JP2018035350A - 樹脂組成物、熱伝導性薄膜、及び熱伝導性物品 - Google Patents

樹脂組成物、熱伝導性薄膜、及び熱伝導性物品 Download PDF

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Abstract

【課題】熱伝導性、耐薬品性、及び各種の基材への密着性に優れた熱伝導性薄膜や、熱伝導性、耐酸性、耐水性、電気絶縁性、及び成形性に優れた熱伝導性物品を形成することが可能な、取り扱い性の良好な樹脂組成物を提供する。
【解決手段】熱伝導性物品を形成するために用いられる樹脂組成物である。少なくとも2種の熱伝導性フィラーと、成形用樹脂とを含有し、熱伝導性フィラーが、例えば、(i)平均粒子径0.5〜20μmのタルクと、平均粒子径0.03〜5μmの硫酸バリウムとの組み合わせであって、硫酸バリウムの含有量に対するタルクの含有量の比が、質量基準で0.1〜10である。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、並びにそれを用いて形成される熱伝導性薄膜及び熱伝導性物品に関する。
現在、熱伝導性材料として数多くの素材が検討されている。半導体素子の集積度の向上に伴い、熱を逃がす要求はますます強くなっており、従来よりもはるかに高い熱伝導性及び絶縁性を有する材料の開発が不可欠となっている。このような要求を満たす材料として、熱伝導性のフィラーを樹脂に練り込んで得られるコンポジット材料(樹脂組成物)が知られている。
コンポジット材料に用いられるフィラーとしては、シリカよりも熱伝導率が高く、アルミナよりも硬度が低い酸化マグネシウムが検討されている。酸化マグネシウムは、高融点、高熱伝導性、及び低毒性などの性質を有することから、耐熱材料や充填材などとして広く利用されている。さらに、近年、各種表面処理を施すことにより酸化マグネシウムの性能を向上させることも検討されている。
しかし、酸化マグネシウムは、シリカやアルミナに比べて吸湿性が高い。このため、酸化マグネシウムをフィラーとして用いたコンポジット材料は、吸湿に伴うフィラーの体積膨張によりクラックが発生しやすく、熱伝導性が低下しやすくなることがある。このため、酸化マグネシウムをフィラーとして用いたコンポジット材料の場合、半導体素子などの長期的な安定性を確保する上で課題があった。また、酸化亜鉛をフィラーとして用いることも検討されている。しかし、酸化亜鉛は、水分や酸に対する安定性及び絶縁性が低いという課題を有している。
その他、フィラー用の熱伝導材料としては、窒化ホウ素や窒化アルミニウムなどが使用されている。しかしながら、これらの材料は高価であるとともに、窒化アルミニウムについては耐水性に劣ることが知られている。窒化ホウ素の形状は鱗片状であるため、配向方向への熱伝導性は良好であるが、配向方向に直交する方向への熱伝導率はさほど良好であるとは言えない。また、樹脂に窒化ホウ素を練り込もうとしても充填量を上げることは困難である。このため、窒化ホウ素の高い熱伝導性を生かし切れないといった課題もある。一方、金属酸化物以外の熱伝導材料としては、カーボンナノチューブ、ダイヤモンド、金属などがある。しかしながら、これらの材料は導電性を有するため、半導体素子などの放熱に用いることはできない。
ところで、酸化アルミニウムは耐水性及び耐酸性に優れているとともに、良好な熱伝導性を有し、かつ、安価であることから、多くの場面で用いられている。そして、熱伝導性の向上を図るべく、樹脂への練り込み性(充填性)に優れた酸化アルミニウムが求められている。
なお、関連する従来技術として、成形加工性等に優れた成形品を提供しうる樹脂配合用の酸化マグネシウムフィラーが提案されている(特許文献1)。また、ケイ素とマグネシウムの複酸化物などを含む被覆層が表面に形成された酸化マグネシウムの粉末が提案されている(特許文献2)。さらに、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、ガラスビーズ、アルミナ等の熱伝導性フィラー表面に所定形状のベーマイト又は酸化亜鉛が結合等して構成された無機フィラー複合体が提案されている(特許文献3)。また、耐薬品性や絶縁性などに優れており、熱可塑性樹脂等の強化材として用いられる、所定の組成式で表されるホウ酸アルミニウムウィスカーが提案されている(特許文献4及び5)。
また、電子機器の小型化に伴い、ヒートシンクやファン等を利用した放熱機構を設けることが困難な場合が多くなってきた。このため、発熱体の表面に熱伝導性の良好なコーティング層(熱伝導性薄膜)を設ける方法が注目されている。このような熱伝導性薄膜を形成するためのコーティング剤(液状組成物)には、薄膜を形成するための樹脂と、無機フィラーとが含まれていることが多い。
例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムを含有する熱伝導性の樹脂組成物が提案されている(特許文献6)。また、窒化ホウ素を含有する熱伝導性の樹脂組成物が提案されている(特許文献7)。さらに、酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムを含有する放熱性インキが提案されている(特許文献8及び9)。
特開2007−70608号公報 特許第3850371号公報 国際公開第2013/039103号 特公平4−21640号公報 特公平4−22880号公報 特開2015−10200号公報 特開2015−34269号公報 特開2007−45876号公報 特開2007−169516号公報
しかしながら、特許文献1で提案された酸化マグネシウムフィラーは、成形加工性や熱伝導性などの特性が改善されているものの、硬度などを含む全体的な物性が未だ不十分なものであった。また、特許文献2で提案された酸化マグネシウムの粉末は、耐水性については改善されているものの、耐酸性などの耐薬品性については未だ不十分であった。さらに、特許文献3で提案された無機フィラー複合体は、耐水性及び熱伝導性の面で不十分なものであった。また、特許文献4及び5で提案されたホウ酸アルミニウムウィスカーは、樹脂への練り込み性(混和性)が低く、充填率の高い樹脂組成物を得ることは困難であった。
また、特許文献6で提案された樹脂組成物に用いる無機フィラーは硬度が高いため(モース硬度=8〜9)、塗工時に塗工ロールが損傷しやすい。また、窒化アルミニウムは大気中の水分と反応しやすいため、形成された薄膜中の樹脂が経時劣化しやすいといった懸念もある。一方、特許文献7で提案された樹脂組成物に用いる窒化ホウ素は、熱伝導性が良好でありながらも、硬度が低い(モース硬度=2)。しかし、窒化ホウ素の形状は鱗片状であるために、形成される薄膜の熱伝導率には異方性があり、薄膜の厚み方向への熱伝導性が不足する場合がある。
また、特許文献8で提案された放熱性インキに用いる酸化マグネシウムは硬度が比較的高く(モース硬度=6)、しかも、耐水性及び耐酸性に乏しいという点で用途が制限されることがある。そして、特許文献9で提案された放熱インキに用いる水酸化アルミニウムは、熱伝導性の無機フィラーのなかでも熱伝導性が低いため、十分な熱伝導性を得ようとするには充填率を高める必要がある。したがって、形成される薄膜中の樹脂の含有率が相対的に減少してしまい、成膜性及び基材への密着性の低下が懸念される。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、熱伝導性、耐酸性、及び各種の基材への密着性に優れた熱伝導性薄膜や、熱伝導性、耐酸性、耐水性、電気絶縁性、及び成形性に優れた熱伝導性物品を形成することが可能な、取り扱い性の良好な樹脂組成物を提供することにある。また、本発明の課題とするところは、上記樹脂組成物を用いて形成される熱伝導性薄膜及び熱伝導性物品、並びにこの熱伝導性薄膜を備えたリチウム二次電池用外装材及び電子機器用部材を提供することにある。
本発明によれば、以下に示す樹脂組成物が提供される。
[1]熱伝導性物品を形成するために用いられる樹脂組成物であって、少なくとも2種の熱伝導性フィラーと、成形用樹脂と、を含有し、前記熱伝導性フィラーが、下記(i)〜(iii)のいずれかの組み合わせである樹脂組成物。
(i)平均粒子径0.5〜20μmのタルクと、平均粒子径0.03〜5μmの硫酸バリウムとの組み合わせであって、硫酸バリウムの含有量に対するタルクの含有量の比が、質量基準で0.1〜10である。
(ii)平均粒子径0.5〜20μmのタルクと、平均粒子径0.5〜30μmのアルミナとの組み合わせであって、アルミナの含有量に対するタルクの含有量の比が、質量基準で0.1〜10である。
(iii)平均粒子径0.5〜20μmのタルクと、平均粒子径1〜20μmの窒化アルミニウムとの組み合わせであって、窒化アルミニウムの含有量に対するタルクの含有量の比が、質量基準で1以下である。
[2]溶剤をさらに含有するとともに、前記成形用樹脂が、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレア系樹脂、エポキシ系樹脂、ゴム系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース系樹脂、及び熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤可溶性の膜形成用樹脂であり、熱伝導性薄膜を形成するために用いられる液状組成物である前記[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記膜形成用樹脂100質量部に対する、前記熱伝導性フィラーの含有量が、20〜200質量部である前記[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記成形用樹脂が、ポリアミド系樹脂及びポリオレフィン系樹脂の少なくともいずれかである前記[1]に記載の樹脂組成物。
[5]前記窒化アルミニウムの含有量に対する前記タルクの含有量の比が、質量基準で0.5以下である前記[4]に記載の樹脂組成物。
[6]前記熱伝導性フィラーの含有量が、5〜95質量%である前記[4]又は[5]に記載の樹脂組成物。
また、本発明によれば、以下に示す熱伝導性薄膜、熱伝導性物品、リチウム二次電池用外装材、及び電子機器用部材が提供される。
[7]前記[2]又は[3]に記載の樹脂組成物を塗工して形成される熱伝導性薄膜。
[8]前記[1]及び[4]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物を成形して得られる熱伝導性物品。
[9]前記[7]に記載の熱伝導性薄膜を最表面に備えたリチウム二次電池用外装材。
[10]金属製部材と、前記金属製部材の表面上に配置された前記[7]に記載の熱伝導性薄膜と、を備えた電子機器用部材。
本発明によれば、熱伝導性、耐酸性、及び各種の基材への密着性に優れた熱伝導性薄膜や、熱伝導性、耐酸性、耐水性、電気絶縁性、及び成形性に優れた熱伝導性物品を形成することが可能な、取り扱い性の良好な樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、上記樹脂組成物を用いて形成される熱伝導性薄膜及び熱伝導性物品、並びにこの熱伝導性薄膜を備えたリチウム二次電池用外装材及び電子機器用部材を提供することができる。
<樹脂組成物>
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明の樹脂組成物は、熱伝導性物品を形成するために用いられるものであり、少なくとも2種の熱伝導性フィラーと、成形用樹脂とを含有する。そして、熱伝導性フィラーが、下記(i)〜(iii)のいずれかの組み合わせである。以下、本発明の樹脂組成物の詳細について説明する。
(i)平均粒子径0.5〜20μmのタルクと、平均粒子径0.03〜5μmの硫酸バリウムとの組み合わせであって、硫酸バリウムの含有量に対するタルクの含有量の比が、質量基準で0.1〜10である。
(ii)平均粒子径0.5〜20μmのタルクと、平均粒子径0.5〜30μmのアルミナとの組み合わせであって、アルミナの含有量に対するタルクの含有量の比が、質量基準で0.1〜10である。
(iii)平均粒子径0.5〜20μmのタルクと、平均粒子径1〜20μmの窒化アルミニウムとの組み合わせであって、窒化アルミニウムの含有量に対するタルクの含有量の比が、質量基準で1以下である。
(熱伝導性フィラー)
一般的なフィラーは、強度や機能性の向上などを目的として、樹脂、ゴム、及び塗料などの材料に添加される。熱伝導性のフィラーの配合量が増加すると、通常、樹脂などの材料の溶融流動性及び機械的強度が低下する。また、カーボン系フィラーは導電性を有するため、樹脂に配合すると樹脂本来の特徴である絶縁性が損なわれやすいといった問題がある。さらに、セラミック系フィラーは絶縁性を有するが、熱伝導性が低いなどの問題がある。一般的な熱伝導性のフィラーとしては、例えば、銀、銅、アルミニウム、鉄などの金属系フィラー;アルミナ、マグネシア、シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタンなどの無機系フィラー;ダイヤモンド、黒鉛、グラファイトなどの炭素系フィラー等がある。高い電気絶縁性が要求される電子機器等では、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ダイヤモンドなどのフィラーが好ましいとされている。しかし、これらのフィラーは、耐水性、耐薬品性、成形性の面で課題が多い。
これに対して、本発明の樹脂組成物は、少なくとも2種の熱伝導性フィラーを前述の(i)〜(iii)のいずれかの組み合わせで含有する。少なくとも2種の熱伝導性フィラーを特定の組み合わせで含有させると、組み合わせの相乗効果により種々の優れた性能を示す樹脂組成物を提供しうることを、試行錯誤の上、本発明者らは見出した。
具体的には、本発明の樹脂組成物を用いて形成した熱伝導性物品(熱伝導性薄膜を含む)の熱伝導率は、熱伝導性フィラーを1種のみ含有する樹脂組成物を用いて形成した物品の熱伝導率に比べて高い。さらに、本発明の樹脂組成物を用いて形成した熱伝導性物品は、熱伝導性フィラーを1種のみ含有する樹脂組成物を用いて形成した物品と比べて、熱伝導性だけでなく、耐酸性、耐水性、電気絶縁性、及び成形性も顕著に優れている。なお、前述の(i)〜(iii)の組み合わせのうち、(i)又は(ii)の組み合わせで熱伝導性フィラーを含有すると、さらに耐アルカリ性に優れた熱伝導性薄膜及び熱伝導性物品を形成可能な樹脂組成物とすることができる。
また、本発明の樹脂組成物を用いて形成した熱伝導性物品(熱伝導性薄膜を含む)の熱伝導率の実測値(実測熱伝導率)は、2種の熱伝導性フィラーの混合比及びそれぞれの熱伝導率から算出される熱伝導率の理論値(理論熱伝導率)よりも高い。これは、板状形状であるタルクの隙間を、もう1種の熱伝導性フィラーがバランスよく埋めることで熱が伝わる経路が形成されやすくなり、熱伝導性が向上したものと考えられる。さらに、本発明の樹脂組成物を用いると、熱伝導性フィラーを1種のみ含有する樹脂組成物を用いた場合に比べて、熱放射率を低下させることなく熱伝導率が向上した熱伝導性薄膜を形成することができる。さらに、耐酸性及び各種の基材への密着性にも顕著に優れた熱伝導性薄膜を形成することができる。
本発明の樹脂組成物は、その平均粒子径が所定の範囲内にある2種以上の熱伝導性フィラーを含有する。熱伝導性フィラーの平均粒子径が所定の範囲外であると、樹脂組成物中に存在するタルクの隙間を、もう1種の熱伝導性フィラーがバランスよく埋めることが困難になり、2種以上の熱伝導性フィラーの組み合わせによって得られる相乗効果が不足する。
タルクの平均粒子径は0.5〜20μmである。なお、薄膜を形成する場合には、タルクの平均粒子径は1〜5μmであることが好ましい。
また、薄膜以外の物品(例えば、ブロック状の物品など)を形成する場合には、タルクの平均粒子径は10〜20μmであることが好ましい。
硫酸バリウムの平均粒子径は0.03〜5μmである。なお、薄膜を形成する場合には、硫酸バリウムの平均粒子径は0.3〜1μmであることが好ましい。また、薄膜以外の物品を形成する場合には、硫酸バリウムの平均粒子径は0.5〜5μmであることが好ましい。
アルミナの平均粒子径は0.5〜30μmである。なお、薄膜を形成する場合には、アルミナの平均粒子径は1〜15μmであることが好ましい。また、薄膜以外の物品を形成する場合には、アルミナの平均粒子径は5〜30μmであることが好ましい。
窒化アルミニウムの粒子径は1〜20μmである。なお、薄膜を形成する場合には、窒化アルミニウムの平均粒子径は1〜20μmであることが好ましい。また、薄膜以外の物品を形成する場合には、窒化アルミニウムの平均粒子径は1〜20μmであることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、2種以上の熱伝導性フィラーを所定の比率で含有する。2種以上の熱伝導性フィラーの含有比率が所定の範囲外であると、一方の熱伝導性フィラーの特徴が強くなりすぎてしまい、2種以上の熱伝導性フィラーの組み合わせによって得られる相乗効果が不足する。
2種の熱伝導性フィラーを前述の(i)の組み合わせで用いる場合、硫酸バリウムの含有量に対するタルクの含有量の比(タルク/硫酸バリウム)は、質量基準で0.1〜10である。
なお、薄膜を形成する場合には、上記の比(タルク/硫酸バリウム)は、質量基準で1〜10であることが好ましい。
また、薄膜以外の物品(例えば、ブロック状の物品など)を形成する場合には、上記の比(タルク/硫酸バリウム)は、質量基準で1〜10であることが好ましい。
2種の熱伝導性フィラーを前述の(ii)の組み合わせで用いる場合、アルミナの含有量に対するタルクの含有量の比(タルク/アルミナ)は、質量基準で0.1〜10である。なお、薄膜を形成する場合には、上記の比(タルク/アルミナ)は、質量基準で1〜10であることが好ましい。また、薄膜以外の物品を形成する場合には、上記の比(タルク/アルミナ)は、質量基準で1〜10であることが好ましい。
2種の熱伝導性フィラーを前述の(iii)の組み合わせで用いる場合、窒化アルミニウムの含有量に対するタルクの含有量の比(タルク/窒化アルミニウム)は、質量基準で1以下である。なお、薄膜を形成する場合には、上記の比(タルク/窒化アルミニウム)は、質量基準で0.1〜1であることが好ましい。また、薄膜以外の物品を形成する場合には、上記の比(タルク/窒化アルミニウム)は、質量基準で0.1〜0.5であることが好ましい。
(成形用樹脂)
成形用樹脂としては、膜形成用樹脂や成形体成形用樹脂を用いることができる。膜形成用樹脂としては、成膜可能であるとともに、溶剤に可溶な樹脂(溶剤可溶性樹脂)を用いることができる。このような溶剤可溶性の膜形成用樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレア系樹脂、エポキシ系樹脂、ゴム系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース系樹脂、及び熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも一種を用いることができる。
アクリル系樹脂としては、例えば、アクリルシリコーン系樹脂、アクリルフッ素系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリヒドロキシメタクリレート等を挙げることができる。
ウレタン系樹脂としては、エーテル系、エステル系、カーボネート系、アクリル系、及び脂肪族系等のウレタン樹脂;これらのウレタン樹脂にシリコーン系ポリオールやフッ素系ポリオールを共重合させて得られる樹脂等を挙げることができる。なお、ウレタン系樹脂の分子構造中には、ウレア結合又はイミド結合が含まれていてもよい。
ウレア系樹脂は、その分子構造中にウレア結合を有する樹脂であればよく、例えば、ウレタンウレアエラストマー、メラミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等を挙げることができる。
エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂、ポリアミド併用型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、アミノ樹脂併用型エポキシ樹脂、アルキッド樹脂併用型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
ゴム系樹脂としては、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素添加NBR(H−NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴム、クロロプレンゴム(CR)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、エチレン−プロピレン−ジエンポリマー(EPDM)、アクリルゴム(ACM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、多硫化ゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。
フッ素系樹脂としては、例えば、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体等を挙げることができる。
ポリアミド系樹脂としては、例えば、アルコール可溶性メトキシメチル化ナイロン等を挙げることができる。ポリイミド系樹脂としては、例えば、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミック酸、シリコーンイミド等を挙げることができる。
セルロース系樹脂としては、例えば、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロースエステル;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテルを挙げることができる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等のスチレン系熱可塑性エラストマー;ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU);オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO);ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE);ポリアミド系熱可塑性エラストマー;フッ素系熱可塑性エラストマー;塩ビ系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
成形体成形用樹脂としては、ポリアミド系樹脂及びポリオレフィン系樹脂の少なくともいずれかを用いることが好ましい。成形体成形用樹脂に対して、必要に応じてその他の添加剤とともに熱伝導性フィラーを公知の方法に準じて配合及び混合すれば、成形体成形用の樹脂組成物を得ることができる。樹脂組成物中の熱伝導性フィラーの含有量は、樹脂組成物全体に対して、5〜95質量%であることが好ましい。熱伝導性フィラーの含有量を上記の範囲とすることで、耐水性、耐薬品性、及び絶縁性により優れているとともに、強度がさらに保持され、かつ、より成形性に優れた樹脂組成物とすることができる。熱伝導性フィラーの含有量が95質量%超であると、強度や成形性が低下する場合がある。一方、熱伝導性フィラーの含有量が5質量%未満であると、熱伝導性が不足する場合がある。
成形体成形用樹脂への熱伝導性フィラーの添加方法は特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。例えば、熱伝導性フィラーを樹脂に直接配合して、混練及び成形加工する方法の他、熱伝導性フィラーを樹脂や滑剤等に予め高濃度に分散させておいた組成物(マスターバッチ)を使用する方法などがある。その他の添加剤としては、酸化防止剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、抗菌剤、安定剤、架橋剤、可塑剤、潤滑剤、離型剤、難燃剤、タルク、アルミナ、クレー、シリカ等の無機充填剤を挙げることができる。また、熱伝導性フィラーの分散助剤として、金属石けん、ポリエチレンワックス等を用いることもできる。金属石けんとしては、例えば、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸マグネシウム、オレイン酸カルシウム、オレイン酸コバルトなどを挙げることができる。ポリエチレンワックスとしては、例えば、一般重合型、分解型、変成型などの各種ポリエチレンワックスを用いることができる。
(溶剤)
本発明の樹脂組成物は、溶剤をさらに含有するとともに、成形用樹脂が、前述の溶剤可溶性の膜形成用樹脂であることが好ましい。すなわち、熱伝導性フィラー、溶剤可溶性の膜形成用樹脂、及び溶剤を含有させることで、熱伝導性薄膜を形成するために用いられる液状組成物とすることができる。
溶剤は、樹脂からなる薄膜を形成するためのコーティング剤に用いられる一般的な溶剤であればよい。溶剤としては、水、又は、芳香族系溶媒、炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、グリコール誘導体、ケトン系溶媒、ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、及び含窒素系溶媒等の有機溶媒を用いることができる。これらの溶剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン等を挙げることができる。炭化水素系溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカンなどの炭素数6以上の直鎖、分岐鎖の飽和、不飽和の炭化水素系溶媒を挙げることができる。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール等を挙げることができる。
グリコール誘導体としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等を挙げることができる。ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等を挙げることができる。
ハロゲン系溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等を挙げることができる。エステル系溶媒としては、例えば、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、2−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、メチルラクテート、エチルラクテート、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、アミルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、メチルブチレート、エチルブチレート、プロピルブチレート等を挙げることができる。
エーテル系溶媒としては、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、3−フェノキシトルエン等を挙げることができる。含窒素系溶媒としては、例えば、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−プロピルピロリドン、N−ビニルピロリドン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム等を挙げることができる。
液状組成物中の溶剤の量は特に限定されず、用途に応じて適宜設定すればよい。液状組成物中の溶剤の量は、通常、1〜90質量%であり、好ましくは10〜80質量%である。
液状組成物中の熱伝導性フィラーの量は、膜形成用樹脂100質量部に対して、20〜200質量部であることが好ましく、50〜150質量部であることがさらに好ましい。熱伝導性フィラーの含有量が20質量部未満であると、形成される薄膜の熱伝導性が不足する場合がある。一方、熱伝導性フィラーの含有量が200質量部超であると、膜形成用樹脂の含有量が相対的に減少するため、成膜性が低下するとともに、形成される薄膜の基材への密着性が低下する傾向にある。
(その他の成分)
液状組成物には、分散剤等のその他の成分を含有させることができる。分散剤としては、例えば、多価カルボン酸を含む脂肪酸、不飽和脂肪酸等のアニオン性界面活性剤;高分子型のイオン性界面活性剤;りん酸エステル系化合物などを挙げることができる。
また、水性のポリウレタン樹脂などのウレタン系樹脂を液状組成物に添加し、硬化させることで、熱伝導性に優れた薄膜を形成することができる。このようにして形成される熱伝導性の薄膜は、例えば、電子機器用の放熱シートとして用いることができる。
<熱伝導性薄膜>
本発明の熱伝導性薄膜は、前述の(i)〜(iii)のいずれかの組み合わせの少なくとも2種の熱伝導性フィラー、膜形成用樹脂、及び溶剤を含有する前述の樹脂組成物(液状組成物)を塗工して形成される。このため、この液状組成物を用いて形成される本発明の熱伝導性薄膜は、熱伝導性及び耐酸性に優れているとともに、各種の基材への密着性にも優れている。なお、本発明の熱伝導性薄膜は、通常、膜形成用樹脂により形成された薄い樹脂層中に熱伝導性フィラーが分散されることで形成されている。
本発明の熱伝導性薄膜を形成するには、例えば、所望とする基材に液状組成物を塗布する、又は基材を液状組成物に含浸させる。これにより、基材の表面上に液状組成物からなる塗膜を形成することができる。その後、塗膜を乾燥させれば、熱伝導性薄膜を形成することができる。液状組成物の塗布方法(含浸方法)としては、例えば、印刷方法、ブレードコーティング法、(マイヤー)バーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法等の一般的な方法を採用することができる。塗膜の乾燥は風乾でもよく熱乾燥でもよい。熱乾燥すれば、塗膜を容易に乾燥させて熱伝導性薄膜を形成することができる。乾燥方法としては、例えば、オーブンに入れる方法、オーブン内を通過させる方法、加熱ローラに接触させる方法等の一般的な方法を採用することができる。
本発明の熱伝導性薄膜は、例えば、リチウム二次電池等の発熱しやすい電子部品等の表面上に配置することで、発生した熱を外部へと容易に伝導して放熱することができる。また、液状組成物を塗布及び乾燥等することによって容易に形成することができるため、製造コストの面で有利である。本発明の熱伝導性薄膜は、特に、ラミネート型のリチウム二次電池を構成する外装材の表面に配置されることが好ましい。すなわち、所定の組み合わせの2種以上の熱伝導性フィラー、膜形成用樹脂、及び溶剤を含有する本発明の樹脂組成物(液状組成物)を用いれば、この液状組成物を塗工して形成される熱伝導性薄膜を最表面に備えたリチウム二次電池用外装材を提供することができる。
ラミネート型のリチウム二次電池を構成する外装材(リチウム二次電池用外装材)は、例えば、ヒートシール可能なシーラント層、アルミニウム箔、及びPETフィルム等の基材フィルムが、必要に応じて接着剤層を介在させた状態で積層されることによって形成されている。そして、本発明の熱伝導性薄膜は、基材フィルムの表面上に配置されることで、シーラント層の側に配置される電池本体から発生した熱を外部との境界まで伝導し、さらに外部へと放射することで放熱することができる。
本発明の熱伝導性薄膜は、アルミニウム、銅、銀、金、及びステンレスなどの金属表面への密着性に優れている。また、これらの金属製の部材の表面上に熱伝導性薄膜を密着して配置することで、金属自体の熱伝導率を低下させることなく、熱放射率を向上させることができる。このため、アルミニウム、銅、銀、金、及びステンレスなどの金属製部材の表面上に本発明の熱伝導性薄膜を配置することで、ヒートシンク等の電子機器用部材とすることができる。なお、熱伝導性薄膜は、前述の液状組成物を金属製部材の表面に塗工した後、乾燥等することによって容易に形成することができるため、製造コストの面でも有利である。
<熱伝導性物品>
前述の(i)〜(iii)のいずれかの組み合わせの少なくとも2種の熱伝導性フィラー、及びポリアミド系樹脂やポリオレフィン系樹脂などの成形用樹脂を含有する前述の樹脂組成物(成形体成形用の樹脂組成物)を成形すれば、本発明の熱伝導性物品を得ることができる。成形方法としては、例えば、成形体成形用の樹脂組成物を押出成形機に供して成形する押出成形法などの一般的な成形方法を挙げることができる。
<液状組成物の調製>
表1〜8に示す種類及び量の各成分を混合するとともに、ペイントシェイカー(ガラスビーズ(直径2mm)使用)を用いて撹拌して分散液を得た。得られた分散液100部に対し、ポリイソシアネート樹脂(商品名「タケネートD−160N」、三井化学社製、樹脂分75%、溶剤分25%)3部を添加した後、撹拌して、液状組成物を得た。熱伝導性フィラー(2)の含有量に対する、熱伝導性フィラー(1)の含有量の比((1)/(2);質量基準)を「フィラー混合比率」として表1〜8に示す。なお、表1〜8中の「膜形成用樹脂」及び「溶剤」として、以下に示すものを用いた。
・膜形成用樹脂:ポリウレタン樹脂(商品名「サンプレンIB−1700D」、三洋化成工業社製、樹脂分30%、溶剤分70%)
・溶剤:メチルエチルケトン/トルエン/イソプロピルアルコール混合溶媒
熱伝導性フィラーとして使用したタルク、硫酸バリウム、アルミナ、及び窒化アルミニウムを以下に示す。
[タルク]
タルク1:平均粒子径14μm
タルク2:平均粒子径5μm
タルク3:平均粒子径0.6μm
タルク4:平均粒子径38μm
タルク5:平均粒子径0.3μm
[硫酸バリウム]
硫酸バリウム1:平均粒子径0.9μm
硫酸バリウム2:平均粒子径0.3μm
硫酸バリウム3:平均粒子径0.03μm
硫酸バリウム4:平均粒子径10μm
硫酸バリウム5:平均粒子径0.01μm
[アルミナ]
アルミナ1:平均粒子径12μm
アルミナ2:平均粒子径5μm
アルミナ3:平均粒子径1μm
アルミナ4:平均粒子径40μm
アルミナ5:平均粒子径0.4μm
[窒化アルミニウム]
窒化アルミニウム1:平均粒子径20μm
窒化アルミニウム2:平均粒子径10μm
窒化アルミニウム3:平均粒子径1μm
窒化アルミニウム4:平均粒子径25μm
窒化アルミニウム5:平均粒子径0.8μm
Figure 2018035350
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<評価(1)>
(評価用塗膜の形成)
マルチコーター(商品名「K−303」、RK Print Coat Instruments社製)を使用して液状組成物を離型紙にそれぞれ塗工した後、熱風乾燥して溶剤を除去した。次いで、40℃の乾燥機にて48時間エージングして、熱伝導性フィラーの濃度が50%であり、膜厚が約100μmである評価用塗膜を形成した。
(熱伝導率の測定)
評価用塗膜を縦40mm×横40mmの大きさに切り出して試験片を得た。熱物性測定装置(商品名「TPS−2500S」、京都電子工業社製)の「うす膜測定モジュール」にて得られた試験片の熱伝導率(実測熱伝導率)を測定した。測定結果を表9〜16に示す。また、2種の熱伝導性フィラーの混合比及びそれぞれの熱伝導率から、熱伝導率の理論値(理論熱伝導率)を算出した。算出した理論熱伝導率を表9〜16に示す。なお、実測熱伝導率が理論熱伝導率よりも0.02W/m・K以上高くなった場合に、熱伝導性フィラーの組み合わせによる相乗効果が得られたと評価することができる。
(濡れ性)
E型回転粘度計を使用して液状組成物の溶液粘度(25℃、回転数50rpm)を測定し、以下に示す評価基準にしたがって、樹脂に対する熱伝導性フィラーの濡れ性を評価した。結果を表9〜16に示す。
◎:溶液粘度が50mPa・s以上100mPa・s未満
○:溶液粘度が100mPa・s以上150mPa・s未満
△:溶液粘度が150mPa・s以上200mPa・s未満
×:溶液粘度が200mPa・s以上
(耐薬品性)
評価用塗膜を縦40mm×横40mm×厚さ100μmの大きさに切り出して試験片を得た。得られた試験片を5%塩酸、5%硫酸水溶液、5%硝酸水溶液、及び5%水酸化ナトリウム水溶液にそれぞれ浸漬し、1日1回撹拌して一週間ずつ静置した。浸漬前後の試験片の質量を測定して浸漬前の試験片の質量を基準とした質量変化率(%)を算出し、以下に示す評価基準にしたがって耐薬品性を評価した。結果を表9〜16に示す。
○:質量変化率が5%未満
△:質量変化率が5%以上20%未満
×:質量変化率が20%以上
(熱放射率の測定)
評価用塗膜を縦40mm×横40mmの大きさに切り出して試験片を得た。放射率計(商品名「D and S AERD」、京都電子工業社製)を使用して得られた試験片の熱放射率を測定した。結果を表9〜16に示す。
(密着性)
バーコーター#5を使用して、二軸延伸ポリエステルフィルム(商品名「エステルフィルム E−5102」、東洋紡社製)と二軸延伸ナイロンフィルム(商品名「ハーデンフィルム N1102」、東洋紡社製)のコロナ処理面(処理PET、処理NY)及びコロナ未処理面(未処理PET、未処理NY)に液状組成物をそれぞれ塗工した。熱風乾燥して溶剤を除去した後、40℃の乾燥機にて48時間エージングして、フィルム表面上に薄膜が形成された試験片を作製した。セロハンテープ(商品名「セロテープ(登録商標)」、ニチバン社製、24mm幅)を試験片の薄膜表面に貼りつけ、垂直方向に剥がす操作を同一箇所で3回実施した後、薄膜の状態を確認し、以下に示す評価基準にしたがって密着性を評価した結果を表9〜16に示す。
○:剥がれがなし
△:一部剥がれあり
×:大部分剥がれた
Figure 2018035350
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Figure 2018035350
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<評価(2)>
(評価用成形体の作製)
表17〜20に示す種類及び量の各成分を混合して得た樹脂組成物をプラストミルに入れ、設定温度200℃の条件で溶融混練した。次いで、175℃の条件で金型プレス成型して評価用成形体を作製した。熱伝導性フィラー(2)の含有量に対する、熱伝導性フィラー(1)の含有量の比((1)/(2);質量基準)を「フィラー混合比率」として表17〜20に示す。なお、表17〜20中の「成形用樹脂」としては、ポリプロピレン(プライムポリマー社製、MFR 20g/10min)を用いた。
熱伝導性フィラーとして使用したタルク、硫酸バリウム、アルミナ、及び窒化アルミニウムを以下に示す。
[タルク]
タルク1:平均粒子径14μm
タルク2:平均粒子径5μm
タルク3:平均粒子径0.6μm
タルク4:平均粒子径38μm
タルク5:平均粒子径0.3μm
[硫酸バリウム]
硫酸バリウム1:平均粒子径0.9μm
硫酸バリウム2:平均粒子径0.3μm
硫酸バリウム3:平均粒子径0.03μm
硫酸バリウム4:平均粒子径10μm
硫酸バリウム5:平均粒子径0.01μm
[アルミナ]
アルミナ1:平均粒子径12μm
アルミナ2:平均粒子径5μm
アルミナ3:平均粒子径1μm
アルミナ4:平均粒子径40μm
アルミナ5:平均粒子径0.4μm
[窒化アルミニウム]
窒化アルミニウム1:平均粒子径20μm
窒化アルミニウム2:平均粒子径10μm
窒化アルミニウム3:平均粒子径1μm
窒化アルミニウム4:平均粒子径25μm
窒化アルミニウム5:平均粒子径0.8μm
Figure 2018035350
Figure 2018035350
Figure 2018035350
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(熱伝導率の測定)
熱物性測定装置(商品名「TPS−2500S」、京都電子工業社製)の「標準等方性測定モジュール」にて、作製した評価用成形体の熱伝導率(実測熱伝導率)を測定した。測定結果を表21〜24に示す。また、2種の熱伝導性フィラーの混合比及びそれぞれの熱伝導率から、熱伝導率の理論値(理論熱伝導率)を算出した。算出した理論熱伝導率を表21〜24に示す。なお、実測熱伝導率が理論熱伝導率よりも0.02W/m・K以上高くなった場合に、熱伝導性フィラーの組み合わせによる相乗効果が得られたと評価することができる。
(濡れ性)
ポリオール(商品名「クラレポリオールP−1010」、クラレ社製、粘度(25℃)1,500kPa・s)50部と、表17〜20に示す種類の熱伝導性フィラー50部とをそれぞれ混合して分散液を得た。E型回転粘度計を使用して得られた分散液の溶液粘度(25℃、回転数0.5rpm)を測定し、以下に示す評価基準にしたがって、樹脂に対する熱伝導性フィラーの濡れ性を評価した。結果を表21〜24に示す。
◎:溶液粘度が2,000mPa・s以上5,000mPa・s未満
○:溶液粘度が5,000mPa・s以上15,000mPa・s未満
△:溶液粘度が15,000mPa・s以上25,000mPa・s未満
×:溶液粘度が25,000mPa・s以上
(耐薬品性)
評価用成形体を40mm×40mm×厚さ1mmの大きさに切り出して試験片を得た。得られた試験片を5%塩酸、5%硫酸水溶液、5%硝酸水溶液、及び5%水酸化ナトリウム水溶液の順にそれぞれ浸漬し、1日1回撹拌して一週間ずつ静置した。浸漬前後の試験片の質量を測定して浸漬前の試験片の質量を基準とした質量変化率(%)を算出し、以下に示す評価基準にしたがって耐薬品性を評価した。結果を表21〜24に示す。
○:質量変化率が2%未満
×:質量変化率が2%以上
(耐水性)
評価用成形体を40mm×40mm×厚さ1mmの大きさに切り出して試験片を得た。得られた試験片を温度70℃、相対湿度90%の雰囲気下に8日間放置した後、表面に付着した水を拭き取ってから、温度28℃、相対湿度50%の雰囲気下に3時間放置した。さらに、試験片を121℃、2気圧、相対湿度100%のオートクレーブ中に120時間保持した。処理前後の試験片の耐電圧を測定して処理前の試験片の耐電圧を基準とした耐電圧低下率(%)を算出し、以下に示す評価基準にしたがって耐水性を評価した。結果を表21〜24に示す。
○:耐電圧低下率が10%未満
△:耐電圧低下率が10%以上50%未満
×:耐電圧低下率が50%以上
(電気絶縁性)
アルミニウム製リング内に樹脂組成物を充填した後、油圧プレスにより加圧成型(20MPa)して測定用試料を作製した。電気抵抗率計を使用して作製した測定用試料の電気体積抵抗値を測定し、以下に示す評価基準にしたがって電気絶縁性を評価した。結果を表21〜24に示す。
◎:電気体積抵抗値が1010Ω・cm以上
○:電気体積抵抗値が105Ω・cm以上1010Ω・cm未満
△:電気体積抵抗値が10Ω・cm以上105Ω・cm未満
×:電気体積抵抗値が10Ω・cm未満
(成形性)
評価用成形体を作製する際の機械の摩耗性、及び作製した評価用成形体の表面状態を観察し、以下に示す評価基準にしたがって成形性を評価した。結果を表21〜24に示す。
以下の基準で判定した。
○:摩耗性及び表面状態に特に問題なし
△:摩耗性及び表面状態のいずれかに問題あり
×:摩耗性及び表面状態に問題あり
Figure 2018035350
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(実施例148)
実施例3の液状組成物をアルミニウム製の部材の表面に塗工した。熱風乾燥して溶剤を除去した後、40℃の乾燥機にて48時間エージングして、部材の表面上に薄膜が形成された試験片を作製した。前述の「評価(1)」の「熱伝導率の測定」と同様の方法で作製した試験片の熱伝導率を測定した。その結果、試験片の熱伝導率の値は、アルミニウムの熱伝導率を阻害することなく十分に高いことが判明した。また、前述の「評価(1)」の「熱放射率の測定」と同様の方法で測定した試験片の熱放射率は0.50であり、アルミニウム自体の熱放射率(0.03)から向上したことが判明した。さらに、形成された薄膜は、アルミニウム製の部材の表面への密着性が高いものであった。
(実施例149)
タルク1を6部、硫酸バリウム1を14部、水60部、及び膜形成用樹脂としての水溶性ポリウレタン樹脂20部を配合して液状組成物を調製した。調製した液状組成物をアルミニウム製の部材の表面へ塗工した後、熱風乾燥して水を除去した。次いで、40℃の乾燥機にて48時間エージングして、部材の表面上に薄膜が形成された試験片を作製した。前述の「評価(1)」の「熱伝導率の測定」と同様の方法で作製した試験片の熱伝導率を測定した。その結果、試験片の熱伝導率の値は、アルミニウムの熱伝導率を阻害することなく十分に高いことが判明した。また、前述の「評価(1)」の「熱放射率の測定」と同様の方法で測定した試験片の熱放射率は、アルミニウム自体の熱放射率(0.03)よりも高いことがわかった。さらに、形成された薄膜は、アルミニウム製の部材の表面への密着性が高いものであった。
本発明によれば、以下に示す樹脂組成物が提供される。
[1]熱伝導性物品を形成するために用いられる樹脂組成物であって、少なくとも2種の熱伝導性フィラーと、成形用樹脂と、溶剤と、を含有し、前記熱伝導性フィラーが、下記(i)〜(iii)のいずれかの組み合わせであり、熱伝導性薄膜を形成するために用いられる液状組成物である樹脂組成物。
(i)平均粒子径0.5〜20μmのタルクと、平均粒子径0.03〜μmの硫酸バリウムとの組み合わせであって、硫酸バリウムの含有量に対するタルクの含有量の比が、質量基準で0.1〜10である。
(ii)平均粒子径1〜5μmのタルクと、平均粒子径0.5〜30μmのアルミナとの組み合わせであって、アルミナの含有量に対するタルクの含有量の比が、質量基準で0.1〜10である。
(iii)平均粒子径1〜5μmのタルクと、平均粒子径1〜20μmの窒化アルミニウムとの組み合わせであって、窒化アルミニウムの含有量に対するタルクの含有量の比が、質量基準で1以下である。
[2]前記成形用樹脂が、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレア系樹脂、エポキシ系樹脂、ゴム系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース系樹脂、及び熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤可溶性の膜形成用樹脂である前記[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記膜形成用樹脂100質量部に対する、前記熱伝導性フィラーの含有量が、20〜200質量部である前記[2]に記載の樹脂組成物。
[4]熱伝導性物品を形成するために用いられる樹脂組成物であって、少なくとも2種の熱伝導性フィラーと、成形用樹脂と、を含有し、前記成形用樹脂が、ポリアミド系樹脂及びポリオレフィン系樹脂の少なくともいずれかであり、前記熱伝導性フィラーが、下記(i)〜(iii)のいずれかの組み合わせであり、薄膜以外の熱伝導性物品を成形して製造するために用いられる樹脂組成物。
(i)平均粒子径0.5〜20μmのタルクと、平均粒子径0.03〜5μmの硫酸バリウムとの組み合わせであって、硫酸バリウムの含有量に対するタルクの含有量の比が、質量基準で1〜10である。
(ii)平均粒子径0.5〜20μmのタルクと、平均粒子径0.5〜30μmのアルミナとの組み合わせであって、アルミナの含有量に対するタルクの含有量の比が、質量基準で1〜10である。
(iii)平均粒子径0.5〜20μmのタルクと、平均粒子径1〜20μmの窒化アルミニウムとの組み合わせであって、窒化アルミニウムの含有量に対するタルクの含有量の比が、質量基準で0.1〜1である。
[5]前記窒化アルミニウムの含有量に対する前記タルクの含有量の比が、質量基準で0.5以下である前記[4]に記載の樹脂組成物。
[6]前記熱伝導性フィラーの含有量が、5〜95質量%である前記[4]又は[5]に記載の樹脂組成物。
また、本発明によれば、以下に示す熱伝導性薄膜、熱伝導性物品、リチウム二次電池用外装材、及び電子機器用部材が提供される。
[7]前記[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物を塗工して形成される熱伝導性薄膜。
[8]前記[4]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物を成形して得られる熱伝導性物品。
[9]前記[7]に記載の熱伝導性薄膜を最表面に備えたリチウム二次電池用外装材。
[10]金属製部材と、前記金属製部材の表面上に配置された前記[7]に記載の熱伝導性薄膜と、を備えた電子機器用部材。
Figure 2018035350
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Claims (10)

  1. 熱伝導性物品を形成するために用いられる樹脂組成物であって、
    少なくとも2種の熱伝導性フィラーと、成形用樹脂と、を含有し、
    前記熱伝導性フィラーが、下記(i)〜(iii)のいずれかの組み合わせである樹脂組成物。
    (i)平均粒子径0.5〜20μmのタルクと、平均粒子径0.03〜5μmの硫酸バリウムとの組み合わせであって、硫酸バリウムの含有量に対するタルクの含有量の比が、質量基準で0.1〜10である。
    (ii)平均粒子径0.5〜20μmのタルクと、平均粒子径0.5〜30μmのアルミナとの組み合わせであって、アルミナの含有量に対するタルクの含有量の比が、質量基準で0.1〜10である。
    (iii)平均粒子径0.5〜20μmのタルクと、平均粒子径1〜20μmの窒化アルミニウムとの組み合わせであって、窒化アルミニウムの含有量に対するタルクの含有量の比が、質量基準で1以下である。
  2. 溶剤をさらに含有するとともに、
    前記成形用樹脂が、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレア系樹脂、エポキシ系樹脂、ゴム系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース系樹脂、及び熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤可溶性の膜形成用樹脂であり、
    熱伝導性薄膜を形成するために用いられる液状組成物である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記膜形成用樹脂100質量部に対する、前記熱伝導性フィラーの含有量が、20〜200質量部である請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記成形用樹脂が、ポリアミド系樹脂及びポリオレフィン系樹脂の少なくともいずれかである請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. 前記窒化アルミニウムの含有量に対する前記タルクの含有量の比が、質量基準で0.5以下である請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 前記熱伝導性フィラーの含有量が、5〜95質量%である請求項4又は5に記載の樹脂組成物。
  7. 請求項2又は3に記載の樹脂組成物を塗工して形成される熱伝導性薄膜。
  8. 請求項1及び4〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物を成形して得られる熱伝導性物品。
  9. 請求項7に記載の熱伝導性薄膜を最表面に備えたリチウム二次電池用外装材。
  10. 金属製部材と、前記金属製部材の表面上に配置された請求項7に記載の熱伝導性薄膜と、を備えた電子機器用部材。
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