JP2018027917A - グルコースのp−クマル酸配糖体の安定化方法、およびそれを用いたグルコースのp−クマル酸配糖体溶液の製造方法 - Google Patents

グルコースのp−クマル酸配糖体の安定化方法、およびそれを用いたグルコースのp−クマル酸配糖体溶液の製造方法 Download PDF

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Masahiro Umehara
将洋 梅原
高次 柳江
Koji Yanae
高次 柳江
瀬戸口 裕子
Hiroko Setoguchi
裕子 瀬戸口
政彦 齋
Masahiko Sai
政彦 齋
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Abstract

【課題】グルコースのp−クマル酸配糖体の安定化方法、及びそれを用いたグルコースのp−クマル酸配糖体溶液の製造方法の提供。【解決手段】グルコースのp−クマル酸配糖体溶液のpHを2.0〜6.0、好ましくは2.0〜5.0、より好ましくは2.0〜4.3、特に好ましくは3.6〜4.2に調整する工程を行うことによって、グルコースのp−クマル酸配糖体溶液に含まれるグルコースのp−クマル酸配糖体を安定化する方法。前記安定化方法を用いてグルコースのp−クマル酸配糖体溶液中のp−クマル酸配糖体を安定化することによって、安定なグルコースのp−クマル酸配糖体溶液を製造する方法。前記p−クマル酸配糖体がグルコースの4位又は6位における配糖体である、安定化方法。前記p−クマル酸配糖体がヘチマ抽出液である安定化方法。【選択図】なし

Description

本発明は、グルコースのp−クマル酸配糖体溶液における、グルコースのp−クマル酸配糖体の安定化方法、およびそれを用いたグルコースのp−クマル酸配糖体溶液の製造方法に関する。
これまで、ヘチマ抽出物は、化粧品や健康食品などに用いられている(例えば、特許文献1〜2参照)。
特開2004−339140 特開2007−300869
本発明は、グルコースのp−クマル酸配糖体溶液における、グルコースのp−クマル酸配糖体の安定化方法、およびそれを用いたグルコースのp−クマル酸配糖体溶液の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ヘチマ抽出液を保存して時間が経つにつれ、ヘチマ抽出液に含まれるグルコースにクマル酸が結合したp−クマル酸配糖体が減少することを見出し、本発明にいたった。なお、本明細書では、グルコースの1位、4位、または6位にp−クマル酸が結合した配糖体(それぞれ、1−O−p−coumaroyl−β−glucose、4−O−p−coumaroyl−glucose、または6−O−p−coumaroyl−glucose)を、それぞれp−クマル酸1位配糖体または単に1位配糖体、p−クマル酸4位配糖体または単に4位配糖体、p−クマル酸6位配糖体または単に6位配糖体と呼ぶ。また、p−クマル酸配糖体とは、上記3種の配糖体の総称とする。
本発明の一実施態様は、グルコースのp−クマル酸配糖体溶液における、グルコースのp−クマル酸配糖体の安定化方法であって、前記p−クマル酸配糖体溶液のpHを2.0〜6.0、2.0〜5.0、2.0〜4.3、または3.6〜4.2に調整する工程を含む安定化方法である。本方法において、前記p−クマル酸配糖体が、グルコースの1位、4位または6位におけるp−クマル酸配糖体であってもよい。また、前記p−クマル酸配糖体溶液がヘチマ抽出液であってもよい。
本発明の他の一実施態様は、グルコースのp−クマル酸配糖体が安定化された、グルコースのp−クマル酸配糖体溶液の製造方法であって、p−クマル酸配糖体溶液を調製する工程と、上記いずれかに記載の安定化方法を用いて、前記p−クマル酸配糖体溶液中のグルコースのp−クマル酸配糖体を安定化する工程と、を含む、グルコースのp−クマル酸配糖体溶液の製造方法である。
本発明のさらなる一実施態様は、グルコースのp−クマル酸配糖体が安定化されたヘチマ抽出液の製造方法であって、ヘチマからヘチマ抽出液を調製する工程と、上記いずれかに記載の安定化方法を用いて、前記ヘチマ抽出液中のグルコースのp−クマル酸配糖体を安定化する工程と、を含む、ヘチマ抽出液の製造方法である。
本発明によって、グルコースのp−クマル酸配糖体溶液における、グルコースのp−クマル酸配糖体の安定化方法、およびそれを用いたグルコースのp−クマル酸配糖体溶液の製造方法を提供することができるようになった。
本発明に係る一実施例において、ヘチマ抽出液より精製したp−クマル酸配糖体を80℃で保存した場合の(A)p−クマル酸1位配糖体(B)p−クマル酸4位配糖体(C)p−クマル酸6位配糖体の残存量の時間的変化を示すグラフである。 本発明に係る一実施例において、ヘチマ抽出液を(A)50℃または(B)100℃で保存した場合のp−クマル酸4位配糖体の残存量の時間的変化を示すグラフである。
本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的に実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図並びに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々な改変並びに修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
==グルコースのp−クマル酸配糖体の安定化方法==
本発明の一実施態様は、グルコースのp−クマル酸配糖体溶液における、グルコースのp−クマル酸配糖体の安定化方法であって、p−クマル酸配糖体溶液のpHを酸性に調整する工程を含む。pHの下限値として、pH2.0以上に調整することが好ましく、pH2.2以上にすることがより好ましく、pH3.6以上にすることがさらに好ましい。また、pHの上限値としては、pH6.0以下にすることが好ましく、pH5.0以下にすることがより好ましく、pH4.3以下にすることがさらに好ましく、pH4.2以下にすることがさらに好ましく、pH4.0以下にすることがさらに好ましい。特にpH2.0〜5.0に調整することが好ましく、pH2.0〜4.3に調整することがより好ましく、pH3.6〜4.2に調整することがさらに好ましい。これによって、グルコースのp−クマル酸配糖体溶液中のグルコースのp−クマル酸配糖体の少なくとも一つが安定に存在するようになり、グルコースのp−クマル酸配糖体溶液に含まれるグルコースのp−クマル酸配糖体の少なくとも一つを安定化することができる。従って、グルコースのp−クマル酸配糖体溶液に含まれるグルコースのp−クマル酸配糖体の少なくとも一つをこのようにして安定化した後で保存することによって、グルコースのp−クマル酸配糖体溶液を安定に保存することができる。
具体的なpHの調整方法は特に限定されないが、グルコースのp−クマル酸配糖体溶液に酸を添加して、目的のpHに調整すれば良い。用いる酸は特に限定されないが、塩酸、リン酸、クエン酸、酢酸、炭酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、フマル酸、乳酸、アジピン酸、コハク酸、酒石酸、フィチン酸、グルコン酸、またはそれらの塩が好ましい。
==安定なグルコースのp−クマル酸配糖体溶液の製造方法==
本発明の一実施態様は、グルコースのp−クマル酸配糖体が安定化されたグルコースのp−クマル酸配糖体溶液の製造方法であって、グルコースのp−クマル酸配糖体溶液を調製する工程と、グルコースのp−クマル酸配糖体溶液中のグルコースのp−クマル酸配糖体を安定化する工程と、を含む方法である。
グルコースのp−クマル酸配糖体溶液を調製する方法は特に限定されず、例えばグルコースのp−クマル酸配糖体を、水、水溶液、緩衝液などに溶解すればよい。あるいは、グルコースのp−クマル酸配糖体を含む植物(例えば、ベリー、イチゴ、クロスグリ、アーチチョーク、苦丁茶、サクラ、カニクサなど)の抽出液を調製してもよい。後者の調製方法は、ヘチマを例にして後述する。
そして、グルコースのp−クマル酸配糖体溶液中のグルコースのp−クマル酸配糖体を安定化する方法は、上記「グルコースのp−クマル酸配糖体溶液の安定化方法」に従って行うことができる。このようにして、安定なグルコースのp−クマル酸配糖体溶液(すなわち、グルコースのp−クマル酸配糖体が安定化されたグルコースのp−クマル酸配糖体溶液)を製造することができる。
==ヘチマ抽出液の調製方法==
ヘチマ抽出液を調製するために用いるヘチマは特に限定されず、ヘチマ属に属する植物の果実であれば、特に限定されない。
ヘチマ抽出液の具体的な調製方法として、公知の方法を用いることができ、例えば、ヘチマを、乾燥した後に、破砕、粉砕、または、切断などによってヘチマ分解物を得、溶媒を用いて抽出し、残渣を除去することによって、抽出液を得ることができる。また、ヘチマを生の状態で破砕、粉砕、または切断などによってヘチマ分解物を得、ヘチマ分解物を直接または溶媒を添加した状態で圧搾機などに投入して搾汁抽出液を得ることができる。この段階のいずれのものも、本発明のヘチマ抽出液として使用することができる。抽出液は有機溶媒を含まないものが好ましいが、抽出過程で有機溶媒が含まれる場合でも、実質的にpHが測定できるものであれば、抽出液として用いることができる。抽出に使用する有機溶媒の具体例は、以下の通りである。
抽出に用いる溶媒の種類は、当業者であれば適切に選択することができるが、例えば、水、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、2-プロパノール、1,4-ジオキサン、ヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、または、これらから選択される2以上の溶媒の混合溶媒であっても良く、水、エタノール、1,3-ブチレングリコール、または、これらから選択される2以上の溶媒の混合溶媒であることが好ましく、水、エタノール、または、水およびエタノールの混合溶媒であることがより好ましい。混合溶媒を用いる場合の、各溶媒の混合比は特に限定されないが、例えば水およびエタノールの混合溶媒を用いる場合には、水とエタノールとの体積比は、1:99〜99:1であっても良く、3:97〜80:20であることが好ましく、5:95〜50:50であることがより好ましく、10:90〜40:60であることが特に好ましい。
抽出に用いる溶媒として、水、または、水との混合溶媒を用いる場合には、熱水、または、熱水との混合溶媒であることが好ましい。水、または、水との混合溶媒は酸またはその塩を含んでいても良く、そのpHは、特に限定されず、酸性、中性、または、アルカリ性のいずれであっても良いが、酸性であることが好ましく、pH6以下であることがより好ましく、pH5以下であることがさらに好ましい。溶媒に用いる酸またはその塩の種類は特に限定されず、例として、クエン酸、リンゴ酸、リン酸、酢酸および炭酸またはそれらの塩などが挙げられる。
抽出液から溶媒を除去したい場合、その方法は特に限定されず公知の方法を用いることができる。例えば、減圧留去、凍結乾燥、または、スプレードライ(噴霧乾燥)であっても良い。
抽出液から液体成分を除去して得られる抽出物の形状は、特に限定されず、例えば粉体などの固体状、アモルファス状、または、オイル状であっても良い。
こうして得られた抽出物を再度溶媒に溶解させた溶液を抽出液として用いてもよい。この溶解工程では、上述した抽出工程で用いる溶媒と同様の溶媒を用いることができる。
このように得られたヘチマ抽出液に対し、上述したグルコースのp−クマル酸配糖体の安定化方法を適用することによって、ヘチマ抽出液を安定化することができるようになる。
==安定なヘチマ抽出液の製造方法==
また、本発明の一実施態様は、グルコースのp−クマル酸配糖体が安定化されたヘチマ抽出液の製造方法であって、ヘチマからヘチマ抽出液を調製する工程と、ヘチマ抽出液中のグルコースのp−クマル酸配糖体を安定化する工程と、を含む方法である。ヘチマからヘチマ抽出液を調製する方法は、上記「ヘチマ抽出液の調製方法」に従って行うことができる。そして、ヘチマ抽出液中のグルコースのp−クマル酸配糖体を安定化する方法は、上記「グルコースのp−クマル酸配糖体の安定化方法」に従って行うことができる。このようにして、安定なヘチマ抽出液(すなわち、グルコースのp−クマル酸配糖体が安定化されたヘチマ抽出液)を製造することができる。
==グルコースのp−クマル酸配糖体溶液の使用方法==
グルコースのp−クマル酸配糖体が安定化された、ヘチマ抽出液などのグルコースのp−クマル酸配糖体溶液の使用方法は特に限定されないが、医薬、薬品、化粧品、食料品などあらゆる分野での用途が考えられる。
[実施例1] 80℃での保存試験
沖縄産ヘチマを乾燥し、含水エタノール(水:エタノール=20:80(v/v))で還流抽出した。含水エタノール抽出溶液を、適量にまで濃縮した後、スプレードライすることによって、ヘチマ抽出物を粉体として得た。得られた抽出物を、セパビーズSP70(芳香族系樹脂、三菱化学株式会社製)を用いた固相抽出、順相シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(Wakogel FC−40、和光純薬工業株式会社製)、およびODS−HPLCにより分離・精製を行い、p−クマル酸1位配糖体、4位配糖体、および6位配糖体を得た。
[ODS−HPLCによる分離・精製条件]
カラム:Mightsil RP−18GP 20×250mm(粒子径:5μm)関東化学株式会社製
検出波長:320nm
流速:5.0mL/min
展開溶媒:8%(アセトニトリル+1%酢酸)−92%(純水+1%酢酸)(アイソクラティック、15min)→ 35%(アセトニトリル+1%酢酸)−65%(純水+1%酢酸)(グラジエント、34min)
・UV検出:320nm
得られたp−クマル酸配糖体は、H−NMRおよび13C−NMRの測定、並びに、質量分析によって、目的物であると同定した。以下にデータを示す。
1位配糖体
1H-NMR(700MHz、CD3OD):3.34-3.46(4H、overlap)、3.68(1H、dd、J=11.8、5.0)、3.84(1H、dd、J=11.8、1.9)、5.56(1H、d、J=8.0)、6.36(1H、d、J=16.0)、6.81(2H、d、J=8.6)、7.48(2H、d、J=8.6)、7.72(1H、d、J=16.0)。
13C-NMR(175MHz、CD3OD):60.9、69.7、72.6、76.6、77.4、94.4、113.1、115.5(2C)、125.6、130.0(2C)、146.5、160.2、166.3。
MS(ESI)m/z:325.4(M-H)-
4位配糖体
1H-NMR(700MHz、CD3OD):3.24(0.43H、dd、J=9.2、8.0)、3.47(0.57H H、dd、J=9.6、3.9)、3.50-3.54(2H、overlap)、3.58(0.43H、dd、J=12.3、2.5)、3.61(0.43H、dd、J=9.3、9.2)、3.90(0.57H H、dd、J=9.6、9.2)、3.99(0.57H H、ddd、J=7.8、5.3、2.4)、4.53(0.43H、d、J=8.0)、4.82-4.85(1H、overlap)、5.15(0.57H H、d、J=3.9)、6.37(0.9H、d、J=15.9)、6.37(1.1H、d、J=15.9)、6.80(2H、d、J=8.5)、7.47(0.9、d、J=8.5)、7.47(1.1、d、J=8.5)、7.66(1H、d、J=15.9)。
13C-NMR(175MHz、CD3OD):62.5、62.6、71.2、72.7、72.7、72.9、73.9、75.9、76.2、76.4、93.9、98.3、114.8、115.0、116.8(4C)、127.1、127.2、131.3(4C)、147.1、147.2、161.4、161.4、168.6、168.7。
MS(ESI)m/z:325.2(M-H)-
6位配糖体
1H-NMR(700MHz、CD3OD):3.15(0.5H、dd、J=8.6、8.0)、3.32-3.38(2H、overlap)、3.54(0.5H、ddd、J=8.1、5.9、1.9)、3.69(0.5H、dd、J=9.2、9.2)、4.02(0.5H、ddd、J=7.6、5.6、1.8)、4.28(0.5H、dd、J=11.8、5.9)、4.31(0.5H、dd、J=11.8、5.6)、4.44(0.5H、dd、J=11.8、1.8)、4.49(0.5H、dd、J=11.8、2.0)、4.50(0.5H、d、J=7.8)、5.10(0.5H、d、J=3.6)、6.33(0.5H、d、J=15.9)、6.33(0.5H、d、J=15.9)、6.80(2H、d、J=8.6)、7.45(1H、d、J=8.5)、7.45(1H、d、J=8.5)、7.69(1H、d、J=15.9)。
13C-NMR(175MHz、CD3OD):64.9、65.0、69.3、70.3、70.5、72.3、73.3、74.0、74.7、76.5、94.1、98.3、113.4、113.5、115.3(4C)、125.6、125.6、129.7(4C)、145.2、145.2、159.8、159.8、167.6、167.7。
MS(ESI)m/z:325.2(M-H)-
各p−クマル酸配糖体0.11mgを、0.2M Na2HPO4−0.1Mクエン酸を用いた各pHの緩衝液3.4mLに室温にて溶解させることによって、pH2.2、pH3.0、pH4.0、pH5.0、pH6.0、pH7.0、pH8.0の各p−クマル酸配糖体溶液を調製した。得られたp−クマル酸配糖体溶液0.4mLを、微量遠心チューブ(1.5mL)にそれぞれ移した。各微量遠心チューブを、アルミ箔を用いて遮光した後に、80℃に保たれたヒートブロック恒温槽中にいれ、保存開始時、および保存開始から4時間後に、各抽出物水溶液に含まれるp−クマル酸配糖体含量を、下記の条件のHPLCにより測定した。なお、p−クマル酸配糖体含量は、p−クマル酸の標準試薬(東京化成)を用いた検量線の結果を用いて算出した。
[HPLC条件]
・カラム:Mightysil RP−18 GP 4.6×150mm (粒子径:3μm)(関東化学株式会社製)
・カラム温度:40℃
・溶出条件:流速0.7mL/min、5%(アセトニトリル+0.1%リン酸)−95%(純水+0.1%リン酸)→ 31%(アセトニトリル+0.1%リン酸)−69%(純水+0.1%リン酸)(グラジエント、24min)
・UV検出:310nm
保存開始時のp−クマル酸配糖体量を100とした場合の、保存開始から4時間後までのp−クマル酸配糖体含量の測定結果を図1に示す。
1位配糖体(pCA−Glu(1))については、4時間後、pH5以下において、ほぼ50%残存しているが、pH6.0以上になると、ほぼ検出できなくなる。このように、1位配糖体は、pH2.2以上で、pH6.0未満、特にpH5.0以下、さらに好ましくはpH3.0〜pH4.0にすることによって、安定して保存することができるようになる。
4位配糖体(pCA−Glu(4))については、4時間後、pH4以下において、ほぼ100%残存しているが、pH5.0以上になると、残存率は30%に下落する。このように、4位配糖体は、pH2.2以上で、pH5.0未満、特にpH4.0以下にすることによって、安定して保存することができるようになる。
6位配糖体(pCA−Glu(6))については、4時間後、pH6以下において、70%程度残存しているが、pH7.0以上になると、残存率は50%以下に下落する。このように、6位配糖体は、pH2.2以上で、pH7.0未満、特にpH6.0以下、さらに好ましくはpH5.0以下にすることによって、安定して保存することができるようになる。
[実施例2] 50℃での保存試験
実施例1と同様にして得たヘチマ抽出物1.9gを、以下の緩衝液17mLに室温にて溶解させることによって、pH2.0、pH3.3、pH3.7、pH4.3、pH5.0、pH5.8の抽出液を調製した(pH2.0の溶液は、0.2M塩酸−0.2M塩化カリウムを用い、それ以外は、0.2M Na2HPO4−0.1Mクエン酸を用いて、pHを調整した。)。
得られた抽出物水溶液1mLを、微量遠心チューブ(1.5mL)にそれぞれ移した。各微量遠心チューブを、アルミ箔を用いて遮光した後に、50℃に保たれた恒温器中にいれ、保存開始時、および保存開始から1日後、4日後、7日後に、各抽出物水溶液に含まれるp−クマル酸4位配糖体含量およびp−クマル酸含量を、。
保存開始時のp−クマル酸4位配糖体(pCA−Glu(4))とp−クマル酸(pCA)の量をそれぞれ100とした場合の、保存開始から7日後までのp−クマル酸4位配糖体含量とp−クマル酸含量の測定結果を図2(A)に示す。
pHが5.8以上になると、1日後に、すでに20%しかp−クマル酸4位配糖体は残存しなくなる。従って、保存開始時のpHは、5.8未満、特に5.0以下に調整することが好ましい。
また、pHが5.0以上になると、p−クマル酸4位配糖体の残存量の低下の速度が大きくなる。従って、p−クマル酸4位配糖体保存時のpHは、5.0未満、特に4.3以下に調整することが好ましい。
一方、p−クマル酸はpHに関わらず安定性に変化はなかった。このように、pHを調整する工程は、p−クマル酸に対して有効ではなく、p−クマル酸配糖体に特異的に効果がある。
[実施例3]100℃での保存試験
実施例1と同様にしてヘチマ抽出物を調製し、そのヘチマ抽出物18gとクエン酸水溶液9gを混合して、pH3.6、pH3.9、pH4.2、pH4.6の抽出物水溶液を製造した。
得られた抽出物水溶液3mLを、ねじ口試験管にそれぞれ移した。各ねじ口試験管を100℃に熱したヒートブロック恒温槽にいれ、保存開始時、および保存開始から0.5時間後、1時間後、そして2時間後の時に、各抽出物水溶液中のp−クマル酸4位配糖体含量およびp−クマル酸含量を、実施例1と同様に測定した。保存開始時のp−クマル酸4位配糖体(pCA−Glu(4))とp−クマル酸(pCA)の量をそれぞれ100とした場合の、保存開始から2時間後までのp−クマル酸4位配糖体含量とp−クマル酸含量の測定結果を図2(B)に示す。
100℃保存2時間後でも、pH4.2以下であれば、残存量が80%以上であり、p−クマル酸4位配糖体の分解が抑制される。一方で、p−クマル酸はpHに関わらず安定性に変化はなかった。
このように、p−クマル酸4位配糖体の保存時のpHは、4.6未満、特に4.2以下に調整することが好ましい。

Claims (9)

  1. グルコースのp−クマル酸配糖体溶液における、グルコースのp−クマル酸配糖体の安定化方法であって、前記p−クマル酸配糖体溶液のpHを2.0〜6.0に調整する工程を含む安定化方法。
  2. 前記p−クマル酸配糖体溶液のpHを2.0〜5.0に調整する工程を含む、請求項1に記載の安定化方法。
  3. 前記p−クマル酸配糖体溶液のpHを2.0〜4.3に調整する工程を含む、請求項1または2に記載の安定化方法。
  4. 前記p−クマル酸配糖体溶液のpHを3.6〜4.2に調整する工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の安定化方法。
  5. 前記p−クマル酸配糖体が、グルコースの4位におけるp−クマル酸配糖体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の安定化方法。
  6. 前記p−クマル酸配糖体が、グルコースの6位におけるp−クマル酸配糖体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の安定化方法。
  7. 前記p−クマル酸配糖体溶液がヘチマ抽出液である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の安定化方法。
  8. グルコースのp−クマル酸配糖体が安定化された、グルコースのp−クマル酸配糖体溶液の製造方法であって、
    p−クマル酸配糖体溶液を調製する工程と、
    請求項1〜7のいずれかに記載の安定化方法を用いて、前記p−クマル酸配糖体溶液中のグルコースのp−クマル酸配糖体を安定化する工程と、
    を含む、グルコースのp−クマル酸配糖体溶液の製造方法。
  9. グルコースのp−クマル酸配糖体が安定化されたヘチマ抽出液の製造方法であって、
    ヘチマからヘチマ抽出液を調製する工程と、
    請求項1〜7のいずれかに記載の安定化方法を用いて、前記ヘチマ抽出液中のグルコースのp−クマル酸配糖体を安定化する工程と、
    を含む、ヘチマ抽出液の製造方法。
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