JP2018029119A - 誘導結合型プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属性の物質を多く含有する被処理物を処理する場合でも、誘導コイルからの誘電体窓を通してプラズマ処理空間へ投入される誘導電力が低減することがなく、また、プラズマ処理室の内壁や被処理物を汚染することの少ない誘導結合型プラズマ処理装置を提供する。【解決手段】誘導結合型プラズマ処理装置1は、誘導コイル16とプラズマ処理空間Vを隔てる誘電体窓15の誘導コイル16側に設けられたクリーニング電極3と、クリーニング電極3に高周波電力を供給する高周波電源162と、誘電体窓15のプラズマ処理室V側に設けられた交換可能な前置板2と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、誘導結合型プラズマ処理装置に関し、特に該装置において、被処理物が収容されるプラズマ処理室の内部空間(プラズマ処理空間)と誘導コイルを隔てる誘電体窓に関する。
誘導結合型プラズマ処理装置では、被処理物をプラズマ処理するプラズマ処理空間を内部に形成するプラズマ処理室の外部に、プラズマを生成するための誘導コイルが置かれ、該誘導コイルとプラズマ処理空間の間には、誘導コイルにより生起される誘導電力をプラズマ処理空間に導入するための誘電体窓が配置される。
プラズマ処理空間で被処理物にエッチングやスパッタ等の処理を行うと、この誘電体窓の内側(プラズマ処理空間側、すなわち、被処理物側)の面にエッチングされた物質やスパッタされた物質が徐々に付着し、付着膜を形成する。また、被処理物の表面に成膜処理を行う場合も、そのような成膜のための物質が付着する。これらの物質に金属性の物質が含まれている場合、こうして形成された付着膜により、誘導コイルにより生起された誘導電力がプラズマ処理空間に投入されることが阻止される。
これに関連して、特許文献1には、誘電体窓と誘導コイルの間にプラズマと静電的に結合させる電極(クリーニング電極)を設け、そこに誘導コイルと同様の高周波を供給することが開示されている。これにより、プラズマ処理中には上記のような付着物質の付着(付着膜の形成)を阻止するとともに、プラズマ処理を行っていない間には誘電体窓の内側のクリーニング(付着膜の除去)を行うことができるとしている(以下、便宜上、付着膜の形成の阻止と形成された付着膜の除去を併せて「クリーニング」と呼ぶ。)。
また、特許文献2及び3には、誘電体窓の内側にスリット板を置き、誘電体窓の内側に形成された付着膜のパターンが誘導コイルによる該付着膜内での誘導電流の生成(渦電流の生成)を阻止するようなパターンとなるようにした誘導結合型プラズマ処理装置が開示されている。
特開平08-316210号公報 特開2001-254188号公報 特開2013-129897号公報
近年、プラズマ処理が施される被処理物の中には、金属性の物質を多く含むものが増えてきている。例えば、半導体基板にキャパシターを形成する場合、金属層のエッチングプロセスが多く含まれる。このような被処理物をプラズマ処理する場合、前記の誘電体窓の内側への付着膜の形成は一層大きな問題となる。
特許文献1に記載の方法では、付着膜の形成を防止し、また、形成された付着膜を除去する効果があるものの、クリーニング電極には誘導コイルと同様の高周波が供給されるため、該高周波で生成されたプラズマにより誘電体窓の内側もエッチングされる。このため、エッチングされた誘電体窓の構成物質が被処理物に付着するという問題がある他、誘電体窓が徐々に薄くなり、プラズマ処理室内外の圧力差により破損するという事態も生じ得る。このような事態を避けるため、クリーニング電極に供給する高周波電力は控えめにせざるを得ず、プラズマ処理の対象によっては、十分なクリーニング効果が得られない。
特許文献2や3に記載の方法では、誘導コイルからプラズマ処理空間へ投入される誘導電力の減少という事態は避けられるものの、誘電体窓やスリット板の内側(被処理物側)には付着膜が形成されるため、そのように付着した膜が剥がれ、プラズマ処理室の内壁や被処理物を汚染する可能性がある。
本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、金属性の物質を多く含有する被処理物を処理する場合でも、誘導コイルからの誘電体窓を通してプラズマ処理空間へ投入される誘導電力が低減することがなく、また、プラズマ処理室の内壁や被処理物を汚染することの少ない誘導結合型プラズマ処理装置を提供するものである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る誘導結合型プラズマ処理装置は、
a) 誘導コイルとプラズマ処理空間を隔てる誘電体窓の前記誘導コイル側に設けられたクリーニング電極と、
b) 前記クリーニング電極に高周波電力を供給するクリーニング高周波電源と、
c) 前記誘電体窓の前記プラズマ処理空間側に設けられた交換可能な前置板と
を備えることを特徴とする。
ここで、クリーニング電極に高周波電力を供給するクリーニング高周波電源は、前記誘導コイルに高周波電力を供給する高周波電源と共用してもよいし、別の電源を用意してもよい。
クリーニング高周波電源として、前記誘導コイルに高周波電力を供給する高周波電源とは別の電源を用意する場合には、その周波数をプラズマ処理用の高周波(通常、13.56MHzが使用される)よりも低周波(例えば、100kHz〜1MHz程度)とすることが望ましい。
前記前置板は、スリットを有していてもよい。この場合、このスリットは、前記誘電体窓の内側に形成される付着膜のパターンが前記誘導コイルによる該付着膜内での誘導電流の生成(渦電流の生成)を阻止するようなパターンを有するものとしておくことが望ましい。
本発明に係る誘導結合型プラズマ処理装置では、誘電体窓の内側(プラズマ処理空間側、すなわち、被処理物側)に前置板が設けられており、クリーニング高周波電源から高周波電力を供給されるクリーニング電極が、この前置板(の、特に内側=被処理物側)への付着物の付着を阻止し、或いは、付着した付着物(付着膜)を除去する。本発明に係る誘導結合型プラズマ処理装置では、その際、やや強力な阻止及び除去処理を行うことができる。なぜなら、前置板は交換可能であるため、そのような処理により前置板が薄くなれば、交換すれば済むためである。また、前置板の素材として、仮にプラズマ処理の被処理物に付着したとしても、それに対して影響を与えることが少ない物質を選択することができる。
ここで、クリーニング高周波電源からクリーニング電極に供給する高周波を、前記誘導コイルに供給される高周波よりも低い周波数(例えば、100kHz〜1MHz程度)とすることにより、被処理物に対して行う本来のプラズマ処理への干渉が少ない、前置板及び誘電体窓のクリーニングを行うことができる。
前置板に前記のようなスリットを設けた場合には、クリーニング電極による付着物阻止作用を弱くし、誘電体窓の内側への付着を許すような強さのクリーニング処理を行うことができる。これにより、汚染に弱い被処理物に対するプラズマ処理も可能となる。
ICP処理装置の構成を示す概略図。 窓材の付近の様子を拡大して示す断面図。 前置板をプラズマ処理空間側から見た平面図。 クリーニング電極の形状例を示す平面図。 前置板に形成されるスリットのパターン例を示す図。 他の実施形態に係るICP処理装置の構成を示す概略図。 他の実施形態に係るICP処理装置の構成を示す概略図。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<1.ICP処理装置>
実施形態に係る誘導結合型プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)処理装置(以下、「ICP処理装置」ともいう)の全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、ICP処理装置1の構成を示す概略図である。
ICP処理装置1は、内部にプラズマ処理空間Vを形成する気密な処理チャンバー(処理室)11を備える。処理チャンバー11には、処理ガス通路を介して、処理ガス(例えば、プラズマエッチング処理用のガス等)を供給する処理ガス供給部12が接続されており、処理ガス供給部12から供給された処理ガスが、処理ガス通路を介してプラズマ処理空間Vに供給される。また、処理チャンバー11には、ロータリポンプ131、ターボ分子ポンプ132、弁133、これを制御する圧力制御器134、等を含む圧力制御機構13が接続されており、これによってプラズマ処理空間Vが所定の低圧状態に維持される。
処理チャンバー11の底部には、下部電極14が設けられている。ICP処理装置1における処理対象物(ここでは、例えば、金属または金属酸化物を含む基板)9は、この下部電極14上に載置される。つまり、下部電極14の上面は、処理対象物9を載置するための載置面を構成する。下部電極14は、第1の整合回路141を介して、第1の高周波電源(RF発生器)142に接続されている。第1の高周波電源142が下部電極14に高周波電力を供給すると、プラズマ処理空間Vに発生しているプラズマイオンが処理対象物9に向かう方向に加速される。つまり、第1の高周波電源142は、プラズマイオンを処理対象物9に向けて加速するためのバイアス電圧を印加するための要素である。
処理チャンバー11の上壁面(天井)111には、円形状の開口が形成されており、ここに、プラズマ処理空間Vと後述する誘導コイル16を隔てる円形平板状の窓15が配置される。この窓15は、誘電体により形成されており、以下「誘電体窓15」と呼ぶ。
誘電体窓15は、例えば、窓枠151(図2参照)を介して上壁面111に対して固定されている。すなわち、窓枠151は、リング状の側壁とその下端から内方に張り出す掛止部とから成る断面L字形状の部材であり、掛止部上に誘電体窓15が支持され、側壁が上壁面111の開口の縁に沿って固定される。
処理チャンバー11の上側であって、誘電体窓15の上方の位置には、渦巻き状のコイル電極である誘導コイル16が配置されている。誘導コイル16は、第2の整合回路161を介して、第2の高周波電源162に接続されている。第2の高周波電源162が供給する高周波の周波数は、例えば、13.56MHzである。第2の高周波電源162が誘導コイル16に高周波電力を供給すると、誘導コイル16から誘電体窓15を通してプラズマ処理空間Vへ誘導電力が投入されて、プラズマ処理空間Vに高周波磁界が発生する。これによってプラズマ処理空間Vに供給されている処理ガスがプラズマ化され、下部電極14に載置された処理対象物9がプラズマ処理される。
処理対象物9が金属または金属酸化物を含んでいる場合、処理対象物9がプラズマ処理によりエッチングあるいはスパッタされることにより金属パーティクルが飛散して、誘電体窓15や処理チャンバー11の内壁などに付着する可能性がある。誘電体窓15に金属パーティクルなどが付着すると、誘導コイル16からの誘電体窓15を通してプラズマ処理空間Vへ投入される誘導電力が低減してしまう。そこで、このような事態を回避するべく、ICP処理装置1は、前置板2およびクリーニング電極3を備える。以下に、これらの各要素について詳述する。
<2.前置板2>
前置板2について、図1に加え、図2、図3を参照しながら説明する。図2は、ICP処理装置1における誘電体窓15の付近の様子を拡大して示す断面図である。図3は、前置板2をプラズマ処理空間V側から見た平面図である。
前置板2は、円板状の部材であって、その直径は、好ましくは、誘電体窓15の直径と略同一かこれより小さいものとする。前置板2の形成材料は任意に選択できる。好ましい前置板2の形成材料として、アルミナ(Al)、石英、窒化アルミニウム(AlN)、などが挙げられる。特に、処理対象物9に付着したとしても、それに対して影響を与えることが少ない物質を前置板2の形成材料として選択することが好ましい。ここでは、前置板2は、例えば、石英にイットリア(Y)を蒸着することにより形成されるものとする。イットリアの蒸着膜は柔らかいため、これを前置板2に形成しておけば、プラズマ処理において前置板2に金属パーティクルなどが付着したとしても、これが落下しにくくなる。したがって、前置板2から付着物が落下して処理対象物9を汚染する、といった事態を回避できる。もっとも、イットリアの蒸着は必須ではなく、前置板2を例えば石英のみから形成してもよい。
前置板2は、誘電体窓15のプラズマ処理空間V側(すなわち、処理チャンバー11の内側)に設けられている。つまり、前置板2は、誘電体窓15を挟んで、誘導コイル16の逆側に設けられている。また、前置板2は、側方から見て、その上面と誘電体窓15の下面とが互いに平行となる姿勢で、これらの面が当接するような位置、あるいは、定められた距離(好ましくは、0〜5mm程度)だけ離間するような位置に、配置される。また、前置板2は、上方から見て、誘電体窓15と同心に配置される。
前置板2は、例えば、支持枠21を介して、上記の姿勢で上記の位置に支持されている。すなわち、支持枠21は、例えば、平板リング状の固定部分211とその内側縁から内方に張り出すリング状の支持部分212とから成る部材であり、支持部分212の内縁部分によって前置板2の外縁部分が下方側から支持され、固定部分211が窓枠151(あるいは、処理チャンバー11の上壁面111であってもよい)の下面に、複数のネジ22によって固定される。支持枠21を、窓枠151などに対してネジ22によって固定する態様としておけば、ネジ22を外すことで支持枠21を取り外して、前置板2を容易に交換することができる。
なお、このときに、前置板2と誘電体窓15との間に捨て板200が挿入されてもよい。この場合、前置板2の周縁に沿って土手201を形成しておき、この土手201と誘電体窓15との間で、捨て板200を挟み込むようにして支持すればよい。この場合、前置板2の上面と捨て板200の下面との離間距離は、土手201の高さで調整することが可能である。
<3.クリーニング電極3>
クリーニング電極3について、図1、図2に加え、図4を参照しながら説明する。図4は、クリーニング電極3の形状例を示す平面図である。
クリーニング電極3は、金属により形成される。また、クリーニング電極3は、誘電体窓15の誘導コイル16側(すなわち、処理チャンバー11の外側)であって、誘電体窓15と誘導コイル16の間に配置される。また、クリーニング電極3は、側方から見て、その下面と誘電体窓15の上面とが互いに平行となる姿勢で、これらの面が当接するような位置、あるいは、定められた距離(好ましくは、0〜5mm程度)だけ離間するような位置に、配置される。また、クリーニング電極3は、上方から見て、誘電体窓15と同心に配置される。
クリーニング電極3は、上下面が平坦な長尺の板状部分が複数個結合して、平面視にて誘電体窓15の全体を満遍なく網羅するようなパターンを形成していることが好ましい。
具体的には例えば、図4(a)に示されるクリーニング電極3aのように、平面視にて放射状のパターンを形成するものであってもよい。また例えば、放射状のパターンにおいて、放射状に伸びる各直線部分の先端が枝分かれしたパターンを形成するものであってもよい(図4(b)に示されるクリーニング電極3b)。また例えば、放射状のパターンにおいて、放射状に伸びる各直線部分から複数の枝部分がさらに伸びるパターン(雪の結晶状のパターン)を形成するものであってもよい(図4(c)に示されるクリーニング電極3c)。
クリーニング電極3は、上述した第2の整合回路161を介して、上述した第2の高周波電源162に接続されている。つまり、第2の高周波電源162は、第2の整合回路161を介して、誘導コイル16およびクリーニング電極3に接続されており、クリーニング電極3には、第2の高周波電源162から高周波電力が供給される。つまり、この実施形態では、第2の高周波電源162が本発明に係るクリーニング高周波電源に相当する。また、この実施形態では、クリーニング電極3に高周波電力を供給するクリーニング高周波電源が、誘導コイル16に高周波電力を供給する高周波電源と共用されている。
第2の高周波電源162がクリーニング電極3に高周波電力を供給することによって、プラズマ処理空間V内に存在している金属パーティクル等が、前置板2に付着することが阻止される、あるいは、前置板2に付着している付着物が除去される。
<4.クリーニング>
ICP処理装置1において処理対象物9をプラズマ処理する態様について、図1および図2を参照しながら説明する。
まず、図示しない搬入口を介して処理対象物9が処理チャンバー11内に搬入され、下部電極14上に載置される。処理対象物9が搬入されると、搬入口が閉鎖されて処理チャンバー11が密閉される。その後、処理ガス供給部12からプラズマ処理空間Vへ処理ガスの導入が開始されるとともに、圧力制御機構13によってプラズマ処理空間Vが排気される。
プラズマ処理空間Vが所定の低圧状態となると、第2の高周波電源162が誘導コイル16およびクリーニング電極3への高周波電力の供給を開始する。また、必要に応じて、第1の高周波電源142が下部電極14への高周波電力の供給を開始する。
誘導コイル16に高周波電力が供給されることによって、プラズマ処理空間Vに供給されている処理ガスがプラズマ化され、下部電極14に載置されている処理対象物9がプラズマ処理される。また、下部電極14にも高周波電力が供給されている場合、プラズマ処理空間Vに発生しているプラズマイオンが処理対象物9に向かう方向に加速され、処理対象物9のプラズマ処理によるエッチングあるいはスパッタが促進される。
ここでは、処理対象物9に対するプラズマ処理が進行する間、クリーニング電極3にも高周波電力が供給されている。これによって、プラズマ処理によって処理対象物9がエッチングあるいはスパッタされることによって生じた金属パーティクルが、前置板2に付着することが阻止される、あるいは、前置板2に付着している付着物が除去される。
ここでは、前置板2が存在するために、クリーニング電極3に供給される高周波電力が比較的大きくても、誘電体窓15のエッチングが進行しにくい。したがって、誘電体窓15がエッチングされないように、クリーニング電極3に供給される高周波電力を小さく抑える必要がない。クリーニング電極3に供給される高周波電力が大きくなると、前置板2に対する上記の阻止(あるいは、除去)の強さ(クリーニング力)が大きくなる。
上記の通り、クリーニング電極3に供給される高周波電力が大きくなると、クリーニング力が大きくなるという利点がある反面、前置板2のエッチングが進行する可能性がある。しかしながら、上述したとおり、前置板2においては、その形成材料として、処理対象物9に付着したとしても、それに対して影響を与えることが少ない物質を選択することが可能であり、そのような物質を前置板2の形成材料として選択しておけば、前置板2がエッチングされても問題が生じない。また、ここでは、前置板2が交換可能に設けられているので、エッチングによって前置板2が薄肉化した場合は、これを難なく交換することができる。
<5.他の実施形態>
上記の実施形態において、前置板2には、スリットが形成されてもよい。このスリットは、誘電体窓15の内側に形成される付着膜のパターンが誘導コイル16による該付着膜内での誘導電流の生成(渦電流の生成)を阻止するようなパターンを有するものとしておくことが好ましい。このようなパターンの具体例が、図5に示されている。
図5(a)に示される前置板2aに形成されるパターンにおいては、相対的に短いスリット(例えば、前置板2aの直径の約1/7の長さを有する直線状のスリット)41と、相対的に長いスリット(例えば、前置板2aの直径の約1/3の長さを有する直線状のスリット)42が、前置板2の周方向に沿って交互に配置される。このとき、短いスリット41は前置板2の外周側に寄せて配置し、長いスリット42は前置板2の中心と外周縁との中間部分に配置する。また、長いスリット42のうちの一部(図の例では、90度おきに現れる長いスリット42)を、残りの長いスリット42よりもさらに長い寸法として、当該一部の長いスリット42の各端部が残りの長いスリット42の端部よりも前置板2の中心側に配置されるようにすることも好ましい。
図5(b)に示される前置板2bに形成されるパターンにおいては、相対的に短いスリット43と、相対的に長いスリット44が、前置板2bの周方向に沿って交互に配置され、さらに、各スリット43,44が、前置板2bの径方向に対して同じ方向に一定の角度(例えば、約10°)だけ傾けて、全体として放射渦巻状に配置される。
図5(a)および図5(b)に示されるパターンにおいて、例えば、短いスリット41,43を形成せずに、長いスリット42,44のみを形成してもよい。
スリット41,42,43,44を設けた前置板2a,2bによると、誘電体窓15の内側に付着膜が形成されたとしても、該付着膜内での誘導電流が生成されることがない。したがって、クリーニング電極3によるクリーニング力を弱くしても(つまりは、誘電体窓15の内側への付着物が付着することを許すような強さにしても)、問題が生じない。クリーニング力を弱くすると、前置板2a,2bがエッチングされることが十分に回避されるので、汚染に特に弱い処理対象物9に対するプラズマ処理も可能となる。
上記の実施形態において、図6に示されるように、クリーニング電極3と第2の整合回路161との間に、可変コンデンサ17等を介挿して、クリーニング電極3に供給される高周波電力を調整可能としてもよい。
上記の実施形態では、クリーニング電極3に高周波電力を供給する高周波電源は、誘導コイル16に高周波電力を供給する高周波電源と共用されていたが(第2の高周波電源162)、クリーニング電極3に高周波電力を供給する高周波電源を、誘導コイル16に高周波電力を供給する高周波電源とは別に設けてもよい。すなわち、図7に示されるように、クリーニング電極3は、第3の整合回路31を介して、第3の高周波電源32に接続されてもよい。この実施形態では、第3の高周波電源32が本発明に係るクリーニング高周波電源に相当することになる。
この場合、第2の高周波電源162が供給する高周波の周波数は13.56MHzとし、第3の高周波電源32が供給する高周波の周波数はこれよりも低周波(例えば、100kHz〜1MHz程度、特に好ましくは400kHz)とすることが好ましい。この構成によると、前置板2や誘電体窓15のクリーニングと、処理対象物9に対して行われる本来のプラズマ処理とが干渉しにくい。
別々の高周波電源162,32から誘導コイル16およびクリーニング電極3の各々に高周波電力を供給する場合、誘導コイル16とクリーニング電極3の間に、石英板18を設けることも好ましい。石英板18を設けることによって、誘導コイル16とクリーニング電極3の間の放電を抑制することができる。
このような石英板18は、図1、図6に示される構成(すなわち、共通の高周波電源162から誘導コイル16およびクリーニング電極3に高周波電力を供給する構成)においても設けることができる。
上記の実施形態においては、前置板2は円板状であるとしたが、前置板2の形状は必ずしも円板状である必要はなく、例えば、矩形板状であってもよいし、多角形板状であってもよい。
上記の実施形態においては、誘電体窓15は円板状であるとしたが、誘電体窓15の形状は必ずしも円板状である必要はなく、例えば、ドーム型であってもよい。この場合、クリーニング電極3も当該ドーム型に沿って曲がった形状とすればよい。
1…ICP処理装置
11…処理チャンバー
111…上壁面
12…処理ガス供給部
13…圧力制御機構
14…下部電極
141…第1の整合回路
142…第1の高周波電源
15…誘電体窓
151…窓枠
16…誘導コイル
161…第2の整合回路
162…第2の高周波電源(クリーニング高周波電源)
17…可変コンデンサ
18…石英板
2…前置板
21…支持枠
22…ネジ
3…クリーニング電極
31…第3の整合回路
32…第3の高周波電源(クリーニング高周波電源)
41,42,43,44…スリット
9…処理対象物
V…プラズマ処理空間

Claims (4)

  1. a) 誘導コイルとプラズマ処理空間を隔てる誘電体窓の前記誘導コイル側に設けられたクリーニング電極と、
    b) 前記クリーニング電極に高周波電力を供給するクリーニング高周波電源と、
    c) 前記誘電体窓の前記プラズマ処理空間側に設けられた交換可能な前置板と、
    を備えることを特徴とする、誘導結合型プラズマ処理装置。
  2. 請求項1に記載の誘導結合型プラズマ処理装置であって、
    前記クリーニング高周波電源が、前記誘導コイルに高周波電力を供給する高周波電源と共用されている、
    誘導結合型プラズマ処理装置。
  3. 請求項1に記載の誘導結合型プラズマ処理装置であって、
    前記クリーニング高周波電源が、前記誘導コイルに高周波電力を供給する高周波電源とは別に設けられており、
    前記クリーニング高周波電源の周波数が、前記誘導コイルに高周波電力を供給する高周波電源の周波数よりも低周波である、
    誘導結合型プラズマ処理装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の誘導結合型プラズマ処理装置であって、
    前記前置板に、スリットが形成されている、
    誘導結合型プラズマ処理装置。
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