JP2018096538A - 摩擦伝動ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】屈曲性の低下を抑えつつ、厳しい屈曲条件で使用してもベルト内周側の亀裂を防止できる摩擦伝動ベルトを提供する。【解決手段】摩擦伝動ベルト1は、ゴム層4と、ゴム層4に埋設された心線5と、心線5のベルト内周側において、ゴム層4に埋設された補強シート6と、を備えるベルト本体2を有する。ベルト本体2の内周面は、ゴム層4で形成されており、外部に露出するかもしくはカバーシート3で覆われている。心線5の中心からベルト本体2の内周面までのベルト厚み方向の最大長さL1に対して、心線5の中心から補強シート6までのベルト厚み方向の最大長さL2の割合が、70%以上98%以下である。補強シート6は、高強度繊維の繊維束が交差して配置された構造を有し、且つ、織り構造または編み構造を有する高強度繊維シート10で構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、ベルト周方向に直交する断面がV字状で、ベルト幅方向の両側に摩擦伝動面を有する摩擦伝動ベルトに関する。
断面V字状で、摩擦伝動により動力を伝達する摩擦伝動ベルトには、ベルト幅方向の両側の摩擦伝動面が露出したゴム層であるローエッジ(Raw-Edge)Vベルトと、摩擦伝動面がカバーシートで覆われたラップド(Wrapped)Vベルトとがあり、摩擦伝動面の表面性状(摩擦係数)の違いから用途に応じて使い分けられている。これらの摩擦伝動ベルトは、自動車及び産業機械等の幅広い分野で使用されている。
摩擦伝動ベルトは、プーリの小径化や機能の多様化による従動軸の増加により、屈曲角度や屈曲箇所の数などの屈曲条件が厳しくなっている。そのため、摩擦伝動ベルトの耐屈曲性の向上が要求されている。従来、この要求を満足するために種々の方法が提案されている。例えば、曲げ応力を小さくするために断面寸法の厚みを薄くしたり、ベルトの内周側に複数のコグを設けたりしている。また、特許文献1では、摩擦伝動ベルトの内周側の亀裂を防止するため、ベルトの内周面の近傍に、2つの斜すだれコードをコードが交差するよう埋設している。この斜すだれコードの材質としては、6ナイロンが記載されている。
特公昭59−7859号公報
ところで、例えば大型農業機械等では、断面積の大きい摩擦伝動ベルトが使用されている。大型農業機械のベルト機構は、高負荷および高張力で、長時間連続稼動される。また、大型農業機械のベルト機構は、多軸レイアウトが多い。そのため、車両または一般産業用の機械などのベルト機構に比べて、ベルトの屈曲条件がより厳しく、ベルト内周側に亀裂が生じやすい。
また、大型農業機械は、ベルトテンションクラッチ機構を備えていることが多い。ベルトテンションクラッチ機構は、位置を切り換え可能なテンションプーリを有しており、このテンションプーリを摩擦伝動ベルトの外周面に接触させて張力を付与することで動力を伝達し、テンションプーリを摩擦伝動ベルトの外周面から離して張力を付与しないことで動力の伝達を遮断する。動力伝達時、摩擦伝動ベルトは、テンションプーリによって逆曲げ状態となる。その上、大型農業機械のベルトテンションクラッチ機構では、テンションプーリに対するベルトの接触角度(巻き掛け角度)が大きい。そのため、大型農業機械のベルトテンションクラッチ機構では、ベルトの屈曲条件がより一層厳しく、ベルト内周側に亀裂がより生じやすい。
また、大型のコンプレッサー、クラッシャー、発電機、ポンプなどに用いられるベルト機構は、大型農業機械のベルト機構と使用条件が近いため、これらのベルト機構も、ベルトの屈曲条件が厳しく、ベルト内周側に亀裂が生じやすい。
このような特に厳しい屈曲条件で使用される大型の摩擦伝動ベルトの亀裂を防止するため、特許文献1の技術を適用することが考えられる。しかしながら、特許文献1の摩擦伝動ベルトは、自動車や一般産業用の機械に用いられる小型の摩擦伝動ベルトであり、大型農業機械のような高負荷および高張力での使用を想定していない。そのため、特許文献1の摩擦伝動ベルトの構造を大型の摩擦伝動ベルトに適用しても、ベルト内周側の亀裂を抑えることができない。
本発明は、屈曲性の低下を抑えつつ、厳しい屈曲条件で使用してもベルト内周側の亀裂を防止できる摩擦伝動ベルトを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の摩擦伝動ベルトは、ベルト周方向に直交する断面がV字状で、ベルト幅方向の両側に摩擦伝動面を有する環状の摩擦伝動ベルトであって、ゴム層と、前記ゴム層に埋設された心線と、前記心線のベルト内周側において、前記ゴム層に埋設された補強シートと、を備えるベルト本体を有し、前記ベルト本体の内周面は、前記ゴム層で形成されており、外部に露出するかもしくはカバーシートで覆われており、前記心線の中心から前記ベルト本体の内周面までのベルト厚み方向の最大長さに対して、前記心線の中心から前記補強シートまでのベルト厚み方向の最大長さの割合が、70%以上98%以下であり、前記補強シートが、高強度繊維の繊維束が交差して配置された構造を有し、且つ、織り構造または編み構造を有する高強度繊維シートで構成されることを特徴とする。
この構成によると、ベルト本体の内周面の近傍に、高強度繊維シートからなる補強シートが埋設されている。高強度繊維シートは、高強度繊維の繊維束が交差して配置された構造を有する。そのため、補強シートを構成する高強度繊維の繊維束の少なくとも一部は、ベルト周方向に平行、または、ベルト周方向に対して傾斜して配置される。したがって、摩擦伝動ベルトを、大型農業機械のベルト機構のように厳しい屈曲条件で使用しても、ベルト本体の内周面における亀裂の発生を防止できる。また、たとえベルト本体の内周面に亀裂が生じても、補強シートによって亀裂の伝播を阻止できる。また、補強シートは、高強度繊維で構成されるため、厚みが薄くて済む。そのため、補強シートが埋設されても、摩擦伝動ベルトの屈曲性の低下を抑えることができる。このように、本発明の摩擦伝動ベルトは、屈曲性の低下を抑えつつ、厳しい屈曲条件で使用してもベルト内周側の亀裂を防止できる。
本発明の摩擦伝動ベルトにおいて、前記カバーシートが、前記ベルト本体の全周を覆っており、且つ、前記高強度繊維シートで構成されることが好ましい。
この構成によると、ベルト本体の内周面が、高強度繊維シートからなるカバーシートで覆われている。そのため、ベルト本体の内周面での亀裂の発生をより確実に防止できる。
また、摩擦伝動ベルトの摩擦伝動面が綿等の従来のカバーシートで構成される場合、特に、大型農業機械等のように高負荷及び高張力の条件で使用されると、摩擦伝動面が摩耗しやすい。しかし、本発明の摩擦伝動ベルトの摩擦伝動面は、高強度繊維シートのカバーシートで構成されるため、摩擦伝動面の摩耗を抑制できる。
本発明の摩擦伝動ベルトにおいて、前記補強シートは、前記繊維束の交差する2方向が、ベルト周方向に対して傾斜した方向となるように配置されることが好ましい。
この構成によると、ベルト本体に埋設される補強シートを構成する繊維束は、ベルト周方向に対して傾斜して配置されるため、補強シートを構成する繊維束の一部がベルト周方向と平行に配置される場合に比べて、摩擦伝動ベルトの屈曲性を高めることができる。
本発明の摩擦伝動ベルトにおいて、前記補強シートは、前記繊維束の交差する2方向が、ベルト周方向とベルト幅方向となるように配置されていてもよい。
この構成によると、ベルト本体に埋設される補強シートを構成する繊維束は、ベルト周方向とベルト幅方向に沿って配置されるため、補強シートを構成する繊維束がベルト周方向に対して傾斜して配置される場合に比べて、摩擦伝動ベルトのベルト周方向とベルト幅方向の剛性を高めることができる。
本発明の摩擦伝動ベルトにおいて、前記カバーシートは、前記繊維束の交差する2方向が、ベルト周方向に対して傾斜した方向となるように配置されることが好ましい。
この構成によると、ベルト本体の全周を覆うカバーシートを構成する繊維束は、ベルト周方向に対して傾斜して配置されるため、カバーシートを構成する繊維束の一部がベルト周方向と平行に配置される場合に比べて、摩擦伝動ベルトの屈曲性を高めることができる。
本発明の摩擦伝動ベルトにおいて、前記カバーシートは、前記繊維束の交差する2方向が、ベルト周方向と前記ベルト周方向に直交する方向となるように配置されてもよい。
この構成によると、ベルト本体の全周を覆うカバーシートを構成する繊維束の一部は、ベルト周方向に沿って配置されるため、摩擦伝動ベルトのベルト周方向の剛性を高めることができる。また、カバーシートを構成する繊維束の一部は、ベルト本体の内周面上と外周面上において、ベルト幅方向に沿っているため、摩擦伝動ベルトのベルト幅方向の剛性を高めることができる。
本発明の摩擦伝動ベルトは、ベルト幅方向の最大長さが、12〜70mmであって、ベルト厚さが、5〜26mmであることが好ましい。
本発明の摩擦伝動ベルトにおいて、前記高強度繊維シートは、前記繊維束の交差する2方向の引張強度が、2000N/mm2以上であることが好ましい。
本発明の摩擦伝動ベルトにおいて、前記補強シートおよび前記カバーシートの少なくとも一方の前記高強度繊維シートは、アラミド繊維、および、カーボン繊維の少なくとも一方を含むことが好ましい。
本発明の摩擦伝動ベルトにおいて、前記高強度繊維シートは、アラミド繊維の繊維束が交差して配置された構造である場合、目付量が90〜870g/m2であり、カーボン繊維の繊維束が交差して配置された構造である場合、目付量が200〜300g/m2であることが好ましい。
本発明の摩擦伝動ベルトにおいて、前記高強度繊維シートは、アラミド繊維の繊維束が交差して配置された構造である場合、厚みが0.03〜0.24mmであり、カーボン繊維の繊維束が交差して配置された構造である場合、厚みが0.05〜0.09mmであることが好ましい。
本発明の摩擦伝動ベルトにおいて、前記補強シートおよび前記カバーシートの少なくとも一方の前記高強度繊維シートは、前記ゴム層との接着性を高める接着処理が施されていることが好ましい。
この構成によると、接着処理が施された補強シートまたはカバーシートのゴム層からの剥離を防止できる。
本発明の実施形態に係る摩擦伝動ベルトの断面図である。 高強度繊維シートの平面図である。 摩擦伝動ベルトの製造手順を説明する斜視図である。 摩擦伝動ベルトの製造途中の断面図である。 摩擦伝動ベルトの他の製造手順を説明する斜視図である。 摩擦伝動ベルトの使用例を説明する図である。 変更例の高強度繊維シートの平面図である。 本発明の他の実施形態に係る摩擦伝動ベルトの断面斜視図である。 耐衝撃性試験で使用した大型動力伝達装置の模式図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態の摩擦伝動ベルト1は、例えば、大型農業機械の変速機構や、大型のコンプレッサー、粉砕機、発電機、ポンプなどに使用される。但し、本発明の摩擦伝動ベルトは、上記以外の産業機械や車両にも適用可能である。図1に示すように、摩擦伝動ベルト1は、V字状の溝101(以下、V溝101という)を有するプーリ100に巻き掛けられて使用される。
摩擦伝動ベルト1は、環状であって、少なくとも2つのプーリ100(駆動プーリと従動プーリ)に巻き掛けられて使用される。以下の説明において、ベルト周方向、ベルト幅方向、ベルト厚み方向、ベルト外周側、ベルト内周側とは、図1に示す方向のことである。摩擦伝動ベルト1は、ベルト周方向に直交する断面の形状がV字状であって、プーリ100のV溝101に挟持されて使用される。摩擦伝動ベルト1は、ベルト幅方向の両側に摩擦伝動面1a、1bを有する。摩擦伝動面1a、1bは、プーリ100のV溝101と接触する。この接触による摩擦力によって、摩擦伝動ベルト1とプーリ100との間で動力が伝達される。摩擦伝動ベルト1のベルト幅方向の最大長さは、例えば12〜70mmである。摩擦伝動ベルト1の後述する効果を考慮すると、20〜70mmがより有効であり、30〜70mmが更に有効である。摩擦伝動ベルト1のベルト厚さは、例えば5〜26mmである。摩擦伝動ベルト1の後述する効果を考慮すると、11〜26mmがより有効であり、18〜26mmが更に有効である。
摩擦伝動ベルト1は、ラップドVベルトであって、ベルト本体2と、ベルト本体2の全周を覆うカバーシート3とを有する。ベルト本体2は、ゴム層4と、ゴム層4に埋設された心線5と、ゴム層4に埋設された補強シート6とを有する。ベルト本体2の内周面および外周面は、ゴム層4で形成されている。
ゴム層4は、心線5が埋設された接着ゴム層7と、補強シート6が埋設された圧縮ゴム層8と、伸張ゴム層9とを有する。圧縮ゴム層8は、接着ゴム層7のベルト内周側に設けられる。圧縮ゴム層8は、プーリ100に巻き掛けて走行させた際に、ベルト周方向に圧縮される。伸張ゴム層9は、接着ゴム層7のベルト外周側に設けられる。伸張ゴム層9は、プーリ100に巻き掛けて走行させた際にベルト周方向に伸張される。圧縮ゴム層8の厚みは、伸張ゴム層9の厚みよりも大きい。図1では、心線5全体が接着ゴム層7に埋設されているが、心線5の一部(例えばベルト内周側の部分)だけが接着ゴム層7に埋設されていてもよい。補強シート6は、心線5のベルト内周側に埋設されている。つまり、補強シート6は、圧縮ゴム層8に埋設されている。補強シート6は、ベルト本体2の内周面の近傍に埋設されている。心線5の中心からベルト本体2の内周面までのベルト厚み方向の最大長さをL1とする。心線5の中心から補強シート6までのベルト厚み方向の最大長さをL2とする。長さL1に対する長さL2の割合は、70%以上98%以下である。
接着ゴム層7、圧縮ゴム層8、および伸張ゴム層9は、ゴム組成物で構成される。接着ゴム層7を構成するゴム組成物は、圧縮ゴム層8を構成するゴム組成物、および、伸張ゴム層9を構成するゴム組成物と異なる。接着ゴム層7を構成するゴム組成物は、圧縮ゴム層8を構成するゴム組成物および伸張ゴム層9を構成するゴム組成物に比べて、心線5および補強シート6に対する接着性が高い。伸張ゴム層9を構成するゴム組成物と、圧縮ゴム層8を構成するゴム組成物は、同じであっても異なっていてもよい。
ゴム組成物のゴム成分としては、加硫又は架橋可能なゴムが用いられる。具体的には、例えば、ジエン系ゴム(天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム等)、エチレン−α−オレフィンエラストマー、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素化ゴム等が挙げられる。これらのゴム成分は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ゴム組成物には、必要に応じて、加硫剤又は架橋剤、共架橋剤、加硫助剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、金属酸化物(酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化鉄、酸化銅、酸化チタン、酸化アルミニウム等)、増強剤(カーボンブラック、含水シリカ等の酸化ケイ素等)、短繊維、充填剤(クレー、炭酸カルシウム、タルク、マイカ等)、軟化剤(パラフィンオイル、ナフテン系オイル等のオイル類等)、加工剤又は加工助剤(ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、ワックス、パラフィン等)、老化防止剤(酸化防止剤、熱老化防止剤、屈曲亀裂防止剤、オゾン劣化防止剤等)、着色剤、粘着付与剤、可塑剤、カップリング剤(シランカップリング剤等)、安定剤(紫外線吸収剤、熱安定剤等)、難燃剤、帯電防止剤等を配合してよい。なお、金属酸化物は架橋剤として配合してもよい。
伸張ゴム層9および圧縮ゴム層8を構成するゴム組成物は、短繊維を含んでいてもよい。接着ゴム層7を構成するゴム組成物は、短繊維を含まない。
心線5は、ベルト周方向に延びており、ベルト幅方向に一定の間隔を開けて埋設されている。心線5は、マルチフィラメント糸を使用した撚りコード(諸撚り、片撚り、ランク撚り等)からなる。心線5の材質は、例えば、アラミド繊維等の合成繊維、または、カーボン繊維等の無機繊維である。心線5は、接着ゴム層7との接着性を高める目的で、RFL液等による接着処理が施されていてもよい。
図2に示すように、補強シート6とカバーシート3は、同じ高強度繊維シート10で構成されている。高強度繊維シート10は、複数の第1繊維束10aと、第1繊維束10aに直交する複数の第2繊維束10bとで織られている。
補強シート6の第1繊維束10aと第2繊維束10bは、ベルト周方向に対して傾斜している。また、カバーシート3の第1繊維束10aと第2繊維束10bも、ベルト周方向に対して傾斜している。例えば、第1繊維束10aは、ベルト周方向に対して45°傾斜する。
なお、補強シート6の第1繊維束10aと第2繊維束10bは、ベルト周方向とベルト幅方向にそれぞれ沿っていてもよい。また、カバーシート3の第1繊維束10aと第2繊維束10bは、ベルト周方向と、ベルト周方向に直交する方向にそれぞれ沿っていてもよい。これらの場合、第1繊維束10aの方向は、ベルト周方向と厳密に平行でなくてもよい。第1繊維束10aは、ベルト周方向に対して2°程度傾いていてもよい。また、第2繊維束10bは、ベルト幅方向に対して2°程度傾いていてもよい。本発明において、繊維束の2方向がベルト周方向とベルト幅方向であるとは、ベルト周方向およびベルト幅方向に対してそれぞれ2°程度傾いている場合も含む。
繊維束10a、10bは、例えば、アラミド繊維、カーボン繊維などの高強度繊維で構成されている。第1繊維束10aと第2繊維束10bを構成する繊維は、同じであっても異なっていてもよい。各繊維束は、複数のフィラメント(長繊維)を引き揃えた構成である。第1繊維束10aの配向方向および第2繊維束10bの配向方向の引張強度は、例えば2000N/mm2以上が好ましい。第1繊維束10aと第2繊維束10bの両方がアラミド繊維で構成される場合、例えば2060N/mm2以上であり、第1繊維束10aと第2繊維束10bの両方がカーボン繊維で構成される場合、例えば2900N/mm2以上である。高強度繊維シート10の目付量は、第1繊維束10aと第2繊維束10bの両方がアラミド繊維で構成される場合、例えば90〜870g/m2であり、第1繊維束10aと第2繊維束10bの両方がカーボン繊維で構成される場合、例えば200〜300g/m2である。高強度繊維シート10の厚みは、第1繊維束10aと第2繊維束10bの両方がアラミド繊維で構成される場合、例えば0.03〜0.24mmであって、第1繊維束10aと第2繊維束10bの両方がカーボン繊維で構成される場合、例えば0.05〜0.09mmである。
補強シート6を構成する高強度繊維シート10は、ゴム層4(圧縮ゴム層8)との接着性を高めるための接着処理が施されていてもよい。カバーシート3を構成する高強度繊維シート10は、ゴム層4との接着性を高めるための接着処理が施されていてもよい。
接着処理としては、高強度繊維シート10または高強度繊維シート10を構成する繊維を、RFL液に浸漬させるRFL処理、または、樹脂溶液に浸漬させる含浸樹脂処理であってもよい。RFL液は、レゾルシンとホルマリンとの初期縮合物をラテックスに混合したものであり、ここで使用するラテックスとしてはスチレン・ブタジエン・ピリジン三元共重合体、水素化ニトリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンなどのラテックスである。含浸樹脂処理に用いる樹脂溶液は、例えば、イソシアネート溶液またはエポキシ溶液である。含浸樹脂処理の後、RFL液処理を用いた接着処理を行ってもよい。
また、接着処理として、未加硫のゴム組成物を溶剤に溶かしてゴム糊状にしたものを高強度繊維シート10の表面に塗布した後、溶剤を蒸発させて高強度繊維シート10の表面に未加硫ゴム組成物の膜を形成するゴム糊処理を行ってもよい。ゴム糊処理は、RFL処理または含浸樹脂処理の後で行ってもよい。
また、接着処理として、フリクション処理を行ってもよい。フリクション処理は、カレンダーロールを用い、互いに異なる表面速度で回転するロール間に未加硫のゴム組成物とカバーシート3とを同時に通過させることで、カバーシート3の繊維間にまで未加硫のゴム組成物を擦り込む処理である。
次に、摩擦伝動ベルト1の製造手順について図3および図4を用いて説明する。
まず、図3に示すように、円柱状の成形ドラムMに、圧縮ゴム層8の一部を構成する未加硫ゴムシート118Aを巻き付ける。次に、高強度繊維シート10の長尺の帯状体116を用意する。帯状体116は、補強シート6となる。帯状体116には、周囲のゴム層と接着力を高めるため、RFL処理、含浸樹脂処理、ゴム糊処理などの接着処理を施してもよい。帯状体116の幅は、未加硫ゴムシート118Aで形成されたスリーブ(筒状体)の全幅よりも小さい。帯状体116の幅は、摩擦伝動ベルト1のベルト幅より大きくても小さくてもよい。この帯状体116を、帯状体116の幅と同じピッチで螺旋状に巻き付ける。つまり、隣り合う帯状体116が重ならないように巻き付ける。帯状体116の第1繊維束10aの方向が、帯状体116の長手方向に一致する場合、補強シート6の第1繊維束10aの方向は、ベルト周方向とほぼ平行となる。帯状体116の第1繊維束10aの方向が、帯状体116の長手方向に対して傾斜する場合、補強シート6の第1繊維束10aの方向は、ベルト周方向に対して傾斜した方向となる。
続いて、圧縮ゴム層8の残りの部分を構成する未加硫ゴムシート118B(図4参照)を巻き付けてから、接着ゴム層7の一部を構成する未加硫ゴムシート117A(図4参照)を巻き付ける。その後、1本の心線5を螺旋状に巻き付ける。もしくは、複数本の心線5を所定の間隔を空けて巻き付ける。次に、接着ゴム層7の残りの部分を構成する未加硫ゴムシート117B(図4参照)を巻き付けてから、伸張ゴム層9を構成する未加硫ゴムシート119(図4参照)を巻き付けて未加硫ベルトスリーブを形成する。
次に、未加硫ベルトスリーブを所定幅に切断すると共に、断面がV字状になるように切断して、未加硫状態のベルト本体2に加工する。その後、フリクション処理等の接着処理が施されたカバーシート3でベルト本体2を覆い未加硫ベルトを形成する。そして、この未加硫ベルトを成形金型に嵌合して加熱加圧して未加硫ゴムを加硫(または架橋)する。以上により、摩擦伝動ベルト1が形成される。
なお、上記の製造手順では、摩擦伝動ベルト1の内周側の構成要素から順に成形ドラムMに巻き付けているが、摩擦伝動ベルト1の外周側の構成要素から順に成形ドラムMに巻き付けてもよい。
また、上記の製造手順では、補強シート6を構成する帯状体116を螺旋状に巻き付けているが、図5に示すように、未加硫ゴムシート119で形成されたスリーブの全幅と同じ幅を有する補強シート6を巻き付けてもよい。
本実施形態の摩擦伝動ベルト1によると以下の効果が得られる。
ベルト本体2の内周面の近傍に、高強度繊維シート10からなる補強シート6が埋設されている。高強度繊維シート10は、高強度繊維の繊維束10a、10bが交差して配置された構造を有する。そのため、補強シート6を構成する繊維束10a、10bの少なくとも一部は、ベルト周方向に平行、または、ベルト周方向に対して傾斜して配置される。したがって、摩擦伝動ベルト1を、大型農業機械のベルト機構のように厳しい屈曲条件で使用しても、ベルト本体2の内周面における亀裂の発生を防止できる。また、たとえベルト本体2の内周面に亀裂が生じても、補強シート6によって亀裂の伝播を阻止できる。また、補強シート6は、高強度繊維で構成されるため、厚みが薄くて済む。そのため、補強シート6が埋設されても、摩擦伝動ベルト1の屈曲性の低下を抑えることができる。このように、摩擦伝動ベルト1は、屈曲性の低下を抑えつつ、厳しい屈曲条件で使用してもベルト内周側の亀裂を防止できる。
また、ベルト本体2の内周面が、高強度繊維シート10からなるカバーシート3で覆われている。そのため、ベルト本体2の内周面での亀裂の発生をより確実に防止できる。
上述したように、補強シート6を構成する繊維束10a、10bの少なくとも一部は、ベルト周方向に平行、または、ベルト周方向に対して傾斜して配置される。そのため、摩擦伝動ベルト1のベルト周方向の剛性を高めることができる。
図6(a)は、ベルトテンションクラッチ機構の模式図である。ベルトテンションクラッチ機構は、摩擦伝動ベルト1に張力を付与する位置と張力を付与しない位置にわたって移動可能なテンションプーリ103を有する。テンションプーリ103が、摩擦伝動ベルトに張力を付与するときに、摩擦伝動ベルト1が動力を伝達し、テンションプーリ103が摩擦伝動ベルト1に張力を付与しないときは、摩擦伝動ベルト1が動力を伝達しない。動力伝達時、摩擦伝動ベルト1は逆曲げ状態となる。大型農業機械のベルトテンションクラッチ機構では、テンションプーリ103に対するベルトの接触角度(巻き掛け角度)θが大きく、屈曲疲労が大きくなりやすい。また、テンションプーリ103の位置の切り換えは、駆動プーリが回転した状態で行われる。そのため、テンションプーリ103によって張力を付与する際、摩擦伝動ベルト1は強い衝撃を受ける。ベルト周方向の剛性が低い従来の摩擦伝動ベルトをベルトテンションクラッチ機構に用いると、摩擦伝動ベルトが早期に破断する恐れがある。一方、本実施形態の摩擦伝動ベルト1は、ベルト周方向の剛性が高いため、強い衝撃を受けても衝撃力を分散することができ、耐久性を向上できる。
また、補強シート6を構成する繊維束10a、10bの少なくとも一部は、ベルト本体2の内周面上および外周面上において、ベルト幅方向に平行、または、ベルト幅方向に対して傾斜して配置される。そのため、摩擦伝動ベルト1のベルト幅方向の剛性を高めることができる。
ベルト幅方向の剛性(耐側圧性)を高めることで、高負荷や高張力で使用しても、摩擦伝動ベルト1がV溝101に落ち込むように座屈変形するのを防止できる。座屈変形が生じた場合、ベルト内部にせん断応力が発生する。特に、力学特性に差がある界面にせん断応力が集中しやすく、界面剥離が生じる。本実施形態では、座屈変形を防止することで、せん断応力による界面剥離を抑制できる。
摩擦伝動ベルトの摩擦伝動面が綿等の従来のカバー布で構成される場合、大型農業機械等のように高負荷及び高張力の条件で使用されると、摩擦伝動面が摩耗しやすい。特に、摩擦伝動ベルトがV溝に落ち込むように座屈変形した場合には、摩擦伝動面の一部が局所的に大きく摩耗する。また、例えば図6(b)に示すように、プーリ100間の距離が長い場合、ベルト走行時に、摩擦伝動ベルト1の振れが大きくなりやすい。振れが大きいと、摩擦伝動面がより摩耗しやすい。
しかし、本実施形態の摩擦伝動ベルト1の摩擦伝動面1a、1bは、高強度繊維シート10のカバーシート3で構成されるため、たとえベルトの振れが大きくても、摩擦伝動面1a、1bの摩耗を抑制できる。また、上述したように、ベルト幅方向の剛性を高めたことで座屈変形を防止できるため、摩擦伝動面1a、1bの局所的な摩耗を防止できる。
ベルト本体2の全周が、高強度繊維シート10からなるカバーシート3で覆われている。カバーシート3を構成する高強度繊維の繊維束10a、10bの少なくとも一部は、ベルト周方向に平行、または、ベルト周方向に対して傾斜して配置される。そのため、摩擦伝動ベルト1のベルト周方向の剛性を高めることができる。
また、カバーシート3を構成する繊維束10a、10bは、ベルト本体2の内周面上と外周面上において、ベルト幅方向に平行、または、ベルト幅方向に対して傾斜して配置される。そのため、摩擦伝動ベルト1のベルト幅方向の剛性を高めることができる。
ベルト本体2に埋設される補強シート6を構成する繊維束10a、10bが、ベルト周方向に対して傾斜して配置される場合、補強シート6を構成する繊維束の一部がベルト周方向と平行に配置される場合に比べて、摩擦伝動ベルト1の屈曲性を高めることができる。
一方、ベルト本体2に埋設される補強シート6を構成する繊維束10a、10bが、ベルト周方向とベルト幅方向に沿って配置される場合、補強シート6を構成する繊維束がベルト周方向に対して傾斜して配置される場合に比べて、摩擦伝動ベルト1のベルト周方向とベルト幅方向の剛性をより高めることができる。
ベルト本体2の全周を覆うカバーシート3を構成する繊維束10a、10bは、ベルト周方向に対して傾斜して配置される場合、カバーシート3を構成する繊維束の一部がベルト周方向と平行に配置される場合に比べて、摩擦伝動ベルト1の屈曲性を高めることができる。
一方、ベルト本体2の全周を覆うカバーシート3を構成する繊維束10a、10bが、ベルト周方向と、ベルト周方向に直交する方向に沿って配置される場合には、カバーシート3を構成する繊維束がベルト周方向に対して傾斜して配置される場合に比べて、摩擦伝動ベルト1のベルト周方向とベルト幅方向の剛性をより高めることができる。
補強シート6およびカバーシート3は、ゴム層4との接着性を高める接着処理が施されている。
そのため、補強シート6およびカバーシート3のゴム層4からの剥離を防止できる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。
上記実施形態では、補強シート6とカバーシート3は、同じ高強度繊維シート10で構成されている。しかし、補強シート6を構成する高強度繊維シート10の材質は、カバーシート3を構成する高強度繊維シート10の材質と異なっていてもよい。また、補強シート6を構成する高強度繊維シート10の構造は、カバーシート3を構成する高強度繊維シート10の構造と異なっていてもよい。
上記実施形態では、補強シート6およびカバーシート3は、それぞれ、1層のみ配置されているが、2層以上に積層されて配置されていてもよい。補強シート6を2層以上重ねる場合、各補強シート6について、長さL1に対する長さL2の割合が70%以上98%以下という条件を満たす。補強シート6を2層以上重ねる場合、補強シート6の間にゴム層が介在していてもよい。帯状体116(図3参照)を用いて補強シート6が2層以上積層された摩擦伝動ベルトを製造する場合、帯状体116の幅のピッチで帯状体116を螺旋状に巻き付けた後、その上から別の帯状体116を帯状体116の幅のピッチで螺旋状に巻き付ける。このとき、帯状体116の端が重ならないようにする。それにより、帯状体116の位置ずれを防止できる。
上記実施形態の高強度繊維シート10は、直交するように配置された繊維束で織られているが、本発明の高強度繊維シートは、直角以外の角度で交差する繊維束で織られていてもよい。
本発明の高強度繊維シートは、高強度繊維の繊維束が交差するように、高強度繊維の繊維束によって編まれていてもよい。繊維束が交差する角度は、直角であってもなくてもよい。
本発明の高強度繊維シートは、例えば図7(a)に示す高強度繊維シート210のように、高強度繊維の繊維束210a、210bが交差(図7(a)では直交)して配置された構造を有するように、繊維束210a、210bと補助糸206c、206dとによって織られていてもよい。
複数の第1繊維束210aは、全体が、複数の第2繊維束210bの図中の裏面に配置されている。第1補助糸210cは、第1繊維束210aの間に、第1繊維束210aと平行に配置されている。第2補助糸210dは、第2繊維束210bの間に、第2繊維束210bと平行に配置されている。第1補助糸210cおよび第2補助糸210dによって、第1繊維束210aおよび第2繊維束210bは交差する状態で保持されている。補助糸210c、210dは、例えばマルチフィラメント糸である。補助糸は、高強度繊維で形成されている。第1補助糸210cと第2補助糸210dは、同じ繊維で形成されていてもよく、異なる繊維で形成されていてもよい。補助糸210c、210dは、第1繊維束210aおよび第2繊維束210bの少なくとも一方と同じ繊維で形成されていてもよく、繊維束210a、210bと異なる繊維で形成されていてもよい。
本発明の高強度繊維シートは、例えば図7(b)に示す高強度繊維シート310のように、高強度繊維の繊維束310a、310bが交差(図7(b)では直交)して配置された構造を有し、且つ、編み構造を有していてもよい。
複数の第1繊維束310aは、全体が、複数の第2繊維束310bの図中の裏面に配置されている。高強度繊維シート310は、第1補助糸310cと第2補助糸310dを有する。第1補助糸310cおよび第2補助糸310dは、第1繊維束310aと第2繊維束310bの間を通って編まれている。第1補助糸310cおよび第2補助糸310dによって、第1繊維束310aおよび第2繊維束310bは交差する状態で保持されている。補助糸310c、310dは、例えばマルチフィラメント糸である。補助糸310c、310dは、高強度繊維で形成されている。第1補助糸310cと第2補助糸310dは、同じ繊維で形成されていてもよく、異なる繊維で形成されていてもよい。補助糸310c、310dは、第1繊維束310aおよび第2繊維束310bの少なくとも一方と同じ繊維で形成されていてもよく、繊維束310a、310bと異なる繊維で形成されていてもよい。
本発明の摩擦伝動ベルトは、ベルト本体のベルト幅方向の両側面がカバーシートで覆われていないローエッジVベルトであってもよい。この場合、カバーシートは全く設けられていなくてもよく、ベルト本体の外周面および内周面の少なくとも一方がカバーシートで覆われていてもよい。ベルト本体の内周面を覆うカバーシートは、高強度繊維シートであってもなくてもよい。ベルト本体の外周面を覆うカバーシートは、高強度繊維シートであってもなくてもよい。
本発明の摩擦伝動ベルトは、ベルト内周面およびベルト外周面の少なくとも一方に、ベルト周方向に配列された複数のコグを有するコグベルトであってもよい。その一例を図8に示す。図8に示すコグベルト401は、ベルト本体402だけで構成され、ベルト本体402を覆うカバーシートを有さない。ベルト本体402の内周面は、複数のコグ402aを有し、凹凸状である。ベルト本体402は、ベルト本体402の内周面の凹凸に沿って圧縮ゴム層408に埋設された補強シート406を有する。補強シート406は、高強度繊維シート10で構成される。心線5の中心からベルト本体2の内周面までの最大長さL41に対する心線5の中心から補強シート6までの最大長さL42の割合は、上記実施形態と同じく、70%以上98%以下である。コグ402aの成形は、一般的なコグベルトと同様に、未加硫のベルトスリーブまたは未加硫のベルト本体402を、凹凸が形成された成形母型(金型またはゴム型)に嵌合することで行う。なお、コグベルトのベルト本体の内周面および外周面の少なくとも一方は、カバーシートで覆われていてもよい。このカバーシートは、高強度繊維シートであってもなくてもよい。
補強シート6を形成する高強度繊維シート10に、RFL処理、含浸樹脂処理、ゴム糊処理などの接着処理を施した場合、長さL1と長さL2の上述した条件を満たせば、ゴムシート118A(図4参照)を成形ドラムMに巻き付けなくてもよい。
上記実施形態では、補強シート6のベルト厚み方向の両側が、同じゴム組成物で形成されているが、異なるゴム組成物で形成されていてもよい。つまり、図4中のゴムシート118Aとゴムシート118Bの組成が、異なっていてもよい。
上記実施形態では、ゴム層4は、圧縮ゴム層8と伸張ゴム層9との間に、接着ゴム層7を有しているが、接着ゴム層7は無くてもよい。この場合、ゴム層4は、圧縮ゴム層8と、圧縮ゴム層8のゴム組成物と異なるゴム組成物で構成された伸張ゴム層9とによって構成されていることが好ましい。そして、心線5は、圧縮ゴム層8に埋設されてもよく、伸張ゴム層9に埋設されてもよく、圧縮ゴム層8と伸張ゴム層9との間に埋設されてもよい。また、ゴム層4は、1種類のゴム組成物で構成されていてもよい。
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
実施例1〜8および比較例1〜3の摩擦伝動ベルトのベルト本体のゴム層を形成する未加硫ゴムシートとして、下記表1に示すゴム組成物1〜3の未加硫ゴムシートを作成した。
Figure 2018096538
表1中の配合物の詳細は、以下の通りである。
・クロロプレンゴム:DENKA(株)製「PM−40」
・酸化マグネシウム:協和化学工業(株)製「キョーワマグ30」
・ステアリン酸:日油(株)製「ステアリン酸つばき」
・老化防止剤:精工化学(株)製「ノンフレックスOD−3」
・カーボンブラック:東海カーボン(株)製「シースト3」
・可塑剤:ADEKA(株)製「RS−700」
・加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーTT」
・酸化亜鉛:正同化学工業(株)製「酸化亜鉛3種」
ゴム組成物1〜3の未加硫ゴムシートを用いて、上記実施形態の摩擦伝動ベルト1と同様の手順で、表2に示す構成の実施例1〜8および比較例1〜3の摩擦伝動ベルトを作成した。実施例1〜8および比較例1〜3の摩擦伝動ベルトは、周長が120インチで、ベルト形式がC形のVベルトである。なお、表2中のL2/L1は、心線の中心からベルト本体の内周面までのベルト厚み方向の最大長さ(L1)に対して、心線の中心から補強シートまでのベルト厚み方向の最大長さ(L2)の割合を示す。
Figure 2018096538
実施例1〜8および比較例1のカバーシートおよび補強シートとして用いたアラミドシート1〜3およびカーボンシート1、2の構成を表3に示す。アラミドシート1〜3およびカーボンシート1、2は、いずれも、高強度繊維の繊維束が交差するように編まれている。アラミドシート1〜3およびカーボンシート1、2からなるカバーシートおよび補強シートには、未加硫のゴム組成物3を用いてフリクション処理を施した。
Figure 2018096538
実施例8と比較例2、3のカバーシートおよび比較例2の補強シートとして用いた綿布は、20番手の綿の経糸と20番手の綿の緯糸とで織られた平織りの織布である。経糸および緯糸の糸密度はそれぞれ75本/50mmであり、織布の目付けは、280g/m2であった。綿布からなるカバーシートまたは補強シートには、未加硫のゴム組成物3を用いてフリクション処理を施した。
実施例1〜8および比較例1〜3の摩擦伝動ベルトの心線には、平均線径1.985mmのポリエステル繊維の撚りコードを用いた。
[耐衝撃性試験]
実施例1〜8および比較例1〜3の摩擦伝動ベルトについて、図9に示す大型動力伝達装置を用いて、耐衝撃性試験を行った。大型動力伝達装置は、外径が245mmの駆動プーリDrと、外径が330mmの従動プーリDnと、外径が80mmのテンションプーリTnを有する。駆動プーリDrおよび従動プーリDnは、V溝を有するVプーリである。テンションプーリTnは、ベルトに接触しない位置と、ベルトに接触して張力を付与する位置とに渡って移動可能となっている。テンションプーリTnがベルトに接触しない位置(ベルトに張力を付与しない位置)にあるとき、駆動プーリDrから従動プーリDnに動力は伝達されない。テンションプーリTnの位置を、ベルトに張力を付与する位置(40秒)と張力を付与しない位置(20秒)に交互に切り換えつつ、駆動プーリDrを回転速度1800rpmで回転させてベルトを走行させた。テンションプーリTnがベルトに張力を付与するときのテンションプーリTnの荷重は17kgとし、駆動プーリDrの負荷は15psとした。
摩擦伝動ベルトの内周側に亀裂が生じていないか確認しつつ、摩擦伝動ベルトを72時間走行させた。走行停止後、ベルトに張力を付与する位置にあるテンションプーリTnに対するベルトの接触角度θ(図9参照)と、ベルト内周面の最短間隔D(図9参照)と、ライドアウトRO、ベルトの側面の温度をそれぞれ測定すると共に、ベルトの内周側に亀裂が発生しているか否かを目視で確認した。それらの結果を、表4に示す。ライドアウトROは、ベルト10の外周面から駆動プーリDrの外周面までのベルト厚み方向の長さである。なお、走行前、テンションプーリTnがベルトに張力を付与する位置にあるテンションプーリTnに対する摩擦伝動ベルトの接触角度θは135°であり、ベルト内周面の最短間隔Dは142mmであり、ライドアウトROは2.4mmであった。
Figure 2018096538
表4に示す通り、高強度繊維の補強シートを使用し、且つ、L2/L1が70〜98%である実施例1〜8は、72時間走行後に亀裂は発生しなかった。実施例1〜実施例3の結果から、L2/L1を70〜98%の範囲内で変更しても、耐亀裂性に違いがないことがわかる。実施例4〜実施例8の結果から、L2/L1が同じ条件で、補強シートを構成する高強度繊維の種類を変えても、耐亀裂性に違いはないことがわかる。
実施例1〜3と材質が同じでL2/L1が70%を下回る比較例1は、テンションプーリTnに対するベルトの接触角度θ、ベルト内周面の最短間隔D、およびライドアウトROに走行前後で大きな変化は見られないものの、ベルト内周側に亀裂が発生した。また、比較例1の72時間走行後のベルト側面温度は、実施例1〜3に比べて高かった。この結果から、比較例1は、実施例1〜3に比べて補強シートがテンションプーリTnの軸に近くなったことで、テンションプーリTnによる逆曲げ時の応力が高くなり、その結果、自己発熱が大きくなったと考えられる。そして、ベルト温度が高くなったことで、ゴムの熱劣化による硬化が促進されて、ゴムの硬化に起因する亀裂が発生したと考えられる。
高強度繊維の補強シートを使用しない点以外は実施例8と同じ構成の比較例2、3は、早期にベルト内周側に亀裂が発生した。綿布の補強シートを使用した比較例2は、実施例8に比べて、テンションプーリTnに対するベルトの接触角度θ、およびライドアウトROの走行前後の変化が大きかった。また、補強シートのない比較例3は、テンションプーリTnに対するベルトの接触角度θ、ベルト内周面の最短間隔D、およびライドアウトROの走行前後の変化が、比較例2よりもさらに大きかった。この結果から、実施例8は、高強度繊維の補強シートを使用したことで、プーリのV溝へのベルトの落ち込みが抑制されて、テンションプーリTnに対するベルトの接触角度θ、およびライドアウトROの変化を抑制できたと考えられる。V溝へのベルトの落ち込みが抑制されることで、ベルトの巻き掛け径が小さくなることを抑制できる。その結果、補強シートの屈曲しやすさを維持できる。また、ベルトの屈曲疲労を低減できる。さらに、屈曲による自己発熱を抑制できる。実施例8は、屈曲による自己発熱を抑えたことで、ゴムの硬化に起因する亀裂の発生を抑制できたと考えられる。
また、実施例8は、比較例2、3に比べて、V溝へのベルトの落ち込みが抑制されるため、ベルト側面のプーリ(駆動プーリDrおよび従動プーリDn)による摩耗を抑制できると推測できる。よって、高強度繊維の補強シートを使用することで、耐亀裂性だけでなく、耐摩耗性も向上できると推測される。
高強度繊維のカバーシートを使用した実施例1〜7は、高強度繊維のカバーシートを使用しない実施例8に比べて、テンションプーリTnに対するベルトの接触角度θ、ベルト内周面の最短間隔D、およびライドアウトROの走行前後の変化が小さかった。また、実施例1〜7の72時間走行後のベルト側面温度は、実施例8に比べて低く抑えられていた。実施例1〜7は、高強度繊維のカバーシートを使用したことで、プーリのV溝へのベルトの落ち込みが抑制されて、テンションプーリTnに対するベルトの接触角度θ、ベルト内周面の最短間隔D、およびライドアウトROの変化を抑制できたと考えられる。V溝へのベルトの落ち込みが抑制されることで、ベルトの巻き掛け径が小さくなることを抑制できる。その結果、補強シートの屈曲しやすさを維持できる。また、ベルトの屈曲疲労を低減できる。さらに、屈曲による自己発熱を抑制できる。実施例1〜7は、実施例8よりも屈曲による自己発熱を抑えることができたと考えられる。よって、ゴムの熱劣化による硬化を抑制して耐亀裂性をより向上させるには、実施例1〜7のように、カバーシートとして高強度繊維のものを用いることが好ましいことがわかる。
また、実施例1〜7は、実施例8に比べて、V溝へのベルトの落ち込みが抑制されるため、ベルト側面のプーリ(駆動プーリDrおよび従動プーリDn)による摩耗を抑制できると推測できる。よって、高強度繊維のカバーシートを使用することで、耐亀裂性だけでなく、耐摩耗性も向上できると推測される。
1、401 摩擦伝動ベルト
1a、1b 摩擦伝動面
2、402 ベルト本体
3 カバーシート
4 ゴム層
5 心線
6、406 補強シート
10、210、310 高強度繊維シート
10a、210a、310a 第1繊維束
10b、210b、310b 第2繊維束
L1、L41 心線の中心からベルト本体の内周面までのベルト厚み方向の最大長さ
L2、L42 心線の中心から補強シートまでのベルト厚み方向の最大長さ

Claims (12)

  1. ベルト周方向に直交する断面がV字状で、ベルト幅方向の両側に摩擦伝動面を有する環状の摩擦伝動ベルトであって、
    ゴム層と、
    前記ゴム層に埋設された心線と、
    前記心線のベルト内周側において、前記ゴム層に埋設された補強シートと、を備えるベルト本体を有し、
    前記ベルト本体の内周面は、前記ゴム層で形成されており、外部に露出するかもしくはカバーシートで覆われており、
    前記心線の中心から前記ベルト本体の内周面までのベルト厚み方向の最大長さに対して、前記心線の中心から前記補強シートまでのベルト厚み方向の最大長さの割合が、70%以上98%以下であり、
    前記補強シートが、高強度繊維の繊維束が交差して配置された構造を有し、且つ、織り構造または編み構造を有する高強度繊維シートで構成されることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  2. 前記カバーシートが、前記ベルト本体の全周を覆っており、且つ、前記高強度繊維シートで構成されることを特徴とする請求項1に記載の摩擦伝動ベルト。
  3. 前記補強シートは、前記繊維束の交差する2方向が、ベルト周方向に対して傾斜した方向となるように配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の摩擦伝動ベルト。
  4. 前記補強シートは、前記繊維束の交差する2方向が、ベルト周方向とベルト幅方向となるように配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の摩擦伝動ベルト。
  5. 前記カバーシートは、前記繊維束の交差する2方向が、ベルト周方向に対して傾斜した方向となるように配置されることを特徴とする請求項2に記載の摩擦伝動ベルト。
  6. 前記カバーシートは、前記繊維束の交差する2方向が、ベルト周方向と前記ベルト周方向に直交する方向となるように配置されることを特徴とする請求項2に記載の摩擦伝動ベルト。
  7. ベルト幅方向の最大長さが、12〜70mmであって、ベルト厚さが、5〜26mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の摩擦伝動ベルト。
  8. 前記高強度繊維シートは、前記繊維束の交差する2方向の引張強度が、2000N/mm2以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の摩擦伝動ベルト。
  9. 前記補強シートおよび前記カバーシートの少なくとも一方の前記高強度繊維シートは、アラミド繊維、および、カーボン繊維の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の摩擦伝動ベルト。
  10. 前記高強度繊維シートは、
    アラミド繊維の繊維束が交差して配置された構造である場合、目付量が90〜870g/m2であり、
    カーボン繊維の繊維束が交差して配置された構造である場合、目付量が200〜300g/m2であることを特徴とする請求項9に記載の摩擦伝動ベルト。
  11. 前記高強度繊維シートは、
    アラミド繊維の繊維束が交差して配置された構造である場合、厚みが0.03〜0.24mmであり、
    カーボン繊維の繊維束が交差して配置された構造である場合、厚みが0.05〜0.09mmであることを特徴とする請求項9または10に記載の摩擦伝動ベルト。
  12. 前記補強シートおよび前記カバーシートの少なくとも一方の前記高強度繊維シートは、前記ゴム層との接着性を高める接着処理が施されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の摩擦伝動ベルト。
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