JP2018028106A - ハイパーブランチポリマー - Google Patents

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宏人 工藤
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太樹 高石
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一郎 高瀬
美也 楢▲崎▼
Miya Narasaki
美也 楢▲崎▼
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Abstract

【課題】酸の非存在下では安定であるが、酸によって主鎖を分解させることができるハイパーブランチポリマー及びその製造方法を提供する。【解決手段】 下記一般式(I)【化1】(式中、R11は水素原子又は1価の炭素数1〜3のアルキル基を示し、R12は同一又は異なって、水素原子又はヒドロキシル基の脱離性の保護基を示す。3個のかっこ内の基は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。)で表されるフェノール誘導体と、多官能ビニルエーテル化合物から誘導されるハイパーブランチポリマー。【選択図】なし

Description

本発明は、ハイパーブランチポリマーに関する。本発明のハイパーブランチポリマーは、塗料、インキ、接着剤、樹脂フィラー、各種成形材料、ナノメートルサイズの多孔形成剤、化学的機械的研磨剤、機能物質の担時材料、ナノカプセル、フォトニック結晶、レジスト材料、光学材料、印刷材料、医用材料及び磁性材料等として利用される。特に、本発明のハイパーブランチポリマーは、主鎖が酸により分解するという特徴を有するため、高感度で低ラフネスな次世代のレジスト材料としての利用が期待できる。
ハイパーブランチポリマーはデンドリマーと共にデンドリティック(樹枝状)ポリマーとして分類される多基分岐構造の高分子である。従来の一般的に紐状の形状である高分子に対し、これらのデンドリティックポリマーは積極的に分岐を導入している点で特異な構造を有すること、ナノメートルオーダーのサイズであること、その表面に多くの官能基を保持することができる等の特徴を有することから、様々な分野で産業的な応用が期待されている。
例えば、特許第3956088号では、ベースポリマーのカルボキシル基又はフェノール性水酸基の一部がアセタールもしくはケタール基で置換されてなる酸不安定基を含む樹脂を含有することを特徴とする、ベースポリマーがハイパーブランチポリマーであるレジスト材料について記載されている。しかしながら、前記のハイパーブランチポリマーは高分子に酸分解性官能基が結合された高分子であり、酸で分解しても高分子量の主鎖が残るため、感度が高いとは言い切れない。それに対し、分解後の生成物の分子量が小さくなるようなハイパーブランチポリマーは、ラフネスの影響が低減されるため、感度が向上することが考えられる。
特許第3956088号公報
したがって、本発明の目的は、酸の非存在下では安定であるが、酸によって主鎖を分解させることができるハイパーブランチポリマー及び該ポリマーを高い効率で製造できるハイパーブランチポリマーの製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、フェノール誘導体と多官能ビニルエーテル化合物を反応させて得られる新規なハイパーブランチポリマー及びその製造方法を提供することである。
また、本発明のさらに他の目的は、前記のハイパーブランチポリマー、光酸発生剤及び有機溶剤を含有する感光性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のフェノール誘導体と多官能ビニルエーテル化合物とを反応に付すことで、主鎖に酸分解性構造を有するハイパーブランチポリマーを得ることを見出した。
すなわち、本発明は、下記一般式(I)
Figure 2018028106

(式中、R11は水素原子又は1価の炭素数1〜3のアルキル基を示し、R12は同一又は異なって、水素原子又はヒドロキシル基の脱離性の保護基を示す。3個のかっこ内の基は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。)
で表されるフェノール誘導体と、下記一般式(II)
Figure 2018028106

(式中、R21は水素原子又は炭素数1〜16のアルキル基を示し、R22及びR23は同一又は異なって、水素原子、アルキル基、又はシクロアルキル基を示す。R21、R22、R23は、その少なくとも2つが互いに結合して、隣接する1又は2個の炭素原子とともに環を形成していてもよい。X1はk価の有機基を表す。kは2以上の整数である。k個のかっこ内の基は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。)
で表される多官能ビニルエーテル化合物を反応させて得られるハイパーブランチポリマーを提供する。
前記の多官能ビニルエーテル化合物は下記一般式(III)
Figure 2018028106

(式中、X2は2価の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式基又はこれらが2以上結合した基であって炭素数が1〜30の基を示す。前記の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式基及びこれらが2以上結合した基は、置換基としてヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、スルホ基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を有していてもよい。)
であることが好ましい。
前記式(III)のX2は、2価の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、複素環式基又はこれらが2以上結合した基であって炭素数が4〜10を示す基であることが好ましい。
さらに、前記のフェノール誘導体が1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンであり、多官能ビニルエーテル化合物がシクロヘキサン1,4−ジビニルエーテルであることが好ましい。
本発明のハイパーブランチポリマーは、数平均分子量が1000〜10000であることが好ましい。
さらに、前記のハイパーブランチポリマー、光酸発生剤及び有機溶剤を含む感光性樹脂組成物についても提供する。
さらに、本発明は、下記一般式(I)
Figure 2018028106

(式中、R11は水素原子又は1価の炭素数1〜3のアルキル基を示し、R12は同一又は異なって、水素原子又はヒドロキシル基の脱離性の保護基を示す。3個のかっこ内の基は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。)
で表されるフェノール誘導体と、下記一般式(II)
Figure 2018028106

(式中、R21は水素原子又は炭素数1〜16のアルキル基を示し、R22及びR23は同一又は異なって、水素原子、アルキル基、又はシクロアルキル基を示す。R21、R22、R23は、その少なくとも2つが互いに結合して、隣接する1又は2個の炭素原子とともに環を形成していてもよい。X1はk価の有機基を表す。kは2以上の整数である。k個のかっこ内の基は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。)
で表される多官能ビニルエーテル化合物とを反応させて、ハイパーブランチポリマーを得ることを特徴とするハイパーブランチポリマーの製造方法を提供する。
本発明のハイパーブランチポリマーは上記構成を有するため、酸により主鎖を容易に分解させることができる。このため、このような特性が要求される用途で使用される材料として特に好ましく使用できる。また、本発明のハイパーブランチポリマーは、感光性樹脂組成物として用いる場合、高感度で低ラフネスな感光性樹脂組成物として利用できる。
実施例1で得られた生成物の1H−NMRスペクトルのチャートである。 実施例2で得られた生成物の1H−NMRスペクトルのチャートである。 実施例5で得られた生成物の1H−NMRスペクトルのチャートである。 実施例1で得られた生成物のIRスペクトルのチャートである。 実施例2で得られた生成物のIRスペクトルのチャートである。 実施例3で得られた生成物のIRスペクトルのチャートである。 実施例4で得られた生成物のIRスペクトルのチャートである。 実施例5で得られた生成物のIRスペクトルのチャートである。 実施例6で得られた感光性樹脂組成物の紫外線照射前のIRスペクトルのチャートである。 実施例6で得られた感光性樹脂組成物の紫外線照射後のIRスペクトルのチャートである。
[フェノール誘導体]
本発明のフェノール誘導体としては、下記一般式(I)で表される。
Figure 2018028106

(式中、R11は水素原子又は1価の炭素数1〜3のアルキル基を示し、R12は同一又は異なって、水素原子又はヒドロキシル基の脱離性の保護基を示す。3個のかっこ内の基は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。)
式(I)中、R11におけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル基等が挙げられ、特にメチル基が好ましい。
式(I)中、R12は水素原子又はヒドロキシル基の脱離性の保護基を示す。R12で示されるヒドロキシル基の保護基としては、有機合成の分野で慣用のヒドロキシル基の保護基を用いることができる。このような保護基として、例えば、アルキル基(例えば、メチル、t−ブチル基などのC1-4アルキル基など)、アルケニル基(例えば、アリル基など)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基など)、アリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル基など)、アラルキル基(例えば、ベンジル、2,6−ジクロロベンジル、3−ブロモベンジル、2−ニトロベンジル、トリフェニルメチル基など);置換メチル基(例えば、メトキシメチル、メチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基など)、置換エチル基(例えば、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−イソプロポキシエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−メトキシエチル基など)、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、1−ヒドロキシアルキル基(例えば、1−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシヘキシル、1−ヒドロキシデシル、1−ヒドロキシヘキサデシル、1−ヒドロキシ−1−フェニルメチル基など)等のヒドロキシル基とアセタール又はヘミアセタール基を形成可能な基など;アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル基などのC1-20脂肪族アシル基等の脂肪族飽和又は不飽和アシル基;アセトアセチル基;シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル基などのシクロアルカンカルボニル基等の脂環式アシル基;ベンゾイル、ナフトイル基などの芳香族アシル基など)、スルホニル基(メタンスルホニル、エタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、ナフタレンスルホニル基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル基などのC1-4アルコキシ−カルボニル基など)、アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基など)、置換又は無置換カルバモイル基(例えば、カルバモイル、メチルカルバモイル、フェニルカルバモイル基など)、無機酸(硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸など)からOH基を除した基、ジアルキルホスフィノチオイル基(例えば、ジメチルホスフィノチオイル基など)、ジアリールホスフィノチオイル基(例えば、ジフェニルホスフィノチオイル基など)、置換シリル基(例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、トリベンジルシリル、トリフェニルシリル基など)などが挙げられる。なお、ヒドロキシル基の脱離性の保護基としては、反応の際に脱離することが好ましく、前記観点から前記アルキル基及びアシル基が保護基として好ましい。また、R12としては、水素原子が好ましい。
[多官能ビニルエーテル化合物]
前記の多官能ビニルエーテル化合物は下記の一般式(II)で表され、従来公知の方法で合成できる。特に遷移金属化合物を触媒として用いることにより効率的に合成することができる。なお、遷移金属化合物を触媒として用いる合成方法は特開2004−161742号公報に詳細に記載されている。
Figure 2018028106

(式中、R21は水素原子又は炭素数1〜16のアルキル基を示し、R22及びR23は同一又は異なって、水素原子、アルキル基、又はシクロアルキル基を示す。R21、R22、R23は、その少なくとも2つが互いに結合して、隣接する1又は2個の炭素原子とともに環を形成していてもよい。X1はk価の有機基を表す。kは2以上の整数である。k個のかっこ内の基は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。)
前記のk価の有機基としては、k価の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式基及びこれらが2以上結合した基が含まれる。脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素数が1〜8(好ましくは1〜4)の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基が挙げられる。脂環式炭化水素基としては、例えば、炭素数が3〜8の単環の脂環式炭化水素基または炭素数が4〜20(好ましくは6〜10)の多環の脂環式炭化水素基などが挙げられる。芳香族炭化水素基としては、炭素数が6〜14(好ましくは6〜10)の芳香族炭化水素基などが挙げられる。複素環式基としては、炭素数が2〜6であって、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を1〜4個有する芳香族性又は非芳香族性の複素環式基が挙げられる。前記の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式基及びこれらが2以上結合した基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、スルホ基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基などが挙げられる。ここで、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基が有する炭素数は、好ましくは1〜8個、より好ましくは1〜4個である。また、X1の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式基又はこれらが2以上結合した基の炭素数は1〜30であることが好ましい。
前記の多官能ビニルエーテル化合物は下記一般式(III)
Figure 2018028106

(式中、X2は2価の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式基又はこれらが2以上結合した基であって炭素数が1〜30である基を示す。前記の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式基及びこれらが2以上結合した基は、置換基としてヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、スルホ基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を有していてもよい。)
であることが好ましい。
前記式(III)中、X2の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式基又はこれらが2以上結合した基は、前記式(II)中、X1の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式基又はこれらが2以上結合した基のうち、2価の基を用いることが好ましい。また、前記の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式基又はこれらが2以上結合した基が有しても良い置換基についても前記式(II)中、X1で説明した置換基を用いることが好ましい。また、X2の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式基又はこれらが2以上結合した基の炭素数は1〜30、好ましくは2〜20、さらに好ましくは4〜10である。さらに、X2は2価の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、複素環式基又はこれらが2以上結合した基であることが好ましい。
前記の多官能ビニルエーテル化合物の具体例を以下に示す[式(IIIa)〜(IIIy)]。なお、本発明の多官能ビニルエーテル化合物はこれに限定されるものではない。
Figure 2018028106
Figure 2018028106
Figure 2018028106
Figure 2018028106
前記の多官能ビニルエーテル化合物のうち、ハイパーブランチポリマーの様な多基分岐構造を有する重合体を形成容易であるという観点から、脂環式炭化水素基及び/又は複素環式基を有する多官能ビニルエーテル化合物、例えば(IIIt)、(IIIx)又は(IIIy)に示される化合物が特に好ましい。
なお、以下にフェノール誘導体と多官能ビニルエーテルを反応させて得られるハイパーブランチポリマーの構造式の1例を説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
Figure 2018028106
本発明のハイパーボランチポリマーにおいて、前記のフェノール誘導体に由来する構造単位と多官能ビニルエーテル化合物に由来する構造単位の比率(以下、単位比と称す)としては、ハイパーブランチポリマーを形成する点からは特に制限はなく、例えば10:90〜90:10(=フェノール誘導体に由来する構造単位:多官能ビニルエーテル化合物に由来する構造単位)が許容されるが、種々の機能性材料としてその他の樹脂との密着性を考慮する場合には、極性置換基であるフェノール水酸基がビニルエーテル基に対して多量に存在するのが好ましく、また、レジスト材料としての感度はビニルエーテルとのアセタール結合数も重要であるため、好ましくは30:70〜75:25、さらに好ましくは50:50〜70:30が好ましい。
本発明のハイパーブランチポリマーは、主鎖が酸分解性構造を有することが好ましく、特にアセタール構造を有することが好ましい。ハイパーブランチポリマーの主鎖がアセタール構造を有する場合、酸と反応させることにより容易に分解させることができる。この様なアセタール構造は、熱、光、還元剤等の酸以外の刺激に対しては安定であるため、本発明のハイパーブランチポリマーは、酸の非存在下において高い安定性を有する。
本発明のハイパーブランチポリマーの数平均分子量(Mn)は、例えば1000〜10000程度、好ましくは1100〜6000程度、さらに好ましくは1300〜3500程度である。分子量分布(Mw/Mn)は、例えば1.10〜50.0程度、好ましくは1.15〜40程度、さらに好ましくは1.17〜30程度である。なお、重合体の数平均分子量は、例えばGPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法)により、標準ポリスチレン換算の値として算出することができる。特定の分子量範囲に限定されるものではないが、数平均分子量(Mn)が10000を超えると、溶解性や光透過性に劣ることがあるので、分子量10000以下が望ましい。また、分子量分布についても、特定の分布に限定されるものではないが、製造の安定化、品質管理上、分子量分布は50以下が望ましい。
本発明のハイパーブランチポリマーは、塗料、インキ、接着剤、樹脂フィラー、各種成形材料、ナノメートルサイズの多孔形成剤、化学的機械的研磨剤、機能物質の担時材料、ナノカプセル、フォトニック結晶、レジスト材料、光学材料、印刷材料、医用材料及び磁性材料等に用いることができ、その用途に応じてその他の成分を配合し、組成物として用いてもよい。
特に、本発明のハイパーブランチポリマーを感光性樹脂組成物、例えばレジスト材料として使用する場合は、該ポリマーを有機溶剤(レジスト用溶剤)に溶解させた溶液(フォトレジスト用ポリマー溶液)に光酸発生剤を添加すること等により調製できる。
[光酸発生剤]
光酸発生剤としては、露光により効率よく酸を生成する慣用乃至公知の化合物、例えば、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩(例えば、ジフェニルヨードヘキサフルオロホスフェートなど)、スルホニウム塩(例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネートなど)、スルホン酸エステル[例えば、1−フェニル−1−(4−メチルフェニル)スルホニルオキシ−1−ベンゾイルメタン、1,2,3−トリスルホニルオキシメチルベンゼン、1,3−ジニトロ−2−(4−フェニルスルホニルオキシメチル)ベンゼン、1−フェニル−1−(4−メチルフェニルスルホニルオキシメチル)−1−ヒドロキシ−1−ベンゾイルメタンなど]、オキサチアゾール誘導体、s−トリアジン誘導体、ジスルホン誘導体(ジフェニルジスルホンなど)、イミド化合物、オキシムスルホネート、ジアゾナフトキノン、ベンゾイントシレートなどを使用できる。これらの光酸発生剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
光酸発生剤の使用量は、光照射により生成する酸の強度やハイパーブランチポリマーにおける各繰り返し単位の比率などに応じて適宜選択でき、例えば、該ハイパーブランチポリマー100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜25重量部、さらに好ましくは1〜20重量部程度の範囲から選択できる。
[有機溶剤(レジスト用溶剤)]
有機溶剤(レジスト用溶剤)としては、前記重合溶媒として例示したグリコール系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、これらの混合溶媒などが挙げられる。これらのなかでも、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、これらの混合液が好適に用いられる。
[感光性樹脂組成物中のポリマー濃度]
感光性樹脂組成物中のハイパーブランチポリマーの濃度は、例えば、0.1〜70重量%程度、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜30重量%である。
感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(例えば、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、カルボキシル基含有樹脂など)などのアルカリ可溶成分、着色剤(例えば、染料など)などを含んでいてもよい。
こうして得られる感光性樹脂組成物を基材又は基板上に塗布し、乾燥した後、所定のマスクを介して、塗膜(レジスト膜)に光線を露光して(又は、さらに露光後ベークを行い)潜像パターンを形成し、次いで現像することにより、微細なパターンを高い精度で形成できる。
基材又は基板としては、シリコンウエハ、金属、プラスチック、ガラス、セラミックなどが挙げられる。レジスト組成物の塗布は、スピンコータ、ディップコータ、ローラコータなどの慣用の塗布手段を用いて行うことができる。塗膜の厚みは、例えば0.01〜20μm、好ましくは0.02〜2μm程度である。
[露光方法]
露光には、種々の波長の光線、例えば、紫外線、X線などが利用でき、半導体レジスト用では、通常、g線、i線、エキシマレーザー(例えば、XeCl、KrF、KrCl、ArF、ArClなど)、極端紫外光(EUV)などを使用することができる。本発明のレジスト組成物(リソグラフィー用組成物)は、特に、波長220nm以下の遠紫光での露光に適している。露光エネルギーは、例えば1〜1000mJ/cm2、好ましくは2〜100mJ/cm2程度である。
光照射により光酸発生剤から酸が生成し、この酸により、架橋部分のアセタール結合が酸により切断されて、露光部のポリマー鎖は低分子量化する。そのため、水又はアルカリ現像液による現像により、所定のパターンを精度よく形成できる。
上述の工程によりパターンを形成することにより、高精度かつ効率よく半導体の製造を行うことができる。
[ハイパーブランチポリマーの製造]
本発明のハイパーブランチポリマーは、前記のフェノール誘導体と前記の多官能ビニルエーテル化合物を重合反応に付すことによって製造することができる。
重合反応に用いるフェノール誘導体と多官能ビニルエーテル化合物の使用量は、特に限定されないが、フェノール誘導体と多官能ビニルエーテル化合物の仕込み比を変更することで、反応によって合成される多分岐型ポリマー(ハイパーボランチポリマー)の末端基の構造をコントロールすることが可能である。重合反応に用いる多官能ビニルエーテル化合物に対して、フェノール誘導体を官能基当量として0.5〜3.0倍、好ましくは1.0〜2.0倍、さらに好ましくは1.1〜1.7倍用いることができる。前記範囲でフェノール誘導体を反応に用いることで、末端基の多くがフェノール性水酸基であって、相当量の分子量を有する多分岐型ポリマーを合成することが可能である。
上記重合反応において使用される重合触媒としては、公知乃至慣用の重合触媒を用いることができ、特に限定されないが、例えば、酸触媒、塩基触媒などが挙げられる。酸触媒としては、硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム、三フッ化ホウ素等を挙げることができる。これらのなかでは、特に、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム等が好ましく用いられる。なお、上記重合触媒は一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。
上記重合触媒の使用量(添加量)は、特に限定されないが、重合体を構成するフェノール誘導体と多官能ビニルエーテル化合物の全量100モルに対して、0.1〜100モルが好ましく、より好ましくは1〜50モルである。触媒の使用量が0.1モル未満であると、ポリマーの収率が低くなる場合がある。一方、触媒の使用量が100モルを超えると、コスト面や触媒除去の観点から問題となる場合がある。
上記重合反応に用いる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン(1,3,5−トリメチルベンゼン)、プソイドクメン(1,2,4−トリメチルベンゼン)、テトラメチルベンゼン、ヘキサメチルベンゼン、エチルベンゼン、エチルトルエン、プロピルベンゼン、エチルキシレン、ジエチルキシレン、プロピルトルエン、モノクロロベンゼン(クロロベンゼン)、ジクロロベンゼン、モノフルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、モノブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、ニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素;塩化メチル、塩化メチレン(ジクロロメタン)、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエチレン、1−クロロブタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素などが挙げられる。前記溶媒としては、特にクロロホルム等のハロゲン化炭化水素やモノクロロベンゼン(クロロベンゼン)、ニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素が好ましく用いられる。溶媒は一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて(即ち、混合溶媒として)使用することもできる。
上記溶媒の使用量は、特に限定されないが、カチオン重合触媒及び重合体の溶解性等の観点で、フェノール誘導体と多官能ビニルエーテル化合物の全量100重量部に対し、10〜5000重量部が好ましく、より好ましくは100〜2000重量部である。
上記重合反応の重合温度(反応温度)としては、カチオン重合が通常実施される反応温度を採用することができ、特に限定されないが、例えば、0℃〜60℃の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは25℃である。また、上記重合反応の重合時間(反応時間)は、特に限定されないが、例えば1〜72時間の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは2〜24時間で、さらに好ましくは3〜6時間の範囲である。
上記重合反応は、特に限定されず、空気中、不活性ガス雰囲気等のいずれの雰囲気においても実施することができる。
本発明の重合体の製造方法は、上記重合工程の後、さらに、得られた重合体を精製する工程を含んでいてもよい。重合体の精製手段は、特に限定されず、例えば、水洗、アルカリ洗浄、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、分液、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段などの、公知乃至慣用の精製手段を利用できる。本発明の重合体の製造方法は、未反応の原料やカチオン重合触媒などを回収する工程等の、その他の工程を含んでいてもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
3mlのクロロホルム、2mmol(0.615g)の1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタ(官能基等量6mmol)、0.5mmol(0.126g)のp−トルエンスルホン酸ピリジニウムを50mLナス型フラスコに張り込み、攪拌、溶解させた。このナス型フラスコに、2mlのクロロホルムに溶解させた2mmol(0.325g)の1,4−ジビニルオキシシクロヘキサンを、シリンジを用いて滴下した。室温で24時間反応を行った後、0.75mmol(0.076g)トリエチルアミンを用いてクエンチし、飽和炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で有機層を数回洗浄した。次に、硫酸マグネシウムを用いて上記の有機層を脱水し、エバポレーターにて濃縮した。さらに、ヘキサンを用いた再沈殿法により固体を析出させ、メンブレンフィルターを用いて濾過、回収し、乾燥させたところ、得られた反応生成物(重合体)の収量は0.219gであり、Mnは1200、Mw/Mnは1.75であった。なお、反応生成物(重合体)の分子量は、サイズ排除クロマトグラフ法(SEC法)により求めた。
上記で得た重合体の1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンに由来する構造単位と1,4−ジビニルオキシシクロヘキサンに由来する構造単位の単位比は、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン:1,4−ジビニルオキシシクロヘキサン=51:49であった。図1に、前記重合体の1H−NMRスペクトルのチャートを示す。また、1H−NMRスペクトルのピークが重合体のどのプロトンに帰属されるかについても図1に示した。
1H−NMR:δ[ppm]0.60〜2.18(m,36H)、3.16〜3.83(m,11H)、4.52〜4.89(m,1H)、5.19〜5.62(m,2H)、6.43〜7.02(m,13H)、9.05〜9.38(m,1H)
なお、前記構造単位の単位比はベンゼン環に由来するピーク(図中のHb及びHc)とメチンに由来するピーク(図中のHf)のピーク強度によって算出した。
また、IRスペクトル測定を行った所、1043、1055、1125cm-1にC−O−Cの伸縮振動に起因するピークが確認されることから、主鎖にアセタール構造を有する重合体が生成していることが確認された。なお、IRスペクトルのチャートを図4に示した。
<実施例2>
1,4−ジビニルオキシシクロヘキサンを3mmol(0.503g)用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行った。得られた固体の収量は0.47gであり、Mnは1600、Mw/Mnは2.19であった。なお、反応生成物(重合体)の分子量は、サイズ排除クロマトグラフ法(SEC法)により求めた。
前記の反応生成物(重合体)の1H−NMRスペクトル測定を行ったところ、主鎖にアセタール構造を有する重合体が生成していることが確認された。また、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンに由来する構造単位と1,4−ジビニルオキシシクロヘキサンに由来する構造単位の単位比は51:49であった。図2に、前記の重合体の1H−NMRスペクトルのチャートを示す。また、1H−NMRスペクトルのピークが前記の重合体のどのプロトンに帰属されるかについても図2に示した。
1H−NMR:δ[ppm]0.75〜2.05(m,48H)、3.42〜3.74(m,6H)、4.48〜4.87(m,2H)、5.27〜5.58(m,3H)、6.52〜7.00(m,15H)、9.11〜9.34(m,1H)
なお、前記構造単位の単位比はベンゼン環に由来するピーク(図中のHb及びHc)とメチンに由来するピーク(図中のHf)のピーク強度によって算出した。
また、IRスペクトル測定を行った所、1044、1055,1127cm-1にC−O−Cの伸縮振動に起因するピークが確認されることから、主鎖にアセタール構造を有する重合体が生成していることが確認された。なお、IRスペクトルのチャートを図5に示した。
<実施例3>
3mlのクロロホルム、2mmol(0.615g)の1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(官能基等量6mmol)、0.5mmol(0.126g)のp−トルエンスルホン酸ピリジニウムを50mLナス型フラスコに張り込み、攪拌、溶解させた。このナス型フラスコに、2mlのクロロホルムに溶解させた4mmol(0.673g)の1,4−ジビニルオキシシクロヘキサンを、シリンジを用いて滴下した。室温で24h反応を行った後、0.75mmol(0.076g)トリエチルアミンを用いてクエンチし、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で有機層を数回洗浄した。次に、硫酸マグネシウムを用いて前記の有機層を脱水し、エバポレーターにて濃縮したところ、ゲル状の反応生成物(重合体)を得た。ゲル状の反応生成物(重合体)の収量は0.796gであった。なお、該ゲル状の反応生成物(重合体)は有機溶媒には不溶であった。
前記ゲル状の反応生成物(重合体)のIRスペクトル測定を行った所、1043,1049、1120cm-1にC−O−Cの伸縮振動に起因するピークが確認されることから、主鎖にアセタール構造を有する重合体が生成していることが確認された。なお、IRスペクトルのチャートを図6に示した。
<実施例4>
1,4−ジビニルオキシシクロヘキサンを6mmol(0.995g)用いたこと以外は実施例4と同様の操作を行ったところ、ゲル状の反応生成物(重合体)を得た。ゲル状の反応生成物(重合体)の収量は1.145gであった。なお、ゲル状の反応生成物(重合体)は有機溶媒には不溶であった。
前記ゲル状の反応生成物(重合体)のIRスペクトル測定を行った所、1042、1092cm-1にC−O−Cの伸縮振動に起因するピークが確認されることから、主鎖にアセタール構造を有する重合体が生成していることが確認された。なお、IRスペクトルのチャートを図7に示した。
<実施例5>
ニトロベンゼンとクロロベンゼンを質量比でニトロベンゼン:クロロベンゼン=5:15となるように混合し、混合溶媒を作成した。3mlの前記混合溶媒、2mmol(0.615g)の1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(官能基等量6mmol)、0.5mmol(0.126g)のp−トルエンスルホン酸ピリジニウムを50mLナス型フラスコに張り込み、攪拌、溶解させた。このナス型フラスコに、2mlの前記混合溶媒に溶解させた3mmol(0.503g)の1,4−ジビニルオキシシクロヘキサンを、シリンジを用いて滴下した。室温で24時間反応を行った後、0.75mmol(0.076g)トリエチルアミンを用いてクエンチし、飽和炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で有機層を数回洗浄した。次に、硫酸マグネシウムを用いて上記の有機層を脱水し、エバポレーターにて濃縮した。さらに、ヘキサンを用いた再沈殿法により固体を析出させ、メンブレンフィルターを用いて濾過、回収し、乾燥させたところ、得られた反応生成物(重合体)の収量は0.460gであり、Mnは5300、Mw/Mnは26.90であった。なお、反応生成物(重合体)の分子量は、サイズ排除クロマトグラフ法(SEC法)により求めた。
上記で得た重合体の1H−NMR(400MHz)スペクトル測定(測定溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド)を行ったところ、主鎖にアセタール構造を有する重合体が生成していることが確認された。
また、該重合体の1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンに由来する構造単位と1,4−ジビニルオキシシクロヘキサンに由来する構造単位の単位比は、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン:1,4−ジビニルオキシシクロヘキサン=40:60であった。図3に、前記重合体の1H−NMRスペクトルのチャートを示す。また、1H−NMRスペクトルのピークが重合体のどのプロトンに帰属されるかについても図3に示した。
1H−NMR:δ[ppm]0.69〜2.08(m,70H)、2.92〜3.25(m,6H)、5.35〜5.61(m,4H)、6.69〜7.07(m,15H)、9.45〜9.74(m,1H)
なお、前記構造単位の単位比はベンゼン環に由来するピーク(図中のHb及びHc)とメチンに由来するピーク(図中のHf)のピーク強度によって算出した。
また、IRスペクトル測定を行った所、1045、1077、1122cm-1にC−O−Cの伸縮振動に起因するピークが確認されることから、主鎖にアセタール構造を有する重合体が生成していることが確認された。なお、IRスペクトルのチャートを図8に示した。
<実施例6>
実施例2で得られた重合体0.0884g及びトリフェニルスルホニウムノナフレート(TPS−Nf)0.00884gを1mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、感光性樹脂組成物を作成した。前記の感光性樹脂組成物を、スピンコーターを用いてアルミ箔上に塗布した後、紫外線を照射してIRスペクトルの変化を観察した。なお、図9は紫外線照射前のIRスペクトル、図10は紫外線照射後のIRスペクトルを示している。紫外線照射前後のIRスペクトル(図9と図10)を比較すると、1122、1060、1049cm-1のピーク(C−O−Cの伸縮振動に由来するピーク)が大幅に減少していること、3300cm-1付近のピーク(O−Hの伸縮振動に由来するピーク)が大幅に増加していた。ここから、紫外線照射によって発生した光酸発生剤由来の酸によって、重合体(ハイパーブランチポリマー)のアセタール構造が分解(解離)したことがわかった。

Claims (12)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 2018028106

    (式中、R11は水素原子又は1価の炭素数1〜3のアルキル基を示し、R12は同一又は異なって、水素原子又はヒドロキシル基の脱離性の保護基を示す。3個のかっこ内の基は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。)
    で表されるフェノール誘導体と、下記一般式(II)
    Figure 2018028106

    (式中、R21は水素原子又は炭素数1〜16のアルキル基を示し、R22及びR23は同一又は異なって、水素原子、アルキル基、又はシクロアルキル基を示す。R21、R22、R23は、その少なくとも2つが互いに結合して、隣接する1又は2個の炭素原子とともに環を形成していてもよい。X1はk価の有機基であって、脂環式炭化水素基又は複素環式基を少なくとも含む基を表す。kは2以上の整数である。k個のかっこ内の基は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。)
    で表される多官能ビニルエーテル化合物に由来する構造を含むハイパーブランチポリマー。
  2. 前記一般式(I)で表されるフェノール誘導体と、前記一般式(II)で表される多官能ビニルエーテル化合物に由来する構造を含み、ビニルエーテル基を1個有する1価ビニルエーテル化合物に由来する構造を含まない請求項1に記載のハイパーブランチポリマー。
  3. 前記の多官能ビニルエーテル化合物が下記一般式(III)
    Figure 2018028106

    (式中、X2は2価の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式基又はこれらが2以上結合した基であって、脂環式炭化水素基又は複素環式基を少なくとも含む基であり、炭素数が1〜30である基を示す。前記の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式基及びこれらが2以上結合した基は、置換基としてヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、スルホ基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を有していてもよい。)
    である請求項1に記載のハイパーブランチポリマー。
  4. 前記式(III)のX2が2価の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、複素環式基又はこれらが2以上結合した基であって、脂環式炭化水素基又は複素環式基を少なくとも含む基であり、炭素数が4〜10の基である請求項3に記載のハイパーブランチポリマー。
  5. 前記のフェノール誘導体が1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンであり、さらに前記の多官能ビニルエーテル化合物がシクロヘキサン1,4−ジビニルエーテルである請求項1〜4のいずれかの項に記載のハイパーブランチポリマー。
  6. 数平均分子量が1000〜10000である請求項1〜5のいずれかの項に記載のハイパーブランチポリマー。
  7. 請求項1〜6のいずれかの項に記載のハイパーブランチポリマー、光酸発生剤及び有機溶剤を含む感光性樹脂組成物。
  8. レジスト材料である請求項7に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 請求項7又は8に記載の感光性樹脂組成物の硬化物であるパターン。
  10. 請求項7又は8に記載の感光性樹脂組成物を基材又は基板上に塗布し、乾燥した後、所定のマスクを介して、塗膜(レジスト膜)に光線を露光して潜像パターンを形成し、次いで現像することを特徴とするパターン形成方法。
  11. 下記一般式(I)
    Figure 2018028106

    (式中、R11は水素原子又は1価の炭素数1〜3のアルキル基を示し、R12は同一又は異なって、水素原子又はヒドロキシル基の脱離性の保護基を示す。3個のかっこ内の基は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。)
    で表されるフェノール誘導体と、下記一般式(II)
    Figure 2018028106

    (式中、R21は水素原子又は炭素数1〜16のアルキル基を示し、R22及びR23は同一又は異なって、水素原子、アルキル基、又はシクロアルキル基を示す。R21、R22、R23は、その少なくとも2つが互いに結合して、隣接する1又は2個の炭素原子とともに環を形成していてもよい。X1はk価の有機基であって、脂環式炭化水素基又は複素環式基を少なくとも含む基を表す。kは2以上の整数である。k個のかっこ内の基は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。)
    で表される多官能ビニルエーテル化合物とを反応させて、ハイパーブランチポリマーを得ることを特徴とするハイパーブランチポリマーの製造方法。
  12. 前記一般式(I)で表されるフェノール誘導体と、前記一般式(II)で表される多官能ビニルエーテル化合物とを反応させて、ビニルエーテル基を1個有する1価ビニルエーテル化合物に由来する構造を含まないハイパーブランチポリマーを得る、請求項11に記載のハイパーブランチポリマーの製造方法。
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