JP2018028326A - 密封装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】泥水や雨水、ダスト等の異物に対する密封性能を更に向上させる。【解決手段】外周側部材201と環状の内周側部材205との間の空間Sを密封する密封装置1であって、外周側部材201に取り付けられる本体10と、本体10の外側で内周側部材205に取り付けられる環状のデフレクタ40とを備え、本体10は、軸線Xを中心とする環状の補強環30と、弾性体から形成された環状の弾性体部20とを備え、デフレクタ40は、軸線Xから離れる外周側へ拡がっている環状のフランジ部40bを備え、弾性体部20は、内周側部材205に当接する環状のシールリップ113と、フランジ部40bの内周面と当接するように外側に向かって延びている環状のサイドリップ115とを有しており、補強環30は、外周部材201の開口部202に嵌合可能に形成された円筒部33と、円筒部33の外側端部から外周側へ広がり、外周側部材201を超えて外周側へ突出した円環状の堰部34とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、密封装置に関し、特に、車両の駆動系装置や車輪軸受装置等の泥水や雨水、ダスト等に曝され得る環境に置かれる回転体を有する装置に用いられる密封装置に関する。
従来から、車両の駆動系装置や車輪軸受装置等の泥水や雨水、ダスト等の異物に曝され得る環境に置かれる軸周りの回転体を有する装置においては、回転軸の潤滑維持を図りつつ、外部からの異物の侵入の防止を図るために、密封装置が用いられている。例えば、車両のトランスファー装置や車輪軸受装置においては、ハウジングや外輪と、このハウジングや外輪に回転自在に挿通された軸又は軸に取り付けられた回転体との間を密封するために密封装置が配設されている。
密封装置は、軸に摺接するシールリップによってハウジング又は外輪内の潤滑剤の漏洩の防止を図っている。車両のトランスファー装置や車輪軸受装置は、泥水や雨水、ダスト等の異物に曝され易い環境に置かれるため、異物が外部から侵入しシールリップに達し易い環境に置かれている。
異物が外部から侵入して密封装置のシールリップに達すると、そのシールリップと軸又は回転体との間の摺動部に異物が侵入し、摺動部の摩耗が促進されて当該摺動部が損傷することにより潤滑剤が漏洩し、また、ハウジング又は外輪の内部に異物が侵入してしまう場合がある。このため、従来の密封装置は、外部からの異物の侵入を抑制するための構造を有している(例えば、特許文献1参照。)。
図7は、トランスファー装置に用いられる従来の密封装置100の概略構成を示すための軸線に沿う部分断面図である。トランスファー装置200において、ハウジング201に形成された開口部202に軸203が挿通されており、この軸203はハウジング201内において軸受204により軸線xを中心として回動自在に支持されている。
軸203の外側(矢印a方向)の端部には、継ぎ手部材205の円筒状の端部であるボス206が嵌め込まれて固定されている。継ぎ手部材205のボス206は、ハウジング201の開口部202に挿通された状態で取り付けられている。
継ぎ手部材205は、図示しない車両のプロペラシャフトに接続される。トランスファー装置200において、継ぎ手部材205のボス206とハウジング201の開口部202との間には環状の空間Sが形成されており、この空間Sには、軸受204の潤滑剤の漏洩を防止するための密封装置100が嵌着されている。
密封装置100は、密封装置本体110と、デフレクタ120とを備えている。密封装置本体110は、図7に示すように、ハウジング201の開口部202の内周面に嵌合される金属製の補強環111と、その補強環111を覆うように一体に形成されたゴム材からなる弾性体部112とを備えている。デフレクタ120は環状の部材であり、継ぎ手部材205のボス206の外周面に嵌合される。
密封装置本体110の弾性体部112は、シールリップ113、ダストリップ114、および、サイドリップ115を有している。シールリップ113は、継ぎ手部材205のボス206の外周面に当該ボス206が摺動可能に当接する部分であり、ハウジング201内の潤滑剤の漏洩を抑制する。
ダストリップ114は、シールリップ113よりも外側(矢印a方向)に形成された部分であり、シールリップ113側に外部から泥水や雨水、ダスト等の異物が侵入することを抑制する。
サイドリップ115は、ダストリップ114よりも外周側(矢印c方向)において外側(矢印a方向)に向かって延出した部分であり、一定の角度で外側(矢印a方向)に向かうに連れて拡径する円錐筒状の形状を有している。このサイドリップ115は、その先端部分において、デフレクタ120の円盤状の内側に面する摺動面121に摺動可能に当接し、外部からの異物の侵入を抑制する。
特開2006−9930号公報
このような従来の密封装置100においては、サイドリップ115がデフレクタ1200の摺動面121に摺接することにより外部からの異物の侵入を抑制しているが、車両の使用環境の多様化に伴って、このような密封装置100に対しては一段と過酷な環境においても密封性能を維持することが求められている。従来の密封装置100に対しては、ハウジング201の外周側の面を伝ってくる泥水や雨水の侵入等、異物のシールリップ113側への侵入を防止する異物遮断性能の更なる向上が求められている。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、泥水や雨水、ダスト等の異物がシールリップ側に侵入することを防止して異物遮断性能を更に向上させ得る密封装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る密封装置は、軸線について互いに相対回動可能な外周側部材と当該外周側部材に少なくとも部分的に包囲される環状の内周側部材との間において、前記外周側部材の開口部と前記内周側部材との間の空間を密封する密封装置であって、前記外周側部材に取り付けられる密封装置本体と、前記密封装置本体よりも外側において前記内周側部材に取り付けられる環状のデフレクタとを備え、前記密封装置本体は、前記軸線を中心とする環状の補強環と、当該補強環に取り付けられている、弾性体から形成された前記軸線を中心とする環状の弾性体部とを備え、前記デフレクタは、前記軸線から離れる外周側へ拡がっている環状のデフレクタフランジ部を備え、前記弾性体部は、前記内周側部材に当接する環状のシールリップと、前記デフレクタフランジ部の内周側面と当接するように外側に向かって延びている環状のサイドリップとを有しており、前記補強環は、前記外周側部材の前記開口部に嵌合可能に形成された前記軸線を中心とする円筒状の円筒部と、当該円筒部の外側端部から前記外周側へ向かって広がり、前記外周側部材の外周面を超えて前記外周側へ突出した円環状の堰部とを備えることを特徴とする。
本発明において、前記堰部は、前記外周側部材との間に外側に凹む環状の溝部を形成するようにしてもよい。
本発明において、前記堰部の外周側端部には、前記外周側部材の前記外周面を部分的に覆う円筒状の円筒部を備え、当該円筒部と前記外周面との間に前記溝部が形成されるようにしてもよい。
本発明において、前記堰部の外周側端部には、当該外周側端部から外側に向かって延びる庇部を備え、当該庇部が前記デフレクタフランジ部を外周側から覆うようにしてもよい。
本発明において、前記外周側部材の前記外周面を部分的に覆うように前記堰部の外周側端部に形成された円筒状の円筒部と、当該円筒部の内側の端部から外周側に向かって広がる円環状の円環部と、当該円環部の外周側端部から外側に向かって延びる庇部とを備え、前記庇部が前記デフレクタフランジ部を外周側から覆うようにしてもよい。
本発明によれば、泥水や雨水、ダスト等の異物がシールリップ側に侵入することを防止して異物遮断性能を更に向上させ得る密封装置を実現することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るトランスファー装置に用いられる密封装置の概略構成を示すための軸線に沿う断面の部分断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る密封装置の構成を示すための軸線に沿う断面の部分拡大図である。 本発明の第2の実施の形態に係るトランスファー装置に用いられる密封装置の概略構成を示すための軸線に沿う断面の部分断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る密封装置の構成を示すための軸線に沿う断面の部分拡大図である。 本発明の第3の実施の形態に係るトランスファー装置に用いられる密封装置の概略構成を示すための軸線に沿う断面の部分断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る密封装置の構成を示すための軸線に沿う断面の部分拡大図である。 トランスファー装置に用いられる従来の密封装置の概略構成を示すための軸線に沿う断面の部分断面図である。
以下、本発明の第1乃至第3の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1の概略構成を示すための軸線に沿う部分断面図である。なお、図1は、図4を左右反転した状態である。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置の構成を示すための軸線に沿う断面の部分拡大図である。密封装置1が嵌着されるトランスファー装置200の構成は従来と共通しており、従来の密封装置100に代えて第1の実施の形態に係る密封装置1が嵌着されている点が異なる。この密封装置1は、トランスファー装置200のハウジング201と、このハウジング201の開口部202に回転自在に挿通された継ぎ手部材205との間の空間Sを密封するために配設されている。
以下、説明の便宜上、軸線x方向において矢印a方向を外側とし、矢印b方向を内側とする。より具体的には、外側とは、非密封対象物の側であり、密封対象物が存在しないようにする大気側であり、内側とは密封対象物の側であり、オイル等の密封対象物に面する側である。また、軸線xに垂直な方向(以下、これを「径方向」ともいう。)において、軸線xから離れる方向(図1の矢印c方向)を外周側とし、軸線xに近づく方向(図1の矢印d方向)を内周側とする。
図1および図2に示すように、密封装置1は、密封装置本体10と、デフレクタ40とを備えている。密封装置本体10は、軸線xを中心とする環状の弾性体からなる弾性体部20と、軸線xを中心とする環状の金属製の補強環30とを備えている。弾性体部20は、成形型を用いて架橋(加硫)成型によって成形される。この架橋成型の際に、補強環30は成形型の中に配置され、弾性体部20が架橋接着により補強環30に接着され、弾性体部20が補強環30と一体的に成形される。
弾性体部20は、補強環30に一体に取り付けられている。弾性体部20の弾性体としては、例えば各種ゴム材がある。ゴム材は、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の合成ゴムである。
弾性体部20は、軸線xから離れる外周側(矢印c方向)に延びる中空円盤状の円盤部21、円盤部21の外周側の端部(以下、これを「外周側端部」ともいう。)から内側(矢印b方向)へ延び屈曲して戻る後方カバー22を備えている。円盤部21は、シールリップ113、ダストリップ114、および、サイドリップ115を備えている。
シールリップ113は、弾性体部20における円盤部21の内周側(矢印d方向)の端部から軸線xに沿って内側(矢印b方向)に向かって延びる部分であり、内側(矢印b方向)の端部に、軸線xに沿う断面形状が内周側(矢印d方向)に向かって凸の楔形状の環状のリップ先端部113aを有している。シールリップ113の外周側には、リップ先端部113aと背向する位置に、ガータスプリング113bが嵌着されている。ガータスプリング113bは、シールリップ113のリップ先端部113aを径方向において内周側に付勢して、リップ先端部113aにボス206に対する所定の大きさの緊迫力を与えている。リップ先端部113aは、ボス206の周面に当接して、ハウジング201と継ぎ手部材205との間の密封を図っている。
ダストリップ114は、シールリップ113よりも外側(矢印a方向)に形成された部分であり、その先端部が継ぎ手部材205のボス206の周面に当接され、シールリップ113側に外部から泥水や雨水、ダスト等の異物が侵入することを抑制する。
サイドリップ115は、ダストリップ114よりも外周側(矢印c方向)において外側(矢印a方向)に向かって延出した部分であり、一定の角度で外側(矢印a方向)に向かうに連れて拡径する円錐筒状の形状を有している。このサイドリップ115は、その先端部分において、デフレクタ40における中空円盤状のデフレクタフランジ部40bの内側(矢印b方向)の面(以下、これを「内面」ともいう。)40cに摺動可能に当接し、外部からの異物の侵入を抑制する。
後方カバー22は、断面略逆コ字状の形状を呈しており、補強環30の屈曲部32(後述する)を内側(矢印b方向)から覆う部分である。後方カバー22は、空間Sに密封装置1が圧入された際に、外周側(矢印c方向)の面(以下、これを「外周面」ともいう。)がハウジング201の内周側の面(以下、これを「内周面」ともいう。)に密着されるように径方向の厚さが設定されている。
補強環30は、断面略逆S字状の形状を呈しており、金属材により形成されている。金属材としては、例えば、ステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)である。補強環30は、例えばプレス加工や鍛造によって製造される。
補強環30は、基部31、屈曲部32、内周側円筒部33、堰部34、および、外周側円筒部35を備えている。基部31は、弾性体部21の内周側端部の近傍から外周側(矢印c方向)に向かって広がる円環板状の部分である。屈曲部32は、基部31の外周側端部から内側(矢印b方向)に延びた後に屈曲して戻る断面略C字状の部分であり、補強環30を径方向(矢印cd方向)に押し広げるバネ性を有している。
内周側円筒部33は、屈曲部32の外周側端部から軸線xに沿って外側(矢印a方向)に延びる円筒状の部分であり、屈曲部32のバネ性により、ハウジング201と継ぎ手部材205のボス206との間の空間Sに圧入して嵌め込まれている。これにより、内周側円筒部33の外周面がハウジング201の開口部202が形成されている内周面に密着され、補強環30がハウジング201に嵌着される。
堰部34は、円筒部33の外側(矢印a方向)の端部(以下、これを「外側端部」ともいう。)から外周側(矢印c方向)に向かって広がる円環板状の部分であり、ハウジング201の外周面201aを超えて外周側(矢印c方向)へ突出している。
本願発明における円筒部としての外周側円筒部35は、堰部34の外周側端部から内側(矢印b方向)に向かって延びた円筒状の部分であり、ハウジング201の外周面201aと対向するように配置されている。この結果、外周側円筒部35、堰部34、およびハウジング201の外周面201aとの間には、外側(矢印a方向)に凹む環状の溝部36が形成されている。
なお、この場合、外周側円筒部35は、堰部34に対して例えば約85度の角度αで内側(矢印b方向)へ傾斜されている。ただし、これに限るものではなく、堰部34に対して約1度から約90度の角度αで内側(矢印b方向)へ傾斜されていてもよい。ただし、外周側円筒部35は、90度を超える角度αで内側(矢印b方向)へ傾斜されることのないように形成されている。
デフレクタ40は、継ぎ手部材205のボス206の周面に取り付けられた環状の部材である。デフレクタ40は、具体的には、断面形状が略L字状を呈し、内周側において軸線x方向に延びる円筒状の部分である円筒部40aと、その円筒部40aの内側(矢印b方向)の端部から外周側に向かって広がる円環板状の部分であるデフレクタフランジ部40bとを備えている。
デフレクタフランジ部40bは、弾性体部20のサイドリップ115の先端部分が摺動可能に当接する内面40cを有している。また、デフレクタフランジ部40bは、その外周側端部40eが弾性体部20の円筒部33の外側端部の近傍まで外周側(矢印c方向)へ向かって延びている。すなわち、補強環30とデフレクタ40との間には微少な隙間45が存在し、この隙間45がラビリンスシールを形成する。
上述の構成を有する密封装置1によれば、補強環30の堰部34がハウジング201の外周面201aを超えて更に外周側(矢印c方向)へ突出し、かつ、堰部34の外周側端部から内側(矢印b方向)に延びた外周側円筒部35が当該外周面201aと対向して配置されている。これにより、外周面201aを伝わってきた泥水や雨水等の水分Wが堰部34により堰き止められるとともに、溝部36に押し寄せられた水分Wが外周側円筒部35に沿って反転して外側(矢印b方向)に戻ることになる。これにより、密封装置1は、水分Wが堰部34を乗り越える危険性を大幅に低減することができる。
この場合、外周側円筒部35が堰部34に対して約85度の角度αに傾斜されているが、90度を超えてそれ以上大きく傾斜されていないため、ハウジング201の外周面201aを伝わってきた水分Wが外周側円筒部35を容易に乗り越える危険性が予め低減されている。
仮に、水分Wが堰部34および外周側円筒部35を乗り越えた場合であっても、補強環30とデフレクタ40との間には微少な隙間45によるラビリンスシールが形成されているため、水分Wが密封装置1の内部に侵入することを防止することができ、異物に対する密封性能を更に向上させることができる。
さらに、補強環30とデフレクタ40との間の微少な隙間45から水分Wが侵入した場合であっても、密封装置1はサイドリップ115がデフレクタ40のデフレクタフランジ部40に当接され、水分Wの侵入経路を遮断しているので、異物に対する密封性能を更に向上させることができる。
このように、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1によれば、泥水や雨水、ダスト等の異物がシールリップ側に侵入することを防止して異物遮断性能を更に向上させることができる。
<第2の実施の形態>
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示すための軸線に沿う断面の部分断面図である。また、図4は、本発明の第2の実施の形態に係る密封装置の構成を示すための軸線に沿う断面の部分拡大図である。第2の実施の形態に係る密封装置50は、上述した第1の実施の形態における密封装置1の補強環30に換えて補強環60を用いた点が異なる。以下、上述した密封装置1に対して、同一の又は類似する構成については同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
図3および図4に示すように、密封装置50は、上述した密封装置1の補強環30とは異なる形状の補強環60を有していることを特徴とする。補強環60は、堰部34の外周側端部から外側(矢印a方向)に向かって延びた円筒状の部分である庇部61を有している。
この庇部61は、デフレクタ40におけるデフレクタフランジ部40bの外周側端部40eを外周側(矢印c方向)から覆うように堰部34の外周側端部から外側(矢印a方向)に向かって延出している。具体的には、デフレクタフランジ部40bの外面40dから庇部61の外側端部61aまでの距離L1は、少なくともL1>0の関係を満たしている。すなわち、距離L1が大きければ大きいほど、庇部61の外側端部61aがデフレクタフランジ部40bの外周側端部40eを外側(矢印a方向)に向かって超える程度が大きくなる。
なお、庇部61は、デフレクタ40の円筒部40aと対向するように配置されており、堰部34に対して外側(矢印a側)に約85度の角度βで外側(矢印a方向)へ傾斜されている。ただし、これに限るものではなく、堰部34に対して外側(矢印a方向)に傾斜されており、かつ、デフレクタフランジ部40bの外周側端部40eを外周側(矢印c方向)から覆うことができれば、角度βは90度未満であっても、90度以上であってもよい。
このような構成を有する密封装置50によれば、ハウジング201の外周面201aを伝わってきた泥水や雨水等の水分Wが堰部34により堰き止められるとともに、庇部61の傾斜により水分Wが乗り越える危険性を大幅に低減する。また、水分Wが庇部61を乗り越えた場合であっても、デフレクタフランジ部40bの外周側端部40eを当該庇部61が覆っているので、庇部61を乗り越えた水分Wがデフレクタフランジ部40bよりも外側(矢印a方向)に流れ落ちることになる。これにより、密封装置50は、水分Wが隙間45からサイドリップ115側へ流れ込む危険性を大幅に低減することができる。
このように、本発明の第2の実施の形態に係る密封装置50によれば、第1の実施の形態における密封装置1と同様に、泥水や雨水、ダスト等の異物がシールリップ側に侵入することを防止して異物遮断性能を更に向上させることができる。
<第3の実施の形態>
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示すための軸線に沿う断面の部分断面図である。また、図6は、本発明の第3の実施の形態に係る密封装置の構成を示すための軸線に沿う断面の部分拡大図である。第3の実施の形態に係る密封装置70は、上述の密封装置50の補強環60に換えて補強環80を用いた点が異なる。以下、上述した第2の実施の形態における密封装置50に対して、同一の又は類似する構成については同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
図5および図6に示すように、密封装置70は、上述した密封装置5の補強環60とは異なる形状の補強環80を有していることを特徴とする。補強環80は、堰部34の外周側端部から外側(矢印a方向)に向かって延びた円筒状の部分である外周側円筒部81、その外周側円筒部81の内側(矢印b方向)の端部から外周側に向かって広がる円環板状の部分である円環部82、その円環部82の外周側(矢印c方向)の端部から外側(矢印a)に向かって延びた円筒状の部分である庇部83を備えている。
ここで、本発明における円筒部としての外周側円筒部81は、第1の実施の形態における補強環30の外周側円筒部35と同様の構成および機能を有している。また、庇部83は、第2の実施の形態における補強環60の庇部61と同様の構成および機能を有している。さらに、外周側円筒部81、堰部34、およびハウジング201の外周側面201aとの間には、外側(矢印a方向)に凹む環状の溝部85が形成されている。この溝部85は、第1の実施の形態における溝部36と同様である。
このような構成を有する密封装置70によれば、外周面201aを伝わってきた水分Wが堰部34により堰き止められるとともに、溝部86に押し寄せられた水分Wが外周側円筒部81に沿って反転して戻る。また、密封装置70は、外周側円筒部81および庇部83を径方向に2段重ねた背の高い構造を有していることにより、相当な量の水分Wでなければ庇部83を乗り越えることはできず、水分Wが堰部34を乗り越える危険性を大幅に低減することができる。
さらに、密封装置70は、たとえ、庇部61を水分Wが乗り越えた場合であっても、デフレクタフランジ部40bの外周側端部40eを当該庇部61が覆っているので、庇部61を乗り越えた水分Wがデフレクタフランジ部40bよりも外側(矢印a方向)に流れ落ちる。これにより、密封装置70は、水分Wが隙間45からサイドリップ115側へ流れ込む危険性を大幅に低減することができる。
このように、本発明の第3の実施の形態に係る密封装置70によれば、第1、第2の実施の形態における密封装置1、50と同様に、泥水や雨水、ダスト等の異物がシールリップ側に侵入することを防止して異物遮断性能を更に向上させることができる。
<他の実施の形態>
以上、本発明の第1乃至第3の実施の形態について説明したが、本発明は第1乃至第3の実施の形態に係る密封装置1、50、70に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における、各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
例えば、第1の実施の形態における補強環30の外周側円筒部35を設け、外周側円筒部35、堰部34、およびハウジング201の外周面201aとの間に環状の溝部36が形成されているのではなく、外周側円筒部35を設けずに、堰部34の内側(矢印b方向)の面に対して、外側に凹の環状の溝部を直接形成するようにしてもよい。これは、第3の実施の形態においても、補強環80の外周側円筒部81を設けずに、堰部34の内側(矢印b方向)の面に対して、外側に凹の環状の溝部を直接形成するようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態に係る密封装置1、50、70は、トランスファー装置200において用いられるものとしたが、本発明に係る密封装置は、これに限られるものではなく、同種の機構、一般機産業機械や農業機械、建築機械等の各種汎用機械においても適用することができる。
1、50、70 密封装置
10 密封装置本体
20 弾性体部
21 円盤部
22 後方カバー
30、60、80 補強環
31 基部
32 屈曲部
33 内周側円筒部
34 堰部
35、81 外周側円筒部(円筒部)
36、85 溝部
40 デフレクタ
40a 円筒部
40b デフレクタフランジ部
40c 内面
40d 外面
40e 外周側端部
45 隙間(ラビリンスシール)
61、83 庇部
61a 外側端部
82 円環部
113 シールリップ
113a リップ先端部
113b ガータスプリング
114 ダストリップ
115 サイドリップ
200 トランスファー装置
201 ハウジング
201a 外周面
202 開口部
205 継ぎ手部材
206 ボス
S 空間
W 水分
L1 距離
α、β 角度

Claims (5)

  1. 軸線について互いに相対回動可能な外周側部材と当該外周側部材に少なくとも部分的に包囲される環状の内周側部材との間において、前記外周側部材の開口部と前記内周側部材との間の空間を密封する密封装置であって、
    前記外周側部材に取り付けられる密封装置本体と、
    前記密封装置本体よりも外側において前記内周側部材に取り付けられる環状のデフレクタとを備え、
    前記密封装置本体は、前記軸線を中心とする環状の補強環と、当該補強環に取り付けられている、弾性体から形成された前記軸線を中心とする環状の弾性体部とを備え、
    前記デフレクタは、前記軸線から離れる外周側へ拡がっている環状のデフレクタフランジ部を備え、
    前記弾性体部は、前記内周側部材に当接する環状のシールリップと、前記デフレクタフランジ部の内周側面と当接するように外側に向かって延びている環状のサイドリップとを有しており、
    前記補強環は、前記外周側部材の前記開口部に嵌合可能に形成された前記軸線を中心とする円筒状の円筒部と、当該円筒部の外側端部から前記外周側へ向かって広がり、前記外周側部材の外周面を超えて前記外周側へ突出した円環状の堰部と
    を備えることを特徴とする密封装置。
  2. 前記堰部は、前記外周側部材との間に外側に凹む環状の溝部を形成することを特徴とする請求項1記載の密封装置。
  3. 前記堰部の外周側端部には、前記外周側部材の前記外周面を部分的に覆う円筒状の円筒部を備え、当該円筒部と前記外周面との間に前記溝部が形成されることを特徴とする請求項2記載の密封装置。
  4. 前記堰部の外周側端部には、当該外周側端部から外側に向かって延びる庇部を備え、当該庇部が前記デフレクタフランジ部を外周側から覆うことを特徴とする請求項1記載の密封装置。
  5. 前記外周側部材の前記外周面を部分的に覆うように前記堰部の外周側端部に形成された円筒状の円筒部と、当該円筒部の内側の端部から外周側に向かって広がる円環状の円環部と、当該円環部の外周側端部から外側に向かって延びる庇部とを備え、前記庇部が前記デフレクタフランジ部を外周側から覆うことを特徴とする請求項1記載の密封装置。
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