JP2018030546A - タイヤ - Google Patents

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辰作 片山
Shinsaku Katayama
辰作 片山
大雅 石原
Taiga Ishihara
大雅 石原
二弥 斎藤
Tsugiya Saito
二弥 斎藤
聖一 田原
Seiichi Tahara
聖一 田原
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Abstract

【課題】転がり抵抗性能を大幅に損なうことなく、経年劣化による表面のクラックの発生を抑制することができるタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部に溝部を有するタイヤであって、前記溝部の表面に、トレッドゴムとは異なる組成の表層ゴムが配置されており、前記表層ゴムは、式(1):E’≦3.7×A−13.5[式中、E’は、30℃、50Hzで測定される貯蔵弾性率(MPa)であり、Aは、含有成分中の非ジエン系ゴムの割合(質量%)である]を満たし、前記溝部の表面に配置された表層ゴムは、厚さが10μm以上800μm以下であり、且つ、前記溝部の溝壁に配置された表層ゴムの厚さが、前記溝部の溝底に配置された表層ゴムの厚さよりも小さい、ことを特徴とするタイヤ。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤに関する。
従来のタイヤは、一般に、接地部を含む表面がジエン系ゴムで構成されている。このジエン系ゴムは、オゾン等を含む空気中に触れると劣化する性質を有する。そのため、従来のタイヤには、時間の経過とともに、表面が劣化して微小なクラックが発生し、製品としての外観が損なわれるという問題があった。なお、かかる微小なクラックの発生は、走行時に接地せずに摩耗し得ない表面部分、例えばトレッド溝や、サイドウォール部や、ビード部などにおいて特に顕著に見られる場合が多い。
微小なクラックの発生を防止する方法として、たとえば特許文献1は、タイヤのトレッド面に複数のタイヤ周方向の主溝を設けるとともに、トレッド面のショルダー部に位置する当該主溝の溝底面の半径方向内方に、100重量部中にブチルゴムを10〜80重量部含むゴム組成物からなるゴム層を、0.1mm以上かつ1.2mm以下の厚さで配することで、ショルダー部の主溝の溝底に生じがちなクラックを効果的に防止することができることを開示している。
特開平8−310203号公報
しかしながら、上記従来のタイヤは、トレッド面の主溝の溝底のみに生じ得るクラックの発生に対処するものであり、主溝の溝底以外の部位において生じ得るクラックの発生については、何ら対処されていない。
また、本発明者らが検討したところ、上記従来のタイヤの主溝の溝底に配するゴム層には、クラック発生の抑制効果の観点で、依然として改良の余地があることが分かった。
このような状況下、タイヤには、本来備えるべき高い転がり抵抗性能等を保持した上で、トレッド溝などにおけるクラックの発生を効果的に抑制するための技術の適正化が求められている。
そこで、本発明の目的は、転がり抵抗性能を大幅に損なうことなく、経年劣化による表面のクラックの発生を抑制することができるタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のタイヤは、トレッド部に溝部を有するタイヤであって、
前記溝部の表面に、トレッドゴムとは異なる組成の表層ゴムが配置されており、
前記表層ゴムは、下式(1):
E’≦3.7×A−13.5 ・・・(1)
[式中、E’は、30℃、50Hzで測定される貯蔵弾性率(MPa)であり、Aは、含有成分中の非ジエン系ゴムの割合(質量%)である]を満たし、
前記溝部の表面に配置された表層ゴムは、厚さが10μm以上800μm以下であり、且つ、
前記溝部の溝壁に配置された表層ゴムの厚さが、前記溝部の溝底に配置された表層ゴムの厚さよりも小さい、ことを特徴とする。かかるタイヤは、転がり抵抗性能を大幅に損なうことなく、経年劣化による表面のクラックの発生を抑制することができる。
本発明のタイヤは、前記溝底に配置された表層ゴムの厚さに対する、前記溝壁に配置された表層ゴムの厚さの割合が、10%以上90%以下であることが好ましい。これにより、表層ゴムの材料を過剰に用いることなく、経年劣化による表面のクラックの発生をより効果的に抑制することができる。
本発明のタイヤは、前記トレッド部の両端に位置する一対のバットレス部の表面、及び、前記トレッド部の溝部以外の表面にも、前記表層ゴムが配置されており、前記バットレス部に配置された表層ゴムの厚さが、前記溝部以外のトレッド部に配置された表層ゴムの厚さよりも大きいことが好ましい。これにより、経年劣化によりクラックが発生し易い箇所であるバットレス部の表面、及び、トレッド部の溝部以外の表面のクラックの発生を、効果的に抑制することができる
本発明のタイヤは、前記溝部以外のトレッド部の表面に配置された表層ゴムの厚さに対する、前記バットレス部の表面に配置された表層ゴムの厚さの割合が、150%以上500%以下であることが好ましい。これにより、タイヤの転がり抵抗性能やウェットブレーキ性能等に悪影響を及ぼすことを抑制しつつ、バットレス部の経年劣化による表面クラックの発生の抑制効果を長期的にもたらすことができる。
本発明のタイヤは、前記表層ゴムが配置された溝部が、最も細い部分の幅が0.5mm以上5mm以下である、タイヤ周方向の成分を含む細溝部を含むことが好ましい。これにより、頻発し易い箇所でのクラックの発生をより効果的に抑制することができる。
本発明によれば、転がり抵抗性能を大幅に損なうことなく、経年劣化による表面のクラックの発生を抑制することができるタイヤを提供することができる。
本発明の一実施形態のタイヤの、半部の模式断面図である。 本発明の一実施形態のタイヤの、トレッド部に形成された溝部を示す一部模式断面図である。
(タイヤ)
以下に、本発明のタイヤを、その一実施形態に基づき、図面を用いて詳細に例示説明する。
図1は、この発明の一実施形態のタイヤを示している。本実施形態のタイヤ100は、一対のビード部1と、ビード部1からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部6と、サイドウォール部6からタイヤ径方向外側に延びる一対のバットレス部5と、両バットレス部間にまたがって延びるトレッド部4とを備える。また、一対のビード部1には、それぞれビードコア2が埋設され、この一対のビードコア2間には、トロイド状に延びる本体部及びビードコア2の周りでタイヤ幅方向内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部を有するカーカス3が跨っている。更に、カーカス3のクラウン部のタイヤ半径方向外側には、ベルト7が設けられている。そして、本実施形態のタイヤは、トレッド部4に、タイヤ周方向に沿って延びる溝部10を有し、この溝部10の表面には、所定組成の表層ゴム20が配置されている。
<溝部>
本実施形態のタイヤ100のトレッド部4における溝部10は、図2に示されるように、溝底10aと、一対の溝壁10bとによって構成されている。
ここで、溝底10aと溝壁10bとがなす角度は、いずれであってもよく、また、溝底10aと溝壁10bとによって形成される角部分が丸みを帯びていてもよい。
更に、トレッド部4における溝部10の形成位置及び個数としては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。
ここで、表層ゴム20が配置された溝部10は、タイヤ周方向の成分を含む細溝部、具体的には、幅(w)が、最も細いところで0.5mm以上5mm以下である細溝部を含むことが好ましい。タイヤ周方向の成分を含む細溝は、当該タイヤを備える車の使用時に生じる歪みが大きく、クラックが頻発し易い箇所であるため、このような細溝に所定組成の表層ゴムを配置することで、より効果的にクラックの発生を抑制することができる。なお、上記細溝部には、例えば、ジグザグ状のものや、蛇行しているもの等も含まれるが、上記細溝部は、車の使用時により大きな歪みが生じ得る、タイヤ周方向に沿って延びるもの(直線状のもの)であることがより好ましい。
ここで、上記の幅(w)は、トレッド部4の踏面への開口幅を指すものとする。
また、本実施形態のタイヤにおいては、全ての溝部10に表層ゴム20が配置されている必要はない。
<表層ゴム>
表層ゴム20は、本実施形態のタイヤ100のトレッド部4における、溝部10の表面に少なくとも配置されるものである。また、この表層ゴム20は、少なくとも非ジエン系ゴムを含むとともに、トレッドゴム(トレッド部4のベース部分を構成するゴム)とは異なる組成を有する。溝部10は、通常は接地せず、経年劣化により表面にクラックが発生し易い箇所であるため、この表面に表層ゴム20を配置することで、溝部10でのクラックの発生を抑制することができる。
ここで、本明細書において、「トレッドゴムとは異なる組成のゴム」は、含有する成分の種類がトレッドゴムと異なるゴムを含むほか、含有する成分の種類がトレッドゴムと同じであっても、各成分の含有率がトレッドゴムと異なるゴムをも含むものとする。
非ジエン系ゴムとしては、特に限定されず、例えば、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。これらの中でも、表面のクラックの発生をより効果的に抑制する観点から、少なくともエチレン−プロピレン−ジエンゴムを表層ゴムに含むことが好ましい。なお、非ジエン系ゴムは、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、表層ゴムは、非ジエン系ゴム以外に、非ジエン系ゴム以外のゴム、例えば天然ゴムや合成ジエン系ゴム等のジエン系ゴムを含んでいてもよい。
本実施形態のタイヤにおいて、溝部10の表面に配置された表層ゴム20の厚さは、10μm以上800μm以下である。溝部10の表面に配置された表層ゴム20の厚さが10μm未満であると、タイヤ製造時に表層ゴムに穴が開いてしまったり、表層ゴムが保護膜としての役割を果たさず、経年劣化による表面のクラックの発生を抑制することができない虞がある。また、溝部10の表面に配置された表層ゴム20の厚さが800μm超であると、表層ゴム自体がトレッド部の性質に大きく寄与し、転がり抵抗性能やウェットブレーキ性能等のタイヤ性能が悪化する虞がある。また、溝部10の表面に配置される表層ゴム20の厚さは、30μm以上であることが好ましく、500μm以下であることが好ましい。表層ゴム20の厚さが30μm以上であることにより、表層ゴムが保護膜としての役割をより果たし、経年劣化による表面のクラックの発生をより効果的に抑制することができる。また、表層ゴム20の厚さが500μm以下であることにより、転がり抵抗性能やウェットブレーキ性能等のタイヤ性能を十分に高く保持することができる。
また、図1及び図2に示すように、本実施形態のタイヤ100は、溝部の溝壁10bに配置された表層ゴム20の厚さtが、溝部の溝底10aに配置された表層ゴム20の厚さtよりも小さい。溝部10においては、溝壁10bよりも溝底10aの方がクラックが生じ易い為、溝底10aに適切な厚さの表層ゴム20を配置するとともに、それよりも薄く且つ適切な厚さの表層ゴム20を溝壁10bに配置させることで、表層ゴムの材料を過剰に用いることなく、効率的に表面のクラックの発生を抑制することができる。
ここで、「溝壁10bに配置された表層ゴム20の厚さt」は、表層ゴム20が配置された溝部10における、溝底10aとの接点から、トレッド部4の表層までの表層ゴム20の厚さの平均値であり、「溝底10aに配置された表層ゴム20の厚さt」は、表層ゴム20が配置された溝部10における、溝底10aの平坦な部分での表層ゴム20の厚さの平均値である。
溝底10aに配置された表層ゴム20の厚さtに対する、溝壁10bに配置された表層ゴム20の厚さtの割合((t/t)×100)としては、100%未満であれば、特に制限されないが、10%以上であることが好ましく、また、90%以下であることが好ましい。上記割合が10%以上であることにより、上述した表層ゴム20の厚さの範囲内(10μm以上800μm以下)で、表層ゴム20が保護膜としての機能を十分に発揮し、経年劣化による表面のクラックの発生をより効果的に抑制することができる上、溝底10aに配置された表層ゴムと溝壁10bに配置された表層ゴムとの段差部分でのクラックの発生を抑制することができる。また、上記割合が90%以下であることにより、上述した表層ゴム20の厚さの範囲内で、表層ゴム20の材料を過剰に用いることなく、表面のクラックの発生を抑制することができる。同様の観点から、溝底10aに配置された表層ゴム20の厚さtに対する、溝壁に配置された表層ゴム20の厚さtの割合((t/t)×100)は、30%以上であることがより好ましく、また、70%以下であることがより好ましい。
なお、溝部10の表面への表層ゴム20の配置は、例えば、所定の組成のゴム組成物からなるゴムシートをトレッド部4の表面に積層し、このゴムシートの上からトレッド部4に対し、所定のモールドで又は刻み込みを入れて溝部10を形成することにより、達成することができる。この方法においては、ゴムシートの上から所定のモールドで又は刻み込みを入れて溝部10を形成する際に生じるせん断歪により、溝壁10bの表面上のゴムシートが引き延ばされて薄くなる。よって、この方法によれば、容易に、溝壁10bに配置された表層ゴム20の厚さtを、溝底10aに配置された表層ゴム20の厚さtよりも小さくすることができる。
そして、上記の方法によれば、上述した、溝底10aに配置された表層ゴム20の厚さtに対する、溝壁10bに配置された表層ゴム20の厚さtの割合は、例えば、トレッド部4に形成する溝部10の深さを調整したり、トレッド部4の表面に積層するゴムシートの厚さを調整したりすることで、調節することができる。
また、図1に示されるように、本実施形態のタイヤは、特に制限されることなく、バットレス部5の表面の少なくとも一部、及び、トレッド部4の溝部10以外の表面の少なくとも一部にも、溝部10に配置されるものと同種の表層ゴム20が配置されている。そして、バットレス部5の表面に配置された表層ゴム20の厚さtは、溝部10以外のトレッド部4の表面に配置された表層ゴム20の厚さtよりも大きい。このように、バットレス部5の表面、及び、トレッド部4の溝部10以外の表面にも表層ゴム20を配置することで、これら表面のクラックの発生を抑制することができる。また、バットレス部5は、非接地面を含み、経年劣化により表面のクラックが発生し易い箇所であるため、表層ゴム20をトレッド部4よりも厚くバットレス部5の表面に配置することで、バットレス部5と、トレッド部4とにおけるクラックの発生を効果的に抑制することができる。
ここで、本明細書において、タイヤの「バットレス部の表面」とは、当該タイヤの接地表面の幅のタイヤ軸方向外側の端部よりペリフェリに沿って5mmだけセンター側の位置から、サイドウォール部のプロファイルとの接続部(繋ぎ目)までの部位を指すものとする。また、タイヤの「接地表面の幅」とは、当該タイヤのサイズにおけるJATMAで規定されるタイヤの測定条件(タイヤを適用リムに装着し、乗用車用タイヤの場合は内圧180kPa、室温(15〜30℃)で24時間放置した後、再度元の内圧に調整し、静的負荷半径計測条件にする(そのタイヤの最大負荷能力の88%に相当する質量を負荷する))で測定される接地表面の幅を指すものとする。
また、本明細書において、タイヤの「トレッド部の表面」とは、「バットレス部の表面」を除く、当該タイヤの接地表面を指すものとする。
更に、「溝部10以外のトレッド部4の表面に配置された表層ゴム20の厚さt」は、表層ゴム20が配置された溝部10以外のトレッド部4における、平坦な部分での表層ゴム20の厚さの平均値であり、「バットレス部5の表面に配置された表層ゴム20の厚さt」は、表層ゴム20が配置されたバットレス部5における、平坦な部分での表層ゴム20の厚さの平均値である。
ここで、溝部10以外のトレッド部4の表面に配置された表層ゴム20の厚さtに対する、バットレス部5の表面に配置された表層ゴム20の厚さtの割合((t/t)×100)は、150%以上であることが好ましく、また、500%以下であることが好ましい。上記割合が150%以上であることにより、当該タイヤ100を備える車の使用において、バットレス部5の接地面の表層ゴム20が摩滅するのを防ぎ、経年劣化による表面クラックの発生の抑制効果を長期的にもたらすことができる。また、上記割合が500%以下であることにより、主な接地面ではないバットレス部5が、タイヤ100の転がり抵抗性能やウェットブレーキ性能等に悪影響を及ぼすことを抑制できる。同様の観点から、溝部10以外のトレッド部4の表面に配置された表層ゴム20の厚さtに対する、バットレス部5の表面に配置された表層ゴム20の厚さtの割合((t/t)×100)は、200%以上であることがより好ましく、また、400%以下であることがより好ましい。
なお、バットレス部5の表面への表層ゴム20の配置は、例えば、所定の組成のゴム組成物からなるゴムシートをバットレス部5の表面に積層することにより、達成することができる。そして、上述した、溝部10以外のトレッド部4の表面に配置された表層ゴム20の厚さtに対する、バットレス部5の表面に配置された表層ゴム20の厚さtの割合は、例えば、トレッド部4の表面に積層するゴムシートの厚さ及びバットレス部5の表面に積層するゴムシートの厚さをそれぞれ調整することで、調節することができる。
また、バットレス部5に配置された表層ゴムの厚さ20は、特に制限されず、10μm以上800μm以下であることが好ましい。
ここで、溝部10の表面に配置される表層ゴム20は、下式(1):
E’≦3.7×A−13.5 ・・・(1)
[式中、E’は、30℃、50Hzで測定される貯蔵弾性率(MPa)であり、Aは、含有成分中の非ジエン系ゴムの割合(質量%)である]を満たす。本発明者らは、様々な条件での実験を重ね、鋭意検討した結果、驚くべきことに、上式(1)を満たすゴムが、所定の厚さ条件の下でタイヤ表面に配置することにより、タイヤの経年劣化による表面クラックの発生を効果的に抑制することができることを見出した。なお、この理由は、明らかではないが、非ジエン系ゴムの割合の増加にともない、貯蔵弾性率が増加して応力が増加するため、上式(1)を満たすように貯蔵弾性率を設定することで、クラックの発生を抑制することができると考えられる。なお、従来技術に示されるような、上式(1)を満たさないゴムを表層ゴムとして用いた場合には、厚さの適正化を図ったとしても、クラックの発生を十分に抑制することができない。
ここで、上式(1)におけるE’、即ち貯蔵弾性率は、未加硫時の表層ゴムの貯蔵弾性率である。
次に、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。
常法に従って、トレッド部及びバットレス部(溝部は未形成)を備える供試タイヤ前駆体を準備した。なお、この供試タイヤ前駆体のトレッド部及びバットレス部用のゴムとしては、いずれも、後述する表層ゴムとは組成が異なるものを用いた。
また、表1〜2に示す処方(単位:質量部)にて、常法に従ってゴム組成物を調製した。このゴム組成物から、ロールを用いて所定の厚さ、幅及び長さに切断したゴムシートを得、このゴムシートを、上述した供試タイヤ前駆体のトレッド部及びバットレス部の表面にそれぞれ積層した(なお、比較例1では、ゴムシートを積層していない)。そして、所定のモールドで、ゴムシートの上からトレッド部及びバットレス部に対して刻み込みを入れることにより、表面に表層ゴムが配置されたタイヤ周方向の溝部をトレッド部に形成し、表面に表層ゴムが配置された飾り溝をバットレス部に形成した(なお、比較例1では、表層ゴムを配置していない)。次いで、加硫を行い、タイヤ(乗用車用、195/65R15)を製造した。
このようにして形成した溝部の、最も細い部分の幅、溝底の表層ゴムの厚さ、溝壁の表層ゴムの厚さ/溝底の表層ゴムの厚さを、タイヤ断面を拡大鏡で観察することにより測定した。また、上述のゴム組成物に関し、スペクトロメーターを用いて、周波数50Hzの条件下で、30℃における貯蔵弾性率(E’)を測定した。これらの結果を表1〜2に示す。
そして、製造したタイヤについて、以下の手順により、耐クラック性及び転がり抵抗性能を評価した。
(耐クラック性)
製造したタイヤを、6J−15のリムに組み付け、車両で規定される内圧にて装着し、3年間に相当する走行を行った。その後、トレッド部にある1つの溝部について、単位長さ当たりに生じたクラックの数を求めた。そして、比較例1におけるクラックの数を100として指数評価した。指数値が小さいほど、耐クラック性能に優れていることを示す。
(転がり抵抗性能)
製造したタイヤを、標準リムに組み付け、内圧を210kPaに調整した後、直径1.7mの鉄板表面を持つドラム試験機(速度:80km/h)を用いて、車軸の転がり抵抗力を測定した。なお、この転がり抵抗力の測定は、ISO18164に準拠し、スムースドラム、フォース式にて行った。そして、比較例1における転がり抵抗力を100として指数評価した。指数値が小さいほど、転がり抵抗性能に優れていることを示す。
ここで、本発明においては、経年劣化による表面クラックの発生の抑制が第一優先の課題であるため、表層ゴムを配置することによるある程度の転がり抵抗の悪化は、やむを得ない。そして、表層ゴムを配置することによる転がり抵抗の悪化の程度は、表層ゴムを配置しない例との対比として、10%未満であれば、許容される。10%以上の悪化は、商品性のレベル低下となるため、許容されない。
Figure 2018030546
Figure 2018030546
*1 ブタジエンゴム・・・宇部興産株式会社製「UBEPOL150L」
*2 スチレン−ブタジエンゴム・・・JSR株式会社製「E−SBR 0122」
*3 EPDM・・・JSR株式会社社製「EP35」
*4 ブチルゴム・・・日本ブチル株式会社製「CHLOROBUTYL 1066」
*5 カーボンブラック・・・東海カーボン株式会社製「シースト 7HM」
*6 シリカ・・・東ソーシリカ株式会社製「ニプシールVN3」
*7 樹脂・・・日本ゼオン株式会社製「Quintone G100B」
*8 老化防止剤・・・大内新興化学株式会社製「アンチゲン6C」
*9 シランカップリング剤・・・ビス(3−エトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*10 加硫促進剤・・・三新化学工業株式会社製「サンセラーCM−G」
表1〜2の結果から、式(1)を満たす表層ゴムがトレッド部の溝部の表面に配置され、この溝部の表面に配置された表層ゴムの厚さが10μm以上800μm以下であり、且つ、溝底よりも溝壁に配置された表層ゴムの方が薄い、実施例に係るタイヤは、経年劣化による表面のクラックの発生が抑制されているとともに、転がり抵抗性能も十分に保持されていることが分かる。
本発明によれば、転がり抵抗性能を大幅に損なうことなく、経年劣化による表面のクラックの発生を抑制することができるタイヤを提供することができる。
100 タイヤ
1 ビード部
2 ビードコア
3 カーカス
4 トレッド部
5 バットレス部
6 サイドウォール部
7 ベルト
10 溝部
10a 溝底
10b 溝壁
20 表層ゴム

Claims (5)

  1. トレッド部に溝部を有するタイヤであって、
    前記溝部の表面に、トレッドゴムとは異なる組成の表層ゴムが配置されており、
    前記表層ゴムは、下式(1):
    E’≦3.7×A−13.5 ・・・(1)
    [式中、E’は、30℃、50Hzで測定される貯蔵弾性率(MPa)であり、Aは、含有成分中の非ジエン系ゴムの割合(質量%)である]を満たし、
    前記溝部の表面に配置された表層ゴムは、厚さが10μm以上800μm以下であり、且つ、
    前記溝部の溝壁に配置された表層ゴムの厚さが、前記溝部の溝底に配置された表層ゴムの厚さよりも小さい、ことを特徴とするタイヤ。
  2. 前記溝底に配置された表層ゴムの厚さに対する、前記溝壁に配置された表層ゴムの厚さの割合が、10%以上90%以下である、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記トレッド部の両端に位置する一対のバットレス部の表面、及び、前記トレッド部の溝部以外の表面にも、前記表層ゴムが配置されており、前記バットレス部に配置された表層ゴムの厚さが、前記溝部以外のトレッド部に配置された表層ゴムの厚さよりも大きい、請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 前記溝部以外のトレッド部の表面に配置された表層ゴムの厚さに対する、前記バットレス部の表面に配置された表層ゴムの厚さの割合が、150%以上500%以下である、請求項3に記載のタイヤ。
  5. 前記表層ゴムが配置された溝部は、最も細い部分の幅が0.5mm以上5mm以下である、タイヤ周方向の成分を含む細溝部を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ。
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