JP2018035927A - 自動車用の動力伝達軸 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭素繊維強化プラスチック製の中空パイプ10と、中空パイプ10の軸方向の両方の端部にそれぞれ設けられた金属部品12,14を備え、曲げ振動の一次固有振動数をfA(Hz)、曲げ振動の1/2固有振動数をfB(Hz)、捩じり振動の固有振動数をfC(Hz)としたとき、fB/fC≧1.1又はfC/fB≧1.1であり、かつfA/fC≧1.1又はfC/fA≧1.1である、自動車用の動力伝達軸1。
【選択図】図1
Description
[1]炭素繊維強化プラスチック製の中空パイプと、前記中空パイプの軸方向の少なくとも一方の端部に設けられた金属部品を備える自動車用の動力伝達軸であって、
曲げ振動の一次固有振動数をfA(Hz)、曲げ振動の1/2固有振動数をfB(Hz)、捩じり振動の固有振動数をfC(Hz)としたとき、
fB/fC≧1.1又はfC/fB≧1.1であり、かつfA/fC≧1.1又はfC/fA≧1.1である、自動車用の動力伝達軸。
[2]1.1≦fB/fC≦1.5又は1.1≦fC/fB≦1.5であり、かつ1.1≦fA/fC≦3.0又は1.1≦fC/fA≦3.0である、[1]に記載の自動車用の動力伝達軸。
[3]前記動力伝達軸の静捩じり強度が2500Nmより大きい、[1]又は[2]に記載の自動車用の動力伝達軸。
[4]前記中空パイプが、Pitch系炭素繊維とポリアクリロニトリル系炭素繊維の両方を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の自動車用の動力伝達軸。
[5]前記中空パイプが、軸方向に沿って配向した前記Pitch系炭素繊維と、前記軸方向に対して斜交する方向に沿って配向した前記ポリアクリロニトリル系炭素繊維とを含む、[4]に記載の自動車用の動力伝達軸。
[6]前記Pitch系炭素繊維の引張弾性率が640GPa以上である、[4]又は[5]に記載の自動車用の動力伝達軸。
[7]前記fAが160〜250Hzである、[1]〜[6]のいずれかに記載の自動車用の動力伝達軸。
[8]総質量が4.1kg以下である、[1]〜[7]のいずれかに記載の自動車用の動力伝達軸。
本実施形態の自動車用の動力伝達軸1(以下、単に「動力伝達軸1」という。)は、図1に示すように、炭素繊維強化プラスチック製の円筒状の中空パイプ10と、中空パイプ10の軸方向の両端部にそれぞれ設けられた金属部品12,14を備えている。
(1)fB/fC≧1.1又はfC/fB≧1.1である。
(2)fA/fC≧1.1又はfC/fA≧1.1である。
なお、曲げ振動の1/2固有振動数fBは一次固有振動数fAの半分の値であるため、条件(1)としてfB/fC≧1.1又はfC/fB≧1.1が満たされていれば、条件(2)は必ず満たされる。
中空パイプ10に用いられる炭素繊維としては、特に限定されず、例えば、Pitch系炭素繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維が挙げられる。
なお、炭素繊維の引張弾性率とは、JIS R7608:2007(ISO16018:2004)のA法により測定される値である。
金属部品12,14の材質としては、公知の材質を使用でき、例えば、アルミニウム合金等が挙げられる。
中空パイプの内径及び外径は、特に限定されず、使用する駆動系のレイアウトに合わせて適宜設定すればよい。例えば、中空パイプの内径を60〜90mm、外径を65〜100mmとすることができる。中空パイプの肉厚が薄いほど軽量となり、曲げ振動の一次固有振動数fA及び1/2固有振動数fBを高くしやすい。
本発明の動力伝達軸の製造方法としては、特に限定されないが、炭素繊維基材にマトリックス樹脂が含浸された複数枚のプリプレグシートをマンドレルに巻き付けるシートワインディング法を採用する方法が好ましい。シートワインディング法を採用することで、炭素繊維、特にPitch系炭素繊維を中空パイプの軸方向に沿って配向させることができる。そのため、曲げ振動の一次固有振動数fA及び1/2固有振動数fBが高く、fA/fC≧1.1又はfB/fC≧1.1を満たす動力伝達軸を製造することが容易になる。また、中空パイプを製造するための装置も簡単である。
各例の動力伝達軸の静捩じり強度は、捩じり試験機(株式会社東京衝機製PKO−00410)により測定し、動力伝達軸が破断したトルクを静捩じり強度とした。
各例の動力伝達軸の曲げ振動の一次固有振動数fA及び1/2固有振動数fB、捩じり振動の固有振動数fCの測定は、エンジンを含めたトランスアクスルレイアウトを組み込んだ台上試験によって決定した。台上試験は、3速ギア固定の全負荷で、エンジン回転数の上限(9500rpm)までを30秒でスイープする手法で行った。
動力伝達軸の捩じりについては、動力伝達軸の軸方向における両端部の位相差を計測して捩じり角が最大となる値を測定した。動力伝達軸の捩じり角が最大となるエンジン回転数(動力伝達軸の回転数)を捩じり振動の固有振動数fC(Hz)とした。
動力伝達軸の曲げについては、動力伝達軸の軸方向の中央部における曲げ変位が最大となる値を測定した。動力伝達軸中央の変位が最大となるエンジン回転数(動力伝達軸の回転数)を曲げ振動の1/2固有振動数fB(Hz)とし、その1/2固有振動数fB(Hz)に2を乗じた値を曲げ振動の一次固有振動数fA(Hz)とした。
fA、fB及びfCの測定と同様のトランスアクスルレイアウトを組み込んだ台上試験によって、動力伝達軸の破損の有無を確認した。
Pitch系炭素繊維(商品名「ダイアリードTM」、三菱レイヨン株式会社製、引張弾性率:790GPa)を一方向に引き揃えた目付が250g/m2の炭素繊維基材を、エポキシ樹脂に含浸させたプリプレグシート(プリプレグA)を得た。
PAN系炭素繊維(商品名「パイロフィルTM」、三菱レイヨン株式会社製、引張弾性率:240GPa)を一方向に引き揃えた目付が175g/m2と100g/m2の炭素繊維基材を、エポキシ樹脂に含浸させたプリプレグシート(プリプレグB、C)を得た。
製造例1、2で得たプリプレグA、B、Cを用いて、シートワインディング法により中空パイプを作製した。
次いで、該中空パイプの軸方向の両端部のそれぞれに、エポキシ系接着剤を用いてアルミニウム合金製の固定型フランジを接着して動力伝達軸を得た。動力伝達軸の全長は1583mmであり、外径は82.8mmであり、内径は76.3mmであった。
曲げ振動の一次固有振動数fAは180Hzであり、1/2固有振動数fBは90Hzであり、捩じり振動の固有振動数fCは77Hzであった。fA/fCは2.3であり、fB/fCは1.2であった。この動力伝達軸の総質量は、3.8kgであった。この動力伝達軸と同じものを製造し、静捩じり試験を行った結果、静捩じり強度は、3200Nmであった。破損試験においては、動力伝達軸の破損は抑制されていた。
プリプレグA、B、Cの積層数、及び炭素繊維の配向を調節する以外は、実施例1と同様にして動力伝達軸を得た。動力伝達軸の全長は1583mmであり、外径は83.4mmであり、内径は76.3mmであった。得られた動力伝達軸の曲げ振動の一次固有振動数fA、1/2固有振動数fB、捩じり振動の固有振動数fC、fA/fC、fB/fC、総質量、及び静捩じり強度を測定した結果を表1に示す。破損試験においては、動力伝達軸の破損は抑制されていた。
プリプレグA、B、Cの積層数、及び炭素繊維の配向を調節する以外は、実施例1と同様にして動力伝達軸を得た。動力伝達軸の全長は1583mmであり、外径は83.7mmであり、内径は76.3mmであった。得られた動力伝達軸の曲げ振動の一次固有振動数fA、1/2固有振動数fB、捩じり振動の固有振動数fC、fA/fC、fB/fC、総質量、及び静捩じり強度を測定した結果を表1に示す。破損試験においては、動力伝達軸の破損は抑制されていた。
比較対象の動力伝達軸として、表2に示すスペックの動力伝達軸を用意した。
得られた動力伝達軸の曲げ振動の一次固有振動数fA、1/2固有振動数fB、捩じり振動の固有振動数fC、fA/fC及びfB/fCを表3に示す。破損試験においては、動力伝達軸の中空パイプに破損が生じた。
比較対象の動力伝達軸として、表2に示すスペックの動力伝達軸を用意した。
得られた動力伝達軸の曲げ振動の一次固有振動数fA、1/2固有振動数fB、捩じり振動の固有振動数fC、fA/fC及びfB/fCを表3に示す。破損試験においては、動力伝達軸の中空パイプに破損が生じた。
10 中空パイプ
12,14 金属部品
Claims (8)
- 炭素繊維強化プラスチック製の中空パイプと、前記中空パイプの軸方向の少なくとも一方の端部に設けられた金属部品を備える自動車用の動力伝達軸であって、
曲げ振動の一次固有振動数をfA(Hz)、曲げ振動の1/2固有振動数をfB(Hz)、捩じり振動の固有振動数をfC(Hz)としたとき、
fB/fC≧1.1又はfC/fB≧1.1であり、かつfA/fC≧1.1又はfC/fA≧1.1である、自動車用の動力伝達軸。 - 1.1≦fB/fC≦1.5又は1.1≦fC/fB≦1.5であり、かつ1.1≦fA/fC≦3.0又は1.1≦fC/fA≦3.0である、請求項1に記載の自動車用の動力伝達軸。
- 前記動力伝達軸の静捩じり強度が2500Nmより大きい、請求項1又は2に記載の自動車用の動力伝達軸。
- 前記中空パイプが、Pitch系炭素繊維とポリアクリロニトリル系炭素繊維の両方を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動車用の動力伝達軸。
- 前記中空パイプが、軸方向に沿って配向した前記Pitch系炭素繊維と、前記軸方向に対して斜交する方向に沿って配向した前記ポリアクリロニトリル系炭素繊維とを含む、請求項4に記載の自動車用の動力伝達軸。
- 前記Pitch系炭素繊維の引張弾性率が640GPa以上である、請求項4又は5に記載の自動車用の動力伝達軸。
- 前記fAが160〜250Hzである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の自動車用の動力伝達軸。
- 総質量が4.1kg以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の自動車用の動力伝達軸。
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