JP2018029192A - 発光素子、発光装置、電子機器および照明装置 - Google Patents

発光素子、発光装置、電子機器および照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】発光素子において、発光層の発光物質を分散させるホスト材料として用いること
のできる新規複素環化合物を提供する。
【解決手段】一般式(G1)で表される複素環化合物を提供する。R〜R10は、いず
れか一が一般式(G1−1)で表される置換基を表し、他のいずれか一が一般式(G1−
2)で表される置換基を表し、その他はそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル
基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表す。
また、α及びαは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニレン基、又は置換
もしくは無置換のビフェニルジイル基を表し、A及びAは、それぞれ独立に、置換も
しくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置
換もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表す。

【選択図】なし

Description

本発明は、複素環化合物、発光素子、発光装置、電子機器、及び照明装置に関する。
近年、エレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)
を利用した発光素子の研究開発が盛んに行われている。これら発光素子の基本的な構成は
、一対の電極間に発光物質を含む層を挟んだものである。この素子に電圧を印加すること
により、発光物質からの発光を得ることができる。
このような発光素子は自発光型であるため、液晶ディスプレイに比べ画素の視認性が高く
、バックライトが不要である等の利点があり、フラットパネルディスプレイ素子として好
適であると考えられている。また、このような発光素子は、薄型軽量に作製できることも
大きな利点である。さらに非常に応答速度が速いことも特徴の一つである。
これらの発光素子は膜状に形成することが可能であるため、面状に発光を得ることができ
る。よって、大面積の素子を容易に形成することができる。このことは、白熱電球やLE
Dに代表される点光源、あるいは蛍光灯に代表される線光源では得難い特色であるため、
照明等に応用できる面光源としての利用価値も高い。
そのエレクトロルミネッセンスを利用した発光素子は、発光物質が有機化合物であるか、
無機化合物であるかによって大別できる。発光物質に有機化合物を用い、一対の電極間に
当該有機化合物を含む層を設けた有機EL素子の場合、発光素子に電圧を印加することに
より、陰極から電子が、陽極から正孔(ホール)がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層
に注入され、電流が流れる。そして、注入した電子及び正孔が発光性の有機化合物を励起
状態に至らしめ、励起された発光性の有機化合物から発光を得るものである。
有機化合物が形成する励起状態の種類としては、一重項励起状態と三重項励起状態が可能
であり、一重項励起状態(S)からの発光が蛍光、三重項励起状態(T)からの発光
が燐光と呼ばれている。また、発光素子におけるその統計的な生成比率は、S:T
1:3であると考えられている。
一重項励起状態を発光に変換する化合物(以下、蛍光性化合物と称す)では室温において
、三重項励起状態からの発光(燐光)は観測されず、一重項励起状態からの発光(蛍光)
のみが観測される。したがって、蛍光性化合物を用いた発光素子における内部量子効率(
注入したキャリアに対して発生するフォトンの割合)の理論的限界は、S:T=1:
3であることを根拠に25%とされている。
一方、三重項励起状態を発光に変換する化合物(以下、燐光性化合物と称す)を用いれば
、三重項励起状態からの発光(燐光)が観測される。また、燐光性化合物は項間交差(一
重項励起状態から三重項励起状態へ移ること)が起こりやすいため、内部量子効率は10
0%まで理論上は可能となる。つまり、蛍光性化合物より高い発光効率が実現可能となる
。このような理由から、高効率な発光素子を実現するために、燐光性化合物を用いた発光
素子の開発が近年盛んに行われている。
上述した燐光性化合物を用いて発光素子の発光層を形成する場合、燐光性化合物の濃度消
光や三重項−三重項消滅による消光を抑制するために、他の化合物からなるマトリクス中
に該燐光性化合物が分散するようにして形成することが多い。この時、マトリクスとなる
化合物はホスト材料、燐光性化合物のようにマトリクス中に分散される化合物はゲスト材
料と呼ばれる。
燐光性化合物をゲスト材料とする場合、ホスト材料に必要とされる性質は、該燐光性化合
物よりも大きな三重項励起エネルギー(基底状態と三重項励起状態とのエネルギー差)を
有することである。
また、一重項励起エネルギー(基底状態と一重項励起状態とのエネルギー差)は三重項励
起エネルギーよりも大きいため、大きな三重項励起エネルギーを有する物質は大きな一重
項励起エネルギーをも有する。したがって、上述したような大きな三重項励起エネルギー
を有する物質は、蛍光性化合物を発光物質(ゲスト材料)として用いた発光素子において
も有益である。
燐光性化合物をゲスト材料とする場合のホスト材料の一例として、ジベンゾ[f,h]キ
ノキサリン環を有する化合物の研究がなされている(例えば、特許文献1〜2)。
国際公開第03/058667号 特開2007−189001号公報
上記ジベンゾ[f,h]キノキサリン環を有する化合物は、平面的な構造を有しているた
め、結晶化しやすい。結晶化しやすい化合物を用いた発光素子は寿命が短い。しかし、立
体的に嵩高い構造の化合物とするために、ジベンゾ[f,h]キノキサリン環に他の骨格
を直接結合させると、共役系が広がり、三重項励起エネルギーの低下を引き起こす場合が
ある。
また、低消費電力で信頼性の高い発光装置、電子機器、及び照明装置を実現するために、
駆動電圧が低い発光素子、発光効率の高い発光素子、又は長寿命の発光素子が求められて
いる。
よって、本発明の一態様は、発光素子において、発光層の発光物質を分散させるホスト材
料として用いることのできる新規複素環化合物を提供することを目的とする。特に、燐光
性化合物を発光物質に用いる場合のホスト材料として好適に用いることのできる新規複素
環化合物を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、駆動電圧が低い発光素子を提供することを目的とする。また、本発明
の一態様は、発光効率が高い発光素子を提供することを目的とする。また、本発明の一態
様は、長寿命な発光素子を提供することを目的とする。本発明の一態様は、この発光素子
を用いることにより、消費電力の低減された発光装置、電子機器、及び照明装置を提供す
ることを目的とする。
本発明の一態様は、2つのキャリア輸送骨格が、それぞれアリーレン基を介してジベンゾ
[f,h]キノキサリン環と結合した化合物である。また、本発明の一態様は、2つのキ
ャリア輸送骨格が、それぞれアリーレン基を介してジベンゾ[f,h]キノキサリン環と
結合した化合物を用いた発光素子である。
該キャリア輸送骨格としては、π電子過剰系ヘテロ芳香環が挙げられる。該π電子過剰系
ヘテロ芳香環としては、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、又はジベンゾチオフェン環
が挙げられる。
キノキサリン骨格を有する化合物は、電子輸送性が高く、発光素子に用いることで駆動電
圧の低い素子を実現できる。本発明の一態様の化合物は、ジベンゾ[f,h]キノキサリ
ン環と、さらに2つのキャリア輸送骨格を有するため、キャリアを受け取ることが容易と
なる。したがって、該化合物を発光層のホスト材料に用いることで、電子と正孔の再結合
が確実に発光層内で行われ、発光素子の寿命の低下を抑制することができ、長寿命な素子
を実現できる。
その上、該化合物は、ジベンゾ[f,h]キノキサリン環とキャリア輸送骨格とが、フェ
ニレン基やビフェニルジイル基など六員環で構成されるアリーレン基を介して結合してい
るため、直接結合する場合に比べて共役が広がりにくい。このことより、HOMO準位(
最高被占分子軌道準位)とLUMO準位(最低空分子軌道準位)間のバンドギャップの狭
幅化、三重項励起エネルギーの準位(T1準位)や一重項励起エネルギーの準位(S1準
位)の低下を防ぐことができる。よって、発光層の発光物質を分散させるホスト材料とし
て好適に用いることができる。特に、燐光性化合物を発光物質に用いる場合のホスト材料
として好適に用いることができる。また、発光素子に用いることで、発光効率が高い素子
を実現できる。
また、ジベンゾ[f,h]キノキサリン環とキャリア輸送骨格とが、アリーレン基を介し
て結合していることから、立体的な構造をとりやすいため、膜が結晶化しにくく、スタッ
キングによるT1準位やS1準位の低下を抑制することができる。このことからも、HO
MO準位とLUMO準位間のバンドギャップの狭幅化、T1準位やS1準位の低下を防ぐ
ことができる。そのため、発光素子に用いることで発光効率が高い素子を実現できる。
本発明の一態様は、下記一般式(G1)で表される複素環化合物である。
一般式(G1)中、R〜R10は、いずれか一が一般式(G1−1)で表される置換基
を表し、他のいずれか一が一般式(G1−2)で表される置換基を表し、その他はそれぞ
れ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置
換もしくは無置換のビフェニル基を表す。また、一般式(G1−1)中のα及び一般式
(G1−2)中のαは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニレン基、又は置
換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表し、一般式(G1−1)中のA及び一般式
(G1−2)中のAは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換
もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル
基を表す。
また、本発明の一態様では、α及びαにおいて、フェニレン基又はビフェニルジイル
基が置換基を有する場合、該置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは
無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のビフェニル基、置換もしくは無置換のカルバ
ゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジ
ベンゾフラニル基を有する。さらに、該フェニル基、該ビフェニル基、該カルバゾリル基
、該ジベンゾチオフェニル基、又は該ジベンゾフラニル基が置換基を有する場合、該置換
基としては、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、又はビフェニル基を有する。
また、本発明の一態様では、A及びAにおいて、カルバゾリル基、ジベンゾチオフェ
ニル基、又はジベンゾフラニル基が置換基を有する場合、該置換基としては、炭素数1〜
6のアルキル基、フェニル基、又はビフェニル基を有する。
また、本発明の一態様では、R〜R10のいずれかが、フェニル基、又はビフェニル基
を表す場合、該フェニル基又は該ビフェニル基は、置換基として、炭素数1〜6のアルキ
ル基を有していても良い。
本発明の一態様は、下記一般式(G2−1)で表される複素環化合物である。
一般式(G2−1)中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアル
キル基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表
し、α及びαは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニレン基、又は置換も
しくは無置換のビフェニルジイル基を表し、A及びAは、それぞれ独立に、置換もし
くは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換
もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表す。
また、一般式(G2−1)中、R11〜R18のいずれかが、フェニル基又はビフェニル
基を表す場合、該フェニル基又は該ビフェニル基は、置換基として、炭素数1〜6のアル
キル基を有していても良い。
本発明の一態様は、下記一般式(G2−2)で表される複素環化合物である。
一般式(G2−2)中、R21〜R28は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアル
キル基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表
し、α及びαは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニレン基、又は置換も
しくは無置換のビフェニルジイル基を表し、A及びAは、それぞれ独立に、置換もし
くは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換
もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表す。
また、一般式(G2−2)中、R21〜R28のいずれかが、フェニル基又はビフェニル
基を表す場合、該フェニル基又は該ビフェニル基は、置換基として、炭素数1〜6のアル
キル基を有していても良い。
一般式(G1−1)中のα、一般式(G1−2)中のα、並びに、一般式(G2−1
)中及び一般式(G2−2)中のα及びαは、それぞれ独立に、一般式(α−1)又
は一般式(α−2)で表されることが好ましい。
一般式(α−1)中のR31〜R34及び一般式(α−2)中のR41〜R48は、それ
ぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換
もしくは無置換のビフェニル基、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無
置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表す。
また、一般式(α−1)中のR31〜R34及び一般式(α−2)中のR41〜R48
いずれかが、フェニル基、ビフェニル基、カルバゾリル基、ジベンゾチオフェニル基、又
はジベンゾフラニル基を表す場合、該フェニル基、該ビフェニル基、該カルバゾリル基、
該ジベンゾチオフェニル基、又は該ジベンゾフラニル基は、置換基として、炭素数1〜6
のアルキル基、フェニル基、又はビフェニル基を有していても良い。
一般式(G1−1)中のA、一般式(G1−2)中のA、並びに、一般式(G2−1
)中及び一般式(G2−2)中のA及びAは、それぞれ独立に、一般式(1−1)乃
至一般式(1−3)のいずれか一で表されることが好ましい。
一般式(1−1)中のR51〜R57、一般式(1−2)中のR61〜R67、及び一般
式(1−3)中のR71〜R78は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基
、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表す。
また、一般式(1−1)中のR51〜R57、一般式(1−2)中のR61〜R67、及
び一般式(1−3)中のR71〜R78のいずれかが、フェニル基又はビフェニル基を表
す場合、該フェニル基又は該ビフェニル基は、置換基として、炭素数1〜6のアルキル基
を有していても良い。
特に、一般式(G1−1)中のA、一般式(G1−2)中のA、並びに、一般式(G
2−1)中及び一般式(G2−2)中のA及びAは、一般式(1−1)で表されるこ
とが好ましい。
一般式(1−1)中、R51〜R57は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキ
ル基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表す
特に、一般式(G1−1)中のA、一般式(G1−2)中のA、並びに、一般式(G
2−1)中及び一般式(G2−2)中のA及びAは、一般式(1−2)で表されるこ
とが好ましい。
一般式(1−2)中、R61〜R67は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキ
ル基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表す
特に、一般式(G1−1)中のA、一般式(G1−2)中のA、並びに、一般式(G
2−1)中及び一般式(G2−2)中のA及びAは、一般式(1−3)で表されるこ
とが好ましい。
一般式(1−3)中、R71〜R78は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキ
ル基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表す
また、本発明の一態様は、上記複素環化合物を含む発光素子である。特に、陽極及び陰極
間に発光層を有する発光素子において、該発光層が、発光物質と、本発明の一態様の複素
環化合物とを含む構成が好ましい。
また、陽極及び陰極間に発光層を有する発光素子において、該発光層が、発光物質と、電
子輸送性化合物と、正孔輸送性化合物と、を含み、該電子輸送性化合物は、本発明の一態
様の複素環化合物であり、該正孔輸送性化合物は、該電子輸送性化合物よりも正孔輸送性
が高く、カルバゾール骨格、トリアリールアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、又はジ
ベンゾフラン骨格を有することが好ましい。
さらに、このとき、発光層の陽極側に接する層が、該発光層に含まれる正孔輸送性化合物
を含むことが好ましい。
また、上記発光素子において、発光層の陰極側に接する層が、本発明の一態様の複素環化
合物を含むことが好ましい。
また、本発明の一態様は、上記発光素子を発光部に備える発光装置である。また、本発明
の一態様は、該発光装置を表示部に備える電子機器である。また、本発明の一態様は、該
発光装置を発光部に備える照明装置である。
本発明の一態様の複素環化合物を用いた発光素子は、駆動電圧が低い、発光効率が高い、
又は長寿命であるため、消費電力の低い発光装置を実現することができる。同様に、本発
明の一態様を適用することで、消費電力の低い電子機器及び照明装置を実現することがで
きる。
なお、本明細書中における発光装置とは、発光素子を用いた画像表示デバイスを含む。ま
た、発光素子にコネクター、例えば異方導電性フィルム、TAB(Tape Autom
ated Bonding)テープ、もしくはTCP(Tape Carrier Pa
ckage)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板
が設けられたモジュール、又は発光素子にCOG(Chip On Glass)方式に
よりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする。さ
らに、照明器具等に用いられる発光装置も含むものとする。
本発明の一態様は、発光素子において、発光層の発光物質を分散させるホスト材料として
用いることのできる新規複素環化合物を提供できる。本発明の一態様は、駆動電圧が低い
発光素子を提供できる。また、本発明の一態様は、発光効率が高い発光素子を提供できる
。また、本発明の一態様は、長寿命な発光素子を提供できる。本発明の一態様は、該発光
素子を用いることにより、消費電力の低減された発光装置、電子機器、及び照明装置を提
供できる。
本発明の一態様の発光素子を説明する図。 本発明の一態様の発光素子を説明する図。 本発明の一態様の発光装置を説明する図。 本発明の一態様の発光装置を説明する図。 本発明の一態様の電子機器を説明する図。 本発明の一態様の液晶表示装置を説明する図。 本発明の一態様の照明装置を説明する図。 本発明の一態様の照明装置を説明する図。 本発明の一態様の電子機器を説明する図。 6,11−ビス[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f、h]キノキサリン(略称:6,11mDBTPDBq−II)のH NMRチャートを示す図。 6,11mDBTPDBq−IIのトルエン溶液の吸収スペクトル及び発光スペクトルを示す図。 6,11mDBTPDBq−IIの薄膜の吸収スペクトル及び発光スペクトルを示す図。 実施例の発光素子を説明する図。 実施例2の発光素子の輝度−電流効率特性を示す図。 実施例2の発光素子の電圧−電流特性を示す図。 実施例2の発光素子の輝度−色度座標特性を示す図。 実施例2の発光素子の輝度−パワー効率特性を示す図。 実施例2の発光素子の発光スペクトルを示す図。 実施例2の発光素子の信頼性試験の結果を示す図。 6,11−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6,11mCzP2DBq)のH NMRチャートを示す図。 6,11mCzP2DBqのトルエン溶液の吸収スペクトル及び発光スペクトルを示す図。 6,11mCzP2DBqの薄膜の吸収スペクトル及び発光スペクトルを示す図。 7,10−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7,10mCzP2DBq)のH NMRチャートを示す図。 7,10mCzP2DBqのトルエン溶液の吸収スペクトル及び発光スペクトルを示す図。 7,10mCzP2DBqの薄膜の吸収スペクトル及び発光スペクトルを示す図。 実施例5の発光素子の輝度−電流効率特性を示す図。 実施例5の発光素子の輝度−色度座標特性を示す図。 実施例5の発光素子の発光スペクトルを示す図。 実施例6の発光素子の輝度−色度座標特性を示す図。 実施例6の発光素子の発光スペクトルを示す図。 6,11mCzP2DBqのLC/MS分析の結果を示す図。 7,10mCzP2DBqのLC/MS分析の結果を示す図。
以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の
説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を
様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す
実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の複素環化合物について説明する。
本発明の一態様は、一般式(G1)で表される複素環化合物である。
一般式(G1)中、R〜R10は、いずれか一が一般式(G1−1)で表される置換基
を表し、他のいずれか一が一般式(G1−2)で表される置換基を表し、その他はそれぞ
れ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置
換もしくは無置換のビフェニル基を表す。また、一般式(G1−1)中のα及び一般式
(G1−2)中のαは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニレン基、又は置
換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表し、一般式(G1−1)中のA及び一般式
(G1−2)中のAは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換
もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル
基を表す。
また、一般式(G1−1)中のα及び一般式(G1−2)中のαにおいて、フェニレ
ン基又はビフェニルジイル基が置換基を有する場合、該置換基としては、炭素数1〜6の
アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のビフェニル基、置
換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又
は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基を有する。さらに、該フェニル基、該ビフェ
ニル基、該カルバゾリル基、該ジベンゾチオフェニル基、又は該ジベンゾフラニル基が置
換基を有する場合、該置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、又はビ
フェニル基を有する。
また、一般式(G1−1)中のA及び一般式(G1−2)中のAにおいて、カルバゾ
リル基、ジベンゾチオフェニル基、又はジベンゾフラニル基が置換基を有する場合、該置
換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、又はビフェニル基を有する。
また、一般式(G1)中のR〜R10のいずれかが、フェニル基、又はビフェニル基を
表す場合、該フェニル基又は該ビフェニル基は、置換基として、炭素数1〜6のアルキル
基を有していても良い。
一般式(G1)で表される複素環化合物において、特に、下記一般式(G2−1)及び一
般式(G2−2)で表される複素環化合物は、合成が容易であるため、好ましい。
すなわち、本発明の一態様は、一般式(G2−1)で表される複素環化合物である。一般
式(G2−1)で表される複素環化合物のように、ジベンゾ[f,h]キノキサリン環の
7位及び10位に置換基(具体的には、7位又は10位の一方に、上述の一般式(G1−
1)で表される置換基、他方に、上述の一般式(G1−2)で表される置換基)が結合し
ていると、立体的になるため、アモルファス性がより向上し、好ましい。
一般式(G2−1)中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアル
キル基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表
し、α及びαは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニレン基、又は置換も
しくは無置換のビフェニルジイル基を表し、A及びAは、それぞれ独立に、置換もし
くは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換
もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表す。
また、一般式(G2−1)中、R11〜R18のいずれかが、フェニル基又はビフェニル
基を表す場合、該フェニル基又は該ビフェニル基は、置換基として、炭素数1〜6のアル
キル基を有していても良い。
また、本発明の一態様は、一般式(G2−2)で表される複素環化合物である。
一般式(G2−2)中、R21〜R28は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアル
キル基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表
し、α及びαは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニレン基、又は置換も
しくは無置換のビフェニルジイル基を表し、A及びAは、それぞれ独立に、置換もし
くは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換
もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表す。
また、一般式(G2−2)中、R21〜R28のいずれかが、フェニル基又はビフェニル
基を表す場合、該フェニル基又は該ビフェニル基は、置換基として、炭素数1〜6のアル
キル基を有していても良い。
一般式(G1−1)中のα、一般式(G1−2)中のα、並びに、一般式(G2−1
)中及び一般式(G2−2)中のα及びαにおいて、ベンゼン骨格がパラ置換の場合
、キャリア輸送性が向上し、好ましい。
また、一般式(G1−1)中のα、一般式(G1−2)中のα、並びに、一般式(G
2−1)中及び一般式(G2−2)中のα及びαにおいて、ベンゼン骨格がメタ置換
の場合、ベンゼン骨格で連結された置換基(ジベンゾ[f,h]キノキサリン環とキャリ
ア輸送骨格)同士で共役が広がりづらく、高いT1準位、高いS1準位、又は広いHOM
O準位とLUMO準位間のバンドギャップを有するため、好ましい。
よって、一般式(G1−1)中のα、一般式(G1−2)中のα、並びに、一般式(
G2−1)中及び一般式(G2−2)中のα及びαは、それぞれ独立に、一般式(α
−1)又は一般式(α−2)で表されることが好ましい。
一般式(α−1)中のR31〜R34及び一般式(α−2)中のR41〜R48は、それ
ぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換
もしくは無置換のビフェニル基、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無
置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表す。
また、一般式(α−1)中のR31〜R34及び一般式(α−2)中のR41〜R48
いずれかが、フェニル基、ビフェニル基、カルバゾリル基、ジベンゾチオフェニル基、又
はジベンゾフラニル基を表す場合、該フェニル基、該ビフェニル基、該カルバゾリル基、
該ジベンゾチオフェニル基、又は該ジベンゾフラニル基は、置換基として、炭素数1〜6
のアルキル基、フェニル基、又はビフェニル基を有していても良い。
一般式(G1−1)中のA、一般式(G1−2)中のA、並びに、一般式(G2−1
)中及び一般式(G2−2)中のA及びAは、それぞれ独立に、一般式(1−1)乃
至一般式(1−3)のいずれか一で表されることが好ましい。
一般式(1−1)乃至一般式(1−3)中、R51〜R57、R61〜R67、及びR
〜R78は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換
のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表す。
一般式(1−1)乃至一般式(1−3)のように、A又はAが、ジベンゾチオフェン
骨格の4位、ジベンゾフラン骨格の4位、又はカルバゾール骨格の9位を介してα又は
αと結合している場合、他の置換位置を介して結合するよりも共役が広がりづらく、好
ましい。またこれら置換位置の構成を適用すると、本発明の一態様の複素環化合物の合成
が容易であり、好ましい。特に一般式(1−1)又は一般式(1−2)の構成を適用した
本発明の一態様の複素環化合物は電気化学的に安定であり、好ましい。特に一般式(1−
3)の構成を適用した本発明の一態様の複素環化合物はホール輸送性が良好であり、好ま
しい。
特に、一般式(G1−1)中のA及び一般式(G1−2)中のAが、同一の構造であ
ると、合成が容易なため、好ましい。したがって、一般式(G1−1)中のA及び一般
式(G1−2)中のAが、下記一般式(1−1)で表されることが好ましい。
また、一般式(G2−1)及び一般式(G2−2)において、A及びAが、同一の構
造であると、合成が容易なため、好ましい。したがって、一般式(G2−1)及び一般式
(G2−2)において、A及びAが、下記一般式(1−1)で表されることが好まし
い。
一般式(1−1)中、R51〜R57は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキ
ル基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表す
又は、一般式(G1−1)中のA及び一般式(G1−2)中のAが、一般式(1−2
)で表されることが好ましい。また、一般式(G2−1)及び一般式(G2−2)におい
て、A及びAが、一般式(1−2)で表されることが好ましい。
一般式(1−2)中、R61〜R67は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキ
ル基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表す
又は、一般式(G1−1)中のA及び一般式(G1−2)中のAが、一般式(1−3
)で表されることが好ましい。また、一般式(G2−1)及び一般式(G2−2)におい
て、A及びAが、一般式(1−3)で表されることが好ましい。
一般式(1−3)中、R71〜R78は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキ
ル基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表す
上記に挙げた各一般式において、R〜R18、R21〜R28、R51〜R57、R
〜R67、及びR71〜R78は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基
、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表す。R
〜R18、R21〜R28、R51〜R57、R61〜R67、及びR71〜R78
具体的な構造としては、例えば、構造式(2−1)〜構造式(2−17)に示す置換基が
挙げられる。
上記に挙げた各一般式において、R31〜R34及びR41〜R48は、それぞれ独立に
、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無
置換のビフェニル基、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベ
ンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表す。R31〜R
34及びR41〜R48の具体的な構造としては、例えば、構造式(2−1)〜構造式(
2−20)に示す置換基が挙げられる。
上記に挙げた各一般式において、α及びαは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換
のフェニレン基、又は置換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表す。該フェニレン基
及び該ビフェニルジイル基は、置換基として、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは
無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のビフェニル基、置換もしくは無置換のカルバ
ゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジ
ベンゾフラニル基を有していても良い。
α及びαに含まれるフェニレン基が全て、メタ置換である本発明の一態様の複素環化
合物は高いT1準位を有するため、好ましい。α及びαに含まれるフェニレン基が全
て、パラ置換である本発明の一態様の複素環化合物は、発光素子に用いることで、駆動電
圧の低い素子を実現できるため、好ましい。
α及びαの具体的な構造の一例を、構造式(3−1)〜構造式(3−9)に示す。
一般式(G1)に示される複素環化合物の具体例としては、構造式(100)〜構造式(
116)、構造式(120)〜構造式(123)、構造式(130)〜構造式(143)
、及び構造式(150)〜構造式(153)に示される複素環化合物を挙げることができ
る。但し、本発明はこれらに限定されない。
本発明の一態様の複素環化合物の合成方法としては種々の反応を適用することができる。
例えば、以下に示す合成反応を行うことによって、一般式(G1)で表される本発明の一
態様の複素環化合物を合成することができる。なお、本発明の一態様である複素環化合物
の合成方法は、以下の合成方法に限定されない。
≪一般式(G1)で表される複素環化合物の合成方法1≫
合成スキーム(A−1)に示すように、ハロゲン化ジベンゾキノキサリン化合物(a1)
とアリールホウ素化合物(a2)と、アリールホウ素化合物(a3)とをカップリングさ
せることで、上記一般式(G1)で表される複素環化合物を合成することができる。合成
スキーム(A−1)を以下に示す。
合成スキーム(A−1)において、α及びαは、それぞれ独立に、置換もしくは無置
換のフェニレン基、又は置換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表し、A及びA
は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベ
ンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表す。B及びB
は、それぞれ独立に、ボロン酸又はジアルコキシボランを表す。
合成スキーム(A−1)において、R81〜R90は、いずれか一が下記一般式(a1−
1)で表される置換基を表し、他のいずれか一が下記一般式(a1−2)で表される置換
基を表し、その他はそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無
置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表す。
合成スキーム(A−1)において、R〜R10は、いずれか一が下記一般式(G1−1
)で表される置換基を表し、他のいずれか一が下記一般式(G1−2)で表される置換基
を表し、その他はそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置
換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表す。
一般式(a1−1)中のX及び一般式(a1−2)中のXは、それぞれ独立に、塩素
、臭素又はヨウ素を表す。X及びXは、反応性の高さから、好ましくは臭素、より好
ましくはヨウ素を表す。一般式(G1−1)中のα及び一般式(G1−2)中のα
、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニレン基、又は置換もしくは無置換のビフ
ェニルジイル基を表し、一般式(G1−1)中のA及び一般式(G1−2)中のA
、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベン
ゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表す。
なお、合成スキーム(A−1)において、αはXが結合していた部位に、αはX
が結合していた部位にそれぞれ結合する。
なお、合成スキーム(A−1)のカップリング反応は様々な反応条件があるが、その一例
として、塩基存在下にて金属触媒を用いた合成方法を適用することができる。
合成スキーム(A−1)において、鈴木・宮浦反応を用いる場合について示す。
金属触媒としてはパラジウム触媒を用いることができ、パラジウム触媒としてはパラジウ
ム錯体とその配位子の混合物を用いることができる。また、パラジウム錯体としては、酢
酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド等が挙げられる。また、配位
子としては、トリ(オルト−トリル)ホスフィンや、トリフェニルホスフィンや、トリシ
クロヘキシルホスフィン等が挙げられる。
また、塩基として用いることができる物質としては、ナトリウム tert−ブトキシド
等の有機塩基や、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基等が挙げられる。
また、当該反応は溶液中で行うことが好ましく、用いる事ができる溶媒としては、アセト
ニトリルと水の混合溶媒、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素溶媒と水の混合溶媒、
トルエンやキシレンとエタノール等のアルコール類と水の3種混合溶媒、1,3−ジメチ
ル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)等の有機極
性溶媒と水の混合溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類と水の混合
溶媒等が挙げられる。
ただし、用いることができる触媒、塩基、溶媒はこれらに限られるものでは無い。
また、合成スキーム(A−1)において、アリールホウ素化合物(a2)の代わりに、ア
リールアルミニウム、アリールジルコニウム、アリール亜鉛、又はアリールスズ等を用い
ても良い。また、反応は窒素やアルゴンなど不活性雰囲気下で行うことが好ましい。また
、電磁波を用いて加熱しても良い。
特に、α及びαが同じ、かつA及びAが同じ場合、上記合成スキーム(A−1)
は、純度や収率良く、上記一般式(G1)で表される複素環化合物を合成できるため、望
ましい合成法である。つまり、α及びαが同じ、かつA及びAが同じ場合は、化
合物(a1)に化合物(a2)と化合物(a3)のいずれかを二等量加えて反応させるこ
とができるため、簡便である。
上記ハロゲン化ジベンゾキノキサリン化合物(a1)において、X及びXの位置は、
ジベンゾ[f,h]キノキサリン環の6,11位又は7,10位が好ましい。この位置で
のハロゲン化物は合成しやすく、好ましい。
以上によって、本実施の形態の複素環化合物を合成することができる。
≪一般式(G1)で表される複素環化合物の合成方法2≫
以下では、一般式(G1)で表される複素環化合物の別の合成方法について説明する。合
成スキーム(B−1)に示すように、ハロゲン化ジベンゾキノキサリン化合物(a4)と
アリールホウ素化合物(a2)とをカップリングさせることで、上記一般式(G1)で表
される複素環化合物を合成することができる。合成スキーム(B−1)を以下に示す。
合成スキーム(B−1)において、αは、置換もしくは無置換のフェニレン基、又は置
換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表し、Aは、置換もしくは無置換のカルバゾ
リル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジベ
ンゾフラニル基を表す。Bは、ボロン酸又はジアルコキシボランを表す。
合成スキーム(B−1)において、R91〜R100は、いずれか一が下記一般式(a4
−1)で表される置換基を表し、他のいずれか一が下記一般式(a4−2)で表される置
換基を表し、その他はそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは
無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表す。
合成スキーム(B−1)において、R〜R10は、いずれか一が下記一般式(G1−1
)で表される置換基を表し、他のいずれか一が下記一般式(G1−2)で表される置換基
を表し、その他はそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置
換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表す。
一般式(a4−1)において、Xは、塩素、臭素又はヨウ素を表す。Xは、反応性の
高さから、好ましくは臭素、より好ましくはヨウ素を表す。一般式(G1−1)中、α
は、置換もしくは無置換のフェニレン基、又は置換もしくは無置換のビフェニルジイル基
を表し、Aは、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾ
チオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表す。一般式(a4−
2)及び一般式(G1−2)中、αは、置換もしくは無置換のフェニレン基、又は置換
もしくは無置換のビフェニルジイル基を表し、Aは、置換もしくは無置換のカルバゾリ
ル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジベン
ゾフラニル基を表す。
なお、合成スキーム(B−1)において、αはXが結合していた部位に結合する。
なお、合成スキーム(B−1)のカップリング反応は様々な反応条件があるが、その一例
として、塩基存在下にて金属触媒を用いた合成方法を適用することができる。
合成スキーム(B−1)において、鈴木・宮浦反応を用いることができる。詳細において
は上記合成スキーム(A−1)を参照できるので、省略する。
このようにαとαとが異なる、及び/又は、AとAとが異なる場合、ジベンゾ[
f,h]キノキサリン環に対して一つずつ置換基を導入する合成スキーム(B−1)は、
純度や収率良く本発明の一態様の複素環化合物を合成できるため、望ましい合成法である
以上によって、本実施の形態の複素環化合物を合成することができる。
本実施の形態の複素環化合物は、広いバンドギャップを有するため、発光素子において、
発光層の発光物質を分散させるホスト材料に用いることで、高い発光効率を得ることがで
きる。特に、燐光性化合物を分散させるホスト材料として好適である。また、本実施の形
態の複素環化合物は、電子輸送性の高い物質であるため、発光素子における電子輸送層の
材料として好適に用いることができる。本実施の形態の複素環化合物を用いることにより
、駆動電圧の低い発光素子を実現することができる。また、発光効率の高い発光素子を実
現することができる。また、長寿命の発光素子を実現することができる。さらに、この発
光素子を用いることで、消費電力の低減された発光装置、電子機器及び照明装置を得るこ
とができる。
また、本実施の形態の複素環化合物は、有機薄膜太陽電池に用いることができる。具体的
には、本発明の一態様の複素環化合物はキャリア輸送性を有するため、キャリア輸送層や
キャリア注入層に用いることができる。また、本発明の一態様の複素環化合物は光励起す
るため、発電層に用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様として、実施の形態1で説明した複素環化合物を用い
た発光素子について図1を用いて説明する。本実施の形態では、該複素環化合物を発光層
に用いた発光素子について説明する。
本実施の形態の発光素子は、一対の電極間に少なくとも発光層を有するEL層を挟持して
形成される。EL層は発光層の他に複数の層を有してもよい。当該複数の層は、電極から
離れたところに発光領域が形成されるように、つまり電極から離れた部位でキャリアの再
結合が行われるように、キャリア注入性の高い物質やキャリア輸送性の高い物質からなる
層を組み合わせて積層されたものである。本明細書では、キャリア注入性の高い物質やキ
ャリア輸送性の高い物質からなる層をキャリアの注入、輸送などの機能を有する、機能層
ともよぶ。機能層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層などを用
いることができる。
図1(A)に示す本実施の形態の発光素子において、第1の電極101及び第2の電極1
03の一対の電極間に発光層113を有するEL層102が設けられている。EL層10
2は、正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注
入層115を有している。図1(A)における発光素子は、基板100上に、第1の電極
101と、第1の電極101の上に順に積層した正孔注入層111、正孔輸送層112、
発光層113、電子輸送層114、電子注入層115と、さらにその上に設けられた第2
の電極103から構成されている。なお、本実施の形態に示す発光素子において、第1の
電極101は陽極として機能し、第2の電極103は陰極として機能する。
基板100は発光素子の支持体として用いられる。基板100としては、例えばガラス、
石英、又はプラスチックなどを用いることができる。また可撓性基板を用いてもよい。可
撓性基板とは、曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカ
ーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォンからなるプラスチック基板等が挙
げられる。また、フィルム(ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩
化ビニル等からなる)、無機蒸着フィルムなどを用いることもできる。なお、発光素子の
支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。
第1の電極101としては、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金
、導電性化合物、及びこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、例えば
、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若し
くは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(Ind
ium Zinc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジ
ウム(IWZO)等が挙げられる。これらの導電性金属酸化物膜は、通常スパッタにより
成膜されるが、ゾル−ゲル法などを応用して作製しても構わない。例えば、酸化インジウ
ム−酸化亜鉛の膜は、酸化インジウムに対し1〜20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲッ
トを用いてスパッタリング法により形成することができる。また、酸化タングステン及び
酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)の膜は、酸化インジウムに対し酸化タン
グステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲットを用いて
スパッタリング法により形成することができる。この他、金、白金、ニッケル、タングス
テン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、又は金属材料の窒化物(例
えば、窒化チタン)等が挙げられる。
但し、EL層102のうち、第1の電極101に接して形成される層が、後述する有機化
合物と電子受容体(アクセプター)とを混合してなる複合材料を用いて形成される場合に
は、第1の電極101に用いる物質は、仕事関数の大小に関わらず、様々な金属、合金、
導電性化合物、及びこれらの混合物などを用いることができる。例えば、アルミニウム、
銀、アルミニウムを含む合金(例えば、Al−Si)等も用いることもできる。
第1の電極101上に形成されるEL層102は、少なくとも発光層113を有しており
、またEL層102の一部には、本発明の一態様である複素環化合物を含んで形成される
。EL層102の一部には公知の物質を用いることもでき、低分子系化合物及び高分子系
化合物のいずれを用いることもできる。なお、EL層102は、有機化合物のみから成る
ものだけでなく、無機化合物を一部に含む構成も含めるものとする。
また、EL層102は、発光層113の他、図1に示すように正孔注入層111、正孔輸
送層112、電子輸送層114、電子注入層115などを適宜組み合わせて積層すること
により形成される。
正孔注入層111は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質とし
ては、例えば、モリブデン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、
ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸
化物、銀酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等の金属酸化物を用いることがで
きる。また、フタロシアニン(略称:HPc)、銅(II)フタロシアニン(略称:C
uPc)等のフタロシアニン系の化合物を用いることができる。
また、低分子の有機化合物である4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ
)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メ
チルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4
,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニ
ル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−
N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTP
D)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミ
ノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル
)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,
6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−
フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(
9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:P
CzPCN1)等の芳香族アミン化合物等を用いることができる。
さらに、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマーを含む)を用いることもできる。例え
ば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニル
アミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミ
ノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称
:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フ
ェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの高分子化合物が挙げられる。ま
た、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PE
DOT/PSS)、ポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等
の酸を添加した高分子化合物を用いることができる。
また、正孔注入層111として、有機化合物と電子受容体(アクセプター)とを混合して
なる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子受容体によって有機化合物に
正孔が発生するため、正孔注入性及び正孔輸送性に優れている。
複合材料に用いる有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香
族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマーを含む)など、種々の化合物を用
いることができる。なお、複合材料に用いる有機化合物としては、正孔輸送性の高い有機
化合物であることが好ましい。具体的には、10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有
する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、こ
れら以外のものを用いてもよい。以下では、複合材料に用いることのできる有機化合物を
具体的に列挙する。
複合材料に用いることのできる有機化合物としては、例えば、TDATA、MTDATA
、DPAB、DNTPD、DPA3B、PCzPCA1、PCzPCA2、PCzPCN
1、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:
NPB又はα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニ
ル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4−フェニル−
4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP
)等の芳香族アミン化合物や、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:C
BP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:T
CPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾ
ール(略称:CzPA)、9−フェニル−3−[4−(10−フェニル−9−アントリル
)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:PCzPA)、1,4−ビス[4−(N−カ
ルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等のカルバゾール誘
導体を用いることができる。
また、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−
BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9
,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−t
ert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−B
uDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−
ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(
略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン
(略称:DMNA)、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]−2−tert
−ブチルアントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン
、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン等の芳香
族炭化水素化合物を用いることができる。
さらに、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、
9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,
10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス
[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アン
トラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブ
チル)ペリレン、ペンタセン、コロネン、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)
ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)
フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等の芳香族炭化水素化合物を用いることが
できる。
また、電子受容体としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフ
ルオロキノジメタン(略称:F−TCNQ)、クロラニル等の有機化合物や、遷移金属
酸化物を挙げることができる。また、元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属
の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタ
ル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電
子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸
湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
なお、上述したPVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPD等の高分子化合物
と、上述した電子受容体を用いて複合材料を形成し、正孔注入層111に用いてもよい。
正孔輸送層112は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送性の高い物質とし
ては、例えば、カルバゾール骨格、トリアリールアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、
又はジベンゾフラン骨格を有する物質を用いることができる。具体的には、例えば、NP
B、TPD、BPAFLP、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−
イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’−ビス[
N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル
(略称:BSPB)等の芳香族アミン化合物を用いることができる。ここに述べた物質は
、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正
孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、正孔輸送性の
高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したも
のとしてもよい。
また、正孔輸送層112には、CBP、CzPA、PCzPAのようなカルバゾール誘導
体や、t−BuDNA、DNA、DPAnthのようなアントラセン誘導体を用いても良
い。
なお、正孔輸送層112には、PVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPDな
どの高分子化合物を用いることもできる。
発光層113は、発光物質を含む層である。本実施の形態では、実施の形態1に示した複
素環化合物を発光層に含む。
本発明の一態様の複素環化合物は、発光性の有機化合物であるため、発光物質として用い
ることができる。
また、発光物質(ゲスト材料)を他の物質(ホスト材料)に分散させた構成の発光層にお
いて、該複素環化合物をホスト材料として用いることができる。該複素環化合物に発光物
質であるゲスト材料を分散させた構成とすることで、ゲスト材料からの発光を得ることが
できる。このように、本発明の一態様の複素環化合物は、発光層におけるホスト材料とし
て用いることが有用である。
また、発光物質(ゲスト材料)を分散させるための物質(ホスト材料)は複数種用いるこ
とができる。
また、発光層は、本発明の一態様の複素環化合物及びゲスト材料だけでなく、その他の材
料を含んでいても良い。
発光物質としては、例えば、蛍光を発光する蛍光性化合物や燐光を発光する燐光性化合物
を用いることができる。発光層113に用いることができる蛍光性化合物としては、例え
ば、青色系の発光材料として、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)
フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S
)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル
)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)
−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:
PCBAPA)などが挙げられる。また、緑色系の発光材料として、N−(9,10−ジ
フェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(
略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2
−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PC
ABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリ
フェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス
(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニ
ル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、N−[9,10−ビス(
1,1’−ビフェニル−2−イル)]−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フ
ェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N
,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)などが挙げられ
る。また、黄色系の発光材料として、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル
−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)などが挙げられる。ま
た、赤色系の発光材料として、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)
テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N
,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオ
ランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)などが挙げられる。
また、発光層113に用いることができる燐光性化合物としては、例えば、緑色系の発光
材料として、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略
称:[Ir(ppy)])、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム
(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(ppy)(acac)])、ビス(
1,2−ジフェニル−1H−ベンゾイミダゾラト)イリジウム(III)アセチルアセト
ナート(略称:[Ir(pbi)(acac)])、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)
イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(bzq)(acac)]
)、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(bzq)
])などが挙げられる。また、黄色系の発光材料として、ビス(2,4−ジフェニル−
1,3−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称
:[Ir(dpo)(acac)])、ビス[2−(4’−パーフルオロフェニルフェ
ニル)ピリジナト]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(p−P
F−ph)(acac)])、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イ
リジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(bt)(acac)])、
(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)−5−メチルピラ
ジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(Fdppr−Me)(acac)])
、(アセチルアセトナト)ビス[2−(4−メトキシフェニル)−3,5−ジメチルピラ
ジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(dmmoppr)(acac)])な
どが挙げられる。また、橙色系の発光材料として、トリス(2−フェニルキノリナト−N
,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(pq)])、ビス(2−フェニルキ
ノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(p
q)(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(3,5−ジメチル−2−フェニ
ルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppr−Me)(acac)
])、(アセチルアセトナト)ビス(5−イソプロピル−3−メチル−2−フェニルピラ
ジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppr−iPr)(acac)])
などが挙げられる。また、赤色系の発光材料として、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5
−α]チエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)アセチルアセトナート
(略称:[Ir(btp)(acac)])、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N
,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(piq)(a
cac)])、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キ
ノキサリナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(Fdpq)(acac)])、
(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(II
I)(略称:[Ir(tppr)(acac)])、ビス(2,3,5−トリフェニル
ピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tppr
(dpm)])、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H
,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)等の有機金属錯体が挙げられ
る。また、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III
)(略称:[Tb(acac)(Phen)])、トリス(1,3−ジフェニル−1,
3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:[E
u(DBM)(Phen)])、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフ
ルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:[Eu(
TTA)(Phen)])等の希土類金属錯体は、希土類金属イオンからの発光(異な
る多重度間の電子遷移)であるため、燐光性化合物として用いることができる。
なお、本発明の一態様の複素環化合物は、ジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格がLUM
O準位に対して支配的な骨格であると考えられる。また、該化合物は、サイクリックボル
タンメトリ(CV)測定によれば、少なくとも−2.8eV以下、具体的には−2.9e
V以下の深いLUMO準位を有する。例えば、実施例1より、CV測定から求めた6,1
1mDBTPDBq−IIのLUMO準位は、−2.90eVである。一方、上述した[
Ir(mppr−Me)(acac)]、[Ir(mppr−iPr)(acac)
]、[Ir(tppr)(acac)]、[Ir(tppr)(dpm)]のような
ピラジン骨格を有する燐光性化合物も、ほぼ同等の深いLUMO準位を有している。した
がって、本発明の一態様の複素環化合物をホスト材料とし、ピラジン骨格を有する燐光性
化合物をゲスト材料とする発光層の構成は、発光層内での電子のトラップを極力抑制する
ことができ、極めて低い電圧で発光素子を駆動できる。
なお、ホスト材料は、ゲスト材料(発光物質)よりも深いHOMO準位、かつ、浅いLU
MO準位を有するのが好ましい。そのような構成であると、ホスト材料に注入されたキャ
リアをゲスト材料に効率よく移動しやすい。本発明の一態様の複素環化合物は、比較的深
い(値が小さい)HOMO準位を有する。そのためホスト材料として好ましい。したがっ
て、ゲスト材料のHOMO準位は−6.0eV以上−5.0eV以下であることが好まし
い。なお、ゲスト材料のLUMO準位は−3.5eV以上−2.5eV以下であることが
好ましい。
また、発光物質として高分子化合物を用いることができる。具体的には、青色系の発光材
料として、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)(略称:PFO)、
ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,5−ジメトキ
シベンゼン−1,4−ジイル)](略称:PF−DMOP)、ポリ{(9,9−ジオクチ
ルフルオレン−2,7−ジイル)−co−[N,N’−ジ−(p−ブチルフェニル)−1
,4−ジアミノベンゼン]}(略称:TAB−PFH)などが挙げられる。また、緑色系
の発光材料として、ポリ(p−フェニレンビニレン)(略称:PPV)、ポリ[(9,9
−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−alt−co−(ベンゾ[2,1,3]チ
アジアゾール−4,7−ジイル)](略称:PFBT)、ポリ[(9,9−ジオクチル−
2,7−ジビニレンフルオレニレン)−alt−co−(2−メトキシ−5−(2−エチ
ルヘキシロキシ)−1,4−フェニレン)]などが挙げられる。また、橙色〜赤色系の発
光材料として、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキソキシ)−1,4−フェニ
レンビニレン](略称:MEH−PPV)、ポリ(3−ブチルチオフェン−2,5−ジイ
ル)(略称:R4−PAT)、ポリ{[9,9−ジヘキシル−2,7−ビス(1−シアノ
ビニレン)フルオレニレン]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルア
ミノ)−1,4−フェニレン]}、ポリ{[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキ
シ)−1,4−ビス(1−シアノビニレンフェニレン)]−alt−co−[2,5−ビ
ス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}(略称:CN−PPV−D
PD)などが挙げられる。
本実施の形態に示す発光層113の別態様について説明する。発光層113は、燐光性化
合物、第1の有機化合物、及び第2の有機化合物を含む構成とすることができる。燐光性
化合物は、発光層113におけるゲスト材料(発光物質)である。また、第1の有機化合
物及び第2の有機化合物のうち、発光層113に含まれる割合の多い方を発光層113に
おけるホスト材料とする。第1の有機化合物又は第2の有機化合物として、本発明の一態
様の複素環化合物を用いることができる。
発光層113において、上記ゲスト材料をホスト材料に分散させた構成とすることにより
、ゲスト材料の濃度消光を抑制し、発光素子の発光効率を高くすることができる。
なお、第1の有機化合物及び第2の有機化合物のそれぞれのT1準位は、燐光性化合物の
T1準位よりも高いことが好ましい。第1の有機化合物(又は第2の有機化合物)のT1
準位が燐光性化合物のT1準位よりも低いと、発光に寄与する燐光性化合物の三重項励起
エネルギーを第1の有機化合物(又は第2の有機化合物)が消光(クエンチ)してしまい
、発光効率の低下を招くためである。
燐光性化合物としては、燐光性有機金属イリジウム錯体等を用いることができる。また、
第1の有機化合物及び第2の有機化合物としては、電子を受け取りやすい化合物(電子輸
送性化合物)と、ホールを受け取りやすい化合物(正孔輸送性化合物)とを組み合わせる
ことが好ましい。
電子輸送性化合物として、本発明の一態様の複素環化合物を用いることができる。
正孔輸送性化合物としては、電子輸送性化合物として用いる本発明の一態様の複素環化合
物よりも正孔輸送性が高い化合物を用いる。例えば、先に挙げた正孔輸送層112に用い
ることができる化合物を適用することができる。例えば、カルバゾール骨格、トリアリー
ルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、又はジベンゾフラン骨格を有する物質を用いる
ことができる。ただし、これら化合物は、用いる燐光性化合物よりもT1準位が高いもの
を選ぶ。また、正孔輸送性化合物のHOMO準位と燐光性化合物のHOMO準位との差が
0.2eV以内であると、燐光性化合物がホールを強くトラップしないため、発光領域が
広がり、好ましい。具体的には、例えば、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−
カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、PCzPCN
1、4,4’,4’’−トリス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]トリフェ
ニルアミン(略称:1’−TNATA)、2,7−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフ
ェニル)−N−フェニルアミノ]−スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPA2S
F)、N,N’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N,N’−ジフェニル
ベンゼン−1,3−ジアミン(略称:PCA2B)、N−(9,9−ジメチル−2−N’
,N’−ジフェニルアミノ−9H−フルオレン−7−イル)ジフェニルアミン(略称:D
PNF)、N,N’,N’’−トリフェニル−N,N’,N’’−トリス(9−フェニル
カルバゾール−3−イル)ベンゼン−1,3,5−トリアミン(略称:PCA3B)、2
−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,
9’−ビフルオレン(略称:PCASF)、2−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル
)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPASF)、N,
N’−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニル−9,
9−ジメチルフルオレン−2,7−ジアミン(略称:YGA2F)、TPD、DPAB、
N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−N−{9,9−ジメチル−2
−[N’−フェニル−N’−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)アミノ
]−9H−フルオレン−7−イル}フェニルアミン(略称:DFLADFL)、PCzP
CA1、3−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フ
ェニルカルバゾール(略称:PCzDPA1)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルア
ミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDP
A2)、DNTPD、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−(1
−ナフチル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzTPN2)、PCzP
CA2が挙げられる。
なお、電子を受け取りやすい化合物とホールを受け取りやすい化合物で第1の有機化合物
と第2の有機化合物を構成する場合、その混合比によってキャリアバランスを制御するこ
とができる。具体的には、第1の有機化合物:第2の有機化合物=1:9〜9:1の範囲
が好ましい。
電子輸送層114は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送性の高い物質とし
ては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4
−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロ
キシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8
−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)など、キ
ノリン骨格又はベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等が挙げられる。また、この他ビス
[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)
)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BT
Z))などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いること
ができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert
−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス
[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]
ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−
tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、バソフェナ
ントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)なども用いること
ができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物
質である。また、電子輸送層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上
積層したものとしてもよい。
電子注入層115は、電子注入性の高い物質、あるいは陰極からの電子注入を促進する物
質を含む層である。電子注入層115には、リチウム、セシウム、カルシウム、フッ化リ
チウム、フッ化セシウム、フッ化カルシウム、酸化リチウム等のようなアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、又はそれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウムの
ような希土類金属化合物を用いることができる。また、上述した電子輸送層114を構成
する物質を用いることもできる。
あるいは、電子注入層115に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複
合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が
発生するため、電子注入性及び電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては
、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した
電子輸送層114を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができ
る。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的
には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、
マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカ
リ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物
、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いる
こともできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いるこ
ともできる。
なお、上述した正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114
、電子注入層115は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗
布法等の方法で形成することができる。
第2の電極103は、第2の電極103が陰極として機能する際は仕事関数の小さい(好
ましくは3.8eV以下)金属、合金、導電性化合物、及びこれらの混合物などを用いて
形成することが好ましい。具体的には、元素周期表の第1族又は第2族に属する元素、す
なわちリチウムやセシウム等のアルカリ金属、及びカルシウム、ストロンチウム等のアル
カリ土類金属、マグネシウム、及びこれらを含む合金(例えば、Mg−Ag、Al−Li
)、ユーロピウム、イッテルビウム等の希土類金属及びこれらを含む合金の他、アルミニ
ウムや銀などを用いることができる。
但し、EL層102のうち、第2の電極103に接して形成される層が、上述した有機化
合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いる場合には、仕事関数の大
小に関わらず、アルミニウム、銀、ITO、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジ
ウム−酸化スズ等様々な導電性材料を用いることができる。
なお、第2の電極103を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いるこ
とができる。また、銀ペーストなどを用いる場合には、塗布法やインクジェット法などを
用いることができる。
上述した発光素子は、第1の電極101と第2の電極103との間に生じた電位差により
電流が流れ、EL層102において正孔と電子とが再結合することにより発光する。そし
て、この発光は、第1の電極101又は第2の電極103のいずれか一方又は両方を通っ
て外部に取り出される。従って、第1の電極101又は第2の電極103のいずれか一方
、又は両方が可視光に対する透光性を有する電極となる。
なお、第1の電極101と第2の電極103との間に設けられる層の構成は、上記のもの
に限定されない。発光領域と金属とが近接することによって生じる消光を防ぐように、第
1の電極101及び第2の電極103から離れた部位に正孔と電子とが再結合する発光領
域を設けた構成であれば上記以外のものでもよい。
つまり、層の積層構造については特に限定されず、電子輸送性の高い物質、正孔輸送性の
高い物質、電子注入性の高い物質、正孔注入性の高い物質、バイポーラ性(電子及び正孔
の輸送性の高い物質)の物質、又は正孔ブロック材料等から成る層を、本発明の一態様の
複素環化合物をホスト材料として含む発光層と自由に組み合わせて構成すればよい。
なお、本発明の一態様の複素環化合物は、電子輸送性の高い物質であるため、電子輸送層
に用いることができる。
また、発光層(特に発光層のホスト材料)及び電子輸送層の双方に、本発明の一態様の複
素環化合物を適用することで、LUMO準位が近い材料が接するため、電子輸送層から発
光層への電子の注入が良好となる。そのため、極めて低い駆動電圧が実現できる。
図1(B)に示す発光素子は、基板100上において、第1の電極101及び第2の電極
103の一対の電極間に、EL層102が設けられている。EL層102は、正孔注入層
111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115を有し
ている。図1(B)における発光素子は、基板100上に、陰極として機能する第2の電
極103と、第2の電極103上に順に積層した電子注入層115、電子輸送層114、
発光層113、正孔輸送層112、正孔注入層111と、さらにその上に設けられた陽極
として機能する第1の電極101から構成されている。
以下、具体的な発光素子の形成方法を示す。
本実施の形態の発光素子は一対の電極間にEL層が挟持される構造となっている。EL層
は少なくとも発光層を有し、発光層は、本発明の一態様の複素環化合物をホスト材料とし
て用いて形成される。また、EL層には、発光層の他に機能層(正孔注入層、正孔輸送層
、電子輸送層、電子注入層など)を含んでもよい。電極(第1の電極及び第2の電極)、
発光層、及び機能層は液滴吐出法(インクジェット法)、スピンコート法、印刷法などの
湿式法を用いて形成してもよく、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法などの乾式法
を用いて形成してもよい。湿式法を用いれば、大気圧下で形成することができるため、簡
易な装置及び工程で形成することができ、工程が簡略化し、生産性が向上するという効果
がある。一方乾式法は、材料を溶解させる必要がないために溶液に難溶の材料も用いるこ
とができ、材料の選択の幅が広い。
発光素子を構成する薄膜のすべての形成を湿式法で行ってもよい。この場合、湿式法で必
要な設備のみで発光素子を作製することができる。また、発光層を形成するまでの積層を
湿式法で行い、発光層上に積層する機能層や第2の電極などを乾式法により形成してもよ
い。さらに、発光層を形成する前の第1の電極や機能層を乾式法により形成し、発光層、
及び発光層上に積層する機能層や第2の電極を湿式法によって形成してもよい。もちろん
、本実施の形態はこれに限定されず、用いる材料や必要とされる膜厚、界面状態によって
適宜湿式法と乾式法を選択し、組み合わせて発光素子を作製することができる。
本実施の形態においては、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に発光素子を作製し
ている。一基板上にこのような発光素子を複数作製することで、パッシブマトリクス型の
発光装置を作製することができる。また、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に、
例えば薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、TFTと電気的に接続された電極上に発光
素子を作製してもよい。これにより、TFTによって発光素子の駆動を制御するアクティ
ブマトリクス型の発光装置を作製できる。なお、TFTの構造は、特に限定されない。ス
タガ型のTFTでもよいし逆スタガ型のTFTでもよい。また、TFTに用いる半導体の
結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体を用いてもよいし、結晶性半導体を用い
てもよい。また、TFT基板に形成される駆動用回路についても、N型及びP型のTFT
からなるものでもよいし、若しくはN型又はP型のいずれか一方からのみなるものであっ
てもよい。
以上のように、本発明の一態様の複素環化合物を用いて発光素子を作製することができる
。本発明の一態様の複素環化合物を発光素子に用いることで、駆動電圧が低い発光素子を
得ることができる。また、発光効率が高い発光素子を得ることができる。また、長寿命な
発光素子を得ることができる。
また、このようにして得られた本発明の一態様の発光素子を用いた発光装置(画像表示デ
バイス)は低消費電力を実現できる。
なお、本実施の形態で示した発光素子を用いて、パッシブマトリクス型の発光装置や、薄
膜トランジスタ(TFT)によって発光素子の駆動が制御されたアクティブマトリクス型
の発光装置を作製することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態は複数の発光ユニットを積層した構成の発光素子(以下、積層型素子という
)の態様について、図2を参照して説明する。この発光素子は、第1の電極と第2の電極
との間に複数の発光ユニットを有する発光素子である。
図2(A)において、第1の電極301と第2の電極303との間には、第1の発光ユニ
ット311と第2の発光ユニット312が積層されている。本実施の形態において、第1
の電極301は陽極として機能する電極であり、第2の電極303は陰極として機能する
電極である。第1の電極301と第2の電極303は実施の形態2と同様なものを適用す
ることができる。また、第1の発光ユニット311と第2の発光ユニット312は同じ構
成であっても異なる構成であっても良い。また、第1の発光ユニット311と、第2の発
光ユニット312は、その構成として、実施の形態2と同様なものを適用しても良いし、
いずれかが異なる構成であっても良い。
また、第1の発光ユニット311と第2の発光ユニット312の間には、電荷発生層31
3が設けられている。電荷発生層313は、第1の電極301と第2の電極303に電圧
を印加したときに、一方の発光ユニットに電子を注入し、他方の発光ユニットに正孔を注
入する機能を有する。本実施の形態の場合には、第1の電極301に第2の電極303よ
りも電位が高くなるように電圧を印加すると、電荷発生層313から第1の発光ユニット
311に電子が注入され、第2の発光ユニット312に正孔が注入される。
なお、電荷発生層313は、光の取り出し効率の点から、可視光に対する透光性を有する
ことが好ましい。また、電荷発生層313は、第1の電極301や第2の電極303より
も低い導電率であっても機能する。
電荷発生層313は、正孔輸送性の高い有機化合物と電子受容体(アクセプター)とを含
む構成であっても、電子輸送性の高い有機化合物と電子供与体(ドナー)とを含む構成で
あってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていても良い。
正孔輸送性の高い有機化合物に電子受容体が添加された構成とする場合において、正孔輸
送性の高い有機化合物としては、本発明の一態様の複素環化合物の他、例えば、NPBや
TPD、TDATA、MTDATA、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフル
オレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族
アミン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs
以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い有機化合物
であれば、上記以外の物質を用いても構わない。
また、電子受容体としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフ
ルオロキノジメタン(略称:F−TCNQ)、クロラニル等を挙げることができる。ま
た、遷移金属酸化物を挙げることができる。また元素周期表における第4族乃至第8族に
属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、
酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レ
ニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定
であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
一方、電子輸送性の高い有機化合物に電子供与体が添加された構成とする場合において、
電子輸送性の高い有機化合物としては、例えば、Alq、Almq、BeBq、BA
lqなど、キノリン骨格又はベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等を用いることができ
る。また、Zn(BOX)、Zn(BTZ)などのオキサゾール系、チアゾール系配
位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、PBDや
OXD−7、TAZ、BPhen、BCPなども用いることができる。ここに述べた物質
は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも
電子の輸送性の高い有機化合物であれば、上記以外の物質を用いても構わない。
また、電子供与体としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、又は元素周
期表における第13族に属する金属及びその酸化物、炭酸塩などを用いることができる。
具体的には、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、イッテルビウム、インジ
ウム、酸化リチウム、炭酸セシウムなどを用いることが好ましい。また、テトラチアナフ
タセンのような有機化合物を電子供与体として用いてもよい。
なお、上述した材料を用いて電荷発生層313を形成することにより、発光ユニットが積
層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
本実施の形態では、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、同様に、
図2(B)に示すように、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子も適用することが
可能である。本実施の形態に係る発光素子のように、一対の電極間に複数の発光ユニット
を電荷発生層で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度で発光する
長寿命素子を実現できる。
また、それぞれの発光ユニットの発光色を異なるものにすることで、発光素子全体として
、所望の色の発光を得ることができる。例えば、2つの発光ユニットを有する発光素子に
おいて、第1の発光ユニットの発光色と第2の発光ユニットの発光色を補色の関係になる
ようにすることで、白色発光する発光素子を得ることも可能である。なお、補色とは、混
合すると無彩色になる色同士の関係をいう。つまり、補色の関係にある色を発光する物質
から得られた光を混合すると、白色発光を得ることができる。また、3つの発光ユニット
を有する発光素子の場合でも同様であり、例えば、第1の発光ユニットの発光色が赤色で
あり、第2の発光ユニットの発光色が緑色であり、第3の発光ユニットの発光色が青色で
ある場合、発光素子全体としては、白色発光を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の、発光素子を有する発光装置について図3を用いて
説明する。なお、図3(A)は、発光装置を示す上面図、図3(B)は図3(A)をA−
B及びC−Dで切断した断面図である。
本実施の形態の発光装置は、駆動回路部であるソース側駆動回路401及びゲート側駆動
回路403と、画素部402と、封止基板404と、シール材405と、FPC(フレキ
シブルプリントサーキット)409と、素子基板410と、を有する。シール材405で
囲まれた内側は、空間になっている。
なお、引き回し配線408はソース側駆動回路401及びゲート側駆動回路403に入力
される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリ
ントサーキット)409からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等
を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配
線基板(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装
置本体だけでなく、それにFPC又はPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
図3(A)に示す素子基板410上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、図3
(B)では、駆動回路部であるソース側駆動回路401と、画素部402中の一つの画素
が示されている。
なお、ソース側駆動回路401はnチャネル型TFT423とpチャネル型TFT424
とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路は、TFTで形成される種
々のCMOS回路、PMOS回路又はNMOS回路で形成しても良い。また、本実施の形
態では、素子基板上に駆動回路を形成したドライバ一体型を示すが、必ずしもその必要は
なく、駆動回路を素子基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部402はスイッチング用TFT411と、電流制御用TFT412とそのド
レインに電気的に接続された第1の電極413とを含む複数の画素により形成される。な
お、第1の電極413の端部を覆って絶縁物414が形成されている。ここでは、ポジ型
の感光性樹脂膜を用いることにより形成する。
また、被覆性を良好なものとするため、絶縁物414の上端部又は下端部に曲面が形成さ
れるようにする。例えば、絶縁物414の材料としてポジ型の感光性アクリル樹脂を用い
た場合、絶縁物414の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持
たせることが好ましい。また、絶縁物414として、ネガ型の感光性樹脂、或いはポジ型
の感光性樹脂のいずれも使用することができる。
第1の電極413上には、発光層416、及び第2の電極417がそれぞれ形成されてい
る。ここで、陽極として機能する第1の電極413に用いる材料としては、仕事関数の大
きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO膜、又は珪素を含有したインジウム錫
酸化物膜、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム膜、窒化チタン膜、クロム膜
、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタン膜とアルミニウムを主
成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜と
の3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く
、良好なオーミックコンタクトがとれる。
また、発光層416は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法などの液滴吐出法
、印刷法、スピンコート法等の種々の方法によって形成される。発光層416は、実施の
形態1で示した複素環化合物を含んでいる。また、発光層416を構成する他の材料とし
ては、低分子材料、オリゴマー、デンドリマー、又は高分子材料であっても良い。
さらに、発光層416上に形成され、陰極として機能する第2の電極417に用いる材料
としては、仕事関数の小さい材料(Al、Mg、Li、Ca、又はこれらの合金や化合物
、Mg−Ag、Mg−In、Al−Li等)を用いることが好ましい。なお、発光層41
6で生じた光が第2の電極417を透過させる場合には、第2の電極417として、膜厚
を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化イン
ジウム、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化亜鉛等)との
積層を用いるのが良い。
さらにシール材405で封止基板404を素子基板410と貼り合わせることにより、素
子基板410、封止基板404、及びシール材405で囲まれた空間407に発光素子4
18が備えられた構造になっている。なお、空間407には、充填材が充填されており、
不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材405で充填される場
合もある。
なお、シール材405にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、シール材405
の材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板
404に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−
Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエ
ステル又はアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、本発明の一態様の発光素子を有するアクティブマトリクス型の発光装
置を得ることができる。
また、本発明の発光素子は、上述したアクティブマトリクス型の発光装置のみならずパッ
シブマトリクス型の発光装置に用いることもできる。図4に本発明の発光素子を用いたパ
ッシブマトリクス型の発光装置の斜視図及び断面図を示す。なお、図4(A)は、発光装
置を示す斜視図、図4(B)は図4(A)をX−Yで切断した断面図である。
図4において、基板501上の第1の電極502と第2の電極503との間にはEL層5
04が設けられている。第1の電極502の端部は絶縁層505で覆われている。そして
、絶縁層505上には隔壁層506が設けられている。隔壁層506の側壁は、基板面に
近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなるような傾斜を有する。つ
まり、隔壁層506の短辺方向の断面は、台形状であり、底辺(絶縁層505の面方向と
同様の方向を向き、絶縁層505と接する辺)の方が上辺(絶縁層505の面方向と同様
の方向を向き、絶縁層505と接しない辺)よりも短い。このように、隔壁層506を設
けることで、クロストーク等に起因した発光素子の不良を防ぐことができる。
以上により、本発明の一態様の発光素子を有するパッシブマトリクス型の発光装置を得る
ことができる。
なお、本実施の形態で示した発光装置(アクティブマトリクス型、パッシブマトリクス型
)は、いずれも本発明の一態様の発光素子を用いて形成されることから、消費電力の低い
発光装置を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態4に示す本発明の一態様の発光装置をその一部に含む電子
機器及び照明装置について、図5乃至図9を用いて説明する。
電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ
、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コ
ンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲー
ム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的には、Digital
Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる
表示装置を備えた装置)などが挙げられる。
図5(A)は本発明の一態様に係るテレビ装置であり、筐体611、支持台612、表示
部613、スピーカー部614、ビデオ入力端子615等を含む。このテレビ装置におい
て、表示部613には、本発明の一態様の発光装置を適用することができる。本発明の一
態様の発光装置は、低駆動電圧で、高い発光効率が得られ、長寿命であるため、本発明の
一態様の発光装置を適用することで、信頼性が高く、消費電力の低減されたテレビ装置を
得ることができる。
図5(B)は本発明の一態様に係るコンピュータであり、本体621、筐体622、表示
部623、キーボード624、外部接続ポート625、ポインティングデバイス626等
を含む。このコンピュータにおいて、表示部623には、本発明の発光装置を適用するこ
とができる。本発明の一態様の発光装置は、低駆動電圧で、高い発光効率が得られ、長寿
命であるため、本発明の一態様の発光装置を適用することで、信頼性が高く、消費電力の
低減されたコンピュータを得ることができる。
図5(C)は本発明の一態様に係る携帯電話であり、本体631、筐体632、表示部6
33、音声入力部634、音声出力部635、操作キー636、外部接続ポート637、
アンテナ638等を含む。この携帯電話において、表示部633には、本発明の発光装置
を適用することができる。本発明の一態様の発光装置は、低駆動電圧で、高い発光効率が
得られ、長寿命であるため、本発明の一態様の発光装置を適用することで、信頼性が高く
、消費電力の低減された携帯電話を得ることができる。
図5(D)は本発明の一態様に係るカメラであり、本体641、表示部642、筐体64
3、外部接続ポート644、リモコン受信部645、受像部646、バッテリー647、
音声入力部648、操作キー649、接眼部650等を含む。このカメラにおいて、表示
部642には、本発明の一態様の発光装置を適用することができる。本発明の一態様の発
光装置は、低駆動電圧で、高い発光効率が得られ、長寿命であるため、本発明の一態様の
発光装置を適用することで、信頼性が高く、消費電力の低減されたカメラを得ることがで
きる。
以上の様に、本発明の一態様の発光装置の適用範囲は極めて広く、この発光装置をあらゆ
る分野の電子機器に適用することが可能である。本発明の一態様の発光装置を用いること
により、信頼性が高く、消費電力の低減された電子機器を得ることができる。
また、本発明の一態様の発光装置は、照明装置として用いることもできる。図6は、本発
明の一態様の発光装置をバックライトとして用いた液晶表示装置の一例である。図6に示
した液晶表示装置は、筐体701、液晶層702、バックライト703、筐体704を有
し、液晶層702は、ドライバIC705と接続されている。また、バックライト703
は、本発明の一態様の発光装置が用いられおり、端子706により、電流が供給されてい
る。
このように本発明の一態様の発光装置を液晶表示装置のバックライトとして用いることに
より、低消費電力のバックライトが得られる。また、本発明の一態様の発光装置は、面発
光の照明装置であり大面積化も可能であるため、バックライトの大面積化も可能である。
従って、低消費電力であり、大面積化された液晶表示装置を得ることができる。
図7は、本発明の一態様の発光装置を、照明装置である電気スタンドとして用いた例であ
る。図7に示す電気スタンドは、筐体801と、光源802を有し、光源802として、
本発明の一態様の発光装置が用いられている。低駆動電圧で、高い発光効率が得られ、長
寿命であるため、本発明の一態様の発光装置を適用することで、信頼性が高く、低消費電
力の電気スタンドを得ることが可能となる。
図8は、本発明の一態様の発光装置を、室内の照明装置901として用いた例である。本
発明の一態様の発光装置は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置として用いるこ
とができる。また、本発明の一態様の発光装置は、低駆動電圧で、高い発光効率が得られ
、長寿命であるため、本発明の一態様の発光装置を適用することで、信頼性が高く、低消
費電力の照明装置を得ることが可能となる。このように、本発明の一態様の発光装置を、
室内の照明装置901として用いた部屋に、図5(A)で説明したような、本発明の一態
様のテレビ装置902を設置して公共放送や映画を鑑賞することができる。
図9(A)(B)は2つ折り可能なタブレット型端末である。図9(A)は、開いた状態
であり、タブレット型端末は、筐体9630、表示部9631a、表示部9631b、表
示モード切り替えスイッチ9034、電源スイッチ9035、省電力モード切り替えスイ
ッチ9036、留め具9033、操作スイッチ9038、を有する。
表示部9631aや表示部9631bに、本発明の一態様の発光装置を適用することがで
きる。
表示部9631aは、一部をタッチパネルの領域9632aとすることができ、表示され
た操作キー9037にふれることでデータ入力をすることができる。なお、表示部963
1aにおいては、一例として半分の領域が表示のみの機能を有する構成、残りの半分の領
域がタッチパネルの機能を有する構成を示しているが該構成に限定されない。表示部96
31aの全ての領域がタッチパネルの機能を有する構成としても良い。例えば、表示部9
631aの全面にキーボードボタンを表示させてタッチパネルとし、表示部9631bを
表示画面として用いることができる。
また、表示部9631bにおいても表示部9631aと同様に、表示部9631bの一部
をタッチパネルの領域9632bとすることができる。また、タッチパネルのキーボード
表示切り替えボタン9639が表示されている位置に指やスタイラスなどでふれることで
表示部9631bにキーボードボタンを表示することができる。
また、タッチパネルの領域9632aとタッチパネルの領域9632bに対して同時にタ
ッチ入力することもできる。
また、表示モード切り替えスイッチ9034は、縦表示又は横表示などの表示の向きを切
り替え、白黒表示やカラー表示の切り替えなどを選択できる。省電力モード切り替えスイ
ッチ9036は、タブレット型端末に内蔵している光センサで検出される使用時の外光の
光量に応じて表示の輝度を最適なものとすることができる。タブレット型端末は光センサ
だけでなく、ジャイロセンサ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサなどの他の検出装
置を内蔵させてもよい。
また、図9(A)では表示部9631aと表示部9631bの表示面積が同じ例を示して
いるが特に限定されず、一方の表示部のサイズと他方の表示部のサイズが異なっていても
よく、表示の品質も異なっていてもよい。例えば一方が他方よりも高精細な表示を行える
表示パネルとしてもよい。
図9(B)は、閉じた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、太陽電池963
3、充放電制御回路9634、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636を有す
る。なお、図9(B)では充放電制御回路9634の一例としてバッテリー9635、D
CDCコンバータ9636を有する構成について示している。
なお、タブレット型端末は2つ折り可能なため、未使用時に筐体9630を閉じた状態に
することができる。従って、表示部9631a、表示部9631bを保護できるため、耐
久性に優れ、長期使用の観点からも信頼性の優れたタブレット型端末を提供できる。
また、この他にも図9(A)(B)に示したタブレット型端末は、様々な情報(静止画、
動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表
示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作又は編集するタッチ入力機
能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することが
できる。
タブレット型端末の表面に装着された太陽電池9633によって、電力をタッチパネル、
表示部、又は映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池9633は、筐
体9630の一面又は二面に設けることで、効率的なバッテリー9635の充電を行う構
成とすることができるため好適である。なお、バッテリー9635としては、リチウムイ
オン電池を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
また、図9(B)に示す充放電制御回路9634の構成及び動作について、図9(C)に
ブロック図を示し説明する。図9(C)には、太陽電池9633、バッテリー9635、
DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至スイッチSW3
、表示部9631について示しており、バッテリー9635、DCDCコンバータ963
6、コンバータ9637、スイッチSW1乃至スイッチSW3が、図9(B)に示す充放
電制御回路9634に対応する箇所となる。
まず外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する。
太陽電池で発電した電力は、バッテリー9635を充電するための電圧となるようDCD
Cコンバータ9636で昇圧又は降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽
電池9633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ96
37で表示部9631に必要な電圧に昇圧又は降圧をすることとなる。また、表示部96
31での表示を行わない際には、スイッチSW1をオフにし、スイッチSW2をオンにし
てバッテリー9635の充電を行う構成とすればよい。
なお太陽電池9633については、発電手段の一例として示したが、特に限定されず、圧
電素子(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電手段によるバッ
テリー9635の充電を行う構成であってもよい。例えば、無線(非接触)で電力を送受
信して充電する無接点電力電送モジュールや、また他の充電手段を組み合わせて行う構成
としてもよい。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
<合成例1>
本実施例では、下記構造式(100)に示される6,11−ビス[3−(ジベンゾチオフ
ェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f、h]キノキサリン(略称:6,11mDBT
PDBq−II)の合成方法について説明する。
≪6,11mDBTPDBq−IIの合成≫
6,11mDBTPDBq−IIの合成スキームを(C−1)に示す。
100mL三口フラスコに6,11−ジブロモジベンゾ[f、h]キノキサリン0.6g
(2.0mmol)、3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニルボロン酸1.3g
(4.2mmol)、トルエン30mL、エタノール3mL、2Mの炭酸カリウム水溶液
3mLを加えた。この混合物を、減圧下で撹拌することで脱気し、フラスコ内を窒素置換
した。この混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)46mg
(0.4mmol)を加えた。この混合物を窒素気流下、80℃で15時間撹拌した。反
応後、系内に析出した固体を吸引濾過により濾液と濾物を得た。
得られた濾物に水を加えて超音波を照射し、固体を吸引濾過にて濾取した。得られた固体
にエタノールを加えて超音波を照射し、吸引濾過にて濾取した。得られた固体をトルエン
に溶かし、アルミナ、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−168
55)を通して吸引濾過し、得られた濾液を濃縮して固体を得た(固体A)。
また、最初の吸引濾過で得た濾液の水層から有機物をトルエンで抽出し、得られた抽出溶
液と上記濾液の有機層を合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し
、硫酸マグネシウムを加えて水分を吸着させた。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃
縮して固体を得た(固体B)。
得られた固体(固体A+固体B)を合わせてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
精製した。展開溶媒にはトルエンとヘキサンの混合溶媒(トルエン:ヘキサン=1:20
)を用いた。得られたフラクションを濃縮し、白色固体を収量1.5g、収率75%で得
た。
シリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)でのRf値(展開溶媒 酢酸エチル:ヘキ
サン=1:10)は、目的物は0.20、6,11−ジブロモジベンゾ[f、h]キノキ
サリンは0.55だった。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物である6,11−ビス[3−(ジ
ベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f、h]キノキサリン(略称:6,
11mDBTPDBq−II)であることを確認した。
得られた物質のH NMRデータを以下に示す。
H NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=7.48−7.51(m
,4H),7.62−7.73(m,6H),7.80−7.88(m,4H),7.9
8(d,J=9.3Hz,2H),8.18−8.26(m,8H),8.78(d,J
=8.7Hz,2H),8.93(d,J=3.9Hz,2H),9.60(d,J=1
.8Hz,2H)。
また、H NMRチャートを図10に示す。なお、図10(B)は、図10(A)にお
ける6.00ppm〜10.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
また、6,11mDBTPDBq−IIのトルエン溶液の吸収スペクトルを図11(A)
に、発光スペクトルを図11(B)にそれぞれ示す。また、6,11mDBTPDBq−
IIの薄膜の吸収スペクトルを図12(A)に、発光スペクトルを図12(B)にそれぞ
れ示す。吸収スペクトルの測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550
型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、薄膜は石英基板に蒸着してサンプルを作製して測
定を行った。吸収スペクトルに関して、溶液については石英セルにトルエンのみを入れて
測定した吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示し、薄膜については石英基板の
吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示した。図11及び図12において横軸は
波長(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では364nm付近
に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは、414nm(励起波長364nm)であっ
た。また、薄膜の場合では366nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは4
40nm(励起波長367nm)であった。
また、6,11mDBTPDBq−IIの薄膜の電子物性を評価した(測定機器:理研計
器社製、AC−2)。なお、薄膜の電子物性の測定は以下のように行った。
HOMO準位は、大気中にて光電子分光法(理研計器社製、AC−2)で測定したイオン
化ポテンシャルを、負の値に換算することにより得た。また、LUMO準位は、薄膜の吸
収スペクトルのデータを用い、直接遷移を仮定したTaucプロットから吸収端を求め、
その吸収端を光学的エネルギーギャップとしてHOMO準位に加算することにより得た。
薄膜の電子物性の測定結果より、HOMO準位は、−5.93eV、LUMO準位は、−
2.83eV、及びバンドギャップ(Bg)は、3.10eVであった。
以上の結果より、6,11mDBTPDBq−IIは、比較的深いHOMO準位と、比較
的浅いLUMO準位と、比較的広いBgとを有していることが確認された。
また、6,11mDBTPDBq−IIについて、溶液の電気化学的特性及び電子物性を
評価した。
なお、測定方法としては、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。測
定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600
A又は600C)を用いた。
HOMO準位は−6.22eVであることがわかった。よって、HOMO準位がこの値に
近い材料に、ホールを効率良く注入できることがわかった。また、HOMO準位が深い(
値が小さい)ため、それより浅い(値が大きい)材料にホールを効率良く注入できること
がわかった。
LUMO準位は−2.90eVであることがわかった。よって、LUMO準位が、この値
に近い材料に電子が効率良く注入できることがわかった。また、LUMO準位が浅い(値
が大きい)ため、それより深い(値が小さい)材料に電子が効率良く注入できることがわ
かった。また、100サイクル後でも還元ピークの強度がほぼ同じであった。このことか
ら、還元状態と中性状態との間の酸化還元の繰り返しに良好な耐性を示すことがわかった
なお、上記サイクリックボルタンメトリ(CV)測定の測定法に関しては以下の通りであ
る。
CV測定における溶液は、溶媒として脱水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)((
株)アルドリッチ製、99.8%、カタログ番号;22705−6)を用い、支持電解質
である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−BuNClO)((株)東京
化成製カタログ番号;T0836)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させ、
さらに測定対象を2mmol/Lの濃度となるように溶解させて調製した。また、作用電
極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極として
は白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC−3用Ptカウンター電極(5cm))を
、参照電極としてはAg/Ag電極(ビー・エー・エス(株)製、RE7非水溶媒系参
照電極)をそれぞれ用いた。なお、測定は室温(20〜25℃)で行った。また、CV測
定時のスキャン速度は、0.1V/secに統一した。
(参照電極の真空準位に対するポテンシャルエネルギーの算出)
まず、本実施例で用いる参照電極(Ag/Ag電極)の真空準位に対するポテンシャル
エネルギー(eV)を算出した。つまり、Ag/Ag電極のフェルミ準位を算出した。
メタノール中におけるフェロセンの酸化還元電位は、標準水素電極に対して+0.610
[V vs. SHE]であることが知られている(参考文献;Christian R
.Goldsmith et al., J.Am.Chem.Soc., Vol.1
24, No.1,83−96, 2002)。
一方、本実施例で用いる参照電極を用いて、メタノール中におけるフェロセンの酸化還元
電位を求めたところ、+0.11[V vs.Ag/Ag]であった。したがって、本
実施例で用いる参照電極のポテンシャルエネルギーは、標準水素電極に対して0.50[
eV]低くなっていることがわかった。
ここで、標準水素電極の真空準位からのポテンシャルエネルギーは−4.44eVである
ことが知られている(参考文献;大西敏博・小山珠美著、高分子EL材料(共立出版)、
p.64−67)。以上のことから、本実施例で用いる参照電極の真空準位に対するポテ
ンシャルエネルギーは、−4.44−0.50=−4.94[eV]であると算出できた
本実施例の化合物の酸化反応特性の測定は、参照電極に対する作用電極の電位を約0.2
Vから約1.5Vまで走査した後、約1.5Vから約0.2Vまで走査して行った。
続いて、目的物のCV測定からのHOMO準位の算出について詳述する。酸化反応測定に
おける酸化ピーク電位Epa[V]と、還元ピーク電位Epc[V]を算出した。したが
って、半波電位(EpaとEpcの中間の電位)は(Epa+Epc)/2[V]と算出
できる。このことは、本実施例の化合物が半波電位の値[V vs.Ag/Ag]の電
気エネルギーにより酸化されることを示しており、このエネルギーはHOMO準位に相当
する。
本実施例の化合物の還元反応特性の測定は、参照電極に対する作用電極の電位を約−1.
2Vから約−2.2Vまで走査した後、約−2.2Vから約−1.2Vまで走査して行っ
た。
続いて、目的物のCV測定からのLUMO準位の算出について詳述する。還元反応測定に
おける還元ピーク電位Epc[V]と、酸化ピーク電位Epa[V]を算出した。したが
って、半波電位(EpaとEpcの中間の電位)は(Epa+Epc)/2[V]と算出
できる。このことは、本実施例の化合物が半波電位の値[V vs.Ag/Ag]の電
気エネルギーにより還元されることを示しており、このエネルギーはLUMO準位に相当
する。
本実施例では、本発明の一態様の発光素子について図13を用いて説明する。本実施例で
用いる材料の化学式を以下に示す。なお、既に示した材料については省略する。
以下に、本実施例の発光素子1及び発光素子2の作製方法を示す。
(発光素子1)
まず、ガラス基板1100上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパ
ッタリング法にて成膜し、第1の電極1101を形成した。なお、その膜厚は110nm
とし、電極面積は2mm×2mmとした。ここで、第1の電極1101は、発光素子の陽
極として機能する電極である。
次に、基板1100上に発光素子を形成するための前処理として、基板表面を水で洗浄し
、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着
装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板1100を3
0分程度放冷した。
次に、第1の電極1101が形成された面が下方となるように、第1の電極1101が形
成された基板1100を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4
a程度まで減圧した後、第1の電極1101上に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、4,
4’,4’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:
DBT3P−II)と酸化モリブデン(VI)を共蒸着することで、正孔注入層1111
を形成した。その膜厚は、40nmとし、DBT3P−IIと酸化モリブデンの比率は、
重量比で4:2(=DBT3P−II:酸化モリブデン)となるように調節した。なお、
共蒸着法とは、一つの処理室内で、複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着法である。
次に、正孔注入層1111上に、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−
イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)を20nmの膜厚となるように成膜し
、正孔輸送層1112を形成した。
さらに、実施例1にて合成した6,11−ビス[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)
フェニル]ジベンゾ[f、h]キノキサリン(略称:6,11mDBTPDBq−II)
、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニル
アミン(略称:PCBA1BP)及び(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニル
ピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(dppm)(acac)])を
共蒸着し、正孔輸送層1112上に発光層1113を形成した。ここで、6,11mDB
TPDBq−II、PCBA1BP及び[Ir(dppm)(acac)]の重量比は
、0.8:0.2:0.05(=6,11mDBTPDBq−II:PCBA1BP:[
Ir(dppm)(acac)])となるように調節した。また、発光層1113の膜
厚は40nmとした。
さらに、発光層1113上に6,11mDBTPDBq−IIを膜厚10nmとなるよう
に成膜し、第1の電子輸送層1114aを形成した。
その後、第1の電子輸送層1114a上にバソフェナントロリン(略称:BPhen)を
膜厚20nmとなるように成膜し、第2の電子輸送層1114bを形成した。
さらに、第2の電子輸送層1114b上に、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚で
蒸着し、電子注入層1115を形成した。
最後に、陰極として機能する第2の電極1103として、アルミニウムを200nmの膜
厚となるように蒸着することで、本実施例の発光素子1を作製した。
なお、上述した蒸着過程において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
(発光素子2)
発光素子2の発光層1113は、6,11mDBTPDBq−II、PCBA1BP及び
(アセチルアセトナト)ビス(6−メチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(I
II)(略称:[Ir(mppm)(acac)])を共蒸着することで形成した。こ
こで、6,11mDBTPDBq−II、PCBA1BP及び[Ir(mppm)(a
cac)]の重量比は、0.7:0.3:0.05(=6,11mDBTPDBq−II
:PCBA1BP:[Ir(mppm)(acac)])となるように調節した。また
、発光層1113の膜厚は40nmとした。発光層1113以外は発光素子1と同様に作
製した。
以上により得られた発光素子1及び発光素子2の素子構造を表1に示す。
発光素子1及び発光素子2を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大
気に曝されないようにガラス基板により封止する作業を行った後、これらの発光素子の動
作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子1及び発光素子2の輝度−電流効率特性を図14に示す。図14において、横軸
は輝度(cd/m)、縦軸は電流効率(cd/A)を表す。また、電圧−電流特性を図
15に示す。図15において、横軸は電圧(V)、縦軸は電流(mA)を表す。また、輝
度−色度座標特性を図16に示す。図16において、横軸は輝度(cd/m)、縦軸は
色度座標(x座標、又はy座標)を示す。また、輝度−パワー効率特性を図17に示す。
図17において、横軸は、輝度(cd/m)を、縦軸は、パワー効率(lm/W)を表
す。また、各発光素子における輝度1000cd/m付近のときの電圧(V)、電流密
度(mA/cm)、CIE色度座標(x、y)、輝度(cd/m)、電流効率(cd
/A)、外部量子効率(%)を表2に示す。
また、発光素子1及び発光素子2に0.1mAの電流を流した際の発光スペクトルを、図
18に示す。図18において、横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す
。図18及び表2に示す通り、1100cd/mの輝度の時の発光素子1のCIE色度
座標は(x,y)=(0.57,0.43)であった。1000cd/mの輝度の時の
発光素子2のCIE色度座標は(x,y)=(0.43,0.56)であった。発光素子
1は、[Ir(dppm)(acac)]に由来する発光が得られたことがわかった。
また、発光素子2は、[Ir(mppm)(acac)]に由来する発光が得られたこ
とがわかった。このことから、本発明の一態様の複素環化合物である6,11mDBTP
DBq−IIは、黄色燐光材料を発光させることができる高いT1準位を有することがわ
かった。このことから、黄色〜赤色の燐光発光材料のホスト材料として用いることができ
ることがわかった。
図15及び表2から、発光素子1及び発光素子2は、どちらも駆動電圧が低いことがわか
った。発光素子1及び発光素子2では、発光層のホスト材料と第1の電子輸送層の材料に
、本発明の一態様の複素環化合物である6,11mDBTPDBq−IIを用いた。よっ
て、駆動電圧の低い素子を実現することができる。
また、図14、図17及び表2から、発光素子1及び発光素子2は、どちらも電流効率、
外部量子効率及びパワー効率が高いことがわかった。6,11mDBTPDBq−IIは
、2つのジベンゾチオフェン環が、それぞれメタフェニレン基を介して、ジベンゾ[f、
h]キノキサリン環と結合している複素環化合物である。よって、発光効率の高い素子を
実現することができる。
また、図16から、発光素子1及び発光素子2は、低輝度から高輝度まで、色変化がほと
んど見られなかった。このことから、発光素子1及び発光素子2は、キャリアバランスの
良好な素子であると言える。
次に、発光素子1及び発光素子2の信頼性試験を行った。信頼性試験の結果を図19に示
す。図19において、縦軸は初期輝度を100%とした時の規格化輝度(%)を示し、横
軸は素子の駆動時間(h)を示す。信頼性試験は、室温で行い、初期輝度を5000cd
/mに設定し、電流密度一定の条件で本実施例の発光素子を駆動した。図19から、発
光素子1の990時間後の輝度は初期輝度の76%を保ち、発光素子2の110時間後の
輝度は初期輝度の80%を保っていた。この信頼性試験の結果から、発光素子1及び発光
素子2は、長寿命であることが明らかとなった。
以上示したように、実施例1で作製した6,11mDBTPDBq−IIを発光層のホス
ト材料及び電子輸送層の材料として用いることにより、駆動電圧が低く、発光効率が高く
、長寿命である発光素子を作製することができた。
<合成例2>
本実施例では、下記構造式(102)に示される6,11−ビス[3−(9H−カルバゾ
ール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6,11mCzP
2DBq)の合成方法について説明する。
≪6,11mCzP2DBqの合成≫
6,11mCzP2DBqの合成スキームを(D−1)に示す。
100mL三口フラスコに6,11−ジブロモジベンゾ[f,h]キノキサリン1.1g
(2.8mmol)、3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニルボロン酸1.7g
(5.9mmol)、トルエン56mL、エタノール6mL、2Mの炭酸カリウム水溶液
4mLを加えた。この混合物を、減圧下で撹拌することで脱気し、フラスコ内を窒素置換
した。この混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)64mg
(0.06mmol)を加えた。この混合物を窒素気流下、80℃で8時間撹拌した。反
応後、析出した固体を濾別し、白色固体を得た。得られた固体のトルエン溶液をアルミナ
、セライトを通して吸引濾過し、得られた濾液を濃縮して白色固体を得た。得られた固体
を、トルエンを用いて再結晶し、白色固体を得た。この白色固体を超音波を照射しながら
エタノールで洗浄し、固体を吸引濾過にて濾取したところ、粉末を収量1.1g、収率5
5%で得た。
得られた粉末0.84gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は
、圧力4.2Pa、アルゴン流量5.0mL/minの条件で、粉末を365℃で加熱し
て行った。昇華精製後、目的物の白色粉末を収量0.84g、収率76%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物である6,11−ビス[3−(9
H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6,
11mCzP2DBq)であることを確認した。
得られた物質のH NMRデータを以下に示す。
H NMR(CDCl,500MHz):δ(ppm)=7.32(t,J=6.
9Hz,4H),7.45(t,J=7.2Hz,4H),7.53(d,J=8.1H
z,4H),7.64(d,J=8.0Hz,2H),7.78(t,J=7.8Hz,
2H),8.01(d,J=7.5Hz,2H),8.09(s,2H),8.13(d
d,J=8.6,2.3Hz,2H),8.19(d,7.5Hz,4H),8.76(
d,J=8.6Hz,2H),8.92(s,2H),9.56(d,2.3Hz,2H
)。
また、H NMRチャートを図20に示す。なお、図20(B)は、図20(A)にお
ける7.00ppm〜10.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
また、6,11mCzP2DBqのトルエン溶液の吸収スペクトルを図21(A)に、発
光スペクトルを図21(B)にそれぞれ示す。また、6,11mCzP2DBqの薄膜の
吸収スペクトルを図22(A)に、発光スペクトルを図22(B)にそれぞれ示す。吸収
スペクトルの測定方法は、実施例1と同様である。図21及び図22において横軸は波長
(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では315nm付近に吸
収ピークが見られ、発光波長のピークは、411nm(励起波長315nm)であった。
また、薄膜の場合では367nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは434
nm(励起波長369nm)であった。
また、6,11mCzP2DBqの薄膜の電子物性を評価した(測定機器:理研計器社製
、AC−2)。なお、薄膜の電子物性の測定は実施例1と同様の方法で測定した。
薄膜の電子物性の測定結果より、HOMO準位は、−5.93eV、LUMO準位は、−
2.80eV、及びバンドギャップ(Bg)は、3.13eVであった。
以上の結果より、6,11mCzP2DBqは、比較的深いHOMO準位と、比較的浅い
LUMO準位と、比較的広いBgとを有していることが確認された。
また、6,11mCzP2DBqについて、溶液の電気化学的特性及び電子物性を評価し
た。
なお、測定方法としては、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。測
定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600
A又は600C)を用いた。
HOMO準位は−5.88eVであることがわかった。よって、HOMO準位がこの値に
近い材料に、ホールを効率良く注入できることがわかった。また、HOMO準位が深い(
値が小さい)ため、それより浅い(値が大きい)材料にホールを効率良く注入できること
がわかった。
LUMO準位は−2.91eVであることがわかった。よって、LUMO準位が、この値
に近い材料に電子が効率良く注入できることがわかった。また、LUMO準位が浅い(値
が大きい)ため、それより深い(値が小さい)材料に電子が効率良く注入できることがわ
かった。また、100サイクル後でも還元ピークの強度がほぼ同じであった。このことか
ら、還元状態と中性状態との間の酸化還元の繰り返しに良好な耐性を示すことがわかった
上記サイクリックボルタンメトリ(CV)測定の測定法は実施例1と同様であるが、本実
施例の化合物の酸化反応特性の測定は、参照電極に対する作用電極の電位を約0.05V
から約1.05Vまで走査した後、約1.05Vから約0.05Vまで走査して行った。
また、本実施例の化合物の還元反応特性の測定は、参照電極に対する作用電極の電位を約
−1.4Vから約−2.2Vまで走査した後、約−2.2Vから約−1.4Vまで走査し
て行った。
以上の結果より、本発明の一態様の複素環化合物である6,11mCzP2DBqは、正
孔及び電子のいずれも輸送するバイポーラ性の化合物であることが示唆される。
また、本実施例で得られた6,11mCzP2DBqを液体クロマトグラフ質量分析(L
iquid Chromatography Mass Spectrometry(略
称:LC/MS分析))によって質量(MS)分析した。
LC/MS分析は、ウォーターズ社製Acquity UPLC及びウォーターズ社製X
evo G2 Tof MSを用いて行った。MS分析では、エレクトロスプレーイオン
化法(ElectroSpray Ionization(略称:ESI))によるイオ
ン化を行った。この時のキャピラリー電圧は3.0kV、サンプルコーン電圧は30Vと
し、検出はポジティブモードで行った。以上の条件でイオン化された成分を衝突室(コリ
ジョンセル)内でアルゴンガスと衝突させてプロダクトイオンに解離させた。アルゴンを
衝突させる際のエネルギー(コリジョンエネルギー)は70eVとした。なお、測定する
質量範囲はm/z=100〜1200とした。測定結果を図31に示す。
図31の結果から、6,11mCzP2DBqは、水素イオンの有無や同位体の存在に起
因し、主としてm/z=547付近、m/z=531付近、m/z=519付近、m/z
=471付近、m/z=380付近、m/z=306付近、m/z=254付近、m/z
=242付近、m/z=230付近、m/z=166付近にそれぞれ複数のプロダクトイ
オンが検出されることがわかった。なお、図31に示す結果は、6,11mCzP2DB
qに由来する特徴的な結果を示すものであるから、混合物中に含まれる6,11mCzP
2DBqを同定する上での重要なデータであるといえる。
なお、m/z=166付近のプロダクトイオンは、カルバゾリル基と推定され、m/z=
242付近のプロダクトイオンは、フェニレン基とカルバゾリル基が結合した状態のイオ
ンと推定され、それぞれ、カルバゾリル基を有する本発明の一態様の複素環化合物の特徴
の一つである。なお、m/z=547付近、m/z=380付近のプロダクトイオンは、
6,11mCzP2DBqからカルバゾリル基が一つ又は二つ離脱した状態のイオンと推
定でき、6,11mCzP2DBqがカルバゾリル基を2つ有することが推定できる。ま
た、m/z=471付近のプロダクトイオンは、6,11mCzP2DBqからフェニル
基とカルバゾリル基が1つずつ離脱した状態のイオン、m/z=306付近のプロダクト
イオンは、カルバゾリル基がさらに1つ離脱した状態のイオンと推定される。
また、m/z=230付近のプロダクトイオンは、ジベンゾ[f,h]キノキサリン環の
ようなジアザトリフェニレニル基由来と推定され、本発明の一態様である複素環化合物6
,11mCzP2DBqが、ジベンゾ[f,h]キノキサリン環を含んでいることを示唆
するものである。
<合成例3>
本実施例では、下記構造式(132)に示される7,10−ビス[3−(9H−カルバゾ
ール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7,10mCzP
2DBq)の合成方法について説明する。
≪7,10mCzP2DBqの合成≫
7,10mCzP2DBqの合成スキームを(E−1)に示す。
100mL三口フラスコに7,10−ジブロモジベンゾ[f,h]キノキサリン0.94
g(2.4mmol)、3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニルボロン酸1.5
g(5.2mmol)、トルエン56mL、エタノール6mL、2Mの炭酸カリウム水溶
液4mLを加えた。この混合物を、減圧下で撹拌することで脱気し、フラスコ内を窒素置
換した。この混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)64m
g(0.06mmol)を加えた。この混合物を窒素気流下、80℃で8時間撹拌した。
反応後、析出した固体を濾別し、白色固体を得た。得られた固体をトルエンに溶解し、こ
のトルエン溶液をアルミナ、セライトを通して吸引濾過し、得られた濾液を濃縮して白色
固体を得た。得られた固体を、トルエンを用いて再結晶し、白色固体を得た。この白色固
体を超音波照射下エタノールで洗浄し、固体を吸引濾過にて濾取したところ、粉末を収量
0.75g、収率44%で得た。
得られた粉末0.75gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は
、圧力4.2Pa、アルゴン流量5.0mL/minの条件で、粉末を330℃で加熱し
て行った。昇華精製後、目的物の白色粉末を収量0.54g、収率72%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物である7,10−ビス[3−(9
H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7,
10mCzP2DBq)であることを確認した。
得られた物質のH NMRデータを以下に示す。
H NMR(CDCl,500MHz):δ(ppm)=7.23−7.29(m
,4H),7.42(t,J=7.5Hz,4H),7.54(d,J=8.0Hz,4
H),7.66(d,J=8.6Hz,2H),7.79(t,J=8.1Hz,2H)
,7.93(d,J=7.5Hz,2H),8.03−8.07(m,4H),8.18
(d,J=7.5Hz,4H),8.94−8.95(m,4H),9.35(d,J=
8.1Hz,2H)。
また、H NMRチャートを図23に示す。なお、図23(B)は、図23(A)にお
ける6.00ppm〜10.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
また、7,10mCzP2DBqのトルエン溶液の吸収スペクトルを図24(A)に、発
光スペクトルを図24(B)にそれぞれ示す。また、7,10mCzP2DBqの薄膜の
吸収スペクトルを図25(A)に、発光スペクトルを図25(B)にそれぞれ示す。吸収
スペクトルの測定方法は実施例1と同様である。図24及び図25において横軸は波長(
nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では369nm付近に吸収
ピークが見られ、発光波長のピークは、379nm(励起波長369nm)であった。ま
た、薄膜の場合では378nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは432n
m(励起波長342nm)であった。
また、7,10mCzP2DBqの薄膜の電子物性を評価した(測定機器:理研計器社製
、AC−2)。なお、薄膜の電子物性の測定は実施例1と同様の方法で測定した。
薄膜の電子物性の測定結果より、HOMO準位は、−5.93eV、LUMO準位は、−
2.82eV、及びバンドギャップ(Bg)は、3.11eVであった。
以上の結果より、7,10mCzP2DBqは、比較的深いHOMO準位と、比較的浅い
LUMO準位と、比較的広いBgとを有していることが確認された。
また、7,10mCzP2DBqについて、溶液の電気化学的特性及び電子物性を評価し
た。
なお、測定方法としては、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。測
定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600
A又は600C)を用いた。
HOMO準位は−5.86eVであることがわかった。よって、HOMO準位がこの値に
近い材料に、ホールを効率良く注入できることがわかった。また、HOMO準位が深い(
値が小さい)ため、それより浅い(値が大きい)材料にホールを効率良く注入できること
がわかった。
LUMO準位は−2.91eVであることがわかった。よって、LUMO準位が、この値
に近い材料に電子が効率良く注入できることがわかった。また、LUMO準位が浅い(値
が大きい)ため、それより深い(値が小さい)材料に電子が効率良く注入できることがわ
かった。また、100サイクル後でも還元ピークの強度がほぼ同じであった。このことか
ら、還元状態と中性状態との間の酸化還元の繰り返しに良好な耐性を示すことがわかった
上記サイクリックボルタンメトリ(CV)測定の測定法は実施例1と同様であるが、本実
施例の化合物の酸化反応特性の測定は、参照電極に対する作用電極の電位を約−0.12
Vから約1.05Vまで走査した後、約1.05Vから約−0.12Vまで走査して行っ
た。また、本実施例の化合物の還元反応特性の測定は、参照電極に対する作用電極の電位
を約−1.3Vから約−2.1Vまで走査した後、約−2.1Vから約−1.3Vまで走
査して行った。
以上の結果より、本発明の一態様の複素環化合物である7,10mCzP2DBqは、正
孔及び電子のいずれも輸送するバイポーラ性の化合物であることが示唆される。
また、本実施例で得られた7,10mCzP2DBqをLC/MS分析によって分析した
。LC/MS分析の測定方法、測定条件等は、実施例3と同様である。測定結果を図32
に示す。
図32の結果から、7,10mCzP2DBqは、水素イオンの有無や同位体の存在に起
因し、主としてm/z=547付近、m/z=531付近、m/z=519付近、m/z
=471付近、m/z=380付近、m/z=305付近、m/z=254付近、m/z
=241付近、m/z=166付近にそれぞれ複数のプロダクトイオンが検出されること
がわかった。なお、図32に示す結果は、7,10mCzP2DBqに由来する特徴的な
結果を示すものであるから、混合物中に含まれる7,10mCzP2DBqを同定する上
での重要なデータであるといえる。
なお、m/z=166付近のプロダクトイオンは、カルバゾリル基と推定され、m/z=
241付近のプロダクトイオンは、フェニレン基とカルバゾリル基が結合した状態のカチ
オンと推定され、それぞれ、カルバゾリル基を有する本発明の一態様の複素環化合物の特
徴の一つである。
なお、m/z=547付近、m/z=380付近のプロダクトイオンは、7,10mCz
P2DBqからカルバゾリル基が一つ又は二つ離脱した状態のイオンと推定でき、7,1
0mCzP2DBqがカルバゾリル基を2つ有することが推定できる。また、m/z=4
71付近のプロダクトイオンは、7,10mCzP2DBqからフェニル基とカルバゾリ
ル基が1つずつ離脱した状態のイオン、m/z=305付近のプロダクトイオンは、カル
バゾリル基がさらに1つ離脱した状態のイオンと推定される。
本実施例では、本発明の一態様の発光素子について図13を用いて説明する。本実施例で
用いる材料の化学式を以下に示す。なお、既に示した材料については省略する。
以下に、本実施例の発光素子3乃至発光素子6の作製方法を示す。
(発光素子3)
発光素子3の発光層1113は、実施例3にて合成した6,11mCzP2DBq、PC
BA1BP及び(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリ
ミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)(acac)])を
共蒸着することで形成した。ここでは、6,11mCzP2DBq、PCBA1BP及び
[Ir(tBuppm)(acac)]の重量比が、0.7:0.3:0.05(=6
,11mCzP2DBq:PCBA1BP:[Ir(tBuppm)(acac)])
となるように調節して成膜した厚さ15nmの層と、該重量比が、0.8:0.2:0.
05(=6,11mCzP2DBq:PCBA1BP:[Ir(tBuppm)(ac
ac)])となるように調節して成膜した厚さ25nmの層とを積層した。
発光素子3の第1の電子輸送層1114aは、6,11mCzP2DBqを膜厚10nm
となるように成膜して形成した。発光層1113及び第1の電子輸送層1114a以外は
発光素子1と同様に作製した。
(発光素子4)
発光素子4の発光層1113は、実施例4にて合成した7,10mCzP2DBq、PC
BA1BP及び[Ir(tBuppm)(acac)]を共蒸着することで形成した。
ここでは、7,10mCzP2DBq、PCBA1BP及び[Ir(tBuppm)
acac)]の重量比が、0.7:0.3:0.05(=7,10mCzP2DBq:P
CBA1BP:[Ir(tBuppm)(acac)])となるように調節して成膜し
た厚さ15nmの層と、該重量比が、0.8:0.2:0.05(=7,10mCzP2
DBq:PCBA1BP:[Ir(tBuppm)(acac)])となるように調節
して成膜した厚さ25nmの層とを積層した。
発光素子4の第1の電子輸送層1114aは、7,10mCzP2DBqを膜厚10nm
となるように成膜して形成した。発光層1113及び第1の電子輸送層1114a以外は
発光素子1と同様に作製した。
(発光素子5)
発光素子5の発光層1113は、6,11mCzP2DBq及び[Ir(tBuppm)
(acac)]を共蒸着することで形成した。ここでは、6,11mCzP2DBq及
び[Ir(tBuppm)(acac)]の重量比が、1:0.05(=6,11mC
zP2DBq:[Ir(tBuppm)(acac)])となるように調節した。また
、発光層1113の膜厚は40nmとした。
発光素子5の第1の電子輸送層1114aは、6,11mCzP2DBqを膜厚10nm
となるように成膜して形成した。発光層1113及び第1の電子輸送層1114a以外は
発光素子1と同様に作製した。
(発光素子6)
発光素子6の発光層1113は、7,10mCzP2DBq及び[Ir(tBuppm)
(acac)]を共蒸着することで形成した。ここでは、7,10mCzP2DBq及
び[Ir(tBuppm)(acac)]の重量比が、1:0.05(=7,10mC
zP2DBq:[Ir(tBuppm)(acac)])となるように調節した。また
、発光層1113の膜厚は40nmとした。
発光素子6の第1の電子輸送層1114aは、7,10mCzP2DBqを膜厚10nm
となるように成膜して形成した。発光層1113及び第1の電子輸送層1114a以外は
発光素子1と同様に作製した。
以上により得られた発光素子3乃至発光素子6の素子構造を表3に示す。
発光素子3乃至発光素子6を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大
気に曝されないようにガラス基板により封止する作業を行った後、これらの発光素子の動
作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子3乃至発光素子6の輝度−電流効率特性を図26に示す。図26において、横軸
は輝度(cd/m)、縦軸は電流効率(cd/A)を表す。また、輝度−色度座標特性
を図27に示す。図27において、横軸は輝度(cd/m)、縦軸は色度座標(x座標
、又はy座標)を示す。また、各発光素子における輝度1000cd/m付近のときの
電圧(V)、電流密度(mA/cm)、CIE色度座標(x、y)、輝度(cd/m
)、電流効率(cd/A)、外部量子効率(%)を表4に示す。
また、発光素子3乃至発光素子6に0.1mAの電流を流した際の発光スペクトルを、図
28に示す。図28において、横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す
。図28及び表4に示す通り、820cd/mの輝度の時の発光素子3のCIE色度座
標は(x,y)=(0.43,0.56)であった。1100cd/mの輝度の時の発
光素子4のCIE色度座標は(x,y)=(0.43,0.56)であった。900cd
/mの輝度の時の発光素子5のCIE色度座標は(x,y)=(0.43,0.55)
であった。1100cd/mの輝度の時の発光素子6のCIE色度座標は(x,y)=
(0.43,0.56)であった。発光素子3乃至発光素子6は、[Ir(tBuppm
(acac)]に由来する発光が得られたことがわかった。このことから、本発明の
一態様の複素環化合物である6,11mCzP2DBq及び7,10mCzP2DBqは
、それぞれ、緑色燐光材料を発光させることができる高いT1準位を有することがわかっ
た。このことから、緑色〜赤色の燐光発光材料のホスト材料として用いることができるこ
とがわかった。
図26及び表4から、発光素子3乃至発光素子6は、電流効率及び外部量子効率が高く、
特に、発光素子3及び発光素子4は、発光素子5及び発光素子6に比べて電流効率及び外
部量子効率が高いことがわかった。6,11mCzP2DBq及び7,10mCzP2D
Bqは、2つのカルバゾール環が、それぞれメタフェニレン基を介して、ジベンゾ[f、
h]キノキサリン環と結合している複素環化合物である。よって、発光効率の高い素子を
実現することができる。また、発光素子3及び発光素子4では、PCBA1BPを発光層
に含む。PCBA1BPは、アミン骨格を有し、正孔移動度が高い材料である。したがっ
て、発光素子3及び発光素子4では、発光層でのキャリア移動がより効率良く行われ、発
光素子5及び発光素子6よりも高い発光効率が得られたと考えられる。
また、図27から、発光素子3乃至発光素子6は、低輝度から高輝度まで、色変化がほと
んど見られなかった。このことから、発光素子3乃至発光素子6は、キャリアバランスの
良好な素子であると言える。
以上示したように、実施例3、4で作製した6,11mCzP2DBq及び7,10mC
zP2DBqを発光層のホスト材料及び電子輸送層の材料として用いることにより、発光
効率が高い発光素子を作製することができた。
本実施例では、本発明の一態様の発光素子について図13を用いて説明する。本実施例で
用いた材料は、先の実施例で示した材料であるため、化学式については省略する。
以下に、本実施例の発光素子7及び発光素子8の作製方法を示す。
(発光素子7)
発光素子7の発光層1113は、実施例3にて合成した6,11mCzP2DBq、PC
BA1BP及び[Ir(dppm)(acac)])を共蒸着することで形成した。こ
こでは、6,11mCzP2DBq、PCBA1BP及び[Ir(dppm)(aca
c)]の重量比が、0.8:0.2:0.05(=6,11mCzP2DBq:PCBA
1BP:[Ir(dppm)(acac)])となるように調節した。また、発光層1
113の膜厚は40nmとした。
発光素子7の第1の電子輸送層1114aは、6,11mCzP2DBqを膜厚10nm
となるように成膜して形成した。発光層1113及び第1の電子輸送層1114a以外は
発光素子1と同様に作製した。
(発光素子8)
発光素子8の発光層1113は、実施例4にて合成した7,10mCzP2DBq、PC
BA1BP及び[Ir(dppm)(acac)])を共蒸着することで形成した。こ
こでは、7,10mCzP2DBq、PCBA1BP及び[Ir(dppm)(aca
c)]の重量比が、0.8:0.2:0.05(=7,10mCzP2DBq:PCBA
1BP:[Ir(dppm)(acac)])となるように調節した。また、発光層1
113の膜厚は40nmとした。
発光素子8の第1の電子輸送層1114aは、7,10mCzP2DBqを膜厚10nm
となるように成膜して形成した。発光層1113及び第1の電子輸送層1114a以外は
発光素子1と同様に作製した。
以上により得られた発光素子7及び発光素子8の素子構造を表5に示す。
発光素子7及び発光素子8を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大
気に曝されないようにガラス基板により封止する作業を行った後、これらの発光素子の動
作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子7及び発光素子8の輝度−色度座標特性を図29に示す。図29において、横軸
は輝度(cd/m)、縦軸は色度座標(x座標、又はy座標)を示す。また、各発光素
子における輝度1000cd/m付近のときの電圧(V)、電流密度(mA/cm
、CIE色度座標(x、y)、輝度(cd/m)、電流効率(cd/A)、外部量子効
率(%)を表6に示す。
また、発光素子7及び発光素子8に0.1mAの電流を流した際の発光スペクトルを、図
30に示す。図30において、横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す
。図30及び表6に示す通り、900cd/mの輝度の時の発光素子7のCIE色度座
標は(x,y)=(0.56,0.44)であった。1100cd/mの輝度の時の発
光素子8のCIE色度座標は(x,y)=(0.54,0.45)であった。発光素子7
及び発光素子8は、[Ir(dppm)(acac)]に由来する発光が得られたこと
がわかった。
表6から、発光素子7及び発光素子8は、駆動電圧が低く、電流効率及び外部量子効率が
高いことがわかった。また、図29から、発光素子7及び発光素子8は、低輝度から高輝
度まで、色変化がほとんど見られなかった。このことから、発光素子7及び発光素子8は
、キャリアバランスの良好な素子であると言える。
以上示したように、実施例3、4で作製した6,11mCzP2DBq及び7,10mC
zP2DBqを発光層のホスト材料及び電子輸送層の材料として用いることにより、駆動
電圧が低く、発光効率が高い発光素子を作製することができた。
(参考例1)
上記実施例2等で用いた(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト
)イリジウム(III)(略称:[Ir(dppm)(acac)])の合成方法につ
いて具体的に説明する。[Ir(dppm)(acac)]の構造を以下に示す。
<ステップ1;4,6−ジフェニルピリミジン(略称:Hdppm)の合成>
まず、4,6−ジクロロピリミジン5.02g、フェニルボロン酸8.29g、炭酸ナト
リウム7.19g、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(略
称:Pd(PPhCl)0.29g、水20mL、アセトニトリル20mLを、
還流管を付けたナスフラスコに入れ、内部をアルゴン置換した。この反応容器にマイクロ
波(2.45GHz 100W)を60分間照射することで加熱した。ここで更にフェニ
ルボロン酸2.08g、炭酸ナトリウム1.79g、Pd(PPhCl0.07
0g、水5mL、アセトニトリル5mLをフラスコに入れ、再度マイクロ波(2.45G
Hz 100W)を60分間照射することで加熱した。その後この溶液に水を加え、ジク
ロロメタンにて有機層を抽出した。得られた抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて
乾燥させた。乾燥した後の溶液を濾過した。濾液の溶媒を留去した後、得られた残渣を、
ジクロロメタンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ピリミ
ジン誘導体Hdppmを得た(黄白色粉末、収率38%)。なお、マイクロ波の照射は、
マイクロ波合成装置(CEM社製 Discover)を用いた。以下にステップ1の合
成スキーム(a−1)を示す。
<ステップ2;ジ−μ−クロロ−ビス[ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジ
ウム(III)](略称:[Ir(dppm)Cl])の合成>
次に、2−エトキシエタノール15mL、水5mL、上記ステップ1で得たHdppm1
.10g、塩化イリジウム水和物(IrCl・HO)0.69gを、還流管を付けた
ナスフラスコに入れ、ナスフラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.4
5GHz 100W)を1時間照射し、反応させた。溶媒を留去した後、得られた残渣を
エタノールで洗浄し、複核錯体[Ir(dppm)Cl]を得た(赤褐色粉末、収率
88%)。以下にステップ2の合成スキーム(a−2)を示す。
<ステップ3;(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジ
ウム(III)(略称:[Ir(dppm)(acac)])の合成>
さらに、2−エトキシエタノール40mL、上記ステップ2で得た[Ir(dppm)
Cl]1.44g、アセチルアセトン0.30g、炭酸ナトリウム1.07gを、還流
管を付けたナスフラスコに入れ、ナスフラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ
波(2.45GHz 120W)を60分間照射し、反応させた。溶媒を留去し、得られ
た残渣をジクロロメタンに溶解して濾過し、不溶物を除去した。得られた濾液を水、次い
で飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥させた。乾燥した後の溶液を濾過した
。濾液の溶媒を留去した後、得られた残渣を、ジクロロメタン:酢酸エチル=50:1(
体積比)を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。その後、ジ
クロロメタンとヘキサンの混合溶媒にて再結晶することにより、目的物である橙色粉末を
得た(収率32%)。以下にステップ3の合成スキーム(a−3)を示す。
上記ステップ3で得られた橙色粉末の核磁気共鳴分光法(H NMR)による分析結果
を下記に示す。この結果から、本合成例において、[Ir(dppm)(acac)]
が得られたことがわかった。
H NMR.δ(CDCl):1.83(s,6H),5.29(s,1H),6
.48(d,2H),6.80(t,2H),6.90(t,2H),7.55−7.6
3(m,6H),7.77(d,2H),8.17(s,2H),8.24(d,4H)
,9.17(s,2H).
(参考例2)
上記実施例2で用いた(アセチルアセトナト)ビス(6−メチル−4−フェニルピリミジ
ナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppm)(acac)])の合成方法
について具体的に説明する。[Ir(mppm)(acac)]の構造を以下に示す。
<ステップ1;4−メチル−6−フェニルピリミジン(略称:Hmppm)の合成>
まず、4−クロロ−6−メチルピリミジン4.90g、フェニルボロン酸4.80g、炭
酸ナトリウム4.03g、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリ
ド(略称:Pd(PPhCl)0.16g、水20mL、アセトニトリル10m
Lを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、内部をアルゴン置換した。この反応容器にマ
イクロ波(2.45GHz 100W)を60分間照射することで加熱した。ここでさら
にフェニルボロン酸2.28g、炭酸ナトリウム2.02g、Pd(PPhCl
0.082g、水5mL、アセトニトリル10mLをフラスコに入れ、再度マイクロ波(
2.45GHz 100W)を60分間照射することで加熱した。その後この溶液に水を
加え、ジクロロメタンにて抽出した。得られた抽出液を飽和炭酸ナトリウム水溶液、水、
次いで飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥させた。乾燥した後の溶液を濾過
した。この濾液の溶媒を留去した後、得られた残渣を、ジクロロメタン:酢酸エチル=9
:1(体積比)を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的の
ピリミジン誘導体Hmppmを得た(橙色油状物、収率46%)。なお、マイクロ波の照
射はマイクロ波合成装置(CEM社製 Discover)を用いた。以下にステップ1
の合成スキーム(b−1)を示す。
<ステップ2;ジ−μ−クロロ−ビス[ビス(6−メチル−4−フェニルピリミジナト)
イリジウム(III)](略称:[Ir(mppm)Cl])の合成>
次に、2−エトキシエタノール15mL、水5mL、上記ステップ1で得たHmppm1
.51g、塩化イリジウム水和物(IrCl・HO)1.26gを、還流管を付けた
ナスフラスコに入れ、ナスフラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.4
5GHz 100W)を1時間照射し、反応させた。溶媒を留去した後、得られた残渣を
エタノールで洗浄し、濾過することにより複核錯体[Ir(mppm)Cl]を得た
(暗緑色粉末、収率77%)。以下にステップ2の合成スキーム(b−2)を示す。
<ステップ3;(アセチルアセトナト)ビス(6−メチル−4−フェニルピリミジナト)
イリジウム(III)(略称:[Ir(mppm)(acac)])の合成>
さらに、2−エトキシエタノール40mL、上記ステップ2で得た複核錯体[Ir(mp
pm)Cl]1.84g、アセチルアセトン0.48g、炭酸ナトリウム1.73g
を、還流管を付けたナスフラスコに入れ、ナスフラスコ内をアルゴン置換した。その後、
マイクロ波(2.45GHz 120W)を60分間照射し、反応させた。溶媒を留去し
、得られた残渣をジクロロメタンに溶解して濾過し、不溶物を除去した。得られた濾液を
水、次いで飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥させた。乾燥した後の溶液を
濾過した。この濾液の溶媒を留去した後、得られた残渣を、ジクロロメタン:酢酸エチル
=4:1(体積比)を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。
その後、ジクロロメタンとヘキサンの混合溶媒にて再結晶することにより、目的物を黄色
粉末として得た(収率22%)。以下にステップ3の合成スキーム(b−3)を示す。
上記ステップ3で得られた黄色粉末の核磁気共鳴分光法(H NMR)による分析結果
を下記に示す。この結果から、本合成例において、[Ir(mppm)(acac)]
が得られたことがわかった。
H NMR.δ(CDCl):1.78(s,6H),2.81(s,6H),5
.24(s,1H),6.37(d,2H),6.77(t,2H),6.85(t,2
H),7.61−7.63(m,4H),8.97(s,2H).
(参考例3)
上記実施例5で用いた(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニ
ルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)(acac)
])の合成方法について具体的に説明する。[Ir(tBuppm)(acac)]の
構造を以下に示す。
<ステップ1;4−tert−ブチル−6−フェニルピリミジン(略称:HtBuppm
)の合成>
まず、4,4−ジメチル−1−フェニルペンタン−1,3−ジオン22.5gとホルムア
ミド50gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、内部を窒素置換した。この反応容器
を加熱することで反応溶液を5時間還流させた。その後、この溶液を水酸化ナトリウム水
溶液に注ぎ、ジクロロメタンにて有機層を抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で
洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥させた。乾燥した後の溶液を濾過した。この溶液の溶
媒を留去した後、得られた残渣を、ヘキサン:酢酸エチル=10:1(体積比)を展開溶
媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ピリミジン誘導体HtBupp
mを得た(無色油状物、収率14%)。ステップ1の合成スキームを下記(c−1)に示
す。
<ステップ2;ジ−μ−クロロ−ビス[ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリ
ミジナト)イリジウム(III)](略称:[Ir(tBuppm)Cl])の合成

次に、2−エトキシエタノール15mLと水5mL、上記ステップ1で得たHtBupp
m1.49g、塩化イリジウム水和物(IrCl・HO)1.04gを、還流管を付
けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.4
5GHz 100W)を1時間照射し、反応させた。溶媒を留去した後、得られた残渣を
エタノールで吸引濾過、洗浄し、複核錯体[Ir(tBuppm)Cl]を得た(黄
緑色粉末、収率73%)。ステップ2の合成スキームを下記(c−2)に示す。
<ステップ3;(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリ
ミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)(acac)]の合
成>
さらに、2−エトキシエタノール40mL、上記ステップ2で得た複核錯体[Ir(tB
uppm)Cl] 1.61g、アセチルアセトン0.36g、炭酸ナトリウム1.
27gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後
、マイクロ波(2.45GHz 120W)を60分間照射し、反応させた。溶媒を留去
し、得られた残渣をエタノールで吸引濾過し、水、エタノールで洗浄した。この固体をジ
クロロメタンに溶解させ、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−1
6855)、アルミナ、セライトの順で積層した濾過補助剤を通して濾過した。溶媒を留
去して得られた固体をジクロロメタンとヘキサンの混合溶媒にて再結晶することにより、
目的物を黄色粉末として得た(収率68%)。ステップ3の合成スキームを下記(c−3
)に示す。
上記ステップ3で得られた黄色粉末の核磁気共鳴分光法(H NMR)による分析結果
を下記に示す。この結果から、本合成例において、[Ir(tBuppm)(acac
)]が得られたことがわかった。
H NMR.δ(CDCl):1.50(s,18H),1.79(s,6H),
5.26(s,1H),6.33(d,2H),6.77(t,2H),6.85(t,
2H),7.70(d,2H),7.76(s,2H),9.02(s,2H).
100 基板
101 第1の電極
102 EL層
103 第2の電極
111 正孔注入層
112 正孔輸送層
113 発光層
114 電子輸送層
115 電子注入層
301 第1の電極
303 第2の電極
311 第1の発光ユニット
312 第2の発光ユニット
313 電荷発生層
401 ソース側駆動回路
402 画素部
403 ゲート側駆動回路
404 封止基板
405 シール材
407 空間
408 配線
410 素子基板
411 スイッチング用TFT
412 電流制御用TFT
413 第1の電極
414 絶縁物
416 発光層
417 第2の電極
418 発光素子
423 nチャネル型TFT
424 pチャネル型TFT
501 基板
502 第1の電極
503 第2の電極
504 EL層
505 絶縁層
506 隔壁層
611 筐体
612 支持台
613 表示部
614 スピーカー部
615 ビデオ入力端子
621 本体
622 筐体
623 表示部
624 キーボード
625 外部接続ポート
626 ポインティングデバイス
631 本体
632 筐体
633 表示部
634 音声入力部
635 音声出力部
636 操作キー
637 外部接続ポート
638 アンテナ
641 本体
642 表示部
643 筐体
644 外部接続ポート
645 リモコン受信部
646 受像部
647 バッテリー
648 音声入力部
649 操作キー
650 接眼部
701 筐体
702 液晶層
703 バックライト
704 筐体
705 ドライバIC
706 端子
801 筐体
802 光源
901 照明装置
902 テレビ装置
1100 基板
1101 第1の電極
1103 第2の電極
1111 正孔注入層
1112 正孔輸送層
1113 発光層
1114a 第1の電子輸送層
1114b 第2の電子輸送層
1115 電子注入層
9033 留め具
9034 スイッチ
9035 電源スイッチ
9036 スイッチ
9037 操作キー
9038 操作スイッチ
9630 筐体
9631 表示部
9631a 表示部
9631b 表示部
9632a 領域
9632b 領域
9633 太陽電池
9634 充放電制御回路
9635 バッテリー
9636 DCDCコンバータ
9637 コンバータ
9639 ボタン

Claims (8)

  1. 一対の電極間に、式(G1)で表される複素環化合物を有する発光素子。

    (式(G1)中、R〜R10は、いずれか一が式(G1−1)で表される置換基を表し、他のいずれか一が式(G1−2)で表される置換基を表し、その他はそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表す。また、式(G1−1)中のα及び式(G1−2)中のαは、それぞれ独立に、式(α−1)又は式(α−2)で表される置換基を表し、式(G1−1)中のA及び式(G1−2)中のAは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のカルバゾリル基(ただし、カルバゾリル基の3位および6位にアリール基を有する場合を除く)、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表す。)

    (式(α−1)中のR31〜R34及び式(α−2)中のR41〜R48は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のビフェニル基、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表す。)
  2. 一対の電極間に、式(G2−1)で表される複素環化合物。

    (式中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表し、α及びαは、それぞれ独立に、式(α−1)又は式(α−2)で表される置換基を表し、A及びAは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表す。)

    (式(α−1)中のR31〜R34及び式(α−2)中のR41〜R48は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のビフェニル基、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表す。)
  3. 一対の電極間に、式(G2−2)で表される複素環化合物を有する発光素子。

    (式中、R21〜R28は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表し、α及びαは、それぞれ独立に、式(α−1)又は式(α−2)で表される置換基を表し、A及びAは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表す。)

    (式(α−1)中のR31〜R34及び式(α−2)中のR41〜R48は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のビフェニル基、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表す。)
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
    前記A及び前記Aが、それぞれ独立に、式(1−1)乃至式(1−3)のいずれか一で表される発光素子。

    (式(1−1)中のR51〜R57、式(1−2)中のR61〜R67、及び式(1−3)中のR71、R72、R74、R75、R77、R78は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は置換もしくは無置換のビフェニル基を表す。R73、R76は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
  5. 一対の電極間に、式(100)、(102)、(132)のいずれか一で表される複素環化合物を有する発光素子。


  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の発光素子を発光部に有する発光装置。
  7. 請求項6に記載の発光装置を表示部に有する電子機器。
  8. 請求項6に記載の発光装置を発光部に有する照明装置。
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