JP2018034916A - ワイヤロープ用素線点検治具及びワイヤロープ用素線点検方法 - Google Patents

ワイヤロープ用素線点検治具及びワイヤロープ用素線点検方法 Download PDF

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和樹 飼田
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Abstract

【課題】ワイヤロープの素線の高精度な異常点検をより低コストで行えるようにする技術を提供する。
【解決手段】この治具は、内壁面がワイヤロープ12の外表面に密着される円柱状穴部が設けられた本体部、及び本体部よりも円柱状穴部の径方向上、外方へ突出する鍔部を有し、本体部及び鍔部に円柱状穴部の軸方向上の切り込み部が設けられた1個以上の点検部材10と、点検部材10の外形に応じた形状の装着部22a、22bが突き合わせ面に複数並設されることにより、点検部材10を複数個、挟み込む形で収納保持可能な一対の装着保持部材20a、20bと、一対の装着保持部材20a、20bの両端を、点検部材10を挟み込んで収納保持した状態で固定保持可能な固定保持部材と、を備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は、ワイヤロープ用素線点検治具及びワイヤロープ用素線点検方法に関する。
従来、エレベーターの乗りかごや釣合い錘(カウンタウェイト)を吊り下げているワイヤロープは、複数本の素線を単層又は多層により合わせたストランドを、通常6本用いて芯鋼の周囲に所定のピッチでより合わせた構造となっている。
このようなワイヤロープの素線は、エレベーター管理会社等に所属される専用の保守作業員による保守点検作業時に、状態が点検され、損傷の程度、及び破断の有無等の確認が行われる。その保守点検作業は、予めスケジュールとして計画された定期的なメンテナンスとして、或いは災害発生時等の緊急事態発生への対応として行われる。
ワイヤロープの素線を対象とする保守点検作業は、通常エレベーターの昇降路内の所定箇所で目視しながら手作業により行われる。この保守点検作業では、点検の効率や精度を向上させるために専用の治具を用いられる場合が多い。
このようなワイヤロープの保守点検作業で用いられる素線点検用治具に関連する周知技術として、例えば特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載のワイヤロープの素線点検治具は、「縁部にワイヤロープが入り込む第1の溝が複数並設された第1の検出部材と、縁部にワイヤロープが入り込む第2の溝が複数並設された第2の検出部材と、を含み、これらの各部材がワイヤロープを挟み込む第1の位置とワイヤロープの挟み込みを解除する第2の位置との間で変位可能であり、第1の検出部材及び第2の検出部材が第1の位置に移行した時にワイヤロープが摺動可能に貫通する貫通孔を規定し、第1の溝及び第2の溝の少なくともいずれか一方におけるワイヤロープの径方向に沿う深さ寸法がワイヤロープの直径よりも大きいことを特徴とする」という構造となっている。
その構造により、この素線点検治具は、「素線の異常を検出する作業を簡便に行え、しかもワイヤロープを第1の溝と第2の溝との間に容易にセットでき、作業性に優れた」ものとなっている。
特開2010−89891号公報
上述したような構造の素線点検治具を用いた異常点検は、第1の検出部材及び第2の検出部材の間で複数のワイヤロープを挟み込んで各部材の両端側を締結部材で締結して固定保持した状態にして実施される。その状態で保守作業員が各部材の両端側を把持して例えば押し下げ操作を行った場合、ワイヤロープの素線に損傷や破断の異常があると、その異常部分に引っ掛かりが生じる。それにより、保守作業員は、感触から異常部分を把握することができる。
このように、特許文献1に係るワイヤロープの素線点検治具では、第1の検出部材に直接設けられた第1の溝と第2の検出部材に直接設けられた第2の溝との間にワイヤロープを直接、挟み込んで異常点検が実施される。そのため、異常点検の繰り返しにより、第1の溝、及び第2の溝に摩耗が生じる。第1の溝、及び第2の溝のうちの一方に、亀裂、或いは破損といった損傷が生じる場合もある。
この素線点検治具を用いた異常点検では、上記のように、保守作業員は基本的に感覚により異常部分を把握するようになっている。第1の溝、及び第2の溝に生じた摩耗、及び損傷は共に、異常部分による引っ掛かりの程度を低減させることから、その異常部分の有無による感覚の違いを分かりにくくする。そのため、この素線点検治具は、第1の溝、及び第2の溝の状態により、取り換える必要がある。このことから、異常点検上のコストが大きいという問題がある。
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術的課題は、ワイヤロープの素線の高精度な異常点検をより低コストで行えるようにする技術を提供することにある。
上記技術的課題を解決するため、本発明の一形態は、複数本の素線をより合わせたストランドを有するワイヤロープにおける当該素線の異常点検に用いられるワイヤロープ用素線点検治具であって、内壁面が前記ワイヤロープの外表面に密着される円柱状穴部が設けられた本体部、及び前記本体部よりも前記円柱状穴部の径方向上、外方へ突出する鍔部を有し、当該本体部及び当該鍔部に、前記円柱状穴部の軸方向上の切り込み部が設けられた1個以上の点検部材と、前記点検部材の外形に応じた形状の装着部が突き合わせ面に複数並設されることにより、当該点検部材を複数個、挟み込む形で収納保持可能な一対の装着保持部材と、前記一対の装着保持部材の両端を、前記点検部材を挟み込んで収納保持した状態で固定保持可能な固定保持部材と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、ワイヤロープの素線の高精度な異常点検をより低コストで行うことができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例に係るワイヤロープ用素線点検治具の一部材となる点検部材の基本構造を示した外観図である。 図1に示す点検部材をワイヤロープに装着した状態を、ワイヤロープを破断した状態で示した上面図である。 本発明の実施例に係るワイヤロープ用素線点検治具の他部材となる一対の装着保持部材の基本構造を示した外観図である。 本発明の実施例に係るワイヤロープ用素線点検治具の組み付け状態を示した概略斜視図である。
以下に、本発明のワイヤロープ用素線点検治具及びワイヤロープ用素線点検方法の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例に係るワイヤロープ用素線点検治具の一部材となる点検部材10の基本構造を示した外観図である。同図(a)はその側面図、同図(b)はその上面図である。
図1(a)、(b)を参照すれば、この点検部材10は、所謂ブッシュと呼ばれる全体が円筒状のものであり、本体部10a、及び鍔部10bに大別される。本体部10aには、背高方向に沿って円柱状穴部(内径形状を規定する)10dが設けられている。背高方向は、円柱状穴部10dの軸方向である。
その円柱状穴部10dは、その周囲の内壁面10eがワイヤロープの外表面に密着させることを想定して設けられたものである。本体部10aの外周部には外方へやや突出した可撓性を持つ抜け止め10cが設けられている。
鍔部10bは、肉片部分(外形形状を規定するもので、ここでは外径を示す)が所定の寸法の本体部10aよりも段差を成すように外方へ突出している部分である。それにより、鍔部10bは、円柱状穴部10dの径方向上、本体部10aよりも外方へ突出している形状となっている。この鍔部10bは本体部10aと一体的に形成されている。本体部10a及び鍔部10bには、背高方向に沿って切り込み部11が設けられている。
尚、点検部材10の全体的な外形形状は、その周囲の内壁面10eがワイヤロープの外表面に密着される円柱状穴部10dが形成可能であれば良いことから、円筒状に限定されない。例えばその外形形状は、角柱状であっても良い。切り込み部11は、ワイヤロープを円柱状穴部10d内に挿入するためのものであることから、本体部10a及び鍔部10bの背高方向全体に渡っていれば良い。それにより、切り込み部11は、背高方向に沿って直線上に設けなくとも良い。
点検部材10の材料としては、ナイロン等のプラスチック材とする場合を例示することができる。その材料は、可撓性、及び製造コストの他に、耐摩耗性等を考慮して決定するのが望ましい。これは、点検部材10は、異常点検作業時、ワイヤロープの外表面の素線と接触移動させるものだからである。
その接触移動により容易に摩耗する材料では、繰り返し使用できる回数が少なくなる。このことから、耐摩耗性は、点検部材10の材料を決定するうえで考慮すべき特性である。
図2は、この点検部材10をワイヤロープ12に装着した状態を、ワイヤロープを破断した状態で示した上面図である。
図2を参照すれば、ワイヤロープ12は、複数本の素線13を単層又は多層により合わせたストランド14を8本用いて芯鋼の周囲に所定のピッチでより合わせた構造となっている。そのサイズは、例えば口径1cm〜1.2cm程度である。点検部材10は、ワイヤロープ12を円柱状穴部10d内に収める形に、言い換えればワイヤロープ12の周囲を覆う形に装着される。切り込み部11は、そのような点検部材10のワイヤロープ12への装着を容易に行うのを可能にさせる。
点検部材10をワイヤロープ12の装着位置から下方に移動させる押し下げ操作を想定した場合、点検部材10は、背高方向で鍔部10bを本体部10aより下にして切り込み部11で開いて装着する。その逆方向に移動させる押し上げ操作を想定した場合、点検部材10は、背高方向で鍔部10bを本体部10aより上にして装着する。
保守作業員がワイヤロープ12に対して点検部材10を移動させる操作をした場合、ワイヤロープ12の素線に損傷,或いは破断等の異常があれば、その異常部分が点検部材10に引っ掛かる。その引っ掛かりは、振動、或いは抵抗力(例えば摩擦力)の増大、等を発生させることから、ワイヤロープ12(素線13)の異常部分は感触で把握することができる。このことから、ワイヤロープ12に装着した点検部材10を移動させる操作、つまり押し下げ操作、或いは押し上げ操作により、保守作業員はそのワイヤロープ12の素線13に生じている異常を認識することができる。
通常、昇降路には複数本のワイヤロープ12が配備されている。保守点検作業上では1個の点検部材10を用いて1本ずつワイヤロープ12の異常点検を行うのは作業効率が悪く得策とは言えない。それ故、本実施例では点検部材10を複数個、用いて複数本のワイヤロープ12の素線13の状態を一斉に異常点検できる構造を採用している。
図3は、本発明の実施例に係るワイヤロープ用素線点検治具の他部材となる一対の装着保持部材20a、20bの基本構造を示した外観図である。同図(a)はその下面(底面)図、同図(b)はその長手方向における側面図、同図(c)は同図(b)の左側方向における端面図である。ここでの上下方向は、点検部材10を押し下げ操作する場合を想定している。
図3(a)、(b)、(c)を参照すれば、ここでの一対の装着保持部材20a、20bには、点検部材10の外形の半分に該当する形状の装着部22a、22bがそれぞれの突き合わせ面に複数並設されている。装着部22a、22bの形状は、背高方向で本体部10aを上方(鍔部10bを下方)とする点検部材10を収納保持可能なものである。その装着部22a、22bは、上下方向に2個、並ぶ2段を成して設けられている。
1段の装着部22a、22bの数は10である。その装着部22a、22bは、上下方向に2個、並べている。これは、1本のワイヤロープ12に2個までの点検部材10を装着するのを想定しているためである。それにより、この一対の装着保持部材20a、20bは、最大で10本のワイヤロープ12にそれぞれ装着される最大で2個の点検部材10を挟み込んで収納保持することができるようになっている。
点検部材10は、異常点検に使用することにより摩耗する。その摩耗状態は、点検部材10によって異なるのが普通である。その摩耗状態、及びワイヤロープ12の異常部分の形状により、点検部材10を移動させても感触が変化しない場合があり得る。
しかし、点検部材10を各ワイヤロープ12に2個、装着した場合、2個共に、ワイヤロープ12の異常部分で感触が変化しない可能性は非常に低くなる。このようなことから、各ワイヤロープ12に2個の点検部材10を装着した場合、1個の点検部材10を装着する場合と比較して、異常点検をより高精度に行うことができる。
尚、各ワイヤロープ12に対し、2個の点検部材10を必ず装着しなくとも良い。例えば新品、或いは殆ど使用していない点検部材10は、ワイヤロープ12に1個、装着し、或る程度、使用している点検部材10は、ワイヤロープ12に2個、装着するようにしても良い。これは、状態の良い点検部材10では、1個でも高精度な異常点検を行えると期待できるからである。
因みに、図3(a)は装着保持部材20a、20bの下面側(底面側)からの装着部22a、22bの形状を示しているが、上面側から見た場合には外側の円形が点線として描かれる形態となる。また、上述したように点検部材10の外形が円筒状以外の鍔部を持つ角柱状である場合にも、同様に点検部材10の外形の半分に該当する形状の装着部22a、22bがそれぞれの突き合わせ面に設けられる形態となる。
一対の装着保持部材20a、20bの材料としては、例えば木材を例示できる。しかし、装着部22a、22bの形成が可能であれば、特に材料は限定されない。このことから、その材料は、硬質プラスチック、金属等であっても良い。
一対の装着保持部材20a、20bには、その両端を固定保持可能にする固定保持部材が設けられている。その固定保持部材として、図3(a)〜(c)に示すように、ここではステンレス製の蝶番23とマグネット24a、24bとを採用している。蝶番23は、各装着保持部材20a、20bにおける一端側を結合したヒンジとして機能する。マグネット24a、24bは、各装着保持部材20a、20bにおける他端側にそれぞれ設けられており、その他端側を磁力により結合維持させる。
各段の装着部22a、22bは、例えばそれぞれ一枚板に形成される。つまり、各装着保持部材20a、20bは、それぞれ、2つの板21a(21a−1、21a−2)、21b(21b−1、21b−2)を組み合わせて作製される。図3では、板21a−1、21b−1は上側、板21a−2、21b−2は下側となっている。
装着保持部材20aでは、2つの板21a(21a−1、21a−2)の一端側は、スペーサとなる結合部材25aを介在させて組み合わされ、その他端側も同様に、スペーサとなる結合部材26aを介在させて組み合わされている。同様に、装着保持部材20bでは、2つの板21b(21b−1、21b−2)の一端側は、スペーサとなる結合部材25bを介在させて組み合わされ、その他端側は、スペーサとなる結合部材26bを介在させて組み合わされている。
このようなことから、各装着保持部材20a、20bは、装着部22a、22bが並設された2つの段、つまり2つの板21a、21b間を空隙Sだけ隔てた2段構造となっている。尚、一対の装着保持部材20a、20bにおける装着部22a、22bは、2段構造でなく1段構造であっても良い。
装着部22a、22b内に点検部材10を収納保持させる場合、鍔部10bは、点検部材10と一対の装着保持部材20a、20bとの間の位置関係を一定に維持させるように機能する。これは、鍔部10b側から点検部材10を装着部22a、22b内に押し込む方向に力を加えても、装着部22a、22bの壁面に鍔部10bが当接する位置までしかその点検部材10を押し込むことができないからである。
鍔部10bが装着部22a、22bの壁面に当接する位置、或いはその近傍の位置が、点検部材10を装着部22a、22bに適切に収納保持させた状態である。このことから、この押し込む方向に力を加えることになる押し下げ操作を行う場合、適切に収納保持されていない状態の点検部材10は、適切に収納保持された状態にさせることができる。
上記のように、本実施例では、各ワイヤロープ12に最大で2個の点検部材10を装着するのを想定している。一対の装着保持部材20a、20bを2段構造とし、空隙Sを設けた場合、点検部材10の装着に求められる位置精度は低くすることができる。これは、上側の点検部材10は、最大で空隙S分、例え適切な位置からずれていたとしても、鍔部10bの機能により、両端を固定保持した一対の装着保持部材20a、20bに適切な状態で収納保持させることができるからである。下側の点検部材10には空隙Sによる制約がないため、求められる位置精度はより低くすることができる。
一対の装着保持部材20a、20bにおける各部の寸法については、一例として全長が30cm、幅が結合部材25a、25b、26a、26bを含めて2cmを例示できる。その場合、全体の幅は4(=2cm×2)cmである。
一方、背高方向での寸法は、一枚板の厚さが結合部材25a、25b、26a、26bを含めて全て1cmを例示できる。その場合、全体の寸法は3(=1cm×3)cmとなる。空隙Sの背高寸法は1cmである。装着部22a、22bについては両端側から長手方向で5.55cm、短手方向(幅方向)で2cmを端に位置する装着部22a、22bの各中心位置として2.1cm間隔で10個形成する場合を例示できる。但し、これらの寸法はあくまでも一例であり、任意に変更可能である。
このように、上記一対の装着保持部材20a、20bは、一端側が蝶番23で結合され、他端側がマグネット24a、24bの磁力で吸着されて結合保持する構造である。そのため、他端側を開いた状態にしておけば、各ワイヤロープ12に装着された最大で2個の点検部材10を装着部22a、22bに収納保持されるようにして組み付けを行うことができる。
尚、固定保持部材としては、上述した蝶番23及びマグネット24a、24bとは異なる組み合わせを採用しても良い。例えば蝶番23に代えて別のマグネット対を採用しても良い。この場合、この別のマグネット対はそれぞれ第1のマグネットに相当し、マグネット24a、24bはそれぞれ第2のマグネットに相当する。第1のマグネット、及び第2のマグネットは共に、磁性体と組み合わせて用いても良い。つまり、マグネット24a、24bであれば、例えばマグネット24bの代わりに磁性体を用いても良い。
また、特許文献1に開示されているように、一端側、及び他端側にそれぞれ貫通穴を設け、それらの貫通穴を通して締結に供される締結部材対(一方が第1の締結部材、他方が第2の締結部材に相当)を使用する構成であっても良い。他には、一端側、他端側にそれぞれ固定用ゴムバンドを取り付ける構成、一端側、他端側にそれぞれ固定用の紐やチェーン等を巻き付ける構成等を採用しても良い。
図4は、本発明の実施例に係るワイヤロープ用素線点検治具の組み付け状態を示した概略斜視図である。ここでは、3本のワイヤロープ12にそれぞれ2個の点検部材10を装着し、装着した各点検部材10を一対の装着保持部材20a、20b間で挟み込んで収納保持する様子を示している。
図4を参照すれば、ここでは、3本の各ワイヤロープ12に対し、2個の点検部材10が装着されている。この2個の点検部材10は、一対の装着保持部材20a、20bに設けられた装着部22a、22bの配置に合わせて各ワイヤロープ12に装着された装着されている。それにより、各ワイヤロープ12に装着された2個の点検部材10は、他のワイヤロープ12に装着された点検部材10と直線上に並ぶような位置関係となっている。
保守作業員は、押し下げ操作による異常点検を想定している場合、鍔部10bを下にして、各ワイヤロープ12に2個の点検部材10を装着する。その装着は、切り込み部11を広げて行う。点検部材10に形成された円柱状穴部10dは、その内壁面10eがワイヤロープ12の外表面に密着される形状となっている。このことから、適切な状態の点検部材10は、何らかの特別な力が加えられない限り、弾性力、或いは摩擦力により、ワイヤロープ12上の装着された位置を維持する。
点検部材10の装着を行った後、保守作業員は、例えば一対の装着保持部材20a、20bのマグネット24a、24bが取り付けられた側を開状態にして、装着した各点検部材10の位置調整を行う。その位置調整は、例えば本体部10aの少なくとも一部が装着部22a、22bに収納される状態になるように行う。
点検部材10に設けられた抜け止め10cは、収納保持された状態では、装着部22a、22bへ押圧反力を作用させる。このことから、保守作業員は、必要に応じて、抜け止め10cが収納保持の妨げにならない位置に点検部材10を回転させる作業を併せて行う。一対の装着保持部材20a、20bのマグネット24a、24bが取り付けられた側を閉状態にさせるのは、位置調整を行った後である。その側は、閉状態にした場合、マグネット24a、24bにより結合保持される。
保守作業員は、マグネット24a、24bが取り付けられた側を閉状態にした後、一対の装着保持部材20a、20bの両端側を把持して、押し下げ操作を行う。このとき、一対の装着保持部材20a、20bには、3本のワイヤロープ12にそれぞれ装着した2個の点検部材10が収納保持されている。そのため、保守作業員は、1回の押し下げ操作により、3本のワイヤロープ12の素線13の状態を一斉に異常点検することができる。尚、本体部10aの一部のみが装着部22a、22bに収納されていた点検部材10は、上記のように、押し下げ操作により、適切な状態に収納保持されることとなる。
押し下げ操作を行う場合、適切な状態に収納保持されている点検部材10では、鍔部10bが装着部22a、22bの壁面に当接する。それにより、鍔部10bは、点検部材10が装着部22a、22bから抜けるのを防止する係止(ストッパ)機能として働く以外に、装着部22a、22bの壁面を介して動力を伝達するための伝達機能としても働く。
このことから、例え点検部材10とワイヤロープ12との間に大きい抵抗力(例えば摩擦力)が発生したとしても、押し下げ操作により、各点検部材10を装着されたワイヤロープ12に対して移動させることができる。それにより、複数本のワイヤロープ12であってもそれらの素線13の異常点検を一度に行うことができる。その抵抗力により、適切な状態に収納保持されていない点検部材10では、鍔部10bが装着部22a、22bの壁面に当接する適切な状態に移行させることができる。
この点検部材10は、使用により円柱状穴部10d周囲の内壁面10eが摩耗するだけでなく、亀裂等の損傷が発生する可能性がある。そのような摩耗、及び損傷の何れも、保守作業員の感触を大きく変化させ、ワイヤロープ12の素線13の異常(損傷や破断)点検の精度を低下させる。
しかし、点検部材10は、ワイヤロープ用素線点検治具の一部であり、一対の装着保持部材20a、20bとは別の部品である。その製造コストは、一対の装着保持部材20a、20bと比較して非常に低い。一対の装着保持部材20a、20b自体は、基本的に繰り返し使用できるものである。
このことから、必要に応じて点検部材10を取り換えても、ワイヤロープ用素線点検治具全体を取り換える場合(例えば特許文献1)と比較して、異常点検におけるワイヤロープ用素線点検治具のコストは大幅に抑えることができる。常に適切な状態の点検部材10を用いて異常点検を行えることから、その精度は高く維持させることができる。高精度の維持は、状態の悪い点検部材10を使用しないようにすれば良いことから、その維持のためのワイヤロープ用素線点検治具のメンテナンスも極めて容易である。
上記ワイヤロープ用素線点検治具によるワイヤロープ12に対する素線点検作業に係る技術的要旨は、本実施例によるワイヤロープ用素線点検方法として換言することができる。但し、装着部22a、22bは1段構造であっても良い。その装着部22a、22bが2段構造であっても、各ワイヤロープ12に装着する点検部材10は1個としても良い。点検部材10の装着個数は、例えばその状態に応じて、ワイヤロープ12によって異ならせても良い。
点検部材10を各ワイヤロープ12に装着する作業は点検部材装着ステップに相当する。各ワイヤロープ12に装着した各点検部材10を一対の装着保持部材20a、20bに設けられた装着部22a、22bに収納保持させる作業は、点検部材収納ステップに相当する。一対の装着保持部材20a、20bの両端を固定保持させる作業、つまりマグネット24a、24bが取り付けられた側を開状態にする作業は、この収納ステップに含まれる。その後、一対の装着保持部材20a、20bをワイヤロープ12に対して移動させる操作(例えば押し下げ操作)を行う作業は、素線異常点検ステップに相当する。
尚、本実施例では、装着部22a、22bの壁面に鍔部10bの1面のみを当接可能にする形で点検部材10を一対の装着保持部材20a、20bに収納保持させている。しかし、点検部材10は、鍔部10bの両面を装着部22a、22bの壁面に当接可能に一対の装着保持部材20a、20bに収納保持させても良い。そのようにした場合、保守作業員は、装着させたワイヤロープ12に対して点検部材10を移動させる方向を考慮することなく、点検部材10をワイヤロープ12に装着できるようになる。このことから、鍔部10bは、本体部10aの端以外の場所に設けても良い。
装着部22a、22bは2段、つまり各ワイヤロープ12に装着される点検部材10は最大で2個を想定している。しかし、ワイヤロープ12に装着される点検部材10の数としては、3以上を想定しても良い。このことから、装着部22a、22bの段数は3以上であっても良い。
10 点検部材
10a 本体部
10b 鍔部
10c 抜け止め
10d 円柱状穴部10d
10e 内壁面
11 切り込み部
12 ワイヤロープ
20a、20b 装着保持部材
22a、22b 装着部
23 蝶番(ヒンジ)
24a、24b マグネット
25a、25b、26a、26b 結合部材
S 空隙

Claims (7)

  1. 複数本の素線をより合わせたストランドを有するワイヤロープにおける当該素線の異常点検に用いられるワイヤロープ用素線点検治具であって、
    内壁面が前記ワイヤロープの外表面に密着される円柱状穴部が設けられた本体部、及び前記本体部よりも前記円柱状穴部の径方向上、外方へ突出する鍔部を有し、当該本体部及び当該鍔部に、前記円柱状穴部の軸方向上の切り込み部が設けられた1個以上の点検部材と、
    前記点検部材の外形に応じた形状の装着部が突き合わせ面に複数並設されることにより、当該点検部材を複数個、挟み込む形で収納保持可能な一対の装着保持部材と、
    前記一対の装着保持部材の両端を、前記点検部材を挟み込んで収納保持した状態で固定保持可能な固定保持部材と、を備えていることを特徴とするワイヤロープ用素線点検治具。
  2. 請求項1記載のワイヤロープ用素線点検治具において、
    前記一対の装着保持部材の前記装着部は、前記ワイヤロープ毎に、複数個の前記点検部材を収納保持可能に設けられていることを特徴とするワイヤロープ用素線点検治具。
  3. 請求項1又は2記載のワイヤロープ用素線点検治具において、
    前記固定保持部材は、前記一対の装着保持部材における一端側を結合したヒンジと、前記一対の装着保持部材における他端側にそれぞれ設けられて磁力により結合維持されるマグネットと、を含むことを特徴とするワイヤロープ用素線点検治具。
  4. 請求項1又は2記載のワイヤロープ用素線点検治具において、
    前記固定保持部材は、前記一対の装着保持部材における一端側にそれぞれ設けられて磁力により結合維持される第1のマグネットと、前記一対の装着保持部材における他端側にそれぞれ設けられて磁力により結合維持される第2のマグネットと、を含むことを特徴とするワイヤロープ用素線点検治具。
  5. 請求項1又は2記載のワイヤロープ用素線点検治具において、
    前記固定保持部材は、前記一対の装着保持部材における一端側にそれぞれ設けられた貫通穴を通して締結に供される第1の締結部材と、前記一対の装着保持部材における他端側にそれぞれ設けられた貫通穴を通して締結に供される第2の締結部材と、を含むことを特徴とするワイヤロープ用素線点検治具。
  6. 複数本の素線をより合わせたストランドを有するワイヤロープにおける当該素線の異常点検を行うワイヤロープ用素線点検方法であって、
    内壁面が前記ワイヤロープの外表面に密着される円柱状穴部が設けられた本体部、及び前記本体部よりも前記円柱状穴部の径方向上、外方へ突出する鍔部を有し、当該本体部及び当該鍔部に、前記円柱状穴部の軸方向上の切り込み部が設けられた点検部材を、前記ワイヤロープ毎に装着する点検部材装着ステップと、
    前記ワイヤロープ毎に装着された各点検部材を、一対の装着保持部材のそれぞれの突き合わせ面に複数並設された装着部に収納保持させる点検部材収納ステップと、
    前記各点検部材を前記装着部に収納保持させた状態で、前記一対の装着保持部材を前記ワイヤロープに対して移動させ、前記素線の異常点検を行う素線異常点検ステップと、を有することを特徴とするワイヤロープ用素線点検方法。
  7. 請求項6記載のワイヤロープ用素線点検方法において、
    前記点検部材装着ステップでは、1本以上のワイヤロープに2個以上、前記点検部材を装着し、
    前記点検部材収納ステップでは、前記1本以上のワイヤロープに装着された前記2個以上の前記点検部材を前記一対の装着保持部材に設けられた前記装着部にそれぞれ収納保持させることを特徴とするワイヤロープ用素線点検方法。
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