JP2018031537A - 空調システムの制御装置、制御方法および制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷却塔及び熱源機を備える空調システムの制御装置は、冷却塔の制御値を決定するためのパラメータの値を所定の範囲内で仮定する仮定手段と、仮定したパラメータの値ごとに、パラメータの値及び外気条件に応じて定まる冷却塔の制御目標値に基づいて、空調システムのエネルギー消費量を算出し、算出された空調システムのエネルギー消費量に基づいて、空調システムの運転効率がより高い制御目標値を、制御値として決定する制御手段と、を備える。
【選択図】図8
Description
のエネルギー消費量に基づいて、空調システムの運転効率がより高い制御目標値を、制御値として決定する制御手段と、を備える。
機冷水流量調整弁13の開度と、電動ファン12の回転速度を調整する。なお、空調機コントローラ14は、空調機冷水流量調整弁13や電動ファン12の制御信号を出力する機能のみならず、例えば、温度センサの測定値や電動ファン12の運転状態といった各種の情報を上位装置へ送信する機能も有する。
有するコンピュータであり、コンピュータプログラムを実行することにより、空調システム1全体の制御を司る。すなわち、中央コントローラ3は、コンピュータプログラムを実行すると、例えば、リアルタイム(10分毎)に外気条件(外気の温度や湿度)や室内条件(室内の温度や湿度)、熱源負荷条件(冷凍機の製造熱量等)等の値を各機器のコントローラから取得し、予め作成してある冷凍機20、補機類(冷却水ポンプや冷水ポンプ等)、空調機10といった各空調機器の運転状態と機器固有のCOPとの相関を示した特性データを読み出し、所定のルールエンジンに従って各機器の制御目標値の最適化処理を実行する。そして、中央コントローラ3は、空調システム1全体のCOPが最大となるように最適化処理を施した各機器の制御目標値を各機器のコントローラへ出力する。各機器のコントローラは、制御対象のパラメータが、最適化処理が施された新たな制御目標値になるように制御量を調整する。最適化処理が施された制御目標値へ向かって各機器のコントローラが制御量を調整することにより、結果的に空調システム1全体のCOPが最大となる。
た外気条件、空調機コントローラ14において計測された室内条件、熱源コントローラ21において用いられている熱源負荷条件等の値を各コントローラから取得する(S102)。次に、中央コントローラ3は、冷凍機冷水出口温度(熱源冷水温度)の推論を行う(S103)。また、中央コントローラ3は、冷却塔冷却水出口温度(冷却水温度)の推論を行う(S104)。また、中央コントローラ3は、冷凍機20の運転台数(熱源運転台数)の推論を行う(S105)。また、中央コントローラ3は、ステップS103の処理で推論した冷凍機冷水出口温度とステップS105の処理で推論した冷凍機20の運転台数を熱源コントローラ21へ出力し、ステップS104の処理で推論した冷却塔冷却水出口温度を冷却塔コントローラ32へ出力する(S106)。次に、中央コントローラ3は、空調システム1が停止されているか否かの判定を行い、肯定判定を行った場合には空調システム1の制御を停止するし、否定判定を行った場合にはステップS102以降の処理を再び実行する(S107)。
ステップS103では、中央コントローラ3は、上述の通り、冷凍機冷水出口温度の推論を行う。この推論では、中央コントローラ3は、室内条件を取得できない場合には、仮想室内設計条件および仮想空調機設計に基づいて冷凍機冷水出口温度の推論を行う。また、中央コントローラ3は、室内の温度および相対湿度の情報が取得できる場合には、室内の温度および相対湿度の変化状態に基づいて冷凍機冷水出口温度の推論を行う。ステップS103の推論では、中央コントローラ3は、外気の除湿の要否を判定する。外気の除湿が不要な場合、かつ、空調負荷が小さいと判定された場合、空調機10は室内の潜熱負荷を無視できるため、室内の顕熱負荷を処理できればよい。そこで、中央コントローラ3は、室内の顕熱負荷を処理可能な空調機10の運転条件を決定することで、冷凍機冷水出口温度の最適化を図る。冷凍機冷水出口温度が最適化されることで冷凍機20の運転効率が高まり、空調システム1全体のCOPの向上が期待できる。中央コントローラ3は、ステップS103の推論処理をリアルタイム(例えば10分毎)に行う。中央コントローラ3は、ステップS104の冷却水温度の推定に際し、この推定された冷水温度を基にして、合計消費電力が最も小さくなる冷却水温度を選定する。
図4は、中央コントローラ3による冷凍機冷水出口温度の推論フローを例示する第1の図である。図4では、室内条件が取得できない場合における中央コントローラ3による冷凍機冷水出口温度の推論の処理フローが例示される。図4は、図3のステップS103の処理の詳細の一例を示す図である。以下、図4を参照して、室内条件が取得できない場合における中央コントローラ3による冷凍機冷水出口温度の推論の処理フローについて説明する。
中央コントローラ3は、仮想空調機の設計情報として、コイル入口水温tw1、コイル出
口水温tw2、コイル通水量L、コイル通水熱量qw、コイル入口空気温度ta1、コイル出口空
気温度ta2および給気風量Gを以下のように決定する。中央コントローラ3は、設定ファ
イルを読み込み、初期設定によって登録された空調機10のコイル11のコイル入口水温tw1、コイル出口水温tw2、冷凍機20の台数および冷水2次ポンプ42の定格流量を取得する。ここでは、例えば、コイル入口水温tw1として7℃、コイル出口水温tw212℃、冷凍機20の台数として3台、冷水2次ポンプ42の定格流量として4,030L/minが取得されたものとする。さらに、空調システム1は100台の仮想空調機を備えるものと仮定する。
の温度であるコイル出口空気温度ta2を空調機コントローラ14から取得する。ただし、
これから空調システム1を稼働する場合のように、まだコイル11を空気が流れていない場合には、コイル入口空気温度ta1およびコイル出口空気温度ta2として設定ファイルに登録された初期設定値が採用される。ここでは、例えば、コイル入口空気温度ta1として2
6℃、コイル出口空気温度ta2として17.5℃と登録されていたものとする。さらに、
コイル11に流入する空気の相対湿度は50%RHであると仮定する。
RHの空気がコイル出口空気温度ta2である17.5℃まで冷却されると、相対湿度は8
5%RHとなることがわかる。このような仮定の上で、仮想空調機の給気風量Gは、例えば、以下の数式で算出される。
さらに、中央コントローラ3は、仮想室内設計条件を決定する。仮想室内設計条件の決定においては、制御目標となる室内の温度を上述のコイル出口空気温度ta2と仮定し、室
内の相対湿度をコイル出口空気の相対湿度である85%RHと仮定する。
1.コイル通水熱量qwと室内熱負荷処理量qaとが等しい。
2.コイル通水量Lは、計測値と等しい。
3.コイル通水出入口温度差(tw2−tw1)は、計測値と等しい。
4.給気風量Gは、負荷に応じて減少させる。給気風量Gの下限値αは定格値の20%とする。なお、給気風量Gの下限値αは、設定ファイルに登録された値を変更することで変更可能である。
5.給気風量Gが下限値に達し、負荷が小さい場合は、コイル入口水温tw1を上昇させ
る。
6.コイル入口水温tw1の上限値は、以下の式4によって決定される。
塔アプローチ温度(℃)、ΔtCDS-CSは冷凍機冷却水入口と冷水出口の温度差(℃)であ
る。ΔtCDS-CSは、例えば、冷凍機20の能力に基づいて決定され、本実施形態では5℃
としている。式4では、外気湿球温度(t’)と冷却塔アプローチ温度(tap)の和によって、冷却塔冷却水出口温度が算出される。冷却水は冷却塔30から冷凍機20へ供給されるため、冷却塔冷却水出口温度は冷凍機冷却水入口温度と等しい。そのため、中央コントローラ3は、冷凍機冷却水入口温度に対して冷凍機20の能力を考慮した冷凍機冷却水入口と冷水出口の温度差(ΔtCDS-CS)に基づいてコイル入口水温tw1の上限値であるCSLim
を決定できる。なお、コイル入口水温tw1の下限値は、例えば、初期設定時に設定ファイ
ルに登録された値を採用できる。
現在の冷凍機冷水出口温度(コイル入口水温)、ta1はコイル入口空気温度、ta2はコイル出口空気温度である。また、Δt1は、仮想空調機が最低風量αで運転したときにコイルを通過した空気の温度変化を示す最低風量温度変化である。すなわち、式5によれば、今回算出するコイル入口水温tw1newは、現在のコイル入口水温tw1に対して、コイルを通過し
た空気の温度変化から最低風量温度変化Δt1を引いた値が加算されることで算出される。なお、最低風量温度変化Δt1は、例えば、以下の式6によって決定される。
3は冷凍機冷水出口温度を前回算出した温度(tw1old)からマイナス1.0℃した温度を冷凍機冷水出口温度として決定する。図6に例示される表は、例えば、中央コントローラ3のメモリ上に保持される。冷凍機冷水出口温度を変更する場合(S203で変更許可)、処理はステップS204に進められる。冷凍機冷水出口温度を変更しない場合(S203で変更不許可)、処理はステップS206に進められる。
1へ出力されるように、自身のメモリの値を変更する。
図7は、中央コントローラ3による冷凍機冷水出口温度の推論フローを例示する第2の図である。図7では、室内条件が取得できる場合における中央コントローラ3による冷凍機冷水出口温度の推論の処理フローが例示される。図7は、図3のステップS103の処理の詳細の一例を示す図である。図7の処理では、中央コントローラ3は、室内の温度および相対湿度の情報を空調機コントローラ14から取得する。中央コントローラ3は、今回取得した室内の温度および相対湿度と前回取得した室内の温度および相対湿度との変化量に応じて、冷凍機冷水出口温度を変更するか否かを判定する。中央コントローラ3は、取得した室内の温度または相対湿度が上昇傾向にある場合、冷水の温度が下がるように、ステップS106で熱源コントローラ21に出力される冷凍機冷水出口温度のメモリの設定値を変更する。また、中央コントローラ3は、取得した室内の温度または相対湿度が低下傾向にある場合、冷水の温度が上がるように、ステップS106で熱源コントローラ21に出力される冷凍機冷水出口温度のメモリの設定値を変更する。以下、図7を参照して、室内条件が取得できる場合における中央コントローラ3による冷凍機冷水出口温度の推論の処理フローについて説明する。
第1下限値である。tαは温度に係る許容範囲の補正値であり、本実施形態では初期値を
0.5としている。tRM_SP_H(n)は、第n番目の室内の室内温度許容第1上限値である。tRM_SP_HH(n)は、第n番目の室内の室内温度許容第2上限値である。φRM_SP_LL(n)は、第n番目の室内の室内湿度許容第2下限値である。φRM_SP_L(n)は、第n番目の室内の室内湿度許容第1下限値である。φ%(n)は、第n番目の室内に適用される相対湿度の許容範囲である。φαは、相対湿度に係る許容範囲の補正値であり、初期値は0.5となっている。φRM_SP_H(n)は、第n番目の室内の室内湿度許容第1上限値である。φRM_SP_HH(n)は
、第n番目の室内の室内湿度許容第2上限値である。下限値および上限値をこのように第1と第2の2段階で設定しているのは、冷水の温度変化に伴う室内環境の過渡的な変動量を抑制し、且つ、室内で発生する熱量や外気条件の変化に伴う室内環境の制御範囲からの逸脱を抑制するためである。
対湿度φRM_PV(n)を空調機コントローラ14から取得する。
09に進められる。
度を上限値に設定変更する。その後、処理は終了される。
度を上限値に設定変更する。その後、処理は終了される。
ステップS104では、中央コントローラ3は、冷却塔冷却水出口温度(冷却水温度)の推論を行う。中央コントローラ3は、冷却水温度を決定するためのパラメータであるアプローチ温度を所定の範囲内で仮定する。中央コントローラ3は、仮定したアプローチ温度ごとに、外気条件に応じて定まる冷却水温度から空調システム1のエネルギー消費量を算出し、エネルギー消費量が最小となる冷却水温度を決定する。中央コントローラ3は、決定した冷却水温度で制御されるように、ステップS106で冷却塔コントローラ32に出力される冷却水温度のメモリの設定値を変更する。
の際、冷却水流量QCDは、50〜100%の範囲で制御される。また冷却塔ファン風量Gは、20〜100%の範囲で制御される。中央コントローラ3は、冷却水流量QCD及び冷却塔ファン風量Gから、冷却水循環ポンプ51の動力及び冷却塔ファン31の動力等のエネルギー消費量を算出し、評価項目である熱源システム(空調システム1)のCOPを評価する。空調システム1のエネルギー消費量が最小、即ち、空調システム1のCOPが最大となる場合の冷却水温度TCDS(℃)が、出力項目として出力される。
くなるため、冷凍機20の冷却水出入口温度差は大きくなる。したがって、中央コントローラ3は、冷却水流量の増減によるCOPへの影響を考慮して、冷却水流量の算出に影響を与える冷却水出入口温度差を、ステップS404で算出した放熱量から算出しておく。
は、決定した冷却水温度で制御されるように、ステップS106で冷却塔コントローラ32に出力される冷却水温度のメモリの設定値を変更する。これにより、推定された冷水温度の場合におけるアプローチ温度が選択されるので、冷却塔で冷却可能な冷却水温度の範囲内か否かに関わらず算出処理を行う場合に比べて演算量が抑制される。冷却塔コントローラ32では、外気温度が高くかつ熱負荷が高い場合であっても空調システム全体のエネルギー消費量が小さくなる冷却水温度が中央コントローラ3から送られた制御値となるように制御が行われることになる。
ステップS105では、中央コントローラ3は、冷凍機20の運転台数の推論を行う。中央コントローラ3は、事前に作成した運用設計シートに基づいて冷凍機20の運転台数を推論する。運用設計シートは、運転条件(冷凍機冷水出口温度及び冷却塔冷却水出口温度)ごとに、空調システム1のエネルギー消費量が最小となる冷凍機20の運転台数を特定する運用情報を含むものであり、運転条件に応じた冷凍機20の性能データ及びポンプ、ファン等の各機器の特性データに基づいて予め作成されたものである。特性データは、例えば、ポンプの吐出量といった各機器の性能に対する動力を示すデータである。冷凍機20は、「熱源機」の一例である。また、運用設計シートは「運用情報」の一例である。
凍機20の運転台数の特定に使用される。
増減段ポイントともいう)P1及びP2は、熱源負荷率の計測データ、及び熱源負荷率が上昇傾向か下降傾向か等の条件に基づいて特定される。
Claims (5)
- 冷却塔及び熱源機を備える空調システムの制御装置であって、
前記冷却塔の制御値を決定するためのパラメータの値を所定の範囲内で仮定する仮定手段と、
前記仮定したパラメータの値ごとに、前記パラメータの値及び外気条件に応じて定まる前記冷却塔の制御目標値に基づいて、前記空調システムのエネルギー消費量を算出し、前記算出された空調システムのエネルギー消費量に基づいて、前記空調システムの運転効率がより高い制御目標値を、前記制御値として決定する制御手段と、を備える、
空調システムの制御装置。 - 前記空調システムのエネルギー消費量は、前記冷却塔と前記熱源機との間で循環する冷却水流量の増減に応じて変化する前記熱源機のエネルギー消費量に基づいて算出される、
請求項1に記載の空調システムの制御装置。 - 前記制御手段は、前記冷却塔が備える冷却塔ファンによる風量が所定の風量以下となる制御目標値に対して、前記空調システムのエネルギー消費量を算出する、
請求項1または請求項2に記載の空調システムの制御装置。 - コンピュータが、
空調システムに備わる冷却塔の制御値を決定するためのパラメータの値を所定の範囲内で仮定する仮定ステップと、
前記仮定したパラメータの値ごとに、前記パラメータの値及び外気条件に応じて定まる前記冷却塔の制御目標値に基づいて、前記空調システムのエネルギー消費量を算出し、前記算出された空調システムのエネルギー消費量に基づいて、前記空調システムの運転効率がより高い制御目標値を、前記制御値として決定する制御ステップと、を実行する、
空調システムの制御方法。 - コンピュータに、
空調システムに備わる冷却塔の制御値を決定するためのパラメータの値を所定の範囲内で仮定する仮定ステップと、
前記仮定したパラメータの値ごとに、前記パラメータの値及び外気条件に応じて定まる前記冷却塔の制御目標値に基づいて、前記空調システムのエネルギー消費量を算出し、前記算出された空調システムのエネルギー消費量に基づいて、前記空調システムの運転効率がより高い制御目標値を、前記制御値として決定する制御ステップと、を実行させる、
空調システムの制御プログラム。
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