JP2018035112A - 抗癌剤の抗腫瘍効果の増強剤、癌治療剤、及び癌治療用医薬組成物。 - Google Patents

抗癌剤の抗腫瘍効果の増強剤、癌治療剤、及び癌治療用医薬組成物。 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、抗癌剤の抗腫瘍効果を劇的に増強し得る薬剤を提供することを目的とする。
【解決手段】プロリル水酸化酵素阻害剤を有効成分とする、抗癌剤の抗腫瘍効果の増強剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗癌剤の抗腫瘍効果を増強させる増強剤に関する。また、本発明は、前記増強剤を使用した癌治療剤及び癌治療用医薬組成物に関する。
狭心症や心筋梗塞等の虚血性心疾患、虚血性血管障害等の虚血障害を改善するための薬剤の一つとして、プロリル水酸化酵素(PHD)阻害剤が知られている。プロリル水酸化酵素(PHD)は、低酸素環境に順応するために必要な遺伝子の発現制御を司る転写因子HIF(低酸素誘導性因子、hypoxia−inducible factor)の、ある特定のアミノ酸プロリン残基を水酸化する酵素である。通常酸素濃度環境では、HIFはPHDによって分解されるが、低酸素になるとPHDが失活して分解が抑制され、細胞に蓄積したHIFが低酸素環境に対する防御機構を誘導し得る。すなわち、PHDはHIFを介した低酸素応答のオン・オフを決定するスイッチ役として機能する「細胞内酸素濃度センサー」であると言え、PHDの活性を阻害することによりHIFが活性化され、血管新生等を誘導することができる。
PHD阻害剤を利用したHIFの活性化により虚血障害を改善、治療する方法はこれまでに数多く研究されている。例えば、非特許文献1及び2には、虚血皮弁モデルマウスにPHD阻害剤としてジメチルオキサリルグリシン(dimethyloxalylglucine,DMOG)を腹腔内投与すると壊死組織の血管新生が促進され組織が再生することが開示されている。また例えば、特許文献1には、低酸素誘導性因子−プロリル水酸化酵素阻害剤作用を有するピラゾロピリミジン化合物が開示されている。
ところで、癌治療では、従来、標準的な治療方法として、外科的手術、薬物療法、放射線療法等が実施されている。これらの治療方法で除去しきれない癌に対しては、腫瘍に栄養を送る血液の流れを止めて腫瘍が育つのを阻止したり壊死させる動脈塞栓術のような血管内治療、ベバシズマブ(商品名アバスチン)の血管内皮細胞増殖因子(VEGF)阻害剤を用いた血管新生阻害による治療、癌細胞の血管の破壊する薬剤を利用した治療等が行われ、癌細胞に対して栄養が届かないように、いわゆる兵糧攻めの状態にすることで癌細胞の増殖速度を低下させたり、壊死させる方法が利用されている。そのような「兵糧攻め」による治療法では、血管を障害するメカニズムにより酸素や栄養分の供給が遮断され、その結果、癌細胞の生存率が低下して固形癌が縮小し得る。
国際公開公報第2014/030716号パンフレット
M.Takaku et al, PLos Pne, 2012;7(8):e42964 松永ら、心血管薬物療法 Vol.2, No.1, 2014, 11−16
しかしながら、この治療法では、癌組織周辺をはじめとする正常組織に対しても血管障害が生じる場合があり、副作用のリスクが排除できない。また、この治療法では、癌幹細胞自体を消滅させるのは困難なため、新たに薬剤耐性の癌が出願して再発に至るおそれがある。
腫瘍では、その血管組織が正常血管とは異なり、構造的・機能的に脆弱であり、血流や血管透過性が変化し、酸素や栄養分の供給や薬剤の腫瘍組織への送達が低下している。この低下が、放射線治療や薬物療法に対する腫瘍の抵抗性の原因の一つとも考えられる。
本発明は、前記現状に鑑みて、抗癌剤の抗腫瘍効果を劇的に増強し得る薬剤を提供することを目的とする。より具体的には、本発明は、腫瘍において血管障害を引き起こすことによって腫瘍を退縮又は壊死させる従来方法とは逆に、腫瘍組織の血管機能を正常化することで腫瘍組織への抗癌剤の送達を良好にして、抗癌剤の抗腫瘍効果を増強する薬剤を提供することを目的とする。また、本発明は、抗癌剤の抗腫瘍効果が増強した癌治療用医薬組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、プロリル水酸化酵素(PHD)阻害剤を腫瘍に投与することにより、腫瘍における血管の機能が正常化し得ることを見出した。また、腫瘍における血管の機能が正常化されることで、抗癌剤が腫瘍組織へ良好に送達されることを見出した。更に、PHD阻害剤を抗癌剤と併用することにより、腫瘍における抗癌剤の抗腫瘍効果が劇的に向上し得ることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて更に研究を重ねた結果、完成されたものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. プロリル水酸化酵素阻害剤を有効成分とする、抗癌剤の抗腫瘍効果の増強剤。
項2. 前記プロリル水酸化酵素阻害剤が、ジメチルオキサリルグリシン、FG−4592(Roxadustat)、FG−2216、FG−4497、BAY−85−3934(Molidustat)、AKB−6548(Vadadustat)、GSK1278863(Daprodustat)、JTZ−951、TM−6089、及びDS−1093からなる群より選択される少なくとも1種である、項1に記載の増強剤。
項3. 前記抗癌剤が、殺細胞性抗癌剤である、項1又は2に記載の増強剤。
項4. 抗癌剤の投与前に投与される、項1〜3のいずれかに記載の増強剤。
項5. 抗癌剤を含む第1製剤と、項1〜4のいずれかに記載の増強剤を含む第2製剤とを含む、癌治療剤。
項6. 抗癌剤と、項1〜4のいずれかに記載の増強剤とを含む、癌治療用医薬組成物。
本発明によれば、腫瘍組織への抗癌剤の送達が良好となり、抗癌剤の抗腫瘍効果を格段に増強させることができる薬剤を提供することができる。本発明の抗癌剤の抗腫瘍効果の増強剤は、投与した抗癌剤の抗腫瘍効果を劇的に増強することができるので、抗癌剤の投与量を減少させることができ、抗癌剤の副作用のリスクを低減することができる。また、本発明によれば、抗癌剤の抗腫瘍効果に優れた医薬組成物を提供することができる。
図1Aは、対照群とDMOG処置群のCD31染色画像である。図1Bは、対照群とDMOG処置群のCD31陽性領域割合(%)を示したグラフである。図1Cは、対照群とDMOG処置群の1mm2当たりの血管領域数(血管密度)を示したグラフである。図1Dは、対照群とDMOG処置群の血管長を示したグラフである。図1Eは、対照群とDMOG処置群の血管腔長径の頻度を示したグラフである。棒グラフは、平均±標準偏差を示す。画像は、各腫瘍において15以上撮影した。各群あたりn=3マウスである。*p値(図1Bの<0.001、図1Cの0.3683、図1Dの<0.001)は、対照に対する、Mann−Whitney U検定による値である。 図2Aは、NG2(緑)とCD31(赤)で同時染色した代表免疫蛍光画像である。スケールバーは、100μmを表す。図2Bは、CD31陽性領域中のNG2陽性領域の割合(%)を示したグラフである。図2Cは、Zonula occludens−1(ZO−1)(緑)とCD31(赤)で同時染色した代表免疫蛍光画像である。スケールバーは、50μmを表す。図2Dは、CD31陽性領域中のZO−1陽性領域の割合(%)を示すグラフである。棒グラフは、平均±標準偏差を示す。画像は、各腫瘍において15以上撮影した。各群あたりn=3マウスである。*p値(図1Bの<0.001、図1Dの<0.001)は、対照に対して、Mann−Whitney U検定による値である。 図3Aは、デキストランFITCを用いた腫瘍組織かん流の代表蛍光画像である。スケールバーは、500μmを表す。図3Bは、腫瘍組織における血液漏出の代表蛍光画像である。スケールバーは、100μmを表す。図3Cは、デキストランFITC投与したサンプルにおいてCD31(赤)で同時染色した代表蛍光画像である。 図4Aは、生細胞と死細胞の両方を染色するHoechst33342染色による代表蛍光画像である。図4Bは、全画像領域に対するHoechst陽性領域の割合(%)を示すグラフである。棒グラフは、平均±標準偏差を示す。画像は、各腫瘍において15以上撮影した。各群あたりn=3マウスである。*p値は<0.001であった(対照に対して。Mann−Whitney U検定)。 図5Aは、免疫蛍光染色した腫瘍の低酸素領域の代表蛍光画像である。低酸素領域と内皮細胞を抗ピモニダゾール抗体(緑)と抗CD31抗体(赤)で染色し、DAPI(青)で対比染色した。図5Bは、ピモニダゾール陽性領域の割合(%)を示すグラフである。棒グラフは、平均±標準偏差を示す。画像は、各腫瘍において15以上撮影した。各群あたりn=3マウスである。*p値は<0.05であった(対照に対して。Mann−Whitney U検定)。 図6Aは、対照群、DMOG処置群、CDDP処置群、DMOG及びCDDP処置群の腫瘍の成長曲線を示すグラフである。図6Bは、CDDP最終投与48時間後の、cleaved caspase−3(緑)及びCD31(赤)での免疫蛍光染色の代表蛍光画像である。4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI、青)で対比染色した。図6Cは、cleaved caspase−3(CC3)陽性細胞の割合(%)を示すグラフである。各腫瘍組織において10000以上の核をカウントした。各群はn=3マウスである。*p値は<0.05(対照に対して、t−検定)。図6Dは、3度目のCDDP投与の48時間後の、γH2AX(緑)及びCD31(赤)での免疫蛍光染色の代表蛍光画像である。図6Eは、γH2AX陽性細胞の割合(%)を示すグラフである。棒グラフは、平均±標準偏差を示す。各腫瘍組織において10000以上の核をカウントした。各群はn=3マウスである。*p値は<0.05(対照に対して、t−検定)。
増強剤
(有効成分)
本発明の、抗癌剤の抗腫瘍効果を増強するための増強剤は、プロリル水酸化酵素阻害剤(以下、本明細書において、「PHD阻害剤」ともいう。)を有効成分とする。
プロリル水酸化酵素(PHD)は、通常酸素濃度環境下において、低酸素誘導性因子(HIF)のα−サブユニット(HIFα)の特定のプロリン残基を水酸化することでHIFを分解へ導くことによって低酸素応答を抑制し、一方酸素濃度が低下すると酵素活性が失活し得る酵素である。このPHDの酵素活性を、PHD阻害剤によって阻害することにより、HIFが活性化され、血管新生などの低酸素環境における防御機構が誘導され得る。
PHD阻害剤としては、プロリル水酸化酵素(PHD)の活性を阻害してHIF活性化を図る作用を有する化合物、また、PHD阻害剤として一般に公知のものであれば、特に限定されず、例えばジメチルオキサリルグリシン(DMOG)、ピラゾロピリミジン化合物(国際公開第2014−030716号に記載されるピラゾロピリミジン化合物等)、FG−4592(roxadustat)、FG−2216、FG−4497、BAY−85−3934(molidustat)、AKB−6548(Vadadustat)、GSK127886(daprodustat)、JTZ−951、TM−6089、及びDS−1093等が挙げられる。なお、FG4592、FG2216、FG4497、BAY−85−3934、AKB−6548、GSK127886、JTZ−951、TM−6089、及びDS−1093は、いずれも開発番号である。
FG−4592(開発番号)は、Roxadustatとも称され、N−[(4−ヒドロキシ−1−メチル−7−フェノキシ−3−イソキノリニル)カルボニル]−グリシンとも称される化合物である。
FG−2216(開発番号)は、N−[(1−クロロ−4−ヒドロキシイソキノリン−3−イル)カルボニル]−グリシンとも称される化合物である。
BAY−85−3934(開発番号)は、Molidustatとも称され、1,2−ジヒドロ−2−[6−(4−モルホリニル)−4−ピリミジニル]−4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−3H−ピラゾール−3−オンとも称される化合物である。
AKB−6548(開発番号)は、Vadadustatとも称され、(5−(3−クロロフェニル)−3−ヒドロキシピコリノイル)グリシンとも称される化合物である。
GSK1278863(開発番号)は、Daprodustatとも称され、N−[(1,3−ジシクロヘキシルヘキサヒドロ−2,4,6−トリオキソピリミジン−5−イル)カルボニル]−グリシンとも称される化合物である。
TM−6089(開発番号)は、6−アミノ−1,3−ジメチル−5−[2−(ピリジン−2−イルスルファニル)−アセチル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオンとも称される化合物である。
なかでも、PHDの酵素阻害アナログ(2−OG)の作用機序を有するものが好ましく、具体的には、DMOG、FG4592(Roxadustat)、FG2216、FG4497、BAY−85−3934(Molidustat)、又はAKB−6548(Vadadustat)が好ましく、DMOGがより好ましい。
PHD阻害剤は、合成したものであっても、市販されるものであってもよい。PHD阻害剤の合成方法としては、特に限定されず、公知の合成方法が挙げられる。
本発明においては、PHD阻害剤として、市販品を使用することもできる。本発明において使用可能なPHD阻害剤の市販品としては、例えば、ファイブジェン社のFG4592(Roxadustat)、FG2216、FG4497、バイエル薬品社製のBAY−85−3934(Molidustat)、アケビア社のAKB−6548(Vadadustat)、グラクソ・スミス・クライン社のGSK127886(daprodustat)、日本たばこ産業株式会社のJTZ−961、東北大学 宮田敏男教授のTM−6089、第一三共株式会社のDS−1093等が挙げられる。
本発明の増強剤は、有効成分であるPHD阻害剤を25〜100質量%含むことが好ましく、30〜80質量%含むことがより好ましい。
本発明の増強剤は、所望の投与形態及び製剤形態に調製するために、必要に応じて、薬学的に許容される担体や添加剤を含んでいてもよい。このような担体や添加剤としては、希釈剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、懸濁化剤、溶解補助剤、安定化剤、甘味剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤、界面活性剤、保湿剤、保存剤、pH調整剤、緩衝剤、粘稠化剤等が挙げられる。
本発明の増強剤の剤型については、特に限定されず、その投与形態等に応じて適宜設定すればよい。本発明の増強剤の剤型としては、具体的には、注射剤、シロップ剤、細胞懸濁液、リポソーム製剤等の液状製剤;錠剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤等の固形状製剤;クリーム剤、ゲル剤、軟膏剤、噴霧剤、貼付剤等の外用剤、吸入剤等が挙げられ、内用、外用いかなる剤型であってもよい。また、注射剤にする場合には、使用前に生理食塩水等で溶解する用時調製用粉末(例えば凍結乾燥粉末)の形態であってもよい。
本発明の増強剤は、抗癌剤の抗腫瘍効果を増強させる目的で使用される。本発明の増強剤において、抗腫瘍効果を増強させる抗癌剤の種類としては、特に限定されず、一般に公知の抗癌剤が挙げられ、具体的には、分子標的薬、アルキル化剤、代謝拮抗剤、プラチナ製剤、ホルモン剤、トポイソメラーゼ阻害薬、微小管作用抗癌剤、免疫賦活剤、抗癌性抗生物質が挙げられる。
分子標的薬としては、例えば、イブリツモマブチウキセタン、ニボルマブ、イマチニブ、エベロリムス、エルロチニブ、ゲフィチニブ、スニチニブ、セツキシマブ、ソラフェニブ、ダサチニブ、タミバロテン、トラスツズマブ、トラスツズマブ エムタンシン、トレチノイン、パニツムマブ、ベバシズマブ、ボルテゾミブ、ラパチニブ、リツキシマブ、ベムラフェニブ、アレクチニブ等が挙げられる。
アルキル化剤としては、例えば、イホスファミド、カルボコン、シクロホスファミド、ダカルバジン、チオテパ、テモゾロミド、ニムスチン、ブスルファン、プロカルバジン、メルファラン、ラニムスチン等が挙げられる。
代謝拮抗剤としては、例えば、エノシタビン、カペシタビン、カルモフール、クラドリビン、ゲムシタビン、シタラビン、シタラビンオクホスファート、テガフール、テガフール・ウラシル、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム、ドキシフルリジン、ネララビン、ヒドロキシカルバミド、フルオロウラシル、フルダラビン、ペメトレキセド、ペントスタチン、メルカプトプリン、メトトレキサート等が挙げられる。
プラチナ製剤としては、例えば、オキサリプラチン、カルボプラチン、シスプラチン、ネダプラチン等が挙げられる。
ホルモン剤としては、例えば、アナストロゾール、エキセメスタン、エストラムスチン、エチニルエストラジオール、クロルマジノン、ゴセレリン、タモキシフェン、デキサメタゾン、トレミフェン、ビカルタミド、フルタミド、プレドニゾロン、ホスフェストロール、ミトタン、メチルテストステロン、メドロキシプロゲステロン、メピチオスタン、リュープロレリン、レトロゾール等が挙げられる。
トポイソメラーゼ阻害薬としては、例えば、イリノテカン、エトポシド、ノギテカン等が挙げられる。
微小管作用抗癌剤としては、例えば、エリブリン、ドセタキセル、ノギテカン、パクリタキセル、ビノレルビン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンブラスチン等が挙げられる。
免疫賦活剤としては、例えば、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、インターロイキン、ウベニメクス、レンチナン、乾燥BCG等が挙げられる。
抗癌性抗生物質としては、例えば、アクチノマイシンD、アクラルビシン、アムルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ジノスタチンスチマラマー、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ピラルビシン、ブレオマイシン、ペプロマイシン、マイトマイシンC、ミトキサントロン、リポソーマルドキソルビシン等が挙げられる。
これらの抗癌剤は、1種単独で使用する場合であっても、2種以上を組み合わせて使用する場合であっても、本発明の増強剤による抗腫瘍効果の増強対象とすることができる。これらの抗癌剤のなかでも、腫瘍細胞内に取り込まれ抗腫瘍効果を発揮できるものが好ましく、殺細胞性抗癌剤(アルキル化剤、代謝拮抗剤、プラチナ製剤、トポイソメラーゼ阻害薬、微小管作用抗癌剤、及び抗癌性抗生物質)がより好ましく、プラチナ製剤が更に好ましく、シスプラチンがより更に好ましい。
本発明の増強剤は、抗癌剤の抗腫瘍効果を増強し得るので、従来と比べて抗癌剤の投与量を減少させることができ、抗癌剤の副作用を低減することができる。例えば、抗癌剤としてシスプラチンを使用する場合、従来では、抗癌剤の投薬量は、ヒトでは通常1回あたり2.5〜0.5mg/kg(体重)程度の単回又は連日投与であるが、本発明の増強剤を使用する場合、総投薬量を従来の1/2〜1/4程度の量に減量することができる。具体的には、本発明の増強剤を使用する場合、例えば、抗癌剤がシスプラチンの場合、抗癌剤の投薬量としては、ヒトでは通常1回あたり1.6〜0.16mg/kg、好ましくは1.2〜0.16mg/kg(体重)、より好ましくは0.8〜0.16mg/kg(体重)が挙げられる。
本発明の増強剤において治療対象となる癌の種類については、化学療法の対象となる癌であれば特に限定されないが、固形癌又は血管形成を伴っている癌が好ましく、例えば、脳腫瘍、肺癌、乳癌、食道癌、胃癌、胆嚢癌、膵臓癌、大腸癌、舌癌、甲状腺癌、腎臓癌、肺癌、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、骨肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫等が挙げられる。
本発明の増強剤において、投与対象となる生物は、抗腫瘍効果が求められる生物であればよく、ヒトの他、ラット、ハムスター、モルモット、マウス、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、サル、ウサギ等の哺乳動物等が挙げられる。
本発明の増強剤の投与方法としては、特に限定されず、適用する疾患の種類に応じて適宜選択すればよく、全身投与であっても、局所投与であってもよい。具体的には、経口、経血管内(動脈内又は静脈内)、経皮、経腸、経肺投与等が挙げられる。血管内投与には、血管内注射、持続点滴も含まれる。本発明の増強剤の投与方法は、抗腫瘍効果の増強対象となる抗癌剤の投与方法と同じであってもよいし、異なっていてもよい。本発明の増強剤の投与方法が、抗腫瘍効果の増強対象となる抗癌剤と同じである場合には、本発明の増強剤と抗癌剤を混合した状態で投与してもよく、又はそれぞれを別々に投与してもよい。
本発明の増強剤の投与量については、抗腫瘍効果の増強対象とする抗癌剤、投与対象者の年齢、性別、体重、症状の程度、投与方法等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、有効成分であるPHD阻害剤がDMOGの場合、PHD阻害剤量換算で1回当たり0.8〜400mg/kg(体重)程度、好ましくは0.8〜100mg/kg(体重)、より好ましくは0.8〜32mg/kg(体重)であればよい。
本発明の増強剤の投与時期については、特に制限されず、抗癌剤の投与前、又は、抗癌剤の投与と同時であってもよいが、抗癌剤の投与前が好ましい。本発明の増強剤を抗癌剤の投与前に投与する場合の投与時期については、例えば、抗癌剤投与の48時間前〜10日前、好ましくは48時間前〜7日前、より好ましくは3日〜6日前程度が挙げられる。
癌治療剤、及び、癌治療用医薬組成物
本発明の癌治療剤は、前述の増強剤を抗癌剤と同じ又は異なる投与方法で投与して癌を治療する場合に使用されるものであり、抗癌剤を含む第1製剤と、前述の増強剤を含む第2製剤とを含むことを特徴とする。
また、本発明の癌治療用医薬組成物は、前述の増強剤を抗癌剤と同じ投与方法で癌を治療する場合に使用されるものであり、抗癌剤と前述の増強剤を同一製剤中に含むことを特徴とする。
本発明の癌治療剤及び癌治療用医薬組成物の構成や使用態様等については、前述の「増強剤」の欄に示すとおりである。
以上のとおり、本発明の増強剤、癌治療剤、及び癌治療用組成物は、有効成分としてPHD阻害剤を含むものであるため、腫瘍の血管機能を正常化させ、抗癌剤の腫瘍組織への送達を良好にすることにより抗癌剤の抗腫瘍効果を劇的に増強することができる。また、抗癌剤の抗腫瘍効果を増強することができるので、抗癌剤の投与量を減らすことができ、抗癌剤の副作用のリスクを低減することができる。このように本発明の増強剤、癌治療剤、及び癌治療用医薬組成物は、癌の治療に極めて有効である。
以下、試験例を挙げて、本発明を説明するが、本発明はこれらの試験例に制限されるものではない。
(被験動物)
全ての動物実験は、鳥取大学の動物実験委員会の承認を得て行われた。また、当該動物実験は、動物実験指針に基づき行われた。被験動物として、日本クレア株式会社からC57BL/6雌マウスを入手し、12時間の明暗サイクル、22±1℃下で、ケージ内で不断給餌して飼育したものを用いた。
<実験例1>
腫瘍血管構造におけるPHD阻害剤の効果
ルイス肺癌由来細胞株(LLC)細胞をダルベッコ改変イーグル培地(10%ウシ血清、及び、ペニシリン/ストレプトマイシンを含有する)において、5%CO2、95%大気、37℃の条件下で培養した。これらの細胞を回収し、リン酸緩衝液(PBS)中に1×107cells/mLの濃度となるよう懸濁させた。この細胞懸濁液100μLを8〜12週齢のマウスの右脇腹の皮下に移植した。腫瘍移植の10日後に、ジメチルオキサリルグリシン(DMOG)(Cayman Chemical, MI, USA)をマウスの腹腔内に400mg/kgの量で投与した。投与後2日に一度、腫瘍の大きさをキャリパーで測定し、腫瘍組織の体積を下記の式を用いて算出した。
[数1]
腫瘍組織体積(V)=π(長さ×幅2)/6
DMOG投与6日後の時点又は腫瘍組織の体積が4500mm3を超えた時点で、マウスから腫瘍組織を取り出し、免疫蛍光染色を行い、画像化した。得られた画像から、血管数及び血管長さ、CD31陽性領域の割合を求めた。対照として、DMOGを投与しなかったこと以外は同様に行った。免疫蛍光染色、免疫蛍光画像の解析は、下記の方法で行った。
(免疫蛍光染色)
腫瘍組織標本として厚さ8μmの凍結切片を作成した。得られた切片をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で30分間再水和し、4%(v/v)の冷パラホルムアルデヒドで10分間固定した。その切片をPBSで洗浄し、PBS中0.5%(v/v)のTritonTMX−100に10分間浸漬した。その切片を、5%正常ヤギ血清中で、室温で30分間ブロックし、下記の一次抗体で4℃で一晩培養した。
(一次抗体)
抗CD31(1:500)(eBioscience, CA, USA)、抗NG2(1:400)(Merck Millipore, MA, USA)、抗ZO−1(1:400)(Thermo12 Fisher Scientific, MA, USA)、 抗CC3(1:400)(Cell Signalling Technologies, MA, USA) 又は、 抗γH2AX (1:1000)(Merck Millipore, MA, USA)
その後、切片をPBS中0.1% Tween 20で洗浄し、適切な蛍光色素分子の二次抗体(AlexaFluor 488又はCy3,ヤギ抗ラット又はヤギ抗ウサギ IgG; Biolegend, CA, USA)で、室温で1時間培養した。
そして、その切片をPBS中0.1% Tween 20で洗浄し、エタノールで脱水した後、大気中で乾燥させた。それを、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール染色(1:5000)を含むVectashield mounting medium (Vector Laboratories, CA, USA)とカバーガラスでマウントした。
(免疫蛍光画像の定量化)
免疫蛍光画像は、蛍光顕微鏡(BZ−9000、キーエンス社製)を用いて得た。得られた免疫蛍光画像について、アプリケーションソフト(ハイブリッドセルカウント、キーエンス社製)を用いて定量化を行った。各サンプルにつき、100倍、200倍又は400倍の倍率の画像の少なくとも15視野を評価した。各実験において、各群につき少なくとも3頭のマウスを用いた。
(統計分析)
統計分析は、対応のないt−検定、続けてボンフェローニポストテストを用いて行った。全ての統計分析は、GraphPad Prism (バージョン6.02)softwareを用いて行った。p<0.05の値は統計的に有意とし、p<0.01、p<0.001、及び、p<0.0001は信頼度を示す。
結果を図1A〜図1Eに示す。図1Aは、対照群とDMOG処置群のCD31染色画像である。CD31で染色されるのは血管内皮細胞である。図1B〜図1Eは、それぞれ、対照群とDMOG処置群の、CD31陽性領域割合(%)、血管密度、平均血管長、血管腔長径の頻度を示すグラフである。DMOG処置群は、対照群と比べて、CD31陽性領域が増大し、血管長が増大し、血管密度が減少した(図1A〜図1D)。また、腫瘍血管腔長径に関しては、DMOG処置群は対照群と比べて、小さな直径の血管の頻度が減少し、大きな直径の血管の頻度は増大した(図1E)。これらの結果から、DMOGを投与することにより、腫瘍の血管構造が改善されることが示された。
また、図2Aは、NG2(緑)とCD31(赤)で同時染色した免疫蛍光画像を示す。図2Bは、CD31陽性領域中のNG2陽性領域の割合(%)を示すグラフである。
NG2は、周皮細胞のマーカーである。DMOG処置群の腫瘍血管では、周皮細胞の被覆率が増大することが示された(図2B)。
図2Cは、Zonula occludens−1(ZO−1)(緑)とCD31(赤)で同時染色した免疫蛍光画像を示す。図中の矢印は、ZO−1陽性血管を示す。図2Dは、CD31陽性領域中のZO−1陽性領域の割合(%)を示すグラフである。対照では、血管内皮細胞を密着結合するZO−1が見られなかったが、DMOG処置群では、ZO−1の発現が増大しただけでなく、血管内の密着結合の形成も改善したことが示された(図2C及び図2D)。これらのデータから、DMOG処置は、腫瘍血管の再構築だけでなく、腫瘍血管の成熟も改善することが示された。このように、DMOG処置は、血管の正常化を促進し得ることが示された。
<実験例2>
腫瘍血管機能の評価
実験例1と同様の方法で、腫瘍をマウスに移植して担癌マウスを調製し、DMOGを投与した。DMOG投与6日後にデキストランFITC(200kDa、シグマアルドリッチ社製)5mgを静脈内投与し、投与して10分経過後に、マウスから腫瘍を採取し、直ぐに液体窒素で凍結させた。凍結した腫瘍を厚さ8又は20μmに切片化し、実験例1と同様の方法で、免疫蛍光画像を得た。厚さ8μmの切片は、抗CD31抗体を用いて免疫蛍光染色を行った。対照として、DMOGを投与しなかったこと以外は同様に行った。
結果を図3A〜図3Cに示す。図3Aは、デキストランFITCを用いた腫瘍組織かん流の代表蛍光画像である。図3Bは、腫瘍組織における血液漏出の代表蛍光画像である。図3Cは、デキストランFITC投与したサンプルにおいてCD31(赤)で同時染色した代表蛍光画像である。使用したデキストランFITCは高分子の蛍光標識デキストランであり、通常正常な血管からは漏出しない。図3Aから、DMOG処置した場合、腫瘍の血流が回復することが示された。また、図3B及びCから、対照群では、デキストランFITCの血管外漏出が見られたが、DMOG処置群では、デキストランFITCの漏出が見られなかった。これらの結果から、DMOG処置した腫瘍血管は形態的に正常化し、血管機能が正常に回復したことが示された。
<実験例3>
薬物分布の評価
腫瘍組織における薬物分布を、Hoechest 33342(同仁化学研究所製)を用いて評価した。具体的には、実験例1と同様の方法で、腫瘍をマウスに移植して担癌マウスを調製し、DMOGを投与した。DMOG投与6日後に、PBS中Hoechest 33342を50mg/kgの量でマウスの尾に静脈注射し、10分後に腫瘍を採取し、直ぐに液体窒素で凍結させた。凍結した腫瘍を厚さ20μmに切片化し、蛍光顕微鏡(BZ−9000、キーエンス社製)を用いて免疫蛍光画像を得た。画像からアプリケーションソフト(ハイブリッドセルカウント、キーエンス社製)を用いて、Hoechest陽性領域の割合(%)について定量化した。対照として、DMOGを投与しなかったこと以外は同様に行った。
結果を図4A及び図4Bに示す。図4Aは、生細胞と死細胞の両方を染色するHoechest33342染色による蛍光画像である。図4Bは、全画像領域に対するHoechst陽性領域の割合(%)を示すグラフである。DMOG処置群は、対照群に比べ、正常化した腫瘍血管からの薬物分布が格段に改善されたことがわかる。
<実験例4>
PHD阻害剤での処置による腫瘍低酸素症の改善
(腫瘍低酸素領域の検出と分析)
腫瘍組織の低酸素領域を、ピモニダゾールを含むHypoxyprobe(登録商標)キット(Hypoxyprobe inc. MA, USA)を用い、製造者プロトコルに従って検出した。すなわち、実験例1と同様の方法で、腫瘍をマウスに移植して、担癌マウスを調製し、DMOGを投与した。DMOGを投与して6日後に、ピモニダゾールを60mg/kgの量を腹腔内に注射した。90分後、マウスから腫瘍を採取し、その組織から厚さ4μmの凍結切片を作製した。得られた切片を氷冷アセトンで10分間固定し、PBSで洗浄し、次いで、ウサギ抗ピモニダゾール抗血清(1:20)で4℃で一晩培養した。そして、前記切片を、ヤギ抗ウサギ抗体(1:1000)が結合したAlexaFluor488で1時間培養した。そして、蛍光顕微鏡(BZ−9000、キーエンス社製)を用いて免疫蛍光画像を得て、アプリケーションソフト(ハイブリッドセルカウント、キーエンス社製)を用いて、ピモニダゾール陽性領域の割合(%)を定量化した。対照として、DMOGを投与しなかったこと以外は同様に行った。
結果を図5A及び図5Bに示す。図5Aは、免疫蛍光染色した腫瘍組織の低酸素領域の代表蛍光画像である。低酸素領域と内皮細胞を抗ピモニダゾール抗体(緑)と抗CD31抗体(赤)で染色し、DAPI(青)で対比染色した。図5Bは、ピモニダゾール陽性領域の割合(%)を示すグラフである。図5Aから、免疫蛍光染色で腫瘍組織の低酸素領域が観察され、DMOG処置群は、ピモニダゾール陽性領域が格段に減少したことが認められた。また、図5Bから、DMOG投与後の形態的及び機能的な血管の正常化により、酸素分布において改善が認められ、腫瘍の低酸素領域において統計的に有意な減少が認められた。
<実験例5>
血管正常化による化学療法
(抗癌剤による処置)
癌化学療法剤の感受性をシスプラチン投与により評価した。具体的には、実験例1と同様に腫瘍を移植して調製した担癌マウスに、DMOG400mg/kgを腹腔内投与し、6日後にシスプラチン(CDDP、ヤクルト社製)を2.5mg/kgの量で連続して3日間腹腔内に投与した。DMOG投与15日後まで、2日に一度、腫瘍の体積を測定した。腫瘍の体積は実験例1と同様の方法で算出した。CDDPの最終投与後48時間後に、腫瘍組織におけるアポトーシスとDNA損傷についてCC3及びγH2AXを用いて評価した。腫瘍切片をDAPI、CC3および、γH2AX抗体にて染色し、400倍率の画像中の15視野内での総核数におけるCC3ならびにγH2AX陽性細胞数の割合(%)として定量化した。また、比較として、DMOGのみを投与、CDDPのみを投与、又は、DMOG及びCDDPの投与なし(対照)で、同様に行った。
結果を図6A〜図6Eに示す。図6Aは、DMOG及びCDDP処置群、DMOG処置群、COOD処置群、及び対照群の腫瘍増殖曲線を示すグラフである。図6Aから、DMOG単独処置では、対照に対して腫瘍増殖に影響が認められなかった。また、CDDP単独処置では、腫瘍増殖の減少又は阻害が認められなかった。しかしながら、DMOG及びCDDPによる処置では、時間的に腫瘍増殖の減少又は阻害が認められた。
また、Cleaved caspase−3(CC3)を用いて腫瘍組織におけるアポトーシスを評価し、γH2AX染色により細胞中のCDDPによるDNA損傷を検出した。図6B〜図6Eから、DNA損傷及びアポトーシスが、DMOG及びCDDP処置群において有意に増加したことが認められた。これらの結果から、血管の正常化は、薬物分布を正常化し化学薬物の感受性を増大し得ることが示された。

Claims (6)

  1. プロリル水酸化酵素阻害剤を有効成分とする、抗癌剤の抗腫瘍効果の増強剤。
  2. 前記プロリル水酸化酵素阻害剤が、ジメチルオキサリルグリシン、FG−4592(Roxadustat)、FG−2216、FG−4497、BAY−85−3934(Molidustat)、AKB−6548(Vadadustat)、GSK1278863(Daprodustat)、JTZ−951、TM−6089、及びDS−1093からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1記載の増強剤。
  3. 前記抗癌剤が、殺細胞性抗癌剤である、請求項1又は2に記載の増強剤。
  4. 抗癌剤の投与前に投与される、請求項1〜3のいずれかに記載の増強剤。
  5. 抗癌剤を含む第1製剤と、請求項1〜4のいずれかに記載の増強剤を含む第2製剤とを含む、癌治療剤。
  6. 抗癌剤と、請求項1〜4のいずれかに記載の増強剤とを含む、癌治療用医薬組成物。
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