JP2018033313A - 電力管理システム、電力管理方法及びプログラム - Google Patents

電力管理システム、電力管理方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】電力量に応じた対価を算出するための電力量を計測できる電力管理システムを提供する。【解決手段】電力管理システムには、電力を充電できると共に、放電する電力の内少なくとも一部の電力が逆潮流になるように商用電力系統に放電できる蓄電部が設けられている。電力管理システムは、該蓄電部に充放電する電力の電力量を計測する蓄電部電力計測部と、少なくとも該商用電力系統に送電する逆潮流方向の電力量を計測する系統電力計測部と、前記蓄電部電力計測部によって計測された電力量を第1情報とし、前記系統電力計測部によって計測された電力量に関する情報と少なくとも前記商用電力系統と前記蓄電部との接続を遮断する自動開閉器の開閉状態に関する情報との何れかの情報を第2情報とし、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、電力需要家が売電する電力量を算出する電力量算出部とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、電力管理システム、電力管理方法及びプログラムに関する。
近年、太陽光発電などの自然エネルギーを利用した発電装置と蓄電池を備えたエネルギー管理システムが知られるようになっている。また、複数の電力需要家からなるコミュニティにおいて電力管理を行う電力管理システムも知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1によれば、蓄電システムと太陽光発電設備とを備えることにより、電力需要家の太陽光発電設備から発生する余剰電力を複数の蓄電システムに貯めておき、必要時にその電力を放電して使えることが示されている。
また、一般的に、電気事業者と電力需要家との間の電力需給契約における電力料金は、商用電力系統からの受電点に対応させて設けられた積算電力量計の計測値に基づいて算出されている。
特開2014−030334号公報
しかしながら、上記の積算電力量計を用いた一般的な電力量の計測方法では、受電した電力は当該電力需要家の負荷で消費され、太陽光発電設備などで発電した電力の一部が電気事業者に供給されることを前提としており、蓄電システムに蓄えた電力を電力需要家が提供する際の電力量の計測方法ではない。また、特許文献1には、複数の電力需要家からなる区域内において、蓄電システムを用いて電力を融通することが示されているが、電力需要家が融通する電力量を測定する方法について記載されていない。そのため、上記のように、複数の電力需要家からなる区域内において、特許文献1のような蓄電システムを用いて電力を融通しようとしても、対価を算出するための電力量を計測することができないという問題がある。
上述の課題を鑑み、本発明は、電力量の対価を算出するための電力量を測定できる電力管理システム、電力管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明の一態様による電力管理システムは、電力を充電できると共に、放電する電力の内少なくとも一部の電力が逆潮流になるように商用電力系統に放電できる蓄電部が設けられており、該蓄電部に充放電する電力の電力量を計測する蓄電部電力計測部と、少なくとも該商用電力系統に送電する逆潮流方向の電力量を計測する系統電力計測部と、前記蓄電部電力計測部によって計測された電力量を第1情報とし、前記系統電力計測部によって計測された電力量に関する情報と少なくとも前記商用電力系統と前記蓄電部との接続を遮断する自動開閉器の開閉状態に関する情報との何れかの情報を第2情報とし、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、電力需要家が売電する電力量を算出する電力量算出部とを備えることを特徴とする。
前記蓄電部電力計測部は、前記蓄電部に充電される充電電力量のうち少なくとも一部の電力を売電する電力量として計測することを特徴とする。
前記系統電力計測部は、さらに該商用電力系統から受電する潮流方向の電力量を計測し、
前記電力量算出部は、前記蓄電部電力計測部によって計測された前記充電の電力量と、前記系統電力計測部によって計測された前記潮流方向の電力量とから、電力需要家が売電する電力の電力量を算出することを特徴とする。
前記電力量算出部は、前記蓄電部電力計測部によって計測された充電の電力量から前記系統電力計測部により計測された潮流方向の電力量を減じた電力量、又は、前記系統電力計測部により計測された逆潮流方向の電力量から前記蓄電部電力計測部によって計測された放電の電力量を減じた電力量、又は、前記蓄電部電力計測部によって計測された充電の電力量と前記系統電力計測部により計測された逆潮流方向の電力量とを加えた電力量により、電力需要家が売電する電力の電力量を算出することを特徴とする。
前記電力量算出部は、前記系統電力計測部により計測された順潮流方向の電力量から前記蓄電部電力計測部によって計測された充電の電力量を減じた電力量、又は、前記蓄電部電力計測部によって計測された放電の電力量から前記系統電力計測部により計測された逆潮流方向の電力量を減じた電力量により、電力需要家が買電する電力の電力量を算出することを特徴とする。
前記系統電力計測部は、前記商用電力系統からの引き込み線に設けられており、
前記系統電力計測部から負荷に向かう第1接続線に、前記第1接続線から前記蓄電部に向かう第2接続線を分岐する分岐部が設けられ、前記蓄電部電力計測部は、前記第2接続線に設けられることを特徴とする。
前記電力量算出部は、前記蓄電部を前記商用電力系統から遮断した状態で、前記蓄電部電力計測部によって計測された充電電力の電力量から、電力需要家が売電する電力の電力量を算出することを特徴とする。
前記電力量算出部は、前記蓄電部を前記商用電力系統から遮断した状態で、前記蓄電部電力計測部によって計測された前記放電の電力量から、電力需要家が買電する電力の電力量を算出することを特徴とする。
電力を充電できると共に、放電する電力の内少なくとも一部の電力が逆潮流になるように商用電力系統に放電できる蓄電部が設けられており、蓄電部電力計測部により該蓄電部に充放電する電力の電力量を計測し、系統電力計測部により少なくとも該商用電力系統に送電する逆潮流方向の電力量を計測し、前記蓄電部電力計測部によって計測された電力量を第1情報とし、前記系統電力計測部によって計測された電力量に関する情報と少なくとも前記商用電力系統と前記蓄電部との接続を遮断する自動開閉器の開閉状態に関する情報との何れかの情報を第2情報とし、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、電力需要家が売電する電力量を算出することを特徴とする電力管理方法である。
電力を充電できると共に、放電する電力の内少なくとも一部の電力が逆潮流になるように商用電力系統に放電できる蓄電部が設けられており、蓄電部電力計測部により該蓄電部に充放電する電力の電力量を計測するステップと、系統電力計測部により少なくとも該商用電力系統に送電する逆潮流方向の電力量を計測するステップと、前記蓄電部電力計測部によって計測された電力量を第1情報とし、前記系統電力計測部によって計測された電力量に関する情報と少なくとも前記商用電力系統と前記蓄電部との接続を遮断する自動開閉器の開閉状態に関する情報との何れかの情報を第2情報とし、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、電力需要家が売電する電力量を算出するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
(削除)
本発明によれば、電力需要家側に設けた蓄電池から商用電力系統に電力を融通する場合に、融通した電力量に応じた対価を算出するための電力量を計測できる。
本発明の第1の実施形態における電力管理システムの全体構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態における想定されるケースと、そのケースに対応する電力購入量及び電力販売量の計算式を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態において想定されるケースに対応する電力の流れを示す説明図である。 本発明の第1の実施形態において想定されるケースに対応する電力の流れを示す説明図である。 本発明の第1の実施形態における電力料金の算出処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における課金の対象にする電力量を算出する処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における電力管理システムの全体構成例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態における想定されるケースと、そのケースに対応する電力購入量及び電力販売量の計算式を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態において想定されるケースに対応する電力の流れを示す説明図である。 本発明の第2の実施形態における電力料金の算出処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における課金の対象にする電力量を算出する処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態における電力管理システムの全体構成例を示すブロック図である。本実施形態における電力管理システムは、例えば、一定範囲の区域における複数の電力需要家(以下、単に「需要家」という。)に対応する住宅、商業施設、産業施設などの需要家施設における電力を一括して管理するものである。このような電力管理システムは、例えばTEMS(Town Energy Management System)やCEMS(Community Energy Management System)などといわれるものに対応する。なお、このような電力管理システムは、例えば、商用電力系統2に係る電気事業者(上位の電気事業者)から電力の供給を受け、需要家に電力を小売りする電気事業者(小売事業者)によって運用されるものであってもよい。以下の説明において、このような電力管理システムを用いて需要家に電力を小売りする電気事業者のことを、単に小売事業者といい、小売事業者に電力を供給する電気事業者のことを上位の電気事業者という。また、需要家が小売事業者等から電力を購入する場合を「買電」といい、需要家が小売事業者等に電力を売る場合を「売電」という。また、上位の電気事業者側と小売事業者側のことを区別することなく総じて示す場合、需要家施設の「外部」ということがある。
本実施形態の電力管理システム100は、図1において電力管理区域1として示す一定範囲の区域(以下、単に「区域」ということがある。)における需要家施設10ごとの電気設備を対象として電力管理を行う。需要家施設10は、例えば、住宅、商業施設、あるいは産業施設などに該当する。
商用電力系統2からの電力を需要家施設10毎に分配するように系統電力線3が構成されており、これらの需要家施設10には、それぞれ、商用電力系統2からの電力が系統電力線3を介して供給される。
1つの需要家施設10は、発電設備51、蓄電システム52、負荷53、電力経路分岐部54、蓄電システム制御部55、自動開閉器56、系統電力電力量計61、蓄電システム電力量計62とを備える。
発電設備51は、需要家施設10側で発電する設備である。発電設備51としては、太陽光発電、燃料電池、ガスエンジン発電機などが想定される。一つの需要家施設10に複数の発電設備があっても良く、又は、複数の種類の発電設備があっても良い。発電設備51には、発電設備51の電力を、商用電力系統の電圧、周波数、相数と、それぞれ同じ電圧、周波数、相数の交流に変換する回路が含まれる。なお、区域内の少なくとも1以上の需要家施設10に発電設備51が設置されているものとする。
蓄電システム52は、余剰電力を蓄積し、また、蓄積した電力を放電して出力する。なお、余剰電力とは、発電設備51で発電された電力から、その需要家の負荷53が消費した電力を差し引いた余剰分の電力のことである。この蓄電システム52に使用する蓄電池としては、例えばリチウムイオン電池などの各種電池を採用することができる。蓄電システム52には、交流の充電電力を直流に変換し、また、放電による直流の電力(放電電力)を商用電力系統と同じ電圧、周波数、相数の交流に変換する回路が含まれる。蓄電システム52は、蓄電システム制御部55の制御の下、予め定められた一定の電力量で充電するCP(Constant Power)充電モードや、予め定められた一定の電力量で放電するCP(Constant Power)放電モード、需要家の負荷53が消費する電力量の変動に追従する電力量で放電する負荷追従モード、余剰電力の電力量の変動に追従する電力量で充電する余剰電力追従モードなどが設定できる。なお、区域内の少なくとも1以上の需要家施設10に蓄電システム52が設置されているものとする。
負荷53は、需要家施設10において、電力を消費する機器や設備などを一括して示したものである。負荷53としては、照明器具、冷蔵庫、テレビ、冷暖房器具等、各種の電化製品が含まれる。
電力経路分岐部54は、例えば、分電盤60に組み込まれており、需要家施設10内の電路(以下、単に「電力経路」という。)を分岐する。電力経路分岐部54は、需要家施設10において、商用電力系統2を負荷53に供給するように電力経路を形成することができる。また、電力経路分岐部54は、需要家施設10において、発電設備51により発生された電力を負荷53に供給するように電力経路を形成することができる。また、電力経路分岐部54は、需要家施設10において、商用電力系統2と発電設備51の一方または両方から供給される電力を蓄電システム52に充電するように電力経路を形成することができる。また、電力経路分岐部54は、需要家施設10において、蓄電システム52から放電により出力させた電力を、負荷53に供給するように電力経路を形成することができる。
更に、電力経路分岐部54は、蓄電システム52により発生された電力を、系統電力線3を経由して、他の需要家施設10(以下、需要家施設ごとの説明をする場合、需要家施設10に代えて「需要家施設11」という。)に向けて供給するように電力経路を形成することができる。需要家施設11では、この電力を、需要家施設11における負荷53に供給したり、需要家施設11における蓄電システム52に蓄電したりすることができる。
蓄電システム制御部55は、蓄電システム52の制御を行う。また、蓄電システム制御部55は、融通区域内電力管理部71とネットワーク70を介して通信可能な状態に接続されている。蓄電システム制御部55は、融通区域内電力管理部71から受信した蓄電システムの充放電の計画に従って、充電・放電の開始や停止を指示したり、充電・放電電力の電力量を指示したりするなどの指令を蓄電システム52に伝達し、蓄電システム52を動作させる。
なお、蓄電システム制御部55は、例えば、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)のゲートウェイに組み込むようにしても良い。
自動開閉器56は、例えば、分電盤60に組み込まれており、商用電力系統2からの電力の供給を、商用電力系統2の状態などに応じて遮断する。自動開閉器56を遮断状態にして、系統電力線3と分電盤60から分岐する電力系路とを切り離すことで、商用電力系統2を停電させるような事故が生じた場合に、その事故の事故点に電力を供給することなく安全性を担保できる。例えば、商用電力系統2の停電の検出は、発電設備51や蓄電システム52などに設けられた単独運転検出機能や系統保護機能、低電圧検出リレーなどで検知することができる。これらの停電検出の方法によって停電が検出された後に発せられる信号に連動させて、自動開閉器56を遮断させることができる。このように商用電力系統2の停電時には、商用電力系統2から遮断された状態になるが、需要家単体で電力の自給自足を可能にする。
系統電力電力量計61は、系統電力線3から入出力される電力を計測する電力量計である。系統電力電力量計61は、系統電力線3の屋内への引込口に設置されている。系統電力電力量計61は、系統電力線3側から受電する電力(順潮流)と共に、系統電力線3側に送電する電力(逆潮流)を計測できる。系統電力電力量計61の計測値は、ネットワーク70を介して、通信により電力料金算出部72に転送できる。系統電力電力量計61の計測値を電力料金算出部72に転送する際には、電力量の計測値と共に、どの需要家の電力量かを識別するために、メータIDが送られる。
系統電力電力量計61は、ある時間間隔で、電力量を記録する構成とされている。一般的には、30分間隔に、電力量が記録され、30分前に記録された電力量との差分が当該30分間の積算電力量になる。0時〜24時まで30分間隔での順潮流、逆潮流の電力量が記録される。
なお、系統電力電力量計61は、系統電力線3側から受電する電力(順潮流)の電力計と、系統電力線3側に送電する電力(逆潮流)の電力計とを、別々に設けるようにしても良い。また、系統電力電力量計61の計測値は、PLC(電力線通信)で電力料金算出部72に転送しても良い。なお、この通信に用いる方式に制限はなく、一般的な通信方式を利用することができる。
蓄電システム電力量計62は、蓄電システム52に充電される電力及び蓄電システム52から放電される電力を積算する電力量計である。蓄電システム電力量計62は、蓄電システム52に充放電される電力を個別に計測できるように、電力経路分岐部54と蓄電システム52との間に設置される。蓄電システム電力量計62の計測値は、ネットワーク70を介して、通信により電力料金算出部72に転送できる。蓄電システム電力量計62の計測値を電力料金算出部72に転送する際には、電力量の計測値と共に、どの需要家の電力量かを識別するために、メータIDが送られる。
なお、蓄電システム電力量計62は、蓄電システム52に充電する電力の電力計と、蓄電システム52から放電される電力の電力計とを、別々に設けるようにしても良い。また、蓄電システム電力量計62の計測値は、PLC(電力線通信)で電力料金算出部72に転送しても良い。なお、この通信に用いる方式に制限はなく、一般的な通信方式を利用することができる。
複数の需要家施設10からなる電力管理区域1において、その電力管理区域1に属する需要家施設10全体における電気設備を対象として、融通区域内電力管理部71、電力料金算出部72が備えられる。
融通区域内電力管理部71は、ネットワーク70を介して、各需要家施設10の蓄電システム制御部55と接続される。ネットワーク70としては、既存のインターネット網を利用することなどが考えられる。融通区域内電力管理部71は、少なくともその電力管理区域1における、充電又は放電する需要家施設10の蓄電システム52を決定し、充放電の計画又は、充電・放電の開始や停止を蓄電システム制御部55に指令する機能を有する。蓄電システム制御部55への指令内容は、この他、充電・放電電力や充放電モードなども考えられる。
電力料金算出部72は、各需要家施設10の系統電力電力量計61及び蓄電システム電力量計62の計測値を取得できる。電力料金算出部72は、系統電力電力量計61で計測された電力量の計測値と、蓄電システム電力量計62で計測された電力量の計測値とから、需要家施設10における電力購入量及び電力販売量を決定する。そして、電力料金算出部72は、求められた電力購入量及び電力販売量に、予め決められた単価を乗算することで課金額を決定する。なお、電力料金算出部72は、HEMSゲートウェイに組み込まれていても良いし、電力管理システム100内の何れかの装置にこの機能を有するように構成することなども考えられる。
なお、本実施形態の構成は、一定範囲の区域における複数の需要家の各需要家施設10内の既設の発電設備51や蓄電システム52をそのまま利用して、当該複数の需要家に対応する住宅、商業施設、産業施設などの需要家施設における電力を一括して管理する電力管理システム100に移行できる。
次に、本実施形態における電力料金の算出について説明する。上述のように、本実施形態では、複数の需要家施設10からなる電力管理区域1において、電力が融通される。本実施形態における電力料金算出部72では、このような電力管理区域1に属する需要家施設10に対して、公平性の高い電力料金算出を行っている。
図1に示したような電力管理システム100では、各需要家施設10の蓄電システム52に充電される電力は、当該需要家施設10の発電設備51で発電された電力であるとは限られない。また、蓄電システム52から放電される電力は、当該需要家施設10の負荷53で使われるとは限られない。例えば、図1に示すように構成した電力管理システム100では、需要家施設10の発電設備51によって発電された電力に余剰電力が生じた場合、その余剰電力は、系統電力線3を経由して、別の需要家施設10に送られ、別の需要家施設10の負荷53で使用され、若しくは、別の需要家施設10の蓄電システム52に充電される可能性がある。また、需要家施設11の発電設備51によって発電された電力に余剰電力が生じた場合、その余剰電力は、系統電力線3を経由して、当該需要家施設10に送られ、当該需要家施設10の負荷53で使用され、若しくは、当該需要家施設10の蓄電システム52に充電される可能性がある。このことを考慮すると、系統電力電力量計61の電力量だけで電力料金を算出する方法では、余剰電力がどこにどの程度供給されたかの情報さえ正確に掌握することができず、系統電力電力量計61の電力量だけで電力料金を算出したとても、算出された電気料金の信頼度が低くなることから、公平性の高い電力料金を得ることができない。
そこで、本実施形態では、蓄電システム52に蓄電された時点で、需要家から小売事業者等の電気事業者等に売電したと考えて、売電した電力料金を算出している。
ここで、比較のため本実施形態と異なる一般的な場合を例示する。一般的な場合には、需要家施設10の需要家は、当該需要家施設10の発電設備51や蓄電システム52を物理的に所有しており、蓄電システム52の物理的な所有者と、蓄電システム52に蓄電されている電力の利用権の所有者とを区別して考えることはない。
これに対して、本実施形態では、公平性の高い電力料金を算出できるように、蓄電システム52の物理的な所有者と、蓄電システム52に蓄電されている電力の利用権の所有者とを区別して考えている。そして、蓄電システム52に蓄電される電力については、蓄電システム52の物理的な所有者とは無関係に、蓄電システム52に電力が蓄電された時点で、電力売買があったと考える。ここで、蓄電システム52の物理的な所有者と蓄電システム52に蓄電されている電力の利用権の所有者が異なる場合を例示する。例えば、蓄電システム52の物理的な所有者が需要家であり、蓄電システム52に蓄電されている電力の利用権の所有者は、他の需要家や電気事業者(小売事業者)である場合が挙げられる。また、蓄電システム52の物理的な所有者と蓄電システム52に蓄電されている電力の利用権の所有者が同一となる場合を例示する。例えば、蓄電システム52の物理的な所有者と、蓄電システム52に蓄電されている電力の利用権の所有者の双方が、同一の電気事業者(小売事業者)である場合が挙げられる。
すなわち、本実施形態では、需要家は、当該需要家施設10の蓄電システム52に電力を充電する場合も、系統電力線3を介して、当該需要家施設10から別場所に電力を送電した場合も、同様に、これらの電力は、売電されたものとする。そして、蓄電システム52に充電された電力は、蓄電システム52の物理的な所有者を問わず、例えば、電気事業者に売電されたものとする。また、需要家は、当該需要家施設10の蓄電システム52から放電された電力を使う場合も、系統電力線3を介して、別場所からの電力を受電する場合も、同様に、その電力は買電されたものとする。
以上のような考え方に基づき、本実施形態では、系統電力電力量計61の他に、蓄電システム電力量計62が需要家施設10に設置され、公平性の高い電力売買量を算出できるようにしている。以下、図2から図4を参照して、想定されるケース毎に、電力購入量及び電力販売量の算出について説明する。
図2は、想定されるケースと、そのケースに対応する電力購入量及び電力販売量の計算式とを示す説明図である。ここで、k1は、系統電力電力量計61で計測される順潮流(系統電力線3側から受電する電力)の電力量である。k2は、系統電力電力量計61で計測される逆潮流(系統電力線3側に送電する電力)の電力量である。b1は、蓄電システム電力量計62で計測される放電電力量である。b2は、蓄電システム電力量計62で計測される充電電力量である。Pは、需要家と、小売事業者等の電気事業者との間で売電又は買電する電力量である。図3と図4は、図2に示す想定されるケースに対応する電力の流れを示す説明図である。
図2に示すように、系統電力線3を介して別場所から入力された電力と発電設備51の余剰電力とで蓄電システム52を充電する場合には、売電となり、売電の電力量Pは、「P=b2−k1」として求められる(ケース(1))。なお、このとき、負荷53は、当該需要家施設10の発電設備51により賄われる。
図3(A)は、ケース(1)における電力の流れを説明するものである。このケース(1)では、蓄電システム52に電力を充電しているので、売電である。蓄電システム52への電力量は、蓄電システム電力量計62により電力量b2として計測される。蓄電システム52へ充電される電力量が売電される電力量であるが、そのうちの一部は、系統電力線3を介して別場所から送られてきた電力量である。別場所からの電力量は、系統電力電力量計61で電力量k1として計測される。したがって、売電される電力量Pは、
P=b2−k1
として求められる。
次に、図2に示すように、発電設備51の余剰電力と、蓄電システム52の放電電力を系統電力線3を介して別場所で使う場合には、売電となり、売電の電力量Pは、「P=k2−b1」として求められる(ケース(2))。
図3(B)は、ケース(2)おける電力の流れを説明するものである。このケース(2)では、系統電力線3を介して、外部に電力を送電しているので、売電である。系統電力線3を介して別場所に送る電力量は、系統電力電力量計61の電力量k2として計測される。この電力量k2には、蓄電システム52から放電された電力量が含まれている。蓄電システム52から放電された電力量は、蓄電システム電力量計62で計測される電力量b1であり、この電力量は、既に、売買済みである。したがって、売電される電力量Pは、
P=k2−b1
として求められる。
次に、図2に示すように、別場所から系統電力線3を介して入力された電力で蓄電システム52を充電し、負荷53は、発電設備51からの電力と別場所からの電力とで賄う場合には、買電となり、買電の電力量Pは、「P=k1−b2」として求められる(ケース(3))。
図3(C)は、ケース(3)における電力の流れを説明するものである。このケース(3)では、系統電力線3を介して、外部からの電力を受電しているので、買電である。図3(C)に示すように、系統電力線3を介して別場所から送られてくる電力量は、蓄電システム52に蓄電されると共に、負荷53に送られる。蓄電システム52に電力は蓄電されるが、別場所からの電力を蓄電システム52に蓄電しても、電力の所有者は同じであるから、売買にはならない。別場所から送られてくる電力量から蓄電システム52に蓄電される電力量を減じた電力量が、当該需要家施設10の購入した電力量である。別場所から送られてくる電力量は、系統電力電力量計61の電力量k1として計測される。蓄電システム52に蓄電される電力量は、蓄電システム電力量計62の電力量b2として計測される。したがって、買電される電力量Pは、
P=k1−b2
として求められる。
次に、図2に示すように、蓄電システム52から放電される電力を系統電力線3を介して別場所で使い、負荷53は発電設備51からの電力と蓄電システム52からの電力で賄われる場合には、買電となり、買電の電力量Pは、「P=b1−k2」として求められる(ケース(4))。
図4(A)は、ケース(4)における電力の流れを説明するものである。このケース(4)では、蓄電システム52から電力を放電しているので、買電である。すなわち、蓄電システム52に蓄電されている電力は、既に、売買済みであるから、蓄電システム52から放電された電力を使用することは、買電にあたる。蓄電システム52から放電された電力量のうち、当該需要家施設10の負荷53で消費された電力量は、蓄電システム52から放電された電力量から、別場所に送った電力量を減じた電力量である。蓄電システム52から放電された電力量は、蓄電システム電力量計62の電力量b1として計測される。別場所に送った電力量は、系統電力電力量計61の電力量k2として計測される。したがって、買電される電力量Pは、
P=b1−k2
として求められる。
次に、図2に示すように、負荷53を、発電設備51からの発電電力と、系統電力線3を介して別場所から送られてきた電力で賄う場合には、買電となり、買電の電力量Pは、「P=k1」として求められる(ケース(5))。
図4(B)は、ケース(5)での電力の流れを説明するものである。このようなケース(5)では、負荷53に送られる電力量は、発電設備51からの電力量と、別場所からの電力量との和になる。発電設備51から負荷53への電力は、料金の算出に無関係である。別場所からの電力量は、系統電力電力量計61の電力量k1として計測される。したがって、買電される電力量Pは、
P=k1
として求められる。
次に、図2に示すように、発電設備51で発電された余剰電力を、蓄電システム52で充電し、且つ、系統電力線3を介して別場所でも使う場合には、売電となり、売電の電力量Pは、「P=k2+b2」として求められる(ケース(6))。
図4(C)は、ケース(6)における電力の流れを説明するものである。このようなケース(6)では、蓄電システム52に充電をし、且つ、外部の電力を供給しているので、売電となる。
このようなケース(6)では、発電設備51からの電力量は、蓄電システム52の充電電力と、系統電力線3を介して別場所へ送る電力量との和になる。蓄電システム52への充電電力と、別場所に送る電力は、共に売電である。蓄電システム52の充電電力は、蓄電システム電力量計62の電力量b1として計測される。別場所へ送る電力量は、系統電力電力量計61の電力量k2として計測される。したがって、売電のための電力量Pは、
P=k2+b2
として求められる。
次に、図5と図6を参照して、電力料金算出部72での電力料金の算出処理について説明する。図5は、電力料金算出部72による電力料金の算出処理を示すフローチャートである。
図5に示すように、電力料金算出部72は、ネットワーク70を介して、需要家施設10の系統電力電力量計61の計測値を取得し(ステップS1)、蓄電システム電力量計62の計測値を取得する(ステップS2)。そして、電力料金算出部72は、図2に示した算出式に基づいて、課金の対象にする電力量を算出し(ステップS3)、この課金の対象にする電力量に所定値を乗算して、電力料金を算出する(ステップS4)。
図6は、ステップS3における課金の対象にする電力量を算出する処理を示すフローチャートである。
図6に示すように、電力料金算出部72は、蓄電システム電力量計62の計測値b1とb2とがともに「0」であるか否かを判定する(ステップS101)。蓄電システム電力量計62の計測値bが「0」でないと判定された場合(ステップS101:No)、電力料金算出部72は、蓄電システム電力量計62の計測値b1とb2とに基づいて、蓄電システム電力量計62で計測された電力量が放電電力量であるか、充電電力量であるかを判定する(ステップS102)。充電電力量であると判定された場合(ステップS102:Yes)、電力料金算出部72は、系統電力電力量計61で計測された計測値k1とk2とに基づいて、系統電力電力量計61で計測された電力量が順潮流の電力量であるか、逆潮流の電力量であるかを判定する(ステップS103)。ステップS103で、系統電力電力量計61で計測された電力量が順潮流の電力量であると判定された場合(ステップS103:Yes)には、電力料金算出部72は、蓄電システム電力量計62で計測された充電電力量(b2)と、系統電力電力量計61で計測された順潮流電力量(k1)とを比較する(ステップS104)。ステップS104の判定の結果、充電電力量(b2)が順潮流電力量(k1)より大きいと判定された場合(ステップS104:Yes)、電力料金算出部72は、図2におけるケース(1)であるとして、売電の電力量Pを、「P=b2−k1」として算出する(ステップS105)。
一方、ステップS101で、蓄電システム電力量計62の計測値bが「0」であると判定された場合(ステップS101:Yes)、電力料金算出部72は、図2におけるケース(5)であるとして、買電の電力量Pを、「P=k1」として算出する(ステップS106)。なお、このケース(5)において、「K1=0」であってもよいものとする。
また、ステップS102で、蓄電システム電力量計62で計測された電力量が放電電力であると判定された場合(ステップS102:No)、電力料金算出部72は、蓄電システム電力量計62で計測された放電電力量(b1)と、系統電力電力量計61で計測された逆潮流電力量(k2)とを比較する(ステップS107)。ステップS107の判定の結果、放電電力量(b1)が逆潮流電力量(k2)より大きいと判定された場合(ステップS107:Yes)、電力料金算出部72は、図2におけるケース(4)であるとして、買電の電力量Pを、「P=b1−k2」として算出する(ステップS108)。
ステップS107で、放電電力量(b1)が逆潮流電力量(k2)より小さいと判定された場合(ステップS107:No)、電力料金算出部72は、図2におけるケース(2)であるとして、売電の電力量Pを、「P=k2−b1」として算出する(ステップS109)。
また、ステップS103で、系統電力電力量計61で計測された電力量が逆潮流の電力であると判定された場合(ステップS103:No)、電力料金算出部72は、図2におけるケース(6)であるとして、売電の電力量Pを、「P=k2+b1」として算出する(ステップS107)。
以上に示したように、本実施形態の電力管理システム100は、電力需要家側に設けた蓄電システムから商用電力系統102に電力を融通する場合に、融通した電力量の対価を算出するための電力量を測定することができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図7は、本発明の第2の実施形態における電力管理システムの全体構成例を示す構成図である。本実施形態の電力管理システム100Aは、図7において電力管理区域101として示す一定範囲の区域における需要家施設110ごとの電気設備を対象として電力管理を行う。
商用電力系統2からの電力を需要家施設110毎に分配するように系統電力線103が構成されており、これらの需要家施設110には、それぞれ、商用電力系統102からの電力が系統電力線3を介して供給される。
なお、発電設備151、蓄電システム152、負荷153、電力経路分岐部154、蓄電システム制御部155、自動開閉器156、分電盤160、系統電力電力量計161、蓄電システム電力量計162、ネットワーク170、融通区域内電力管理部171、電力料金算出部172は、第1の実施形態における、発電設備51、蓄電システム52、負荷53、電力経路分岐部54、蓄電システム制御部55、自動開閉器56、分電盤60、系統電力電力量計61、蓄電システム電力量計62、ネットワーク70、融通区域内電力管理部71、電力料金算出部72と対応しており、その説明は、省略する。
本実施形態の電力管理システム100Aは、第1の実施形態の電力管理システム100と異なり、開閉動作記憶部181を備える。開閉動作記憶部181には、需要家施設110内の各部と系統電力線103との間の接続状態が自動開閉器156により遮断された状態にあるか否かを示す自動開閉器156の開閉情報が記憶される。この開閉動作記憶部181の開閉情報が、ネットワーク170を介して、通信により電力料金算出部172に転送される。
前述の第1の実施形態では、電力料金算出部72は、系統電力電力量計61で計測された電力量の計測値(k1とk2)と、蓄電システム電力量計62で計測された電力量の計測値(b1とb2)とから、需要家施設10における電力購入量及び電力販売量を決定している。
これに対して、この第2の実施形態では、電力料金算出部172は、系統電力電力量計161で計測された電力量の計測値(k1とk2)と、蓄電システム電力量計162で計測された電力量の計測値(b1とb2)から、需要家施設110における電力購入量及び電力販売量を決定すると共に、開閉動作記憶部181からの自動開閉器156の開閉情報を使って、需要家施設110における電力購入量及び電力販売量を決定している。
図8は、自動開閉器156がオフ(自動開閉器156が開かれて回路が遮断状態に保持されている状態)の場合において、想定されるケースと、そのケースに対応する電力購入量及び販売量の計算式とを示す説明図である。図9は、図8に示す想定されるケースに対応する電力の流れを示す説明図である。
例えば、商用電力系統102が停電したことにより自動開閉器156がオフにされた場合には、需要家施設110内で供給可能な電力を利用して、需要家毎に需要家単体で電力の自給自足を可能にする。
図9に示すように、自動開閉器156がオフの場合には、需要家施設110は系統電力線103と切り離されている。例えば、上記の場合には、図9(A)に示すように、発電設備151からの余剰電力の売電先は、当該需要家施設110の蓄電システム152だけとなる。蓄電システム電力量計162の電力量は、蓄電システム電力量計162により電力量b2として計測される。したがって、自動開閉器156がオフの場合には、売電される電力量Pは、
P=b2
として求められる。
また、同じく上記の場合には、図9(B)に示すように、需要家が電力を購入できる相手方は、当該需要家施設110の蓄電システム152だけとなる。蓄電システム152から放電された電力量は、蓄電システム電力量計162で計測される電力量b1として計測される。したがって、自動開閉器156がオフの場合には、買電される電力量Pは、
P=b1
として求められる。
図10は、電力料金算出部172における電力料金の算出処理を示すフローチャートである。
図10に示すように、電力料金算出部172は、ネットワーク170を介して、需要家施設110の系統電力電力量計161の計測値を取得し(ステップS201)、蓄電システム電力量計162の計測値を取得する(ステップS202)。また、電力料金算出部172は、ネットワーク170を介して、自動開閉器156の開閉情報を取得する(ステップS203)。そして、電力料金算出部172は、取得した自動開閉器156の開閉情報から、自動開閉器156がオフか否かを判定する(ステップS204)。
ステップS204で、自動開閉器156がオンの場合には、各計測値に基づいて、開閉器オン時の課金の対象にする電力量を算出する(ステップS205)。この開閉器オン時の課金の対象にする電力量の算出は、図6に示した第1の実施形態での処理と同様であり、その説明を省略する。ステップS204で、自動開閉器156がオフの場合には、各計測値に基づいて、開閉器オフ時の課金の対象にする電力量を算出する(ステップS206)。ステップS205又はステップS206で、課金の対象にする電力量が算出された後、電力料金算出部172は、この電力量に所定値を乗算して、電力料金を算出する(ステップS207)。
図11は、ステップS206における開閉器オン時の課金の対象にする電力量を算出する処理を示すフローチャートである。以下に示す処理は、自動開閉器156がオフであることから、上位の電気事業者と小売事業者との間で電力の供給が行われない条件の基で実施される。
電力料金算出部172は、蓄電システム電力量計162で計測された電力量が放電電力であるか、充電電力であるかを判定する(ステップS301)。充電電力であると判定された場合(ステップS301:Yes)には、電力料金算出部172は、売電の電力量Pを、「P=b2」として算出する(ステップS302)。放電電力であると判定された場合(ステップS301:No)には、電力料金算出部172は、買電の電力量Pを、「P=b1」として算出する(ステップS303)。
以上説明したように、本発明の第2の実施形態では、停電時に、自動開閉器156がオフした場合にも、電力の購入又は販売量を計算できる。
なお、上述の第2の実施形態では、開閉動作記憶部181は、自動開閉器156の開閉情報を記憶しているが、自動開閉器156をオン/オフする条件や指令信号等の情報を記憶するようにしても良い。また、自動開閉器156より系統電力線103側の系統電源の電圧を計測し、この系統電源の電圧が所定電圧に満たない時間を開閉動作記憶部181に記憶しても良い。
以上に示したように、本実施形態の電力管理システム100Aは、電力需要家側に設けた蓄電システムから商用電力系統102に電力を融通する場合に、融通した電力量の対価を算出ための電力量を測定することができる。なお、電力管理システム100Aは、自動開閉器156を遮断状態にしている期間に発電設備151が発電した電力を一時的に蓄電システムに蓄えることができる。また、その蓄えた電力を自動開閉器156の遮断状態が解除された後に、他の需要家に融通するための電力として利用することができる。これにより、自動開閉器156を遮断状態にしている期間の余剰電力を無駄なく利用することを可能にし、更に適正な課金方法で電力料金を算出することが可能になる。
また、上記の電力管理システム100(100A)を適用することにより以下の効果を期待できる。例えば、蓄電システムに充電可能な電力容量や太陽光発電設備の発電量によって、発電電力を蓄電システムに貯めきれない場合が、需要家ごとに生じる場合がある。一方で、太陽光発電設備で発電できる電力量に対し日中の電気消費量が多い電力需要家や、太陽光発電設備で発電できる電力量が比較的少ない需要家では、太陽光発電の余剰電力はほとんど発生せず、蓄電設備を設けたとしも十分な充電量を確保することができない場合がある。このような場合、太陽光発電が発電状態にある時間帯を除く時間帯に、太陽光発電によって発電した電力を利用することができない。このように、実際に設けられた設備の容量や各種条件により、太陽光発電で発電された電力が余り、可能な電力が有効に利用されない場合が生じ得る。この場合に、これらの蓄電システムに貯めきれないことが見込まれる余剰電力を、貯める電力量に余裕がある蓄電システムを設けている需要家に送り、その蓄電システムに貯めることで無駄なく余剰電力を利用することができる。電力管理システム100(100A)はこのような場合の電力融通についても、その電力量を測定することができる。
また、ある住戸で発電された太陽光発電電力の所有者は、通常、その太陽光発電設備の所有者である。この太陽光発電電力を他の住戸の蓄電システムに充電し、その電力を更に別の住戸で使用する場合、太陽光発電電力の所有者は、これを使用した住戸の住人から、提供した電力の対価を受けられると考えられる。このような場合にも、電力管理システム100(100A)を適用することで、太陽光発電電力の所有者は、提供した電力の対価を、提供した電力を使用した住戸の住人から受けることが可能になる。
また、以上の例は、二つの住戸間の電力融通であるが、もっと多くの住戸や住戸以外の店舗、マンション、オフィスビル、工場などとの間で蓄電池を利用した電力融通により、電力を融通し合える区域内において、電力をより有効に利用することが可能である。
なお、電力管理システム100(100A)の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
また、上記の実施形態においては、電力管理システムは、商用電力系統2に係る電気事業者(上位の電気事業者)から電力の供給を受け、需要家に電力を小売りする電気事業者(小売事業者)によって運用される場合を例示した。このように、上記の小売事業者が上位の電気事業者と異なる場合に限られず、小売事業者は、上位の電気事業者であってもよい。
1,101:電力管理区域
100,100A:電力管理システム
2,102:商用電力系統
3,103:系統電力線
10,110:需要家施設
51,151:発電設備
52,152:蓄電システム(蓄電部)
53,153:負荷
54,154:電力経路分岐部
55,155:蓄電システム制御部
56,156:自動開閉器
61,161:系統電力電力量計(系統電力計測部)
62,162:蓄電システム電力量計(蓄電部電力計測部)
70,170:ネットワーク
71,171:融通区域内電力管理部
72,172:電力料金算出部(電力量算出部)
181:開閉動作記憶部

Claims (10)

  1. 電力を充電できると共に、放電する電力の内少なくとも一部の電力が逆潮流になるように商用電力系統に放電できる蓄電部が設けられており、
    該蓄電部に充放電する電力の電力量を計測する蓄電部電力計測部と、
    少なくとも該商用電力系統に送電する逆潮流方向の電力量を計測する系統電力計測部と、
    前記蓄電部電力計測部によって計測された電力量を第1情報とし、前記系統電力計測部によって計測された電力量に関する情報と少なくとも前記商用電力系統と前記蓄電部との接続を遮断する自動開閉器の開閉状態に関する情報との何れかの情報を第2情報とし、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、電力需要家が売電する電力量を算出する電力量算出部と
    を備えることを特徴とする電力管理システム。
  2. 前記蓄電部電力計測部は、前記蓄電部に充電される充電電力量のうち少なくとも一部の電力を売電する電力量として計測する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力管理システム。
  3. 前記系統電力計測部は、さらに該商用電力系統から受電する潮流方向の電力量を計測し、
    前記電力量算出部は、前記蓄電部電力計測部によって計測された前記充電の電力量と、前記系統電力計測部によって計測された前記潮流方向の電力量とから、電力需要家が売電する電力の電力量を算出する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力管理システム。
  4. 前記電力量算出部は、前記蓄電部電力計測部によって計測された充電の電力量から前記系統電力計測部により計測された潮流方向の電力量を減じた電力量、又は、前記系統電力計測部により計測された逆潮流方向の電力量から前記蓄電部電力計測部によって計測された放電の電力量を減じた電力量、又は、前記蓄電部電力計測部によって計測された充電の電力量と前記系統電力計測部により計測された逆潮流方向の電力量とを加えた電力量により、電力需要家が売電する電力の電力量を算出することを特徴とする請求項3に記載の電力管理システム。
  5. 前記電力量算出部は、前記系統電力計測部により計測された順潮流方向の電力量から前記蓄電部電力計測部によって計測された充電の電力量を減じた電力量、又は、前記蓄電部電力計測部によって計測された放電の電力量から前記系統電力計測部により計測された逆潮流方向の電力量を減じた電力量により、電力需要家が買電する電力の電力量を算出することを特徴とする請求項3又は4に記載の電力管理システム。
  6. 前記系統電力計測部は、前記商用電力系統からの引き込み線に設けられており、
    前記系統電力計測部から負荷に向かう第1接続線に、前記第1接続線から前記蓄電部に向かう第2接続線を分岐する分岐部が設けられ、
    前記蓄電部電力計測部は、前記第2接続線に設けられる
    ことを特徴とする請求項3から5の何れか1項に記載の電力管理システム。
  7. 前記電力量算出部は、前記蓄電部を前記商用電力系統から遮断した状態で、前記蓄電部電力計測部によって計測された充電電力の電力量から、電力需要家が売電する電力の電力量を算出することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の電力管理システム。
  8. 前記電力量算出部は、前記蓄電部を前記商用電力系統から遮断した状態で、前記蓄電部電力計測部によって計測された前記放電の電力量から、電力需要家が買電する電力の電力量を算出することを特徴とする請求項7に記載の電力管理システム。
  9. 電力を充電できると共に、放電する電力の内少なくとも一部の電力が逆潮流になるように商用電力系統に放電できる蓄電部が設けられており、
    蓄電部電力計測部により該蓄電部に充放電する電力の電力量を計測し、
    系統電力計測部により少なくとも該商用電力系統に送電する逆潮流方向の電力量を計測し、
    前記蓄電部電力計測部によって計測された電力量を第1情報とし、前記系統電力計測部によって計測された電力量に関する情報と少なくとも前記商用電力系統と前記蓄電部との接続を遮断する自動開閉器の開閉状態に関する情報との何れかの情報を第2情報とし、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、電力需要家が売電する電力量を算出する
    ことを特徴とする電力管理方法。
  10. 電力を充電できると共に、放電する電力の内少なくとも一部の電力が逆潮流になるように商用電力系統に放電できる蓄電部が設けられており、
    蓄電部電力計測部により該蓄電部に充放電する電力の電力量を計測するステップと、
    系統電力計測部により少なくとも該商用電力系統に送電する逆潮流方向の電力量を計測するステップと、
    前記蓄電部電力計測部によって計測された電力量を第1情報とし、前記系統電力計測部によって計測された電力量に関する情報と少なくとも前記商用電力系統と前記蓄電部との接続を遮断する自動開閉器の開閉状態に関する情報との何れかの情報を第2情報とし、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、電力需要家が売電する電力量を算出するステップと
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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