JP2018035199A - シロドシンγ型結晶及びその製造方法 - Google Patents

シロドシンγ型結晶及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トルエンを実質的に含まないシロドシンのγ型結晶及びその製造方法の提供。【解決手段】 残留トルエン濃度が89ppmを超えないシロドシンγ型結晶の製造方法であって,主原料とするシロドシンを,低級アルコールより選ばれる溶媒と混合し撹拌して溶解させ,溶液を冷却してシロドシンをγ型結晶として析出させることを含み,且つ該溶液の冷却の過程において,結晶未析出の段階でシロドシンγ型結晶を種晶として加えることを含むものである,製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は,シロドシンγ型結晶に関し,特にトルエンを実質的に含有しないシロドシンのγ型結晶及びその製造方法に関する。
尿路選択的,特に前立腺選択的なα−アドレナリン受容体阻害剤であるシロドシン
Figure 2018035199
は,排尿障害治療に用いられている薬物である。シロドシンには,α型,β型,γ型,δ型等,複数の結晶形が知られている。結晶化させるための溶媒として酢酸エチルを用い温度変化により析出させて得られるα型や,微量のメタノールで溶解後に多量の石油エーテル中で析出させることができるβ型結晶に対し,γ型結晶の製造には,結晶化溶媒としてトルエンを使用することが避けられず,多量のトルエンが結晶中に残留する(特許文献1参照)。トルエンは高沸点で除去に手間を要し,結晶に残留したトルエンを十分に除去するのが困難であるなどの問題点を有すること,及び医薬品原料中のトルエンの残存量は890ppm以下とすることが求められているが,γ型結晶はこの点で問題がある(特許文献1参照)。実際上,γ型結晶の製造に用いられたトルエンは,結晶中に1000ppm前後の濃度で残存してしまい,それ以上除去することは困難である。
トルエンは,残留溶媒についてのガイドライン(ICH Q3C(R4)ガイドライン)において,毒性がクラス2に分類されており,人体に有害である。その点からも上記のような高濃度にトルエンを含有する結晶を医薬品原料として使用することはできないが,トルエンを用いずにシロドシンのγ型結晶を製造する手段は,これまで知られていなかった。
特許第4532274号
上記の背景において,本発明は,トルエンを実質的に含まないシロドシンのγ型結晶及びその製造方法の提供を目的とする。
本発明者は,溶媒としてトルエンを用いないシロドシンのγ型結晶の製造方法を求めて研究を重ね,その結果,アルコール系等の特定の溶媒を用いて,トルエンを使用せずにシロドシンのγ型結晶を得る方法を見出した。本発明は当該発見に基づいて完成されたものである。即ち,本発明は以下を提供する。
1.トルエンを実質的に含有しないシロドシンγ型結晶。
2.トルエンの含有量が0〜100ppmである,上記1のシロドシンγ型結晶。
3.トルエンを含有しないものである,上記2のシロドシンγ型結晶。
4.シロドシンγ型結晶の製造方法であって,主原料とするシロドシンを,低級アルコールより選ばれる溶媒と混合し撹拌して溶解させ,溶液を冷却してシロドシンをγ型結晶として析出させることを含んでなる,製造方法。
5.上記4のシロドシンγ型結晶の製造方法であって,該溶液の冷却の過程において,結晶未析出の段階でシロドシンγ型結晶を種晶として加えることを含むものである,製造方法。
6.該低級アルコールが1価アルコールである,上記4又は5の製造方法。
7.該低級アルコールが,炭素数1〜4のものである,上記4〜6の何れかの製造方法。
8.該低級アルコールが2−プロパノールである,上記4の製造方法。
9.t−ブチルメチルエーテルを共溶媒として用いることを特徴とする,上記4〜8の何れかの製造方法。
本発明によれば,有害な溶媒であるトルエンを従来約1000ppmの濃度で含有していた従来のシロドシンγ型結晶とは対照的に,トルエンを実質的に含有しないシロドシンγ型結晶を得ることが可能となる。
本発明の製造方法において主原料として用いるシロドシンは,溶媒に完全に溶解させるから,その結晶形は問わず,非晶質でもよい。また,シロドシンγ型結晶の析出を促すためのシロドシンγ型結晶を種晶として用いても,結晶化溶媒にトルエンを用いないことから,トルエンを実質的に含まないシロドシンγ型結晶を得ることができる。
更には,そのようにして得られたシロドシンγ型結晶は,これを本発明の製造方法を実施するにおいて,主原料として又は種晶として或いはこれら双方として再度利用することもできるから,トルエン含量を更に激減させたシロドシンγ型結晶を得ることができる。従って,トルエン含有量を極限までゼロに近づけたシロドシンγ型結晶を得ることも可能となる。
図1は,実施例5で得られたシロドシンγ型結晶の粉末X線回折パターンを示す。横軸は2θ(°),縦軸は強度を,それぞれ表す。
本明細書において,シロドシンのγ型結晶について,「トルエンを実質的に含有しない」というときは,結晶中のトルエン含量(ppm)が,従来のような約1000ppmもの濃度にトルエンを含有していたシロドシンγ型結晶とは異なって,トルエンを含有するとしても含有量が最大で100ppm以下に止まるもの,すなわちトルエン含有量が0〜100ppmの範囲に収まることをいう。トルエン含有量がこの範囲内に収まっていれば医薬品原料として特に問題なく許容できるため,「実質的に含有しない」として取り扱うことができる。
本発明のシロドシンγ型結晶のトルエン含有量は,好ましくは0〜89ppm,より好ましくは0〜75ppm,更に好ましくは0〜50ppmである。本発明の製造方法を1回実施して得られるシロドシンγ型結晶を用いて,本発明の製造方法を更に実施することを反復すれば,1回の実施の毎に得られるシロドシンγ型結晶中のトルエン含有量は激減することから,本発明の製造方法をそのようにして単に数サイクル行うことで,得られるシロドシンγ型結晶のトルエン含有量を25ppm以下,5ppm以下,1ppm以下等と引き下げることも容易である。
本明細書において,シロドシンγ型結晶について,「トルエンを含有しない」というときは,結晶のトルエン含有量が0〜5ppmの範囲に収まっていることをいう。
本明細書において,シロドシンについて,「主原料」というときは,1サイクルの結晶化プロセスにおいて,量的に主要な原料として投入され,溶媒により溶解された後に結晶化に付されることになるシロドシンを意味する。
本明細書において,シロドシンについて,「種晶」というときは,主原料のγ型での結晶化開始を促す目的で,主原料の溶液に,その冷却過程の途中でごく僅かな量添加されるシロドシン結晶(γ型)をいう。
本明細書において,「低級アルコール」というときは,炭素数1,2,3,4,5又は6個のアルコールをいう。好ましくは,1価アルコールであり,そのうちでも好ましいのは,炭素数1〜4個のアルコールである。特に好ましい低級アルコールとしては,メタノール,エタノール,1−プロパノール,2−プロパノールが挙げられる。
主原料とするシロドシンは,非晶質のものであっても,α型結晶やβ型結晶あってもよく,γ型結晶であってさえも(必要に応じ,本発明により結晶化を複数サイクル行うことで)用いることができる。
主原料とするシロドシンを溶媒に溶解させるときの温度は,特に制限はなく,用いた溶媒に応じて取り扱いやすい温度とすればよい。例えば,2−プロパノールを用いる場合,70℃付近(70±5℃等),メタノールやエタノールでは40℃付近(40±5℃等)とすることができるが,これらに限定されるわけではなく,シロドシンの結晶析出をもたらすに十分な温度差が後の冷却温度との間で確保できるものであればよく,そのような温度は適宜設定することができる。
シロドシン溶液の冷却温度も同様であり,例えば0℃付近(0±5℃等)から,25℃付近(25±5℃)とすることができるが,これらに限定されない。
主原料の溶液への種晶の添加は,主原料の結晶化がまだ開始しておらず,しかし添加される種晶が完全に溶解してしまわないよう,主原料が飽和濃度付近にある段階(飽和濃度に達するやや手前〜幾分過飽和の状態)において行えばよく,その時機は,用いる溶媒と溶液中における主原料の濃度とに依存するから,結晶化にあたり適宜作業者が決定する事項である。一度結晶化を試行して条件を定めれば,それ以降は同一条件で行うことができる。
本発明において,主原料とするシロドシンを溶媒と混合し撹拌しつつ加熱して溶解させた後,その状態で撹拌を所定時間維持することが,溶媒として2−プロパノール又は炭素数4個以上の低級アルコールを用いた場合には好ましい。そのような撹拌によりγ型結晶生成の確実性が高まる。「所定時間」に明確な下限はないが,例えば,少なくとも5分間,より好ましくは少なくとも10分間,更に好ましくは少なくとも20分間であり,例えば30分間撹拌を維持すれば十分である。より長く撹拌しても技術上の問題はないから,撹拌時間に上限はないが,設定した最小限の撹拌時間が経過した後は,何時でも溶液の冷却を開始してよい。
本明細書において,「共溶媒」は,シロドシンに対する貧溶媒であり,シロドシン溶液に,その冷却過程の適宜の時点で(例えば,冷却温度に達した時,又は種晶の添加の直後等),添加することができる。共溶媒の添加は必須ではないが,添加により溶媒の全体量が増すため,結晶化したシロドシンのスラリーを希釈しその粘度を低下させて,晶析槽からの抜き出しを容易にする,という効果が得られる。共溶媒の添加は,進行してゆくシロドシンγ型結晶の成長に影響を及ぼさないよう,シロドシンを含んだ液を撹拌しつつこれに滴下する形で行うことが好ましい。本発明において特に適した共溶媒は,t−ブチルメチルエーテルであり,これは,共溶媒無添加の場合に得られるシロドシン結晶(γ型)に影響を及ぼすことがない。
以下,実施例を参照して本発明を更に詳細に説明するが,本発明がそれらの実施例に限定されることは意図しない。
〔残留トルエン濃度の測定方法〕
本明細書において,シロドシン結晶の残留トルエン濃度の測定には,以下の方法を用いた。
(a)1−ブタノール0.25gをとり,ジメチルスルホキシドを加えて100mLとし,内標準溶液とする。内標準溶液1mLを正確にとり,ジメチルスルホキシドを加えて正確に10mLとし,内標準添加液とする。
(b)シロドシン0.1gを精密に量り,内標準添加液2mLを正確に加えて,試料溶液とする。
(c)トルエン約8.9gを精密に量り,ジメチルスルホキシドを加えて正確に100mLとし,トルエン溶液とする。この液1mLを正確にとり,ジメチルスルホキシドを加えて正確に100mLとする。この液1mLを正確にとり,内標準溶液2mLを正確に加え,ジメチルスルホキシドを加えて正確に20mLとし,この液2mLを標準溶液とする。
(d)試料溶液及び標準溶液のそれぞれの容器内の気体1mLにつき,次の条件でのガスクロマトグラフ法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するトルエンのピーク面積の比Q及びQ値よりトルエン量を求める。
トルエン量(ppm)=M×Q/Q×1/M×10
ここに,
:試料溶液中の内標準物質のピーク面積に対するトルエンのピーク面積の比
:標準溶液中の内標準物質のピーク面積に対するトルエンのピーク面積の比
:シロドシンの秤取量(mg)
:トルエンの秤取量(mg)
シロドシン中の残留トルエン量について,上記のようにして調製した試料溶液及び標準溶液を用い,ガスクロマトグラム法(検出器:水素炎イオン化,カラム:6%シアノプロピルフェニル−94%ジメチルシリコンポリマー被覆)を用いて測定する。
〔参考例1〕 結晶化方法のスクリーニング
シロドシンγ型結晶の製造方法を見出すための前段階として,種々の溶媒を用いて何型の結晶が得られるかを調べた(表中の「溶媒量(v/w)」は,シロドシンのg量に対する溶媒のmL体積を表す)。すなわち非晶質のシロドシン50mgを次の表1に記載した溶媒のそれぞれに添加し,室温にて24時間撹拌した後,50℃で減圧乾燥して結晶を得た。それぞれで得られた結晶につき,粉末X線回折パターンを測定して結晶形を同定した。結果を併せて表1に示す。
Figure 2018035199
表1に見られるとおり,得られた結晶のうちγ型であったのはトルエンを溶媒に用いた場合のみであり,それ以外は全て,α型,β型,δ型やα型とβ型との混晶等,他の結晶形のものであった。
〔参考例2〕 γ型結晶の製造
シロドシン(α型結晶)3gにトルエン12mLを加え90℃にて30分間撹拌した後,20℃まで徐冷した。生じた結晶を濾取し50℃で乾燥させてγ型結晶2.7gを得た。この結晶の残留トルエン濃度は,1018ppmであった。
〔実施例1〕 γ型結晶化方法の検討−1
次いで,トルエンを使用せずにシロドシンのγ型結晶を得るための方法を求めて,検討を行った。
即ち,シロドシン(α型結晶)50mgを表2に記載したとおりにそれぞれ溶媒を加え,加熱して溶解させ,冷却を開始し,溶液に種晶としてシロドシンのγ型結晶(参考例2)を3重量%(溶液中のシロドシン量に対する重量割合)加えた。混合物を0℃に冷却し,析出した結晶を濾取して減圧乾燥した,乾燥結晶を粉末X線回折により分析した。
<結果>
結果を,使用溶媒,温度条件と共に,表2に示す。
Figure 2018035199
表2見られるように,溶媒としてメタノール,エタノール,1−プロパノールを使用した場合に,シロドシンのγ型結晶が得られ,2−プロパノール,1−ブタノール,2−ブタノール使用した場合にγ型とβ型の混晶が得られた。これに対し,ケトン類溶媒を用いた場合にはα型のみ,エステル類溶媒を用いた場合には主としてα型が得られ,酢酸イソプロピルでのみγ型がβ型との混晶として得られた。溶媒として水を用いた場合は,γ型結晶が得られたが,非晶質のシロドシンも含まれていた。エーテル類又は炭化水素類の溶媒では,シロドシンは還流下においてさえも不溶であった。これらの結果は,総合すると,シロドシンのγ型結晶を種晶として加えれば,メタノール,エタノール,1−プロパノール又は水の使用によりシロドシンのγ型結晶を得ることができること(但し水の場合非晶質も含まれる),及びこれら以外のアルコール類にも,条件次第でシロドシンのγ型結晶を与える潜在的可能性のあることを示唆している。
〔実施例2〕 γ型結晶化方法の検討−2
上記の結果に基づき,更に2−プロパノールを用いて,シロドシンのγ型結晶の取得を試みた。
即ち,上記実施例1と同様に,但しシロドシンを溶媒に溶解させた後に,引き続き30分間の撹拌行った上で,冷却を開始するように変更して,結晶化を試みた。このようにすることで,溶媒として2−プロパノールを用いてもシロドシンのγ型結晶が再現性良く得られることが判明した(データ示さず)。
〔実施例3〕 2−プロパノールからのシロドシンの結晶化の再確認
実施例2の結果に基づき,2−プロパノールを用いた結晶化について更に検討を行った。
即ち,表3に示した各条件で,主原料としてシロドシン(α型結晶)を2プロパノールに加え,加熱して溶解させた後,引き続き30分間撹拌した。得られた溶液を冷却し,種晶としてシロドシンのγ型結晶を加えた後,更に冷却した。析出物を濾取し,減圧乾燥してシロドシンの結晶を得た。何れの結晶もγ型であった。収率を併せて表3に示す。
Figure 2018035199
表3に見られるとおり,試験番号1〜6の何れの条件でも,収率こそ異なるものの,安定してシロドシンγ型結晶が得られた。
〔実施例4〕 共溶媒の検討
実施例4において,安定してシロドシンγ型結晶が得られることが確認できたことから,次いで,工業的スケールでの操作性の改善を求めて検討を行った。2−プロパノールを溶媒とするシロドシンγ型結晶のスラリーが高粘性で,晶析槽からの抜き出しの操作性に難点があったためである。
結晶化において共溶媒を用いることを着想し,共溶媒として,2−プロパノールに比べてシロドシンを溶解させにくい溶媒(水,ヘプタン,t−ブチルメチルエーテル)を試みた。即ち,主原料であるシロドシン(α型結晶)0.2gを2−プロパノール0.6mL(3v/w)に加え,70〜73℃に加熱して溶解させた後,引き続き30分間撹拌した。得られた溶液を45℃に冷却し,種晶としてシロドシンのγ型結晶を2重量%(主原料に対する重量%)添加した。混合物を10分間撹拌後,25℃に冷却して共溶媒を滴下した。析出物を濾取し,減圧乾燥した。生成物を粉末X線回折により分析した。結果を表4に示す。
Figure 2018035199
表4に示すように,共溶媒としてn−ヘプタンを用いた場合にはα型結晶とγ型結晶との混晶が生じたが,共溶媒としt−ブチルメチルエーテルを用いた場合にはγ型結晶のみが得られた。共溶媒として水を用いた場合には,γ型結晶以外に非晶質のシロドシンが得られた。
〔実施例5〕 スケールアップ検討
主原料として粗シロドシン(α型結晶)(HPLC面積:99.22%)20gを,2−プロパノール60mLに加え,70℃に加熱して溶解させた後,引き続き30分間撹拌した。得られた溶液を45℃に冷却し,これに種晶としてシロドシンのγ型結晶4〜5重量%(表5参照)を添加した。1時間撹拌の後,t−ブチルメチルエーテル500mLを約25分かけて滴下し,その後室温まで冷却して1〜17時間撹拌した。析出物を濾取し,ろ過器上でt−ブチルメチルエーテル30mLで洗浄した。湿結晶を50℃で減圧乾燥することで,シロドシンγ型結晶を得た。得られた結晶につき,残留トルエン濃度を測定した。結果を表5に示す。
Figure 2018035199
表5に示すように,何れの試験でもシロドシンγ型結晶の残留トルエン濃度は,50ppmより低い31〜38ppmの値であった。
本発明は,α−アドレナリン受容体阻害剤であるシロドシンのうち,そのγ型結晶を,人体に対し有害物質であり医薬品原体中の残留が規制されているものであるトルエンを実質的に含有しない形で製造すること可能にした点で,有用である。

Claims (6)

  1. 残留トルエン濃度が89ppmを超えないシロドシンγ型結晶。
  2. 残留トルエン濃度が89ppmを超えないシロドシンγ型結晶の製造方法であって,主原料とするシロドシンを,低級アルコールより選ばれる溶媒と混合し撹拌して溶解させ,溶液を冷却してシロドシンをγ型結晶として析出させることを含み,且つ該溶液の冷却の過程において,結晶未析出の段階でシロドシンγ型結晶を種晶として加えることを含むものである,製造方法。
  3. 該低級アルコールが1価アルコールである,請求項2の製造方法。
  4. 該低級アルコールが,炭素数1〜4のものである,請求項2又は3の製造方法。
  5. 該低級アルコールが2−プロパノールである,請求項3の製造方法。
  6. t−ブチルメチルエーテルを共溶媒として用いることを特徴とする,請求項2〜5の何れかの製造方法。
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