JP2018035939A - コグ付きvベルトの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮ゴム層の凹みを起点としたクラックの発生や、圧縮ゴム層の別のゴム層からの剥離を抑制する。【解決手段】未加硫スリーブに対して加圧を行い圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートを流動させて複数のコグを形成するという方法ではなく、未加硫スリーブを加硫して加硫スリーブを形成してから複数のコグを形成するという方法を採用する。【選択図】図3

Description

本発明は、ベルト幅方向にそれぞれ延在しかつベルト長手方向に互いに離隔して配置された複数のコグがベルト内周側に設けられたコグ付きVベルトの製造方法に関する。
コグ付きVベルトは、複数のコグにより優れた屈曲性を有し、一般産業機械、農業機械、スノーモービル、自動二輪車、自動車の補機駆動システム等に適用され、また、無段変速装置に適用されることもある。
コグ付きVベルトの製造方法においては、外周面に凹凸が設けられた円筒状のドラムを用い、当該ドラムの外周面上に複数の未加硫ゴムシート(圧縮ゴム層、背面ゴム層(伸張ゴム層)等となる未加硫ゴムシート)を巻き付けて未加硫スリーブを形成した後、未加硫スリーブに対して加熱・加圧を行い、ドラムの凹凸に対応する複数のコグが形成された加硫スリーブを得るという技術が知られている(特許文献1参照)。
特開2000−153558号公報
上記の製造方法では、未加硫スリーブに対して加圧を行う際に、圧縮ゴム層となる圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートがドラムの凹凸に沿って流動する。このとき、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートの流動の態様がドラムの凹部と凸部とにおいて異なったり、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートがドラムの凹部に流れ込む際に当該未加硫ゴムシートに対してベルト外周側にある別の未加硫ゴムシートを巻き込んだりすることで、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートの流動が不均一になり得る。この場合、加硫スリーブにおいて、圧縮ゴム層におけるコグが形成された部分(コグ部)の厚みが不均一になり、例えば、圧縮ゴム層におけるコグ部のベルト外周側に凹みが生じ、当該凹みに上記別の未加硫ゴムシートからなる別のゴム層が入り込んだ状態となり得る。このようなコグ付きVベルトを使用すると、圧縮ゴム層と別のゴム層との界面において凹みを起点としたクラックが生じ、さらには圧縮ゴム層が別のゴム層から剥離し得る。
本発明の目的は、圧縮ゴム層の凹みを起点としたクラックの発生や圧縮ゴム層の剥離を抑制することができる、コグ付きVベルトの製造方法を提供することである。
本発明によると、ベルト幅方向にそれぞれ延在しかつベルト長手方向に互いに離隔して配置された複数のコグがベルト内周側に設けられたコグ付きVベルトの製造方法において、前記ベルト内周側に配置される圧縮ゴム層となる圧縮ゴム層用未加硫ゴムシート及びベルト外周側に配置される伸張ゴム層となる伸張ゴム層用未加硫ゴムシートを少なくとも含む複数の未加硫ゴムシートを積層し、未加硫スリーブを形成する未加硫スリーブ形成工程と、前記未加硫スリーブ形成工程の後、前記未加硫スリーブを加硫して加硫スリーブを形成する加硫スリーブ形成工程と、前記加硫スリーブ形成工程の後、前記圧縮ゴム層に前記複数のコグを形成するコグ形成工程と、を備えたことを特徴とする、コグ付きVベルトの製造方法が提供される。
本発明では、未加硫スリーブに対して加圧を行い圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートを流動させて複数のコグを形成するという方法ではなく、未加硫スリーブを加硫して加硫スリーブを形成してから複数のコグを形成するという方法を採用している。そのため、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートの流動が不均一になって圧縮ゴム層におけるコグ部のベルト外周側に凹みが生じるという問題が抑制され、ひいては、圧縮ゴム層の凹みを起点としたクラックの発生や、圧縮ゴム層の別のゴム層からの剥離を抑制することができる。
前記未加硫スリーブ形成工程において積層される前記圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートは、前記ベルト幅方向に配向した短繊維を含んでいてよい。上記構成によれば、短繊維をベルト幅方向に配向させることで、高い異方性が得られると共に、ベルト幅方向の弾性率を大きくして耐側圧性を有効に向上させることができる。特に無段変速装置に適用される場合、コグ付きVベルトは、大きく屈曲されると共に高負荷での過酷なレイアウトで用いられるため、高い耐久性及び省燃費性(伝動性)が求められる。この点、上記構成によれば、耐久性及び省燃費性の両立を担う重要な因子の一つである耐側圧性(側圧による耐変形性)を向上させることができるため、耐久性及び省燃費性を共に高めることができ、高負荷伝動が要求される無段変速装置等にも好適に適用できる。また、圧縮ゴム層に短繊維を配合した構成において、特許文献1のように未加硫スリーブに対して加圧を行い圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートを流動させて複数のコグを形成するという方法を採用した場合、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートの流動が不均一になることで、短繊維の配向も乱れてしまう。この点、本発明では、未加硫スリーブに対して加圧を行い圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートを流動させて複数のコグを形成するという方法ではなく、未加硫スリーブを加硫して加硫スリーブを形成してから複数のコグを形成するという方法を採用しているため、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートの流動が不均一になるという問題が抑制され、短繊維の配向の乱れも抑制される。
前記未加硫スリーブ形成工程において、前記圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートは、それぞれ前記短繊維を含むと共に互いに積層された複数のシート部材を含んでいてよい。上記構成によれば、1枚のシート部材に短繊維を配向させてそれを圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートとして用いる場合に比べ、比較的厚みの小さい複数のシート部材のそれぞれに短繊維を配向させてそれらを積層することで、短繊維の配向を容易に行うことができる。また、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートが複数のシート部材を含む構成において、特許文献1のように未加硫スリーブに対して加圧を行い圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートを流動させて複数のコグを形成するという方法を採用した場合、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートの流動が不均一になり、ベルト使用時に複数のシート部材間で剥離が生じ得る。この点、本発明では、未加硫スリーブに対して加圧を行い圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートを流動させて複数のコグを形成するという方法ではなく、未加硫スリーブを加硫して加硫スリーブを形成してから複数のコグを形成するという方法を採用しているため、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートの流動が不均一になるという問題が抑制され、複数のシート部材間で剥離が生じ難い。
前記未加硫スリーブ形成工程において、前記圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートと前記伸張ゴム層用未加硫ゴムシートとの間に、接着ゴム層となる接着ゴム層用未加硫ゴムシートを配置してよい。特許文献1のように未加硫スリーブに対して加圧を行い圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートを流動させて複数のコグを形成するという方法を採用した場合、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートがドラムの凹部に流れ込む際に接着ゴム層用未加硫ゴムシートを巻き込み、圧縮ゴム層におけるコグ部のベルト外周側に凹みが生じ、当該凹みに接着ゴム層が入り込んだ状態となり得る。この点、本発明では、未加硫スリーブに対して加圧を行い圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートを流動させて複数のコグを形成するという方法ではなく、未加硫スリーブを加硫して加硫スリーブを形成してから複数のコグを形成するという方法を採用しているため、接着ゴム層用未加硫ゴムシートの巻き込み、凹みへの接着ゴム層の入り込み等の問題が抑制され、圧縮ゴム層と接着ゴム層との界面において凹みを起点としたクラックが生じ難く、圧縮ゴム層の接着ゴム層からの剥離も抑制される。
前記未加硫スリーブ形成工程において、前記ベルト長手方向に延在する心線を、前記接着ゴム層用未加硫ゴムシートの中に配置してよい。上記構成によれば、心線が接着ゴム層に埋没されることとなり、心線が接着ゴム層に埋没されずに接着ゴム層に接しているだけの場合に比べ、耐久性が向上する。
本発明では、未加硫スリーブに対して加圧を行い圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートを流動させて複数のコグを形成するという方法ではなく、未加硫スリーブを加硫して加硫スリーブを形成してから複数のコグを形成するという方法を採用している。そのため、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートの流動が不均一になって圧縮ゴム層におけるコグ部のベルト外周側に凹みが生じるという問題が抑制され、ひいては、圧縮ゴム層の凹みを起点としたクラックの発生や、圧縮ゴム層の別のゴム層からの剥離を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るコグ付きVベルトを示す斜視断面図である。 (a),(b)は、本発明の一実施形態に係るコグ付きVベルトを無段変速装置に適用した例を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るコグ付きVベルトの製造方法を示すフロー図である。 実施例及び比較例に係るコグ付きVベルトの耐久走行試験における実車の走行パターンを示すグラフである。 (a)は、耐久走行試験後の比較例に係るコグ付きVベルトの側面を示す概略図である。(b)は、耐久走行試験後の実施例に係るコグ付きVベルトの側面を示す概略図である。
本発明の一実施形態に係るコグ付きVベルト1は、図1に示すように、ベルト外周側1yからベルト内周側1xに向かって、補強布2、伸張ゴム層3、接着ゴム層4及び圧縮ゴム層5が順次積層された構造を有している。接着ゴム層4内には、ベルト長手方向に延在する心線4aが埋設されている。
伸張ゴム層3、接着ゴム層4及び圧縮ゴム層5は、ゴム成分を含むゴム組成物で形成されている。さらに、伸張ゴム層3及び圧縮ゴム層5を構成するゴム組成物は、短繊維を含む。
ゴム成分としては、加硫又は架橋可能なゴムを用いてよく、例えば、ジエン系ゴム(天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(ニトリルゴム)、水素化ニトリルゴム等)、エチレン−α−オレフィンエラストマー、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、のうちの1種又は2種以上を組み合わせたものを用いてよい。好ましいゴム成分は、エチレン−α−オレフィンエラストマー(エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)等)、及び、クロロプレンゴムである。特に好ましいゴム成分は、クロロプレンゴムである。クロロプレンゴムは、硫黄変性タイプ及び非硫黄変性タイプのいずれでもよい。
ゴム組成物に、添加剤を追加してもよい。添加剤としては、例えば、加硫剤又は架橋剤(又は架橋剤系)(硫黄系加硫剤等)、共架橋剤(ビスマレイミド類等)、加硫助剤又は加硫促進剤(チウラム系促進剤等)、加硫遅延剤、金属酸化物(酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化鉄、酸化銅、酸化チタン、酸化アルミニウム等)、増強剤(例えば、カーボンブラックや、含水シリカ等の酸化ケイ素)、充填剤(クレー、炭酸カルシウム、タルク、マイカ等)、軟化剤(例えば、パラフィンオイルや、ナフテン系オイル等のオイル類)、加工剤又は加工助剤(ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、ワックス、パラフィン、脂肪酸アマイド等)、老化防止剤(酸化防止剤、熱老化防止剤、屈曲き裂防止剤、オゾン劣化防止剤等)、着色剤、粘着付与剤、可塑剤、カップリング剤(シランカップリング剤等)、安定剤(紫外線吸収剤、熱安定剤等)、難燃剤、帯電防止剤、のうちの1種又は2種以上を組み合わせたものを用いてよい。なお、金属酸化物は架橋剤として作用してもよい。また、特に接着ゴム層4を構成するゴム組成物は、接着性改善剤(レゾルシン−ホルムアルデヒド共縮合物、アミノ樹脂等)を含んでよい。
短繊維としては、例えば、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等)、ポリアミド繊維(ポリアミド6繊維、ポリアミド66繊維、ポリアミド46繊維、アラミド繊維等)、ポリアルキレンアリレート系繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維等の、C2-4アルキレンC6-14アリレート系繊維)、ビニロン繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維等の合成繊維;綿、麻、羊毛等の天然繊維;炭素繊維等の無機繊維、のうちの1種又は2種以上を組み合わせたものを用いてよい。ゴム組成物中での分散性や接着性を向上させるため、短繊維に、慣用の接着処理(又は表面処理)を施してよく、例えば、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL)液等で短繊維を処理してよい。
伸張ゴム層3、接着ゴム層4及び圧縮ゴム層5を構成するゴム組成物は、互いに同じであってもよいし、互いに異なってもよい。同様に、伸張ゴム層3及び圧縮ゴム層5に含まれる短繊維は、互いに同じであってもよいし、互いに異なってもよい。
接着ゴム層4内には、複数の心線4aが、ベルト長手方向にそれぞれ延在し、かつ、ベルト幅方向に所定のピッチで互いに離隔して配置されている。
心線4aは、例えば、マルチフィラメント糸を使用した撚り(例えば、諸撚り、片撚り、ラング撚り)コードからなる。心線4aの平均線径(撚りコードの繊維径)は、例えば、0.5〜3mm、好ましくは0.6〜2.0mm、さらに好ましくは0.7〜1.5mm程度であってよい。
心線4aを構成する繊維としては、短繊維として例示した繊維を用いてよい。高モジュラスの点から、心線4aを構成する繊維として、ポリアミド繊維(ポリアミド6繊維、ポリアミド66繊維、ポリアミド46繊維、アラミド繊維等)、ポリアルキレンアリレート系繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維等の、C2-4アルキレンC6-14アリレート系繊維)等の合成繊維;炭素繊維等の無機繊維を用いてよく、特に、ポリアミド繊維、ポリアルキレンアリレート系繊維を用いることが好ましい。心線4aを構成する繊維は、マルチフィラメント糸であってよい。マルチフィラメント糸で構成される心線4aの繊度は、例えば、2000〜10000デニール(特に4000〜8000デニール)程度であってもよい。マルチフィラメント糸は、例えば100〜5000本、好ましくは500〜4000本、さらに好ましくは1000〜3000本程度のモノフィラメント糸を含んでよい。心線4aに、短繊維と同様、慣用の接着処理(又は表面処理)を施してよい。
補強布2は、例えば織布、広角度帆布、編布、不織布等(好ましくは織布)の布材からなる。
補強布2は、布材に接着処理(例えば、RFL液で浸漬処理)を施し、ゴム組成物を布材にすり込むフリクション加工や、シート状のゴム組成物と布材とを積層する加工を行った後に、伸張ゴム層3の表面に積層されてよい。
コグ付きVベルト1におけるベルト長手方向と直交する断面は、ベルト外周側1yからベルト内周側1xに向かってベルト幅が小さくなる逆台形形状である。コグ付きVベルト1におけるベルト内周側1xには、複数のコグ1aが形成されている。複数のコグ1aは、圧縮ゴム層5に形成されており、ベルト幅方向にそれぞれ延在しかつベルト長手方向に互いに離隔して配置されている。
コグ付きVベルト1は、図2に示すように、無段変速装置30に適用可能である。
無段変速装置30は、コグ付きVベルト1が嵌合されるV字状の溝31x,32xをそれぞれ有する駆動プーリ31及び従動プーリ32を含む。コグ付きVベルト1は、駆動プーリ31と従動プーリ32とに張力をかけて巻回され、コグ付きVベルト1の両側面1zと駆動プーリ31及び従動プーリ32それぞれの溝31x,32xを画定する両側面31z,32zとが接触した状態で、走行される。このときに生じる両側面間の摩擦力により、駆動プーリ31のトルクがコグ付きVベルト1を介して従動プーリ32に伝達される。
駆動プーリ31及び従動プーリ32は、それぞれ、回転軸31t,32tを有する固定プーリ片31a,32aと、固定プーリ片31a,32aに対して回転軸31t,32tに沿った方向に移動可能に取り付けられた可動プーリ片31b,32bとを含む。可動プーリ片31b,32bが固定プーリ片31a,32aに対して回転軸31t,32tに沿った方向に移動することで、固定プーリ片31a,32aと可動プーリ片31b,32bとの間に形成された溝31x,32xの幅が変化する。このような溝31x,32xの幅の変化に応じて、溝31x,32xにおけるコグ付きVベルト1の位置が変化する。例えば、図2(a)に示す状態から図2(b)に示す状態に(即ち、溝31xの幅を狭く且つ溝32xの幅を広く)すると、コグ付きVベルト1は、溝31xにおいては回転軸31tから離れる方向に、溝32xにおいては回転軸32tに近づく方向に移動する。これにより、駆動プーリ31及び従動プーリ32におけるコグ付きVベルト1の巻回半径が変化する。無段変速装置30は、このように巻回半径を連続的に変化させることで、変速比を無段階で変化させるように構成されている。
次いで、図3を参照し、コグ付きVベルト1の製造方法について説明する。
本実施形態に係る製造方法は、未加硫スリーブ形成工程S1、加硫スリーブ形成工程S2、コグ無しVベルト形成工程S3及びコグ形成工程S4を含む。
未加硫スリーブ形成工程S1は、環状の未加硫スリーブを形成する工程である。未加硫スリーブ形成工程S1では、円筒状のドラムを用い、当該ドラムの外周面上に、圧縮ゴム層5となる圧縮ゴム層用未加硫ゴムシート、接着ゴム層4における圧縮ゴム層5と接触する部分となる第1接着ゴム層用未加硫ゴムシート、心線4a、接着ゴム層4における伸張ゴム層3と接触する部分となる第2接着ゴム層用未加硫ゴムシート、伸張ゴム層3となる伸張ゴム層用未加硫ゴムシート、補強布2を順に積層する。なお、当該ドラムの外周面には、複数のコグ1aに対応する凹凸が設けられていない。
具体的には、未加硫スリーブ形成工程S1では、先ず、短繊維を含むと共に互いに積層された複数のシート部材を、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートとして、各シート部材の短繊維をベルト幅方向に配向させて、円筒状のドラム上に巻き付ける(S1a)。その後、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートの上に、第1接着ゴム層用未加硫ゴムシートを積層する(S1b)。その後、第1接着ゴム層用未加硫ゴムシートの上に、心線4aを螺旋状にスピニングする(S1c)。その後、心線4aの上に、第2接着ゴム層用未加硫ゴムシートを積層する(S1d)。その後、第2接着ゴム層用未加硫ゴムシートの上に、伸張ゴム層用未加硫ゴムシートを積層する(S1e)。その後、伸張ゴム層用未加硫ゴムシートの上に、補強布2を積層する(S1f)。
ここでシート部材に含まれる短繊維の平均長さは、1〜20mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは1.2〜15mmの範囲、さらには2〜6mmの範囲であることが好ましい。その理由としては、短繊維の平均長さが短すぎると、列理方向の力学特性(例えばモジュラスなど)を十分に高めることができない虞があり、逆に長すぎると、ゴム組成物中の短繊維の分散不良が生じ、ゴムに亀裂が発生してベルトが早期に損傷する虞があるからである。
また、短繊維の平均繊維径は、1〜100μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは3〜50μmの範囲、さらには5〜30μmの範囲であることが好ましい。その理由としては、平均繊維径が大きすぎると、圧縮ゴム層の機械的特性が低下する虞があり、小さすぎると、表面の摩擦係数を充分に低減できない虞があるからである。
更に、短繊維の配合量(割合)は、ゴム成分100質量部に対して30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは8〜30質量部、更に好ましくは10〜28質量部、できるならば12〜25質量部であることが好ましい。その理由としては、短繊維の割合が少なすぎると、圧縮ゴム層の力学特性が低下する虞があり、逆に多すぎると、伝達効率の低下に加えて、短繊維のゴム組成物中の分散性が低下して分散不良が生じ、その箇所を起点にして圧縮ゴム層に亀裂が早期に発生する虞があるからである。
また、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートとして積層されるシート部材の1枚の厚みは、0.2〜2.5mm、好ましくは0.5〜1.6mmのものを使用することが好ましい。左記範囲の厚みを有するシート部材を、所定の厚みになるまで積層することにより、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートを構成する。
加硫スリーブ形成工程S2は、未加硫スリーブ形成工程S1の後、得られた未加硫スリーブを加硫して環状の加硫スリーブを形成する工程である。加硫スリーブ形成工程S2では、公知の手法を採用してよく、例えば、未加硫スリーブの外側に加硫ジャケットを被せて金型を加硫缶に設置し、温度120〜200℃(特に150〜180℃)程度で未加硫スリーブを加硫してよい。
コグ無しVベルト形成工程S3は、加硫スリーブ形成工程S2の後、環状のコグ無し(コグ1aが形成されていない)Vベルトを形成する工程である。コグ無しVベルト形成工程S3では、加硫ジャケット及び加硫スリーブを加硫缶から抜き取った後、加硫スリーブを所定幅に切断し、側面を所定のV角度が得られるようにカッター等で切断することで、コグ無しVベルトを形成する。
コグ形成工程S4は、コグ無しVベルト形成工程S3の後、圧縮ゴム層5に複数のコグ1aを形成する工程である。即ち、工程S1〜S3の段階ではコグ1aが形成されておらず、工程S4でコグ1aが形成される。
コグ形成工程S4では、任意の手法を採用してよく、例えばウォータージェット加工機を用いてよい。ウォータージェット加工機を用いてコグ1aを形成する手順の一例について、以下に説明する。
先ず、ウォータージェット加工機の水槽の上に、木板、プラスチック板、金属板をこの順で配置してテープ等で固定する。そして、最上層に配置された金属板に、4つの基準穴と、複数のコグ1aを含むベルト内周側1xと同じ形状の溝とを、ウォータージェットで形成する。4つの基準穴は、環状のコグ無しVベルトが固定される円柱状のベルト固定治具に形成された4つのピン穴に対応する。その後、S3で形成された環状のコグ無しVベルトを、圧縮ゴム層5を外側・、伸張ゴム層3を内側としてベルト固定治具に取り付け、ベルト固定治具を金属板上に設置し、ベルト固定治具の4つのピン穴と4つの基準穴とにピンを挿入して、ベルト固定治具を金属板に対して固定する。その後、ウォータージェット加工機の制御部に、複数のコグ1aを含むベルト内周側1xの形状に係るデータを読み込ませ、ベルト厚み、加工速度等の加工条件を入力し、加工を行う。
以上に述べたように、本実施形態によれば、未加硫スリーブに対して加圧を行い圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートを流動させて複数のコグ1aを形成するという方法ではなく、未加硫スリーブを加硫して加硫スリーブを形成してから複数のコグ1aを形成するという方法を採用している(図3のS1〜S4参照)。そのため、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートの流動が不均一になって圧縮ゴム層5におけるコグ部のベルト外周側1yに凹みが生じるという問題が抑制され、ひいては、圧縮ゴム層5の凹みを起点としたクラックの発生や、圧縮ゴム層5の別のゴム層(本実施形態では接着ゴム層4)からの剥離を抑制することができる。
本実施形態では、未加硫スリーブ形成工程S1において、短繊維を含む圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートを用い、短繊維をベルト幅方向に配向させる(図3のS1a参照)。上記構成によれば、短繊維をベルト幅方向に配向させることで、高い異方性が得られると共に、ベルト幅方向の弾性率を大きくして耐側圧性を有効に向上させることができる。特に無段変速装置30に適用される場合、コグ付きVベルト1は、大きく屈曲されると共に高負荷での過酷なレイアウトで用いられるため、高い耐久性及び省燃費性(伝動性)が求められる。この点、上記構成によれば、耐久性及び省燃費性の両立を担う重要な因子の一つである耐側圧性(側圧による耐変形性)を向上させることができるため、耐久性及び省燃費性を共に高めることができ、高負荷伝動が要求される無段変速装置30等にも好適に適用できる。また、圧縮ゴム層5に短繊維を配合した構成において、特許文献1のように未加硫スリーブに対して加圧を行い圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートを流動させて複数のコグ1aを形成するという方法を採用した場合、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートの流動が不均一になることで、短繊維の配向も乱れてしまう。この点、本実施形態では、未加硫スリーブに対して加圧を行い圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートを流動させて複数のコグ1aを形成するという方法ではなく、未加硫スリーブを加硫して加硫スリーブを形成してから複数のコグ1aを形成するという方法を採用しているため、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートの流動が不均一になるという問題が抑制され、短繊維の配向の乱れも抑制される。
本実施形態では、未加硫スリーブ形成工程S1において、それぞれ短繊維を含むと共に互いに積層された複数のシート部材を圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートとして用いる(図3のS1a参照)。上記構成によれば、1枚のシート部材に短繊維を配向させてそれを圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートとして用いる場合に比べ、比較的厚みの小さい複数のシート部材のそれぞれに短繊維を配向させてそれらを積層することで、短繊維の配向を容易に行うことができる。また、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートが複数のシート部材を含む構成において、特許文献1のように未加硫スリーブに対して加圧を行い圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートを流動させて複数のコグ1aを形成するという方法を採用した場合、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートの流動が不均一になり、ベルト使用時に複数のシート部材間で剥離が生じ得る。この点、本発明では、未加硫スリーブに対して加圧を行い圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートを流動させて複数のコグ1aを形成するという方法ではなく、未加硫スリーブを加硫して加硫スリーブを形成してから複数のコグ1aを形成するという方法を採用しているため、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートの流動が不均一になるという問題が抑制され、複数のシート部材間で剥離が生じ難い。
本実施形態では、未加硫スリーブ形成工程S1において、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートと伸張ゴム層用未加硫ゴムシートとの間に接着ゴム層用未加硫ゴムシートを配置する(図3のS1a〜S1e参照)。特許文献1のように未加硫スリーブに対して加圧を行い圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートを流動させて複数のコグ1aを形成するという方法を採用した場合、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートがドラムの凹部に流れ込む際に接着ゴム層用未加硫ゴムシートを巻き込み、圧縮ゴム層5におけるコグ部のベルト外周側1yに凹みが生じ、当該凹みに接着ゴム層4が入り込んだ状態となり得る。この点、本実施形態では、未加硫スリーブに対して加圧を行い圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートを流動させて複数のコグ1aを形成するという方法ではなく、未加硫スリーブを加硫して加硫スリーブを形成してから複数のコグ1aを形成するという方法を採用しているため、接着ゴム層用未加硫ゴムシートの巻き込み、凹みへの接着ゴム層4の入り込み等の問題が抑制され、圧縮ゴム層5と接着ゴム層4との界面において凹みを起点としたクラックが生じ難く、圧縮ゴム層5の接着ゴム層4からの剥離も抑制される。
未加硫スリーブ形成工程S1において、ベルト長手方向に延在する心線4aを、接着ゴム層用未加硫ゴムシートの中に配置する(図3のS1b〜S1d参照)。上記構成によれば、心線4aが接着ゴム層4に埋没されることとなり、心線4aが接着ゴム層4に埋没されずに接着ゴム層4に接しているだけの場合に比べ、耐久性が向上する。
上述の実施形態と同様の製造方法で製造したコグ付きVベルト(実施例1〜7)と特許文献1と同様の製造方法で製造したコグ付きVベルト(比較例1〜4)とについて、実車U/D(UP/DOWN)耐久走行試験を行い、試験後の各コグ付きVベルトの側面の状態を比較した。実施例1〜7に係るコグ付きVベルトの構成を表1に示し、比較例1〜4に係るコグ付きVベルトの構成を表2に示す。
Figure 2018035939
実施例1、2は同じ構成材料で短繊維の平均繊維長を変量した例である。
実施例3は実施例1と同じ構成材料で短繊維の平均繊維径を変量した例である。
実施例4は実施例1と同じ構成材料で短繊維の配合量を変量した例である。
実施例5は実施例4と同じ構成材料で短繊維の平均繊維長を変量した例である。
実施例6は短繊維の種類を変更した例である。
実施例7は実施例1と同じ構成材料でコグ高さを大きくした例である。
Figure 2018035939
実施例1〜7に係る製造工程及び比較例1〜4に係る製造工程では、コグ1aを形成する工程を除き、同様の条件で工程を行った。未加硫スリーブを加硫する際には、実施例1〜7及び比較例1〜4では、未加硫スリーブの外側に加硫ジャケットを被せて金型を加硫缶に設置し、温度160℃で20分間加硫を行った。実施例1〜7及び比較例1〜4に係るコグ付きVベルトのサイズは、外周長800mm、上幅20.0mm、ベルト厚み9.5mm、コグ高さは表1及び表2に示す値とした。
実施例1〜7において、コグ形成工程S4では、上述の実施形態で例示したウォータージェット加工機を用いた方法を採用した。
・使用設備(ウォータージェット加工機):(株)フロージャパン製 MACH3B Model1313
・ピン穴及び基準穴の径: 直径10mm
・加工条件: ベルト厚み20mm、加工速度240mm/min
実施例1〜7及び比較例1〜4において、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシート及び伸張ゴム層用未加硫ゴムシートは、表3の材料を配合して(配合1〜配合6)、それぞれバンバリーミキサー等でゴム練りを行い、生成された練りゴムをカレンダーロールに通して圧延して、作製した。また、実施例1〜7及び比較例1〜4において、第1接着ゴム層用未加硫ゴムシート及び第2接着ゴム層用未加硫ゴムシートは、表4の材料を配合して、それぞれバンバリーミキサー等でゴム練りを行い、生成された練りゴムをカレンダーロールに通して圧延して、作製した。
Figure 2018035939
Figure 2018035939
表3及び表4に示す材料の詳細は、下記のとおりである。
・短繊維
・アラミド短繊維(a):帝人製 コーネックス短繊維、平均繊維長3mm、平均繊維径14μm
・アラミド短繊維(b):帝人製 コーネックス短繊維、平均繊維長6mm、平均繊維径14μm
・アラミド短繊維(c):帝人製 コーネックス短繊維、平均繊維長3mm、平均繊維径20μm
・アラミド短繊維(d):帝人製 コーネックス短繊維、平均繊維長2mm、平均繊維径14μm
・ポリアミド66短繊維:東レ製 ナイロン66繊維、平均繊維長:6mm、平均繊維径:30μm
・ナフテン系オイル:DIC(株)製「RS700」
・カーボンブラック:東海カーボン(株)製「シースト3」
・老化防止剤:精工化学(株)製「ノンフレックスOD3」
・加硫促進剤:テトラメチルチウラム・ジスルフィド(TMTD)
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製「Nipsil VN3」
実施例1〜7及び比較例1〜4において、心線4aとしては、1000デニールのポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を2×3の撚り構成で、上撚り係数3.0、下撚り係数3.0で諸撚りしたトータルデニール6,000のコードに、接着処理を施したものを使用した。
実施例1〜7及び比較例1〜4において、補強布2としては、綿の紡績糸を使用した平織帆布にRFL液で浸漬処理を施し、さらに当該帆布を150℃で2分間熱処理した後、上記表4のゴム組成物をすり込むフリクション加工を行うことで形成された、ゴム付帆布を使用した。
実車U/D耐久走行試験では、実車(スクータ)のベルト式無段変速装置に実施例1〜7及び比較例1〜4に係る各コグ付きVベルトを取り付け、シャーシダイナモ試験機にて、図4に示すパターンでの走行(即ち、アイドリング状態からスロットル全開(90km/h狙いで90秒間)、スロットル全閉(アイドリング状態で30秒間)、を繰り返すUP/DOWN走行)を走行距離10000kmまで実施した。
上記実車U/D耐久走行試験を行った、実施例1〜7及び比較例1〜4に係るコグ付きVベルトの側面の状態を観察した。具体的には、圧縮ゴム層のゴムの流動による短繊維の配向乱れが影響する、(1)圧縮ゴム層内での層間剥離によるクラック(コグ部クラック)と、(2)耐側圧性不足による側圧変形から生じる心線下での界面剥離(心線下剥離)の有無(及び程度)を観察した。実施例1〜7及び比較例1〜4に係る観察結果を表1及び表2に示す。
比較例1は、従来の型成形により圧縮ゴム層を流動させて複数のコグを形成したため、圧縮ゴム層内にゴムの流動が生じ、コグ部クラックや心線下剥離が生じた。詳細すれば、図5(a)に示すように、圧縮ゴム層5におけるコグ部のベルト外周側1yに凹み5xが生じ、凹み5xに接着ゴム層4が入り込んだ状態となり、更には、心線4aから接着ゴム層4が剥離した状態(心線下剥離)となっていた。また、圧縮ゴム層5と接着ゴム層4との界面において、凹み5xを起点としたクラック5y1が生じていた。圧縮ゴム層5内部においては、流動形状が明確に現れており、複数のシート部材間にクラック5y2,5y3(コグ部クラック)が生じ、複数のシート部材間の剥離が生じていた。
比較例2は比較例1に対して、コグ高さを大きくした例であるが、コグ高さが大きい分、圧縮ゴム層内のゴムの流動も大きくなり、短繊維の配向乱れも増したためか、コグ部クラックや心線下剥離も一段と生じた。
比較例3は比較例1に対して、コグ高さを小さくした例であるが、コグ高さが小さい分、圧縮ゴム層内のゴムの流動も小さくなり、短繊維の配向乱れも減ったためか、心線下剥離は生じなかったが、コグ部クラックは若干生じた。
比較例4は比較例1に対して、短繊維の配合量を少なくした例であるが、コグ部クラックは比較例1と同程度に生じ、より耐側圧性が不足したためか、心線下剥離が一段と生じた。
一方、試験後の実施例1〜7に係るコグ付きVベルトの側面の状態を観察したところ、コグ部クラックや心線下の剥離は一切生じていなかった。
以上、本発明の好適な実施の形態及び実施例について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
・ベルト内周側のみでなく、ベルト外周側にも、複数のコグを設けてよい。
・補強布は、ベルト内周側にも設けてもよく、また、ベルト内周側及びベルト外周側のいずれにも設けなくてもよい。また、補強布を、圧縮ゴム層や伸張ゴム層に埋没させてもよい。ベルト内周側に補強布を設ける場合は、コグ形成工程の後、補強布を公知の手法で圧縮ゴム層の表面に接着してよい。
・短繊維は、伸張ゴム層用未加硫ゴムシートに含まれなくてもよい。また、短繊維は、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシート及び伸張ゴム層用未加硫ゴムシートのいずれにも含まれなくてもよい。
・圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートは、複数のシート部材から構成されることに限定されず、単一のシート部材から構成されてもよい。
・心線を、接着ゴム層に埋没させず、接着ゴム層に接触させるだけでもよい(例えば、未加硫スリーブ形成工程において、心線を、接着ゴム層用未加硫ゴムシートと伸張ゴム層用未加硫ゴムシートとの間に配置し、又は、接着ゴム層用未加硫ゴムシートと圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートとの間に配置してもよい)。また、接着ゴム層を省略してもよい。
・コグ付きVベルトにおけるベルト長手方向と直交する断面は、逆台形形状であることに限定されない。例えば、伸張ゴム層の側面が、ベルト厚み方向と平行であったり、ベルト外周側に向かうにつれてベルト幅が狭くなる方向に傾斜したりしてもよい。
1 コグ付きVベルト
1a コグ
1x ベルト内周側
1y ベルト外周側
3 伸張ゴム層
4a 心線
5 圧縮ゴム層
5x 凹み
5y1〜5y3 クラック

Claims (5)

  1. ベルト幅方向にそれぞれ延在しかつベルト長手方向に互いに離隔して配置された複数のコグがベルト内周側に設けられたコグ付きVベルトの製造方法において、
    前記ベルト内周側に配置される圧縮ゴム層となる圧縮ゴム層用未加硫ゴムシート及びベルト外周側に配置される伸張ゴム層となる伸張ゴム層用未加硫ゴムシートを少なくとも含む複数の未加硫ゴムシートを積層し、未加硫スリーブを形成する未加硫スリーブ形成工程と、
    前記未加硫スリーブ形成工程の後、前記未加硫スリーブを加硫して加硫スリーブを形成する加硫スリーブ形成工程と、
    前記加硫スリーブ形成工程の後、前記圧縮ゴム層に前記複数のコグを形成するコグ形成工程と、
    を備えたことを特徴とする、コグ付きVベルトの製造方法。
  2. 前記未加硫スリーブ形成工程において積層される、前記圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートは、前記ベルト幅方向に配向した短繊維を含むことを特徴とする、請求項1に記載のコグ付きVベルトの製造方法。
  3. 前記未加硫スリーブ形成工程において、それぞれ前記短繊維を含むと共に互いに積層された複数のシート部材を前記圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートとして用いることを特徴とする、請求項2に記載のコグ付きVベルトの製造方法。
  4. 前記未加硫スリーブ形成工程において、前記圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートと前記伸張ゴム層用未加硫ゴムシートとの間に、接着ゴム層となる接着ゴム層用未加硫ゴムシートを配置することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコグ付きVベルトの製造方法。
  5. 前記未加硫スリーブ形成工程において、前記ベルト長手方向に延在する心線を、前記接着ゴム層用未加硫ゴムシートの中に配置することを特徴とする、請求項4に記載のコグ付きVベルトの製造方法。
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