JP2018034092A - マイクロカプセルおよびそれを用いたセラミックスの製造方法 - Google Patents

マイクロカプセルおよびそれを用いたセラミックスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018034092A
JP2018034092A JP2016167745A JP2016167745A JP2018034092A JP 2018034092 A JP2018034092 A JP 2018034092A JP 2016167745 A JP2016167745 A JP 2016167745A JP 2016167745 A JP2016167745 A JP 2016167745A JP 2018034092 A JP2018034092 A JP 2018034092A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microcapsule
core
ceramic
mass
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016167745A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6770369B2 (ja
Inventor
保樹 城戸
Yasuki Kido
保樹 城戸
剛志 山本
Tsuyoshi Yamamoto
剛志 山本
津田 圭一
Keiichi Tsuda
圭一 津田
佳成 田口
Yoshinari Taguchi
佳成 田口
田中 眞人
Masato Tanaka
眞人 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niigata University NUC
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Niigata University NUC
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Niigata University NUC, Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Niigata University NUC
Priority to JP2016167745A priority Critical patent/JP6770369B2/ja
Publication of JP2018034092A publication Critical patent/JP2018034092A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6770369B2 publication Critical patent/JP6770369B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)

Abstract

【課題】セラミックスの原料粉末が加圧成形時に均一に分散し、均一な密度の成形体を形成することができるマイクロカプセルおよびそれを用いたセラミックスの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のマイクロカプセルは、コアシェル構造を有するマイクロカプセルであって、コアは、温度20℃で液体であって疎水性を示し、シェルは、温度20℃で固体であって疎水性を示すとともに、ガラス転移温度Tgは100℃以上のポリマー組成物で形成され、平均粒子径が10μm以上200μm以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、マイクロカプセルおよびそれを用いたセラミックスの製造方法に関する。
粉末冶金法により所定形状のセラミックスを製造する際に、セラミックス造粒粉を加圧成形する加圧成形法がよく用いられる。加圧成形法は、ニアネットシェイプでの成形が可能であり、量産性に優れるといった利点を有している。
ところが、複雑な形状のセラミックスを得る場合、このような加圧成形法を用いても成形体全体を均質に形成することは容易ではない。すなわち、たとえば部位によって厚みが異なる形状のセラミックスを得る場合、加圧成形時にセラミックス造粒粉が受ける圧力が異なるため、成形体の薄肉部と厚肉部とで圧縮度が異なり、部位によって密度差が生じるという問題が生じる。部位によって密度が異なる成形体を脱脂・焼結すると、低密度の部位は相対的に大きく収縮する一方、高密度の部位は相対的に収縮が抑制されるため、狙い通りの寸法精度のセラミックスを得ることができない。
寸法精度に優れたセラミックスを得るためには、成形体に密度のばらつきが生じないように、セラミックス造粒粉を加圧成形する際の金型の形状を調整することなどが考えられる。
特表2010−510337号公報
しかしながら、金型の調整には費用や時間を要するため、金型を調整する以外の方法で、均一な密度の成形体を得る方法が求められている。
本発明者らは、上述の事情に鑑みて、加圧成形法を用いる際に、セラミックスの原料粉末に添加される成形助剤に着目して検討を行った結果、特定のマイクロカプセルを用いることによって、加圧成形時にセラミックスの原料粉末が流動して均一に分散し、均一な密度を有する成形体を形成することができること、その結果、前記成形体を焼結すると寸法精度に優れたセラミックスが得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の目的は、セラミックスの原料粉末が加圧成形により圧縮される際に流動して均一に分散し、特に部分的に厚さが異なる形状のセラミックスを得る場合であっても、成形体全体にわたって均一な密度に形成することができるマイクロカプセルおよびそれを用いたセラミックスの製造方法を提供することである。
なお、特許文献1には、セラミックスの原料粉末に添加して使用することが想定されているマイクロカプセルではないが、疎水性液体またはロウを含有するコアと、スチレンなどをモノマー成分として含むシェルとを含むマイクロカプセルが記載されている。特許文献1に記載されているマイクロカプセルは、シェルの弾力性により、マイクロカプセルの加工における圧縮や、物品の形成における適用に耐え、形成された物品の激しい処理に耐えるものである(段落[0020]等)。
本発明の一態様に係るマイクロカプセルは、コアシェル構造を有するマイクロカプセルであって、コアは、温度20℃で液体であって疎水性を示し、シェルは、温度20℃で固体であって疎水性を示すとともに、ガラス転移温度Tgは100℃以上のポリマー組成物で形成され、平均粒子径が10μm以上200μm以下であるものである。
また、本発明の他の態様に係るセラミックスの製造方法は、前記マイクロカプセルと、セラミックス造粒粉との混合物を加圧成形するものである。
本発明によれば、セラミックス造粒粉を加圧成形して得られる成形体を、成形体全体にわたって均一な密度で提供することができる。
また、本発明によれば、前記マイクロカプセルを用いることにより、寸法精度に優れたセラミックスを製造する製造方法を提供することができる。
実施例で作製したセラミックス造粒粉の成形方法を説明する模式図である。 実施例で作製した成形体を説明する模式図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
[1]本発明の一態様に係るマイクロカプセルは、コアシェル構造を有するマイクロカプセルであって、コアは、温度20℃で液体であって疎水性を示し、シェルは、温度20℃で固体であって疎水性を示すとともに、ガラス転移温度Tgは100℃以上のポリマー組成物で形成され、平均粒子径が10μm以上200μm以下である。
[2]前記コアは、鎖式炭化水素系化合物を主成分とし、前記鎖式炭化水素系化合物は、炭素原子数が8以上の、飽和または不飽和炭化水素、飽和または不飽和アルコール、脂肪酸からなる群より選択される少なくとも1種類の化合物である。
[3]前記ポリマー組成物は、スチレンをモノマーとして含むスチレン系重合体または前記スチレン系重合体を含むポリマーブレンドである。
[4]前記マイクロカプセルは、圧潰強度が1mN以上60mN以下である。
[5]前記マイクロカプセルは、前記マイクロカプセルの総質量に対して、コアの質量が30質量%以上99質量%以下である。
[6]前記マイクロカプセルは、セラミックスの製造に用いられる。
[7]前記セラミックスは、WCを主成分とする超硬合金、または、TiCおよびTiCNのうちの少なくとも一つを主成分とするサーメットを含む。
[8]前記マイクロカプセルは、コアシェル構造を有するマイクロカプセルであって、コアは、温度20℃で液体であって、鎖式炭化水素系化合物を主成分とし、前記鎖式炭化水素系化合物は、炭素原子数が18以上の飽和炭化水素であり、シェルは、温度20℃で固体であって、スチレンの単独重合体で形成され、前記スチレンの単独重合体のガラス転移温度Tgは100℃以上であり、前記マイクロカプセルの総質量に対して、コアの質量が30質量%以上99質量%以下であり、平均粒子径が10μm以上200μm以下である。
[9]本発明の他の態様に係るセラミックスの製造方法は、前記マイクロカプセルとセラミックス造粒粉との混合物を加圧成形する。
[10]前記混合物は、さらに、疎水性の造粒用バインダーを含む。
[本発明の実施形態の詳細]
本実施の形態に係るマイクロカプセルおよびそれを用いたセラミックスの製造方法の具体例を以下に説明する。
一般的な加圧成形法では、噴霧乾燥などにより造粒された顆粒状のセラミックス造粒粉を金型に充填し(充填工程)、上下でプレスするにつれて、セラミック造粒粉をなすセラミックスの原料粉末が再配列して緻密化され(再配列・緻密化工程)、圧密化され(圧密化工程)、所望の形状に成形される。なお、以下では、前記再配列・緻密化工程および圧密化工程をまとめて加圧工程という。上述した成形体における密度のばらつきは、再配列・緻密化工程と圧密化工程との間で、セラミックスの原料粉末の流動が起こりにくくなっているために生じるものである。
そこで、本実施の形態では、再配列・緻密化工程と圧密化工程との間でのセラミックスの原料粉末の流動を起こりやすくするとともに、加圧成形法における各工程での取扱い性も考慮して、充填工程では粉末状であって、加圧工程の間に破壊されてコアをなす液体が放出されるマイクロカプセルを提供するものである。
[マイクロカプセル]
本実施の形態のマイクロカプセルは、コアシェル構造を有する。
(コア)
マイクロカプセルのコアは、温度20℃で液体であって疎水性を示す。
コアをなす成分が温度20℃で液体であれば、前記加圧工程の温度(室温)においても液体であるため、前記加圧工程でマイクロカプセルが破壊された後、マイクロカプセルから放出された液体状のコアの成分が、セラミックスの原料粉末全体に均一に行きわたるため、前記再配列・緻密化工程と前記圧密化工程との間でセラミックスの原料粉末が流動化しやすくなる。
コアは疎水性である。セラミックスの原料粉末には炭化物、窒化物、炭窒化物等が用いられるが、これらのセラミックスの原料粉末は疎水性である。セラミックスの原料粉末を造粒する際に用いられる造粒用バインダーも疎水性である。そのため、マイクロカプセルのコアが疎水性であることにより、疎水性のセラミックスの原料粉末および疎水性の造粒用バインダーを用いて造粒されるセラミックス造粒粉と、マイクロカプセルのコアを均一に混合することができる。これに対し、マイクロカプセルのコアが親水性であると、セラミックス造粒粉およびセラミックスの原料粉末との混合性が悪く、コアをなす成分を均一に分散させることができない。このように、コアが疎水性であることにより、前記加圧工程でマイクロカプセルから放出された液体状のコア成分を弾くことなくセラミックスの原料粉末全体に浸透させて行きわたらせることができる。なお、上記疎水性とは、20℃の水に対して溶解度が0.1質量%未満であることをいう。
また、コアは、鎖式炭化水素系化合物を主成分とし、鎖式炭化水素系化合物は、炭素原子数が8以上の、飽和または不飽和炭化水素、飽和または不飽和アルコール、脂肪酸からなる群より選択される少なくとも1種類の化合物である。ここで、主成分とは、コアをなす成分のうち最も含有量(質量%)の多い成分をいう。
本実施の形態のマイクロカプセルは、後述するシェルをなす成分が重合の進行によって析出し、コアをなす成分と分離されてコアシェル構造を形成する。コアをなす成分の鎖長が短いと、マイクロカプセルを製造する際にコアとシェルとが容易に分離した状態とならないため、コアシェル構造が形成されにくくなる、カプセル化までに非常に時間がかかるため非量産的となる等の問題がある。そのため、前記鎖式炭化水素系化合物は、炭素原子数は8以上とし、好ましくは12以上、さらに好ましくは18以上である。炭素原子数の上限値については、コアが20℃で液体であるものであれば、特に限定されない。
鎖式炭化水素系化合物をなす飽和または不飽和炭化水素としては、たとえば、オクタン、ドデカン、オクタデカン、パラフィン等の飽和炭化水素、オクテン、等の不飽和炭化水素が挙げられる。
鎖式炭化水素系化合物をなす飽和または不飽和アルコールとしては、たとえば、オクタノール、オクタデカノール等が挙げられる。
鎖式炭化水素系化合物をなす脂肪酸としては、たとえば、ステアリン酸等が挙げられる。
これらの鎖式炭化水素系化合物のうち、飽和または不飽和炭化水素を用いることが好ましい。飽和または不飽和炭化水素を用いることで、飽和または不飽和アルコールや脂肪酸を用いる場合に比べて極性が下がり、マイクロカプセルを製造する重合工程で使用される溶媒(水)に対する界面張力が高くなり、コアをなす成分がマイクロカプセルの外部へ漏出することを防止することができる。
コアをなす成分は、セラミックスの異物とならないように、セラミックス造粒粉の成形後に行われる焼結工程で分解されるものであることが好ましく、少なくとも500℃で分解されるものであることが好ましい。加えて、セラミックス造粒粉に含まれる成分と異なる成分がコアに含まれると、セラミックスにおいてコアをなす成分が異物となって欠陥として表れることになるため、セラミックスの原料粉末を造粒する際に用いられる造粒用バインダー成分の元素組成(一般的に、炭素、水素、酸素を含むものが多く使用される)とほぼ同じ元素組成のものを用いることが好ましい。
コアの質量は、マイクロカプセルの総質量に対して30質量%以上99質量%以下であることが好ましく、50質量%以上99質量%以下であることがさらに好ましい。コアが30質量%未満であるとシェルが多くなり、セラミックスの原料粉末の流動性を高める効果があまり期待できない。また、コアが99質量%を超えると、成形体にコアをなす成分が多く付着して量産性が悪化するため好ましくない。なお、上記コアの含有量は、後述の実施例に記載の方法によって測定した値である。
(シェル)
マイクロカプセルのシェルは、温度20℃で固体であって、ガラス転移温度Tgが100℃以上のポリマー組成物で形成される。
本実施の形態のマイクロカプセルは、上述のとおり、固体のシェルの内部に液体のコアを内包するものであるため、シェルは温度20℃で固体のものを用いる。これにより、セラミックス造粒粉に、固体状のマイクロカプセルを混合することができるため、均一に混合したセラミックス造粒粉とマイクロカプセルの混合物を金型に充填することができる。
シェルをなすポリマー組成物は疎水性である。これにより、本実施の形態のマイクロカプセルはO/W(水中油滴)分散系で製造しやすくなる。また、セラミックス造粒粉を得るために用いられるセラミックスの原料粉末も、造粒用バインダー成分も疎水性である。そのため、上記ポリマー組成物が疎水性であることにより、セラミックス造粒粉およびセラミックスの原料粉末と混合しやすくなるとともに、成形体を焼結したときの残渣を低減することができる。上記疎水性とは、20℃の水に対して溶解度が0.1質量%未満であることをいう。
ポリマー組成物のガラス転移温度Tgは100℃以上であり、ガラス転移温度Tgの上限値は特に限定されない。ガラス転移温度Tgが100℃未満であると、加圧工程においてマイクロカプセルが軟化して弾性的となり破壊されにくくなる傾向がある。また、後述するように、セラミックスの原料粉末と一緒にマイクロカプセルをスプレードライ造粒し、セラミックス造粒粉内にマイクロカプセルを内包させて、セラミックス造粒粉とマイクロカプセルとの混合粉末を得る場合には、ガラス転移温度Tgを100℃以上とすることで、マイクロカプセルが内包された混合粉末を良好に得ることができる。なお、上記ガラス転移温度Tgは、示差走査熱量測定(DSC)により測定された値である。
シェルをなすポリマー組成物は、スチレンをモノマーとして含むスチレン系重合体または前記スチレン系重合体を含むポリマーブレンドである。
スチレン系重合体は、スチレンの単独重合体(ポリスチレン)であってもよく、モノマーとしてスチレンを含む共重合体であってもよい。
スチレンを含む共重合体の共重合モノマー成分としては、スチレン系重合体のガラス転移温度Tgが100℃以上になるものであれば特に限定されないが、たとえばアクリロニトリル、ジビニルベンゼン、ヘキサメチレンジアクリレート等を用いることができる。モノマーのスチレンと共重合モノマー成分との配合比は、スチレン/共重合体成分=95/5〜5/95であることが好ましい。
スチレン系重合体を含むポリマーブレンドに含まれるスチレン系重合体以外の他のポリマー成分としては、前記ポリマーブレンドのガラス転移温度Tgが100℃以上になるものであれば特に限定されない。スチレン系重合体と他のポリマー成分との混合比は、スチレン系重合体/他のポリマー成分=70/30〜30/70であることが好ましい。
シェルをなすポリマー組成物としては、スチレンの単独重合体を用いることが好ましい。スチレンの単独重合体を用いることにより、コアシェル構造のマイクロカプセルをモノコア型に製造することができ、マイクロカプセルの製造時の重合制御も行いやすくなる。
シェルをなす成分は、コアをなす成分と同様に、セラミックスにおける異物とならないように、成形後に行われる焼結工程で分解され、残渣が残らない成分であることが好ましく、特に、有害な金属元素等を含まない材料であることが望ましい。
(マイクロカプセルの特性)
マイクロカプセルの平均粒子径は、平均粒子径が10μm以上200μm以下であり、セラミックス造粒粉(平均粒子径が30〜150μmである場合が多い)と同程度のサイズが好ましいため、50μm以上150μm以下であることが好ましい。マイクロカプセルの平均粒子径が10μm未満であると、セラミックス造粒粉およびセラミックスの原料粉末に対するコアをなす成分の量が減ってしまい、加圧工程時にセラミックスの原料粉末の流動性を高める効果があまり期待できない。また、マイクロカプセルの平均粒子径が200μmを超えると、セラミックスの原料粉末に対して均一に混合できず、加圧工程時にセラミックスの原料粉末の流動性を高める効果があまり期待できない。
本実施の形態のマイクロカプセルは、加圧工程においてマイクロカプセルのシェルが破壊され、内包物であるコアをなす液体成分が放出される必要があるため、1mN以上60mN以下の圧潰強度を有することが好ましい。圧潰強度が1mN未満であると、マイクロカプセルが容易に破壊してしまうため取扱いが困難になる。圧潰強度が60mNを超えると、加圧工程時にマイクロカプセルが完全に破壊されないため、内包物であるコアの液体成分の放出が困難となる。圧潰強度は、微小圧縮試験機(島津製作所製)を用い、20℃での一軸圧縮試験において内包液体が放出される値である。
上述のとおり、マイクロカプセルのコアおよびシェルは、セラミックスの異物とならないように、成形後の工程で分解されることが好ましい。成形体は加圧工程による成形後に脱脂・焼結されるため、セラミックス造粒粉に混合されるマイクロカプセルは、この脱脂・焼結工程の温度で熱により完全に分解されるように、150℃以上500℃以下の温度で分解するものが好ましく、300℃での熱重量・示差熱TG−DTA装置で調査した熱分解挙動において80重量%以上が分解するものであることが好ましい。マイクロカプセルが150℃未満で分解すると、マイクロカプセル自体の取扱いが困難になるとともに、加圧工程時における取扱いも困難となる。また、500℃を超える温度は一般的なセラミックスの脱脂温度より高くなるため、500℃を超える温度において分解しないマイクロカプセルは異物となり、セラミックスにマクロ欠陥として現れるため、好ましくない。
なお、熱分解の程度は、熱重量・示差熱TG−DTA装置を用い、200mL/minのArガスフロー、2℃/minで昇温しながら、室温〜800℃の温度範囲でマイクロカプセルのみのTG−GDA測定を行い、温度[℃]をX軸、重量[%]をY軸としたグラフを作成して決定する。
本実施の形態のマイクロカプセルは、セラミックス造粒粉とマイクロカプセルとの混合粉末を得、この混合粉末をプレスして成形体を得る際に使用される。そのため、この成形体を得る工程のすべての工程で、コアは液体の状態で保たれることが好ましく、シェルは固体の状態で保たれることが好ましい。
本実施の形態のマイクロカプセルは、コアの含有量を多くできるため、コアが1つであるモノコア型が好ましいが、コアが2つ以上であるマルチコア型であってもよい。
(マイクロカプセルの製造方法)
本実施の形態のマイクロカプセルは、反応容器に、コアをなす成分、シェルをなす成分のモノマー、分散剤、水を投入して機械撹拌し、O/W分散系を作製した後、懸濁重合を行うことによって製造される。各成分の配合量は、用いる成分やマイクロカプセルの大きさ(平均粒子径)等に応じて任意に選定すればよい。また、O/W分散系の作製時の機械撹拌の撹拌条件は、たとえば室温で2500rpm、1〜5分間とすることができるが、マイクロカプセルの平均粒子径等に応じて任意に選択できる。懸濁重合の機械撹拌の撹拌条件も、たとえば温度60〜80℃、100〜150rpm、5〜10時間とすることができるが、マイクロカプセルの平均粒子径等に応じて任意に選択できる。
[マイクロカプセルを用いたセラミックスの製造方法]
本実施の形態のマイクロカプセルを用いた成形体の製造方法では、セラミックス造粒粉とマイクロカプセルとの混合粉末を得た後、前記混合粉末をプレスする加圧工程を経て成形体を得る。混合粉末は、セラミックス造粒粉を造粒する際に用いる有機系バインダー等の疎水性の造粒用バインダーを含んでいてもよい。
混合粉末を得る方法としては、セラミックス造粒粉とマイクロカプセルとをボールミル、アトライター等の既知の混合装置で乾式混合する方法や、セラミックスの原料粉末と一緒にマイクロカプセルをスプレードライ造粒し、セラミックス造粒粉内にマイクロカプセルを内包させる方法が挙げられる。このとき、用いられるマイクロカプセルは、セラミックス造粒粉と同様にほぼ球状であることが好ましい。
得られた混合粉末は金型に充填され、加圧工程で圧縮されて所望の形状の成形体となり、これを脱脂・焼結することによってセラミックスが得られる。本実施の形態においては、前記のマイクロカプセルを用いるため、加圧工程時にマイクロカプセルが破壊してコアをなす液体成分がセラミックスの原料粉末に均一に行きわたる。これにより、セラミックスの原料粉末が流動するため、得られる成形体の密度が全体にわたって均一となり、成形体を脱脂・焼結すると、寸法精度に優れたセラミックスを得ることができる。
加圧工程や焼結工程の条件は公知の条件を採用できる。加圧工程の成形圧力は、たとえば9.8MPa(0.1ton/cm)以上980MPa(10ton/cm)以下、好ましくは29.4Mpa(0.3ton/cm)以上490MPa(5ton/cm)以下とすることができる。また、焼結工程の焼結温度は、たとえば1300℃以上1600℃以下、好ましくは1350℃以上1550℃以下とすることができる。焼結工程の雰囲気は、たとえば、アルゴンや窒素などの不活性ガス雰囲気、または、真空度10kPa以下の真空雰囲気とすることができる。あるいは、焼結時に加圧するシンターHIP(Hot Isostatic Pressing)処理、焼結後に加圧するHIP処理を行ってもよい。
また、セラミックス造粒粉に混合されるマイクロカプセルの量は、セラミックス造粒粉100質量部に対して0.5〜10質量部が好ましく、1.0〜3.0質量部がより好ましい。マイクロカプセルの量がセラミックス造粒粉100質量部に対して0.5質量部未満とすると、セラミックス造粒粉を加圧成形して得られる成形体を成形体全体にわたって均一な密度にする効果が大きくは期待できなくなる傾向にある。また、マイクロカプセルの量がセラミックス造粒粉100質量部に対して10質量部を超えると、コア等の液体成分が多くなりすぎてセラミックスの原料粉末が金型に付着する等の不具合が生じ、量産性が低下する傾向にある。
セラミックスの原料粉末の組成や平均粒子径は、任意のものを用いることができる。セラミックスの原料粉末として、たとえばCo、Ni、Fe等の鉄系金属の金属粉末、WC等の超硬合金粉末、TiC、TiN、TiCN等のサーメット粉末、Al等のセラミックス粉末を挙げることができる。超硬合金粉末は、WCを主成分とし、結合剤となるCo、Ni、Mo等の結合相金属を含むものである。サーメット粉末は、TiC、TiN、TiCNからなる群の少なくとも1つを主成分とし、結合剤となるCo、Ni、Mo等の結合相金属を含むものであり、特に、TiCおよびTiCNのうちの少なくとも一つを主成分とし結合相金属を含むものが好ましい。なお、主成分とは、セラミックスの原料粉末成分のうち最も含有量(質量%)の多い成分をいう。
また、前記WCに、たとえばTiC、TaC、TiN、TiCN、TaCN、ZrC、ZrN、NbC、VCおよびCrからなる群より選択される少なくとも1種のセラミック粉末を添加してもよく、TiWCなどのようにこれらの粉末を含む固溶体を形成してもよい。さらに、前記Ti化合物には、TiCN、WC、MoC、TaC、TaN、ZrC、ZrN、NbC、VCおよびCrからなる群より選択される少なくとも1種のセラミック粉末を添加してもよく、これらの粉末を含む固溶体を形成してもよい。
セラミックス造粒粉は、たとえば0.1〜20μmのセラミックスの原料粉末を混合・造粒して平均粒子径30〜150μmにしたものを用いることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(実施例1)
[マイクロカプセルの製造]
反応容器に、水を350質量部、界面活性剤として、水溶液全体として5質量%となる量のポリビニルアルコール(PVA)、表1に示すコアをなす成分およびシェルをなす成分をそれぞれ27.5質量部、22.5質量部投入し、さらに、シェル重合開始剤として過酸化ベンゾイル1.4質量部(モノマーとして)を投入して、室温で2500rpm、3分間機械撹拌することにより、O/W分散系を作製した。
次いで、75℃の温度条件下で、100rpm、5時間機械撹拌しながら懸濁重合を行った後、得られた懸濁重合物の分散系を水で洗浄・濾過して、室温(温度20℃)にて乾燥し、コアシェル構造のマイクロカプセルを得た。
得られたマイクロカプセルのコアの含有量、シェルをなすスチレン系重合体のガラス転移温度Tg、マイクロカプセルの圧潰強度、マイクロカプセルの平均粒子径を表1に示す。コアの含有量、ガラス転移温度Tg、マイクロカプセルの圧潰強度、マイクロカプセルの平均粒子径の測定方法は後述のとおりである。
(実施例2〜10、比較例1〜6)
[マイクロカプセルの製造]
コアをなす成分およびシェルをなす成分の投入量、O/W分散系を作製する際の機械撹拌の撹拌条件、および懸濁重合における機械撹拌の撹拌条件を調整し、実施例1の手順にしたがって、O/W分散系の作製および懸濁重合を行って表1に示すマイクロカプセルを得た。なお、シェルをなすモノマー成分が2成分の実施例7および比較例4〜5においては、各モノマー成分を体積分率で50:50となるように添加した。
[セラミックスの製造]
10質量%のCoを含むWC合金の粉末と有機系バインダーとを有機溶剤中で10時間混合し、その後、スプレードライ法によってセラミックス造粒粉を作製した。
続いて、得られたセラミックス造粒粉に、前記セラミックス造粒粉に対して3質量%となる量で上記で得たマイクロカプセルを室温(温度20℃)で乾式混合して混合粉末を得、図1に模式図として示す金型1を用いて混合粉末をプレス成形し、図2に模式図として示す成形体を得た。比較例1では、セラミックス造粒粉にマイクロカプセルを添加せずに成形体を得た。
金型1は、図1に示すように、型孔を有するダイ2と、型孔内に挿通される下パンチ3と、下パンチ3に対向配置され、下パンチ3と共に混合粉末5を押圧する上パンチ4とを備えており、プレス成形は、ダイ2の型孔と下パンチ3と上パンチ4とで形成される金型空間に混合粉末5を充填後、下パンチ3と上パンチ4とで混合粉末5を加圧して行った。
本実施例および比較例では、下パンチ3の上端面(混合粉末を加圧する面)が平坦に形成されたものを用い、上パンチ4の下端面(混合粉末を加圧する面)が深さ方向に階段状に形成されたものを用いた。
得られた成形体は、図2に示すように、底面が幅10cm、奥行き10cmの正方形で、上面が階段状に形成されており、階段状に形成された部分のうち、最も高い部分の高さが10cm、横幅が3cmであり、これに隣接する部分の高さが7cm、横幅が4cmであり、さらにその隣の部分の高さが3cm、横幅が3cmであった。なお、比較例3〜5については、マイクロカプセルが局所的に偏在した等のためにプレス成形後に液体が偏在することにより、金型からの取出し時に成形体の一部(たとえば図2の(ア)の部分の角など)が欠けた成形体となった。
この成形体を500℃まで昇温し、500℃で30分間維持した。その後、1400℃まで昇温し、真空雰囲気で30分間維持して焼結を行った後、冷却し、焼結された成形体であるセラミックスを得た。なお、比較例3〜5については、一部が欠けた成形体となったため、焼結は行わなかった。
成形体の焼結の前後において、図2に示す(ア)〜(カ)の部分の奥行方向の収縮率のばらつき幅を測定した。その結果を表1に示す。ばらつき幅の測定方法は後述のとおりである。
Figure 2018034092
[コアの含有量]
熱重量・示差熱TG−DTA装置を用いてマイクロカプセルだけのTG−DTAを測定し、コアとシェルとの熱分解温度の差に基づいてコアの含有量を算出した。具体的には、200mL/minのArガスフロー、2℃/minで昇温しながら、室温〜800℃の温度範囲で重量[%]を測定し、温度[℃]をX軸、重量[%]をY軸としたグラフを作成した。このグラフから読み取った重量変化量に基づいてコアの含有量を算出した。
[シェルをなすスチレン系重合体のガラス転移温度Tg]
スチレン系重合体のガラス転移温度Tgは、示差走査熱量測定(DSC)により測定した。
[マイクロカプセルの圧潰強度]
微小圧縮試験機(島津製作所製)を用い、負荷速度12.9mN/sec、負荷保持時間10sec、20℃での一軸圧縮試験において内包液体の放出されたときの値を1サンプルにつき10回測定し、その算術平均をマイクロカプセルの圧潰強度とした。
[マイクロカプセルの平均粒子径]
レーザー式乾式粒度分布測定装置を用い、5回測定した値を算術平均してマイクロカプセルの平均粒子径とした。
[成形体の均一性の評価]
成形体の均一性は、明らかな欠け(たとえば図2の(ア)や(ウ)の角が欠けている等)があるかどうかを目視で確認し、欠けの有無で評価した。
[成形体の収縮率のばらつき幅]
成形体の収縮率のばらつき幅は、マイクロメーター等の既知の寸法測定法によって、成形体の焼結の前後における、図2に示す(ア)〜(カ)の部分の奥行方向の長さの変化量を収縮率として測定し、測定された収縮率のうちの最大値と最小値との差をばらつき幅とした。
なお、収縮率のばらつき幅の値がゼロに近づくほど、焼結の前後において成形体の各部における収縮率の差が小さく寸法精度に優れていることを示す。
[結果の考察]
実施例1〜10の結果から、本実施例のマイクロカプセルを添加して得られた成形体は均一に成形され、焼結後は、本実施例のマイクロカプセルを添加していないセラミックスよりも収縮率のばらつき幅が小さくなることがわかる。
実施例2〜3の結果と実施例4の結果との比較から、コアをなす鎖式炭化水素系化合物として炭素数18以上のものを用いると、セラミックスの収縮率のばらつき幅をより一層低減できることがわかる。
また、実施例1および10では、コアが炭素数18〜35という炭素数の多い鎖式炭化水素系化合物であるため、実施例4と同様にセラミックスの収縮率のばらつき幅をより一層低減できることがわかる。
実施例4の結果と実施例5の結果との比較から、マイクロカプセルにおけるコアの量が多くなると、セラミックスの収縮率のばらつき幅をより一層低減できることもわかる。
実施例4の結果と実施例6の結果との比較から、マイクロカプセルの平均粒子径が小さくなりすぎると、セラミックスの収縮率のばらつき幅の低減効果がやや小さくなることがわかる。
実施例4の結果と実施例7の結果との比較から、シェルがスチレン単独重合体であると、セラミックスの収縮率のばらつき幅の低減効果が高いことがわかる。実施例7では、シェルがスチレンとアクリロニトリルとの共重合体であるため、マイクロカプセルが完全なモノコア型とならず、コアの液体成分がプレス成形時に金型内のセラミックスの原料粉末全体に行きわたりにくくなったことにより、セラミックスの収縮率のばらつき幅の低減効果がやや減少したためと推測される。
実施例4の結果と実施例8〜9の結果との比較から、コアをなす鎖式炭化水素系化合物として非極性のものを用いることで、セラミックスの収縮率のばらつき幅をより一層低減できることがわかる。実施例4では、コアとしてオクタデカンを用いているため、実施例8で用いたオクタデカノールや実施例9で用いたステアリン酸に比較して、マイクロカプセルの重合工程で使用される溶媒(水)に対する界面張力が高くなり、コアをなす成分がマイクロカプセルの外部へ漏出することが防止されたと推測される。
また、コアをなす鎖式炭化水素系化合物として非極性のものを用いることで、コアとシェルとが完全に分離したきれいなマイクロカプセルが得られ、プレス成形時にコアの液体成分が金型内のセラミックスの原料粉末全体に行きわたりやすくなり、セラミックスの収縮率のばらつき幅をより一層低減できたと推測される。一方、コアをなす成分として極性のものを用いた場合には、コアの成分の一部がシェルにも取り込まれるため、コアの液体成分がプレス成形時に金型内のセラミックスの原料粉末全体に行きわたりにくくなる傾向にあり、セラミックスの収縮率のばらつき幅の低減効果がやや小さくなったと推測される。
また、比較例1の結果から、マイクロカプセルを添加せずに得たセラミックスは、マイクロカプセルを添加して得られたセラミックスよりも、収縮率のばらつき幅が大きいことがわかった。
比較例2では、炭素数6のヘキサンをコアとして用いたために、完全なモノコア型とならず、球状の均質なカプセルを作製できなかったと推測される。
比較例3では、マイクロカプセルの平均粒子径が大きすぎることにより、欠けのない成形体を得ることができなかった。比較例3では、マイクロカプセルの平均粒子径が大きいためにセラミックス造粒粉とマイクロカプセルとが均一に混合されず、加圧工程においてマイクロカプセルが破壊されて放出されるコアをなす液体成分が局所的に分散したためと推測される。
比較例4〜5では、シェルをなすスチレン系重合体のガラス転移温度Tgが100℃未満であるため、加圧工程においてマイクロカプセルとセラミックス造粒粉とを混合した混合粉末を加圧する際に、均一な成形体を得ることができなかった。比較例4〜5では、加圧工程においてマイクロカプセルが軟化し弾性的となり、破壊されにくくなったためと推測される。
比較例6では、コアをなす液体成分が水であるため、欠けのない成形体を得ることができなかった。比較例6では、水と疎水性のセラミックス造粒粉とが均一に混合されにくく、その結果、コアの液体成分がプレス成形時に金型内のセラミックスの原料粉末全体に行きわたりにくくなり、成形体の大きな欠けが発生したと推測される。比較例6では欠けのない成形体を得ることができなかったため、収縮率のばらつき幅を測定することができなかった。
本発明のマイクロカプセルは、セラミックス造粒粉を成形する際に用いる成形助剤として有益である。
1 金型、2 ダイ、3 下パンチ、4 上パンチ、5 混合粉末

Claims (10)

  1. コアシェル構造を有するマイクロカプセルであって、
    コアは、温度20℃で液体であって疎水性を示し、
    シェルは、温度20℃で固体であって疎水性を示すとともに、ガラス転移温度Tgは100℃以上のポリマー組成物で形成され、
    平均粒子径が10μm以上200μm以下である、マイクロカプセル。
  2. 前記コアは、鎖式炭化水素系化合物を主成分とし、
    前記鎖式炭化水素系化合物は、炭素原子数が8以上の、飽和または不飽和炭化水素、飽和または不飽和アルコール、脂肪酸からなる群より選択される少なくとも1種類の化合物である、請求項1に記載のマイクロカプセル。
  3. 前記ポリマー組成物は、スチレンをモノマーとして含むスチレン系重合体または前記スチレン系重合体を含むポリマーブレンドである、請求項1または請求項2に記載のマイクロカプセル。
  4. 圧潰強度が1mN以上60mN以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のマイクロカプセル。
  5. 前記マイクロカプセルの総質量に対して、コアの質量が30質量%以上99質量%以下である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のマイクロカプセル。
  6. セラミックスの製造に用いられる、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のマイクロカプセル。
  7. 前記セラミックスは、WCを主成分とする超硬合金、または、TiCおよびTiCNのうちの少なくとも一つを主成分とするサーメットを含む、請求項6に記載のマイクロカプセル。
  8. コアシェル構造を有するマイクロカプセルであって、
    コアは、温度20℃で液体であって、鎖式炭化水素系化合物を主成分とし、
    前記鎖式炭化水素系化合物は、炭素原子数が18以上の飽和炭化水素であり、
    シェルは、温度20℃で固体であって、スチレンの単独重合体で形成され、
    前記スチレンの単独重合体のガラス転移温度Tgは100℃以上であり、
    前記マイクロカプセルの総質量に対して、コアの質量が30質量%以上99質量%以下であり、
    平均粒子径が10μm以上200μm以下である、マイクロカプセル。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のマイクロカプセルとセラミックス造粒粉との混合物を加圧成形する、セラミックスの製造方法。
  10. 前記混合物は、さらに、疎水性の造粒用バインダーを含む、請求項9に記載のセラミックスの製造方法。
JP2016167745A 2016-08-30 2016-08-30 マイクロカプセルおよびそれを用いたセラミックスの製造方法 Active JP6770369B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016167745A JP6770369B2 (ja) 2016-08-30 2016-08-30 マイクロカプセルおよびそれを用いたセラミックスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016167745A JP6770369B2 (ja) 2016-08-30 2016-08-30 マイクロカプセルおよびそれを用いたセラミックスの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018034092A true JP2018034092A (ja) 2018-03-08
JP6770369B2 JP6770369B2 (ja) 2020-10-14

Family

ID=61566716

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016167745A Active JP6770369B2 (ja) 2016-08-30 2016-08-30 マイクロカプセルおよびそれを用いたセラミックスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6770369B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003277154A (ja) * 2002-03-20 2003-10-02 Kyocera Corp セラミックスの製造方法
JP2012017453A (ja) * 2010-05-27 2012-01-26 Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd 熱膨張性微小球およびその用途
WO2014109413A1 (ja) * 2013-01-10 2014-07-17 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 マイクロカプセル蓄熱材、その製造方法およびその使用
WO2015178329A1 (ja) * 2014-05-23 2015-11-26 松本油脂製薬株式会社 熱膨張性微小球、その製造方法および用途

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003277154A (ja) * 2002-03-20 2003-10-02 Kyocera Corp セラミックスの製造方法
JP2012017453A (ja) * 2010-05-27 2012-01-26 Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd 熱膨張性微小球およびその用途
WO2014109413A1 (ja) * 2013-01-10 2014-07-17 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 マイクロカプセル蓄熱材、その製造方法およびその使用
WO2015178329A1 (ja) * 2014-05-23 2015-11-26 松本油脂製薬株式会社 熱膨張性微小球、その製造方法および用途

Also Published As

Publication number Publication date
JP6770369B2 (ja) 2020-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20220288683A1 (en) Method of making cermet or cemented carbide powder
Cheng et al. Fabrication of W–20 wt.% Cu alloys by powder injection molding
US5641920A (en) Powder and binder systems for use in powder molding
US5028367A (en) Two-stage fast debinding of injection molding powder compacts
CN110935878A (zh) 一种钛合金零件的注射成形方法
CN102015163A (zh) 金属粉末混合物
CN101473054A (zh) 制备成型的耐火金属主体的方法
KR20070115720A (ko) 초경합금 또는 서멧 응집 분말 혼합물의 제조 방법
US5689796A (en) Method of manufacturing molded copper-chromium family metal alloy article
JP6756994B1 (ja) 積層造形用粉末、積層造形物の製造方法及び積層造形物焼結体の製造方法
CN114086015B (zh) 一种铜钨合金零件及其制造方法
US11718736B2 (en) Binder for injection moulding compositions
EP1694875B1 (en) Processes for sintering aluminum and aluminum alloy components
JP6770369B2 (ja) マイクロカプセルおよびそれを用いたセラミックスの製造方法
JP6809373B2 (ja) マイクロカプセルおよびそれを用いたセラミックスの製造方法
KR101658381B1 (ko) 분말 성형체 제조방법 및 분말 성형체 제조용 혼합분말
JP6939579B2 (ja) マイクロカプセル、複合セラミック造粒体及びそれを用いたセラミックスの製造方法
RU2569288C1 (ru) Способ изготовления наноразмерного твердого сплава
WO2006114849A1 (ja) 超小型軸受及びその製造方法
JPH093510A (ja) 金属粉末射出成形用銅粉末及びそれを用いた射出 成形品の製造方法
TW201039945A (en) Intermediate for producing sintered metallic components, a process for producing the intermediate and the production of the components
KR20220023823A (ko) 나노결정질 금속 분말의 사출 성형을 위한 시스템 및 방법
JP2019151873A (ja) 超硬合金及びその製造方法
JP4493880B2 (ja) 複合材料の製造方法
Nigarura et al. Manufacturing process and mechanical properties of BJ3DP tungsten heavy alloy components

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160912

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160912

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190422

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200331

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200908

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200925

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6770369

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250