JP2018028629A - レンズ鏡筒 - Google Patents

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朋行 廻谷
Tomoyuki Meguriya
朋行 廻谷
孝太郎 渡邉
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孝太郎 渡邉
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Abstract

【課題】がたつき防止用の付勢部材のレンズ群移動による付勢力を一定としながら、高い耐久性を備え、部材の配置に自由度があり、製造コストを抑えたレンズ鏡筒を提供する。【解決手段】カム筒と、カムフォロアの設けられたレンズ保持枠を備えた複数の移動レンズ群と、前記移動レンズ群と同数の付勢部材と、を有し、前記複数の移動レンズ群の光軸方向の距離が変動するレンズ鏡筒において、前記カムフォロアは前記カム筒のカム溝に係合し、前記複数の付勢部材は前記移動レンズ群を光軸方向へと付勢し、前記複数の付勢部材による付勢における付勢力の合力は複数の移動レンズ群の光軸方向の距離が変動することによらず一定であり、前記複数の付勢部材はその全てが同種類であることを特徴とする構成とした。【選択図】図1

Description

本発明は、がたつきを抑制する構造を備えたレンズ鏡筒に関する。
従来、レンズ鏡筒の多くはズーム用の変倍レンズや、焦点調節用のフォーカスレンズなど、光軸方向に移動するレンズを備えている。レンズを光軸方向へ移動させるための構造として、カム機構が広く知られている。
カム機構は、レンズを保持するレンズ枠を移動させるためにカム筒を備える機構である。レンズ枠の保持部材であるカムフォロアはカム筒に形成されたカム溝に係合し、レンズ枠はカム筒が回転することでカム溝の形状に従って移動する。この場合、カムフォロアとカム溝が円滑に摺動するように、カムフォロアとカム溝の係合にはクリアランスが設けられるのが一般的である。
しかしクリアランスを設けると摺動性は向上するものの、一方でカムフォロアとカム溝にがたつきが発生してしまう。また、カムフォロアとカム溝の摺動に伴ってカムフォロアが削れることで、そのがたつきは増加してしまう。このようながたつきが発生するとレンズ鏡筒の光学性能や焦点調節精度が低下し、また部品破損や異音の原因となってしまう。従って、クリアランスを設けながら、同時にがたつきを抑制する機構を備える必要がある。
クリアランスを設けながらがたつきを抑制する機構を備えたレンズ鏡筒として、例えば特許文献1が挙げられる。特許文献1に開示された発明によれば、前群レンズと後群レンズをコイルばねで互いに離す方向に付勢する構造によってクリアランスを除去している。
しかし、特許文献1に記載の発明では、前群と後群のレンズ間隔が変化するため、それらの間に働く付勢部材の付勢力が変化し、カム動作にムラが発生するという問題があった。カム動作にムラが発生すると、レンズ群移動動作が一定の力量で行えないことから、製品としての品位を欠いてしまう。
この様な問題を解決するレンズ鏡筒として、特許文献2が挙げられる。特許文献2に記載の発明によれば、ズーミング時又はフォーカシング時等の、どのような動作時においても、ガタつき防止用の付勢部材の付勢力が一定となるレンズ鏡筒を提供できる、としている。
また、特許文献3に記載の発明によれば、カム部材の駆動手段に要求される出力を小さくするとともに、ズーム方向によってズーム速度に大きな差が生じないようにしたレンズ鏡筒およびこれを備えた光学機器を提供できる、としている。
特開平4−101110号公報 特開平8−297234号公報 特開平10−10397号公報
特許文献2に記載の発明は付勢部材の付勢力を一定とするために移動可能なバネ受け部材を追加している。そのため、バネ受け部材の移動スペースが必要となり、レンズの小型化が困難となっている。また移動レンズ群を移動させるカム溝の他に、バネ受け部材を移動させるためのカム溝も必要となりカム筒が肥大化するため、スペースが取れないレンズには搭載することが困難である。また、カム溝の数が増えるため製造工程が増加することで製造コストが上昇し、同時にカム筒の強度も弱くなってしまう。また、移動群を付勢しているのでカム溝との摺動によるカムフォロアへの負荷が大きく、使用経過と共にカムフォロアが削れてしまうことで将来群間隔が崩れる恐れがある
特許文献3に記載の発明はコイルバネの付勢力と反対の付勢力を持つように引張バネをカム部材に配置して、移動レンズ群の位置による付勢力の差を無くしている。しかし移動レンズ群が重くなると引張バネではコイルバネと同等のトルクが得られず、付勢力の差が生じてしまう。また、引張バネとコイルバネで同等のトルクを得ようとすると、引張バネが巨大化し搭載が困難となってしまう。また製造に2種類のバネが必要となり、製造上の管理が煩雑となり、コストも増加してしまう。また、光軸方向の距離が変動する2つの移動レンズ群のがた抑制方法として,両移動レンズ群の間にコイルバネを配置しているが、移動レンズ群の間に他のレンズ群や絞りユニット等がある構成のレンズではコイルバネを配置できない。
上記課題から本発明は、がたつき防止用の付勢部材のレンズ群移動による付勢力を一定としながら、高い耐久性を備え、部材の配置に自由度があり、製造コストを抑えたレンズ鏡筒を提供することを目的とする。
請求項1に示す発明は、カム筒と、カムフォロアの設けられたレンズ保持枠を備えた複数の移動レンズ群と、前記移動レンズ群と同数の付勢部材と、を有し、前記複数の移動レンズ群の光軸方向の距離が変動するレンズ鏡筒において、前記カムフォロアは前記カム筒のカム溝に係合し、前記複数の付勢部材は前記移動レンズ群を光軸方向へと付勢し、前記複数の付勢部材による付勢における付勢力の合力は複数の移動レンズ群の光軸方向の距離が変動することによらず一定であり、前記複数の付勢部材はその全てが同種類であることを特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項2に示す発明は、前記複数の移動レンズ群は第1のレンズ保持枠を備えた第1のレンズ群と、第2のレンズ保持枠を備えた第2のレンズ群と、を有し、前記複数の付勢部材は第1の付勢部材と、前記第1の付勢部材と同種類の第2の付勢部材と、を有し、前記第1の付勢部材は前記第1のレンズ保持枠と接触して光軸方向へと付勢し、前記第2の付勢部材は前記第2のレンズ保持枠と接触して前記第1の付勢部材が付勢する方向と同方向へと付勢することを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒である。
請求項3に示す発明は、カム筒と、カムフォロアが設けられた第1のレンズ保持枠を備えた第1のレンズ群と、前記カムフォロアが設けられた第2のレンズ保持枠を備えた第2のレンズ群と、第1の付勢部材と、前記第1の付勢部材と同種類の第2の付勢部材と、を有し、前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群の光軸方向の距離が変動するレンズ鏡筒において、前記カムフォロアは前記カム筒のカム溝に係合し、前記第1の付勢部材は前記第1のレンズ保持枠を光軸方向へと付勢し、前記第2の付勢部材は前記第2のレンズ保持枠を前記第1の付勢部材が付勢する方向と同方向へと付勢することを特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項4に示す発明は、前記付勢部材はコイルバネであることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のレンズ鏡筒である。
請求項5に示す発明は、前記カムフォロアはベアリングコロであることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載のレンズ鏡筒である。
請求項6に示す発明は、前記第1の付勢部材によって発生する前記カム溝に対する第1の付勢力と前記第2の付勢部材によって発生する前記カム溝に対する第2の付勢力との合力である第3の付勢力は、前記第1のレンズ保持枠及び前記第2のレンズ保持枠が光軸方向に移動することによって変化しないことを特徴とする請求項2及び請求項5のいずれかに記載のレンズ鏡筒である。
請求項7に示す発明は、前記第1の付勢部材と、前記第2の付勢部材はバネ定数が異なることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載のレンズ鏡筒である。
請求項8に示す発明は、前記第1の付勢部材は前記第1のレンズ保持枠より被写体に向けて光軸方向後方に配置され、前記第2の付勢部材は前記第2のレンズ保持枠より被写体に向けて光軸方向後方に配置されることを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載のレンズ鏡筒である。
請求項9に示す発明は、前記付勢部材が前記レンズ保持枠ではない部材と当接する箇所に付勢部材受け枠を配置することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のレンズ鏡筒である。
本発明によれば、がたつき防止用の付勢部材のレンズ群移動による付勢力を一定としながら、部材の配置に自由度があり、製造コストを抑えたレンズ鏡筒を提供することができる。
本発明の一実施例を示したレンズ鏡筒における主要な構成部材の斜視図である。 本発明の一実施例を示したレンズ鏡筒における主要な構成部材の展開斜視図である。 本発明の一実施例を示したレンズ鏡筒における固定筒を示した斜視図である。 本発明の一実施例を示したレンズ鏡筒におけるベアリングコロを示した斜視図である。 本発明の一実施例を示したレンズ鏡筒における無限遠撮影時の断面図である。 本発明の一実施例を示したレンズ鏡筒における至近端撮影時の断面図である。 本発明の一実施例を示したレンズ鏡筒における無限遠撮影時から至近端撮影時の変位の際の力量を示したグラフ図である。
以下、添付の図面に従って、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
図1は本発明の一実施例を示したレンズ鏡筒における主要な構成部材の斜視図である。また、図2は本発明の一実施例を示したレンズ鏡筒における主要な構成部材の展開斜視図である。図3は本発明の一実施例を示したレンズ鏡筒における固定筒を示した斜視図である。以下、図1、図2、図3を使用してレンズ鏡筒1の部材について説明する。ここで、レンズ鏡筒1は撮像装置に交換可能であり、その中心に光軸を持つ。また本明細書ではマウント部の存在する側を撮像装置側、その反対側を物体側と呼称することとする。
レンズ鏡筒1は、不図示の撮像装置に着脱可能に装着される交換レンズ鏡筒であり、第1レンズ群10、第1レンズ保持枠12、第2レンズ群20、第2レンズ保持枠22、絞りユニット30、ベアリングコロ100、固定コロ32、カム筒40、固定筒50、第1オートフォカス(AF)バネ60、第2AFバネ70、バネベース80、後部部材90を備えている。
第1、第2レンズ群10、20は、被写体光を撮影装置へと導く撮影光学系の一部であり、それぞれ第1、第2レンズ保持枠12、22に保持されている。第1、第2レンズ群10、20はどちらもフォーカシングに際して光軸方向に移動するフォーカスレンズである。
第1、第2レンズ保持枠12、22はそれぞれ第1、第2レンズ群10、20を外周から支持することで保持する円環状の枠体である。第1、第2レンズ保持枠12、22にはカム筒40に存在するカム溝に係合する第1、第2レンズ保持枠ベアリングコロ14、24が形成されている。ベアリングコロ100は光軸周りに均等な間隔で3つ形成されている。
絞りユニット30は撮影光学系を通過する被写体光の光量を調節するものであり、第1レンズ群10と第2レンズ群20との間に配置されている。ここで絞りユニット30は絞り羽根の摺動によって光量を調節する公知の装置である。絞りユニット30の保持部材には3つの固定コロ32が形成されている。固定コロ32はカム筒40に存在する逃がし溝46を通して図3に示されている固定筒50に固定されている。
カム筒40はベアリングコロ100が係合するカム溝を搭載することで、回転方向に働く力をレンズ群の光軸方向への移動に働く力へと変換する部材である。カム筒40には第1レンズ保持枠12に対応する第1カム溝42が3つ、第2レンズ保持枠22に対応する第2カム溝44が3つの合計6つのカム溝が存在する。それぞれのカム溝にベアリングコロ100が係合することで、第1、第2レンズ保持枠12、22はカム筒40に保持される。ここで、カム筒40の円滑な回転を達成するため、ベアリングコロ100と第1、第2カム溝42、44との間の摺接部分にはクリアランスが設けられている。また、絞りユニット30の固定コロ32に対応する逃がし溝46が3つ存在する。
カム筒40はレンズ鏡筒1に対する焦点移動操作によって、光軸を中心として円周方向に回転する。本実施例においては至近端位置から無限遠位置へのフォーカシング操作を行うと、カム筒40は光軸を中心として物体側から見て反時計回りに回転する。図1は、カム筒40が至近端位置から僅かに回転移動した状態を示している。ここでフォーカシング操作は不図示のマニュアルリングを回転させる、又は撮像装置のフォーカシング指示を受けることで不図示のモータが駆動する等の動作によって行われる。
図1及び図2に示されているように、第1、第2カム溝42、44は、第1、第2レンズ保持枠12、22と一体に第1、第2レンズ群10、20を個別に光軸方向へ移動させる形状である。より詳細には、第1カム溝42は至近端位置から無限遠位置までに第1レンズ群10を撮像装置側へと移動させる形状であり、第2カム溝44は至近端位置から無限遠位置までに第2レンズ群20を物体側へと移動させるような形状となっている。逃がし溝46は至近端位置から無限遠位置までに絞りユニット30が光軸方向へ移動しない形状であり、光軸を中心とした円周上に搭載されている。ここで、第1カム溝42と第2カム溝44は異なる形状をしているため、フォーカシングに際する第1レンズ群10と第2レンズ群20の光軸上の移動量は一致しない。
固定筒50はレンズ鏡筒1が撮像装置に装着された状態において、撮像装置に対する移動が制限される筒体である。固定筒50は内部に回転筒を保持し、また前述したように絞りユニット30を固定している。また、第1レンズ保持枠ベアリングコロ14と係合するカム溝を有し、内部には第2レンズ保持枠ベアリングコロ24と係合する不図示のカム溝を有している。
第1、第2AFバネ60、70は第1、第2レンズ保持枠12、22を物体側へと付勢し、移動レンズ群のがたつきを除去するために配置される部材である。第1AFバネ60は一端が第1レンズ保持枠12に当接し、逆側の一端がバネベース80と当接している。第2AFバネ70は一端が第2レンズ保持枠22に当接し、逆側の一端が後部部材90に当接している。また、図2では第1、第2AFバネ60、70が簡単のため円筒状部材として描写されているが、本実施例では公知のコイルバネを使用する。
第1、第2AFバネ60、70を配置することで、第1、第2レンズ保持枠12、22は光軸方向物体側へと付勢される。それによって第1、第2レンズ群10、20に形成されたベアリングコロ100はカム溝40の前側壁に当接し、予め設けられていたクリアランスが除去されることとなる。また、同時に固定筒50とカム筒40のがたつきも除去される。従って、第1、第2レンズ群10、20の停止位置を確実にコントロールすることができる。また、付勢を行うことでクリアランスの大小が問題とならなくなるため、製造精度に猶予を与えることができる。
バネベース80は第1AFバネ60の一端を受けるために配置された部材である。絞りユニット30が第1AFバネ60によって付勢されてしまうとその力が絞りユニット30内の絞り機構に直接伝達され、正常な絞り動作が行われなくなる恐れがある。従って、第1AFバネ60が絞りユニット30に直接当接しないようにバネベース80が設けられている。なお、バネベース80は絞りユニット30の保持部材に固定されている。
後部部材90は第2AFバネ70の一端を受けている部材である。本実施例においては第3レンズ群を保持する役割を担っている。後部部材90は固定筒50に固定されており、第2AFバネ70による付勢の影響を受けない。
図4は本発明の一実施例を示したレンズ鏡筒におけるベアリングコロの斜視図である。ベアリングコロ100はカム筒40の回転と共に係合されたカム溝と摺動する部材であり、第1、第2のベアリング102、104、フランジ106及びシャフト108から構成される、シャフト108を中心として回転自在な部材である。第1のベアリング102は不図示の固定筒50内部のカム溝と係合をし、第2のベアリング104はカム筒40のカム溝と係合をする。フランジ106はレンズ保持枠と嵌合する部材である。シャフト108は第1、第2のベアリング102、104及びフランジ106を貫通し、レンズ保持枠に螺嵌する部材である。
ベアリングコロ100はカム溝と摺動する際の摩擦力を回転力へと変換することが可能なカムフォロアである。レンズ群を強力なコイルバネによって付勢すれば、係合部であるカムフォロアには強い負荷がかかる。従って通常のコロであれば継続的な使用によって摩擦力による削れが発生し、群間隔に変化が生じてしまう。群間隔の変化は光学性能に劣化をもたらすため、望ましくない。一方、ベアリングコロ100を使用すれば、強い負荷をかけたとしても摩擦力を回転力へと変換することができるため、上記のような削れが発生しなくなる。
ここで、カム筒40のカム溝によって係合するカムフォロアにかかる摩擦力と、固定筒のカム溝によって係合するカムフォロアにかかる摩擦力は異なっている。従って、1つのベアリングを同時に2つのカム溝に係合させると、2つの異なる摩擦力を正常に回転力へと変換することができない。従って、それぞれのカム溝に対して異なるベアリングを係合させている。
以上が本実施例における構成部材である。続いて図5、図6を用いて第1、第2AFバネを配置することにおける効果を説明する。図5は本発明の一実施例を示したレンズ鏡筒における無限遠撮影時の断面図である。図6は本発明の一実施例を示したレンズ鏡筒における至近端撮影時の断面図である。図5、図6において円形の連なりとして示されているのは、第1、第2AFバネ60、70の断面の模式図ある。連なりの幅が広いほどコイルバネが伸び、連なりの幅が狭いほどコイルバネが縮んでいることを示している。
前述したように従来のレンズ鏡筒では、フォーカシングに際して付勢部材の付勢力が一定とならないことが課題である。ここで付勢部材の付勢力は、レンズ保持枠に形成されたベアリングコロ100を介してカム筒40へと作用することから、カム筒40への付勢力を一定に保つことが必要となる。そこで本発明では2つのAFバネを使用することで、どのようなフォーカスポジションにおいてもカム筒40への付勢力が一定となるような構成とした。
図5、図6において示されるように、第1、第2レンズ保持枠12、22は第1、第2AFバネ60、70によって光軸方向物体側へと付勢されている。ここで、第1AFバネ60による付勢力を第1付勢力P、第2AFバネ70による付勢力を第2付勢力Qとする。このとき、第1付勢力Pはカム筒40への付勢力となり、同時に第2付勢力Qもカム筒40への付勢力となる。つまり、カム筒40への付勢力は第1付勢力Pと第2付勢力Qとの合力となる。この合力を第3付勢力Rとする。
図5、図6を比較すれば、無限遠撮影時から至近端撮影時に向けて動かすと、第1レンズ保持枠12はカム溝に従って移動するため、第1AFバネ60は徐々に縮小する。逆に、第2AFバネ70は無限遠撮影時から至近端撮影時に向けて、徐々に伸長していく。コイルバネによる付勢力は簡単なフックの法則で表され、自然長からの変位量で決定されるので、上記の変位に伴い第1付勢力は増加し、第2付勢力は減少する。
ここで、フォーカスポジションによらずカム筒40への付勢力が一定とするためには、第1付勢力Pの増加と第2付勢力Qの減少を同量とすることで互いのバネの付勢力の変化量を相殺し、第3付勢力Rが一定となるようにすればよい。図7は本発明の一実施例を示したレンズ鏡筒における無限遠撮影時から至近端撮影時の変位の際の力量を示したグラフ図である。図7の縦軸はカム筒への付勢力を、横軸はフォーカシングポジションを示している。また、第1付勢力P、第2付勢力Qが直線で示されているのは、コイルバネによる付勢力が線形変化をするためである。
図7で示されているように、第1付勢力Pと第2付勢力Qの変化量が釣り合えば、第3付勢力Rは一定となる。付勢力はコイルバネの自然長からの変位量とバネ定数の乗算で求められるが、フォーカシングに際する自然長からの変位量はカム溝の形状に由来する各移動群の移動量によって決定されている。従って本実施例においては、変化量を釣り合わせるために第1AFバネ60と第2AFバネ70とのバネ定数を異なるものとしている。コイルバネにおいてバネ定数は材料や巻き量、コイル径等の条件によって決定される数値である。実施者は第1付勢力Pと第2付勢力Qの変化量が釣り合う範疇で、必要に応じて適宜第1、第2AFバネ60、70のバネ定数を設定すればよい。
また、付勢力の変化量を釣り合わせるためにはカム溝の形状を変更し、フォーカシングにおける第1レンズ群10と第2レンズ群20の移動量を等しくしてもよい。その場合、バネ定数は同一とできるため、第1、第2AFバネ60、70で同一のコイルバネを使用することができる。
以上のように本実施例のレンズ鏡筒は、第1AFバネ60と第2AFバネ70の付勢力を釣り合わせることで、フォーカシング時における付勢部材の付勢力が一定となる。従って、がたつきを消去し、レンズ停止位置を正確にコントロールしながら、カム動作にムラが発生せず、フォーカシング動作を一定の力量で行うことができる。また、力量を変更する必要がないことから消費電力の軽減を可能とし、レンズ群の素早い移動が可能となる。
また、コイルバネを使用することで大きな付勢力を得ることができるため、移動させるレンズ群が重いものであっても十分にがたつきを除去することができる。また、特許文献3のように別種類の付勢部材を同時に搭載するのではなく、同種類の付勢部材のみを搭載するので製造上の管理負担が軽減され、同時に製造コストが抑えられる。
また、本実施例では各移動レンズ群に関してそれぞれコイルバネを用意し、必要であればバネベース80のように受け部材を用意している。従って、レンズ鏡筒内の部材配置の自由度が高く、移動レンズ群の間に絞りユニットや、他のレンズ群を配置させることが可能である。
また、カムフォロアをベアリングコロ100とすることで、カムフォロアの削れを抑制している。従って高い耐久性を持ち、また強力な付勢力を持つコイルバネを搭載することを可能としている。
なお、本実施例において移動レンズ群の数は2つとしたが、本発明はこれに限られるものではない。つまり3つ以上の移動レンズ群が存在する場合にはその同数のAFバネを配置し、更にレンズ群移動による付勢力が一定となるように設定をすればよい。
また、本文献ではフォーカシングに際してレンズ群が移動する機構を説明しているが、本発明はこれに限られず、ズームレンズにおけるレンズ群の移動に適用してもよい。
また、本実施例では付勢部材としてコイルバネを使用したが、移動レンズ群の重量が軽い等、大きな付勢力を必要としないレンズ鏡筒においては引張バネ等のその他の付勢部材を使用することも可能である。また、AFバネとレンズ群の配置は必要に応じて適宜変更可能である。
即ち本発明は、がたつき防止用の付勢部材のレンズ群移動による付勢力を一定としながら、高い耐久性を備え、部材の配置に自由度があり、製造コストを抑えたレンズ鏡筒を提供するという目的を、特に、カム筒40と、カムフォロアの設けられたレンズ保持枠を備えた複数の移動レンズ群と、前記移動レンズ群と同数の付勢部材と、を有し、前記複数の移動レンズ群の光軸方向の距離が変動するレンズ鏡筒1において、前記カムフォロアは前記カム筒のカム溝に係合し、前記複数の付勢部材は前記移動レンズ群を光軸方向へと付勢し、前記複数の付勢部材による付勢における付勢力の合力は複数の移動レンズ群の光軸方向の距離が変動することによらず一定であり、前記複数の付勢部材はその全てが同種類であることを特徴とする構成により実現した。
なお、本発明にかかるレンズ鏡筒1は、本発明が適用される撮像装置に応じて適宜変形、及び拡大縮小される。また、必要に応じて、装置の外寸法の変更による外観の変化、部材間の結合位置など、種々の変形や変更が可能であるが、いずれも本発明の均等の範囲内である。
1 レンズ鏡筒
10 第1レンズ群
12 第1レンズ保持枠
14 第1レンズ保持枠ベアリングコロ
20 第2レンズ群
22 第2レンズ保持枠
24 第2レンズ保持枠ベアリングコロ
30 絞りユニット
32 固定コロ
40 カム筒
42 第1カム溝
44 第2カム溝
46 逃がし溝
50 固定筒
60 第1AFバネ
70 第2AFバネ
80 バネベース
90 後部部材
100 ベアリングコロ
102 第1ベアリング
104 第2ベアリング
106 フランジ
108 シャフト

Claims (9)

  1. カム筒と、
    カムフォロアの設けられたレンズ保持枠を備えた複数の移動レンズ群と、
    前記移動レンズ群と同数の付勢部材と、を有し、
    前記複数の移動レンズ群の光軸方向の距離が変動するレンズ鏡筒において、
    前記カムフォロアは前記カム筒のカム溝に係合し、
    前記複数の付勢部材は前記移動レンズ群を光軸方向へと付勢し、
    前記複数の付勢部材による付勢における付勢力の合力は複数の移動レンズ群の光軸方向の距離が変動することによらず一定であり、
    前記複数の付勢部材はその全てが同種類であることを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 前記複数の移動レンズ群は
    第1のレンズ保持枠を備えた第1のレンズ群と、
    第2のレンズ保持枠を備えた第2のレンズ群と、を有し、
    前記複数の付勢部材は
    第1の付勢部材と、
    前記第1の付勢部材と同種類の第2の付勢部材と、を有し、
    前記第1の付勢部材は前記第1のレンズ保持枠と接触して光軸方向へと付勢し、
    前記第2の付勢部材は前記第2のレンズ保持枠と接触して前記第1の付勢部材が付勢する方向と同方向へと付勢することを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
  3. カム筒と、
    カムフォロアが設けられた第1のレンズ保持枠を備えた第1のレンズ群と、
    前記カムフォロアが設けられた第2のレンズ保持枠を備えた第2のレンズ群と、
    第1の付勢部材と、
    前記第1の付勢部材と同種類の第2の付勢部材と、を有し、
    前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群の光軸方向の距離が変動するレンズ鏡筒において、
    前記カムフォロアは前記カム筒のカム溝に係合し、
    前記第1の付勢部材は前記第1のレンズ保持枠を光軸方向へと付勢し、
    前記第2の付勢部材は前記第2のレンズ保持枠を前記第1の付勢部材が付勢する方向と同方向へと付勢することを特徴とするレンズ鏡筒。
  4. 前記付勢部材はコイルバネであることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のレンズ鏡筒。
  5. 前記カムフォロアはベアリングコロであることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載のレンズ鏡筒。
  6. 前記第1の付勢部材によって発生する前記カム溝に対する第1の付勢力と前記第2の付勢部材によって発生する前記カム溝に対する第2の付勢力との合力である第3の付勢力は、
    前記第1のレンズ保持枠及び前記第2のレンズ保持枠が光軸方向に移動することによって変化しないことを特徴とする請求項2及び請求項5のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  7. 前記第1の付勢部材と、前記第2の付勢部材はバネ定数が異なることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  8. 前記第1の付勢部材は前記第1のレンズ保持枠より被写体に向けて光軸方向後方に配置され、前記第2の付勢部材は前記第2のレンズ保持枠より被写体に向けて光軸方向後方に配置されることを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  9. 前記付勢部材が前記レンズ保持枠ではない部材と当接する箇所に付勢部材受け枠を配置することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
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