第3の抵抗層を備えていてもよい。言うまでもないが、当該第3の抵抗層の外縁についても、最外側輪帯電極層の外縁よりも内側に存在する。尚、第3の抵抗層は、複数の抵抗層からなるものであってもよい。
本開示の液晶レンズは、前記複数の輪帯電極層のうちの一部を開回路としてもよい。すなわち、一部の輪帯電極層が電気的に接続されずにオープンとされていてもよい。
本開示の液晶レンズは、前記液晶中の一部の液晶分子が、垂直配向膜によって、他の液晶分子とは異なる方向に配向されていてもよい。
本開示の液晶レンズにおいて、前記複数の輪帯電極層は、それぞれ、インピーダンスが同程度であるように特徴付けられた帯幅を有することが好ましい。
「インピーダンスが同程度」とは、一の輪帯電極層のインピーダンス(Ω)と他の輪帯電極層のインピーダンス(Ω)との比(Ω/Ω)が、0.99以上1.01以下の範囲内にあることをいう。
本開示の液晶レンズは、前記第2の透明電極層が、前記中心電極層と、前記複数の輪帯電極層と、前記平面視において前記輪帯電極層の周囲に設けられた最外側透明電極層とを備えていてもよい。
尚、本開示の液晶レンズは、例えば以下のように駆動させることができる。
すなわち、本開示の液晶レンズは、前記複数の輪帯電極層の一つ又は複数に印加する電圧の周波数を制御することを特徴とする、液晶レンズの駆動方法により駆動可能である。
或いは、本開示の液晶レンズは、前記複数の輪帯電極層の一つ又は複数に印加する交流電圧の位相を制御することを特徴とする、液晶レンズの駆動方法によっても駆動可能である。
本開示の液晶レンズにおいては、平面視において、高抵抗層の外縁が、複数の輪帯電極層のうちの最外側輪帯電極層の外縁よりも内側に存在している。このような場合、平面視において輪帯電極層の外側に電界が生じることを抑制でき、液晶層中の液晶分子の配向の変化を抑制できる。すなわち、輪帯電極層の外側における液晶分子の配向変化が、輪帯電極層の内側における液晶分子の配向に悪影響を及ぼすことがない。結果として、輪帯電極層の内側において、液晶層中の液晶分子を意図した方向に配向させることができ、液晶レンズの特性を良好な状態に保ち、実効的に液晶レンズの有効レンズ径を拡大すること及び実効的なレンズパワーを増大させることができる。
液晶レンズ10の構成を示す断面概略図である。 第2の透明電極層2の平面形状と高抵抗層5の平面形状とを比較した平面概略図である。 液晶層の構成を示す断面概略図である。 液晶レンズの光学位相差分布を説明するための図である。 液晶レンズ20の構成を示す断面概略図である。 第2の透明電極層2の平面形状と高抵抗層15の平面形状とを比較した平面概略図である。 液晶レンズ30の構成を示す断面概略図である。 第2の透明電極層22の平面形状と高抵抗層25の平面形状とを比較した平面概略図である。 液晶レンズ30の光学位相差分布を説明するための図である。 液晶レンズ40の構成を示す断面概略図である。 透明電極層32の構成を示す平面概略図である。 最外側輪帯電極層付近での液晶層の構成を示す断面概略図である。 比較例1に係る液晶レンズの構成を示す断面概略図である。 比較例1に係る液晶レンズの光学位相差分布を示す図である。 比較例2に係る液晶レンズの構成を示す断面概略図である。 比較例2に係る液晶レンズの光学位相差分布を示す図である。 実施例1に係る液晶レンズの光学位相差分布を示す図である。
1.液晶レンズ10
図1に液晶レンズ10の層構成を概略的に示す。また、図2に液晶レンズ10に備えられる第2の透明電極層2と高抵抗層5とについて、それぞれの平面形状を概略的に示す。
図1に示すように、液晶レンズ10は、第1の透明電極層1と、第2の透明電極層2と、第1の透明電極層1及び第2の透明電極層2の間に設けられた液晶層3と、第2の透明電極層2及び液晶層3の間に設けられた絶縁層4と、絶縁層4及び液晶層3の間に設けられた高抵抗層5とを有している。また、図2に示すように、液晶レンズ10は、平面視において、第2の透明電極層2が、円形状の中心電極層2aと、中心電極層2aの周囲に中心電極層2aとは離隔して設けられた複数の輪帯電極層2b、2b、…とを備えており、平面視において、高抵抗層5が、円形状の第1の抵抗層5aを備えている。さらに、図2に示すように、液晶レンズ10は、平面視において、高抵抗層5の外縁(すなわち、第1の抵抗層5aの外縁)が、複数の輪帯電極層2b、2b、…のうちの最外側輪帯電極層2bの外縁よりも内側に存在している。
1.1.第1の透明電極層1
第1の透明電極層1は、光を透過可能であるとともに電極として機能し得る層であって、従来より液晶レンズに用いられてきた透明電極層と同様のものでよい。例えば、ITO、酸化チタン、酸化亜鉛又はこれらの混合物を含む透明電極層が挙げられる。第1の透明電極層1の形状は特に限定されず、後述の第2の透明電極層2に対し、液晶層3を介して対向するような形状であればよい。特に、液晶層3の表面全体を覆うような平面形状を有することが好ましい。
1.2.第2の透明電極層2
第2の透明電極層2は、平面視において、円形状の中心電極層2aと、中心電極層2aの周囲に中心電極層2aとは離隔して設けられた複数の輪帯電極層2b、2b、…とを備えている。すなわち、第2の透明電極層2においては、中心電極層2aの周囲に、リング状の隙間を介して、一の輪帯電極層2bが設けられ、当該一の輪帯電極層2bの周囲に、リング状の隙間を介して、他の輪帯電極層2bが設けられている。輪帯電極層2bの数は複数(2つ以上)であればよい。輪帯電極層2bの数が多いほど、液晶レンズのレンズ特性が向上する。このように、液晶レンズ10において、第2の透明電極層2は、同心円状のパターン電極群を構成する。このような透明電極層自体は公知であり、従来より液晶レンズに用いられてきたパターン電極群と同様のものでよい。
1.3.液晶層3
液晶層3は、透明電極層1、2の電圧を制御することで液晶の配向を調整可能で、実効的な屈折率の分布を調整可能な層であればよく、従来より液晶レンズに用いられてきた液晶層と同様のものでよい。例えば、図3に示すように、液晶層3は、配向膜3b、3bの間に液晶分子3aが充填されてなる。
液晶分子3aの種類は特に限定されるものではない。液晶レンズにおいて従来より用いられてきた液晶分子と同様のものとすればよい。ここでは説明を省略する。
配向膜3bは、通常、一方向にラビング処理が施されたものであり、液晶分子3aの長軸方向に対応するダイレクタが所定のプレティルト角をなして配向するような状態となっている。このような配向膜3bは従来と同様の配向膜を用いればよい。例えば、ポリイミドからなる配向膜が挙げられる。
1.4.絶縁層4
絶縁層4は、光を透過可能であるとともに絶縁材料から構成される層であればよい。絶縁材料は有機系・無機系を問わない。有機系絶縁材料としては、例えば、ポリマー樹脂が挙げられる。無機系絶縁材料としては、例えば、二酸化ケイ素(SiO)が挙げられる。或いは、絶縁層4は、光を透過可能であるとともに下記の高抵抗層5よりも誘電率の大きな材料から構成される層であってもよい。絶縁層4の面形状は特に限定されるものではない。例えば、液晶レンズ10を眼鏡レンズに適用する場合、第2の透明電極層2の全体を覆うような面形状とすることができる。絶縁層4の厚みの条件としては、電極層と高抵抗層との間で電気的な絶縁が保たれる限り特に限定されるものではないが、例えば、液晶レンズ10を眼鏡のレンズに適用する場合、0.1μm以上5μm以下の厚みとすることができる。第2の透明電極層2と液晶層3との間に絶縁層4を介在させることで、透明電極層と高抵抗層とを適切に電気的に絶縁することができる。
1.5.高抵抗層5
高抵抗層5は、光を透過可能であるとともにシート抵抗が1kΩ以上10GΩ以下の層であればよい。第2の透明電極層2と液晶層3との間に高抵抗層5を介在させることで、電圧印加時、平面視において高抵抗層5よりも内側に存在する液晶分子3aを、滑らかに配向させることができる。高抵抗層5を構成する材料は上記のシート抵抗を確保できる限り特に限定されるものではなく、例えば、酸化亜鉛、PEDOT/PSS又はこれらの組み合わせを用いることができる。高抵抗層5の厚みの条件としては、上記のシート抵抗を確保できる限り特に限定されるものではないが、例えば、液晶レンズ10を眼鏡のレンズに適用する場合、0.01μm以上1μm以下の厚みとすることができる。高抵抗層5の平面形状は以下の通りである。すなわち、図2に示すように、高抵抗層5は、平面視において、円形状の第1の抵抗層5aを備えている。また、図2において点線で示すように、平面視において、高抵抗層5の外縁(第1の抵抗層5aの外縁)が、複数の輪帯電極層2b、2b、…のうち最外側輪帯電極層2bの外縁よりも内側に存在している。高抵抗層5の平面形状をこのような形状とすることで、平面視において輪帯電極層2bの外側に電界が生じることを抑制でき、当該外側における液晶層3中の液晶分子3aの配向の変化を抑制できる。すなわち、輪帯電極層2bの外側における液晶分子3aの配向変化が、輪帯電極層2bの内側における液晶分子3aの配向に悪影響を及ぼすことがない。結果として、輪帯電極層2bの内側において、液晶層3中の液晶分子3aを意図した方向に滑らかに配向させることができ、実効的に有効レンズ径が拡大するとともにレンズパワーが増大した液晶レンズ10とすることができる。
液晶レンズ10は、平面視において、高抵抗層5の外縁(第1の抵抗層5aの外縁)が、複数の輪帯電極層2b、2b、…のうちの一つの輪帯電極層2bの帯幅内に存在していることが好ましい。特に、図2において点線で示すように、高抵抗層5の外縁が、最外側輪帯電極層2bの外縁よりも内側で、且つ、最外側輪帯電極層2bの内縁よりも外側に存在していること(すなわち、最外側輪帯電極層2bの帯幅内に存在していること)が好ましい。高抵抗層5の平面形状をこのような形状とすることで、上記した効果が一層顕著に奏される。
1.6.その他の構成
以上の通り、液晶レンズ10は、従来の液晶レンズと比較して、高抵抗層5の形状に特徴があり、これによって従来の液晶レンズにはない顕著且つ特有の効果を奏するものである。液晶レンズ10は、高抵抗層5以外の構成については、従来の液晶レンズと同様の構成とすることができる。例えば、第1の透明電極層1や第2の透明電極層2は、それぞれ、透明な基板6、7の表面に形成することができる。また、第1の透明電極層1と第2の透明電極層2とは、複数のリード線を介してそれぞれ電源に電気的に接続されており、図1のV〜Vで示すように、中心電極層2a及び輪帯電極層2b、2b、…のそれぞれについて、第1の透明電極層1に対して、所定の電位に保持可能である。リード線の引き出し位置は特に限定されるものではなく、従来と同様とすればよい。
2.液晶レンズ20
図5に液晶レンズ20の層構成を概略的に示す。また、図6に液晶レンズ20に備えられる第2の透明電極層2と高抵抗層15とについて、それぞれの平面形状を概略的に示す。
図5、6に示すように、液晶レンズ20は、平面視において、高抵抗層15が、第1の抵抗層15aと、第1の抵抗層15aの周囲に第1の抵抗層15aとは離隔して設けられた輪帯状の第2の抵抗層15bとを備えている点に特徴がある。このように高抵抗層15を第1の抵抗層5aと第2の抵抗層5bとに分けることで、第1の抵抗層5aに対向する液晶分子3aの配向と、第2の抵抗層5bに対向する液晶分子3aの配向とを、個別に制御可能と考えられる。これにより、液晶分子3aの配向をより理想的な形態へと制御できる。
第2の抵抗層15bを備える場合は、平面視において、高抵抗層15の外縁(第2の抵抗層15bの外縁)が、複数の輪帯電極層2b、2b、…のうちの最外側輪帯電極層2bの外縁よりも内側に存在している。好ましくは、高抵抗層5の外縁が、複数の輪帯電極層2b、2b、…のうちの一つの輪帯電極層2bの帯幅内に存在している。特に、図6に示すように、平面視において、高抵抗層15の外縁が、複数の輪帯電極層2b、2b、…のうちの最外側輪帯電極層2bの内縁よりも外側(外縁と内縁との間)に存在していること(最外側輪帯電極層2bの帯幅内に存在していること)が好ましい。
また、第2の抵抗層15bの内縁については、最外側輪帯電極層2b5以外の輪帯電極層2bの帯幅内に存在していることが好ましい。
一方、平面視において、第1の抵抗層15aの外縁が、最外側輪帯電極層2b以外の一の輪帯電極層2bの帯幅内に存在していることが好ましい。
このような構成とした場合、平面視において、第1の抵抗層15aの外側、且つ、第2の抵抗層15bの内側において電界を遮断できる。すなわち、液晶層3の光学位相差分布の境界部を境にして内側と外側の光学位相差分布を制御することができ、液晶レンズの特性を良好な状態に保ち、実効的に液晶レンズの有効レンズ径を拡大することと、実効的なレンズパワーを増大することがより容易となるものと考えられる。
液晶レンズ20において、高抵抗層15以外の構成については、液晶レンズ10と同様であることから、ここでは説明を省略する。
3.液晶レンズ30
図7に液晶レンズ30の層構成を概略的に示す。また、図8に液晶レンズ20に備えられる第2の透明電極層22と高抵抗層25とについて、それぞれの平面形状を概略的に示す。
図7、8に示すように、液晶レンズ30は、平面視において、高抵抗層25が、第1の抵抗層25aと、第1の抵抗層25aの周囲に第1の抵抗層25aとは離隔して設けられた輪帯状の第2の抵抗層25bとを備えている。このように高抵抗層15を第1の抵抗層25aと第2の抵抗層25bに分けることで、第1の抵抗層25aに対向する液晶分子3aの配向と、第2の抵抗層25bに対向する液晶分子3aの配向とを、個別に制御可能と考えられる。これにより、液晶分子3aの配向をより理想的な形態へと個別制御できる。そのため、液晶レンズの特性を良好な状態に保ち、実効的に液晶レンズの有効レンズ径を拡大することと、実効的なレンズパワーを増大することがより容易となるものと考えられる。
図8に示すように、液晶レンズ30においても液晶レンズ10や20と同様に、平面視において、高抵抗層の外縁(第2の抵抗層25bの外縁)が、複数の輪帯電極層22b、22b、…のうちの最外側輪帯電極層22bの外縁よりも内側に存在していること等が好ましい。輪帯電極層22bに加える電圧Vをゼロ電位若しくは低電位とし、高電圧Vを加え、電圧Vで調整することにより、図9(A)に示すような光学位相差分布の境界部が緩やかな場合と比較して、図9(B)に示すように液晶層3の光学位相差分布の境界部を急峻とすることができ、フレネルレンズ構成とした場合の液晶レンズの特性を良好な状態に保ち、実効的に液晶レンズの有効レンズ径を拡大することと、実効的なレンズパワーを増大することがより容易となるものと考えられる。
液晶レンズ30において、第2の透明電極層22及び高抵抗層25以外の構成については、液晶レンズ10と同様であることから、ここでは説明を省略する。
4.液晶レンズ40
図10に液晶レンズ40の層構成を概略的に示す。液晶レンズ40は、第2の透明電極層2を構成する複数の輪帯電極層のうちの一部の輪帯電極層が、電気的に接続されずにオープンとされている。すなわち、複数の輪帯電極層のうちの一部を開回路としている。このような構成とした場合、リード線の数を少なくすることができ、液晶レンズの構成を簡易なものとすることができる。加えて、電気的に接続された第2の透明電極層2からの誘導電位によって、電気的に接続されていない第2の透明電極層2の直下にも緩やかな電界が生じ、第2の透明電極層2の直下にある液晶分子3aも、所定の方向に配向すると考えられる。すなわち、駆動電源の数を少なくしても光学特性が劣化することなく、所望の液晶レンズを得ることができる。
液晶レンズ40において、第2の透明電極層2の接続の仕方以外の構成については、液晶レンズ10と同様であることから、ここでは説明を省略する。
4.その他の形態
本開示の液晶レンズ10〜40において、複数の輪帯電極層は、それぞれ、インピーダンスが同程度であるように特徴付けられた帯幅を有するものであってもよい。このような場合、前記開回路となっている輪帯電極層の電位は実効的に隣接する輪帯電極層の電位の平均値に近い値となるため、液晶層において放物面状(断面が放物線状)の光学位相差分布をより容易に得ることが可能と考えられる。
尚、上記説明では、第2の透明電極層が、円形の中心電極層と同心円状の輪帯電極層とからなる形態について説明したが、第2の透明電極層の形態はこれに限定されるものではない。例えば、図11に示すように、第2の透明電極層102が、中心電極層102aと、複数の輪帯電極層102b、102b、…と、平面視において輪帯電極層102bの周囲に設けられた最外側透明電極層102cとを備えていてもよい。このような場合においても、本開示の液晶レンズによる効果が問題なく発揮されるものと考えられる。
また、上記説明では、液晶層3が所定の配向膜3bの間に液晶分子3aが充填されてなるものとして説明したが、液晶層3の構成はこれに限定されるものではない。液晶層は、図12に示す液晶層13のように、紙面上側の一の配向膜と紙面下側の他の配向膜との間に液晶分子13aが充填されてなり、且つ、一の配向膜及び他の配向膜がともに、配向膜13bと垂直配向膜13cとによって構成されていてもよい。言い換えれば、液晶層13中の一部の液晶分子13aが、垂直配向膜13cによって、他の液晶分子13aとは異なる方向に配向されていてもよい。尚、垂直配向膜13cは、平面視において高抵抗層の外縁付近に設けられることが好ましい。このような構成とした場合、液晶分子の配向が不連続となって液晶レンズの光学特性に悪影響を及ぼすディスクリネーションの発生を抑制し、且つ、上述の図9(B)に示すように、液晶層13の光学位相差分布の境界部を急峻とすることができ、光学位相差分布の境界部が緩やかな場合と比較して、液晶レンズの特性を良好な状態に保ち、実効的に液晶レンズの有効レンズ径を拡大することと、実効的なレンズパワーを増大することが可能と考えられる。尚、図12に示す配向膜は、配向膜23bと垂直配向膜23cとを重ね合わせたうえで、一方の膜の一部をエッチング等により除去することによって構成可能である。通常の配向膜23bは、上述の通り、公知のものを使用可能である。垂直配向膜23cは、液晶分子のプレティルト角が安定的に90°を示す状態のポリイミドをベースとした生成物による配向膜を用いればよい。
また、上記説明では、高抵抗層5、15、25が1つ又は2つの抵抗層を備えるものとして説明したが、高抵抗層の形態はこれに限定されるものではない。例えば、平面視において、高抵抗層が、円形状の第1の抵抗層と、第1の抵抗層の周囲に第1の抵抗層とは離隔して設けられた第2の抵抗層と、第2の抵抗層の周囲に第2の抵抗層とは離隔して設けられた第3の抵抗層とを備えていてもよい。第3の抵抗層は複数の抵抗層からなるものであってもよい。高抵抗層を第1の抵抗層と第2の抵抗層と第3の抵抗層とに分けることで、第1の抵抗層に対向する液晶分子の配向と、第2の抵抗層に対向する液晶分子の配向と、第3の抵抗層に対向する液晶分子の配向とを、個別に制御可能と考えられる。これにより、液晶分子の配向をより理想的な形態へと個別制御できる。そのため、液晶レンズの特性を良好な状態に保ち、実効的に液晶レンズの有効レンズ径を拡大することと、実効的なレンズパワーを増大することがより容易となるものと考えられる。
また、上記説明では、液晶層3が一層のみ設けられる形態について説明したが、液晶層3の構成はこれに限定されるものではない。例えば、レンズパワーを増大させるために、液晶層を複数設けてもよい。液晶層を多層化する方法は特に限定されず、公知の方法によればよい。
尚、上記説明では、液晶レンズ10〜40を個別に説明したが、本開示の液晶レンズは液晶レンズ10〜40の構成の一部同士が組み合わされて一つの液晶レンズが構成されていてもよい。
5.液晶レンズの駆動方法
本開示の液晶レンズは、例えば、以下のようにして駆動させることができる。すなわち、本開示の液晶レンズは、前記複数の輪帯電極層の一つ又は複数に印加する電圧の周波数を制御することを特徴とする、液晶レンズの駆動方法により駆動可能である。このように、高抵抗層の抵抗値を変える必要がなく、加える電圧と周波数とを制御することにより、電界分布を制御することができ、放物面状(断面が放物線状)の光学位相差分布となり、液晶レンズの特性を良好な状態に保ち、実効的に液晶レンズの有効レンズ径を拡大することと、実効的なレンズパワーを増大することが可能と考えられる。
或いは、本開示の液晶レンズは、前記複数の輪帯電極層の1つ又は複数に印加する交流電圧の位相を制御することを特徴とする、液晶レンズの駆動方法によって駆動させることもできる。たとえば印加する交流電圧の位相を180°変えることにより、実効的に負の電圧を印加することと同様の効果を得ることができる。したがって、このような形態であっても、電界分布を制御することができ、より理想的な放物面状(断面が放物線状)の光学位相差分布となり、液晶レンズの特性を良好な状態に保ち、実効的に液晶レンズの有効レンズ径を拡大することと、実効的なレンズパワーを増大することが可能と考えられる。
<比較例1>
図13に示すように、高抵抗層を備えない液晶レンズを作製し、光学位相差分布特性を評価した。まず、以下の手順で高抵抗層を備えない液晶レンズを作製した。
1mm厚の透明ガラス基板6上に、ITOからなる透明な透明電極層を形成し、これを第1の透明電極層1とした。一方で、1mm厚の別の透明ガラス基板7上に、ITOからなる円形状の中心電極層2aと、同心円状の5つの輪帯電極層2b、2b、…とを形成し、これを第2の透明電極層2とした。中心電極層2aの半径は1.6mmとし、当該中心電極層2aに対して0.2mm離隔させて1つ目の輪帯電極層2b(帯幅5.4mm)を形成し、当該1つ目の輪帯電極層2bに対して0.2mm離隔させて2つ目の輪帯電極層2b(帯幅3.0mm)を形成し、当該2つ目の輪帯電極層2bに対して0.2mm離隔させて3つ目の輪帯電極層2b(帯幅1.8mm)を形成し、当該3つ目の輪帯電極層2bに対して0.2mm離隔させて4つ目の輪帯電極層2b(帯幅1.0mm)を形成し、当該4つ目の輪帯電極層2bに対して0.2mm離隔させて5つ目の輪帯電極層2b(帯幅1.5mm)を形成した。
絶縁層4として5μm厚の有機ポリマー膜を使用した。ただし、本実施例にて用いた有機ポリマー膜以外に、1μm以下の厚みのアモルファス石英膜を使用しても同様の効果が奏される。尚、図13の構成では、動作上、特に絶縁層を設ける必要はないが、以下の高抵抗層を有する液晶レンズと比較するために、同様の絶縁層を使用した場合の特性について評価するものとした。
第1の透明電極層1と絶縁層4との双方の表面に、それぞれ、配向膜としてポリイミドを150nmの厚みに塗布し、熱処理を行って安定化させた後、一方向にラビング処理した。第1の透明電極層1の表面の配向膜3bと絶縁層4の表面の配向膜3bとの間に液晶材料としてRDP85475(DIC製)を充填し、第1の透明電極層1と絶縁層4との間に液晶層3(厚み60μm)を設けた。尚、液晶層3中には、厚みを保持するためにスペーサを配置した。
ガラス基板/第1の透明電極層/液晶層/絶縁層/第2の透明電極層/ガラス基板の層構成となるようにそれぞれを積層し、比較例1に係る液晶レンズを得た。
得られた液晶レンズに対して、以下の条件で電極に電圧を印加・保持し、光学位相差分布を評価した。結果を図14に示す。
(条件)
f=1kHz
=3.0V
=3.2V
=3.6V
=4.0V
=4.8V
=6.3V
図14に示すように、比較例1に係る液晶レンズは、複数の輪帯電極を備えることで、レンズとしての特性を示した。ただし、光学位相差特性が滑らかではなく、不連続であり、レンズとして適用するには性能が不十分であった。
<比較例2>
図15に示すように、絶縁層と高抵抗層との二重層を備える液晶レンズを作製した。すなわち、比較例1に係る液晶レンズにおいて、絶縁層に替えて、絶縁層と高抵抗層との二重層を設けたこと以外は、比較例1と同様にして第1の透明電極層1、第2の透明電極層2、液晶層3を作製し、比較例2に係る液晶レンズを得た。得られた液晶レンズについて光学位相差分布特性を評価した。
尚、二重層は以下のようにして作製した。すなわち、絶縁層4の表面に、高周波スパッタリング法によって、高抵抗層5として酸化亜鉛薄膜(厚み25nm)を形成し、二重層を得た。当該二重層の高抵抗層5側の表面に比較例1と同様の条件で配向膜3bを設け、比較例1と同様の条件で液晶層3を挟みこんだ。
得られた液晶レンズに対して、以下の条件で電極に電圧を印加・保持し、光学位相差分布を評価した。結果を図16に示す。
(条件)
f=1kHz
=0.21V
=1.7V
=2.6V
=2.8V
=4.0V
=5.3V
図16に示すように、比較例2に係る液晶レンズは、光学位相差特性が滑らかで連続的であった。しかしながら、平面視で第2の透明電極層2の外縁近傍において、液晶分子を意図した方向に配向させることができず、結果として液晶レンズの有効レンズ径が小さくなってしまった。これは以下のことが原因と考えられる。すなわち、比較例2に係る液晶レンズにおいては、絶縁層4及び高抵抗層5の二重層が液晶層3の表面全体を覆うように構成されており、平面視において高抵抗層5の面積が第2の透明電極層2の面積よりも過大とされている。このような面積の大きな高抵抗層を設けた場合、第1及び第2の透明電極間に電圧を印加すると、平面視において第2の透明電極層2よりも外側においても、高抵抗層5に誘導されて電界が生じ、結果として液晶層3中の液晶分子3aの傾きが変化してしまう。このような場合、第2の透明電極層2よりも外側における液晶分子3aの配向が、第2の透明電極層2の内側の液晶分子3aの配向に悪影響を及ぼし、第2の透明電極層2の外縁近傍において、液晶分子を意図した方向に配向させることができなかったものと考えられる。
<実施例1>
図1、2に示すように、絶縁層4と高抵抗層5との二重層を備える液晶レンズにおいて、高抵抗層5の形状を円形状に加工した。また、第2の電極層2’のうち、最外側電極層2bを輪帯状(帯幅0.8mm)とし、第2の電極層2とした。このように、第2の電極層や高抵抗層の形状を変更したこと以外は、比較例2と同様にして第1の透明電極層1、第2の透明電極層2、液晶層3、二重層を作製し、実施例1に係る液晶レンズを得た。得られた液晶レンズについて光学位相差分布特性を評価した。
尚、平面視において、高抵抗層5の外縁が、最外側輪帯電極層2bの外縁よりも内側となるようにした。より具体的には、高抵抗層5の外縁が、最外側輪帯電極層2b5の外縁よりも内側で、且つ、内縁よりも外側に存在するようにした。
得られた液晶レンズに対して、以下の条件で電極に電圧を印加・保持し、光学位相差分布を評価した。結果を図17に示す。
(条件)
f=3kHz
=0.25V
=1.4V
=1.8V
=1.9V
=1.8V
=5.4V
図17に示すように、実施例1に係る液晶レンズにあっては、比較例2に係る液晶レンズにおいてより良好なレンズ特性を示す液晶分子配向に近づくことが示された。平面視において輪帯電極層2bの外側に電界が生じることを抑制でき、液晶層3中の液晶分子3aの配向の変化を抑制できたものと考えられる。すなわち、輪帯電極層2bの外側における液晶分子3aの配向変化が、輪帯電極層2bの内側における液晶分子3aの配向に悪影響を及ぼすことがなく、結果として、輪帯電極層2bの内側全域において、液晶層3中の液晶分子3aを意図した方向に配向させることができ、放物面状(断面が放物線状)の光学位相差分布となり、液晶レンズの特性を良好な状態に保ち、実効的に液晶レンズの有効レンズ径を拡大することができた。
本開示の液晶レンズは、小型レンズから中型・大型レンズまで、あらゆるレンズに利用可能である。特に、遠近両用の眼鏡用のレンズとして好適に利用可能と考えられる。
1 第1の透明電極層
2、22 第2の透明電極層
3 液晶層
4 絶縁層
5、15、25 高抵抗層
6 基板
7 基板
10、20、30、40 液晶レンズ

Claims (10)

  1. 第1の透明電極層と、第2の透明電極層と、前記第1の透明電極層及び前記第2の透明電極層の間に設けられた液晶層と、前記第2の透明電極層及び前記液晶層の間に設けられた絶縁層と、前記絶縁層及び前記液晶層の間に設けられた高抵抗層とを有し、
    平面視において、前記第2の透明電極層が、円形状の中心電極層と、前記中心電極層の周囲に前記中心電極層とは離隔して設けられた複数の輪帯電極層とを備えており、
    平面視において、前記高抵抗層が、円形状の第1の抵抗層を備えており、
    平面視において、前記高抵抗層の外縁が、前記複数の輪帯電極層のうちの最外側輪帯電極層の外縁よりも内側に存在している、
    液晶レンズ。
  2. 前記平面視において、前記第1の抵抗層の外縁が、前記複数の輪帯電極層のうちのいずれか一つの帯幅内に存在する、
    請求項1に記載の液晶レンズ。
  3. 前記平面視において、前記高抵抗層が、前記第1の抵抗層と、前記第1の抵抗層の周囲に前記第1の抵抗層とは離隔して設けられた輪帯状の第2の抵抗層とを備え、前記平面視において、前記第2の抵抗層の外縁が、前記複数の輪帯電極層のうちの最外側輪帯電極層の外縁よりも内側に存在している、
    請求項1又は2に記載の液晶レンズ。
  4. 前記平面視において、前記第2の抵抗層の外縁が、前記複数の輪帯電極層のうちのいずれか一つの帯幅内に存在する、
    請求項3に記載の液晶レンズ。
  5. 平面視において、前記高抵抗層が、前記第2の抵抗層の周囲に前記第2の抵抗層とは離隔して設けられた第3の抵抗層を備える、
    請求項3又は4に記載の液晶レンズ。
  6. 前記複数の輪帯電極層のうちの一部を開回路とする、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶レンズ。
  7. 前記複数の輪帯電極層は、それぞれ、インピーダンスが同程度であるように特徴付けられた帯幅を有する、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶レンズ。
  8. 前記第2の透明電極層が、前記中心電極層と、前記複数の輪帯電極層と、前記平面視において前記輪帯電極層の周囲に設けられた最外側透明電極層とを備える、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶レンズ。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の液晶レンズを駆動する方法であって、
    前記複数の輪帯電極層の一つ又は複数に印加する電圧の周波数を制御することを特徴とする、
    液晶レンズの駆動方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の液晶レンズを駆動する方法であって、
    前記複数の輪帯電極層の一つ又は複数に印加する交流電圧の位相を制御することを特徴とする、
    液晶レンズの駆動方法。
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