JP2018034103A - 純水製造装置 - Google Patents

純水製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018034103A
JP2018034103A JP2016168587A JP2016168587A JP2018034103A JP 2018034103 A JP2018034103 A JP 2018034103A JP 2016168587 A JP2016168587 A JP 2016168587A JP 2016168587 A JP2016168587 A JP 2016168587A JP 2018034103 A JP2018034103 A JP 2018034103A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrodeionization
water
pure water
treated
electrodeionization device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016168587A
Other languages
English (en)
Inventor
永田 浩一
Koichi Nagata
浩一 永田
雄一郎 和田
Yuichiro Wada
雄一郎 和田
宮崎 洋一
Yoichi Miyazaki
洋一 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurita Water Industries Ltd filed Critical Kurita Water Industries Ltd
Priority to JP2016168587A priority Critical patent/JP2018034103A/ja
Publication of JP2018034103A publication Critical patent/JP2018034103A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】2段直列に接続した電気脱イオン装置を備える純水製造装置において、電気脱イオン装置の水漏れや装置内部で充填物(充填膜)が局在化を防ぐことにより、電気脱イオン装置による安定的な処理を可能とし、もって安定的に純水を製造することができる純水製造装置を提供する。
【解決手段】本発明の純水製造装置1は、直列に接続した第1電気脱イオン装置5aと第2電気脱イオン装置5bとを備え、第1電気脱イオン装置5aと第2電気脱イオン装置5bとの間にブースターポンプを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は純水製造装置に関し、特に電気脱イオン装置を有する純水製造装置に関する。
従来、半導体の製造工程に使用される超純水は、図3に示すように、前処理システム12、一次純水システム13、サブシステム(二次純水システム)14を備える超純水製造装置11により、原水(工業用水、市水、井水等)Wを処理することで製造される。図3において各システムの役割は次の通りである。
前処理システム12は、凝集、加圧浮上(沈殿)、濾過(膜濾過)などによる除濁処理装置を備え、原水Wを除濁するためのものである。前処理システム12は、原水Wに含まれる懸濁物質やコロイド物質を除去するとともに、高分子系有機物、疎水性有機物なども除去する。
一次純水システム13は、前処理水W1を一時的に貯留するタンク15、低圧もしくは超低圧型の逆浸透膜分離装置(RO装置)16及び17、電気脱イオン装置18、脱気装置19をこの順に備え、前処理水W1に含まれるイオン成分やTOC成分などの不純物を除去するためのものである。逆浸透膜分離装置16及び17は、塩類を除去するとともにイオン性、コロイド性のTOC成分を除去する。電気脱イオン装置18は、塩類を除去するとともにイオン交換作用によりTOC成分を除去する。脱気装置19は、二酸化炭素や酸素などの溶存ガスを除去する。なお、一次純水システム13は、必要に応じて再生式のイオン交換装置などを備えていてもよい。
サブシステム14は、低圧紫外線酸化装置(UV装置)、イオン交換装置、限外濾過膜装置(UF装置)などを備え、一次純水W2に含まれる極微量の微粒子や微量イオン、特に低分子の微量有機物のような不純物を除去し、より純度の高い超純水W3を製造するためのものである。低圧紫外線酸化装置は、低圧紫外線ランプより放出される波長185nmの紫外線によってTOC成分を有機酸、さらにはCOまで分解する。分解により生成した有機物及びCOは、後段のイオン交換装置のイオン交換樹脂によって除去される。限外濾過膜装置は、微粒子を除去するとともに前段のイオン交換装置から流出したイオン交換樹脂の粒子も除去する。
上述のような超純水製造装置11における一次純水システム13は、TOC成分を除去するために、再生式のイオン交換装置ではなく電気脱イオン装置を用いているので、再生式のイオン交換装置を用いた場合に必要となる再生処理が不要であるなどの利点がある。このことから、上述のような一次純水システム13は、超純水製造の用途に限らず、例えば単独で、超純水のレベルの純度を必要としない医薬用や食品用の純水を製造する用途にも利用可能であり、最も汎用的な純水システムとして注目されている。
近年、電気脱イオン装置として、例えば高さと幅がそれぞれ50cm以下程度のセルを積層した小型で低コストの汎用型電気脱イオン装置が普及している。このような小型の電気脱イオン装置は、一次純水システム13をコンパクト化することができるので好適に用いられるが、小型であるがゆえに水量に対する膜面積負荷が大きいため、スケールや汚れの影響を受けやすい傾向がある。そこで、このような小型の電気脱イオン装置を一次純水システム13に用いる場合には、通常、図3に示すように、前段に低圧もしくは超低圧型の逆浸透膜分離装置を2段直列に配置して(逆浸透膜分離装置16及び17)、あらかじめ被処理水からスケール成分であるカルシウム、シリカあるいは有機物等の除去を行っている。
しかしながら、逆浸透膜分離装置は電力消費量が大きいため、2段での使用は省電力化の観点から好ましくない。また、逆浸透膜分離装置を2段直列に配置するとなると、単段の場合に比べてさらに設置スペースや電源の確保が必要になるという問題もある。したがって、単段の逆浸透膜分離装置によって一次純水システム13を構成することが望ましい。
また、最近では一次純水W2に対しても高い純度が要求されており、一次純水W2においてシリカ濃度0.3ppb以下を維持することが求められている。しかしながら、小型の電気脱イオン装置は、所望とする性能を発揮しようとすると大型の電気脱イオン装置と比べて電極間の電流密度が高くなり、脱塩室内での水乖離が盛んになるためOHが増加し、スケール傾向が増大するとともに電気脱イオン装置内部におけるダメージが蓄積し装置寿命に悪影響を及ぼすおそれがある。さらに、一次純水システム13に小型の電気脱イオン装置を用いた場合、大型の電気脱イオン装置と比べて、シリカなどの弱イオンの除去率が低くならざるを得ないといった問題もある。
そこで、最近では、単段の逆浸透膜分離装置と二段直列に接続した電気脱イオン装置とをこの順に備える純水製造装置が提案されている。このような構成の純水製造装置は、逆浸透膜分離装置で処理した後の被処理水を二段直列に接続した電気脱イオン装置(第1の電気脱イオン装置と第2の電気脱イオン装置)を用いて2段階で処理することで、電気脱イオン装置として小型の汎用型電気脱イオン装置を用いた場合であっても効率的にシリカなどの弱イオンを除去することができるので、処理後の被処理水のシリカ濃度0.3ppb以下を達成することが可能となる。
上述のような2段直列に接続した小型の汎用型電気脱イオン装置において、第2の電気脱イオン装置まで被処理水を通すためには、第1の電気脱イオン装置に供給する被処理水の水圧を上げる必要がある。しかしながら、小型の汎用型電気脱イオン装置は、汎用品ゆえに耐圧性能がさほど高くなく、高い圧力で第1の電気脱イオン装置に被処理水を供給すると導入側のシール部から水漏れが生じやすいという問題がある。また、高い圧力で被処理水を供給することにより第1の電気脱イオン装置内部で充填物(充填膜)が局在化してしまうことで、安定的な処理性能を維持できなかったり、電気抵抗が増加したりするといった問題もある。これらを防ぐためには、第1電気脱イオン装置に供給する被処理水の水圧を、水漏れや装置内での充填物の局在化が生じない程度に調整(低下)する必要があるが、そうすると、第1電気脱イオン装置が排出する被処理水はさらに水圧が低下してしまうため、後段の第2電気脱イオン装置へ被処理水を適切に供給することができないといった問題が生じてしまう。
本発明は上述のような事情に基づいてなされたものであり、2段直列に接続した電気脱イオン装置を備える純水製造装置において、第1電気脱イオン装置の水漏れや装置内での充填物の局在化を防ぐとともに、第2電気脱イオン装置に適切に被処理水を供給することにより、電気脱イオン装置による安定的な処理を可能とし、もって安定的に純水を製造することができる純水製造装置の提供を目的とする。
本発明は第一に、直列に接続した第1電気脱イオン装置と第2電気脱イオン装置とを備え、前記第1電気脱イオン装置と前記第2電気脱イオン装置との間に送液ポンプが設けられる純水製造装置を提供する(発明1)。
かかる発明(発明1)によれば、第1電気脱イオン装置に供給する被処理水の水圧を、水漏れや装置内での充填物の局在化が生じない程度に調整(低下)することができるとともに、直列に接続した第1電気脱イオン装置と第2電気脱イオン装置との間に設けた送液ポンプにより、第1電気脱イオン装置から排出される被処理水の水圧を第2電気脱イオン装置に供給できる程度に上昇させることができるので、2段直列に接続した電気脱イオン装置を用いた安定的な処理が可能となり、もって安定的に純水を製造することができる。
上記発明(発明1)においては、前記直列に接続した第1電気脱イオン装置と第2電気脱イオン装置と、前記第1電気脱イオン装置と前記第2電気脱イオン装置との間に設けられる送液ポンプとを有する電気脱イオンユニットが、複数並列に設けられていてもよい(発明2)。
小型の汎用型電気脱イオン装置は、汎用品ゆえに個体間の性能にばらつきがある。したがって、このような電気脱イオン装置を2段直列に接続した第1電気脱イオン装置と第2電気脱イオン装置とを有する電気脱イオンユニットを複数並列に設けた場合には、個体間の性能の違いに起因して、各第1電気脱イオン装置間における圧力損失に違いが生じるため、対応する各第2電気脱イオン装置に供給する被処理水の水圧にも違いが生じてしまい、結果として各電気脱イオンユニット間で処理水量や処理水質に差異が生じてしまう。かかる発明(発明2)によれば、前記直列に接続した第1電気脱イオン装置と第2電気脱イオン装置と、前記第1電気脱イオン装置と前記第2電気脱イオン装置との間に設けられる送液ポンプとを有する電気脱イオンユニットが、複数並列に設けられることにより、一度に多量の被処理水を処理することができるとともに、電気脱イオン装置として小型の汎用型電気脱イオン装置を用いた場合でも、第1電気脱イオン装置と第2電気脱イオン装置との間に設けられる送液ポンプによって、第2電気脱イオン装置に供給する被処理水の水圧を調整することができるので、各電気脱イオンユニット間で処理水量や処理水質に差異が生じることを防ぐことができ、より安定的な処理が可能となる。
上記発明(発明1、2)においては、前記第1電気脱イオン装置の前段に逆浸透膜分離装置を備えることが好ましい(発明3)。
かかる発明(発明3)によれば、逆浸透膜分離装置であらかじめスケール成分であるカルシウム、シリカあるいは有機物等を除去した後の被処理水を第1電気脱イオン装置に供給することができるため、電気脱イオン装置として、スケールに対する耐性の低い小型の汎用型電気脱イオン装置を用いた場合でも、第1電気脱イオン装置におけるスケールや汚れの影響を軽減することができ、純水製造装置全体として効率的な処理が可能となる。
上記発明(発明2、3)においては、前記複数並列に設けられる電気脱イオンユニットのそれぞれの運転状態が切替可能に構成されることが好ましい(発明4)。
かかる発明(発明4)によれば、各電気脱イオンユニットの運転状態を切り替えることで、使用する電気脱イオンユニットを選択することができるので、処理能力の低下により制御が不安定になった電気脱イオン装置がある場合でも、純水製造装置全体の運転を停止せずに継続することができ、処理効率が向上する。
上記発明(発明1−4)においては、前記第1電気脱イオン装置は、前記第2電気脱イオン装置よりも電流効率が高く設定されることが好ましい(発明5)。
電流効率が高い電気脱イオン装置は、低い電流密度であってもシリカ濃度が高い原水に対して除去性能を発揮することができる一方、電流効率が低い電気脱イオン装置は、シリカ濃度が高い原水に対してシリカスケールが生じやすいが、高い電流密度であればシリカ濃度が低い原水に対しても高い除去率を発揮することができる。かかる発明(発明5)によれば、異なる特性を有する電気脱イオン装置を組み合わせることで、まず電流効率が高い第1電気脱イオン装置において、低い電流密度で被処理水を処理することで被処理水中のシリカ等をある程度除去し、続いてこのシリカ濃度が低い被処理水を電流効率が低い第2電気脱イオン装置で高い電流密度で処理することにより、シリカ濃度を低減した水を安定して製造することができる。
本発明の純水製造装置によれば、直列に接続した第1電気脱イオン装置と第2電気脱イオン装置との間に設けた送液ポンプにより、第1電気脱イオン装置から排出される被処理水の水圧を第2電気脱イオン装置に供給できる程度に上昇させることができるので、2段直列に接続した電気脱イオン装置を用いた安定的な処理が可能となり、もって安定的に純水を製造することができる。
本発明の第一実施形態に係る純水製造装置を示すブロック図である。 本発明の第二実施形態に係る純水製造装置を示すブロック図である。 従来の超純水製造装置を示すブロック図である。
以下、本発明の純水製造装置の実施の形態について、適宜図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであって、何ら本発明を限定するものではない。
<純水製造装置>
(第一実施形態)
図1は本発明の第一の実施形態に係る純水製造装置1を示すブロック図である。第一実施形態において、純水製造装置1は前処理システム2の後段に設けられている。
前処理システム2は、凝集、加圧浮上(沈殿)、濾過(膜濾過)装置等により構成され、原水(工業用水、市水、井水等)W中の懸濁物質やコロイド物質の除去を行う。また、前処理システム2においては、高分子系有機物、疎水性有機物などの除去も可能である。
純水製造装置1は、前処理水W1を一時的に貯留するタンク3と、ポンプと、逆浸透膜分離(RO)装置4と、直列に接続した第1電気脱イオン装置5aと第2電気脱イオン装置5bと、脱気膜等の脱気装置6とをこの順に備える。第1電気脱イオン装置5aと第2電気脱イオン装置5bとの間には、送液ポンプとしてのブースターポンプが設けられており、これら第1電気脱イオン装置5a、第2電気脱イオン装置5b、ブースターポンプが全体として1組の電気脱イオンユニット5を構成している。
[逆浸透膜分離装置]
逆浸透膜分離(RO)装置4は、従来、海水淡水化に用いられている逆浸透膜分離装置であり、標準運転圧力5.52MPa以上であり、標準運転圧力において、純水フラックス0.5m/(m・D)以上、NaCl除去率99.5%(NaCl濃度32000mg/L)以上の特性を有する。このNaCl除去率は、NaCl濃度32000mg/LのNaCl水溶液に対する25℃における除去率である。なお、逆浸透膜のカタログ(技術資料を含む)には、膜メーカーよりスペック表示がなされており、高圧型であるか低圧型又は超低圧型であるかはカタログ値として判別できる。
逆浸透膜の膜形状は、特に限定されるものではなく、例えばスパイラル型、中空子型等、4インチRO膜、8インチRO膜、16インチRO膜などのいずれでもよい。ただし、原水スペーサは20−40インチ幅であるのが好ましい。
[電気脱イオン装置]
第1電気脱イオン装置5aは、膜面積負荷が0.08L/h/cm以上、特に0.1L/h/cm以上のものが好ましい。ここで膜面積負荷とは、電気脱イオン装置の脱塩室の片側のイオン交換膜の有効面積(cm)に対する脱塩室の流量(L/h)であり、この膜面積負荷が0.08L/h/cm未満では、装置が大きくなりコンパクト化が図れない。膜面積負荷の上限については、あまり大きいとスケールや汚れの影響を受けやすくなるので、0.2L/h/cm未満とすればよい。
この第1電気脱イオン装置5aとしては、運転時の電流効率が高いタイプのものが好ましく、具体的には500〜3000mA/dm、特に1000〜2500mA/dmの比較的低い電流密度で脱イオン性能を好適に発揮するものを用いるのが好ましい。このような第1電気脱イオン装置5aは、運転時の電流効率が低い(高い電流密度で運転する)タイプのものと比較して極微量のシリカ、ホウ素などの弱イオン成分の除去率は低いが、スケールを生じにくいという利点を有する。
また、第2電気脱イオン装置5bは、膜面積負荷が0.08L/h/cm以上、特に0.1L/h/cm以上のものが好ましい。この第2電気脱イオン装置5bとしては、電流効率が低いタイプのものが好ましく、具体的には3000〜10000mA/dm、特に3500〜5000mA/dmの比較的高い電流密度で脱イオン性能を好適に発揮するものを用いるのが好ましい。このような第2電気脱イオン装置5bは、運転時の電流効率が高い(低い電流密度で運転する)タイプのものと比較してホウ素などの弱イオン成分の除去率が高い一方、スケールを生じやすい。
[ブースターポンプ]
ブースターポンプは、第1電気脱イオン装置5aの処理水を所定の圧力に昇圧して、第2電気脱イオン装置5bへ供給することができれば、その具体的構成は特に限定されないが、周波数変換装置(インバータ)を有するインバータ方式のポンプであることが好ましい。ブースターポンプがインバータ方式であることにより、純水製造装置1の起動直後から定常状態に至るまでの初期状態において、ブースターポンプを低速(低流量)で駆動し、徐々に定常状態になるまで通水量を増加させることで、起動時の衝撃を和らげることが可能となる。
<純水製造装置の運転方法>
次に、上述した純水製造装置1の運転方法について説明する。まず、原水Wを前処理システム2で処理することにより前処理水W1とし、この前処理水W1をタンク3に貯留する。純水製造装置1は、この前処理水W1を処理することにより、純水(一次純水)W2を生成する。具体的には、以下の膜分離工程、電気脱イオン工程、脱気工程を行うことで、純水W2を生成する。
[膜分離工程]
タンク3より供給された被処理水を逆浸透膜分離装置4によって処理する。逆浸透膜分離装置4では、塩類やカルシウム、シリカなどの除去のほかにイオン性、コロイド性のTOCを除去する。
[電気脱イオン工程]
膜分離工程後の被処理水の水圧を、第1電気脱イオン装置5aで水漏れ等が生じない程度に調整した上で、第1電気脱イオン装置5aに供給する。第1電気脱イオン装置5aにおいて、被処理水からカルシウムやシリカ、ホウ素などの弱イオンや塩類を除去するとともにイオン交換作用により吸着又はイオン交換されるTOC成分の除去を行う(第1電気脱イオン工程)。本実施形態においては、第1電気脱イオン装置5aとして比較的低い電流密度で脱イオン性能を好適に発揮するタイプのものを用いているので、電流密度500〜3000mA/dm、特に1000〜2500mA/dmの比較的低い電流密度で運転するのが好ましい。運転時の電流密度が3000mA/dm超えても、それ以上のシリカ等の除去効率が得られないばかりか、逆浸透膜処理水中に含まれるシリカ成分などに起因して、第1電気脱イオン装置5aの電気抵抗が大幅に上昇して装置寿命に悪影響を及ぼすため好ましくない。一方、運転時の電流密度が500mA/dm未満では、シリカ、ホウ素などの弱イオン成分の除去率が低下する。
次に、第1電気脱イオン工程後の被処理水の水圧を、ブースターポンプにより昇圧する。これにより、被処理水の水圧を、第2電気脱イオン装置5bに供給できる程度に上昇した上で、第2電気脱イオン装置5bに供給する。本実施形態において、ブースターポンプはインバータ方式である。これにより、純水製造装置1の起動直後から定常状態に至るまでの初期状態において、ブースターポンプを低速(低流量)で駆動し、徐々に定常状態になるまで通水量を増加させることで、起動時の衝撃を和らげることが可能となる。
続いて、第2電気脱イオン装置5bにおいて、被処理水から、微量の残存するシリカ、ホウ素などの弱イオンや塩類をさらに除去すると共にイオン交換作用により吸着又はイオン交換されるTOC成分をさらに除去する(第2電気脱イオン工程)。ここで、第2電気脱イオン装置5bで処理する被処理水は、第1電気脱イオン装置5aによって既にシリカ濃度が大きく低減されているので、第1電気脱イオン装置5aより高い電流密度で運転しても電気抵抗の上昇が少ない。そこで、本実施形態においては、第2電気脱イオン装置5bとして高い電流密度で脱イオン性能を好適に発揮するタイプのものを用い、電流密度3000〜10000mA/dm、特に3500〜5000mA/dmの比較的高い電流密度で運転するのが好ましい。運転時の電流密度が10000mA/dm超えても、それ以上のシリカの除去効率が得られないばかりか、第2電気脱イオン機構5bの電気抵抗が上昇して装置寿命に悪影響を及ぼすため好ましくない。一方、運転時の電流密度が3000mA/dm未満では、シリカ、ホウ素などの弱イオン成分の除去率が低下する。
[脱気工程]
電気脱イオン装置(第1電気脱イオン装置5a及び第2電気脱イオン装置5b)は気密性を有していないので、電気脱イオン工程後の被処理水には、電気脱イオン処理中に溶解した炭酸や酸素などの溶存ガスが微量含まれる。そこで、電気脱イオン工程後の被処理水を脱気装置6で処理して、これら溶存ガスを除去することで純水W2を得る。
(第二実施形態)
図2は本発明の第二の実施形態に係る純水製造装置1’を示すブロック図である。図2の純水製造装置1’は、電気脱イオン装置の構成が異なる以外、図1の純水製造装置1と同様である。従って、電気脱イオン装置の構成及び電気脱イオン装置による電気脱イオン工程の仕組みについてのみ以下説明する。なお、図2及び以下の説明において、第一実施形態と同一構成又は同一機能を有する装置等については同一符号を用いて、その詳細な説明を省略する。
[電気脱イオン装置]
第二実施形態においては、逆浸透膜分離装置4に対して、直列に接続した第1電気脱イオン装置5aと第2電気脱イオン装置5bと、第1電気脱イオン装置5aと第2電気脱イオン装置5bとの間に設けられるブースターポンプとを有する電気脱イオンユニット5が、複数並列かつ切替可能に接続されている。各第1電気脱イオン装置(5a、5a’、5a’’…)はそれぞれ同様の構成を有しており、また、各第2電気脱イオン装置(5b、5b’、5b’’…)はそれぞれ同様の構成を有している。
図2において、4段目以降の電気脱イオンユニットについては、2段目の電気脱イオンユニット5’及び3段目の電気脱イオンユニット5’’と同様に設けられるため、図示を省略している。なお、並列に接続する電気脱イオンユニットの数は特に限定されないが、小型の汎用型電気脱イオン装置を用いる場合を考慮すると、5列以上であることが好ましく、10列以上であることが特に好ましい。
[電気脱イオン工程]
電気脱イオンユニットが3段並列(5、5’及び5’’)に設けられる場合の具体例を以下に説明する。
逆浸透膜装置4における膜分離工程後の被処理水の水圧を、第1電気脱イオン装置で水漏れ等が生じない程度に調整した上で、第1電気脱イオン装置5a、5a’及び5a’’に供給する。各第1電気脱イオン装置5a、5a’及び5a’’において、被処理水からカルシウムやシリカ、ホウ素などの弱イオンや塩類を除去するとともにイオン交換作用により吸着又はイオン交換されるTOC成分の除去を行う(第1電気脱イオン工程)。このとき、電気脱イオン装置には個体間に性能の違いがあるため、各第1電気脱イオン装置間に、圧力損失の違いが生じる。よって、各第1電気脱イオン装置から排出された被処理水は、水圧を各ブースターポンプによって調整してから、各第2電気脱イオン装置(5b、5b’及び5b’’)に供給する。このように、第1電気脱イオン装置と第2電気脱イオン装置との間に設けられるブースターポンプによって、第2電気脱イオン装置に供給する被処理水の水圧を、各電気脱イオンユニットごとに調整することができるので、各電気脱イオンユニット間で処理水量や処理水質に差異が生じることを防ぐことができる。続いて、各第2電気脱イオン装置5b、5b’及び5b’’において、被処理水から、微量の残存するシリカ、ホウ素などの弱イオンや塩類をさらに除去すると共にイオン交換作用により吸着又はイオン交換されるTOC成分をさらに除去する(第2電気脱イオン工程)。
なお、複数並列に設けられる各電気脱イオンユニット(5、5’、5’’…)の運転状態は、制御部(図示しない)によって制御される。制御部は、各電気脱イオンユニットを構成する電気脱イオン装置の処理能力の低下の程度に応じて、各電気脱イオンユニットの運転状態を切り替えることができる。このように、各電気脱イオンユニットの運転状態を切り替えることで、使用する電気脱イオンユニットを選択することができるので、例えば、処理能力の低下により制御が不安定になった電気脱イオン装置がある場合でも、純水製造装置1’全体の運転を停止せずに継続することができ、処理効率が向上する。
以上、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明してきたが、本発明は前記実施形態に限定されず、電気脱イオン装置が2段直列に設けられ、各電気脱イオン装置の間にブースターポンプが設けられていさえすれば、純水製造装置に他のエレメントを種々付加することができる。例えば、第1電気脱イオン装置の前段に膜式脱気装置や脱炭酸塔を設けたり、必要に応じて再生型混床式イオン交換装置を設けたりしてもよい。さらに前処理システムは必ずしも設けなくてもよく、例えば、水道水をそのまま純水製造装置に供給してもよい。さらには、純水製造装置の後段にサブシステムを設け、純水(W2)を一次純水として使用することにより、全体として超純水製造装置として構成としてもよい。
1,1’ 純水製造装置
2 前処理システム
3 タンク
4 逆浸透膜分離(RO)装置
5,5’,5’’ 電気脱イオンユニット
5a,5a’,5a’’ 第1電気脱イオン装置
5b,5b’,5b’’ 第2電気脱イオン装置
6 脱気装置
W 原水
W1 前処理水
W2 純水

Claims (5)

  1. 直列に接続した第1電気脱イオン装置と第2電気脱イオン装置とを備え、
    前記第1電気脱イオン装置と前記第2電気脱イオン装置との間に送液ポンプが設けられる純水製造装置。
  2. 前記直列に接続した第1電気脱イオン装置と第2電気脱イオン装置と、前記第1電気脱イオン装置と前記第2電気脱イオン装置との間に設けられる送液ポンプとを有する電気脱イオンユニットが、複数並列に設けられる請求項1に記載の純水製造装置。
  3. 前記第1電気脱イオン装置の前段に逆浸透膜分離装置を備える請求項1又は請求項2に記載の純水製造装置。
  4. 前記複数並列に設けられる電気脱イオンユニットのそれぞれの運転状態が切替可能に構成される請求項2又は請求項3に記載の純水製造装置。
  5. 前記第1電気脱イオン装置は、前記第2電気脱イオン装置よりも電流効率が高く設定される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の純水製造装置。
JP2016168587A 2016-08-30 2016-08-30 純水製造装置 Pending JP2018034103A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016168587A JP2018034103A (ja) 2016-08-30 2016-08-30 純水製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016168587A JP2018034103A (ja) 2016-08-30 2016-08-30 純水製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018034103A true JP2018034103A (ja) 2018-03-08

Family

ID=61564981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016168587A Pending JP2018034103A (ja) 2016-08-30 2016-08-30 純水製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018034103A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7103467B1 (ja) * 2021-04-07 2022-07-20 栗田工業株式会社 電気脱イオンシステム及び電気脱イオンシステムの制御方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54119374A (en) * 1978-03-10 1979-09-17 Tokuyama Soda Co Ltd Desalting method
JP2006326458A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Able:Kk 硫黄酸化物を含む排気の脱硫方法及び装置
JP2012239965A (ja) * 2011-05-18 2012-12-10 Japan Organo Co Ltd 電気式脱イオン水製造装置
JP2013215679A (ja) * 2012-04-09 2013-10-24 Nomura Micro Sci Co Ltd 超純水製造装置
JP2015226910A (ja) * 2015-08-12 2015-12-17 オルガノ株式会社 電気式脱イオン水製造装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54119374A (en) * 1978-03-10 1979-09-17 Tokuyama Soda Co Ltd Desalting method
JP2006326458A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Able:Kk 硫黄酸化物を含む排気の脱硫方法及び装置
JP2012239965A (ja) * 2011-05-18 2012-12-10 Japan Organo Co Ltd 電気式脱イオン水製造装置
JP2013215679A (ja) * 2012-04-09 2013-10-24 Nomura Micro Sci Co Ltd 超純水製造装置
JP2015226910A (ja) * 2015-08-12 2015-12-17 オルガノ株式会社 電気式脱イオン水製造装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7103467B1 (ja) * 2021-04-07 2022-07-20 栗田工業株式会社 電気脱イオンシステム及び電気脱イオンシステムの制御方法
WO2022215475A1 (ja) * 2021-04-07 2022-10-13 栗田工業株式会社 電気脱イオンシステム及び電気脱イオンシステムの制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI648093B (zh) 超純水製造裝置以及超純水製造方法
TWI414486B (zh) Pure water manufacturing apparatus and pure water manufacturing method
JP5834492B2 (ja) 超純水製造装置
JP3969221B2 (ja) 脱イオン水の製造方法及び装置
JP2017176968A (ja) 電気脱イオン装置及び脱イオン水の製造方法
JP2004283710A (ja) 純水製造装置
TWI829879B (zh) 硼去除裝置與硼去除方法、以及純水製造裝置與純水之製造方法
JP2004000919A (ja) 脱塩水製造装置
JP2007307561A (ja) 高純度水の製造装置および方法
JP2018034103A (ja) 純水製造装置
JP2020078772A (ja) 電気脱イオン装置及びこれを用いた脱イオン水の製造方法
JP3952127B2 (ja) 電気脱イオン化処理方法
JP2017127875A (ja) 超純水製造装置及び超純水製造方法
JP6807250B2 (ja) 水処理装置
JP2017217596A (ja) 酸性イオン交換体の再生廃液からの酸性溶液の回収装置及びこれを用いた回収方法
JP2017056384A (ja) 電気脱イオン装置の運転方法
JP3901107B2 (ja) 電気脱イオン装置及びその運転方法
WO2020184044A1 (ja) 純水製造装置および純水の製造方法
JP6728835B2 (ja) 純水製造装置の運転方法
JP2002001069A (ja) 純水製造方法
TW524714B (en) Deion device and deion method with the deion device
JP2001179262A (ja) 純水製造装置
JP2020000983A (ja) 純水製造装置、純水の製造方法
JP6561448B2 (ja) バナジウム含有水の電気脱イオン処理方法及び処理装置
WO2024048115A1 (ja) 水処理システムおよび水処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190626

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200728

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200925

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210224