JP2018035984A - 空気清浄システム - Google Patents

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Abstract

【課題】エアフィルタの性能の維持と、省エネルギーとを両立できる空気清浄システムを提供する。【解決手段】空気清浄システムは、エアフィルタ5を再生する再生装置と、排気流と給気流との間で熱を交換する熱交換装置14と、気流の経路として、第1の経路、第2の経路、第3の経路、及び第4の経路を形成可能な経路形成装置18と、を備える。第1の経路は、室内から吸い込まれてエアフィルタ5を通過して室内へ戻る空気が通る経路である。第2の経路は、再生装置の作動時に空気がエアフィルタ5を通過する経路である。第3の経路は、排気流が熱交換装置14を通過する経路である。第4の経路は、給気流が熱交換装置14を通過する経路である。再生装置の作動時に第2の経路から第3の経路へ空気を流れさせることが可能である。【選択図】図5

Description

本発明は、空気清浄システムに関する。
室内で発生したり、外部から侵入した汚染のうち、空気の流れに乗って拡散しやすい、臭気成分、ガス、浮遊する微生物及びウイルスなどを除去するために、室内空気を吸引してこれらの空気中の汚染をエアフィルタに捕集する手段が用いられる。長期間にわたってエアフィルタの性能を維持するために、捕集した汚染物を分解したり、加熱などの手段で汚染物を脱着して、屋外に排気する再生手段を用いることができる。
下記特許文献1には、換気装置において、活性種あるいはヒータ加熱により脱臭フィルタを再生する技術が開示されている。下記特許文献2には、揮発性有機化合物を除去する清浄フィルタと、全熱交換器とを備える換気装置が開示されている。下記特許文献3には、熱交換器を有する換気装置にて、脱臭/殺菌フィルタが備えられ、換気モードでは熱交換器を通しての吸排気、空気清浄モードでは脱臭/殺菌フィルタを介した室内空気の循環を行う構成が考案されている。
特開2011−2148号公報 特開2013−92271号公報 特開2005−43035号公報
しかしながら、上述した従来の技術では、エアフィルタの再生にエネルギーを用いた場合に、エネルギーの消費が増加するという問題を解決できない。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、エアフィルタの性能の維持と、省エネルギーとを両立できる空気清浄システムを提供することを目的とする。
本発明に係る空気清浄システムは、空気中の物質を捕集するエアフィルタと、エアフィルタを再生する再生装置と、室内から室外への排気流と、室外から室内への給気流との間で熱を交換する熱交換装置と、気流の経路として、第1の経路、第2の経路、第3の経路、及び第4の経路を形成可能な経路形成装置と、を備え、第1の経路は、室内から吸い込まれてエアフィルタを通過して室内へ戻る空気が通る経路であり、第2の経路は、再生装置の作動時に空気がエアフィルタを通過する経路であり、第3の経路は、排気流が熱交換装置を通過する経路であり、第4の経路は、給気流が熱交換装置を通過する経路であり、再生装置の作動時に第2の経路から第3の経路へ空気を流れさせることが可能であるものである。
本発明の空気清浄システムによれば、エアフィルタを再生する再生装置の作動時に空気がエアフィルタを通過した排気流と、室外から室内への給気流との間で熱を交換としたことで、エアフィルタの性能の維持と、省エネルギーとを両立することが可能となる。
実施の形態1による空気清浄システムが備える第1ユニットを示す模式的な断面図である。 実施の形態1による空気清浄システムが備える第1ユニットを示す模式的な断面図である。 実施の形態1による空気清浄システムが備える第2ユニット及び第3ユニットを示す模式的な断面図である。 実施の形態1による空気清浄システムの機能ブロック図である。 実施の形態2による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態2による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態2による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態2による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態2による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態2による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態3による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態3による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態3による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態3による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態3による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態3による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態4による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態4による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態4による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態4による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態4による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態4による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態5による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態6による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態6による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態6による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態6による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態6による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。 実施の形態6による空気清浄システムを示す模式的な断面図である。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通または対応する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。本開示は、以下の各実施の形態で説明する構成のうち、組合わせ可能な構成のあらゆる組合わせを含み得る。
実施の形態1.
図1及び図2は、実施の形態1による空気清浄システムが備える第1ユニットを示す模式的な断面図である。図3は、実施の形態1による空気清浄システムが備える第2ユニット及び第3ユニットを示す模式的な断面図である。図4は、実施の形態1による空気清浄システムの機能ブロック図である。
本実施の形態1の空気清浄システムは、気流の経路として、第1の経路、第2の経路、第3の経路、及び第4の経路を形成可能な経路形成装置を備える。本実施の形態における経路形成装置は、図1及び図2に示す第1ユニット1、図3に示す第2ユニット2及び第3ユニット3により構成される。
図1に示すように、第1ユニット1は、本体4を備える。本体4は、本体4の内部と外部とを連通させる開口4a,4b,4cを有する。開口4aには、室内に連通するダクト(図示せず)が接続される。開口4bには、室内に連通する別のダクト(図示せず)が接続される。本体4の内部には、エアフィルタ5、ファン6、及びダンパ7が備えられている。エアフィルタ5は、除去対象物となる空気中の物質を捕集する機能を有する。
図3に示すように、第2ユニット2は、本体8を備える。本体8は、本体8の内部と外部とを連通させる開口8a,8b,8cを有する。開口8aは、ダクト(図示せず)を介して、第1ユニット1の本体4の開口4cと接続される。本体8の内部には、ダンパ9が備えられている。ダンパ9は、開口8aと開口8bとの間を連通させる風路形態と、開口8aと開口8cとの間を連通させる風路形態とを切り替えるものである。図3は、開口8aと開口8bとの間を連通させる風路形態がダンパ9により形成された状態を示す。ダンパ7,9は、風路を切り替える風路切替手段の例である。
第3ユニット3は、本体10及びバイパス風路11を備える。本体10は、本体10の内部と外部とを連通させる開口10a,10b,10c,10dを有する。バイパス風路11の一端は、本体10に接続されている。バイパス風路11の他端は、開口11aを有する。開口10aには、室内に連通するダクト(図示せず)が接続される。開口10bは、ダクト(図示せず)を介して、第2ユニット2の本体8の開口8bと接続される。開口10cには、室外に連通するダクト(図示せず)が接続される。開口10dには、室外に連通する別のダクト(図示せず)が接続される。バイパス風路11の開口11aは、ダクト(図示せず)を介して、第2ユニット2の本体8の開口8cと接続される。
本体10の内部には、ファン12,13、及び熱交換装置14が備えられている。熱交換装置14は、排気流と給気流との間で熱を交換する。排気流は、室内から室外への空気の流れである。給気流は、室外から室内への空気の流れである。
熱交換装置14は、熱交換素子により、排気流と給気流との間で熱を交換する。第3ユニット3は、排気流と給気流との間で熱を交換することで、室内の空気を空調したエネルギーのロスを抑制することができる熱交換換気扇に相当する。
図4に示すように、本実施の形態1の空気清浄システムは、再生装置15、情報取得部16、及び制御装置50を備える。再生装置15は、エアフィルタ5の性能を維持または回復させる再生処理を実行可能である。情報取得部16は、室内及び室外の少なくとも一方に関する情報を取得する。情報取得部16は、室内温度、室内湿度、室内汚染濃度、室外温度、室外湿度、及び室外汚染濃度、のうちの少なくとも一つの情報を取得してもよい。情報取得部16は、室内温度、室内湿度、室内汚染濃度、室外温度、室外湿度、及び室外汚染濃度、のうちの少なくとも一つを検出する、少なくとも一つのセンサを備えてもよい。情報取得部16は、図示しない外部機器とデータ通信を行うことで、上記の情報を取得してもよい。制御装置50は、ファン6,12,13、ダンパ7,9、及び再生装置15の各々の動作を制御する。制御装置50は、情報取得部16により取得した情報に基づいて、それらの動作を制御してもよい。
図1は、第1ユニット1により第1の経路が形成された状態を示す。第1の経路は、室内から吸い込まれてエアフィルタ5を通過して室内へ還流する空気が通る経路である。図1の状態では、以下のようになる。ファン6が運転される。室内から吸い込まれた空気が、開口4aから本体4内に流入する。その空気は、エアフィルタ5及びファン6をこの順に通過した後、開口4bから本体4外へ出て、室内へ戻る。第1の経路を形成した場合には、室内の空気を繰り返し循環吸引し、汚染物などの除去対象物をエアフィルタ5に吸着させることで、室内の空気を浄化できる。
なお、理解を容易にするための便宜上、図1及びその他の図において、運転中のファンにはハッチングを付し、停止中のファンにはハッチングを付さないようにする。
図2は、第1ユニット1により第2の経路が形成された状態を示す。第2の経路は、再生装置15の作動時に空気がエアフィルタ5を通過する経路である。再生装置15の作動時には、以下のようになる。室内から吸い込まれた空気が、開口4bから本体4内に流入する。その空気は、停止中のファン6と、エアフィルタ5とをこの順に通過した後、開口4cから本体4外へ出て、上記ダクトを通過し、開口8aから第2ユニット2の本体8内に流入する。ダンパ7により、図1の第1の経路と、図2の第2の経路とを切り替えることができる。
なお、理解を容易にするための便宜上、図2及びその他の図において、再生中のエアフィルタ5は、非再生中のエアフィルタ5に比べて、濃いハッチングを付して表す。
図3は、第3の経路及び第4の経路が形成された状態を示す。第3の経路では、排気流が、開口10b、熱交換装置14、ファン12、開口10dの順に通過する。ファン12を運転することで第3の経路の排気流が発生する。第4の経路は、給気流が、開口10c、熱交換装置14、ファン13、開口10aの順に通過する。ファン13を運転することで第4の経路の給気流が発生する。
図2及び図3に示すように、再生装置15の作動時にエアフィルタ5を通過した空気は、開口4c、開口8a、開口8b、開口10b、熱交換装置14、ファン12、及び開口10dをこの順に通過するように流れる。このように、本実施の形態の空気清浄システムでは、再生装置15の作動時に、第2の経路から第3の経路へ空気を流れさせることが可能である。
エアフィルタ5は、例えば、臭気成分、有害ガス、二酸化炭素、浮遊する微生物あるいはウイルス、水分、のうちの少なくとも一つを捕集及び除去する材料を含んで構成されたものでもよい。エアフィルタ5は、ガスを捕集する材料として、例えば、活性炭、MOF(Metal Organic Framework)、PCP(Porous Coordination Polymer)などの、微細孔を有する吸着材、酸化マンガン、酸化チタンなどからなる触媒、二酸化炭素を吸脱着できるアルカリ金属含有ゼオライト、MOF/PCP、のうちの少なくとも一つを含んでもよい。エアフィルタ5は、微細化した粒子をハニカム状または短冊状の担体に担持した形態を有することが望ましい。そのような形態によれば、圧力損失を軽減でき、かつ、吸着及び再生がしやすくなる。
再生装置15は、エアフィルタ5に捕集された物質を物理的に脱着させるように作動するものでもよい。再生装置15は、エアフィルタ5に捕集された物質を化学的に分解して脱着させるように作動するものでもよい。活性炭などの吸着材、または熱触媒を用いたエアフィルタ5の場合には、再生装置15は、ヒータのような加熱装置を備えてもよい。酸化チタンなどの光触媒を用いたエアフィルタ5の場合には、再生装置15は、紫外線などの光をエアフィルタ5に照射する手段を備えてもよい。再生装置15は、例えばオゾンなどの活性酸素を用いてエアフィルタ5を再生してもよい。
エアフィルタ5は、例えば、微生物あるいはウイルスを捕集する材料として、例えば、生体親和性が高いシリカ、アクリル繊維などの素材を用いたものでもよい。再生装置15が、エアフィルタ5に捕集された微生物あるいはウイルスに対して、加熱、光照射、オゾン曝露のうちの少なくとも一つを行うことで、微生物あるいはウイルスの増殖能を消失または低減させることができるので、エアフィルタ5において汚染が増加することを防ぐことができる。
エアフィルタ5は、複合化、積層化、または多段化された複数種類のフィルタを備えるものでもよい。エアフィルタ5が複数種類のフィルタを備える場合には、エアフィルタ5を多機能化できる。
再生装置15が加熱装置を備え、エアフィルタ5の吸着材として多孔質材料を用いる場合には、以下のようにすることが望ましい。風上側に設けた加熱装置によって空気及び吸着材の少なくとも一方を加熱し、エアフィルタ5からの脱着物が風下に流出するように構成することが望ましい。吸着材を均一に十分に加熱できるよう構成することが望ましい。吸着材は難燃性であることが望ましい。
エアフィルタ5に捕集できる物質の量には限界がある。エアフィルタ5に溜まった物質の量が多くなることで、エアフィルタ5の捕集性能が低下する場合がある。制御装置50は、エアフィルタ5の捕集性能に関する情報に応じて、ダンパ7及び再生装置15の動作を制御することで、自動的にエアフィルタ5を再生してもよい。エアフィルタ5の捕集性能に関する情報は、例えば、エアフィルタ5に通風した時間を積算した積算通風時間、エアフィルタ5を通過した風量を積算した積算通風量、通過させた室内空気の汚染濃度、エアフィルタ5の下流側に漏出する汚染濃度、のうちの少なくとも一つでもよい。制御装置50は、エアフィルタ5の捕集性能に関する情報に基づき、エアフィルタ5を再生すべきタイミングになった場合に、ダンパ7によって第1の経路から第2の経路に切り替えるとともに再生装置15を作動してもよい。
本実施の形態であれば、再生装置15の作動時に、第2の経路から第3の経路へ空気を流れさせることが可能である。これにより、以下の効果が得られる。再生装置15の作動時にエアフィルタ5を通過した空気は、排気流となり、室外へ排出される。エアフィルタ5から脱着した成分が室内に流入することを防止できる。オゾンなどの物質を再生時に用いる場合でも、その物質が室内に流入することを防止できる。再生装置15の作動時にエアフィルタ5を通過した空気は、再生装置15から受けたエネルギーにより、温度が上昇している。再生装置15の作動時にエアフィルタ5を通過した空気が有する熱エネルギーを、熱交換装置14によって、第4の経路の給気流へ与えることができる。このため、再生装置15から発生したエネルギーのうちの少なくとも一部を、室内へ回収できるので、エアフィルタ5の再生に伴うエネルギーロスを抑制できる。
例えば、冬季に、室内を暖房によって加熱し、室外が冷たい空気である状況を想定する。この時、エアフィルタ5を再生するために室内空気はエアフィルタ5から脱着した物質とともに第2の経路を通じてダンパ9へと導かれ、第3の経路と連通することによって、熱交換装置14を通過し、ファン12によって排気される。また、ファン13によって室外空気は熱交換装置14を通過して、室内へと導かれる。熱交換装置14において、室外空気すなわち給気流は、室内空気すなわち排気流によって加熱されて、室内へと導かれる。このため、エアフィルタ5の再生の排気に伴うエネルギーロスが抑制される。
熱交換装置14において熱交換を行う界面を形成する素材は、熱は移動するが、汚染が移動しないような素材、すなわち、一般に顕熱交換に用いる素材とすることが望ましい。そのような素材としては、例えば、ガス透過性が乏しく、空気通過抵抗が大きい、密なポリプロピレンなどの繊維からなる不織布薄膜、無孔性のポリテトラフルオロエチレン製シート、金属膜、などが挙げられる。
本実施の形態の空気清浄システムは、第5の経路をさらに形成可能である。第5の経路は、図3中、破線で示される。第5の経路は、排気流が熱交換装置14を通過しないようにする経路である。ダンパ9により、第3の経路と、第5の経路とを切り替えることができる。開口8aと開口8cとの間を連通させる風路形態をダンパ9が形成することで、第5の経路が形成される。第5の経路が形成された場合には、第1ユニット1からの排気流が、開口8a、開口8c、開口11a、バイパス風路11、ファン12、及び開口10dをこの順に通過するように流れて、室外へ排出される。
本実施の形態であれば、再生装置15の作動時に、第2の経路から第5の経路へ空気を流れさせることが可能である。そのようにすることで、エアフィルタ5の再生時に排気流と給気流が熱交換装置14で熱交換しないようにすることが可能である。
空調を動作させない中間期あるいは夏季などで、給気流と排気流の温度差が小さい状況を想定する。そのような状況において、エアフィルタ5の再生時に排気流と給気流が熱交換装置14で熱交換すると、室外から室内へ導入される空気の温度が、不必要に上昇するケースが考えられる。本実施の形態であれば、そのような状況において、エアフィルタ5の再生時に排気流と給気流が熱交換装置14で熱交換しないようにすることで、室外から室内へ導入される空気の温度の不必要な上昇を回避できる。
室内及び室外の温度及び湿度、あるいは天候によっては、熱交換装置14で熱交換すると、熱交換装置14内に結露が生ずる場合がある。熱交換装置14内に結露が生ずることは、凍結などによる弊害が起こる可能性があるため、好ましくない。本実施の形態であれば、そのような場合に、エアフィルタ5の再生時に排気流と給気流が熱交換装置14で熱交換しないようにすることで、熱交換装置14内に結露が生ずることを回避できる。
制御装置50は、再生装置15の作動時に、情報取得部16により取得した情報、例えば室内温度情報及び室外温度情報に応じて、ダンパ9により、第3の経路か第5の経路かを選択してもよい。その際、制御装置50は、室内の快適感を維持するための空調負荷の増加が抑制されるように、第3の経路か第5の経路かを選択してもよい。
本実施の形態であれば、室内の空気清浄を行うためのエアフィルタ5の性能を長期間にわたって維持することが可能となる。また、エアフィルタ5の性能を維持するための再生動作時の排熱ロスを抑制でき、省エネルギーな空気清浄と換気とを両立することができる。
制御装置50は、ファン6,12,13、ダンパ7,9のうちの少なくとも一つの動作を制御することで、第1の経路、第2の経路、第3の経路、及び第4の経路のうちの少なくとも一つの風量を制御できる。制御装置50は、室内温度、室内湿度、室内汚染濃度、室外温度、室外湿度、及び室外汚染濃度、のうちの少なくとも一つの情報に応じて、第1の経路、第2の経路、第3の経路、及び第4の経路のうちの少なくとも一つの風量を、連続的または段階的に変更してもよい。風量を可変にすることで、きめ細かい制御が可能となる。第1の経路の風量は、第3の経路の風量より大きく、かつ、第4の経路の風量より大きいことが望ましい。第3の経路及び第4の経路は、室内と室外との間の長いダクトに気流を発生させるため、通風抵抗が大きい。第3の経路及び第4の経路の風量を比較的低くすることで、ファンの消費電力及び騒音を低減できる。第1の経路は、第3の経路及び第4の経路に比べて、通風抵抗が小さいので、風量を高くしても、ファンの消費電力及び騒音は大きくなりにくい。第1の経路の風量を比較的高くすることで、室内空気をより迅速に浄化できる。制御装置50は、室内汚染濃度が基準に比べて低い場合には、第1の経路に通風せず、第3の経路及び第4の経路に通風する制御してもよい。室内汚染濃度が低く、空気清浄の必要性が低い場合に、ファン6を停止することで、省エネルギーが図れる。
制御装置50は、以下のように構成されてもよい。制御装置50の各機能は、処理回路により実現されてもよい。制御装置50の処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ51と少なくとも1つのメモリ52とを備えてもよい。処理回路が少なくとも1つのプロセッサ51と少なくとも1つのメモリ52とを備える場合、制御装置50の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。ソフトウェア及びファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述されてもよい。ソフトウェア及びファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ52に格納されてもよい。少なくとも1つのプロセッサ51は、少なくとも1つのメモリ52に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置50の各機能を実現してもよい。少なくとも1つのメモリ52は、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク等を含んでもよい。
制御装置50の処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェアを備えてもよい。処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェアを備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ51、並列プログラム化したプロセッサ51、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものでもよい。制御装置50の各部の機能がそれぞれ処理回路で実現されてもよい。また、制御装置50の各部の機能がまとめて処理回路で実現されてもよい。制御装置50の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、他の一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、制御装置50の各機能を実現してもよい。単一の制御装置により動作が制御される構成に限定されるものではなく、複数の制御装置が連携することで動作を制御する構成にしてもよい。
実施の形態2.
次に、図5から図10を参照して、実施の形態2について説明するが、前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、前述した要素と共通または対応する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。図5から図10は、実施の形態2による空気清浄システム17を示す模式的な断面図である。
本実施の形態2の空気清浄システム17は、実施の形態1の空気清浄システムと比べて、空気清浄を行うユニットと熱交換換気を行うユニットとを一体化することで装置全体を小型化できるとともに、搭載するファンの数を減らすことが可能となる。
図5に示すように、本実施の形態2の空気清浄システム17は、気流の経路として、第1の経路、第2の経路、第3の経路、及び第4の経路を形成可能な経路形成装置18を備える。経路形成装置18は、経路形成装置18の内部と外部とを連通させる開口18a,18b,18c,18dを有する。経路形成装置18は、その内部に、ファン19,20及びダンパ21,22を備える。
経路形成装置18の開口18aには、室内に連通するダクト(図示せず)が接続される。開口18bには、室内に連通する別のダクト(図示せず)が接続される。開口18cには、室外に連通するダクト(図示せず)が接続される。開口18dには、室外に連通する別のダクト(図示せず)が接続される。
空気清浄システム17は、経路形成装置18の内部に配置されたエアフィルタ5、熱交換装置14、及び再生装置15を備える。本実施の形態では、再生装置15については図示を省略する。空気清浄システム17は、実施の形態1と同様の制御装置50及び情報取得部16を備えてもよい。空気清浄システム17の機能ブロック図は、実施の形態1と類似であるので、図示を省略する。
ここで、換気の形式について説明する。換気には、第1種換気、第2種換気、第3種換気がある。それぞれの換気形式には、以下のようなメリットがあり、室内の快適性をより向上するために、換気形式を選択できることが望ましい。換気形式の選択は、ユーザーあるいは設置業者が行ってもよい。また、制御装置50が、情報取得部16により取得した情報、例えば室内及び室外の清浄度または汚染濃度に関する情報、温度及び湿度の情報などに応じて、最適な換気形式と熱交換装置14による熱交換の有無とを選定してもよい。
第1種換気は、以下のようなものである。給気と排気の双方にファンを用いる。給気経路及び排気経路がそれぞれ確保され、ファンの制御により、給気風量と排気風量とが実質的に等しくなるようにでき、室内の陽圧化及び陰圧化を防止できる。給気経路にフィルタを設けると外気の汚染が侵入しないことから室内の清浄を保てる。室内の汚染を確実に排気できる。ドアの開閉がしにくくならない。隙間風によるドラフト感及び音の発生を防止できる。これらのことから、快適性を維持しやすい。
第2種換気は、以下のようなものである。給気にファンを用い、排気にはファンを用いない。室内が陽圧化しやすい。排気は、部屋構造体の隙間などから行われる。給気経路にフィルタを設けると外気の汚染が侵入しないことから室内の清浄を保てる。ドア開閉力への影響が生ずる。室内気圧が上昇することにより内壁に結露しやすくなる。
第3種換気は、以下のようなものである。排気にファンを用い、給気にはファンを用いない。室内が陰圧化しやすい。給気は、部屋構造体の隙間などから行われる。室内の汚染を確実に排出できる。外気汚染の侵入を防止できない。ドア開閉力への影響がある。
図5は、空気清浄システム17において第1の経路が形成された状態を示す。第1の経路は、室内から吸い込まれてエアフィルタ5を通過して室内へ戻る空気が通る経路である。図5に示す状態では、以下のようになる。ダンパ21は、給気経路を閉鎖する。ダンパ22は、排気経路を閉鎖する。これにより、経路形成装置18では室内に通じる風路と室外に通じる風路とが連通しない状態になる。ファン19が運転される。室内から吸い込まれた空気が、開口18aから経路形成装置18内に流入する。その空気は、エアフィルタ5及びファン19をこの順に通過した後、開口18bから経路形成装置18外へ出て、室内へ戻る。第1の経路を形成した場合には、室内の空気を繰り返し循環吸引し、汚染物などの除去対象物をエアフィルタ5に吸着させることで、室内の空気を浄化できる。
上述した図5の状態は、換気を必要とせず、室内空気を清浄化したい場合に適する。例えば、室内に人がいない状態のとき、あるいは、熱交換換気を行うと熱交換装置14内に結露するような室内及び室外の空気条件のときには、図5の状態を選択するとよい。
図6は、空気清浄システム17において第4の経路が形成された状態を示す。第4の経路は、給気流の風路となる。図6の状態では、以下のようになる。ダンパ21が開くことで給気経路が開通する。ファン19が運転される。室外から吸い込まれた空気は、開口18dから経路形成装置18内に流入し、エアフィルタ5、ファン19、開口18bを通過し、室内へ導入される。このように、本実施の形態であれば、エアフィルタ5を通過する第4の経路を形成可能であるので、エアフィルタ5を通過した清浄給気を伴う換気を行うことができる。排気用のファン20は停止しているため、室内は加圧されている状態となり、部屋構造体の隙間などから室外への排気が行われる。
上述した図6の状態は、熱交換装置14による熱交換をしない第2種換気の状況といえる。例えば、室内に高濃度な汚染はないが、換気を必要とし、かつ、熱交換換気を行うと熱交換装置14内に結露するような室内及び室外の空気条件のときには、図6の状態を選択するとよい。
図7は、空気清浄システム17において第1の経路及び第4の経路が共に形成された状態を示す。図7の状態では、以下のようになる。ダンパ21の開度は、給気経路を開通し、かつ第1の経路が形成されるように操作される。ダンパ22は、排気経路を閉鎖する。ファン19が運転される。図5で説明した室内循環空気清浄の気流と、図6で説明した清浄給気の気流とが共に発生する。ファン19の動作速度と、ダンパ21の開度とを制御することにより、第1の経路による室内循環空気清浄の風量と、第4の経路による換気風量とを制御することができる。
例えば、エアフィルタ5では除去できない種類の汚染が室内に存在する場合に、図7の状態を選択することで、ファン19による給気によって部屋構造体の隙間からの排気を促し、室内を清浄化することができる。
図8は、空気清浄システム17において第3の経路及び第4の経路が共に形成された状態を示す。図8の状態では、以下のようになる。ダンパ21が開くことで給気経路が開通する。ダンパ22が開くことで排気経路が開通する。ファン19,20が運転される。第3の経路の排気流は、開口18a、熱交換装置14、ファン20、開口18cの順に通過する。第4の経路の給気流は、開口18d、熱交換装置14、エアフィルタ5、ファン19、開口18bの順に通過する。排気流の風量と、給気流の風量とが実質的に等しくなるように、ファン19,20が運転されることが望ましい。本実施の形態であれば、排気流がエアフィルタ5を通過しない第3の経路を形成可能であるので、排気流に含まれる物質がエアフィルタ5に蓄積することがなく、エアフィルタ5のメンテナンス間隔を長くできる。
上述した図8の状態は、熱交換装置14による熱交換を伴う第1種換気に相当する。図8の状態であれば、以下の効果が得られる。排気流と給気流が熱交換することで、換気を省エネルギーに実現できる。エアフィルタ5を用いた清浄給気を実現できる。
図9は、空気清浄システム17において第2の経路及び第3の経路が共に形成された状態を示す。図9は、再生装置15を作動してエアフィルタ5を再生するときの状態を示す。図9の状態では、以下のようになる。ダンパ21が給気経路を閉鎖する。ダンパ22は、開口18aに通じる風路を閉鎖する。ファン20が運転される。室内から吸い込まれた空気は、開口18bから流入し、停止中のファン19と、エアフィルタ5とをこの順に通過する。この経路が第2の経路に相当する。第2の経路から第3の経路へ空気が流れることができる。すなわち、エアフィルタ5を通過してエアフィルタ5からの脱着成分を含む空気は、熱交換装置14、ファン20、開口18cの順に通過し、室外へ排出される。
図9に示す状態では、給気経路がダンパ21により閉鎖されているため、室内は減圧されている状態となり、部屋構造体の隙間から室内へと給気が行われる。図9に示す状態は、熱交換装置14による熱交換をしない第3種換気に相当する。例えば、エアフィルタ5の再生時に熱交換して給気すると室内の快適性が損なわれる場合には、図9に示す状態を選択するとよい。また、熱交換装置14の熱交換素子の材料として、全熱交換しやすいが、熱交換とともに汚染が熱交換隔膜を通過して室内に流入する可能性がある材料が選定されている場合には、エアフィルタ5の再生時に図9に示す状態を選択するとよい。
図10は、空気清浄システム17において第2の経路、第3の経路及び第4の経路が共に形成された状態を示す。図10は、再生装置15を作動してエアフィルタ5を再生するときの状態を示す。経路形成装置18は、エアフィルタ5を移動させるフィルタ移動機構(図示せず)を備える。このフィルタ移動機構は、開口18bに連通する風路にエアフィルタ5が配置される位置から、開口18aに連通する風路にエアフィルタ5が配置される位置へ、エアフィルタ5を移動可能である。フィルタ移動機構は、例えば、エアフィルタ5を支持するフィルタホルダ、フィルタホルダの移動を案内するレール、移動の動力を提供するモーター及びギヤ、風路間での空気漏れを防ぐシール部材、などを備える機構によって実現できる。フィルタ移動機構は、エアフィルタ5を、平行移動させるものでもよいし、回転移動させるものでもよい。
図10に示す状態では、以下のようになる。開口18aに連通する風路にエアフィルタ5が配置されるように、フィルタ移動機構によりエアフィルタ5が移動される。ダンパ21が開くことで給気経路が開通する。ダンパ22が開くことで排気経路が開通する。ファン19,20が運転される。再生装置15が作動する。室内から吸い込まれた空気は、開口18aから流入し、エアフィルタ5を通過する。この経路が第2の経路に相当する。第2の経路から第3の経路へ空気が流れることができる。すなわち、エアフィルタ5を通過してエアフィルタ5からの脱着成分を含む空気は、熱交換装置14、ファン20、開口18cの順に通過し、室外へ排出される。第4の経路の給気流は、開口18d、熱交換装置14、ファン19、開口18bの順に通過する。
上述した図10の状態は、熱交換装置14による熱交換を伴う第1種換気に相当する。図10に示す状態であれば、以下の効果が得られる。再生装置15の作動時にエアフィルタ5を通過した空気が有する熱エネルギーを、熱交換装置14によって、第4の経路の給気流へ与えることができる。このため、再生装置15から発生したエネルギーのうちの少なくとも一部を、室内へ回収できるので、エアフィルタ5の再生に伴うエネルギーロスを抑制できる。
以上説明したように、実施の形態2であれば、上記の多様な運転形態が可能であるとともに、2個のファン19,20及び2個のダンパ21,22という、少ない数のファン及びダンパを用いた構成であるので、装置全体の小型化・軽量化が可能となり、良好な施工性及び設置性が得られる。制御装置50は、室内温度、室内湿度、室内汚染濃度、室外温度、室外湿度、及び室外汚染濃度、のうちの少なくとも一つの情報に応じて、図5から図10に示す動作のうちから、実行する動作を選択してもよい。
本実施の形態では、ファン20の送風方向を逆転できるように構成してもよい。そのように構成した場合には、エアフィルタ5の再生を以下のようにして行うことが可能になる。ダンパ21,22の位置を図6に示す位置と同じ位置にした状態で、再生装置15を作動し、ファン20の送風方向を逆転させる。そうすると、開口18b、エアフィルタ5、熱交換装置14、開口18dの順に通過する排気流が発生して第3種換気の状況となり、エアフィルタ5から脱着した成分を含む空気が室外へ排出される。また、室内が陰圧になることで自然発生する給気流が、開口18c、停止中のファン20、熱交換装置14、開口18aの順に通過する。このような状態になることで、再生装置15の作動時にエアフィルタ5を通過した排気流が有する熱エネルギーを、熱交換装置14によって、給気流へ与えることができる。このため、再生装置15から発生したエネルギーのうちの少なくとも一部を、室内へ回収できるので、エアフィルタ5の再生に伴うエネルギーロスを抑制できる。
実施の形態3.
次に、図11から図16を参照して、実施の形態3について説明するが、前述した実施の形態2との相違点を中心に説明し、前述した要素と共通または対応する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。図11から図16は、実施の形態3による空気清浄システム23を示す模式的な断面図である。
本実施の形態3の空気清浄システム23は、実施の形態2の空気清浄システム17と比べて、フィルタ移動機構を備えず、ファン24を備える点で異なる。空気清浄システム23は、実施の形態1と同様の制御装置50及び情報取得部16を備えてもよい。空気清浄システム23の機能ブロック図は、実施の形態1と類似であるので、図示を省略する。空気清浄システム23の図11から図15の動作状態は、それぞれ、図5から図9と同様であるので、説明を省略する。図11から図15の状態では、ファン24は運転されない。
図16は、空気清浄システム23において第2の経路、第3の経路及び第4の経路が共に形成された状態を示す。図16は、再生装置15を作動してエアフィルタ5を再生するときの状態を示す。図16に示す状態では、以下のようになる。ファン24が運転されることで、開口18c、熱交換装置14、ファン24の順に通過する給気流が発生し、第2種換気の状態になり、室内が陽圧になる。室内が陽圧になることで、以下のような排気流が自然発生する。室内の空気が開口18bから流入し、エアフィルタ5を通過する。この経路が第2の経路に相当する。第2の経路から第3の経路へ空気が流れることができる。すなわち、エアフィルタ5を通過してエアフィルタ5からの脱着成分を含む空気は、熱交換装置14、開口18dの順に通過し、室外へ排出される。図16の状態であれば、再生装置15の作動時にエアフィルタ5を通過した排気流が有する熱エネルギーを、熱交換装置14によって、給気流へ与えることができる。このため、再生装置15から発生したエネルギーのうちの少なくとも一部を、室内へ回収できるので、エアフィルタ5の再生に伴うエネルギーロスを抑制できる。
隙間給気が必要な第3種換気を行った場合、高気密住宅では給気不足となり、室内が陰圧化してドアが開閉しにくくなることがある。これに対し、本実施の形態3であれば、図16のように、第2種換気の状態でエアフィルタ5を再生できるので、ドアが開閉しにくくなることがない。
本実施の形態3は、実施の形態2と比べて、ファン24の追加が必要であるが、フィルタ移動機構が不要であるので、構成を簡素化できる。制御装置50は、室内温度、室内湿度、室内汚染濃度、室外温度、室外湿度、及び室外汚染濃度、のうちの少なくとも一つの情報に応じて、図11から図16に示す動作のうちから、実行する動作を選択してもよい。
実施の形態4.
次に、図17から図22を参照して、実施の形態4について説明するが、前述した実施の形態3との相違点を中心に説明し、前述した要素と共通または対応する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。図17から図22は、実施の形態4による空気清浄システム25を示す模式的な断面図である。
本実施の形態4の空気清浄システム25が備える経路形成装置18は、実施の形態3の経路形成装置18と比べて、開口18e,18f及びバイパス風路18gをさらに備える。開口18eには、室内に連通するダクト(図示せず)が接続される。開口18fには、室外に連通するダクト(図示せず)が接続される。バイパス風路18gは、開口18eと開口18fとの間をつなぐ。バイパス風路18gは、熱交換装置14を通らない経路を形成する。
本実施の形態4の空気清浄システム25は、実施の形態3の空気清浄システム23と比べて、ファン26及びダンパ27をさらに備える。ファン26が運転されると、開口18fから室外へ排出される排気流が発生する。図17から図20の状態では、ダンパ27は、エアフィルタ5及び熱交換装置14に通じる風路と、バイパス風路18gとの間を遮断している。空気清浄システム25の図17及び図20の動作状態は、それぞれ、図5及び図8と同様であるので、説明を省略する。空気清浄システム25は、実施の形態1と同様の制御装置50及び情報取得部16を備えてもよい。空気清浄システム25の機能ブロック図は、実施の形態1と類似であるので、図示を省略する。
図18は、空気清浄システム25において第4の経路及び第5の経路が共に形成された状態を示す。第4の経路は、給気流の風路となる。第5の経路は、熱交換装置14を通過しない排気流の経路である。第5の経路は、バイパス風路18gにより形成される。図18の状態では、以下のようになる。ダンパ21が開くことで給気経路が開通する。ファン19,26が運転される。室外から吸い込まれた空気は、開口18dから経路形成装置18内に流入し、エアフィルタ5、ファン19、開口18bを通過し、室内へ導入される。室内から吸い込まれた空気は、開口18eから経路形成装置18内に流入し、バイパス風路18gを通過し、室外へ排出される。図18の状態は、エアフィルタ5を通過した清浄給気を行い、熱交換装置14による熱交換をしない、第1種換気の状態となる。
図19は、空気清浄システム25において第1の経路、第4の経路及び第5の経路が共に形成された状態を示す。図19の状態では、以下のようになる。ダンパ21の開度は、給気経路を開通し、かつ第1の経路が形成されるように操作される。ダンパ22は、排気経路を閉鎖する。ファン19,26が運転される。図17のような室内循環空気清浄の気流と、図18で説明した給気流及び排気流とが共に発生する。
図21は、空気清浄システム25において第2の経路、第4の経路及び第5の経路が共に形成された状態を示す。図21は、再生装置15を作動してエアフィルタ5を再生するときの状態を示す。図21に示す状態では、以下のようになる。エアフィルタ5に通じる風路と、開口18fとの間が開通するとともに、開口18eに通じる風路をダンパ27が閉鎖する。ダンパ21が閉じる。ダンパ22が開く。ファン24,26が運転される。再生装置15が作動する。室内から吸い込まれた空気は、開口18bから流入し、エアフィルタ5を通過する。この経路が第2の経路に相当する。第2の経路から第5の経路へ空気が流れることができる。すなわち、エアフィルタ5を通過してエアフィルタ5からの脱着成分を含む空気は、ダンパ27、ファン26、開口18fの順に通過し、室外へ排出される。第4の経路の給気流は、開口18c、熱交換装置14、ファン24、開口18aの順に通過する。上述した図21の状態は、熱交換装置14による熱交換を伴わない第1種換気に相当する。
図22は、空気清浄システム25において第2の経路、第3の経路及び第4の経路が共に形成された状態を示す。図22は、再生装置15を作動してエアフィルタ5を再生するときの状態を示す。図22に示す状態では、以下のようになる。熱交換装置14に通じる風路と、開口18eとの間が開通するとともに、開口18fに通じる風路をダンパ27が閉鎖する。ダンパ22は、ファン24及び開口18aに通じる風路を閉鎖する。ファン20が運転される。再生装置15が作動する。室内から吸い込まれた空気は、開口18bから流入し、エアフィルタ5を通過する。この経路が第2の経路に相当する。第2の経路から第3の経路へ空気が流れることができる。すなわち、エアフィルタ5を通過してエアフィルタ5からの脱着成分を含む空気は、熱交換装置14、ファン20、開口18cの順に通過し、室外へ排出される。このようなファン20による排気流により、第3種換気の状態になり、室内が陰圧になる。室内が陰圧になることで、以下のような第4の経路の給気流が自然発生する。給気流は、開口18d、熱交換装置14、開口18eの順に通過し、室内に導入される。
図22に示す状態であれば、以下の効果が得られる。再生装置15の作動時にエアフィルタ5を通過した空気が有する熱エネルギーを、熱交換装置14によって、第4の経路の給気流へ与えることができる。このため、再生装置15から発生したエネルギーのうちの少なくとも一部を、室内へ回収できるので、エアフィルタ5の再生に伴うエネルギーロスを抑制できる。
本実施の形態4であれば、以下の効果が得られる。第1種換気、第2種換気、第3種換気の選択と、熱交換装置14による熱交換の有無の選択との組み合わせの自由度を高くすることが可能となる。このため、室内及び室外の状況に応じて、最適な換気、空気清浄、フィルタ再生の条件を設定でき、室内空気質の維持と省エネルギーとの両立を、より一層実施しやすくすることが可能になる。制御装置50は、室内温度、室内湿度、室内汚染濃度、室外温度、室外湿度、及び室外汚染濃度、のうちの少なくとも一つの情報に応じて、図17から図22に示す動作のうちから、実行する動作を選択してもよい。
実施の形態5.
次に、図23を参照して、実施の形態5について説明するが、前述した実施の形態4との相違点を中心に説明し、前述した要素と共通または対応する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。図23は、実施の形態5による空気清浄システム28を示す模式的な断面図である。本実施の形態5の空気清浄システム28は、実施の形態4の空気清浄システム25と比べて、ファン26を備えず、かつファン29を備える点で異なる。空気清浄システム28は、実施の形態1と同様の制御装置50及び情報取得部16を備えてもよい。空気清浄システム28の機能ブロック図は、実施の形態1と類似であるので、図示を省略する。
図23は、空気清浄システム28において第2の経路、第3の経路及び第4の経路が共に形成された状態を示す。図23は、再生装置15を作動してエアフィルタ5を再生するときの状態を示す。図23に示す状態では、以下のようになる。ファン24が運転されることで、開口18c、熱交換装置14、ファン24の順に通過する給気流が発生する。ファン29が運転されることで、以下のような排気流が発生する。室内の空気が開口18bから流入し、エアフィルタ5を通過する。この経路が第2の経路に相当する。第2の経路から第3の経路へ空気が流れることができる。すなわち、エアフィルタ5を通過してエアフィルタ5からの脱着成分を含む空気は、熱交換装置14、開口18dの順に通過し、室外へ排出される。
図23の状態であれば、再生装置15の作動時にエアフィルタ5を通過した排気流が有する熱エネルギーを、熱交換装置14によって、給気流へ与えることができる。このため、再生装置15から発生したエネルギーのうちの少なくとも一部を、室内へ回収できるので、エアフィルタ5の再生に伴うエネルギーロスを抑制できる。
図23の状態は、第1種換気の状態となる。図23の状態からファン29を停止してファン24のみを運転した場合には、第2種換気の状態となる。図23の状態からファン24を停止してファン29のみを運転した場合には、第3種換気の状態となる。また、ファン24の風量と、ファン29の風量とを制御することで、給気流の風量と排気流の風量とのバランスを変更できる。制御装置50は、排気流の風量より給気流の風量が高くなるようにファン24,29の運転を制御してもよい。制御装置50は、排気流の風量より給気流の風量が低くなるようにファン24,29の運転を制御してもよい。制御装置50は、室内温度、室内湿度、室内汚染濃度、室外温度、室外湿度、及び室外汚染濃度、のうちの少なくとも一つの情報に応じて、給気流の風量と排気流の風量とのバランスを変更してもよい。
実施の形態6.
次に、図24から図29を参照して、実施の形態6について説明するが、前述した実施の形態4及び5との相違点を中心に説明し、前述した要素と共通または対応する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。図24から図29は、実施の形態6による空気清浄システム30を示す模式的な断面図である。
本実施の形態6の空気清浄システム30は、実施の形態4の空気清浄システム25と比べて、ファン29をさらに備える点で異なる。すなわち、空気清浄システム30は、五個のファン19,20,24,26,29を備える。空気清浄システム30は、実施の形態1と同様の制御装置50及び情報取得部16を備えてもよい。空気清浄システム30の機能ブロック図は、実施の形態1と類似であるので、図示を省略する。
本実施の形態6の空気清浄システム30は、実施の形態2から実施の形態5で説明したすべての動作状態を実行可能である。空気清浄システム30の図24から図28の動作状態は、それぞれ、図17から図21と同様であるので、説明を省略する。空気清浄システム30の図29の動作状態は、図23と同様であるので、説明を省略する。制御装置50は、室内温度、室内湿度、室内汚染濃度、室外温度、室外湿度、及び室外汚染濃度、のうちの少なくとも一つの情報に応じて、図24から図29に示す動作のうちから、実行する動作を選択してもよい。
仮に、循環空気清浄用の第1のファンと、エアフィルタ5を通して排気するための第2のファンと、熱交換装置14を通して排気するための第3のファンと、熱交換装置14を通して給気するための第4のファンと、熱交換装置14を通さずに排気するための第5のファンと、熱交換装置14を通さずに給気するための第6のファンとを備えるとすると、6個のファンが必要になる。これに対し、上述した各実施の形態であれば、ファンの数をそれよりも少なくしつつ、6個のファンを備える構成に近い、多様な動作状態が可能になる。よって、装置サイズの小型化及び低コスト化に有利になる。
1 第1ユニット、 2 第2ユニット、 3 第3ユニット、 4 本体、 5 エアフィルタ、 6 ファン、 7 ダンパ、 8 本体、 9 ダンパ、 10 本体、 11 バイパス風路、 12,13 ファン、 14 熱交換装置、 15 再生装置、 16 情報取得部、 17 空気清浄システム、 18 経路形成装置、 19,20 ファン、 21,22 ダンパ、 23 空気清浄システム、 24 ファン、 25 空気清浄システム、 26 ファン、 27 ダンパ、 28 空気清浄システム、 29 ファン、 30 空気清浄システム、 50 制御装置、 51 プロセッサ、 52 メモリ

Claims (8)

  1. 空気中の物質を捕集するエアフィルタと、
    前記エアフィルタを再生する再生装置と、
    室内から室外への排気流と、室外から室内への給気流との間で熱を交換する熱交換装置と、
    気流の経路として、第1の経路、第2の経路、第3の経路、及び第4の経路を形成可能な経路形成装置と、
    を備え、
    前記第1の経路は、室内から吸い込まれて前記エアフィルタを通過して室内へ戻る空気が通る経路であり、
    前記第2の経路は、前記再生装置の作動時に空気が前記エアフィルタを通過する経路であり、
    前記第3の経路は、前記排気流が前記熱交換装置を通過する経路であり、
    前記第4の経路は、前記給気流が前記熱交換装置を通過する経路であり、
    前記再生装置の作動時に前記第2の経路から前記第3の経路へ空気を流れさせることが可能である、
    空気清浄システム。
  2. 前記エアフィルタを通過する前記第4の経路を形成可能である請求項1に記載の空気清浄システム。
  3. 前記第1の経路の風量は、前記第3の経路の風量より大きく、かつ、前記第4の経路の風量より大きい請求項1または請求項2に記載の空気清浄システム。
  4. 前記経路形成装置は、前記排気流が前記熱交換装置を通過しない第5の経路を形成可能であり、
    前記再生装置の作動時に前記第2の経路から前記第5の経路へ空気を流れさせることが可能である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空気清浄システム。
  5. 前記排気流が前記エアフィルタを通過しない前記第3の経路を形成可能である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の空気清浄システム。
  6. 室内汚染濃度の情報を取得する手段と、
    前記室内汚染濃度が基準に比べて低い場合には、前記第1の経路に通風せず、前記第3の経路及び前記第4の経路に通風する制御手段と、
    を備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の空気清浄システム。
  7. 室内温度、室内湿度、室内汚染濃度、室外温度、室外湿度、及び室外汚染濃度、のうちの少なくとも一つの情報を取得する手段と、
    前記情報に応じて、前記第1の経路、前記第2の経路、前記第3の経路、及び前記第4の経路のうちの少なくとも一つの経路の風量を変更する手段と、
    を備える請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の空気清浄システム。
  8. 室外空気を前記エアフィルタを通過させて室内に供給する動作と、
    前記第1の経路により室内空気を前記エアフィルタを通過させて室内に還流させる動作と、
    前記熱交換装置による熱交換をしつつ前記排気流及び前記給気流を発生させる動作と、
    前記熱交換装置による熱交換をせずに前記排気流及び前記給気流を発生させる動作と、
    前記排気流の風量より前記給気流の風量が高くなるように前記排気流及び前記給気流を発生させる動作と、
    前記排気流の風量より前記給気流の風量が低くなるように前記排気流及び前記給気流を発生させる動作と、
    前記排気流の風量と前記給気流の風量とが実質的に等しくなるように前記排気流及び前記給気流を発生させる動作と、
    のうち少なくとも2つの動作を実行可能であり、
    室内温度、室内湿度、室内汚染濃度、室外温度、室外湿度、及び室外汚染濃度、のうちの少なくとも一つの情報を取得する手段と、
    前記情報に応じて、前記少なくとも2つの動作のうちから実行する動作を選択する手段と、
    を備える請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の空気清浄システム。
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