JP2018031677A - モータ - Google Patents

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Mitsuo Yokozawa
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Abstract

【課題】小型化および低コスト化に有利で回転位置を精度良く検出できるモータを提案する。【解決手段】モータ1は、駆動マグネット24に対向する第1ホール素子25および第2ホール素子26を備える。各ホール素子25、26の信号Ha、Hbを正規化した正規化信号H1a、H1bとロータ14の回転位置θとを対応付けた第1、第2参照データRa、Rbを作成してモータ制御ユニット4に記憶させる。正規化信号H1a、H1bは、その信号変化に対するロータ14の回転位置の変化率が小さい信号範囲では高い間引き率、変化率が大きい信号範囲では低い間引き率で間引かれる。モータ制御ユニット4は、検出対象の回転位置で得られた各ホール素子25、26の信号Ha、Hbに基づき、第1、第2参照データRa、Rbから回転位置の候補を抽出して、抽出した候補の中から回転位置を求める。【選択図】図5

Description

本発明は、回転位置を検出するエンコーダ機能を備えるモータに関する。
モータの回転位置を制御するため、回転子の位置情報(回転位置)を検出するエンコーダ機能をモータに持たせたものがある。例えば、光学式エンコーダをモータに搭載し、光学式エンコーダのパルス信号に基づき、位置情報を検出することができる。あるいは、複数のホール素子をモータに搭載し、ホール素子が出力する信号を演算して回転子の回転位置を求めることもできる。特許文献1、2には、この種のモータが開示されている。
特開平7−337076号公報 特開2013−99023号公報
特許文献1、2には、3個のホール素子を異なる角度位置に配置し、これら3個のホール素子が出力する信号を比較演算して位置情報を得ることが開示されている。しかしながら、特許文献1、2の構成は、モータにホール素子を3個搭載しなければならず、このことはモータの小型化や低コスト化に不利である。また、モータの回転を高精度に制御するためには、位置情報(回転位置)を精度良く求める必要がある。
本発明の課題は、このような点に鑑みて、小型化および低コスト化に有利で、回転位置を精度良く検出できるモータを提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明のモータは、ロータおよびステータと、前記ロータが備える駆動マグネットに対して異なる角度位置で対向し、前記ロータの回転位置に応じた信号をそれぞれ出力する第1ホール素子および第2ホール素子と、複数の各信号範囲に応じて間引かれた前記第1ホール素子の信号および前記第2ホール素子の信号と、前記ロータの回転位置とを対応付けた参照データを記憶する記憶部と、前記ロータが検出対象の回転位置にあるときの、前記第1ホール素子および前記第2ホール素子の信号をそれぞれ第1信号および第2信号とするとき、前記第1信号および前記第2信号に基づいて前記参照データを参照して、前記検出対象の回転位置を求める位置検出部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、2つのホール素子から、ロータの回転位置に応じて変化する信号を得ることができる。そして、この信号に基づき、予め作成しておいた参照データを参照して、ロータの回転位置を求めることができる。従って、回転位置検出用のマグネットや光学式エンコーダなどを用いることなく、モータに2つのホール素子を追加するだけでロータの回転位置を検出できる。よって、モータの小型化および低コスト化に有利である。また、記憶部に記憶する参照データは、複数の各信号範囲に応じて間引かれた各ホール素子の信号に対応するロータの回転位置に限定される。このため、各ホール素子の全ての信号に対応するロータの回転位置を記憶する場合に比較して、参照データのデータ量を抑制して、記憶部の記憶容量を小さくすることが出来る。したがって、高い処理能力を必要としない安価な演算処理装置を用いて、位置検出部を構成することが出来る。
本発明において、前記第1ホール素子の信号および前記第2ホール素子の信号は、その信号変化に対する前記ロータの回転位置の変化率が小さい信号範囲では高い間引き率、変化率が大きい信号範囲では低い間引き率で間引かれることが望ましい。このようにすると、ロータの回転位置の変化率が小さい信号範囲では、ホール素子の信号が変化してもロータの回転位置は余り変わらないので、信号の間引き率を高くしても必要な回転位置検出精度が得られ、参照データのデータ量を大きく抑制できる。また、ロータの回転位置の変化率が大きい信号範囲では、ホール素子の信号が変化するとロータの回転位置が大きく変わるので、信号の間引き率を低くすることで、必要な回転位置検出精度を確保しつつ、参照データのデータ量を抑制することが出来る。
また、前記ロータの回転位置の変化率は、最大振幅を所定値に変換する正規化処理が施された前記第1ホール素子の信号および前記第2ホール素子の信号がその最小単位分変化するときに生じる前記ロータの回転位置変化分の変化率であることが望ましい。このように正規化処理が施された各信号を用いると、2つのホール素子間の感度バラツキや実装位置差の影響を少なくして、参照データのデータ量を抑制することが出来る。
また、前記第1ホール素子の信号および前記第2ホール素子の信号は、複数の各信号範囲において、前記ロータの回転位置の変化分の許容変化量を前記ロータの回転位置の変化分で割った値以下の信号数を単位範囲にして間引かれることが望ましい。このようにすると、ロータの回転位置の変化分の許容変化量を必要な値に設定することで、ホール素子の各信号範囲において、ロータの回転位置の変化分を必要な誤差内に収めることが出来、ホール素子の各信号範囲において必要な回転位置検出精度を確保することが出来る。
また、前記単位範囲は、前記ロータの回転位置の変化分の許容変化量を前記ロータの回転位置の変化分で割った値以下の最も大きい整数に設定されることが望ましい。このようにすると、ロータの回転位置の変化分がその許容変化量より大きくて前記単位範囲が1未満の小数になる信号が参照データになるのを排除することが出来る。また、最も大きい整数を用いることで、最も大きい間引き率で効率的に信号を間引くことが出来る。
また、前記間引き率は、実測した前記第1ホール素子および前記第2ホール素子の各信号に基づいて設定されることが望ましい。このようにすると、個別のモータによって得られる各信号が用いられて、各間引き率が個々のモータに応じて決定される。このため、モータの個体による参照データのバラツキを吸収することが出来、各個体に応じて、必要な回転位置検出精度を適切に確保しつつ、参照データのデータ量を抑制することが出来る。
また、前記間引きは、2のべき乗を演算して得られる値が用いられて行われることが望ましい。このようにすると、位置検出部は、2値データの簡単なビット操作で演算することが出来るので、エンコード処理負荷が軽減される。
また、前記駆動マグネットは着磁パターンが正弦波状であることが望ましい。このような駆動マグネットを用いると、ロータの回転に伴う各ホール素子の信号の変化が緩やかな正弦波状になる。従って、回転位置の分解能が高い各ホール素子の信号を得ることができ、ロータの回転位置検出精度をさらに高めて、参照データのデータ量を抑制することが出来る。
本発明によれば、回転位置検出用のマグネットや光学式エンコーダなどを用いることなく、モータに2つのホール素子を追加するだけでロータの回転位置を検出できる。さらに、参照データのデータ量を抑制して、記憶部の記憶容量を小さくすることが出来る。従って、モータの小型化および低コスト化に有利で、回転位置を精度良く検出できるモータを提供することができる。
本発明のモータの外観斜視図である。 本発明のモータの構造を示す説明図である。 本発明のモータの制御系の概略ブロック図である。 第1ホール素子および第2ホール素子の信号を正規化した正規化データの説明図である。 回転位置の検出処理に用いる参照データの説明図である。 各ホール素子の信号の間引き方の一例を説明する説明図である。 参照データを用いた回転位置の検出方法の説明図である。 変形例の回転位置の検出方法の説明図である。
以下に、図面を参照して、本発明を適用したモータの実施の形態を説明する。
(モータの構造)
図1は本発明を適用したモータの外観斜視図である。また、図2は本発明を適用したモータの構造を示す説明図であり、図2(a)は断面図、図2(b)はロータを部分的に切り欠いた斜視図である。モータ1は、回路基板2と、回路基板2の中央部分に取り付けられたモータ本体3と、回路基板2上に実装されたモータ制御ユニット4とを備えるモータユニットである。
回路基板2の中央部分には、図2(a)に示すように、モータ本体3を固定するための固定孔11(固定部)が設けられている。モータ制御ユニット4は、モータ本体3を駆動するためのドライバ回路、モータ本体3の駆動を制御するためのコントローラ回路、および、アンプ回路等を備える。つまり、本例のモータ1は、モータ本体3と当該モータ本体3の制御基板を一体化したものである。
モータ本体3は3相永久磁石同期モータ(PMSM)である。モータ本体3は、ステータ12と、出力軸13を備えるロータ14と、固定孔11を貫通した状態でステータ12を支持するスリーブ15と、スリーブ15に固定されたベアリング16を有する。モータ本体3の軸線L(出力軸13の回転中心線)は、回路基板2と直交する方向に延びる。ベアリング16はスリーブ15における回路基板2の裏面2bの側の端部分に固定されている。ベアリング16は、出力軸13(ロータ14)を軸線L回りに回転可能に支持する。
ステータ12は、半径方向に突出する複数の突極を備える環状のステータコア18と、各突極に巻き回された駆動コイル19を備える。ステータコア18は回路基板2の表面2aの側に位置する。ステータコア18の中心穴には、スリーブ15において回路基板2の表面2aの側に突出した表面側突出部分が挿入されている。これにより、ステータコア18はスリーブ15を介して回路基板2に固定される。
ロータ14は、円形の底板部21と底板部21の外周縁部分から回路基板2の側に向って延びる環状板部22を備えるロータケース23と、環状板部22の内周面に固定された駆動マグネット24を備える。出力軸13は底板部21の中心に固定されて環状板部22の内側をロータケース23と同軸に延びる。出力軸13はロータケース23の円形開口部(回路基板2の側の開口)から突出する。
ロータ14は、ロータケース23が回路基板2の表面2aの側からステータコア18に被せられ、出力軸13がスリーブ15に挿入され、出力軸13の先端部分がスリーブ15から回路基板2の裏面2bの側に突出した状態に組み付けられる。これにより、ステータコア18の突極と駆動マグネット24が径方向に対向する。
駆動マグネット24は、回路基板2の表面2aに実装された第1ホール素子25および第2ホール素子26と所定間隔で対向する。第1ホール素子25と第2ホール素子26は、ロータ14の軸線Lを中心として見た場合に、周方向に離れた位置に配置される。ステータ12は3相の駆動コイル19を備えており、第1ホール素子25と第2ホール素子26は、隣り合う駆動コイル19の隙間に配置される。
駆動マグネット24は、正弦波状の着磁パターンで6極着磁されている。ロータ14が回転すると、第1ホール素子25および第2ホール素子26の位置では、駆動マグネット24の回転に伴って周期的な磁界の変化が生じる。第1ホール素子25および第2ホール素子26は、ロータ14の回転に伴う磁界の変化に基づき、周期的に変動する信号Ha、Hbを出力する。第1ホール素子25と第2ホール素子26は、信号Ha、Hbが電気角で120度位相のずれた信号となるように配置されている。なお、信号Ha、Hbの位相のずれが120度以外の値となるように、第1ホール素子25と第2ホール素子26を配置してもよい。
(モータ制御ユニット)
図3はモータ1の制御系の概略ブロック図である。モータ制御ユニット4は、MPU、メモリ、AD変換器等を内蔵するコントロールユニット41を備える。コントロールユニット41には、上位装置7からの制御信号が入力され、電源回路8を介して電源が供給される。コントロールユニット41の出力側には、U相、V相、W相の駆動コイル19への通電を制御するドライバ回路42u、42v、42wが接続される。上述したように、モータ本体3は、異なる角度位置に配置された第1ホール素子25および第2ホール素子26を備えており、第1ホール素子25および第2ホール素子26が出力する信号Ha、Hbは、差動アンプ回路43、44で増幅されたのち、コントロールユニット41に入力される。なお、差動アンプ回路43、44は第1ホール素子25および第2ホール素子26の側に組み込まれていても良い。
コントロールユニット41は、第1ホール素子25と第2ホール素子26の信号Ha、Hbを最大振幅に対応する係数で除して正規化データに変換する処理を行う正規化処理部51と、予め作成された参照データ等を記憶する記憶部52と、記憶部52で記憶する参照データを用いてロータ14の回転位置を検出する位置検出部53と、参照データを作成するためのキャリブレーションを実行するキャリブレーション実行部54と、位置検出部53で検出した回転位置と目標位置とを比較して、回転位置を目標位置に一致させるための制御信号(PWM信号)をドライバ回路42u、42v、42wに供給するフィードバック制御部55等を備える。
(正規化処理)
図4は第1ホール素子25の信号Haと第2ホール素子26の信号Hbを正規化した正規化データの説明図であり、ロータ14が1回転する範囲(機械角で360度)の正規化データを示す。図4の横軸はロータ14の回転位置であり、ロータ1回転がパルス数で7200に相当する。また、図4の縦軸はホール素子の信号を正規化した値であり、最大振幅を4096とするように信号Ha、Hbを変換したことを示す。図4の実線は、第1ホール素子25の信号Haを正規化した正規化信号H1aをロータ14が1回転する範囲で生成した第1正規化データNaである。また、図4の破線は、第2ホール素子26の信号Hbを正規化した正規化信号H1bをロータ14が1回転する範囲で生成した第2正規化データNbである。
正規化処理部51は、コントロールユニット41に入力された信号Ha、Hbに対してノイズ除去処理を行うフィルタ回路を備えており、ノイズ除去後の信号Ha、Hbに対して正規化処理を行って正規化信号H1a、H1bを求め、第1正規化データNaおよび第2正規化データNbを生成する。また、正規化処理部51は、最大振幅が4096となるように信号Ha、Hbを変換する処理を行うが、この変換処理に用いる係数(例えば、信号Ha、Hbの最大振幅値をそれぞれ4096で除した値)を、予め定めたタイミングで更新する。例えば、一定時間毎に係数を更新する。
(参照データ)
図5は、回転位置の検出処理に用いる参照データの説明図であり、図5(a)は第1参照データのグラフ表示であり、図5(b)は第2参照データのグラフ表示である。キャリブレーション実行部54は、モータ1の製造後、出荷前や修理時、メンテナンス時などの各種のタイミングで、参照用のエンコーダを用いてロータ14の回転位置を検出しながら第1ホール素子25の信号Haおよび第2ホール素子26の信号Hbを検出し、第1参照データRa(図5(a)参照)および第2参照データRb(図5(b)参照)を作成して記憶部52に記憶させるキャリブレーションを実行する。
キャリブレーションを実行するときには、モータ1に参照用のエンコーダを装着し、参照用のエンコーダの信号をモータ制御ユニット4に入力するようにモータ1と参照用のエンコーダとを接続する。この状態で、キャリブレーション実行部54は、まず、ロータ14を1回転させる間、参照用のエンコーダを用いてロータ14の回転位置を検出しながら、第1ホール素子25の信号Haを取得して信号Haを正規化し、且つ、第2ホール素子26の信号Hbを取得して信号Hbを正規化する。これにより、図4の横軸が参照回転位置である場合の、第1正規化データNaおよび第2正規化データNbを求める。
続いて、キャリブレーション実行部54は、第1正規化データNaを図5(a)に示す第1参照データRaに変換する。また、第2正規化データNbを図5(b)に示す第2参照データRbに変換する。第1参照データRaは、ロータ1回転分の第1正規化データNaに含まれる、4096段階の正規化信号H1aの値のうち、複数の各信号範囲に応じて間引かれた値に対して、ロータ14の回転位置(出力回転位置)を対応付けたものである。また、第2参照データRbは、ロータ1回転分の第2正規化データNaに含まれる、4096段階の正規化信号H1bの値のうち、複数の各信号範囲に応じて間引かれた値に対して、ロータ14の回転位置(出力回転位置)を対応付けたものである。なお、キャリブレーションの一部の処理はコントロールユニット41で行わず、外部の装置、例えばパーソナルコンピュータ(PC)で行っても良い。
本形態では、駆動マグネット24が6極着磁されているので、ロータ14が1回転する間の、第1ホール素子25および第2ホール素子26の信号の変化は、いずれも、図4に示すような3つのピーク値と3つのボトム値が交互に現れる曲線となる。図5(a)に示すように、第1参照データRaは、隣り合うピーク値とボトム値の間にそれぞれ傾斜部が位置しており、6つの傾斜部A(1)、A(2)、A(3)、A(4)、A(5)、A(6)を備える。同様に、図5(b)に示す第2参照データRbは、隣り合うピーク値とボトム値の間にそれぞれ傾斜部が位置しており、6つの傾斜部B(1)、B(2)、B(3)、B(4)、B(5)、B(6)を備える。
図5(a)に示すように、第1参照データRaは、横軸上の間引かれた1つの値(1つの正規化信号H1a)に対して、それぞれ、6個の出力回転位置θa1、θa2、θa3、θa4、θa5、θa6が対応付けられている。出力回転位置θa1〜θa6は、6つの傾斜部A(1)〜A(6)上にそれぞれ1つずつ存在する。すなわち、傾斜部A(1)上に出力回転位置θa1が位置し、傾斜部A(2)上に出力回転位置θa2が位置し、傾斜部A(3)上に出力回転位置θa3が位置し、傾斜部A(4)上に出力回転位置θa4が位置し、傾斜部A(5)上に出力回転位置θa5が位置し、傾斜部A(6)上に出力回転位置θa6が位置する。
また、図5(b)に示すように、第2参照データRbは、横軸上の間引かれた1つの値(1つの正規化信号H1b)に対して、それぞれ、6個の出力回転位置θb1、θb2、θb3、θb4、θb5、θb6が対応付けられている。出力回転位置θb1〜θb6は、6つの傾斜部B(1)〜B(6)上にそれぞれ1つずつ存在する。すなわち、傾斜部B(1)上に出力回転位置θb1が位置し、傾斜部B(2)上に出力回転位置θb2が位置し、傾斜部B(3)上に出力回転位置θb3が位置し、傾斜部B(4)上に出力回転位置θb4が位置し、傾斜部B(5)上に出力回転位置θb5が位置し、傾斜部B(6)上に出力回転位置θb6が位置する。
記憶部52が記憶する第1参照データRaと第2参照データRbは、4096段階の正規化信号H1a、H1bの値のうち、複数の各信号範囲に応じて間引かれた各値に対して、出力回転位置θの値を6個ずつ対応付けたマトリクステーブルである。位置検出部53は、このマトリクステーブルに基づき、第1ホール素子25の信号Haおよび第2ホール素子26の信号Hbに対応する回転位置の候補を求める。そして、求めた候補位置の中から、適切な候補位置を選択することにより、回転位置を検出する。
(データの間引き)
本形態では、正規化信号H1aおよび正規化信号H1bは、その信号変化に対するロータ14の回転位置の変化率が小さい信号範囲では高い間引き率で間引かれ、変化率が大きい信号範囲では低い間引き率で間引かれ、第1参照データRaおよび第2参照データRbに変換される。ここで、ロータの回転位置の変化率は、最大振幅を所定値に変換する正規化処理が施された正規化信号H1aおよび正規化信号H1bが、その最小単位分変化するときに生じる、ロータ14の回転位置変化分の変化率である。つまり、ロータ14の回転位置の変化率は、正規化処理が施された正規化信号H1aおよび正規化信号H1bが、その最大振幅の1/4096分変化するときに生じる、ロータ14の回転位置の角度変化分Δθの変化率である。正規化信号H1aおよび正規化信号H1bは、この角度変化分Δθの変化率が小さい信号範囲、つまり、図5に示す特性曲線における傾斜部の傾きが大きい振幅中心付近(正規化信号の振幅4096の中心2048付近)の信号範囲では高い間引き率、この角度変化分Δθの変化率が大きい信号範囲、つまり、傾斜部の傾きが小さい振幅のピーク値付近(正規化信号4096付近)とボトム値付近(正規化信号0付近)の信号範囲では低い間引き率で間引かれ、第1参照データRaおよび第2参照データRbに変換される。
このように変換される第1参照データRaおよび第2参照データRbは、一例として、正規化信号H1a,H1bの0〜4095の4096段階における複数の各信号範囲に応じて、次のように間引かれた正規化信号H1a,H1bの行データと、間引かれた各正規化信号H1a,H1bに対応するロータ14の回転位置の列データとのマトリクステーブルとして、記憶される。
すなわち、第1ホール素子25および第2ホール素子26で測定されて所定時間毎に生成される4096段階の正規化信号H1a,H1bのうち、0〜127の信号範囲の正規化信号H1a,H1bについては間引かれずに全データが使用される。また、128〜255の信号範囲の正規化信号H1a,H1bについては、第1式(=128+(正規化信号信号値−128)/2)で算出される正規化信号についてのデータが用いられ、2データ当たり1データが選択されて1/2の間引き率でデータが間引かれる。また、256〜787の信号範囲の正規化信号H1a,H1bについては、第2式(=192+(正規化信号信号値−256)/4)で算出される正規化信号についてのデータが用いられ、4データ当たり1データが選択されて3/4の間引き率でデータが間引かれる。また、788〜3327の信号範囲の正規化信号H1a,H1bについては、第3式(=320+(正規化信号信号値−768)/8)で算出される正規化信号についてのデータが用いられ、8データ当たり1データが選択されて7/8の間引き率でデータが間引かれる。また、3328〜3839の信号範囲の正規化信号H1a,H1bについては、第4式(=640+(正規化信号信号値−3328)/4)で算出される正規化信号についてのデータが用いられ、4データ当たり1データが選択されて3/4の間引き率でデータが間引かれる。また、3840〜3967の信号範囲の正規化信号H1a,H1bについては、第5式(=768+(正規化信号信号値−3840)/2)で算出される正規化信号についてのデータが用いられ、2データ当たり1データが選択されて1/2の間引き率でデータが間引かれる。また、3968〜4095の信号範囲の正規化信号H1a,H1bについては、第6式(=832+(正規化信号信号値−3968))で算出される正規化信号についてのデータが用いられ、間引かれずに全データが使用される。
ここで、nデータ当たり1データが選択されて行われるデータ間引きの間引き率は、(n−1)/nと表される。このnを単位間引き範囲と呼ぶことにすると、単位間引き範囲nは、正規化信号H1a,H1bの各信号範囲において、ロータ14の回転位置の角度変化分Δθの許容変化量Wを、ロータ14の回転位置の角度変化分Δθで割った値(=W/Δθ)以下に、設定される。
図6(a)に示すグラフは、ゼロからピーク値までの最大振幅およびゼロからボトム値までの最大振幅がそれぞれ1に正規化されて、正弦波形で表された1周期分の正規化信号H1a,H1bを示す。同グラフの横軸はロータ14の回転角度[deg]、縦軸は正規化信号H1a,H1bの値を表す。図6(b)に示すグラフは、図6(a)に示す、90[deg]〜−90[deg]における正規化信号H1a,H1bの1〜−1の値の変化に対する、ロータ14の回転位置の角度変化分Δθ[deg]の変化(特性線P)と、単位間引き範囲n(=W/Δθ)の変化(特性線Q)とをそれぞれ示すグラフである。同グラフの横軸は、ピーク値1からボトム値−1までにおける4096段階の正規化信号H1a,H1bを示し、左側の縦軸はロータ14の回転位置の角度変化分Δθ[deg]、右側の縦軸は単位間引き範囲nを示す。本例では、ロータ14の回転位置の角度変化分Δθの許容変化量Wを0.5[deg]とし、これをロータ14の回転位置の角度変化分Δθで割った値(=0.5/Δθ)を単位間引き範囲nとしている。
上記の、ロータ14の回転位置の角度変化分Δθの許容変化量Wを、ロータ14の回転位置の角度変化分Δθで割った値(=W/Δθ)以下の範囲は、特性線Qの下方における斜線範囲で表される。本形態では、単位間引き範囲nは、この範囲における最も大きい整数に設定される。
(回転位置の検出方法)
図7は、参照データを用いた回転位置の検出方法を模式的に示す説明図である。本形態では、ロータ14が検出対象の回転位置θ(0)に位置するときに得られる第1ホール素子25の信号を第1信号Ha(0)とし、ロータ14が検出対象の回転位置θ(0)に位置するときに得られる第2ホール素子26の信号を第2信号Hb(0)とする。位置検出部53は、検出対象の回転位置θ(0)を求める場合には、第1信号Haと第2信号Hbを取得して、これに基づいて第1参照データRaと第2参照データRbを参照して、検出対象の回転位置θ(0)を求める。
具体的には、位置検出部53は、第1信号Haの正規化信号H1a(0)および第2信号Hbの正規化信号H1b(0)を求める。しかる後に、第1参照データRaを用いて、正規化信号H1a(0)に対応する回転位置θ(0)の候補を全て抽出する。これにより、6個の第1候補θa1(0)、θa2(0)、θa3(0)、θa4(0)、θa5(0)、θa6(0)が抽出される。同様に、第2参照データRbを用いて、正規化信号H1b(0)に対応する回転位置θ(0)の候補を全て抽出する。これにより、6個の第2候補θb1(0)、θb2(0)、θb3(0)、θb4(0)、θb5(0)、θb6(0)が抽出される。
図7は、第1信号Ha(0)に対応する全ての第1候補θa1(0)〜θa6(0)と、第2信号Hb(0)に対応する全ての第2候補θb1(0)〜θb6(0)が横軸上に分布する状態を示す。位置検出部53は、第1候補θa1(0)〜θa6(0)と、第2候補θb1(0)〜θb6(0)の組み合わせを総当たりで全て求める。そして、求めた組み合わせのそれぞれに対して、2つの候補位置(第1候補と第2候補)の差分を算出する。例えば、第1候補θa1(0)と第2候補θb1(0)の組み合わせに対して、第1候補θa1(0)と第2候補θb1(0)との差分を算出する。同様に、他の組み合わせについても全て差分を算出して、全ての差分の大小を比較する。そして、差分の値が最も小さい組み合わせから、検出対象の回転位置θ(0)を求める。本形態では、差分の値が最も小さい組み合わせを構成する2つの候補位置(第1候補と第2候補)の平均値を、検出対象の回転位置θ(0)とする。例えば、図7に示した例の場合、第1候補θa2(0)と第2候補θb2(0)の組み合わせが横軸上で最も近くに位置しており、第1候補θa2(0)と第2候補θb2(0)の差分が最も小さい。従って、位置検出部53は、第1候補θa2(0)と第2候補θb2(0)の平均値を、検出対象の回転位置θ(0)とする。
(初期原点の設定)
位置検出部53は、モータ1を駆動開始する前の初期化処理として、上記の検出方法によってロータ14の回転位置(初期回転位置)を検出する処理を行う。初期回転位置を検出する処理は、例えば、モータ1が第1ホール素子25および第2ホール素子26の信号を監視しない状態から、第1ホール素子25および第2ホール素子26の信号を監視する状態に移行した場合に行う。例えば、電源投入時や、一旦休止状態になってから再起動したときなどに、初期回転位置を検出する処理を行う。
位置検出部53は、検出した初期回転位置をロータ14の回転位置の原点に設定する。また、位置検出部53は、初期回転位置を検出する処理で、差分の値が2番目に小さい組み合わせの平均値を、原点を修正するための候補データ(修正候補位置)として記憶部52に記憶させる。例えば、図7の例では、第1候補θa4(0)と第2候補θb4(0)の組み合わせの差分が2番目に小さい。そこで、第1候補θa4(0)と第2候補θb4(0)の平均値θ’(0)を、修正候補位置として記憶部52に記憶させる。
第1参照データRaと第2参照データRbは、それぞれ、複数のピーク値と複数のボトム値を持つので、差分の値が近い候補位置の組み合わせが複数存在する。例えば、図7の例では、第1候補θa2(0)と第2候補θb2(0)の組み合わせで最も差分の値が小さいが、第1候補θa4(0)と第2候補θb4(0)の組み合わせや、第1候補θa6(0)と第2候補θb6(0)の組み合わせも差分の値が小さい。従って、第1ホール素子25および第2ホール素子26の出力変動や各種の検出誤差等が生じると、正しい回転位置と異なる候補位置の差分が最も小さい値になってしまう場合があり、この場合には、正しい初期回転位置を検出できない。従って、原点位置がずれて設定されるおそれがある。本形態のコントロールユニット41は、モータ1の駆動開始後、最初に原点に設定した初期回転位置(例えば、図7のθ(0))が正しい回転位置でないことが判明した場合には、記憶部52に記憶させておいた修正候補位置(例えば、図7のθ’(0))を読み出して、原点を修正候補位置に置き換える処理を行う。
(作用効果)
以上のように、本形態のモータ1は、第1ホール素子25および第2ホール素子26から、ロータ14の回転位置に応じて変化する信号Ha、Hbを得ることができる。そして、この信号Ha、Hbを用いて第1参照データRaおよび第2参照データRbを参照して、回転位置を求めることができる。従って、回転位置検出用のマグネットや光学式エンコーダなどを用いることなく、モータ本体3に2つのホール素子を追加するだけでロータ14の回転位置を検出できる。よって、モータ本体3の小型化および低コスト化に有利である。
また、本形態のモータ1は、記憶部52に記憶する第1参照データRaおよび第2参照データRbは、複数の各信号範囲に応じて間引かれた各ホール素子25,26の正規化信号H1a,H1bに対応するロータ14の回転位置に限定される。このため、各ホール素子25,26の全ての正規化信号H1a,H1bに対応するロータ14の回転位置を記憶する場合に比較して、第1参照データRaおよび第2参照データRbのデータ量を抑制して、記憶部52の記憶容量を小さくすることが出来る。したがって、高い処理能力を必要としない安価な演算処理装置を用いて、位置検出部53を構成することが出来る。
例えば、ホール素子25,26で検出される信号Ha,Hbを、最大振幅を1024段階に変換する正規化処理が施された正規化信号H1a,H1bに変換し、全ての各正規化信号H1a,H1bに対して6個の出力回転位置θを対応づけると、駆動マグネット24が6極着磁されている場合、マトリクステーブルは、1つのホール素子当たり1024×6=6144ワード=12288バイトのデータ量であるので、2つのホール素子25,26で合計12288×2=24576バイトのデータ量のテーブルサイズとなる。これを、ロータ14の回転位置検出精度を上げるため、ホール素子25,26で検出される信号Ha,Hbを、本形態のように最大振幅を4096段階に変換する正規化処理が施された正規化信号H1a,H1bに変換し、4倍の回転位置検出精度を得ようとすると、マトリクステーブルは、1つのホール素子当たり4096×6=24576ワード=49152バイトのデータ量であるので、2つのホール素子25,26で合計49152×2=98304バイトの大きなデータ量のテーブルサイズとなる。このような大きなデータ量を扱うには、モータ制御ユニット4に用いる記憶部52に大きな記憶容量を有する高価なものが必要とされる。
しかし、本形態によるモータ1では、4096段階の正規化信号H1a,H1bのうち、各信号範囲の正規化信号H1a,H1bについて、前述の第1式〜第6式を用いて所定の間引き率で間引くことで、マトリクステーブルの行データは960行で収まり、1つのホール素子当たり960×6=5760ワード=11520バイトのデータ量、2つのホール素子25,26で合計11520×2=23040バイトの小さなデータ量のテーブルサイズとなる。すなわち、ロータ14の回転位置検出精度を4倍に高めた一方で、テーブルサイズを、1024段階に変換する正規化処理が施された正規化信号H1a,H1bを用いる場合に比べて小さくすることが出来る。
さらに、前述の第1式〜第6式を用いたデータの間引きは、2のべき乗を演算して得られる値が用いられて、行われる。このため、位置検出部53は、2値データの簡単なビット操作で演算することが出来るので、エンコード処理負荷が軽減される。なお、演算処理装置の処理能力に余裕がある場合には、2のべき乗を演算して得られる値を用いなくてもよい。また、前述の第1式〜第6式を用いたデータの間引きにおいて各信号範囲を区分する閾値は、一例であり、前記の値に限定されるものではない。
また、本形態によるモータ1では、ロータ14の回転位置の変化率が小さい信号範囲では、ホール素子25,26の信号Ha,Hbが変化してもロータ14の回転位置は余り変わらないので、正規化信号H1a,H1bの間引き率を高くしても必要な回転位置検出精度が得られ、第1参照データRaおよび第2参照データRbのデータ量を大きく抑制できる。また、ロータ14の回転位置の変化率が大きい信号範囲では、ホール素子25,26の信号Ha,Hbが変化するとロータ14の回転位置が大きく変わるので、正規化信号H1a,H1bの間引き率を低くすることで、必要な回転位置検出精度を確保しつつ、第1参照データRaおよび第2参照データRbのデータ量を抑制することが出来る。
また、ロータ14の回転位置の変化率は、正規化処理が施された正規化信号H1aおよび正規化信号H1bが、その最小単位分変化するときに生じる、ロータ14の回転位置の角度変化分Δθの変化率として算出される。このように正規化処理が施された正規化信号H1aおよび正規化信号H1bを用いると、2つのホール素子25,26間の感度バラツキや実装位置差の影響を少なくして、第1参照データRaおよび第2参照データRbのデータ量を抑制することが出来る。
また、単位間引き範囲nは、正規化信号H1a,H1bの各信号範囲において、ロータ14の回転位置の角度変化分Δθの許容変化量Wを、ロータ14の回転位置の角度変化分Δθで割った値(=W/Δθ)以下に、設定される。このため、ロータ14の回転位置の角度変化分Δθの許容変化量Wを必要な値に設定することで、正規化信号H1a,H1bの各信号範囲において、ロータ14の回転位置の角度変化分Δθを必要な誤差内に収めることが出来、正規化信号H1a,H1bの各信号範囲において必要な回転位置検出精度を確保することが出来る。
また、本形態によるモータ1では、単位間引き範囲n(=W/Δθ)が、図6(b)のグラフに示す特性線Qの下方における斜線範囲における最も大きい整数に設定される。このため、ロータ14の回転位置の角度変化分Δθがその許容変化量Wより大きくて単位間引き範囲nが1未満の小数になる正規化信号H1a,H1bが参照データになるのを排除することが出来る。また、最も大きい整数を用いることで、最も大きい間引き率で効率的に正規化信号H1a,H1bを間引くことが出来る。
間引き率は、実測した正規化信号H1a,H1bに基づいて設定されることが望ましい。このようにすると、個別のモータ1によって得られる各正規化信号H1a,H1bが用いられて、各間引き率が個々のモータ1に応じて決定される。このため、モータ1の個体による参照データのバラツキを吸収することが出来、各個体に応じて、必要な回転位置検出精度を適切に確保しつつ、第1参照データRaおよび第2参照データRbのデータ量を抑制することが出来る。また、予めモータ1毎にキャリブレーションを行って作成した第1参照データRaおよび第2参照データRbを用いて回転位置を判定するので、簡単なアルゴリズムで、精度良く回転位置を検出できる。
また、本形態によるモータ1では、駆動マグネット24の着磁パターンが正弦波状である。このような駆動マグネット24を用いると、ロータ14の回転に伴う各ホール素子25,26の信号の変化が図4に示すような緩やかな正弦波状になる。従って、回転位置の分解能が高い正規化信号H1a,H1bを得ることができ、ロータ14の回転位置検出精度をさらに高めて、第1参照データRaおよび第2参照データRbのデータ量を抑制することが出来る。なお、駆動マグネット24の着磁パターンが正弦波状でなくても、モータ1の回転位置を検出することは可能である。
本形態の位置検出部53は、第1参照データRaと第2参照データRbから、第1信号Ha(0)に対応する回転位置の候補である第1候補θa1(0)〜θa6(0)と、第2信号Hb(0)に対応する回転位置の候補である第2候補θb1(0)〜θb6(0)の組み合わせを全て求め、求めた全ての組み合わせに対して、2つの候補位置の差分を算出し、該差分の値が最も小さい組み合わせを構成する2つの候補位置の平均値を検出対象の回転位置θ(0)とする。従って、簡単なアルゴリズムで、精度良く回転位置を検出できる。
本形態では、モータ1の初期化処理で検出した回転位置を原点に設定する。従って、以降は原点からの角度差に基づいて回転位置を検出でき、インクリメンタルエンコーダの機能を持たせることができる。従って、インクリメンタルな制御を行うことができる。なお、本形態は6極着磁された駆動マグネット24を用いているが、他の極数にすることもできる。例えば、2極着磁の駆動マグネットを用いれば、電気角と機械角が一致するので、アブソリュートエンコーダの機能を持たせることができる。
本形態では、モータ1の初期化処理で回転位置を検出する場合に、2つの候補位置の差分の値が最も小さい組み合わせだけでなく、2つの候補位置の差分の値が2番目に小さい組み合わせを求め、この組み合わせを構成する2つの候補位置の平均値を、原点を修正するための修正候補位置として記憶する。従って、原点に設定した位置が正確でなかった場合に、修正候補位置を用いて簡単かつ速やかに原点を修正できる。
本形態では、予め設定したタイミングで、第1ホール素子25の信号Haおよび第2ホール素子26の信号Hbを正規化する処理に用いる係数を更新するので、周囲温度や供給電圧等の変動による、ホール素子の信号変動の影響を少なくすることができる。従って、精度良く回転位置を検出できる。
(変形例)
上記形態は、第1参照データRaと第2参照データRbから、第1信号Ha(0)と第2信号Hb(0)に対応する回転位置の候補を全て求め、2つの候補位置(第1候補と第2候補)の組み合わせを総当たりで作成し、その全てについて2つの候補位置の差分を算出して、差分の値が最も小さい組み合わせを探していたが、2つの候補位置(第1候補と第2候補)の組み合わせの数を減らすことも可能である。
例えば、図7に示すように第1候補と第2候補がそれぞれ6つずつ存在する場合には、総当たりの場合には組み合わせの数が36通りであるのに対し、図8に示すように、2つの候補位置(第1候補と第2候補)の組み合わせを隣り合う第1候補と第2候補の組み合わせに限定すれば、組み合わせの数を9通りに減らすことができる。従って、短時間で回転位置を検出することができる。
図8は、変形例の回転位置の検出方法の説明図である。例えば、回転位置を繰り返し検出する場合で、直近に検出した回転位置がθ(n)である場合には、直近に検出した回転位置θ(n)に基づき、第1候補と第2候補を3つずつに限定して抽出することができる。具体的には、第1参照データRaの6つの傾斜部A(1)〜A(6)のうち、直近に検出した回転位置θ(n)を含む傾斜部A(i)とその両側に位置する傾斜部A(i−1)、A(i+1)の範囲に限って第1候補θa(i−1)、θa(i)、θa(i+1)の3つを求める。また、第2参照データRbの6つの傾斜部B(1)〜B(6)のうち、直近に検出した回転位置θ(n)を含む傾斜部B(j)とその両側に位置する傾斜部B(j−1)、B(j+1)の範囲に限って第2候補θb(j−1)、θb(j)、θb(j+1)の3つを求める。このように、直近に検出した回転位置θ(n)を含む傾斜部A(i)、傾斜部B(j)を中心とする連続した3つの傾斜部A(i−1)〜A(i+1)、傾斜部B(j−1)〜B(j+1)に限って候補位置を取得すれば、第1候補と第2候補を3つずつに限って求めることができる。その結果、第1候補と第2候補の組み合わせの数は、総当たりで作成しても9通りである。従って、短時間で回転位置を検出することができる。また、この方法では、直近に検出した回転位置θ(n)に近い位置を候補位置としているので、回転位置の検出精度が低下するおそれは少ない。
あるいは、上記のように、直近に検出した回転位置θ(n)を含む傾斜部A(i)、傾斜部B(j)を中心とする3つの傾斜部A(i−1)〜A(i+1)および傾斜部B(j−1)〜B(j+1)に限定して候補位置を取得する場合には、第1候補と第2候補のどちらかが、直近に検出した回転位置θ(n)を含む傾斜部A(i)、傾斜部B(j)に存在する候補位置であるような組み合わせに限定してもよい。具体的には、第1候補θa(i)と第2候補θb(j)、第1候補θa(i)と第2候補θb(j−1)、第1候補θa(i)と第2候補θb(j+1)、第1候補θa(i−1)と第2候補θb(j)、第1候補θa(i+1)と第2候補θb(j)の5通りの組み合わせに限定する。この場合には、更に組み合わせの数が減るので、さらに短時間で回転位置を検出することができる。
また、上記形態の第1参照データRaと第2参照データRbは、それぞれ3つのピーク値と3つのボトム値を持つが、これらの値は完全に一致することはない。このように、3つのピーク値と3つのボトム値が完全に一致することがなく、これらの値の大小関係がモータ固有の特性であるとすれば、ピーク値とボトム値の大小関係とその配列順を識別して、どのピーク値とどのボトム値の間に回転位置が存在するかを判定することが可能である。従って、予め、3つのピーク値と3つのボトム値の大小関係とその配列順のデータを作成して記憶部52に記憶させておけば、絶対位置および回転方向を検出することが可能である。
1…モータ
2…回路基板
2a…表面
2b…裏面
3…モータ本体
4…モータ制御ユニット
7…上位装置
8…電源回路
11…固定孔
12…ステータ
13…出力軸
14…ロータ
15…スリーブ
16…ベアリング
18…ステータコア
19…駆動コイル
21…底板部
22…環状板部
23…ロータケース
24…駆動マグネット
25…第1ホール素子
26…第2ホール素子
41…コントロールユニット
42u、42v、43w…ドライバ回路
43、44…差動アンプ回路
51…正規化処理部
52…記憶部
53…位置検出部
54…キャリブレーション実行部
55…フィードバック制御部
A(1)〜A(6)…傾斜部
B(1)〜B(6)…傾斜部
H1a…正規化信号
H1b…正規化信号
Ha…第1信号(第1ホール素子の信号)
Hb…第2信号(第1ホール素子の信号)
L…軸線
Na…第1正規化データ
Nb…第2正規化データ
Ra…第1参照データ
Rb…第2参照データ

Claims (8)

  1. ロータおよびステータと、
    前記ロータが備える駆動マグネットに対して異なる角度位置で対向し、前記ロータの回転位置に応じた信号をそれぞれ出力する第1ホール素子および第2ホール素子と、
    複数の各信号範囲に応じて間引かれた前記第1ホール素子の信号および前記第2ホール素子の信号と、前記ロータの回転位置とを対応付けた参照データを記憶する記憶部と、
    前記ロータが検出対象の回転位置にあるときの、前記第1ホール素子および前記第2ホール素子の信号をそれぞれ第1信号および第2信号とするとき、前記第1信号および前記第2信号に基づいて前記参照データを参照して、前記検出対象の回転位置を求める位置検出部と、を有することを特徴とするモータ。
  2. 前記第1ホール素子の信号および前記第2ホール素子の信号は、その信号変化に対する前記ロータの回転位置の変化率が小さい信号範囲では高い間引き率、変化率が大きい信号範囲では低い間引き率で間引かれることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  3. 前記ロータの回転位置の変化率は、最大振幅を所定値に変換する正規化処理が施された前記第1ホール素子の信号および前記第2ホール素子の信号がその最小単位分変化するときに生じる前記ロータの回転位置の変化分の変化率であることを特徴とする請求項2に記載のモータ。
  4. 前記第1ホール素子の信号および前記第2ホール素子の信号は、複数の各信号範囲において、前記ロータの回転位置の変化分の許容変化量を前記ロータの回転位置の変化分で割った値以下の信号数を単位範囲にして間引かれることを特徴とする請求項3に記載のモータ。
  5. 前記単位範囲は、前記ロータの回転位置の変化分の許容変化量を前記ロータの回転位置の変化分で割った値以下の最も大きい整数に設定されることを特徴とする請求項4に記載のモータ。
  6. 前記間引き率は、実測した前記第1ホール素子および前記第2ホール素子の各信号に基づいて設定されることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載のモータ。
  7. 前記間引きは、2のべき乗を演算して得られる値が用いられて行われることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のモータ。
  8. 前記駆動マグネットは着磁パターンが正弦波状であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のモータ。
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